JP4120387B2 - 吸気マニホールド構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸気マニホールド構造に関し、詳しくは、非常にコンパクトで省スペース性に優れた吸気マニホールド構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6に示すように、一般的なエンジンの吸気系100は、インテークマニホールド101、スロットルボディ102、エアダクト103、エアクリーナ104等に代表される種々の部品で構成され、また、これらの部品はエンジンルーム105内に収納されている。
【0003】
しかし、エンジンルーム105内のスペースは限られているため、吸気系100の構成部品数を抑制し、効率的にエンジンルーム105内のスペースを活用できるようにすることが従来から望まれていた。
そこで、例えば、特許文献1には、図7および図8に示すように、インテークマニホールド201とエンジン(図示略)との間にエアクリーナ202を配設することで、エンジンルーム内のスペースを有効利用する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−132119号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1の技術に示す吸気系200においては、エンジンとインテークマニホールド201との間にエアクリーナ202が配設されているにもかかわらず、サージタンク203、スロットル204、ダクト205等の構成部品がエアクリーナ202の上面に配設されているため、サイズが大型化してしまう。つまり、図7に示す吸気系200の上面図である図8に示すように、サージタンク203がインテークマニホールド201よりも前方(図8中矢印A方向)へ張り出してしまうので、エンジンルーム内の限られたスペースを有効活用することができない。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑み創案されたもので、部品点数を抑制した簡素な構造で、エンジンルーム内のスペースを有効に活用することができるようにした、吸気装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる請求項1記載の吸気マニホールド構造は、エンジンへ空気を供給する吸気マニホールドと、該吸気マニホールドの上流側に配設された箱状のエアクリーナケースとをそなえた吸気マニホールド構造において、該エアクリーナケースが該エンジンの上下方向に延在する壁面に沿って配設されるとともに、該吸気マニホールドの一端は、該吸気マニホールドの下流端として該エンジンに接続され、該吸気マニホールドの他端は、該吸気マニホールドの上流端として該エアクリーナケースの下方に配設されるとともにサージタンクを介してスロットルが接続され、該吸気マニホールドは、該エンジンに接続された該一端から水平方向に延在した部分から下方に屈曲した部分を有し該エンジンの気筒列方向に沿った方向から見てL字形に形成され、該エアクリーナケースは、該吸気マニホールドの垂直方向に延在する部分と該エンジンとの間に介装されていることを特徴としている。
【0008】
このように、吸気マニホールド構造の構成要素を効率的に配置することで、エンジンルームのスペースを効率的に活用することが可能となる。
また、請求項2記載の吸気装置は、上記請求項1記載の構成において、該サージタンクは、該吸気マニホールドの上流側であり且つ該エアクリーナケースの下流側において該吸気マニホールドと一体に形成されていることを特徴としている。
【0009】
また、請求項3記載の吸気マニホールド構造は、上記請求項1または2記載の構成において、該吸気マニホールドの上端が該エンジンの吸気ポートに接続されるとともに、該吸気マニホールドの下端が該エアクリーナケースの下方に配設され、該吸気マニホールドは、上端側が水平方向に延在するとともに下端側が垂直方向に延在することでL字形に形成されていることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態にかかる吸気マニホールド構造について図1〜5を用いて説明すると、図1,図2はその模式的な分解斜視図、図3はその一方の側面を示す模式的な側面図、図4はその全体構成を示す模式的な斜視図、図5はその他方の側面を示す模式的な側面図である。
【0011】
図1において、符号2はエンジン(図5の符号14参照)に吸入される空気を浄化するエアフィルタ、符号3はエアフィルタ2を内蔵するエアクリーナケース、符号6はエアフィルタ2によって浄化された吸気をエンジンの各シリンダへ供給する吸気マニホールド、符号5は吸気が吸気マニホールド6へ流入する前に一旦吸気を蓄えるサージタンク、符号4はエアクリーナケース3とサージタンク5とを接続するエアダクト、符号13はエンジンに供給される吸気量を調整するスロットルボディ(スロットル)である。
【0012】
エアクリーナケース3は、図3に示すように、エンジン14の前面に上下方向に沿って配設されている。また、吸気マニホールド6は、上記エアクリーナケース3を跨ぐようにエンジン14の上下方向に沿って配設されている。そして、その一端(上端)6aがエンジン14の吸気ポート(図示略)に接続されるとともに、他端(下端)6bがエアクリーナケース3の下部に位置するよう配設され、エンジン14下方のオイルパン15にブラケット16を介して固定されている。
【0013】
また、図1に示すように、吸気マニホールド6の他端6bに形成されたサージタンク5にはスロットルボディ13が接続されている。ここで、スロットルボディ13はエンジン14の気筒列方向に沿ってサージタンク5に接続されており、これにより、吸気マニホールド6の厚みを抑制して小型化できるようになっている。つまり、図3に示すように、サージタンク5が、エアクリーナケース3下方に配設され、且つ図1及び図4に示すように、サージタンク5とスロットルボディ13とが気筒列方向に沿うように隣接して配設されているので、スロットルボディ13が吸気マニホールド6の最前面(図3中鎖線X1参照)から前方に突出しないように構成することができる。これにより、吸気マニホールド6のサイズをコンパクトにすることが可能となっている。
【0014】
また、図1に示すように、エアクリーナケース3とスロットルボディ13とを接続するエアダクト4が、吸気マニホールド6の側面に配設されている。このエアダクト4は、図5に示すように、吸気マニホールド6の側面形状に沿った形になっており、吸気マニホールド6の最前面(図5中鎖線X1参照)から前方へ極力突出しないように構成されている。これにより、吸気マニホールド6のサイズをコンパクトにすることが可能となっている。
【0015】
ここで、吸気の流れを説明すると、図2に示すように、下部ケース10に形成された吸入口11から、吸気がエアクリーナケース3内に空気が吸入されると(図中矢印B参照)、この吸気がエアフィルタ2を通過することによって浄化され(図中矢印C参照)、浄化された吸気が上部ケース9の側面に形成された開口12よりエアダクト4内へ流入する(図2および図4中矢印D参照)ようになっている。
【0016】
そして、エアダクト4内へ流入した吸気は、図4中矢印Eで示すように、エアダクト4内およびスロットルボディ13を通じてサージタンク5へ供給され、その後、吸気マニホールド6の各通気路6−1,6−2,6−3を通じてエンジンの各シリンダへ送給されるようになっている(図中矢印F,G,H参照)。
次に、吸気マニホールド6とエアクリーナケース3とについて詳細に説明すると、図2に示すように、吸気マニホールド6は、吸気の流れに沿う方向で上下に分割された樹脂製の上部マニホールド(第1マニホールド)7と樹脂製の下部マニホールド(第2マニホールド)8との2部材によって構成されている。そして、これらの上部マニホールド7と下部マニホールド8とが互いに溶着されることによって、図1に示すように、エンジンのシリンダ数に対応した数(ここでは3つ)の通気路6−1,6−2,6−3をそなえた吸気マニホールド6が形成されるとともに、吸気マニホールド6と一体のサージタンク5が形成されるようになっている。
【0017】
また、図2に示すように、エアクリーナケース3も、上記吸気マニホールド6に沿う方向で上下に分割された樹脂製の上部ケース(第1ケース)9と樹脂製の下部ケース(第2ケース)10との2部材から構成されている。そして、上記の下部マニホールド8と上部ケース9とが一体に形成されており、これにより、吸気マニホールド6とエアクリーナケース3との構成部品の共用化が図られている。
【0018】
つまり、本実施形態においては、上部マニホールド7,下部マニホールド8(上部ケース9),下部ケース10という3つの部品を組み合わせるだけで、インテークマニホールド6,サージタンク5,エアクリーナケース3という3つのユニットを形成することが可能になっており、部品点数抑制に大いに寄与することができる。そして、これらの部品を樹脂によって製造することにより、生産性を高め、さらには、軽量化にも寄与することが可能となる。
【0019】
また、図1に示すように、下部ケース10の側面にはエアフィルタ2が挿入される挿入口10aが形成されるとともに、挿入口10aの反対側にはエアクリーナケース3内に空気を取り入れるため吸入口11が形成されている。この吸入口11は、サージタンク5を挟んでスロットルボディ13とは反対側に配設されており、これにより、吸入口11とエアダクト4との干渉を回避でき、さらに、吸入口11へ延長ダクト21を容易に挿入することも可能となる。なお、この延長ダクト21は、車種に応じた好ましい空気取り入れ箇所と吸入口11とを接続する通気路である。
【0020】
また、エアフィルタ2は、図2中矢印Jで示すように、エアクリーナケース3内に着脱可能に収容され、容易に引き出して交換できるようになっている。
なお、上部マニホールド7,下部マニホールド8(上部ケース9),下部ケース10の材質である合成樹脂は、ポリアミド系(ナイロン系)樹脂であるが、この樹脂に限定されるものではない。
【0021】
本発明の一実施形態としての吸気装置は上述のように構成されるので、以下のような作用・効果が得られる。
図2に示すように、下部マニホールド8と上部ケース9とが同一部品となっているため、吸気マニホールド6とエアクリーナケース3との間で部品を共用化できる。
【0022】
つまり、第2マニホールド(下部マニホールド)8と第1ケース(上部ケース)9とを共通部品として部品点数を低減し、コストを抑制することが可能となるとともに、加工が容易である分割構造を採用することで、生産性の向上に寄与することが可能となる。
また、上部マニホールド7,下部マニホールド8(上部ケース9),下部ケース10という3つの構成部品で、インテークマニホールド6,サージタンク5,エアクリーナケース3という3つのユニットを形成することが可能になり、部品点数の大幅な低減を実現し、コストを抑制することが可能となる。
【0023】
また、図5に示すように、エアダクト4を吸気マニホールド6の側面に設けることにより、小型化に寄与することが可能となり、エンジンルーム内のスペースを効率的に活用することが可能となる。
また、図3に示すように、エアクリーナケース3がエンジン14のシリンダ列方向の側面に沿うように配設されるとともに、吸気マニホールド6がエアクリーナケース3を上下に跨ぐように配設され、さらに、吸気マニホールド6の他端6bに形成されたサージタンク5が、エアクリーナケース3下方で且つエアクリーナケース3に対して干渉しない位置に形成されているので、このサージタンク5が吸気マニホールド6の最前面(図3中鎖線X1参照)から突出しないように構成できる。さらに、スロットルボディ13をエアクリーナケース3の下方においてサージタンク5に隣接して設けているので、スロットルボディ13も吸気マニホールド6の最前面から突出することがない。
【0024】
これにより、吸気マニホールド6を含む吸気系の厚さを抑制して小型化を図ることができ、エンジンルーム内のスペースを有効に活用することが可能となる。また、エアクリーナケース3内に空気を取り入れる吸入口11を、サージタンク4を挟んだスロットル13配設位置の反対側に配設することによって、スロットル13によって空気取り入れを妨げられることが無く、また、吸気ダクト21を容易に挿入することも可能となる。
【0025】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
例えば、本実施形態においては、エンジンが3気筒である場合を示したが、当然に3気筒未満のエンジンであっても4気筒以上のエンジンであっても本発明の吸気マニホールド構造を適用することが可能である。
【0026】
また、本実施形態においては、吸気マニホールド6やエアフィルタケース3をを樹脂によって形成したが、材質を樹脂に限定するものではない。しかし、これらの部品を樹脂によって形成すれば軽量化の促進や加工性の向上などが図れるためメリットは大きい。
【0027】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の吸気マニホールド構造によれば、部品点数を抑制した簡素な構造で、エンジンルーム内のスペースを有効に活用することができる(請求項1)。
つまり、吸気マニホールドがエアクリーナケースを跨ぐように配設して、吸気マニホールドの他端がエアクリーナケースと干渉しない位置に配設することが可能となり、また、この他端にスロットルを接続・固定することによって、吸気マニホールドの厚さを抑制して小型化に寄与し、エンジンルーム内のスペースを有効に活用することが可能となる。
【0028】
また、サージタンクを吸気マニホールドと一体形成することによって、部品点数を大幅に低減し、コストを抑制することが可能となる(請求項2)。
また、エアダクトを吸気マニホールドの側面に設けることにより、さらなる小型化に寄与することが可能となり、エンジンルーム内のスペースを効率的に活用することが可能となる(請求項3)。
【0029】
また、吸気口を、サージタンクを挟んだスロットル配設位置の反対側に配設することによって、吸気効率を高めるとともに、延長吸気ダクトを容易に挿入することが可能となる(請求項4)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る吸気装置の模式的な分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る吸気装置の模式的な分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る吸気装置の一端を示す模式的な側面図である。
【図4】本発明の全体構成を示す吸気装置の模式的な斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る吸気装置の他端を示す模式的な側面図である。
【図6】従来の吸気系の模式的な斜視図である。
【図7】従来の吸気系の模式的な斜視図である。
【図8】従来の吸気系の模式的な上面図である。
【符号の説明】
3 エアクリーナケース
4 エアダクト
5 サージタンク
6 吸気マニホールド
7 上部マニホールド(第1マニホールド)
8 下部マニホールド(第2マニホールド)
9 上部ケース(第1ケース)
10 下部ケース(第2ケース)
11 吸入口
14 エンジン
Claims (4)
- エンジンへ空気を供給する吸気マニホールドと、該吸気マニホールドの上流側に配設された箱状のエアクリーナケースとをそなえた吸気マニホールド構造において、
該エアクリーナケースが該エンジンの上下方向に延在する壁面に沿って配設されるとともに、
該吸気マニホールドの一端は、該吸気マニホールドの下流端として該エンジンに接続され、
該吸気マニホールドの他端は、該吸気マニホールドの上流端として該エアクリーナケースの下方に配設されるとともにサージタンクを介してスロットルが接続され、
該吸気マニホールドは、該エンジンに接続された該一端から水平方向に延在した部分から下方に屈曲した部分を有し該エンジンの気筒列方向に沿った方向から見てL字形に形成され、
該エアクリーナケースは、該吸気マニホールドの垂直方向に延在する部分と該エンジンとの間に介装されている
ことを特徴とする、吸気マニホールド構造。 - 該サージタンクは、該吸気マニホールドの上流側であり且つ該エアクリーナケースの下流側において該吸気マニホールドと一体に形成されている
ことを特徴とする、請求項1記載の吸気マニホールド構造。 - 該エアクリーナケースと該スロットルを接続するエアダクトを有すると共に、
該エアダクトが該吸気マニホールドの側面に設けられた
ことを特徴とする、請求項1または2記載の吸気マニホールド構造。 - 該エアクリーナケースは、該エアクリーナケース内へ空気を取り入れる吸入口をそなえると共に、
該吸入口が、該サージタンクに対して該スロットル配設位置の反対側に配設されている
ことを特徴とする、請求項3記載の吸気マニホールド構造。
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