JP4120064B2 - 弁開閉時期制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の動弁装置において吸気弁又は排気弁の開閉時期を制御するために使用される弁開閉時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の弁開閉時期制御装置の1つとして、内燃機関のカムシャフトと共に回転するロータと、該ロータに所定範囲で相対回転可能に外装されクランクシャフトと共に回転する回転伝達部材と、該回転伝達部材の内周面に形成された凹部を進角用室と遅角用室とに区画するようにロータに設けられたベーンとを備え、回転伝達部材が前記凹部を内周面に有し、軸方向の両端が開口した円筒状のハウジング部材と、該ハウジング部材の両端に前記開口を閉塞するように接合される第1及び第2プレート部材と、ハウジング部材、第1及び第2プレート部材と一体的に接続されてクランクシャフトにタイミングチェーンを介して連結されるタイミングスプロケットとから構成されてなるものがあり、例えば、特開平10−141022号公報に開示されている。
【0003】
この弁開閉時期制御装置によれば、進角用室へ作動油を供給すると共に遅角用室から作動油を排出することにより、ロータ及びハウジング部材が一方向に相対回転し、クランクシャフトの回転位相に対してカムシャフトの回転位相が進められてカムシャフトにより駆動される弁の開閉時期が早められる。逆に、遅角用室へ作動油を供給すると共に進角用室から作動油を排出することにより、ロータ及びハウジング部材が他方向に相対回転し、クランクシャフトの回転位相に対してカムシャフトの回転位相が遅らされてカムシャフトにより駆動される弁の開閉時期が遅らされる。
【0004】
上記したロータ及びベーンとハウジング部材等の相対的な回転位相の変更は、進角用室と遅角用室内に作用する油圧の差に基づき行われる。そのため、進角用室と遅角用室間の作動油の漏出は弁開閉時期制御装置の性能に大きく影響することから、この漏出を抑制するためにロータ及びベーンを構成する材料とハウジング部材及び各プレート部材部材を構成する材料を互いに同等の線膨張係数を有するものとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した公報に開示される弁開閉時期制御装置においては、ロータ及びベーンを構成する材料とハウジング部材及び各プレート部材を構成する材料を互いに同等の線膨張係数を有するものとすることで、内燃機関の温度変化に対し、ロータ及びベーンとハウジング部材及び各プレート部材が自身の形状に対し夫々ほぼ同等の比率で膨張または収縮する。これにより、各部材間の嵌合部及び接合部におけるフリクションの増加及びクリアランスの増大を低減して最適クリアランスを保持し、作動油の漏出又は摺動抵抗の増大を抑制している。
【0006】
ところで、内燃機関の温度上昇に伴い、作動油の温度が上がり粘性が低下すると、温度変化に対してクリアランスが一定に保持されても、進角用室と遅角用室間の作動油の漏出量は増加し、特に各プレート部材とベーン及びロータとの間のクリアランス(サイドクリアランス)を通した漏出量が増加する。また一方では、作動油の粘性が低下すると、オイルポンプから弁開閉時期制御装置への作動油供給系の各接続部等での作動油の漏出量も同様に増加し、弁開閉時期制御装置へ供給される作動油量が減少する。このため、作動油の高温時には当該弁開閉時期制御装置の作動応答性が低下する傾向にある。
【0007】
上記した従来の装置においては、作動油の温度変化に係わらず、各部材間の嵌合部及び接合部におけるクリアランスを最適に保持することができるものの、作動油の高温時の弁開閉時期制御装置の作動応答性を維持するためには、各部材の寸法精度を厳しく管理する必要がある。そのため、弁開閉時期制御装置の製造コストが著しく増大するという問題があった。
【0008】
それゆえ、本発明は当該弁開閉時期制御装置において、各部材の寸法精度を厳しく管理することなく、簡単な構成で作動油高温時のサイドクリアランスを通した進角用室と遅角用室間の作動油の漏出を抑制し、作動応答性を維持することを、その課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために講じた本発明の技術的手段は、内燃機関のクランクシャフト又はカムシャフトの一方と共に回転する回転部材と、該回転部材に所定範囲で相対回転可能に外装され前記クランクシャフト又は前記カムシャフトの他方と共に回転する回転伝達部材と、該回転伝達部材の内周面に形成された凹部を進角用室と遅角用室とに区画するように前記回転部材に設けられたベーンとを備え、前記回転伝達部材が前記凹部を内周面に有し、少なくとも軸方向の一端が開口した円筒状のハウジング部材と、該ハウジング部材の一端に前記開口を閉塞するように接合されるプレート部材とから構成されてなる弁開閉時期制御装置において、前記プレート部材の前記ハウジングの反対向面側に、前記プレート部材を構成する材料の線膨張係数よりも小さな線膨張係数を有する材料から成るインサートプレートを埋設したことである。
【0010】
上記した手段によれば、作動油の温度上昇に伴い、プレート部材が膨張する際に、ハウジング部材の一端に接合される一側面側部位がハウジング部材に向けて大きく膨張するため、プレート部材とロータ及びベーン(及びハウジング部材)とのサイドクリアランスが適度に小さくされ、サイドクリアランスを介した進角用室と遅角用室間の作動油の漏出が抑制される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従った弁開閉時期制御装置の実施形態を図面に基づき、説明する。
【0013】
図1及び図2に示した第1実施形態の弁開閉時期制御装置は、当該内燃機関のシリンダヘッド110に回転自在に支持されたカムシャフト10の先端部に一体的に組付けたロータ20から成る回転部材と、ロータ20に所定範囲で相対回転可能に外装されたハウジング30、プレート部材40、50及びハウジング30の外周に一体的に設けたタイミングスプロケット31から成る回転伝達部材と、ロータ20とフロントプレート40間に組付けたトーションスプリング60と、ロータ20に組付けた4枚のベーン70と、ハウジング30に組付けたロックピン80等によって構成されている。なお、タイミングスプロケット31には、周知のように、図示省略したクランクシャフトからクランクスプロケットとタイミングチェーンを介して図2の時計方向に回転動力が伝達されるように構成されている。
【0014】
カムシャフト10は、吸気弁(図示省略)を開閉する周知のカムを有していて、内部にはカムシャフト10の軸方向に延びる進角通路11と遅角通路12が設けられている。進角通路11は、カムシャフト10に設けた径方向の通路及び環状溝14とシリンダヘッド110に設けた接続通路16を通して制御弁100の第1接続ポート101に接続されている。また、遅角通路12は、カムシャフト10に設けた径方向の通路及び環状溝13とシリンダヘッド110に設けた接続通路15を通して制御弁100の第2接続ポート102に接続されている。
【0015】
制御弁100は、ソレノイド103へ通電することによりスプール104をスプリング105に抗して図示左方に移動できるものであり、非通電時には当該内燃機関によって駆動されるオイルポンプPに接続された供給ポート106が第2接続ポート102に連通すると共に、第1接続ポート101が排出ポート107に連通するように、また通電時には供給ポート106が第1接続ポート101に連通すると共に、第2接続ポート102が排出ポート107に連通するように構成されている。このため、制御弁100のソレノイド103の非通電時には遅角通路12に作動油が供給され、通電時には進角通路11に作動油が供給され、ソレノイドへの通電が図示しない制御装置によりデューティ制御される。
【0016】
ロータ20は、鉄系材料からなり、単一の取付ボルト91によって円筒状のスペーサ90を介してカムシャフト10に一体的に固着されている。ロータ20は、4枚の各ベーン70を夫々径方向に移動可能に取り付けるためのベーン溝21を有すると共に、図2に示した状態、すなわちカムシャフト10及びロータ20とハウジング30の相対位相が所定の位相(最遅角位置)で同期したとき円筒状のロックピン80の頭部が所定量嵌入される受容孔22と、この受容孔22に進角通路11から作動油を給排可能な通路23と、各ベーン70によって区画された進角用油室R1(図2の上のものは除く)に進角通路11から作動油を給排する通路24と、各ベーン70によって区画された遅角用油室R2に遅角通路12から作動油を給排する通路25を有している。図2の上の進角用油室R1には、通路23の外方端が連通するロータ20の外周に形成される周方向溝27を介して作動油が給排されるようになっている。また、受容孔22が開口するロータ20の外周面には受容孔22の開口から後方に軸方向溝28が形成されている(図2には参考のために鎖線で示す)と共に、通路23の外方端が開口するロータ20の外周面には通路の開口から後方に軸方向溝26が形成されている。これら溝28、26は図2に示す最遅角位置において、ハウジング30の後端面に形成される周方向溝32(図2には参考のために鎖線で示す)を介して連通されるようになっていて、したがって受容孔22には最遅角状態にてのみ進角通路11からの作動油が給排されるように構成されている。尚、各ベーン70はベーン溝21の底部に収容したベーンスプリング71(図1参照)によって径方向外方に付勢されている。また、受容孔22の径は、ロックピン80の外径(及びロックピン80の外径とほぼ同等な後述する退避孔34の内径)よりも少量大きく設定されている。
【0017】
ハウジング30は、鉄系材料からなり、ロータ20の外周に所定範囲で相対回転可能に組付けられている。ハウジング30は、円筒状を呈し、その軸方向両端にはプレート部材40とプレート部材50が接合され、4本の連結ボルト92によって一体的に連結されていて、プレート部材50が接合されるその後端外周にタイミングスプロケット31が一体的に形成されている。また、ハウジング30の内周には周方向間隔で4個の突部33が径方向内方に向けて夫々突出形成されていて、これら突部33の内周面がロータ20の外周面に摺接する構成でハウジング30がロータ20に回転自在に支承されており、1つの突部33にはロックピン80とスプリング81を収容する退避孔34が形成されていると共に、退避孔34の周方向両側に空洞部36、37が設けられている。
【0018】
プレート部材40は、円筒部41を有する鉄系材料からなる環状のフロントプレート40bと該フロントプレート40とハウジング30の一端面との間に介装されるアルミ合金材料からなる環状の中間プレート40aとから構成されている。フロントプレート40bと中間プレート40aには、各空洞部36、37に対応して図示しない連通孔が設けられると共に、連結ボルト92の図示しない挿通孔(中間プレート40a)及び雌ネジ孔(フロントプレートb)が設けられている。また、フロントプレート40bには、円筒部41の端部の内方フランジにトーションスプリング60の一端を係止する切り欠きが設けられている。
【0019】
プレート部材50は、鉄系材料からなる環状のリアプレート50bと該リアプレート50bとハウジング30の他端面との間に介装されるアルミ合金材料からなる環状の中間プレート50aとから構成されている。プレート部材40と同様に、リアプレート50bと中間プレート50aには、各空洞部36、37に対応した図示しない連通孔及び連結ボルト92の挿通孔が設けられている。
【0020】
トーションスプリング60は、一端をフロントプレート40bの切り欠きに係止し他端をロータ20に係止して、その巻線部が円筒部41とスペーサ90間の円環状空間に軸方向に延在するように組付けられており、ロータ20をハウジング30、プレート部材40及びプレート部材50に対して図2の時計方向に付勢している。このトーションスプリング60は、内燃機関の運転中にカムシャフト10に作用する変動トルクによってロータ20及びハウジング30間に常に働く遅角方向への力(進角側への回転を阻害する力)を考慮して設けたもので、ロータ20をハウジング30及びプレート部材40、50に対して平均変動トルク相当の力で進角側へ常時付勢しており、これによってロータ20の進角側への作動応答性の向上が図られる。
【0021】
各ベーン70は、隣合う突部33間に形成される凹部33aの内周面に先端が摺接するように径方向外方に延在し、両中間プレート40a、50a間にてハウジング30の各突部33とロータ20との間に形成される流体圧室R0を進角用室R1と遅角用室R2とに二分していて、退避孔34が形成される突部33の周方向端面にベーン70が当接することにより、当該弁開閉時期制御装置により調整される位相(相対回転量)が制限されるようになっている。
【0022】
ロックピン80は、退避孔34内に軸方向へ摺動可能に組付けられていて、スプリング81によってロータ20に向けて付勢されている。スプリング81はロックピン80とリテーナ82の間に介装されている。本実施形態においては、退避孔34の径方向外方端に退避孔34をカムシャフト10の軸方向に貫通し、その一端側がハウジング30の前端面に開口する溝35が形成されていて、この溝35内には、ハウジング30の前端面から後端に向けて板状のリテーナ82が嵌合され、スプリング81の一端を係止している。リテーナ82は、一対の舌部を有し、これら舌部が溝35内に弾撥的に嵌合されることにより、ハウジング30の径方向に保持されると共に、プレート部材40とハウジング30の後端側の溝35の底面との間でハウジング30の軸方向に保持される。これにより、ロックピン80は、カムシャフト10及びロータ20とハウジング30の相対位相が所定の位相(最遅角位置)で同期したとき、その頭部をロータ20の受容孔22に所定量嵌入されて、ロータ20とハウジング30の相対回転を規制する。
【0023】
上記のように構成した本実施形態の弁開閉時期制御装置においては、図2に示した状態、すなわち当該内燃機関が停止してオイルポンプPが停止するとともに制御弁100のソレノイド103が非通電の状態にあり、またロータ20とハウジング30とが最遅角位置にて同期しロックピン80の頭部が受容孔22に所定量嵌入して、最遅角位置にてロータ20とハウジング30の相対回転を規制しているロック状態にて、当該内燃機関が始動してオイルポンプPが駆動されると共に制御弁100が通電状態になっても、制御弁100からカムシャフト10の進角通路11、通路23、軸方向溝26、周方向溝32及び軸方向溝28を介して受容孔22に供給される作動油の圧力はロックピン80をスプリング81に抗して受容孔22から移動させるに足りる圧力に上昇する迄所定時間を要するので、弁開閉時期制御装置は図1及び図2に示すロック状態に維持され、ベーン70による打音の発生が防止される。
【0024】
内燃機関が始動しオイルポンプPが駆動されてから所定時間経過後には、通電状態にある制御弁100からカムシャフト10の進角通路11等を介して受容孔22に供給される作動油の圧力が上昇し、ロックピン80がスプリング81に抗して移動し受容孔33から抜けてロック解除される。これにより、進角通路11及び各通路24を介して作動油を同時に供給されていた各進角用室R1(図2の上のものを除く)内の油圧及び通路23及び周方向溝27を介して進角通路11からの作動油を供給されていた図2の上の進角用室R1の油圧により、カムシャフト10と一体的に回転するロータ20と各ベーン70がハウジング30、両プレート部材40、50等に対して進角側(図2の時計方向)に相対回転する。尚、ロックピン80が受容孔22から抜けた後、ロータ20とハウジング30が所定量以上相対回転すると、通路23と受容孔22の連通が遮断され、作動油の脈動によるロックピン80の振動が防止される。
【0025】
ロックピン80が受容孔22から抜けた状態では、制御弁100のソレノイド103へ供給される電流のデューティ比を高くすることにより、進角通路11に作動油が供給されるとともに遅角通路12から作動油が排出されると、進角用室R1に供給される作動油によってロータ20がハウジング30等回転伝達部材に対して最遅角位置から進角側に向けて相対回転する。これにより、内燃機関の運転状態に応じて制御弁100のソレノイド103へ供給される電流のデューティ比を高くして、遅角用室R2から作動油を排出すると共に進角用室R1へ作動油を供給することにより、ロータ20とハウジング30等回転伝達部材を相対回転させて、図2に2点鎖線で示すようにベーン70が1つの突部33の周方向端面に当接して遅角用室R2の容積が最小となる状態(最進角位置)とすることができるとともに、制御弁100のソレノイド103へ供給される電流のデューティ比を低くして進角用室R1から作動油を排出するとともに遅角用室R2へ作動油を供給することにより、ロータ20とハウジング30等回転伝達部材を相対回転させて、最進角状態から図2に示す最遅角位置の状態とすることができて、内燃機関の動弁装置において吸気弁の開閉時期を的確に制御することができる。また、制御弁100のソレノイド103へ供給される電流のデューティ比を適宜制御して各進角用室R1及び各遅角用室R2へ夫々作動油を供給して、ロータ20とハウジング30等の相対位相を最遅角位置と最進角位置の間の任意な位相に保持することも可能である。
【0026】
ところで、内燃機関の温度上昇に伴い、作動油の温度が上がり粘性が低下すると、温度変化に対してハウジング30とロータ20間の嵌合部やロータ20及びベーン70とプレート部材間の接合部等を通して作動油が漏出し易くなり、特に本実施形態のようにベーン70が薄肉で形成されている場合にはベーン70とプレート部材間のサイドクリアランスを通して進角用室と遅角用室間で作動油が漏出し易い。また、一方では、作動油の粘性が低下すると、オイルポンプから弁開閉時期制御装置への作動油供給系の各接続部等での作動油の漏出量も同様に増加し、弁開閉時期制御装置へ供給される作動油量が減少する。このため、作動油の高温時には当該弁開閉時期制御装置の作動応答性が低下する傾向にある。
【0027】
この点、本実施形態においては、上記したように、鉄系材料からなるフロントプレート40b及びリアプレート50bとハウジング30の両端との間に鉄系材料よりも線膨張係数の大きなアルミ合金材料からなる中間プレート40a及び50aが介装されている。そのため、作動油の温度上昇に伴い、プレート部材40、50が膨張する際に、ハウジング30の両端に接合される中間プレート40a及び50aがハウジング30、ロータ20及びベーン70に向けて大きく膨張するため、中間プレート40a、50aとロータ20及びベーン70(及びハウジング30)とのサイドクリアランスが適度に小さくされ、サイドクリアランスを介した進角用室R1と遅角用室R2間の作動油の漏出が抑制される。これにより、作動油の高温時に当該弁開閉時期制御装置の作動応答性が低下することが防止される。
【0028】
また、本実施形態においては、上記したように、作動油の漏出が発生し易い内燃機関の温度上昇時にプレート部材40、50とロータ20及びベーン70とのサイドクリアランスを適度に小さくすることができるので、プレート部材40、50、ロータ20及びベーン70等の常温での寸法精度を低くすることができ、当該弁開閉時期制御装置の製造コストを低減することができる。
【0029】
図3は本発明の第2実施形態におけるプレート部材140を示す。この第2実施形態では、アルミ合金材料のダイカストにより形成されるフロントプレート140a内に鉄系材料からなるインサートプレート140bがインサートされている。このインサートプレート140bは、ハウジングの反対向面側にオフセットしてインサートされていて、これによりプレート部材140はハウジングの対向面側の線膨張係数が反対向面側の線膨張係数よりも大きくされている。この第2実施形態によれば、作動油の温度上昇に伴い、プレート部材140が膨張する際に、ハウジングの対向面側がハウジング、ロータ及びベーンに向けて大きく膨張するため、プレート部材140とロータ及びベーン(及びハウジング)とのサイドクリアランスが適度に小さくされ、サイドクリアランスを介した進角用室と遅角用室間の作動油の漏出が抑制される。
【0030】
図4は、本発明の第3実施形態におけるプレート部材240を示す。この第3実施形態では、プレート部材240は、アルミ合金材料からなる環状のフロントプレート240cと、ナイロン等の合成樹脂からなる環状の中間プレート240bと、中間プレート240bをフロントプレート240cとの間で挟む鉄系材料からなる環状の薄板240aとから構成される3層構造を有し、薄板240a側がハウジングの一端に接合される。図5は、第3実施形態の変形例におけるプレート部材340を示す。このプレート部材340は、アルミ合金材料からなるフロントプレート340cのハウジング側の一側面に環状の溝340dが形成され、該溝340d内にナイロン等の合成樹脂からなる環状の中間プレート340bが嵌挿されている。フロントプレート340cのハウジング側の一側面(中間プレート340bが同一平面にある)とハウジングの一端との間には鉄系材料からなる環状の薄板340aが介装されている。この第3実施形態及び変形例においても、上記した各実施形態と同様に、作動油の温度上昇に伴い、プレート部材240、340のハウジングの対向面側がハウジング、ロータ及びベーンに向けて大きく膨張するため、プレート部材240、340とロータ及びベーン(及びハウジング)とのサイドクリアランスが適度に小さくされ、サイドクリアランスを介した進角用室と遅角用室間の作動油の漏出が抑制される。尚、このとき、薄板240a、340aによりフリクション増大が回避される。
【0031】
上記した第1実施形態においては、吸気用のカムシャフト10に組付けられる弁開閉時期制御装置に本発明を実施したが、本発明は排気用のカムシャフトに組付けられる弁開閉時期制御装置にも同様に実施し得るものである。
【0032】
また、上記した第1実施形態においては、進角用室R1が最小容積となる状態(最遅角状態)にてハウジング30に組付けたロックピン80の頭部がロータ20の受容孔22に嵌入されるように構成したが、遅角用室R2が最小容積となる状態(最進角状態)にてハウジングに組付けたロックピンの頭部がロータの受容孔に嵌入されるように構成して実施することも可能である。
【0033】
また、上記した第2実施形態、第3実施形態及び変形例では、本発明をフロント側のプレート部材に適用したが、ハウジング部材が両端に開口した円筒状を呈する場合には、リア側のプレート部材にも適用は可能である。
【0034】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1に記載した発明によれば、作動油の温度上昇に伴い、プレート部材が膨張する際に、ハウジング部材の一端に接合される一側面側部位がハウジング部材に向けて大きく膨張するため、プレート部材とロータ及びベーン(及びハウジング部材)とのサイドクリアランスを適度に小さくすることができて、サイドクリアランスを介した進角用室と遅角用室間の作動油の漏出を抑制することができる。これにより、作動油の高温時に当該弁開閉時期制御装置の作動応答性が低下することを防止することができる。
【0035】
また、作動油の漏出が発生し易い内燃機関の温度上昇時にプレート部材とロータ及びベーンとのサイドクリアランスを適度に小さくすることができるので、プレート部材、ロータ及びベーン等の常温での寸法精度を低くすることができ、当該弁開閉時期制御装置の製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従った弁開閉時期制御装置の第1実施形態を示す縦断側面図である。
【図2】図1のA−A線に沿った断面図である。
【図3】本発明に従った弁開閉時期制御装置の第2実施形態におけるプレート部材の断面図である。
【図4】本発明に従った弁開閉時期制御装置の第3実施形態におけるプレート部材の断面図である。
【図5】本発明に従った弁開閉時期制御装置の第3実施形態の変形例におけるプレート部材の断面図である。
【符号の説明】
10 カムシャフト
11 進角通路
12 遅角通路
20 ロータ(回転部材)
30 ハウジング(回転伝達部材)
33 突部
33a 凹部
40 プレート部材(回転伝達部材)
40a、50a 中間プレート
40b フロントプレート
50b リアプレート
70 ベーン
R0 流体圧室
R1 進角用室
R2 遅角用室

Claims (1)

  1. 内燃機関のクランクシャフト又はカムシャフトの一方と共に回転する回転部材と、
    該回転部材に所定範囲で相対回転可能に外装され前記クランクシャフト又は前記カムシャフトの他方と共に回転する回転伝達部材と、
    該回転伝達部材の内周面に形成された凹部を進角用室と遅角用室とに区画するように前記回転部材に設けられたベーンとを備え、
    前記回転伝達部材が前記凹部を内周面に有し、少なくとも軸方向の一端が開口した円筒状のハウジング部材と、該ハウジング部材の一端に前記開口を閉塞するように接合されるプレート部材とから構成されてなる弁開閉時期制御装置において、
    前記プレート部材の前記ハウジングの反対向面側に、前記プレート部材を構成する材料の線膨張係数よりも小さな線膨張係数を有する材料から成るインサートプレートを埋設したことを特徴とする弁開閉時期制御装置。
JP30415298A 1998-10-26 1998-10-26 弁開閉時期制御装置 Expired - Fee Related JP4120064B2 (ja)

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