JP4119533B2 - 電子カメラおよびその制御方法 - Google Patents
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Description
【技術分野】
この発明は,被写体を撮像し,被写体像を表す画像データを出力する電子カメラおよびその制御方法に関する。
【0002】
【発明の背景】
写真フイルムに被写体像を記録するいわゆる銀塩カメラには蛇腹の先端に撮像レンズを保持しているものがある。このようなカメラでは,ユーザが手で蛇腹を動かし写真フイルムの結像面上における光軸と撮像レンズの光軸とをずらすこと(あおり補正)により異なる距離にある複数の被写体のピントを合わせることができる。
【0003】
固体電子撮像素子を用いて被写体を撮像する電子カメラにおいては,撮像素子を傾斜させてあおりを行うものも実現されている(特開平9-331476号)が,任意の方向にあおり補正を行うことはできない。
【0004】
また,電子カメラにおいてあおり補正を行った場合に,撮像範囲内においてどの部分が合焦しているかを確認することが困難な場合がある。
【0005】
さらに,被写体像を表すディジタル画像データを得ることができる,という電子カメラの特性を考慮して機械的なあおりと同様な効果を得る(いわゆる電子的なあおり補正)ようにすることも要望されている。
【0006】
【発明の開示】
この発明は,任意の方向にあおり補正を行うことができる電子カメラを提供することを目的とする。
【0007】
また,この発明は,あおり補正を行った場合に撮像範囲内における合焦範囲を確認できるようにすることを目的とする。
【0008】
さらに,この発明は,いわゆる電子的なあおり補正を行うことができるようにすることを目的とする。
【0009】
第1の発明による電子カメラは,受光面に被写体像が結像することにより被写体像を表す画像データを出力する固体電子撮像素子,上記受光面が,傾斜自在になるように上記固体電子撮像素子を支持する固体電子撮像素子支持機構,あおり角およびあおり方向をそれぞれ検出するあおり検出手段,ならびに上記あおり検出手段により検出されたあおり角およびあおり方向にもとづいて,上記固体電子撮像素子支持機構を制御するあおり制御手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
第1の発明は,上記電子カメラに適した方法も提供している。すなわち,受光面に被写体像が結像することにより被写体像を表す画像データを出力する固体電子撮像素子の上記受光面が,傾斜自在になるように上記固体電子撮像素子を支持しておき,あおり角およびあおり方向をそれぞれ検出し,検出されたあおり角およびあおり方向にもとづいて,上記固体電子撮像素子の支持を制御するものである。
【0011】
第1の発明によると,上記固体電子撮像素子の受光面が傾斜自在になるように上記固体電子撮像素子が支持されている。上記あおり検出手段によって上記あおり角およびあおり方向が検出されると,検出されたあおり角およびあおり方向にもとづいて上記固体電子撮像素子の支持が制御される(たとえばあおり角と同じ角度または大きい角度もしくは小さい角度だけ,あおり方向と同じ方向に傾斜するように固体電子撮像素子の支持が制御される)。
【0012】
上記固体電子撮像素子の受光面が任意の傾斜となるようにあおられる。
【0013】
上記電子カメラが,被写体を上記固体電子撮像素子の受光面上に結像する撮像レンズを含む蛇腹ユニットをさらに備えているときには,ユーザは,上記あおりユニットを操作する。この操作にもとづいて上記あおり角およびあおり方向が検出される。また,あおり角およびあおり方向を入力する入力手段を設け,入力されたあおり角およびあおり方向にもとづいて上記固体電子撮像素子の受光面が任意の傾斜となるように上記固体電子撮像素子の支持が制御されてもよい。
【0014】
ストロボ発光装置,および上記ストロボ発光装置を発光させるための駆動電圧を充電するストロボ・コンデンサをさらに備えている電子カメラにおいては,上記あおり制御手段の駆動電圧が上記ストロボ・コンデンサから供給されるようにしてもよい。
【0015】
上記あおり制御手段の駆動電源を新たに設けることが不要となる。
【0016】
電子カメラ本体は小型化が要求されているため,電子カメラに備えられているモニタ表示装置の大きさもおのずから制限がある。このため,モニタ表示装置の解像度は低いことが多い。あおり補正を行って被写体を撮像しても合焦しているかどうか確認することが困難である。
【0017】
このため,上記固体電子撮像素子から出力される画像データによって表される被写体像を表示する表示装置,あおり確認指令を入力するあおり確認指令入力手段,および上記あおり確認指令入力手段から入力されたあおり確認指令に応答して,上記表示装置に表示されている被写体像の一部を拡大して表示するように上記表示装置を制御する表示制御手段をさらに備えてもよい。
【0018】
被写体像の一部を拡大できるので,拡大した部分が合焦しているかどうかが確認しやすくなる。
【0019】
第2の発明による電子カメラは,異なる焦点距離において同一の被写体を複数回撮像し,複数駒の被写体像を表す画像データを出力する撮像手段,上記撮像手段から出力される画像データによって表される複数駒の被写体像のそれぞれを上記複数駒数の各部分領域に分割し,それぞれの駒の被写体像における各部分領域のうち合焦している部分領域を表す部分領域画像データを抽出する部分領域画像データ抽出手段,および上記部分領域画像データ抽出手段によって抽出された部分領域画像データによって表される部分領域を組み合わせて,一駒の被写体像を表す合成画像データを生成して出力する画像合成手段を備えたことを特徴とする。
【0020】
第2の発明は,上記電子カメラに適した方法も提供している。すなわち,異なる焦点距離において同一の被写体を複数回撮像して,複数駒の被写体像を表す画像データを得,得られた画像データによって表される複数駒の被写体像のそれぞれを上記複数駒数の各部分領域に分割し,それぞれの駒の被写体像における各部分領域のうち合焦している部分領域を表す部分領域画像データを抽出し,抽出された部分領域画像データによって表される部分領域を組み合わせて,一駒の被写体像を表す合成画像データを生成して出力するものである。
【0021】
第2の発明によると,合焦している複数の上記各部分領域を用いて一駒の合成画像が得られる。得られた一駒の合成画像はすべての領域が合焦していることとなる。機械的なあおり補正をすることなく,電子的なあおりを実現することができる。
【0022】
第3の発明による電子カメラは,あおり角およびあおり方向をそれぞれ検出するあおり検出手段,被写体を撮像し,被写体像を表す画像データを出力する撮像手段,上記あおり検出手段によって検出されたあおり角およびあおり方向にもとづいて上記被写体像の領域ごとのエッジ強調量を算出するエッジ強調量算出手段,ならびに上記エッジ強調量算出手段によって算出されたエッジ強調量にもとづいて,上記撮像手段から出力された画像データによってあらわされる被写体像をエッジ強調するエッジ強調手段を備えたことを特徴とする。
【0023】
第3の発明は,上記電子カメラに適した方法も提供している。すなわち,あおり角およびあおり方向をそれぞれ検出し,被写体を撮像し,被写体像を表す画像データを得,検出されたあおり角およびあおり方向にもとづいて上記被写体像の領域ごとのエッジ強調量を算出し,算出されたエッジ強調量にもとづいて,撮像によって得られた画像データによって表される被写体像をエッジ強調するものである。
【0024】
第3の発明によると,上記あおり検出手段によりあおり角およびあおり方向がそれぞれ検出される。検出されたあおり角およびあおり方向にもとづいて上記被写体像の領域ごとのエッジ強調量が算出される。算出されたエッジ強調量にもとづいて被写体像を表す画像データがエッジ強調される。
【0025】
エッジ強調されているので,合焦せずにぼけている被写体像であっても合焦している被写体像として見える。
【0026】
【実施例の説明】
図1は,この実施例による電子カメラの電気的構成を示すブロック図である。電子カメラの全体の動作は,制御CPU10によって統括される。
【0027】
異なる距離にある複数の被写体を撮像するとき,すべての被写体にピントを合わせることは困難である。すべての被写体にピントが合った画像を得るためにあおり補正が行われる。電子カメラには,あおり補正を行うために,伸縮自在な蛇腹3が設けられている。
【0028】
蛇腹3の先端面2には撮像レンズ1が保持されている。ユーザは,蛇腹3の後端面4を上下,左右などに動かすことによりあおり角およびあおり方向を設定する。設定されたあおり角および方向にもとづいて,あおり補正が行なわれる。蛇腹3の先端面2を上下,左右に動かすことによりあおり角およびあおり方向を設定するようにしてもよい。
【0029】
蛇腹3の後端面4の動いた角度および動き方向(あおり角およびあおり方向)は,変位センサ5によって検出される。変位センサ5によって検出されたあおり角およびあおり方向を表すデータは,制御CPU10に入力する。
【0030】
変位センサ5は,ジョイスティックの傾斜角および傾斜方向を検出するセンサを適用することができる。ジョイスティックの傾斜角および傾斜方向を検出する場合と同様にして,蛇腹3の後端面4のあおり角およびあおり方向を検出する。
【0031】
撮像レンズ1によって被写体像がCCD6の受光面上に結像する。CCD6から被写体像を表す映像信号が出力され,撮像回路8に入力する。映像信号は,撮像回路8においてディジタル画像データに変換されて出力する。電子カメラにはそれぞれが一駒の画像を表す画像データを記憶できる第1の画像メモリ11Aから第4の画像メモリ11Dが含まれている。したがって電子カメラは,4駒の画像を表す画像データを一時的に記憶することができる。
【0032】
撮像回路8から出力される画像データは,第1の画像メモリ11Aに一時的に記憶される。もっともほかの画像メモリ11Bから11Dに記憶するようにしてもよい。第1の画像メモリ11Aに記憶された画像データは,第1の画像メモリ11Aから読み出され,画像再生装置13に入力する。画像データは,画像再生装置13において再生処理が行われ,表示装置20に入力する。表示装置20の表示画面上に撮像した被写体像が表示される。
【0033】
第1の画像メモリ11Aに一時的に記憶された画像データは,外部記憶装置12にも入力する。外部記憶装置12によって被写体像を表す画像データが記憶媒体(メモリ・カード,フロッピィ・ディスクなど)に記憶される。
【0034】
電子カメラは,ストロボ撮像が可能である。ストロボ撮像のためにストロボ発光装置15が設けられている。制御CPU10によってストロボ制御回路14が制御される。ストロボ制御回路14によってストロボ・コンデンサ16に充電された電荷が放電され,ストロボ発光装置15が発光する。ストロボ・コンデンサ16に蓄積された電荷は,圧電素子7を駆動するためにも用いられる。
【0035】
CCD6は,その四隅が圧電素子7によって傾斜自在に支持されている。圧電素子7は圧電素子制御回路9によって制御される。
【0036】
ユーザによって蛇腹3の後端面4が動かされると,あおり角およびあおり方向が変位センサ5によって検出される。検出されたあおり角およびあおり方向を表すデータは,変位センサ5から制御CPU10に入力する。制御CPU10によって圧電素子制御回路9が制御され,この圧電素子制御回路9によってCCD6の四隅を支持している圧電素子7が制御される。圧電素子7によってCCD6が傾斜させられ,あおり補正が実行されることとなる。
【0037】
変位センサ5によって検出されたあおり角およびあおり方向にもとづいて定められるCCD6の傾斜の程度は,ユーザが自在に設定することができる。たとえば,6X7フイルムのカメラにおいて蛇腹を動かしてあおり補正を行う場合と同様にしてもよいし,6X9フイルムのカメラにおいて蛇腹を動かしてあおり補正を行う場合と同様にしてもよい。
【0038】
上述した電子カメラにおいては,ユーザが蛇腹3の後端4を動かしてあおり角およびあおり方向を設定しているがあおり角およびあおり方向をユーザが入力するようにしてもよい。
【0039】
CCD6の画素ピッチが細密になるにつれて,CCD6の傾斜制御にミクロン・オーダの制御が必要となる。画素ピッチは,数μmであるため,CCD6での像面深度は,開放絞りがF2程度であれば,2×(数μm)=10μm程度である。圧電素子7を用いることにより高精度の制御が可能となる。
【0040】
圧電素子7は,制御するために100Vから200V程度の電圧を必要とする。上述のようにコンデンサ16にストロボ発光用の電荷が蓄積されているので,このコンデンサ16に蓄積されている電荷を圧電素子7の駆動電圧として用いることができる。これにより圧電素子7を駆動するための専用の電源が不要となる。
【0041】
図2(A)および(B)は,表示装置20の表示画面の一例を示している。
【0042】
図2(A)を参照して,表示装置20の表示画面には画像表示領域21,あおり指令領域25およびあおり確認モード設定領域26が含まれている。
【0043】
画像表示領域21には,撮像によって得られる被写体像が表示される。図2(A)に示す例では,距離が異なる第1の被写体から第4の被写体があり,これらの第1の被写体から第4の被写体を撮像して,第1の被写体像OB1から第4の被写体像OB4が表示されている。第1の被写体から第4の被写体になるにつれ,序々に距離が近くなっている。第4の被写体像OB4が合焦しており,第1の被写体像OB1になるにつれぼけている。
【0044】
あおり指令領域25には上下左右の方向に4つの矢印が表示されている。これらの4つの矢印の中から所望の方向を表す矢印上をユーザがタッチすることによりあおり方向が指令として電子カメラに入力する。また,あおり指令領域25の矢印上をユーザがタッチしている時間が制御CPU10内のカウンタ(図示略)によって計測される。その矢印上をユーザがタッチしている時間にもとづいてあおり角が決定する。この矢印上をユーザがタッチしている時間が長ければ,あおり角が大きくなる。
【0045】
あおり指令領域25から入力されたあおり角およびあおり方向を表すデータは,制御CPU10に入力し,制御CPU10によって圧電素子制御回路9が制御される。圧電素子制御回路9によって圧電素子7が駆動され,CCD6が傾斜させられる。
【0046】
表示装置20の表示画面上のあおり確認モード設定領域26がユーザによってタッチされると,あおり確認モードが設定される。
【0047】
あおり確認モードとなると,図2(B)に示すように画像表示領域21は,5分割される。画像表示領域21には第1の画像拡大表示領域22A,第2の画像拡大表示領域22B,第3の画像拡大表示領域22C,第4の画像拡大表示領域22Dおよび第5の画像拡大表示領域22Eが含まれている。
【0048】
第1の画像拡大表示領域22Aは,図21(A)に示すように画像表示領域21に表示されている被写体像を16分割し,かつ中央にその16分割したときと同じ大きさの領域を形成したときに,画像表示領域21の左上隅の部分を含む第1の画像分割領域21Aを面積比4倍に拡大したものである。
【0049】
同様に,第2の画像拡大表示領域22Bは,画像表示領域21の左下隅の部分を含む第2の画像分割領域21Bを面積比4倍に拡大したものであり,第3の画像拡大表示領域22Cは,画像表示領域21の右上隅の部分を含む第3の画像分割領域21Cを面積比4倍に拡大したものであり,第4の画像拡大表示領域22Dは,画像表示領域21の右下隅の部分を含む第4の画像分割領域21Dを面積比4倍に拡大したものであり,第5の画像拡大表示領域22Eは,画像表示領域21の中央の部分を含む第5の画像分割領域21Eを面積比約4倍に拡大したものである。
【0050】
電子カメラの大きさの制約から,電子カメラに備えられている表示装置の表示画面は一般的に小さい。したがって表示装置の解像度も低く,被写体像が合焦しているか確認することが難しい。この実施例による電子カメラにおいては,あおり確認モードとなると,表示画面の表示領域の一部が拡大して表示されるので,被写体像が合焦しているかを確認するのが比較的容易となる。
【0051】
図2(B)においては,5分割表示されているが,5分割表示に限らず,そのほかの分割方法にしたがって表示してもよい。また,画像表示領域21を分割表示せずに,画像表示領域21の一部を画像表示領域21の全面に拡大表示するようにしてもよい。
【0052】
図3から図5は,他の実施例を示すものである。図3は,電子カメラの電気的構成を示すブロック図,図4(A),(B),(C)および(D)は,被写体像の一例を示し,図5は図3に示す電子カメラによって得られる合成画像の一例を示している。
【0053】
図3において,図1に示すものと同一物には同一符号を付して説明を省略するる。
【0054】
図3に示す電子カメラにおいては,蛇腹3は設けられていない。CCD6の前方には,撮像レンズ・ユニット(図示略)を含む鏡筒30が設けられている。また,撮像レンズ・ユニットを駆動するためのモータ18が設けられている。このモータ18は,モータ制御回路17によって駆動させられる。
【0055】
モータ18によって撮像レンズ・ユニットが複数の異なる焦点距離で合焦するように駆動させられ,それぞれの焦点距離で同一の被写体像が撮像される。
【0056】
この実施例では,焦点距離A,焦点距離B,焦点距離Cおよび焦点距離Dにおいて第1回目の撮像,第2回目の撮像,第3回目の撮像および第4回目の撮像がそれぞれ行われ,それぞれの焦点距離において被写体像を表す画像データが得られる(図4(A),(B),(C)および(D)参照)。第1回目の撮像により得られた画像データは,第1の画像メモリ11Aに記憶され,第2回目の撮像により得られた画像データは,第2の画像メモリ11Bに記憶され,第3回目の撮像により得られた画像データは,第3の画像メモリ11に記憶され,第4回目の撮像により得られた画像データは,第4の画像メモリ11Dに記憶される。
【0057】
図4(A)を参照して,焦点距離Aの画像は領域Aの部分が合焦している。図4(B)を参照して,焦点距離Bの画像は領域Bの部分が合焦している。図4(C)を参照して,焦点距離Cの画像は領域Cの部分が合焦している。図4(D)を参照して,焦点距離Dの画像は領域Dの部分が合焦している。
【0058】
画像メモリ11Aから11Dに一時的に記憶されている4駒分の画像を表す画像データは,画像メモリ11Aから11Dから読み出され,制御CPU10に入力する。制御CPU10において,図4(A)に示す焦点距離Aでの画像のうち領域Aの画像部分を表す画像データが抽出され,図4(B)に示す焦点距離Bでの画像のうち領域Bの画像部分を表す画像データが抽出され,図4(C)に示す焦点距離Cでの画像のうち領域Cの画像部分を表す画像データが抽出され,図4(D)に示す焦点距離Dでの画像のうち領域Dの画像部分を表す画像データが抽出される。
【0059】
抽出された領域Aの画像部分を表す部分画像データ,領域Bの画像部分を表す部分画像データ,領域Cの画像部分を表す部分画像データおよび領域Dの画像部分を表す部分画像データを用いて,図5に示すように一駒の画像を表すように合成される。得られた合成画像は,各領域においてすべて合焦していることとなる。異なる距離にある被写体であってもすべての被写体が合焦している被写体像が得られる。
【0060】
図6および図7は,さらに他の実施例を示すもので,図6は,電子カメラの電気的構成を示すブロック図,図7は,被写体像の一例を示している。図6においても図1および図3に示すものと同一物には同一符号を付して説明を省略する。
【0061】
CCD6によって被写体が撮像され,被写体像を表す画像データが画像メモリ11に一時的に記憶される。
【0062】
ユーザによって蛇腹3の後端面4が動かされ,あおり角およびあおり方向が変位センサ5によって検出され,あおり角およびあおり方向を表すデータが制御CPU10に入力する。
【0063】
画像メモリ11に一時的に記憶されている画像データが,画像メモリ11から読み出され,制御CPU10に入力する。
【0064】
制御CPU10は,画像のエッジ強調処理が可能である。制御CPU10において,入力した画像データによって表される被写体像が,あおり角およびあおり方向に応じてエッジ強調処理が行われる。このエッジ強調処理によって,異なる距離にあるために非合焦でピントがぼけている被写体像が合焦しているように見せることができる。
【0065】
上述のようにエッジ強調処理を行わずに異なる距離にある複数の被写体を撮像したときに得られる被写体像が,図2(A)に示されている。このように第4の被写体像OB4は,合焦しているが,第1の被写体像OB1は,非合焦である。このような被写体像を表す画像データについて距離が遠い地点にある被写体ほどエッジ強調処理を行うことにより,図7に示すようにすべての被写体像が合焦しているように見える被写体像が得られる。
【0066】
図6に示す電子カメラにおいては,蛇腹3の後端面4をユーザが動かすことによりあおり角およびあおり方向を設定しているが,図2(A)および図2(B)に示すようにあおり指令領域からあおり角およびあおり方向を入力するようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子カメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】(A)および(B)は,表示装置の表示画面の一例を示す。
【図3】電子カメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図4】(A)から(D)は,被写体像の一例を示している。
【図5】合成画像の一例を示している。
【図6】電子カメラの電気的構成を示すブロック図である。
【図7】被写体像の一例を示している。
【符号の説明】
1 撮像レンズ
3 蛇腹
4 後端面
5 変位センサ
6 CCD
7 圧電素子
8 撮像回路
9 圧電素子制御回路
10 制御CPU
11,11A,11B,11C,11D 画像メモリ
13 画像再生装置
20 表示装置
Claims (4)
- 受光面に被写体像が結像することにより被写体像を表す画像データを出力する固体電子撮像素子,
上記受光面が,傾斜自在になるように上記固体電子撮像素子を支持する固体電子撮像素子支持機構,
あおり角およびあおり方向をそれぞれ検出するあおり検出手段,
上記あおり検出手段により検出されたあおり角およびあおり方向にもとづいて,上記固体電子撮像素子支持機構を制御するあおり制御手段,ならびに
被写体を上記固体電子撮像素子の受光面上に結像する撮像レンズを含む蛇腹ユニットをさらに備え,
上記あおり検出手段が,上記蛇腹ユニットのあおり角およびあおり量を検出するものである,
電子カメラ。 - ストロボ発光装置,および
上記ストロボ発光装置を発光させるための駆動電圧を充電するストロボ・コンデンサをさらに備え,
上記あおり制御手段の駆動電圧が上記ストロボ・コンデンサから供給される,請求項1に記載の電子カメラ。 - 上記固体電子撮像素子から出力される画像データによって表される被写体像を表示する表示装置,
あおり確認指令を入力するあおり確認指令入力手段,および
上記あおり確認指令入力手段から入力されたあおり確認指令に応答して,上記表示装置に表示されている被写体像の一部を拡大して表示するように上記表示装置を制御する表示制御手段,
をさらに備えた請求項1に記載の電子カメラ。 - 受光面に被写体像が結像することにより被写体像を表す画像データを出力する固体電子撮像素子の上記受光面が,傾斜自在になるように上記固体電子撮像素子を支持しておき,
あおり角およびあおり方向をそれぞれ検出し,
検出されたあおり角およびあおり方向にもとづいて,上記固体電子撮像素子の支持を制御する電子カメラの制御方法において,
上記電子カメラには,被写体を上記固定電子撮像素子の受光面上に結像する撮像レンズを含む蛇腹ユニットが設けられており,
上記あおり角および上記あおり方向の検出は,上記蛇腹ユニットのあおり角およびあおり量を検出するものである,
電子カメラの制御方法。
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1998
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