JP4118061B2 - 半導体の形成方法および半導体素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体の形成方法および半導体素子に関し、特に、基板上に半導体層が形成される半導体の形成方法および半導体素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、窒化物系半導体(InXAlYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を用いた紫外LED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)、青色LEDおよび緑色LEDが実用化されている。また、窒化物系半導体(InXAlYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を用いた紫外LD(Laser Diode;レーザダイオード)が開発されている。
【0003】
これらのLEDおよびLDの基本的な構造は、サファイア基板などの透明な絶縁性基板上に、n型AlYGa1-YN(0≦Y≦1)からなるn型窒化物系半導体層と、InXGa1-XN(0<X≦1)からなる活性層と、p型AlZGa1-ZN(0≦Z≦1)からなるp型窒化物系半導体層とが順次積層されたダブルへテロ構造である。たとえば、LEDの場合、発光観測面側となるp型窒化物系半導体層上には、活性層の発光を外部に取り出すために、透光性の金属からなる電極が設けられている。
【0004】
上記したサファイア基板を用いた従来の窒化物系半導体素子では、サファイア基板が固いために、素子の分離が困難であるという不都合があった。このような不都合を防止するため、従来では、Si基板上に窒化物系半導体を形成することが試みられている。しかしながら、Si基板は、窒化物系半導体よりも熱膨張係数が小さいため、成膜終了後の冷却時に、Si基板の収縮よりもSi基板上に形成される窒化物系半導体層の収縮の方が大きくなる。このため、窒化物系半導体層に引張り応力が生じるので、窒化物系半導体層に反りなどが発生するという不都合があった。
【0005】
そこで、従来、上記のようなSi基板を用いた場合の応力を緩和するために、Si基板と窒化物系半導体層との間に、Siおよび窒化物系半導体よりも大きい熱膨張係数を有する材料からなる応力緩和層を形成する方法が提案されている。これらは、たとえば、特開平9−326534号公報などに開示されている。この応力緩和層によって、Si基板はより大きく収縮するので、Si基板と窒化物系半導体層との収縮の差が少なくなる。このため、窒化物系半導体層に生じる引張り応力が緩和されるので、窒化物系半導体層に反りなどが発生するのを抑制することができる。なお、この応力緩和層の材料としては、ZnO、サファイア、MgOおよびMgAl24などが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平9−326534号公報に開示された従来の窒化物系半導体素子の形成方法では、応力緩和層の材料として用いるZnO、サファイア、MgOおよびMgAl24と、基板材料として用いるSiとの格子定数の差が大きいため、Si基板上に応力緩和層を形成する際に、応力緩和層に多くの格子欠陥が発生する。これにより、応力緩和層上に形成される窒化物系半導体層にも、多くの格子欠陥が発生するので、格子欠陥が低減された窒化物系半導体層を形成するのは困難であるという不都合がある。このように、上記公報に開示された技術では、Si基板と窒化物系半導体層との応力を緩和することができる一方、格子欠陥が低減された窒化物系半導体層を形成するのは困難であるという問題点がある。このような問題点は、窒化物系半導体層を形成する場合の他に、基板よりも熱膨張係数が大きい結晶構造が六方晶である半導体層を形成する場合にも同様に生じる。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、
この発明の1つの目的は、基板と半導体層との間に発生する応力を緩和しながら、格子定数差に起因する格子欠陥が低減された半導体層を形成することが可能な半導体の形成方法を提供することである。
【0008】
この発明のもう1つの目的は、基板と半導体層との間に発生する応力を緩和しながら、格子定数差に起因する格子欠陥が低減された半導体層を得ることが可能な半導体素子を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による半導体の形成方法は、基板上の少なくとも一部に、立方晶のペロブスカイト構造、立方晶の鉄マンガン鉱構造、立方晶の酸化物からなるCaF2構造、および、六方晶の鉄マンガン鉱構造のうちの1つの構造を有する材料からなる多結晶または単結晶の材料を含む第1バッファ層を形成する工程と、第1バッファ層上に、窒化物系半導体層または基板よりも熱膨張係数が大きい結晶構造が六方晶である半導体層を形成する工程とを備えている。
【0010】
この第1の局面による半導体の形成方法では、上記のように、基板上の少なくとも一部に、立方晶のペロブスカイト構造、立方晶の鉄マンガン鉱構造、立方晶の酸化物からなるCaF2構造、および、六方晶の鉄マンガン鉱構造のうちの1つの構造を有する材料からなる多結晶または単結晶の材料を含む第1バッファ層を形成することによって、基板と半導体層との応力を緩和することが可能で、かつ、基板との格子定数の差が小さい第1バッファ層を得ることができる。これにより、基板と半導体層との間に発生する応力を緩和することができるとともに、格子定数差に起因して第1バッファ層に多くの格子欠陥が発生するのを抑制することができるので、第1バッファ層上に形成される半導体層に多くの格子欠陥が発生するのも抑制することができる。その結果、基板と半導体層との間に発生する応力を緩和しながら、格子定数差に起因する格子欠陥が低減された半導体層を容易に形成することができる。
【0011】
上記第1の局面による半導体の形成方法において、好ましくは、基板は、立方晶の(111)面を表面とする基板、および、六方晶の(0001)面を表面とする基板のうちのいずれか一方を含む。このように構成すれば、基板と第1バッファ層との格子定数の差を容易に小さくすることができる。
【0012】
上記の半導体の形成方法において、好ましくは、第1バッファ層は、SrTiO3、L23(Lはランタノイド元素)、PrO2、CeO2およびY23からなるグループより選択される少なくとも1つを含む。このように構成すれば、容易に、基板との格子定数の差が小さい第1バッファ層を得ることができる。
【0013】
上記の半導体の形成方法において、好ましくは、基板は、Si基板およびGaP基板のいずれか一方を含む。このように構成すれば、上記の第1バッファ層を構成する材料との組み合わせにより、容易に、第1バッファ層と基板との格子定数の差を小さくすることができる。
【0014】
上記の半導体の形成方法において、好ましくは、第1バッファ層を形成した後、窒化物系半導体層または基板よりも熱膨張係数が大きい結晶構造が六方晶である半導体層を形成する前に、第1バッファ層上の少なくとも一部に、多結晶または非晶質の第2バッファ層を形成する工程をさらに備える。このように構成すれば、第2バッファ層により半導体層の結晶性を向上させることができる。これにより、第2バッファ層上に形成される半導体層の格子欠陥をより低減することができる。
【0015】
この発明の第2の局面による半導体素子は、基板上の少なくとも一部に形成され、立方晶のペロブスカイト構造、立方晶の鉄マンガン鉱構造、立方晶の酸化物からなるCaF2構造、および、六方晶の鉄マンガン鉱構造のうちの1つの構造を有する材料からなる多結晶または単結晶の材料を含む第1バッファ層と、第1バッファ層上に形成された窒化物系半導体層または基板よりも熱膨張係数が大きい結晶構造が六方晶である半導体層とを備えている。
【0016】
この第2の局面による半導体素子では、上記のように、基板上の少なくとも一部に、立方晶のペロブスカイト構造、立方晶の鉄マンガン鉱構造、立方晶の酸化物からなるCaF2構造、および、六方晶の鉄マンガン鉱構造のうちの1つの構造を有する材料からなる多結晶または単結晶の材料を含む第1バッファ層を形成することによって、基板と半導体層との応力を緩和することが可能で、かつ、基板との格子定数の差が小さい第1バッファ層を得ることができる。これにより、基板と半導体層との間に発生する応力を緩和することができるとともに、格子定数差に起因して第1バッファ層に多くの格子欠陥が発生するのを抑制することができるので、第1バッファ層上に形成される半導体層に多くの格子欠陥が発生するのも抑制することができる。その結果、基板と半導体層との間に発生する応力を緩和しながら、格子定数差に起因する格子欠陥が低減された半導体層を容易に形成することができる。
【0017】
なお、上記第1の局面による半導体の形成方法において、基板の表面に平行な方向の格子定数は、半導体層の基板の表面に平行な方向の格子定数と異なっていてもよい。
【0018】
また、上記第1の局面による半導体の形成方法において、基板の熱膨張率は、半導体層の熱膨張率と異なっていてもよい。
【0019】
また、上記第1の局面による半導体の形成方法において、第1バッファ層は、配向していてもよい。このように構成すれば、第1バッファ層上に形成される半導体層の結晶欠陥をより低減することができる。この場合、第1バッファ層は、表面が3回対称の構造を有するように配向していてもよい。また、この場合、第1バッファ層は、表面が立方晶のほぼ(111)面または六方晶のほぼ(0001)面を有するように配向しているのが好ましい。
【0020】
また、上記第1の局面による半導体の形成方法において、第2バッファ層は、半導体からなっていてもよい。
【0021】
また、上記第1の局面による半導体の形成方法において、第2バッファ層の形成温度は、第1バッファ層の形成温度よりも低くてもよい。
【0022】
また、上記第1の局面による半導体の形成方法において、半導体層は、ウルツ鉱構造を有していてもよい。
【0023】
また、上記第1の局面による半導体の形成方法において、半導体層を形成する工程は、横方向成長を用いることによって、低転位の半導体層を成長する工程を備えてもよい。このように構成すれば、半導体層の結晶欠陥をさらに低減することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による窒化物系半導体からなる発光ダイオード素子(LED)の断面図である。
【0026】
まず、図1を参照して、第1実施形態による窒化物系半導体からなる発光ダイオード素子の構造について説明する。第1実施形態では、図1に示すように、立方晶の(111)面を表面とするSi基板1上に、約10nmの膜厚を有する立方晶のCaF2構造のPrO2からなる第1バッファ層2が形成されている。この第1バッファ層2の表面は、3回対称となるように形成されている。また、第1バッファ層2の表面が(111)面となるとともに、第1バッファ層2の[1−10]方向が、Si基板1の[1−10]方向と一致するように配向している。この場合、Si基板1の格子定数が、0.5431nmであるのに対して、第1バッファ層2の格子定数は、0.5393nmであり、Si基板1の格子定数と、第1バッファ層2の格子定数との違いは、0.7%と小さい。なお、Si基板1は、本発明の「基板」の一例であり、第1バッファ層2は、本発明の「第1バッファ層」の一例である。
【0027】
また、第1バッファ層2上には、約10nmの膜厚を有するAlGaNからなる第2バッファ層3が形成されている。なお、この第2バッファ層3は、本発明の「第2バッファ層」の一例である。第2バッファ層3上には、約5μmの膜厚を有するSiがドープされたn型GaNからなるn型コンタクト層4が形成されている。このn型コンタクト層4は、n型クラッド層としての機能も有する。また、n型コンタクト層4上には、発光層5が形成されている。この発光層5は、約5nmの膜厚を有する6つのアンドープGaNからなる障壁層と、約5nmの膜厚を有する5つのアンドープGa0.65In0.35Nからなる井戸層とが交互に積層された多重量子井戸(MQW;Multiple Quantum Well)構造を有する。また、発光層5上には、約10nmの膜厚を有するアンドープGaNからなる保護層6が形成されている。この保護層6は、結晶成長プロセス中に、発光層5が高温になることに起因して、発光層5の結晶が劣化するのを防止する機能を有する。
【0028】
また、保護層6上には、約0.15μmの膜厚を有するMgがドープされたp型Al0.05Ga0.95Nからなるp型クラッド層7が形成されている。p型クラッド層7上には、約0.3μmの膜厚を有するMgがドープされたp型GaNからなるp型中間層8が形成されている。p型中間層8上には、約0.3μmの膜厚を有するMgがドープされたp型Ga0.15In0.85Nからなるキャリア濃度8×1018cm3のp型コンタクト層9が形成されている。また、p型コンタクト層9上には、約20nmの膜厚を有する下層のPd層と約40nmの膜厚を有する上層のAu層とからなるp側透光性電極10が形成されている。p側透光性電極10の一部上には、約30nmの膜厚を有する下層のTi層と約500nmの膜厚を有する上層のAu層とからなるp側パッド電極11が形成されている。
【0029】
そして、Si基板1、第1バッファ層2および第2バッファ層3の一部領域は、n型コンタクト層4の裏面が露出するように除去されている。この露出されたn型コンタクト層4の裏面上と、Si基板1、第1バッファ層2および第2バッファ層3の側面上と、Si基板1の裏面上とに、約500nmの膜厚を有するAlからなるn側電極12が形成されている。
【0030】
第1実施形態では、上記のように、立方晶の(111)面を表面とするSi基板1上に、立方晶のPrO2からなるCaF2構造の第1バッファ層2を形成することによって、Si基板1と窒化物系半導体各層(4〜9)との応力を緩和することが可能となる。また、第1バッファ層2の表面が(111)面となるとともに、第1バッファ層2の[1−10]方向がSi基板1の[1−10]方向と一致するように配向しているので、Si基板1の格子定数との差(0.7%)が小さい第1バッファ層2を得ることができる。これにより、Si基板1と窒化物系半導体各層(4〜9)との間に発生する応力を緩和することができるとともに、格子定数差に起因して第1バッファ層2に多くの格子欠陥が発生するのを抑制することができるので、第1バッファ層2上に形成される窒化物系半導体各層(4〜9)に多くの格子欠陥が発生するのも抑制することができる。その結果、Si基板1と窒化物系半導体各層(4〜9)との間に発生する応力を緩和しながら、格子定数差に起因する格子欠陥が低減された窒化物系半導体各層(4〜9)を容易に形成することができる。
【0031】
また、第1実施形態では、第1バッファ層2上に、第2バッファ層3を形成することによって、第1バッファ層2上に、直接、窒化物系半導体各層(4〜9)を形成するよりも、窒化物系半導体各層(4〜9)の結晶性を向上させることができる。その結果、窒化物系半導体各層(4〜9)の格子欠陥をより低減することができる。
【0032】
また、第1実施形態では、上記のように、第1バッファ層2の表面が(111)面となるように配向しているので、第1バッファ層2の表面が3回対称となる。これにより、第1バッファ層2上に形成される窒化物系半導体各層(4〜9)の表面が(0001)面になりやすいので、結晶成長が容易で、かつ、結晶欠陥の少ない窒化物系半導体各層(4〜9)が得られやすい。
【0033】
図2および図3は、図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体からなる発光ダイオード素子(LED)の製造プロセスを説明するための断面図である。次に、図1〜図3を参照して、第1実施形態による発光ダイオード素子の製造プロセスについて説明する。
【0034】
まず、図2に示すように、電子ビーム真空蒸着法を用いて、立方晶の(111)面を表面とするSi基板1上に、約10nmの膜厚を有する立方晶のPrO2からなるCaF2構造の第1バッファ層2を形成する。具体的には、Si基板1を約200℃〜約800℃にするとともに、約3.2×10-5Pa(2.4×10-7Torr)の超高真空下において、電子ビームをペレット状のPrO2に照射することによって、ペレット状のPrO2を加熱する。これにより、蒸発したPrO2の分子や原子などを、Si基板1上に堆積させることにより、第1バッファ層2の表面が3回対称となるように形成する。この場合、第1バッファ層2の表面が(111)面となるとともに、第1バッファ層2の[1−10]方向が、Si基板1の[1−10]方向と一致するように配向する。
【0035】
次に、第1バッファ層2が形成されたSi基板1を、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition;有機金属気相成長)装置内に設置する。そして、MOCVD法を用いて、第1バッファ層2上に、第2バッファ層3を形成する。具体的には、Si基板1を約1150℃の基板温度(成長温度)に保持した状態で、原料ガスとして、NH3、TMAl(トリメチルアルミニウム)およびTMGa(トリメチルガリウム)、キャリアガスとして、H2およびN2からなるガス(H2の含有率は約50%)を用いて、第1バッファ層2上に、約10nmの膜厚を有するAlGaNからなる第2バッファ層3を形成する。
【0036】
次に、Si基板1を約1000℃〜約1200℃(たとえば、約1150℃)の成長温度に保持した状態で、原料ガスとして、NH3およびTMGa、ドーパントガスとして、SiH4、キャリアガスとして、H2およびN2からなるガス(H2の含有率は約50%)を用いることによって、第2バッファ層3上に、約5μmの膜厚を有する単結晶のSiがドープされたn型GaNからなるn型コンタクト層4を約3μm/hの成長速度で成長させる。
【0037】
次に、Si基板1を約700℃〜約1000℃(たとえば、約850℃)の成長温度に保持した状態で、原料ガスとして、NH3、TEGa(トリエチルガリウム)およびTMIn(トリメチルインジウム)、キャリアガスとして、H2およびN2からなるガス(H2の含有率は約1%〜5%)を用いることによって、n型コンタクト層4上に、約5nmの膜厚を有する6つのアンドープGaNからなる障壁層と、約5nmの膜厚を有する5つのアンドープGa0.65In0.35Nからなる井戸層とを交互に成長することにより、n型コンタクト層4上に、MQW構造の発光層5を形成する。さらに連続して、発光層5上に、約10nmの膜厚を有する単結晶のアンドープGaNからなる保護層6を、約0.4nm/sの成長速度で成長させる。
【0038】
次に、Si基板1を約1000℃〜約1200℃(たとえば、約1150℃)の成長温度に保持した状態で、原料ガスとして、NH3、TMGaおよびTMAl、ドーパントガスとして、Cp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)、キャリアガスとして、H2およびN2からなるガス(H2の含有率は約1%〜3%)を用いることによって、保護層6上に、約0.15μmの膜厚を有するMgがドープされたp型Al0.05Ga0.95Nからなるp型クラッド層7を約3μm/hの成長速度で成長させる。
【0039】
次に、Si基板1を約1000℃〜約1200℃(たとえば、約1150℃)の成長温度に保持した状態で、原料ガスとして、NH3およびTMGa、ドーパントガスとして、Cp2Mg、キャリアガスとして、H2およびN2からなるガス(H2の含有率は約1%〜3%)を用いることによって、p型クラッド層7上に、約0.3μmの膜厚を有するMgがドープされたp型GaNからなるp型中間層8を約3μm/hの成長速度で成長させる。
【0040】
次に、Si基板1を約700℃〜約1000℃(たとえば、約850℃)の成長温度に保持した状態で、原料ガスとして、NH3、TEGaおよびTMIn、ドーパントガスとして、Cp2Mg、キャリアガスとして、H2およびN2からなるガス(H2の含有率は約1%〜5%)を用いることによって、p型中間層8上に、約0.3μmの膜厚を有するMgがドープされたp型Ga0.15In0.85Nからなるp型コンタクト層9を約3μm/hの成長速度で成長させる。
【0041】
その後、Si基板1の裏面をSi基板1が約80μmの厚みになるまで研磨する。そして、図3に示すように、フォトリソグラフィー技術およびKOH溶液によるウエットエッチング技術を用いて、第1バッファ層2が露出するように、Si基板1の裏面から直径約200μmの円形の穴を形成する。さらに、RIE(Reactive Ion Etching)法などのドライエッチング技術を用いて、第1バッファ層2および第2バッファ層3の一部を円形状に除去することによって、n型コンタクト層4の裏面を露出させる。
【0042】
次に、図1に示したように、真空蒸着法を用いて、p型コンタクト層9上に、約20nmの膜厚を有する下層のPd層と約40nmの膜厚を有する上層のAu層とからなるp側透光性電極10を形成する。そして、p側透光性電極10の一部上に、約30nmの膜厚を有する下層のTi層と約500nmの膜厚を有する上層のAu層とからなるp側パッド電極11を形成する。また、真空蒸着法を用いて、n型コンタクト層4の裏面上と、Si基板1、第1バッファ層2および第2バッファ層3の側面上と、Si基板1の裏面上とに、約500nmの膜厚を有するAlからなるn側電極12を形成する。その後、p側透光性電極10およびn側電極12を、それぞれ、p型コンタクト層9およびn型コンタクト層4にオーミック接触させるために、約600℃の温度条件下で、熱処理を行う。
【0043】
最後に、スクライブ、ダイシングおよびブレーキングなどの方法を用いて、一辺が約400μmの略正方形になるように、素子の分離を行う。このようにして、第1実施形態による窒化物系半導体からなる発光ダイオード素子(LED)が製造される。
【0044】
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子(LD)を示した断面図である。この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、六方晶の鉄マンガン鉱構造のPr23からなる第1バッファ層を形成する場合について説明する。
【0045】
この第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子では、図4に示すように、立方晶の(111)面を表面とするSi基板21上に、約10nmの膜厚を有する六方晶の鉄マンガン鉱構造のPr23からなる第1バッファ層22が形成されている。この第1バッファ層22の表面は、3回対称となるように形成されている。また、第1バッファ層22の表面が(0001)面となるとともに、第1バッファ層22の[11−20]方向が、Si基板21の[1−10]方向と一致するように配向している。この場合、Si基板21の[110]方向の隣接原子間隔が、0.3840nmであるのに対して、第1バッファ層22のa軸の格子定数は、0.3851nmであり、Si基板21の[110]方向の隣接原子間隔と、第1バッファ層22のa軸の格子定数との違いは、0.3%と小さい。なお、Si基板21は、本発明の「基板」の一例であり、第1バッファ層22は、本発明の「第1バッファ層」の一例である。
【0046】
また、第1バッファ層22上には、約10nmの膜厚を有するAlGaNからなる第2バッファ層23が形成されている。なお、この第2バッファ層23は、本発明の「第2バッファ層」の一例である。第2バッファ層23上には、約0.5μmの膜厚を有するアンドープGaN層24が形成されている。アンドープGaN層24上には、約10nm〜約1000nmの膜厚を有するとともに、約7μmの周期を有するストライプ状(細長状)のSiNからなるマスク層25が形成されている。このマスク層25は、オーバーハング部25aを有する逆メサ形状(逆台形状)に形成されているとともに、オーバーハング部25a間の最短距離は、下層のアンドープのGaN層24の露出部の幅よりも、小さく形成されている。また、マスク層25の開口部は、たとえば、アンドープGaN層24の[11−20]方向または[1−100]方向に形成しているのが好ましい。そして、アンドープGaN層24上およびマスク層25上には、約2μmの膜厚を有するアンドープGaN層26が形成されている。
【0047】
また、アンドープGaN層26上には、約4μmの膜厚を有するn型GaNからなる第1導電型コンタクト層27が形成されている。第1導電型コンタクト層27上には、約0.45μmの膜厚を有するn型AlGaNからなる第1導電型クラッド層28が形成されている。第1導電型クラッド層28上には、InGaNからなるMQW発光層29が形成されている。MQW発光層29上には、約0.45μmの膜厚を有するp型AlGaNからなるとともに、突出部を有する第2導電型クラッド層30が形成されている。第2導電型クラッド層30の突出部の上面上には、約0.15μmの膜厚を有するp型GaNからなる第2導電型コンタクト層31が形成されている。この第2導電型コンタクト層31と第2導電型クラッド層30の突出部とによって、リッジ部が形成されている。第2導電型コンタクト層31上に、p側電極32が形成されている。そして、第2導電型クラッド層30から、第1導電型コンタクト層27までの一部領域が除去されている。この露出された第1導電型コンタクト層27の一部上に、n側電極33が形成されている。
【0048】
第2実施形態では、上記のように、立方晶の(111)面を表面とするSi基板21上に、約10nmの膜厚を有する六方晶のPr23からなる鉄マンガン鉱構造の第1バッファ層22を形成することによって、Si基板21と窒化物系半導体各層(24〜31)との応力を緩和することが可能となる。また、第1バッファ層22の表面が(0001)面となるとともに、第1バッファ層22の[11−20]方向がSi基板21の[1−10]方向と一致するように配向しているので、Si基板21の[110]方向の隣接原子間隔との格子定数差(0.3%)が小さい第1バッファ層22を得ることができる。これにより、基板21と窒化物系半導体各層(24〜31)との間に発生する応力を緩和することができるとともに、格子定数差に起因して第1バッファ層22に多くの格子欠陥が発生するのを抑制することができるので、第1バッファ層22上に形成される窒化物系半導体各層(24〜31)に多くの格子欠陥が発生するのも抑制することができる。その結果、Si基板21と窒化物系半導体各層(24〜31)との間に発生する応力を緩和しながら、格子定数差に起因する格子欠陥が低減された窒化物系半導体各層(24〜31)を容易に形成することができる。
【0049】
また、第2実施形態では、第1バッファ層22上に、第2バッファ層23を形成することによって、第1実施形態と同様、第1バッファ層22上に、直接、窒化物系半導体各層(24〜31)を形成するよりも、窒化物系半導体各層(24〜31)の結晶性を向上させることができる。その結果、窒化物系半導体各層(24〜31)の格子欠陥をより低減することができる。
【0050】
また、第2実施形態では、上記のように、第1バッファ層22の表面が(0001)面となるように配向しているので、第1バッファ層22の表面が3回対称となる。これにより、第1バッファ層22上に形成される窒化物系半導体各層(24〜31)の表面が(0001)面になりやすいので、結晶成長が容易で、かつ、結晶欠陥の少ない窒化物系半導体各層(24〜31)が得られやすい。
【0051】
図5〜図8は、図4に示した第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子(LD)の製造プロセスを説明するための断面図である。次に、図4〜図8を参照して、第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスについて説明する。
【0052】
まず、図5に示すように、MOCVD法を用いて、立方晶の(111)面を表面とするSi基板21上に、約10nmの膜厚を有する六方晶のPr23からなる鉄マンガン鉱構造の第1バッファ層22を形成する。具体的には、Si基板21を約500℃〜約800℃の成長温度に保持するとともに、装置内を約0.4kPa〜約24kPaに減圧した状態で、原料ガスとして、Pr(DPM)3およびオゾンを用いることによって、Si基板21上に、第1バッファ層22の表面が3回対称となるように形成する。この場合、第1バッファ層22の表面が(0001)面となるとともに、第1バッファ層22の[11−20]方向が、Si基板21の[1−10]方向と一致するように配向する。
【0053】
次に、第1バッファ層22上に、約10nmの膜厚を有するAlGaNからなる第2バッファ層23および約0.5μmの膜厚を有するアンドープGaN層24を順次形成する。
【0054】
次に、図6に示すように、オーバーハング部25aを有するSiNからなるマスク層25を形成する。このマスク層25の形成方法としては、まず、アンドープGaN層24上の全面に、SiN層(図示せず)を形成した後、このSiN層上の所定領域にレジスト(図示せず)を形成する。そして、そのレジストをマスクとして、SiN層をウェットエッチングすることによって、オーバーハング部25aを有するマスク層25を形成することができる。なお、このマスク層25は、約10nm〜約1000nmの膜厚を有するとともに、約7μmの周期を有するストライプ状(細長状)に形成する。また、マスク層25の開口部は、たとえば、アンドープGaN層24の[11−20]方向または[1−100]方向に形成するのが好ましい。
【0055】
この後、図7に示すように、MOCVD法またはHVPE法(Hydride Vapor Epitaxy;ハイドライド気相成長法)を用いて、Si基板21を約950℃〜約1200℃の成長温度に保持した状態で、マスク層25を選択成長マスクとして、アンドープGaN層24上に、約2μmの膜厚を有するアンドープGaN層26を選択横方向成長させる。
【0056】
ここで、アンドープGaN層26を成長させる際、マスク層25がオーバーハング部25aを有するので、オーバーハング部25aの下方には、原料が届きにくくなる。これにより、原料が届きやすいオーバーハング25a間の中央部付近では、アンドープGaN層26の成長速度が速くなるとともに、原料が届きにくいオーバーハング部25aの下方では、アンドープGaN層26の成長速度が遅くなる。このため、ファセット形状(台形状)のアンドープGaN層26が形成されやすくなるとともに、ファセット形状(台形状)のアンドープGaN層26の側面が、徐々に横方向に成長するので、アンドープGaN層26の膜厚が、マスク層25の膜厚よりも薄い成長初期の段階から横方向成長が促進される。このため、アンドープGaN層26の成長初期段階から転位が横方向へ曲げられるので、アンドープGaN層26の成長初期段階から縦方向に伝播する転位を低減することができる。これにより、低転位のアンドープGaN層26を薄い膜厚でヘテロ成長させることができる。
【0057】
次に、アンドープGaN層26上に、MOCVD法またはHVPE法を用いて、約4μmの膜厚を有するn型GaNからなる第1導電型コンタクト層27、約0.45μmの膜厚を有するn型AlGaNからなる第1導電型クラッド層28、InGaNからなるMQW発光層29、突出部を有する約0.45μmの膜厚のp型AlGaNからなる第2導電型クラッド層30、および、約0.15μmの膜厚を有するp型GaNからなる第2導電型コンタクト層31を順次形成する。
【0058】
次に、図8に示すように、第2導電型コンタクト層31上に、CVD法を用いて、SiO2膜(図示せず)を形成した後、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて、SiO2膜をパターニングする。そして、そのSiO2膜をマスクとして、RIE法を用いて、第2導電型コンタクト層31、第2導電型クラッド層30、MQW発光層29、第1導電型クラッド層28、および、第1導電型コンタクト層27の途中までエッチング除去することによって、第1導電型コンタクト層27の上面の一部を露出させる。この後、フォトリソグラフィー技術とドライエッチング技術とを用いて、第2導電型コンタクト層31から第2導電型クラッド層30の一部をエッチング除去することにより、リッジ部を形成する。
【0059】
最後に、図4に示したように、真空蒸着法を用いて、リッジ部上の第2導電型コンタクト層31上に、p側電極32を形成する。そして、露出された第1導電型コンタクト層27の一部上に、n側電極33を形成する。このようにして、第2実施形態の窒化物系半導体レーザ素子(LD)が形成される。
【0060】
第2実施形態の製造プロセスでは、上記のように、オーバーハング部25aを有するマスク層25を用いて選択横方向成長により形成した低転位のアンドープGaN層26上に、窒化物系半導体各層(27〜31)を形成することによって、低転位で、かつ、厚みの薄い窒化物系半導体各層(27〜31)を形成することができる。その結果、厚みが薄く、かつ、良好な素子特性を有する窒化物系半導体レーザ素子を得ることができる。
【0061】
(第1参考形態)
図9は、本発明の第1参考形態による窒化物系半導体レーザ素子(LD)を示した断面図である。この第1参考形態では、上記第1および第2実施形態と異なり、立方晶の鉄マンガン鉱構造のSm23からなる第1バッファ層を形成する場合について説明する。
【0062】
この第1参考形態による窒化物系半導体レーザ素子では、図9に示すように、立方晶の(111)面を表面とするSi基板41上に、約10nm〜約1000nmの膜厚を有する立方晶の鉄マンガン鉱構造のSm23からなる第1バッファ層42が形成されている。この第1バッファ層42の表面は、3回対称となるように形成されている。この第1バッファ層42は、約7μmの周期を有するストライプ状(細長状)に形成されている。また、第1バッファ層42の表面が(111)面となるとともに、第1バッファ層42の[1−10]方向が、Si基板41の[1−10]方向と一致するように配向している。この場合、Si基板41の格子定数が、0.5431nmであるのに対して、第1バッファ層42の格子定数は、1.085nmであり、Si基板41の格子定数と、第1バッファ層42の格子定数の1/2倍との違いは、2.4%と小さい。なお、Si基板41は、本発明の「基板」の一例であり、第1バッファ層42は、本発明の「第1バッファ層」の参考例である。
【0063】
そして、Si基板41上および第1バッファ層42上には、約2μmの膜厚を有するアンドープGaN層43が形成されている。なお、このアンドープGaN層43から上に形成されているn型GaNからなる第1導電型コンタクト層27、n型AlGaNからなる第1導電型クラッド層28、InGaNからなるMQW発光層29、p型AlGaNからなる第2導電型クラッド層30、p型GaNからなる第2導電型コンタクト層31、p側電極32、および、n側電極33の組成および膜厚は、図4に示した第2実施形態と同様である。
【0064】
1参考形態では、上記のように、立方晶の(111)面を表面とするSi基板41上に、立方晶のSm23からなる鉄マンガン鉱構造の第1バッファ層42を形成することによって、Si基板41と窒化物系半導体各層(43、27〜31)との応力を緩和することが可能となる。また、第1バッファ層42の表面が(111)面となるとともに、第1バッファ層42の[1−10]方向がSi基板41の[1―10]方向と一致するように配向しているので、Si基板41の格子定数との差(2.4%)が小さい第1バッファ層42を得ることができる。これにより、Si基板41と窒化物系半導体各層(43、27〜31)との間に発生する応力を緩和することができるとともに、格子定数差に起因して第1バッファ層42に多くの格子欠陥が発生するのを抑制することができるので、第1バッファ層42上に形成される窒化物系半導体各層(43、27〜31)に多くの格子欠陥が発生するのも抑制することができる。その結果、Si基板41と窒化物系半導体各層(43、27〜31)との間に発生する応力を緩和しながら、格子定数差に起因する格子欠陥が低減された窒化物系半導体各層(43、27〜31)を容易に形成することができる。
【0065】
また、第1参考形態では、上記のように、第1バッファ層42の表面が(111)面となるように配向しているので、第1バッファ層42の表面が3回対称となる。これにより、第1バッファ層42上に形成される窒化物系半導体各層(43、27〜31)の表面が(0001)面になりやすいので、結晶成長が容易で、かつ、結晶欠陥の少ない窒化物系半導体各層(43、27〜31)が得られやすい。
【0066】
図10〜図14は、図9に示した第1参考形態による窒化物系半導体レーザ素子(LD)の製造プロセスを説明するための断面図である。次に、図9〜図14を参照して、第1参考形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスについて説明する。
【0067】
まず、図10に示すように、MOCVD法を用いて、立方晶の(111)面を表面とするSi基板41上に、約10nm〜約1000nmの膜厚を有する立方晶のSm23からなる鉄マンガン鉱構造の第1バッファ層42を形成する。具体的には、Si基板41を約500℃〜約800℃の成長温度に保持するとともに、装置内を約0.4kPa〜約24kPaに減圧した状態で、原料ガスとして、Sm(DPM)3およびオゾンを用いることによって、Si基板41上に、第1バッファ層42の表面が3回対称となるように形成する。この場合、第1バッファ層42の表面が(111)面となるとともに、第1バッファ層42の[1−10]方向が、Si基板41の[1−10]方向と一致するように配向する。
【0068】
次に、図11に示すように、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて、第1バッファ層42を、約7μmの周期を有するストライプ状(細長状)に形成する。また、第1バッファ層42の開口部は、たとえば、Si基板41の[11−2]方向または[1−10]方向に形成するのが好ましい。
【0069】
この後、MOCVD法またはHVPE法を用いて、Si基板41を約950℃〜約1200℃の成長温度に保持した状態で、第1バッファ層42間に露出されたSi基板41上と、第1バッファ層42上とに、約2μmの膜厚を有するアンドープGaN層43を形成する。
【0070】
ここで、アンドープGaN層43を成長させる際に、第1バッファ層42間に露出されたSi基板41の表面上には、N2ガスとSiとが反応することによって、SiNなどが形成される。このため、Si基板41上には、アンドープGaN層43が成長しにくい。また、たとえ成長したとしても、高品質のアンドープGaN層43が成長しにくい。これに対して、第1バッファ層42の表面は、(111)面となっているので、図12に示すように、第1バッファ層42に配向してファセット形状(台形状)のアンドープGaN層43が成長しやすい。そして、図13に示すように、第1バッファ層42上のファセット形状(台形状)のアンドープGaN層43の側面が、徐々に横方向に成長する。このように、アンドープGaN層43の横方向の成長が進むことにより、図14に示すように、各ファセット形状(台形状)のアンドープGaN層43が合体して連続膜となる。この横方向成長によって、転位が横方向へ曲げられるので、アンドープGaN層43の縦方向に伝播する転位を低減することができる。その結果、Si基板41上と、第1バッファ層42上とに、低転位のアンドープGaN層43を薄い膜厚でヘテロ成長させることができる。
【0071】
次に、図9に示したように、アンドープGaN層43上に、n型GaNからなる第1導電型コンタクト層27、n型AlGaNからなる第1導電型クラッド層28、InGaNからなるMQW発光層29、p型AlGaNからなる第2導電型クラッド層30、p型GaNからなる第2導電型コンタクト層31、p側電極32、および、n側電極33を、第2実施形態と同様の製造方法により形成する。このようにして、第1参考形態の窒化物系半導体レーザ素子が形成される。
【0072】
1参考形態の製造プロセスでは、上記のように、低転位の窒化物系半導体を形成するまでに必要な窒化物系半導体の成長工程は1回のみであるので、第2実施形態に比べて製造プロセスを簡略化することができる。また、第1バッファ層42を基板上に部分的に形成することにより選択横方向成長された低転位のアンドープGaN層43上に、窒化物系半導体各層(27〜31)を形成することによって、低転位密度で、かつ、厚みの薄い窒化物系半導体各層(27〜31)を形成することができる。その結果、厚みが薄く、かつ、良好な素子特性を有する窒化物系半導体レーザ素子を得ることができる。
【0073】
(第実施形態)
図15は、本発明の第実施形態による窒化物系半導体からなる面発光半導体レーザ素子(LD)を示した断面図である。この第実施形態では、上記第1〜第実施形態および第1参考形態と異なり、立方晶のペロブスカイト構造のSrTiO3からなる第1バッファ層を形成する場合について説明する。
【0074】
この第実施形態による窒化物系半導体からなる面発光半導体レーザ素子では、図15に示すように、立方晶の(111)面を表面とするSi基板51上に、約15nmの膜厚を有する立方晶のペロブスカイト構造のSrTiO3からなる第1バッファ層52が形成されている。この第1バッファ層52の表面は、3回対称となるように形成されている。また、第1バッファ層52の表面が(111)となるとともに、第1バッファ層52の[1−10]方向が、Si基板51の[1−10]方向と一致するように配向している。この場合、Si基板51の[1−10]方向の隣接原子間隔が、0.3840nmであるのに対して、第1バッファ層52の[1−10]方向の隣接原子間隔は、0.5523nmであり、Si基板51の隣接原子間隔の3倍と、第1バッファ層52の隣接原子間隔の2倍との違いは、4.1%と小さい。なお、Si基板51は、本発明の「基板」の一例であり、第1バッファ層52は、本発明の「第1バッファ層」の一例である。
【0075】
また、第1バッファ層52上に、SiNまたはSiO2からなる逆メサ形状(逆台形状)のオーバーハング部を有する選択成長膜53が形成されている。第1バッファ層52上および選択成長膜53上に、約10μmの膜厚を有するSiがドープされたn型GaN層54が形成されている。n型GaN層54上に、約0.45μmの膜厚を有するn型Al0.3Ga0.7Nからなるn型クラッド層55が形成されている。n型クラッド層55上に、InGaNからなるMQW発光層56が形成されている。MQW発光層56上に、約10nmの膜厚を有するAl0.2Ga0.8Nからなるp型保護層57が形成されている。p型保護層57上に、約80nmの膜厚を有するp型GaNからなるp型クラッド層58が形成されている。
【0076】
また、第実施形態では、p型クラッド層58上に、周期的な屈折分布を有する2次元フォトニック結晶を含む約30nmの膜厚を有するp型GaNからなるp型コンタクト層59が形成されている。この2次元フォトニック結晶を有するp型コンタクト層59によって、MQW発光層56に2次元の分布帰還作用が与えられる。この場合、レーザ光は、Siドープのn型GaN層54からSi基板51に垂直に出射するとともに、発振波長は約410nmである。
【0077】
また、p型コンタクト層59上の所定領域に、直径約100μmのp側電極60が形成されている。また、Si基板51、第1バッファ層52、選択成長膜53およびn型GaN層54の一部領域は除去されている。そして、Si基板51の裏面上と、Si基板51、第1バッファ層52およびn型GaN層54の側面上と、n型GaN層54の裏面上の一部とに、直径約100μmの開口部を有するn側電極61が形成されている。
【0078】
実施形態では、上記のように、立方晶の(111)面を表面とするSi基板51上に、立方晶のSrTiO3からなるペロブスカイト構造の第1バッファ層52を形成することによって、Si基板51と窒化物系半導体各層(54〜59)との応力を緩和することが可能となる。また、第1バッファ層52の表面が(111)面となるとともに、第1バッファ層52の[1−10]方向がSi基板51の[1−10]方向と一致するように配向しているので、Si基板51の隣接原子間隔との差(4.1%)が小さい第1バッファ層52を得ることができる。これにより、Si基板51と窒化物系半導体各層(54〜59)との間に発生する応力を緩和することができるとともに、格子定数差に起因して第1バッファ層52に多くの格子欠陥が発生するのを抑制することができるので、第1バッファ層52上に形成される窒化物系半導体各層(54〜59)に多くの格子欠陥が発生するのも抑制することができる。その結果、Si基板51と窒化物系半導体各層(54〜59)との間に発生する応力を緩和しながら、格子定数差に起因する格子欠陥が低減された窒化物系半導体各層(54〜59)を容易に形成することができる。
【0079】
また、第実施形態では、上記のように、第1バッファ層52の表面が(111)となるように配向しているので、第1バッファ層52の表面が3回対称となる。これにより、第1バッファ層52上に形成される窒化物系半導体各層(54〜59)の表面が(0001)面になりやすいので、結晶成長が容易で、かつ、結晶欠陥の少ない窒化物系半導体各層(54〜59)が得られやすい。
【0080】
図16〜図24および図26は、図15に示した第実施形態による窒化物系半導体からなる面発光半導体レーザ素子(LD)の製造プロセスを説明するための断面図である。図25は、図24に示した製造プロセスにおけるp型コンタクト層の詳細上面図である。次に、図15〜図26を参照して、第実施形態による窒化物系半導体からなる面発光半導体レーザ素子の製造プロセスについて説明する。
【0081】
まず、図16に示すように、レーザアブレーション法を用いて、立方晶の(111)面を表面とするSi基板51上に、約15nmの膜厚を有する立方晶のSrTiO3からなるペロブスカイト構造の第1バッファ層52を形成する。具体的には、Si基板51を約650℃の成長温度に保持した状態で、雰囲気酸素圧力が約8Pa〜約40Paの条件下において、レーザをSrTiO3に集光させることによって、SrTiO3を加熱する。これにより、蒸発したSrTiO3の分子や原子などを、Si基板51上に堆積させることにより、第1バッファ層52の表面が3回対称となるように形成する。レーザ光源には、エキシマレーザ(ArF:波長193nm、パルス幅20nsec)を用いるとともに、エネルギー密度およびパルスの繰り返し周波数は、それぞれ、2J/cm2および5Hzとする。この場合、第1バッファ層52の表面が(111)となるとともに、第1バッファ層52の[1−10]方向が、Si基板51の[1−10]方向と一致するように配向する。
【0082】
次に、プラズマCVD法を用いて、第1バッファ層52上に、SiNまたはSiO2からなる選択成長膜53を形成する。その後、図17に示すように、この選択成長膜53をオーバーハング部を有する逆メサ形状(台形形状)に形成する。このようなオーバーハング部を有する逆メサ形状の選択成長膜53の形成方法としては、まず、選択成長膜53上の所定領域にレジスト(図示せず)を形成する。そして、そのレジストをマスクとして、選択成長膜53をウェットエッチングすることによって、オーバーハング部を有する選択成長膜53を形成する。このとき、選択成長膜53をエッチングする幅w(μm)、および、エッチングをせずに残す選択成長膜53の幅b(μm)は、それぞれ、約40μm以下とするのが好ましい。なお、幅b(μm)+幅w(μm)>約40μmとなる場合においては、選択成長膜53上に形成する後述のn型GaN層54の平坦化が困難となる傾向がある。このため、幅b(μm)+幅w(μm)<約40μmとするのが好ましい。この第実施形態では、選択成長膜53をエッチングする幅w(μm)およびエッチングをせずに残す選択成長膜53の幅b(μm)は、それぞれ、約0.5μmとしている。
【0083】
次に、図18〜図20に示すように、MOCVD法を用いて、Si基板51を約1150℃の成長温度に保持した状態で、第1バッファ層52上と、選択成長膜53上とに、Siがドープされたn型GaN層54を形成する。ここで、n型GaN層54を成長させる際、成長初期において、選択成長膜53のオーバーハング部の下方には、原料が届きにくくなる。その一方、オーバーハング部間の中央部付近に位置する第1バッファ層52上には原料が届きやすい。このため、オーバーハング部間の中央部付近に位置する第1バッファ層52上では、n型GaN層54の縦(c軸)方向の成長速度が速くなるとともに、オーバーハング部の下方では、n型GaN層54の成長速度が遅くなる。このため、成長初期の段階から、ファセット形状(台形状)のn型GaN層54が形成されやすくなる。そして、図18および図19に示すように、ファセット形状のn型GaN層54の成長が進むにつれて、ファセット形状のn型GaN層54の側面が徐々に横方向にも成長する。これにより、選択成長膜53上にも、n型GaN層54が形成される。さらに、n型GaN層54の成長が進むことによって、図20に示すように、各ファセット形状のn型GaN層54が合体して連続膜となる。これにより、平坦化された約10μmの膜厚を有するn型GaN層が形成される。このように、n型GaN層54が成長初期の段階から横方向に成長するので、n型GaN層54に発生する転位は、成長初期の段階からn型GaN層54の(0001)面に平行な横方向に折り曲げられる。これにより、n型GaN層54の縦(c軸)方向に伝播する転位を低減することができる。
【0084】
次に、図21に示すように、MOCVD法またはHVPE法を用いて、n型GaN層54上に、約0.45μmの膜厚を有するn型Al0.3Ga0.7Nからなるn型クラッド層55、InGaNからなるMQW発光層56、約10nmの膜厚を有するAl0.2Ga0.8Nからなるp型保護層57、および、約80nmの膜厚を有するp型GaNからなるp型クラッド層58を順次形成する。
【0085】
次に、図22〜図25に示すように、p型クラッド層58上に、周期的な屈折分布を有する2次元フォトニック結晶を含む約30nmの膜厚を有するp型GaNからなるp型コンタクト層59を形成する。具体的には、まず、図22に示すように、電子線描画などを用いたリソグラフィー技術およびエッチング技術により、SiNからなる円柱パターン62を形成する。その後、図23に示すように、円柱パターン62間に露出しているp型クラッド層58上に、p型GaNからなるp型コンタクト層59を選択成長させた後、バッファードフッ酸によりSiNからなる円柱パターン62を除去する。これにより、図24および図25に示すように、約160nmの直径と約30nmの深さとを有する6回対称に配置された複数の円形穴59aを含むp型GaNからなるp型コンタクト層59を形成する。このような6回対称に配置された円形穴59aを有するp型コンタクト層59は、周期的な屈折分布を有する2次元フォトニック結晶を含むことになる。また、図25に示すように、図25中の間隔D(約290nm)は、2次元フォトニック結晶の格子間隔と一致する。この間隔Dは、p型クラッド層58中のレーザ発振波長λ(λは半導体レーザ中のレーザ光の波長)のほぼ2/√3倍になるのが好ましい。ただし、この場合には、微細な加工が必要となる。したがって、第実施形態では、間隔Dをp型クラッド層58中のレーザ発振波長λのほぼ4/√3倍になるように設計する。これにより、円形穴59aを形成するための加工がより容易になる。
【0086】
次に、図26に示すように、Si基板51の裏面をSi基板51が約80μmの厚みになるまで研磨する。その後、フォトリソグラフィー技術およびKOH溶液によるウェットエッチング技術を用いて、電流通路に対向するSi基板51の裏面に、第1バッファ層52が露出するように、約150μmの直径を有する円形形状の穴を形成する。さらに、RIE法を用いて、第1バッファ層52の露出している部分を除去する。そして、SiNまたはSiO2からなる選択成長膜53が完全に除去されるまで、n型GaN層54をエッチングすることによって、n型GaN層54の露出された裏面を平坦にする。
【0087】
最後に、図15に示したように、真空蒸着法を用いて、p型コンタクト層59上に、約100μmの直径を有するp側電極60を形成する。そして、Si基板51の裏面上と、Si基板51、第1バッファ層52、および、n型GaN層54の側面上と、n型GaN層54の裏面上の一部とに、約100nmの直径を有する開口部を含むn側電極61を形成する。
【0088】
実施形態の製造プロセスでは、上記のように、低転位の窒化物系半導体を形成するまでに必要な窒化物系半導体の成長工程は1回のみであるので、第2実施形態に比べて製造プロセスを簡略化することができる。また、第1バッファ層52の一部が露出するように形成した選択成長膜53を用いて選択横方向成長により形成した低転位のn型GaN層54上に、窒化物系半導体各層(55〜59)を形成することによって、低転位の窒化物系半導体各層(55〜59)を形成することができる。その結果、良好な素子特性を有する窒化物系半導体レーザ素子を得ることができる。
【0089】
(第実施形態)
図27は、本発明の第実施形態による窒化物系半導体レーザ素子(LD)の断面図である。この第実施形態では、上記第1〜第実施形態および第1参考形態と異なり、立方晶のCaF2構造のCeO2からなる第1バッファ層を形成する場合について説明する。
【0090】
この第実施形態による窒化物系半導体レーザ素子では、図27に示すように、ストライプ状の凹部を有する立方晶の(111)面を表面とするSi基板71上に、約15nmの膜厚を有する立方晶のCaF2構造のCeO2からなる第1バッファ層72が形成されている。この第1バッファ層72の表面は、3回対称となるように形成されている。また、第1バッファ層72の表面が(111)面となるとともに、第1バッファ層72の[1−10]方向が、Si基板71の[1−10]方向と一致するように配向している。この場合、Si基板71の格子定数が、0.5431nmであるのに対して、第1バッファ層72の格子定数は0.5411であり、Si基板71の格子定数と、第1バッファ層72との格子定数の違いは、0.4%と小さい。なお、Si基板71は、本発明の「基板」の一例であり、第1バッファ層72は、本発明の「第1バッファ層」の一例である。
【0091】
また、第1バッファ層72上に、約10nmの膜厚を有するアンドープAlGaNからなる第2バッファ層73が形成されている。なお、この第2バッファ層73は、本発明の「第2バッファ層」の一例である。第2バッファ層73上には、アンドープGaN層74が形成されている。なお、このアンドープGaN層74から上に形成されているn型GaNからなる第1導電型コンタクト層27、n型AlGaNからなる第1導電型クラッド層28、InGaNからなるMQW発光層29、p型AlGaNからなる第2導電型クラッド層30、p型GaNからなる第2導電型コンタクト層31、p側電極32、および、n側電極33の組成および膜厚は、図4に示した第2実施形態と同様である。
【0092】
実施形態では、上記のように、立方晶の(111)面を表面とするSi基板71上に、立方晶のCeO2からなるCaF2構造の第1バッファ層72を形成することによって、Si基板71と窒化物系半導体各層(74、27〜31)との応力を緩和することが可能となる。また、第1バッファ層72の表面が(111)面となるとともに、第1バッファ層72の[1−10]方向がSi基板71の[1−10]方向と一致するように配向しているので、Si基板71の格子定数との差(0.4%)が小さい第1バッファ層72を得ることができる。これにより、Si基板71と窒化物系半導体各層(74、27〜31)との間に発生する応力を緩和することができるとともに、格子定数差に起因して第1バッファ層72に多くの格子欠陥が発生するのを抑制することができるので、第1バッファ層72上に形成される窒化物系半導体各層(74、27〜31)に多くの格子欠陥が発生するのも抑制することができる。その結果、Si基板71と窒化物系半導体各層(74、27〜31)との間に発生する応力を緩和しながら、格子定数差に起因する格子欠陥が低減された窒化物系半導体各層(74、27〜31)を容易に形成することができる。
【0093】
また、第実施形態では、第1バッファ層72上に、第2バッファ層73を形成することによって、第1バッファ層72上に、直接、窒化物系半導体各層(74、27〜31)を形成するよりも、窒化物系半導体各層(74、27〜31)の結晶性を向上させることができる。その結果、窒化物系半導体各層(74、27〜31)の格子定数をより低減することができる。
【0094】
また、第実施形態では、上記のように、第1バッファ層72の表面が(111)面となるように配向しているので、第1バッファ層72の表面が3回対称となる。これにより、第1バッファ層72上に形成される窒化物系半導体各層(74、27〜31)の表面が(0001)面になりやすいので、結晶成長が容易で、かつ、結晶欠陥の少ない窒化物系半導体各層(74、27〜31)が得られやすい。
【0095】
図28〜図31は、図27に示した第実施形態による窒化物系半導体レーザ素子(LD)の製造プロセスを説明するための断面図である。次に、図27〜図31を参照して、第実施形態による窒化物系半導体レーザ素子の製造プロセスについて説明する。
【0096】
まず、図28に示すように、フォトリソグラフィー技術およびKOH溶液によるウェットエッチング技術を用いて、Si基板71の[1−10]方向に延伸するストライプ状の凹部を形成する。この凹部の幅、凸部の幅および凸部の高さは、それぞれ、約22μm、約3μmおよび約2μmとする。また、エッチングする側面は、(110)面および(001)面とする。その後、イオンビーム支援電子ビーム蒸着法を用いて、凹凸部を有する立方晶の(111)面を表面とするSi基板71上に、約15nmの膜厚を有する立方晶のCeO2からなるCaF2構造の第1バッファ層72を形成する。具体的には、Si基板71を約570℃の成長温度に保持した状態にするとともに、ストイキメオトリ(化学量論比)を保つために、酸素ガスを約1.1×10-3Pa(8×10-6Torr)の圧力で導入する。そして、加速エネルギーが、約1keV〜約5keV程度のO2、ArおよびXeなどのイオンビームを、ペレット状のCeO2に照射することによって、ペレット状のCeO2を加熱する。これにより、蒸発したCeO2の分子や原子などを、Si基板71上に堆積させることにより、第1バッファ層72の表面が3回対称となるように形成する。この場合、第1バッファ層72の表面が(111)面となるとともに、第1バッファ層72の[1−10]方向が、Si基板71の[1−10]方向と一致するように配向する。
【0097】
次に、MOCVD法またはHVPE法を用いて、Si基板71を約600℃の成長温度に保持した状態で、第1バッファ層72上に、約10nmの膜厚を有するアンドープAlGaNからなる第2バッファ層73を形成する。
【0098】
次に、図29〜図31に示すように、Si基板71を約1150℃の成長温度に保持した状態で、第2バッファ層73上に、約10μmの膜厚を有するアンドープGaN層74を形成する。この、アンドープGaN層74を形成する際、図29および図30に示すように、第2バッファ層73の段差部側面上および凸部上面上に成長しているファセット形状(台形状)のアンドープGaN層74の側面が、徐々に内方向に横方向成長する。これにより、アンドープGaN層74の(0001)面の内方向に転位が折れ曲がる。さらに、アンドープGaN層74の成長が進むことによって、図31に示すように、約10μmの膜厚を有する上面が平坦なアンドープGaN層74が形成される。その結果、表面付近の転位が低減された良質なアンドープGaN層74を得ることができる。
【0099】
次に、図27に示したように、アンドープGaN層74上に、n型GaNからなる第1導電型コンタクト層27、n型AlGaNからなる第1導電型クラッド層28、InGaNからなるMQW発光層29、p型AlGaNからなる第2導電型クラッド層30、p型GaNからなる第2導電型コンタクト層31、p側電極32、および、n側電極33を、第2実施形態と同様の製造プロセスにより形成する。このようにして、第実施形態の窒化物系半導体レーザ素子が形成される。
【0100】
実施形態の製造プロセスでは、上記のように、低転位の窒化物系半導体を形成するまでに必要な窒化物系半導体の成長工程は1回のみであるので、第2実施形態に比べて製造プロセスを簡略化することができる。また、凹部を有するSi基板71上に第1バッファ層72を形成することにより、表面に凹部を有する形状の第1バッファ層72を形成できる。この表面に凹部を有する第1バッファ層72上に横方向成長により形成した低転位のアンドープGaN層74上に、窒化物系半導体各層(27〜31)を形成することによって、低転位の窒化物系半導体各層(27〜31)を形成することができる。その結果、良好な素子特性を有する半導体レーザ素子を得ることができる。
【0101】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0102】
たとえば、上記第1〜第実施形態および第1参考形態では、本発明を発光素子に適用する例を示したが、本発明はこれに限らず、FET(Field Effect Transistor;電界効果トランジスタ)、HBT(Heterojunction Bipolar Transistor;ヘテロ接合バイポーラトランジスタ)、受光素子、および、太陽電池にも適用可能である。
【0103】
また、上記第1〜第実施形態および第1参考形態では、第1バッファ層の形成方法として、MOCVD法、レーザアブレーション法、および、電子ビーム蒸着法を用いたが、本発明はこれに限らず、スパッタ法やゾル−ゲル法などの他の方法を用いてもよい。また、MOCVD法を用いる場合に、SrTiO3を形成する際の原料ガスとしては、Sr(Cp)2、Sr(DPM)2、Ti(OiPr)4、TiO(DPM)2、H2O、および、O2などがある。なお、Cpは、C55、C5iPr32、C5tBu32、および、C5Me5などである。この場合、tBuは、(CH33Cであり、Meは、CH3である。iPrは、(CH32CHである。Y23を形成する際の原料ガスとしては、Y(DPM)3、および、O3などがある。なお、DPMは、dipivaloylmethanato[C11182]である。L23(Lはランタノイド元素)を形成する際の原料ガスとしては、L(DPM)3、および、O3などがある。
【0104】
また、上記第実施形態では、レーザアブレーション法を用いて、Si基板51上に、第1バッファ層52を形成したが、本発明はこれに限らず、ゾル−ゲル法またはECRスパッタ法を用いて、Si基板51上に、第1バッファ層52を形成してもよい。ゾル−ゲル法を用いる場合、原料溶液として、Sr(CH115COO)2と、Ti(OiPr)4とのエチルアルコール溶液を用いて、原料溶液をSi基板51上にスピンコートする。そして、約350℃で約1分間乾燥した後、約600℃〜約750℃で約30分間のアニールを行うことにより、SrTiO3からなる第1バッファ層52を形成する。また、ECRスパッタ法を用いる場合には、ターゲットとしてSrTiO3を用いるとともに、スパッタガスとして約0.025PaのO2ガスを用いて、Si基板51の温度が約400℃の条件下において、Si基板51上にSrTiO3からなる第1バッファ層52を形成する。
【0105】
また、上記第1〜第実施形態および第1参考形態では、第1バッファ層の材料として、立方晶のペロブスカイト構造、立方晶の鉄マンガン鉱構造、立方晶のCaF2構造、および、六方晶の鉄マンガン鉱構造を用いたが、本発明はこれに限らず、立方晶のペロブスカイト構造、立方晶の鉄マンガン鉱構造、立方晶のCaF2構造、および、六方晶の鉄マンガン鉱構造のうちの、1つの構造を有する材料からなる多結晶または単結晶の材料であれば、いずれの材料を用いてもよい。また、立方晶のCaF2構造の材料として、LO2(Lはランタノイド元素)でもよく、特に、PrO2、および、CeO2が好ましい。また、六方晶の鉄マンガン鉱構造の材料として、La23(a軸の格子定数は0.3945nm)、Ce23(a軸の格子定数は0.3880nm)、および、Nd23(a軸の格子定数は0.3841nm)でもよく、特に、Pr23、および、Nd23が好ましい。
【0106】
また、立方晶の鉄マンガン鉱構造の材料として、Y23(格子定数は1.06nm)、立方晶の鉄マンガン鉱構造のPr23(格子定数は1.114nm)、立方晶の鉄マンガン鉱構造のNd23(格子定数は1.105nm)、Eu23(格子定数は1.079nm)、Gd23(格子定数は1.079nm)、Tb23(格子定数は1.057nm)、Dy23(格子定数は1.063nm)、Ho23(格子定数は1.058nm)、Er23(格子定数は1.054nm)、Tm23(格子定数は1.052nm)、Yb23(格子定数は1.039nm)、および、Lu23(格子定数は1.037nm)などのL23(Lはランタノイド元素)でもよく、特に、Sm23、Eu23、および、Gd23が好ましい。さらに、第1バッファ層の材料としては、SrTiO3、L23(Lはランタノイド元素)、PrO2、CeO2、および、Y23の少なくとも1つを含むことが好ましい。この場合、配向性の良好な第1バッファ層を得ることができる。
【0107】
また、上記第1〜第実施形態および第1参考形態では、立方晶の(111)面を表面とするSi基板を用いたが、本発明はこれに限らず、立方晶の(111)面を有するSi基板以外の基板や、六方晶の(0001)面を表面とする基板を用いてもよい。ただし、立方晶の(111)面を表面とする基板を用いる方が、最も好ましい。
【0108】
また、上記第1〜第実施形態および第1参考形態では、立方晶の(111)面を表面とする基板として、Si(111)面基板を用いたが、本発明はこれに限らず、GaP(111)A面基板、または、GaP(111)B面基板を用いても、Si(111)面基板の次によい。この場合、第1バッファ層としては、CeO2、六方晶の鉄マンガン鉱構造のCe23、六方晶の鉄マンガン鉱構造のPr23、六方晶の鉄マンガン鉱構造のNd23、および、立方晶の鉄マンガン鉱構造のSm23が好ましい。また、基板として、GaAs(111)A面、または、GaAs(111)B面を用いてもよい。この場合、第1バッファ層としては、六方晶の鉄マンガン鉱構造のLa23、および、立方晶の鉄マンガン鉱構造のPr23が、比較的好ましい。さらに、MB2(MはAl、Ti、Hf、V、Nb、Ta、および、Crなどの金属元素)などで示されるホウ素化合物基板を用いてもよい。さらに、六方晶の(0001)面を表面とする基板として、2H−ZnS(0001)などの基板を用いてもよい。
【0109】
また、上記第1〜第実施形態および第1参考形態では、V族からは、窒素のみを含む半導体を用いたが、本発明はこれに限らず、V族の窒素以外の少なくとも1つの元素と、窒素とを含む半導体を用いてもよい。たとえば、GaInAsN、および、GaInNPなどがある。
【0110】
また、上記第1〜第実施形態および第1参考形態では、窒化物系半導体層の成長方法として、MOCVD法およびHVPE法を用いたが、本発明はこれに限らず、TMAl、TMGa、TMIn、NH3、SiH4、および、Cp2Mgを原料ガスとして用いるMBE法(Molecular Beam Epitaxy;分子線エピタキシャル成長法)を用いてもよい。
【0112】
また、上記第1〜第実施形態および第1参考形態では、Si基板の(111)面上に第1バッファ層の表面が3回対称になるように形成することにより、第1バッファ層上にウルツ鉱構造の窒化物系半導体を形成したが、本発明はこれに限らず、窒化物系半導体以外の六方晶の半導体にも適用可能である。たとえば、ウルツ鉱構造のZnOをSi基板の(111)面上の第1バッファ層上に形成してもよい。また、ウルツ鉱構造のZnOの他に、ウルツ鉱構造のZnOにBe、Mg、Cd、Hg、S、SeまたはTeを含む混晶半導体であってもよい。これらの半導体は、熱膨張係数がSiより大きい。
【0113】
また、上記第1、第2および第実施形態では、第1バッファ層上に、第2バッファ層を形成した後、第2バッファ層上に、窒化物系半導体層を形成したが、本発明はこれに限らず、第2バッファ層を形成せずに、第1バッファ層上に、直接窒化物系半導体層を形成してもよい。ただし、窒化物系半導体層の結晶性を向上させるためには第1バッファ層、第2バッファ層および窒化物系半導体層を順次形成する方が好ましい。
【0114】
また、上記第1実施形態では、p型コンタクト層9上に、約20nmの膜厚を有する下層のPd層と約40nmの膜厚を有する上層のAu層とからなるp側透光性電極10を形成したが、本発明はこれに限らず、光を透過させるための間隙を有するp側透光性電極を形成してもよい。たとえば、p型コンタクト層9上に、約20μmの電極幅と約50μmの電極間距離とを有するネット(網目)形状の電極を形成してもよい。この場合、電極としては、表面の約10%を覆うように形成された、約100nmの膜厚を有する下層のPd層と約100nmの膜厚を有する上層のAu層とからなる電極を形成してもよい。
【0115】
また、上記第1実施形態では、パラジウム(Pd)層をp側透光性電極10の下層として形成したが、本発明はこれに限らず、パラジウム(Pd)層に代えて、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、および、イリジウム(Ir)からなるグループより選択される少なくとも1つを含む金属、または、合金からなる層をp側透光性電極10の下層として形成してもよい。特に、Ni、PdまたはPtからなる層をp側透光性電極10の下層として用いれば、良好なオーミック接触を得ることができる。
【0116】
また、上記第1実施形態では、金(Au)からなる層をp側透光性電極10の上層として形成したが、本発明はこれに限らず、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、スズ(Sn)、および、マグネシウム(Mg)からなるグループより選択される少なくとも1つを含む酸化物からなる層をp側透光性電極10の上層として形成してもよい。具体的には、ZnO、In23、SnO2、ITO(InとSnとの酸化物)、および、MgOなどが考えられる。
【0117】
また、上記第1実施形態では、p型層側にp側透光性電極10を形成したが、本発明はこれに限らず、n型層側に透光性電極を形成し、n型層側から光を取り出すようにしてもよい。この場合、p型層側よりn型層側の方が、高いキャリア濃度を容易に得ることができるので、オーミック接触を得られやすい。これにより、n型層側に透光性電極を形成しやすい。n型層側の透光性電極の材料としては、TiおよびAlなどの金属の薄膜の他に、ZnO、In23、SnO2、および、ITO(InとSnとの酸化物)などが考えられる。
【0118】
また、上記第1実施形態では、Mgがドープされたp型Ga0.15In0.85Nからなるp型コンタクト層9、または、上記第2〜第実施形態では、Mgがドープされたp型GaNからなるp型コンタクト層を形成したが、本発明はこれに限らず、GaTlN、および、GaInTlNなどのTlを含む窒化物系半導体、または、GaAsN、GaInAsN、GaNP、および、GaInNPなどのAs、または、Pを含む窒化物系半導体からなるp型コンタクト層を形成してもよい。ただし、GaInNやGaNが、最も作製しやすい。
【0119】
また、上記第2実施形態では、SiNからなるマスク層25を選択成長マスクとして用いることによって、低転位密度の窒化物系半導体層を成長したが、本発明はこれに限らず、PENDEO法、または、GaN層に凹凸を形成後に成長させる方法などを用いてもよい。この場合、上記第2実施形態と同様、低転位密度の窒化物系半導体層を得ることができる。
【0120】
また、上記第2〜第実施形態および第1参考形態では、マスク層25、第1バッファ層42、および、選択成長膜53のパターニング形状は、ストライプ状(細長状)に形成したが、本発明はこれに限らず、円形、六角形または三角形でもよい。
【0121】
また、上記第3実施形態および第1参考形態では、Si基板上に、部分的に形成された第1バッファ層42、または、一部を露出するように形成された第1バッファ層52を形成したが、本発明はこれに限らず、少なくとも、どちらか一方の構造を有するように形成してもよい。たとえば、基板上にストライプ状に形成された選択成長膜の開口部に第1バッファ層を有する構造を形成してもよい。この場合、上記第3および第実施形態と同様、低転位密度の窒化物系半導体層を得ることができる。
【0122】
また、上記第実施形態では、凹部を形成したSi基板71上に第1バッファ層72を形成することにより、表面に凹部を有する第1バッファ層72を形成したが、本発明はこれに限らず、平坦な基板上に厚い第1バッファ層(たとえば約3μm)を平坦に形成した後、ドライエッチングなどで第1バッファ層に凸部の高さが約2μmの凹部を形成してもよい。また、平坦な基板上に高さ約2μmのSiO2やSiNXなどからなる凸部をストライプ状に形成した後、全面に第1バッファ層を形成し、第1バッファ層の表面に凹部を形成してもよい。
【0123】
また、上記第実施形態では、フォトリソグラフィー技術およびKOH溶液によるウェットエッチング技術を用いて、Si基板71の(110)面と(001)面とをエッチングすることにより、[1−10]方向に延伸するストライプ状の凹部を形成したが、本発明はこれに限らず、ストライプ状の凹部の方向が異なってもよい。たとえば、Si基板71の(201)面と(021)面とをエッチングすることにより、[11−2]方向に延伸するストライプ状の凹部を形成してもよい。
【0124】
また、上記第実施形態では、Si基板71に、ストライプ状の凹部を形成したが、本発明はこれに限らず、凹部および凸部の形状は、円形、六角形または三角形などの形状でもよい。この凹部および凸部の形状を、六角形または三角形に形成する場合、六角形および三角形の各辺の方向は、どの結晶方位と一致させるようにしてもよい。特に、Si(111)面の基板では、六角形および三角形の各辺の方向は、[1−10]方向、または、[11−2]方向と同じ方向に一致させるようにするのが好ましい。
【0125】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、基板と半導体層との間に発生する応力を緩和しながら、格子定数差に起因する格子欠陥が低減された半導体層を形成することが可能な半導体の形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の第1実施形態による窒化物系半導体からなる発光ダイオード素子(LED)の断面図である。
【図2】 図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体からなる発光ダイオード素子(LED)の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図3】図1に示した第1実施形態による窒化物系半導体からなる発光ダイオード素子(LED)の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子(LD)を示した断面図である。
【図5】図4に示した第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子(LD)の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図6】図4に示した第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子(LD)の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図7】図4に示した第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子(LD)の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図8】図4に示した第2実施形態による窒化物系半導体レーザ素子(LD)の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図9】本発明の第1参考形態による窒化物系半導体レーザ素子(LD)を示した断面図である。
【図10】図9に示した第1参考形態による窒化物系半導体レーザ素子(LD)の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図11】図9に示した第1参考形態による窒化物系半導体レーザ素子(LD)の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図12】図9に示した第1参考形態による窒化物系半導体レーザ素子(LD)の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図13】図9に示した第1参考形態による窒化物系半導体レーザ素子(LD)の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図14】図9に示した第1参考形態による窒化物系半導体レーザ素子(LD)の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図15】本発明の第実施形態による窒化物系半導体からなる面発光半導体レーザ素子(LD)を示した断面図である。
【図16】図15に示した第実施形態による窒化物系半導体からなる面発光半導体レーザ素子(LD)の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図17】図15に示した第実施形態による窒化物系半導体からなる面発光半導体レーザ素子(LD)の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図18】図15に示した第実施形態による窒化物系半導体からなる面発光半導体レーザ素子(LD)の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図19】図15に示した第実施形態による窒化物系半導体からなる面発光半導体レーザ素子(LD)の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図20】図15に示した第実施形態による窒化物系半導体からなる面発光半導体レーザ素子(LD)の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図21】図15に示した第実施形態による窒化物系半導体からなる面発光半導体レーザ素子(LD)の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図22】図15に示した第実施形態による窒化物系半導体からなる面発光半導体レーザ素子(LD)の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図23】図15に示した第実施形態による窒化物系半導体からなる面発光半導体レーザ素子(LD)の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図24】図15に示した第実施形態による窒化物系半導体からなる面発光半導体レーザ素子(LD)の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図25】図24に示した製造プロセスにおけるp型コンタクト層の詳細上面図である。
【図26】図15に示した第実施形態による窒化物系半導体からなる面発光半導体レーザ素子(LD)の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図27】本発明の第実施形態による窒化物系半導体レーザ素子(LD)の断面図である。
【図28】図27に示した第実施形態による窒化物系半導体レーザ素子(LD)の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図29】図27に示した第実施形態による窒化物系半導体レーザ素子(LD)の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図30】図27に示した第実施形態による窒化物系半導体レーザ素子(LD)の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図31】図27に示した第実施形態による窒化物系半導体レーザ素子(LD)の製造プロセスを説明するための断面図である。
【符号の説明】
1、21、41、51、71 Si基板(基板)
2、22、42、52、72 第1バッファ層(第1バッファ層)
4 n型コンタクト層(窒化物系半導体層)
5、29、56 発光層(窒化物系半導体層)
6 保護層(窒化物系半導体層)
7、58 p型クラッド層(窒化物系半導体層)
8 p型中間層(窒化物系半導体層)
9、59 p型コンタクト層(窒化物系半導体層)
24、26、43、74 アンドープGaN層(窒化物系半導体層)
25 マスク層(窒化物系半導体層)
27 第1導電型コンタクト層(窒化物系半導体層)
28 第1導電型クラッド層(窒化物系半導体層)
30 第2導電型クラッド層(窒化物系半導体層)
31 第2導電型コンタクト層(窒化物系半導体層)
54 n型GaN層(窒化物系半導体層)
55 n型クラッド層(窒化物系半導体層)
57 p型保護層(窒化物系半導体層)

Claims (7)

  1. 基板上の少なくとも一部に、表面が(111)面となるように配向している立方晶のペロブスカイト構造、表面が(111)面となるように配向している立方晶の酸化物からなるCaF2構造、および、表面が(0001)面となるように配向している六方晶の鉄マンガン鉱構造のうちの1つの構造を有する材料からなる多結晶または単結晶の材料を含む第1バッファ層を形成する工程と、
    前記第1バッファ層上に、表面が(0001)面となるように窒化物系半導体層または前記基板よりも熱膨張係数が大きい結晶構造が六方晶である半導体層を形成する工程とを備え
    前記基板は、立方晶の(111)面を表面とする基板、および、六方晶の(0001)面を表面とする基板のうちのいずれか一方を含む、半導体の形成方法。
  2. 前記第1バッファ層は、SrTiO3、PrO2、CeO2からなるグループより選択される少なくとも1つを含む、請求項に記載の半導体の形成方法。
  3. 前記基板は、Si基板およびGaP基板のいずれか一方を含む、請求項1または2に記載の半導体の形成方法。
  4. 前記第1バッファ層を形成した後、前記窒化物系半導体層または基板よりも熱膨張係数が大きい結晶構造が六方晶である半導体層を形成する前に、前記第1バッファ層上の少なくとも一部に、多結晶または非晶質の第2バッファ層を形成する工程をさらに備える、請求項1〜のいずれか1項に記載の半導体の形成方法。
  5. 前記半導体層を形成する工程は、横方向成長を用いる工程を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の半導体の形成方法。
  6. 基板上の少なくとも一部に形成され、表面が(111)面となるように配向している立方晶のペロブスカイト構造、表面が(111)面となるように配向している立方晶の酸化物からなるCaF2構造、および、表面が(0001)面となるように配向している六方晶の鉄マンガン鉱構造のうちの1つの構造を有する材料からなる多結晶または単結晶の材料を含む第1バッファ層と、
    前記第1バッファ層上に表面が(0001)面となるように形成された窒化物系半導体層または前記基板よりも熱膨張係数が大きい結晶構造が六方晶である半導体層とを備え
    前記基板は、立方晶の(111)面を表面とする基板、および、六方晶の(0001)面を表面とする基板のうちのいずれか一方を含む、半導体素子。
  7. 前記基板は、Si基板およびGaP基板のいずれか一方を含む、請求項7に記載の半導体素子。
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