JP4117509B2 - ブレーキ制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のブレーキ系統に係り、特にホイールブレーキへ供給する液圧を任意に制御できるブレーキ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のブレーキ制御装置は、一般にブレーキペダルの踏力に応じた液圧を発生するマスタシリンダと、液圧源を含み、ブレーキペダルの操作に応じて前記液圧源の液圧を調圧しホイールシリンダへ供給する液圧制御手段と、該液圧制御手段が失陥した時に前記マスタシリンダの液圧をホイールシリンダへ供給するフェイルセーフ弁と、前記液圧制御手段の正常動作時にはブレーキペダルの必要なストロークを確保するストロークシミュレータとを備えた構造となっている。
【0003】
このようなブレーキ制御装置において、上記ストロークシミュレータとしては、従来一般にはマスタシリンダの液圧に応じて容積変化するアキュムレータまたはダンパが用いられていたが、このものでは、アキュムレータまたはダンパへ供給する液量に加えてホイールシリンダへ供給する液量をマスタシリンダに確保しなければならず、大型のマスタシリンダが必要になって、装置の大型化が避けられないようになる。
【0004】
そこで、例えば、特開平7−165031号公報に記載のブレーキ制御装置では、同公報から抜粋して図4に示すように、ブレーキペダルaとマスタシリンダbとの間に、マスタシリンダb側の第1ロッドf1と、ブレーキペダルa側の第2ロッドf2と、第1および第2のロッドf1とf2との間に介装したスプリング(ばね)f3とからなるペダルフィーリング調整機構(ストロークシミュレータ)fを設け、上記液圧制御手段の正常動作時には、前記ばねf3を短縮させてブレーキペダルaの必要なストロークを確保し、該液圧制御手段の失陥時すなわちフェイルセーフ時には、第1ロッドf1に第2ロッドf2を当接させて、ブレーキペダルaの踏力を直接マスタシリンダbに伝えるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載のブレーキ制御装置によれば、フェイルセーフ時にマスタシリンダが作動する場合、運転者は、通常時にストロークシミュレータfによって消費されるストロークにマスタシリンダ(ピストン)のストローク分を上乗せした分だけブレーキペダルaを踏み込む必要があるため、同一減速度を得るのに通常時よりも強くブレーキペダルaを踏み込まなければならず、ブレーキ操作が極めて難しくなるという問題があった。
【0006】
また、ストロークシミュレータfによる反力は、ばねf3の変位量のみで決まるため、一般のペダル反力特性に存在するようなスピード依存成分(速く踏む程、反力は増大する)がなく、実用上、ペダルフィーリングに違和感を伴うという問題もあった。
【0007】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ブレーキ操作性およびペダルフィーリング性を犠牲にすることなくブレーキペダルの必要なストロークを確保できるストロークシミュレータを備えたブレーキ制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、ブレーキペダルの踏力に応じた液圧を発生する、圧力室を形成するピストンを有したマスタシリンダと、液圧源を含みブレーキペダルの操作に応じて前記液圧源からの液圧を調圧しホイールシリンダへ供給する液圧制御手段と、該液圧制御手段が失陥した時に前記マスタシリンダの圧力室の液圧をホイールシリンダへ供給するフェイルセーフ弁と、前記ブレーキペダルと前記マスタシリンダとの間に介装され、前記液圧制御手段の正常動作時には、ばねを短縮させてブレーキペダルの必要なストロークを確保するストロークシミュレータとを備えたブレーキ制御装置において、前記ストロークシミュレータを前記マスタシリンダのシリンダ本体内に納め、該シリンダ本体内には、前記ピストンとブレーキペダルに連動する前記ストロークシミュレータのロッドとにより前記圧力室と直列に液室を区画形成すると共に、該液室内にストロークシミュレータの前記ばねを配置し、さらに、前記マスタシリンダには、前記マスタシリンダのリザーバと前記液室とを連通し前記シリンダ本体内に設けられた液通路を前記ピストンの動きによって連通遮断でき、前記液圧制御手段の正常動作時には前記液室をリザーバへ連通させ、かつ該液圧制御手段の失陥時には前記液室と前記リザーバとの連通を遮断する連通遮断手段を設け、該連通遮断手段は、前記ピストンに設けられたシール部材を有し、前記ピストンが所定量移動したときに前記シール部材により前記液通路を遮断するようになっていることを特徴とする。
【0009】
このように構成したことにより、液圧制御手段の失陥時は、連通遮断手段が、ストロークシミュレータのばねを配置した液室とリザーバとの連通を遮断するので、前記液室内に液が封じ込められ、これによりばねの短縮を伴うことなくマスタシリンダのピストンがストロークし、したがって、ブレーキペダルを大きく踏み込む必要はなくなる。
一方、液圧制御手段の正常動作時は、ストロークシミュレータのばねが短縮してブレーキペダルの必要なストロークが確保されるが、この時、連通遮断手段によってばねを配置した液室内の液がリザーバへ流動するので、その流通抵抗によりブレーキペダルの操作スピードに応じた反力成分が発生し、所望のペダルフィーリング性が確保される。
また、連通遮断手段は、マスタシリンダのピストンの動きにより該マスタシリンダの本体内に設けられた液通路を連通遮断するので、特別のバルブ機構を設けることなく簡単に連通遮断機能を付加することができる。
【0010】
本発明は、上記液通路にオリフィスを設けるようにしても良く、これにより液の流通抵抗がより大きく付加され、ペダルフィーリング性の改善がより確実となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
図2は、本発明に係るブレーキ制御装置の全体的構成を示したもので、このブレーキ制御装置は、ブレーキペダル1の操作(例えば、踏力)に応じた液圧を発生する、後述のストロークシミュレータ2(図1)を内蔵したマスタシリンダ3と、マスタシリンダ3の液圧に応じてホイールシリンダ4へ供給する液圧を制御する液圧制御装置5と、ホイールシリンダ4に対してマスタシリンダ1と液圧制御装置5とを選択的に接続するフェイルセーフ弁6とから概略構成されている。
【0013】
本実施の形態において、上記液圧制御装置5は液圧源7、液圧制御弁8および電子制御ユニット9を含んでおり、その液圧制御弁8は、図3に示すような構造となっている。図3において、10は、内部の穴10aにスプール11を摺動可能に納めた弁本体で、弁本体10には液圧源(AC)7に接続される入力ポート12A、前記ホイールシリンダ(HC)4に接続される出力ポート12Bおよび図示を略す液タンクREに接続される排出ポート12Cが設けられている。この弁本体10の一端には、前記電子制御ユニット(ECU)9からの電流供給により作動するリニアソレノイド13が結合されており、その作動ロッド13aが前記スプール11の一端に押し当てられている。一方、弁本体10の穴10aの底部側にはスプール11をリニアソレノイド13側へ付勢する戻しばね14とスプール11に出力反力を加える反力機構15とが設けられている。反力機構15は、ここでは出力ポート12Bに制御圧流路16を介して連通する液圧室17と、この液圧室17から前記穴10a内まで摺動可能に延ばされた制御ピン18と、この制御ピン18を付勢してその先端をスプール11の他端に当接させるばね19とからなっている。
【0014】
このような液圧制御弁8は、通常は、戻しばね14のばね力によってスプール6が戻り位置(減圧位置)にあり、入力ポート12Aが閉じられると共に出力ポート12Bは排出ポート12Cを介して液タンク(RE)側へ開かれている。この状態から、ECU9によってリニアソレノイド13に通電すると、その通電電流に応じて作動ロッド13aがスプール11を増圧位置に移動させ、排出ポート12Cが閉じる一方で入力ポート12Aが開かれて、液圧源7の液圧が出力ポート12Bからホイールシリンダ4へ供給される。この時、出力ポート12Bの液圧が制御圧流路16を介して液圧室17に伝達され、制御ピン18がスプール11を図中右方へ押圧してリニアソレノイド13に反力が作用し、リニアソレノイド13の推力と、制御室17内の液圧および戻しばね14のばね力とがバランスして、スプール11が入力ポート12Aおよび排出ポート12Cを閉鎖するまで、出力ポート12Bの液圧が上昇し、これによりリニアソレノイド13への通電電流に応じてホイールシリンダ4への液圧が調整されるようになる。
【0015】
上記電子制御ユニット9は、マスタシリンダ3の液圧を検出する液圧センサ20からの信号に基づいて、液圧制御弁8のリニアソレノイド13にマスタシリンダ3の液圧に応じた電流を通電するようになっており、この通電により、液圧制御弁8内のスプール11が上記したように増圧動作し、液圧源7からの液圧が調整されてホイールシリンダ4に供給される。一方、電子制御ユニット9には、ブレーキペダル1の踏込みを検知するブレーキランプスイッチ21から信号が入力されるようになっており、電子制御ユニット9は、このブレーキランプスイッチ21からの信号に基づきフェイルセーフ弁6を液圧制御装置5側へ切換えると共に、液圧制御弁8を作動させる。電子制御ユニット9にはまた、ホイールシリンダ4への供給圧を検出する液圧センサ22から信号が入力されるようになっており、前記液圧制御弁8の作動によってもなお、ホイールシリンダ4への液圧が上昇しないことが液圧センサ23によって確認されると、電子制御ユニット9は、フェイルセーフ弁6を図示の位置に復帰させて、マスタシリンダ3の液圧を直接ホイールシリンダ4へ供給できるようにする。
【0016】
ここで、上記ストロークシミュレータ2を内蔵するマスタシリンダ3は、図1に示すような構造となっている。同図において、30はマスタシリンダ3のシリンダ本体で、シリンダ本体30は、ストロークシミュレータ2の全体を収納できるに足る十分な長さに形成されている。シリンダ本体30は有底筒状をなし、その周壁には、リザーバ31(図2)に通じる2つのポート32,33が設けられている。このシリンダ本体30の内底部側には、マスタシリンダ3を構成するピストン34が配設されており、ピストン34は、シリンダ本体30内に嵌合したスリーブ35により摺動案内されるようになっている。このピストン34の先端部(シリンダ本体30への挿入端部)にはカップ部34aが設けられており、このカップ部34aとシリンダ本体30の内底との間は、マスタシリンダ3の圧力室36として構成されている。なお、シリンダ本体30の内面には、ピストン34のカップ部34aを液密にシールするシール部材(カップシール)37が装着されている。
【0017】
上記圧力室36には、前記フェイルセーフ弁6(図2)に連通する吐出ポート38が開口している。圧力室36にはまた、軸部材39を介して相互に接近離間可能に連結された2つのカップ状ばね受け40,41に両端を着座させた状態でばね42が配設されている。ピストン34は、常時はこのばね42によりシリンダ本体30の開口側へ付勢され、マスタシリンダ3の非作動時には、軸部材39が最大限に伸長する後退端に位置決めされる。
【0018】
上記スリーブ35は、その先端部と中間部とをシリンダ本体30の内面に部分的に密着させており、これによりスリーブ35の周りには、環状の室43と環状の通路44とが形成されている。スリーブ35の前記中間部には、シリンダ本体30の内面との間をシールするシール部材(Oリング)45が装着されており、前記環状の室43と通路44とは、このシール部材45により相互に導通不能に隔離されている。しかして、前記環状の室43には、前記シリンダ本体30に設けられた一方のポート32が開口しており、また、この環状の室43は、スリーブ35に設けたポート46とピストン34のカップ部34aに設けたポート47とにより前記圧力室36に連通させられている。ピストン34のカップ部34aに設けたポート47は、前記したピストン34の後退端において前記シール部材37からわずか後方へ離間する位置に設定されており、したがって、ピストン34がその後退端からわずか前進すると、該ポート47がシール部材37にラップし、圧力室36は密閉室として区画されるようになる。
【0019】
シリンダ本体30の開口側には、第2のスリーブ50が嵌合されている。この第2のスリーブ50は、前記シリンダ本体30の内底部側のスリーブ(以下、これを第1のスリーブという)35に対してスペーサ51およびストッパリング52を介して連接されている。第2のスリーブ50の後端は、シリンダ本体30の開口端部に螺合したカップ状のカバー53により押えられ、一方、第1のスリーブ35の先端はシリンダ本体30の内面の段差に突き当てられており、これにより2つのスリーブ35、50はシリンダ本体30内に位置固定的に配置されている。
【0020】
上記第2のスリーブ50内には、ストロークシミュレータ2を構成するロッド54が摺動可能に嵌挿されている。このロッド54は、その後端部に設けた凹部54aにブレーキペダル1から延ばした軸1a(図2)を受入れることにより、ブレーキペダル1と連動するようになっている。シリンダ本体30と第2のスリーブ50との間は、第2のスリーブ50に装着した2つのシール部材(Oリング)55,56によりシールされ、一方、第2のスリーブとロッド54との間は、第2のスリーブ50に装着した2つのシール部材(カップシール)57,58によりシールされている。これにより、シリンダ本体30内には、マスタシリンダ3のピストン34とストロークシミュレータ2のロッド54とにより密閉の液室59が区画形成されている。
【0021】
上記液室59には、ストロークシミュレータ2を構成する2つのばね60,61が配設されている。これら2つのばね60,61は、ロッド54の先端に装着したばね受け62とマスタシリンダ側のピストン34の軸端に装着したばね受け63との間に、中間のフリーのばね受け64を介して直列に配置されている。これら2つのばね60,61の合成セット荷重は、前記マスタシリンダ側の圧力室36内のばね42のセット荷重よりも低く設定されている。したがって、液室59内に液圧が発生していない状態で、ロッド54にブレーキペダル1の踏力が負荷されると、2つのばね60,61が短縮して、マスタシリンダ側のピストン34が不動のままでロッド54のみが移動(前進)するようになる。なお、2つのばね60,61としてばね定数の異なるものが選択されている。
【0022】
一方、マスタシリンダ側のピストン34の後端部には、第1のスリーブ35との間をシールするシール部材(カップシール)65が装着されている。ピストン34は、その先端側のカップ部34aとこのシール部材65とを部分的に第1のスリーブ35に密着させており、これによりピストン34の周りには環状の室66が形成されている。この環状の室66は、第1のスリーブ35に設けたポート67,68を通じて第1のスリーブ35の周りの環状の室43、環状の通路44にそれぞれ連通させられている。
【0023】
上記シール部材65は、ピストン34の後退端において、前記環状の通路44に連通するポート68よりもわずか後方(液室59側)となる位置に設けられており、これによりマスタシリンダ3の非作動時には、液室59内が第1のスリーブ35の周りの環状の通路44、第1のスリーブ35の一方のポート68、ピストン34の周りの環状の室66、第1のスリーブ35の他方のポート67、第1のスリーブ35の周りの環状の室43およびシリンダ本体30の一方のポート32を通じてリザーバ31に連通する状態となる。なお、第1のスリーブ35の一方のポート68は、その一部がオリフィス状に絞られている。
【0024】
さらに、第2のスリーブ50の周りには、2つのシール部材55と56の間に位置して環状の室69が設けられており、この室69には、シリンダ本体30に設けられた他方のポート33が開口している。また、ストロークシミュレータ2を構成するロッド54の先端部には、前記液室59に連通する凹部54bが設けられており、この凹部54b内と前記環状の室69との間は、ロッド54に設けたポート70と、第2のスリーブ50に設けたポート71とにより連通させられている。ロッド54の後退端において、そのポート70は第2のスリーブ50の先端側のシール部材58よりわずか後方(シリンダ本体30の開口端側)に位置決めされるようになっており、これによりマスタシリンダ3の非作動時には、液室59内がロッド54のポート70、第2のスリーブ50のポート71、第2のスリーブ50の周りの環状の室69およびシリンダ本体30の他方のポート33を通じてリザーバ31に連通する状態となる。
【0025】
以下、上記のように構成したブレーキ制御装置の作用を説明する。
先ず、液圧制御装置5が正常に動作している場合について説明する。この場合は、フェイルセーフ弁6が液圧制御装置5側へ切換えられるため、マスタシリンダ3の圧力室36内の液の吐出は遮られている。この状態の基、ブレーキペダル1の踏力がロッド54へ伝えられると、2つのばね60,61が次第に短縮してロッド54が前進する。なお、このロッド54の前進により、そのポート70がシール部材58にラップし、液室59とシリンダ本体30の他方の排出ポート33との連通は遮断される。そして、2つのばね60,61の合成荷重が圧力室36内のばね42のセット荷重を上回ると、マスタシリンダ3のピストン34も前進するが、このピストン34の前進によりそのポート47がシール部材37にラップし、これにより圧力室36内に液が封じ込められて、ピストン34は直ちに移動停止する。
【0026】
このピストン34が停止した状態では、ピストン34に設けたシール部材65は第1のスリーブ35のポート68にラップしておらず、これにより液室59内の液は、通路44、ポート68、室66、ポート67および室43を経てシリンダ本体30の一方のポート32からリザーバ31へ逃がされる。したがって、2つのばね60,61は引続いて短縮動作を行い、これによりブレーキペダル1の必要なストロークが確保される。すなわち、ストロークシミュレータ2は本来的なシミュレータ機能を果たす。この時、液室59からリザーバ31へ排出される液には各流路から流通抵抗が働き、ブレーキペダル1の操作スピードに応じた反力成分が発生し、所望のペダルフィーリング性が確保される。本実施の形態では特に、ポート68をオリフィス状に絞っているので、液の流通抵抗がより一層高まり、ペダルフィーリング性はより一層改善される。また、ストロークシミュレータ2は、ばね定数の異なる2つのばね60,61を有する構成となっているので、反力特性に時間的な変化がつき、通常のブレーキ操作により近似したブレーキフィーリングが得られるようになる。
【0027】
次に、液圧制御装置5が失陥した場合について説明する。この場合は、フェイルセーフ弁6が切換わってマスタシリンダ3がホイールシリンダ4へ接続され、マスタシリンダ3の圧力室36内の液が吐出ポート38を通じてホイールシリンダ4へ供給される。したがって、ブレーキペダル1の踏込みに応じてストロークシミュレータ2のロッド54が2つのばね60,61を短縮させながら前進すると、これと連動してマスタシリンダ側のピストン34も前進し、遂にはそのシール部材65が第1のスリーブ35のポート68にラップし、液室59が液密封状態(ハイドロリックロック状態)となる。すると、2つのばね60,61の短縮が抑えられ、ロッド54と一体にピストン34が前進し、ホイールシリンダ4へ所定の液圧が供給される。すなわち、ストロークシミュレータ2のシミュレータ機能がキャンセルされ、これによりブレーキペダル1を大きく踏み込む必要はなくなる。
【0028】
なお、上記実施の形態において、液圧制御装置5の液圧制御弁8として、リニアソレノイド13をスプール11の増圧作動側に、ばね14のばね力および反力機構15の反力をスプール11の減圧側に使う形式のものを用いたが、本発明は、この液圧制御弁8の形式を限定するものではなく、例えば前出特開平7−165031号公報に記載されるような、マスタシリンダ圧の力をスプールの増圧側に、リニアソレノイドの力をスプールの減圧側に使う形式のものを用いることができる。
【0029】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係るブレーキ制御装置によれば、ストロークシミュレータのばねをマスタシリンダのシリンダ本体内に設けた液室に配置し、液圧制御手段の正常動作時は該液室内の液を排出してばねの短縮を可能にすると共に、液圧制御手段の失陥時は該液室内に液を封じ込めてばねを固定するようにしたので、ブレーキ操作性を犠牲することなくブレーキペダルの必要なストロークを確保することができる。また、液室から排出される液の流通抵抗によりブレーキペダルの操作スピードに応じた反力成分が発生するので、液圧制御手段の正常動作時は所望のペダルフィーリング性を確保でき、その利用価値は大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るストロークシミュレータ内蔵のマスタシリンダの構造を示す断面図である。
【図2】本発明の一つの実施の形態としてのブレーキ制御装置の系統図である。
【図3】本実施の形態で用いた液圧制御弁の構造を示す断面図である。
【図4】従来のストロークシミュレータの構造を示す模式図である。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル
2 ストロークシミュレータ
3 ストロークシミュレータ内蔵のマスタシリンダ
4 ホイールシリンダ
5 液圧制御装置
6 フェイルセーフ弁
7 液圧源
30 シリンダ本体
31 リザーバ
32 ポート
34 ピストン
35,50 スリーブ
36 マスタシリンダの圧力室
54 ストロークシミュレータのロッド
59 液室
60,61 ストロークシミュレータのばね
65 シール部材(連通遮断手段)
68 ポート(オリフィス)
Claims (2)
- ブレーキペダルの踏力に応じた液圧を発生する、圧力室を形成するピストンを有したマスタシリンダと、液圧源を含みブレーキペダルの操作に応じて前記液圧源からの液圧を調圧しホイールシリンダへ供給する液圧制御手段と、該液圧制御手段が失陥した時に前記マスタシリンダの圧力室の液圧をホイールシリンダへ供給するフェイルセーフ弁と、前記ブレーキペダルと前記マスタシリンダとの間に介装され、前記液圧制御手段の正常動作時には、ばねを短縮させてブレーキペダルの必要なストロークを確保するストロークシミュレータとを備えたブレーキ制御装置において、前記ストロークシミュレータを前記マスタシリンダのシリンダ本体内に納め、該シリンダ本体内には、前記ピストンとブレーキペダルに連動する前記ストロークシミュレータのロッドとにより前記圧力室と直列に液室を区画形成すると共に、該液室内にストロークシミュレータの前記ばねを配置し、さらに、前記マスタシリンダには、前記マスタシリンダのリザーバと前記液室とを連通し前記シリンダ本体内に設けられた液通路を前記ピストンの動きによって連通遮断でき、前記液圧制御手段の正常動作時には前記液室をリザーバへ連通させ、かつ該液圧制御手段の失陥時には前記液室と前記リザーバとの連通を遮断する連通遮断手段を設け、該連通遮断手段は、前記ピストンに設けられたシール部材を有し、前記ピストンが所定量移動したときに前記シール部材により前記液通路を遮断するようになっていることを特徴とするブレーキ制御装置。
- 液通路に、オリフィスを設けたことを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御装置。
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