JP4116772B2 - 感熱記録材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は感熱記録材料に関し、さらに詳しくは感熱発色層上に保護層を有する感熱記録材料における高感度(発色特性)で、耐可塑剤性、走行性、取扱い性(耐擦過性)を満たし、かつ印刷特性に優れた感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
塩基性ロイコ染料と有機酸性物質とが熱時、溶融反応して発色することは古くから知られており、この発色反応を記録紙に応用した例が種々利用されている。これらの感熱記録材料は、計測用レコーダー、コンピューター等の端末プリンター、ファクシミリ、自動販売機、バーコードラベル等の分野に応用されているが、感熱記録材料に対する要求品質も高度なものとなっており、要求品質の基本的特性の一つに、感熱記録材料の白色度が高く、さらに感度(発色特性)が良好で画像濃度が高いことが望まれている。
【0003】
また、印字後に塩ビ等と接触して保管及び/又は搬送等されることがあり、従来の感熱記録材料は、塩化ビニル等に含まれる可塑剤により画像部が消色するという問題があり、塩ビ等の可塑剤に対する耐性が要求される。この耐性を改善するために、保護層を設けることによる改良が検討されているが,走行性や耐擦過性を満たすものは得られていない。さらに保護層を設けると、オフセット印刷によるインク付着ムラが生じてしまい、チケット用途等の印刷が必要な用途での使用ができない場合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、感度(発色特性)、耐可塑剤性、走行性、取扱い性(耐擦過性)に優れ、かつ印刷特性にも優れた感熱記録材料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記した目的は、以下の発明によって達成される。
<1> 支持体上に電子供与性無色染料と電子受容性化合物とを有する感熱発色層を設け、前記感熱発色層上に無機顔料および水溶性高分子を主成分とするオーバーコート層(A)を設け、該オーバーコート層(A)上に潤滑剤と水溶性高分子とを主成分とするオーバーコート層(B)を設けた感熱記録材料であって、オーバーコート層(A)の水溶性高分子として、アマイド変性ポリビニルアルコール及び/またはジアセトン変性ポリビニルアルコールを含有し、前記オーバーコート層(A)に架橋剤としてジアルデヒド化合物、乳酸チタン、及びジヒドラジド化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする感熱記録材料。
<2> オーバーコート層(B)の潤滑剤の平均粒径が0.5μm以下であることを特徴とする前記<1>に記載の感熱記録材料。
<3> 前記電子受容性化合物が、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンであることを特徴とする前記<1>又は前記<2>に記載の感熱記録材料。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明する。
本発明において、支持体上に形成される感熱発色層上に保護層が形成される。
この保護層は、無機顔料および水溶性高分子を主成分とするオーバーコート層(A)と、該オーバーコート層(A)上に設けられ、潤滑剤と水溶性高分子とを主成分とするオーバーコート層(B)とからなる。オーバーコート層(A)中の水溶性高分子は、アマイド変性ポリビニルアルコール及び/又はジアセトン変性ポリビニルアルコールの水溶性高分子からなる。
【0007】
オーバーコート層(A)は、無機顔料と水溶性高分子を主成分とする。無機顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化珪素、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、タルク、カオリン、クレー、焼成クレー、コロイダルシリカ等の無機顔料が挙げられ、中でも前記無機顔料として水酸化アルミニウム及びカオリンを用いると、耐可塑化剤性がより改善されるので好ましい。無機顔料の平均粒子径については、特に制限はないが、前記水酸化アルミニウムとしては、体積平均粒子径が0.5〜0.9μmのものを用いることが好ましい。前記オーバーコート層(A)において、前記無機顔料の含有量は10〜90質量%であることが好ましく、20〜80質量%がより好ましい。
【0008】
オーバーコート層(A)に用いられる水溶性高分子は、アマイド変性ポリビニルアルコール及び/またはジアセトン変性ポリビニルアルコールである。前記アマイド変性ポリビニルアルコールは、水酸基がアマイドによって変性されたポリビニルアルコールであって、例えば、「EP240」(電気化学工業社製)、「NP20H」(電気化学工業社製)等が挙げられる。また、ジアセトン変性ポリビニルアルコールは、水酸基がジアセトンによって変性されたポリビニルアルコールであって、例えば、D−700(ユニチカ社製)、D−500(ユニチカ社製)等が挙げられる。
【0009】
オーバーコート層(A)には、アマイド変性ポリビニルアルコール及び/又はジアセトン変性ポリビニルアルコール以外に本発明の効果を損なわない範囲で他の水溶性高分子を用いることもできる。ここにいう他の水溶性高分子には、例えば、ポリビニルアルコールまたはその誘導体、デンプンあるいは酸化デンプン、尿素リン酸エステル化デンプン等の変性デンプン、アクリル樹脂、澱粉、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルキルエステル化物、スチレン−アクリル酸共重合体等が挙げられる。
【0010】
また、オーバーコート層(A)には,水溶性高分子を架橋するための架橋剤を添加することが必要であり、架橋剤の添加によって、可塑剤に対する耐性及び印刷特性がより改善される。前記架橋剤としては、印刷適性を向上させる観点から、ジアルデヒド化合物、乳酸チタン、及びジヒドラジド化合物から選ばれる少なくとも1種であることが必要である。
【0012】
前記アマイド変性ポリビニルアルコール及び/又はジアセトン変性ポリビニルアルコールに対する前記架橋剤の添加量は、2〜40質量%であるのが好ましく、5〜30質量%であるのがより好ましい。
【0013】
また、オーバーコート層(A)には、界面活性剤を含有させることができる。界面活性剤を含有させると、インクジェットインクに対する耐性がより向上するので好ましい。前記界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ヘキサメタ燐酸ソーダ、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が好ましく、中でもヘキサメタ燐酸ソーダ、スルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルがより好ましい。前記オーバーコート層(A)において、界面活性剤の含有量は0.5〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好しい。
【0014】
オーバーコート層(A)の層厚は、0.5〜7μm、より好ましくは1〜5μmである。オーバーコート層(A)の層厚が0.5〜7μmの範囲にあると、特に耐可塑剤性及び感度が良好となる。
【0015】
次にオーバーコート層(B)は、潤滑剤と水溶性高分子を主成分とし、さらに必要に応じて消泡剤、蛍光増白剤、有色の有機顔料等を本発明の効果を損なわない範囲で含有させることができる。前記潤滑剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス・合成高分子ワックス等のワックス類が挙げられる。金属石鹸の中では、特にステアリン酸亜鉛が好ましく、ワックス類では、合成高分子ワックスが好ましく、特にアクリル系ワックスが挙げられ、このアクリル系ワックスは、乳白色のアニオン性エマルジョンとして得られ、脂肪族および芳香族系溶媒に対して高い親和性を示し、シャープな熱溶融応答性を示す。
【0016】
これらの潤滑剤は、平均粒子径が0.5μm以下が好ましく、より好ましくは、0.1〜0.3μmであることが望ましい。潤滑剤の平均粒子径が0.5μm以下であると、オーバーコート層(A)および(B)による耐可塑剤性の効果が発揮される。この理由は、オーバーコート層(B)に0.5μm以下のような平均粒子径が小さい潤滑剤を用いると、保護層の形成時にこの潤滑剤が、オーバーコート層(A)に移行しにくくなるためと思われる。
なお、ワックス類における平均粒子径は、レーザー回析式による測定値に基づく。
【0017】
オーバーコート層(B)に用いられる水溶性高分子は、特に制限はないが、例えば、ポリビニルアルコールまたはその誘導体、デンプンあるいは酸化デンプン、尿素リン酸エステル化デンプン等の変性デンプン、アクリル樹脂、澱粉、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルキルエステル化物、スチレン−アクリル酸共重合体等が挙げられる。
【0018】
オーバーコート層(B)における潤滑剤:水溶性高分子との質量比は、90〜10質量部:10〜90質量部、より好ましくは70〜30質量部:30〜70質量部である。また、オーバーコート層(B)の乾燥塗布量は0.01g/m2 〜3g/m2 、より好ましくは0.05g/m2 〜1.5g/m2 である。オーバーコート層(B)の乾燥塗布量が0.01g/m2 〜3g/m2の範囲内にあると、感熱記録材料の取扱い性および走行性が良好で、かつ高感度を保持することができる。
【0019】
オーバーコート層(A)及びオーバーコート層(B)を形成する方法としては、それぞれ層を形成する成分を溶解及び/又は分散させた塗布液を調製し、該塗布液を所定の層上に形成することができる。また、オーバーコート層(A)の場合、前記塗布液の調製時には、予めサンドミル等の分散機を用いて、所望の平均粒子径範囲の無機顔料分散液を調製した後、この分散液を前記アマイド変性ポリビニルアルコール及び/又はジアセトン変性ポリビニルアルコールを含む水溶液に添加することもできる。前記塗布液の調製には、溶媒として水又は水を主成分としアルコール等の親水性有機溶媒を添加した混合溶媒を用いることができる。
【0020】
前記塗布液を塗布する方法としては、特に限定されず、例えばバーコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブレードコーター及びカーテンコーター等の方法を利用することができる。特にオーバーコート層(A)及びオーバーコート層(B)をカーテンコーターで塗布すると、感度が向上するので好ましい。また、前記塗布液を塗布乾燥して形成したオーバーコート層(B)面をキャレンダー加工等を施し、平滑化処理をすることもできる。
【0021】
本発明の感熱記録材料は、熱の供与によって発色する感熱発色層を有する。前記感熱発色層は、少なくとも、電子供与性無色染料及び電子受容性化合物を含有し、所望により増感剤、顔料、画像安定剤等を含有していてもよい。前記電子供与性無色染料と電子受容性化合物とは、熱の供与によって発色反応する。例えば、層内において、樹脂からなるバインダ等に電子供与性無色染料及び電子受容性化合物を分散させておき、常温では各成分を非接触状態に維持し、熱の供与によって各成分を拡散させて接触させ、発色反応を進行させることができる。
【0022】
前記電子供与性無色染料としては、フタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピラン系化合物、ピリジン系、ピラジン系化合物及びフルオレン系化合物等の各種化合物を挙げることができる。
【0023】
前記フタリド系化合物としては、例えば、米国再発行特許第23,024号、米国特許第3,491,111号、同第3,491,112号、同第3,491,116号及び同第3,509,174号に記載の化合物が挙げられ、具体的には、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジエチルアミノ−o−ブトキシフェニル)−4−アザフタリド、3−(p−ジエチルアミノ−o−ブトキシフェニル)−3−(1−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(p−ジプロピルアミノ−o−メチルフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−5−アザ(又は−6−アザ、又は−7−アザ)フタリド等が挙げられる。
【0024】
前記フルオラン系化合物としては、例えば、米国特許第3,624,107号、同第3,627,787号、同第3,641,011号、同第3,462,828号、同第3,681,390号、同第3,920,510号、同第3959,571号に記載の化合物が挙げられ、具体的には、2−(ジベンジルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−イソアミルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−イソブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ピペリジノアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(3,4−ジクロルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン等が挙げられる。
【0025】
前記チアジン系化合物としては、例えば、ベンゾイルロイコンメチレンブルー、p−ニトロベンジルロイコメチレンブルー等が挙げられる。
【0026】
前記ロイコオーラミン系化合物としては、例えば、4,4’−ビス−ジメチルアミノベンズヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフェニル−ロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等が挙げられる。
【0027】
前記ローダミンラクタム系化合物としては、ローダミン−B−アニリノラクタム、ローダミン−(p−ニトリノ)ラクタム等が挙げられる。
【0028】
前記スピロピラン系化合物としては、例えば、米国特許第3,971,808号に記載の化合物が挙げられ、具体的には、3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン3,3’−ジクロロ−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジルスピロ−ジナフトピラン、3−メチル−ナフト−(3−メトキシ−ベンゾ)スピロピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピラン等が挙げられる。
【0029】
前記ピリジン系、ピラジン系化合物類としては、例えば、米国特許第3,775,424号、同第3,853,869号、同第4,246,318号に記載の化合物が挙げられる。
【0030】
前記フルオレン系化合物としては、例えば、特願昭61−240989号等に記載の化合物が挙げられる。
【0031】
特に、黒色に発色する電子供与性無色染料としては、3−ジ(n−ブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−sec−ブチルアミノフルオラン、3−ジ(n−ペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−[N−(3−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチルアミノ)−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン等が挙げられる。
【0032】
中でも、非画像部の地肌カブリが抑制できる点で、3−ジ(n−ブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−sec−ブチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランが好ましい。
【0033】
その他、シアン、マゼンタ、イエロー発色色素用電子供与性無色染料としては、米国特許第4,800,149号明細書等に記載の各色素を使用することができる。さらに、イエロー発色色素用電子供与性無色染料としては、米国特許第4,800,148号明細書等に記載の色素も使用することができ、シアン発色色素用電子供与性無色染料としては、特開平63−53542号公報等に記載の色素も使用することができる。
【0034】
前記電子供与性無色染料の塗設量としては、0.1〜1.0g/m2が好ましく、発色濃度および地肌かぶり濃度の観点から0.2〜0.5g/m2がより好ましい。
【0035】
前記電子受容性化合物としては、例えば、フェノール誘導体、サリチル酸誘導体、芳香族カルボン酸の金属塩、酸性白土、ペントナイト、ノボラック樹脂、金属処理ノボラック樹脂、金属錯体等が挙げられる。具体的には、特公昭40−9309号、特公昭45−14039号、特開昭52−140483号、特開昭48−51510号、特開昭57−210886号、特開昭58−87089号、特開昭59−11286号、特開昭60−176795号、特開昭61−95988号等に記載されている。
【0036】
これらの中でも、例えば、フェノール誘導体としては、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4−t−ブチルフェノール、4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシジフェノキシド、1,1’−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1’−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルブタン、4,4’−sec−イソオクチリデンジフェノール、4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、4−tert−オクチルフェノール、4−p−メチルフェニルフェノール、4,4’−メチルシクロヘキシリデンフェノール、4,4’−イソペンチリデンフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル等を挙げることができる。
【0037】
サリチル酸誘導体としては、4−ペンタデシルサリチル酸、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ(tert−オクチル)サリチル酸、5−オクタデシルサリチル酸、5−α−(p−α−メチルベンジルフェニル)エチルサリチル酸、3−α−メチルベンジル−5−tert−オクチルサリチル酸、5−テトラデシルサリチル酸、4−ヘキシルオキシサリチル酸、4−シクロヘキシルオキシサリチル酸、4−デシルオキシサリチル酸、4−ドデシルオキシサリチル酸、4−ペンタデシルオキシサリチル酸、4−オクタデシルオキシサリチル酸等、及びこれらの亜鉛、アルミニウム、カルシウム、銅、鉛塩等が挙げられる。
【0038】
また、特に、前記黒色に発色する電子供与性無色染料として例示した電子供与性染料と組み合わされ、発色濃度が高い高い色素を形成可能な電子受容性化合物としては、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェノール)プロパン(ビスフェノールA)、4−t−ブチルフェノール、4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシジフェノキシド、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1’−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1’−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルブタン、4,4’−sec−イソオクチリデンジフェノール、4,4’−sec−ブチリレンジフェノール、4−tert−オクチルフェノール、4−p−メチルフェニルフェノール、4,4’−メチルシクロヘキシリデンフェノール、4,4’−イソペンチリデンフェノール、4−ヒドロキシ−4−イソプロピルオキシジフェニルスルホン、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン等が挙げられる。中でも、前記電子受容性化合物が、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノール、4,4’−スルホニルビス(2−(2−プロペニル)−フェノール)及び2−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホンから選ばれる少なくとも一種であると、可塑剤に対する耐性がより向上するので好ましい。
【0039】
前記感熱発色層における前記電子受容性化合物の含有量としては、電子供与性無色染料に対して50〜400質量%であるのが好ましく、100〜300質量%であるのが特に好ましい。
【0040】
本発明の感熱記録材料において、前記感熱発色層には、増感剤を含有させるこのが好ましい。前記増感剤としては、2−ベンジルオキシナフタレンや脂肪族アマイドが好ましく用いられ、前記脂肪族アマイドとしては、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アマイド、メチロールステアリン酸アマイドが好ましく用いられる。前記増感剤の含有量は、電子受容性化合物100質量部に対し75〜200質量部であるのが好ましく、100〜150質量部であるのがより好ましい。増感剤の使用量が75〜200質量部の範囲内にあると、感度向上の効果が大きく、かつ画像保存性もよい。
【0041】
本発明の感熱記録材料は、その他、増感剤として、ステアリル尿素、p−ベンジルビフェニール、ジ(2−メチルフェノキシ)エタン、ジ(2−メトキシフェノキシ)エタン、β−ナフトール−(p−メチルベンジル)エーテル、α−ナフチルベンジルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−メチルフェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−イソプロピルフェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−tert−オクチルフェニルエーテル、1−フェノキシ−2−(4−エチルフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(クロロフェノキシ)エタン、1,4−ブタンジオールフェニルエーテル、ジエチレングリコールビス(4−メトキシフェニル)エーテル、m−ターフェニル、シュウ酸メチルベンジルエーテル、1,2−ジフェノキシメチルベンゼン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,4−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン等を含有していてもよい。
【0042】
本発明の感熱記録材料において、前記感熱発色層には顔料を含有させることが好ましい。前記顔料としては、非晶質シリカ、立方晶型炭酸カルシウム、イガ状炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、カオリン等が挙げられ、中でも炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムなどの塩基性顔料が、地肌かぶりが少ない感熱記録材料を得るという点から好ましく用いられる。
【0043】
本発明の感熱記録材料において、前記感熱発色層には画像安定剤を含有させることができる。前記画像安定剤として、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタンを使用するのが好ましい。前記画像安定剤の含有量は、塩基電子供与性無色染料100質量部に対し、10〜100質量部であるのが好ましく、30〜60質量部であるのがより好ましい。その他、前記画像安定剤としては、フェノール化合物、特にヒンダードフェノール化合物が有効であり、例えば1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−エチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)プロパン、2,2’−メチレン−ビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール),2,2’−メチレン−ビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)4,4’−ブチリデン−ビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)等が挙げられる。
【0044】
本発明の感熱記録材料において、前記感熱発色層には、層を形成するためのバインダを含有させることができる。前記バインダとしては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン類(変性デンプンを含む)、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン、スチレン−無水マレイン酸共重合体のケン化物等の水溶性バインダが挙げられる。又、スチレン−ブタジエン共重合物、酢酸ビニル共重合物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合物、アクリル酸メチル−ブタジエン共重合物、ポリ塩化ビニリデンの如き合成高分子ラテックス系のバインダ等を用いることもでき、前記水溶性バインダと併用することもできる
尚、前記バインダは後述する感熱発色層の形成に用いられる塗布液の調製において、前記電子供与性無色染料等の分散媒として使用される水溶性バインダであってもよい。
【0045】
前記感熱発色層は、電子供与性無色染料、電子受容性化合物及び所望により添加される他の成分を含有する塗布液を調製し、該塗布液を支持体(後述する下塗り層を有する場合は該層)上に、塗布乾燥することによって形成することができる。前記塗布液において、前記電子供与性無色染料及び前記電子受容性化合物は、水溶性バインダの水溶液中に分散された状態であるのが好ましい。例えば、予め、前記電子供与性無色染料及び前記電子受容性化合物をそれぞれサンドミル等の分散機を用いて水溶性バインダの水溶液中に分散させた分散液を調製し、この分散液を混合することによって、前記塗布液を調製することができる。前記水溶性バインダとしては、25℃の水に対して5質量%以上溶解する化合物であることが好ましい。前記水溶性バインダの具体例としては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン類(変性デンプンを含む)、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン、スチレン−無水マレイン酸共重合体のケン化物等が挙げられる。
【0046】
前記感熱発色層用の塗布液を調製する際、電子受容性化合物は、水溶性バインダの水溶液中に分散した状態であるのが好ましく、その粒径としては、体積平均粒径で1.0μm以下が好ましく、0.5〜0.7μmがより好ましい。前記体積平均粒径が、前記範囲であると発色濃度を高くすることができる。該体積平均粒径も、レーザ回折式粒度分布測定器(例えば、LA500(ホリバ(株)製))等により容易に測定できる。
【0047】
前記電子供与性無色染料、前記電子受容性化合物及び増感剤等の分散媒(水溶性バインダの水溶液)中への分散は、ボールミル、アトライター、サンドミル等の攪拌・粉砕機により同時又は別々に分散し、塗液として調製される。塗液中には、更に必要に応じて、金属石鹸、ワックス、界面活性剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤及び蛍光染料等を添加してもよい。
【0048】
前記金属石鹸としては高級脂肪酸金属塩が用いられ、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム及びステアリン酸アルミニウム等が用いられる。前記ワックスとしてはパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、メチロールステアロアミド、ポリエチレンワックス、ポリスチレンワックス及び脂肪酸アミド系ワックス等が単独或いは混合して用いられる。前記界面活性剤としてはアルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、スルホコハク酸系のアルカリ金属塩及びフッ素含有界面活性剤等が用いられる。
【0049】
前記塗布液を塗布する方法としては、特に限定されず、例えばエアーナイフコーター、ロールコーター、ブレードコーター及びカーテンコーター等の方法を利用することができる。特にカーテンコーター法により感熱発色層を形成すると、感度が向上するので好ましい。また、前記塗布液を塗布乾燥して形成した層に、キャレンダー加工等を施し、平滑化処理をすることもできる。
【0050】
前記感熱発色層は、前記塗布液を乾燥質量で1〜7g/m2となる様に、支持体等上に塗布して形成するのが好ましい。また、前記感熱発色層の厚みは、通常、1μm〜7μmであるのが好ましい。
【0051】
本発明において使用する支持体としては従来公知の支持体を用いることができる。具体的には、上質紙等の紙支持体、紙に樹脂または顔料を塗布したコート紙、樹脂ラミネート紙、下塗り層を有する上質紙、合成紙、またはプラスチックフィルム等の支持体が挙げられる。
【0052】
上記支持体としては、JIS−P8119で規定される平滑度が150秒以上の平滑な支持体がドット再現性の観点から好ましい。
【0053】
さらに、前記支持体には下塗り層を設けてもよい。前記下塗り層には、バインダと顔料とをを含有させるのが好ましい。前記顔料としては一般の無機、有機顔料を使用できるが、特にJIS−K5101で規定する吸油度が40ml/100g(cc/100g)以上の顔料が好ましい。具体的には、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、カオリン、焼成カオリン、非晶質シリカ、尿素ホルマリン樹脂粉末等が挙げられる。この中でも、上記吸油度が70ml/100g〜80ml/100gの焼成カオリンが特に好ましい。
また、これらの顔料を支持体に塗布する場合の顔料量は、2g/m2以上、好ましくは4g/m2以上であり、7g/m2〜12g/m2が特に好ましい。
【0054】
前記下塗り層に使用するバインダとしては、水溶性高分子および水性バインダが挙げられる。これらは1種若しくは2種以上を混合して使用してもよい。上記水溶性高分子としては、デンプン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルアルコール、メチルセルロース、カゼイン等が挙げられる。
上記水性バインダとしては、合成ゴムラテックス、または合成樹脂エマルションが一般的であり、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルション等が挙げられる。
これらバインダの使用量は、下塗り層に添加される顔料に対して、3〜100質量%、好ましくは5〜50質量%、特に好ましくは8〜15質量%である。また前記下塗り層にはワックス、消色防止剤、界面活性剤等を添加してもよい。
【0055】
前記下塗り層の塗布には、公知の塗布方式を使用することができる。具体的には、エアナイフコーター、ロールコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、カーテンコーター等を用いた方式を使用でき、中でも、ブレードコーターを用いた方式が好ましい。さらに、必要に応じてキャレンダー等の平滑処理を施して使用してもよい。
【0056】
【実施例】
以上、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に規定のない限り、「部」は『質量部』を意味する。
対照例1)
(支持体アンダーコート層用塗布液の調製)
下記の各成分をディソルバーで攪拌混合し、SBR(スチレン−ブタジエンラテックス)20部と酸化デンプン(25%)25部とを添加して支持体アンダーコート層用塗布液を得た。
〔支持体アンダーコート層用塗布液組成〕
・焼成カオリン(吸油量75ml/100g) 100部
・ヘキサメタリン酸ナトリウム 1部
・蒸留水 110部
【0057】
ステキヒトサイズ度10秒で秤量50g/m2の上質原紙上に、ブレードコーターによって乾燥後の塗布量が8g/m2となるように支持体アンダーコート層用塗布液を塗布し、該層が乾燥した後にキャレンダー処理を施してアンダーコート紙を作製した。
【0058】
<電子供与性無色染料の分散液(A液)の調整>
・電子供与性無色染料(ODB−2:山本化成(株)製
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン) 100部
・PVA(10%溶液) 100部
これらをボールミルを用いて平均粒径1.0μmとなるまで微分散し、A液を調整した。
【0059】
<電子受容性化合物及び増感剤の分散液(B液)の調整>
・電子受容性化合物 150部
(2,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン)
・増感剤(ベンジルナフチルエーテル) 150部
・PVA(10%溶液) 300部
これらをボールミルを用いて平均粒径1.0μmとなるまで微分散し、B液を調整した。
【0060】
<顔料分散液(C液)の調整>
・無機顔料 400部
(ユニバー70:白石工業(株)製、炭酸カルシウム)
・ヘキサメタ燐酸ソーダ(1%溶液) 400部
これらをボールミルを用いて平均粒径2μmとなるまで微分散し、C液を調整した。
次にB液にA液を添加し、更にC液を攪拌しながら添加して、感熱記録層用塗工液を得た。
<感熱記録材料の形成>
このようにして得られた感熱記録層用塗工液を、前記のアンダーコート紙にエアナイフコーターにより5g/m2 となるように塗布し、乾燥した後、グロスキャレンダー処理を行い、アンダーコート紙上に感熱発色層を形成した感熱紙Aを得た。
【0061】
<オーバーコート層(A)塗液の調製>
・水 60部
・40%ヘキサメタ燐酸ソーダ水溶液 1部
・水酸化アルミニウム(住友化学社製 C−3005) 40部
これらを混合した後、サンドミル(Willy A.Bachofen 社製、KDLパイロット)を用いて微粒化して平均粒径0.6μmとしたものを顔料分散液とする。
・アマイド変性PVA(EP240、電気化学工業社製)125部
8%水溶液
・顔料分散液 10部
・界面活性剤 3部
(花王社製、花王ネオペレックスF−25)
・水 62部
上記組成で混合し、オーバーコート層(A)用塗布液を得た。これをA液とする。
【0062】
<オーバーコート層(B)用塗液の調製>
・10%PVA117水溶液(クラレ社製) 100部
・40%合成高分子ワックス分散液 25部
(平均粒径;0.2μm、CX−ST200、日本触媒社製)
・界面活性剤 50部
(花王社製、花王ネオペレックスF−25)
・水 825部
上記組成で混合し、オーバーコート(B)用塗液を得た。
上記感熱紙Aの上に、上記オーバーコート層(B)用塗液及びオーバーコート層(A)用塗液を、下記乾燥質量となるように、バーコーターによる逐次重層塗布・乾燥を行ない、表面温度50℃のカレンダーによる表面平滑処理を行ない、感熱記録材料を得た。
オーバーコート層(A) 乾燥塗布量 3.0g/m2
オーバーコート層(B) 乾燥塗布量 0.1g/m2
【0063】
対照例2)
対照例1のオーバーコート層(B)の乾燥塗布量を0.01g/m2にした以外は、対照例1と同様にして対照例2の感熱記録材料を得た。
【0064】
(実施例
対照例1のオーバーコート層(A)用塗液に、下記架橋剤を添加した以外は対照例1と同様にして実施例の感熱記録材料を得た。
・乳酸チタンの42%水溶液 2.5部
(オルガチックスCT−315 松本製薬社製)
・グリオキザールの42%水溶液 2.5部
【0065】
対照
対照例1のオーバーコート層(A)用塗液調製において、アマイド変性PVA8%水溶液の代わりにジアセトン変性PVA(D−700、ユニチカ社製)8%水溶液を用いた以外は、対照例1と同様にして対照の感熱記録材料を得た。
【0066】
(実施例2)
対照例3のオーバーコート層()用塗液に、下記の架橋剤を添加した以外は、対照例1と同様にして実施例2の感熱記録材料を得た。
アジピン酸ジヒドラジドの5%水溶液 20部
【0067】
(実施例
実施例の合成高分子ワックス分散液(平均粒径;0.2μm、CX−ST200、日本触媒社製)の代わりにステアリン酸亜鉛乳化分散物(ハイミクロンF930、平均粒径0.9μm、中京油脂社製)を用いた以外は、実施例と同様にして実施例の感熱記録材料を得た。
【0068】
(実施例
オーバーコート層(A)とオーバーコート層(B)とを各々カーテン塗布により形成した以外は、実施例と同様にして実施例の感熱記録材料を得た。
【0069】
(比較例1)
対照例1のオーバーコート層(A)用塗液調製において、アマイド変性PVA8%水溶液の代わりに、完全ケン化PVA(PVA117、クラレ社製)8%水溶液を用いた以外は、対照例1と同様にして比較例1の感熱記録材料を得た。
【0070】
(比較例2)
オーバーコート層(A)用塗液のみを乾燥塗布量が3.0g/m2となるように塗布した以外は、対照例1と同様にして比較例2の感熱記録材料を得た。
【0071】
(比較例3)
オーバーコート層(A)用塗液と、オーバーコート層(B)用塗液を混合(A液30部に対して、B液3部)し、乾燥塗布量が3.1g/m2となるように塗布した以外は、対照例1と同様にして比較例3の感熱記録材料を得た。
【0072】
上記のようにして得られた各々の感熱記録材料について、下記の評価を行った。
【0073】
(1)感度(発色特性)
得られた感熱記録材料を、京セラ社製 サーマルヘッド(KJT−216−8MGF1)(抵抗値2964Ω)を用いてプラテン圧1kg/m2 、ヘッド表面温度30℃、印加電圧23.8V、パルス幅2.1ms、送りピッチ7.7dot/mmで印画した。濃度はマクベス反射濃度計RD918を用いて測定した。
【0074】
(2)耐可塑剤性
(1)の感度評価と同様にして印画処理したサンプルを3インチ径の塩化ビニル管の周囲に印画面が外側に向くようにして並べ、その上に信越化学社製塩化ビニルラップ(ポリラップ300)を巻付け、45℃のオーブンに入れて24時間経過後の濃度をマクベス反射濃度計RD918を用いて測定した。濃度は0.7以上であれば、実用上の問題は生じない。
【0075】
(3)走行性
G3のファクシミリより送信した電子写真学会ファクシミリテストチャートを、松下電器社製ファクシミリ(おたっくすPW2)を用いて受信し、印画するときの印画音をリオン製騒音計NA−24を用いて測定した。走行性良好な感熱記録材料では、印画音は70dB以下である。
【0076】
(4)取扱い性(耐擦過性)
表面を爪で強くこすった場合のこすり跡が発色するかを目視で評価した。
取扱い性として問題が生じないのは◎または○のレベルである。
◎ ・・・こすり跡が黒く発色しない。
○ ・・・こすり跡がうっすらと発色するが目立たない。
△ ・・・こすり跡がうっすらと発色し、目立つ。
× ・・・こすり跡が黒く発色し、目立つ。
【0077】
(5)印刷適性
オフセット輪転式印刷機(TOF型太陽機械製作所社製)のダールグレンユニットを用いて、ブランケットとしてポリファインブロン100S(太陽機械製作所社製)を用い、UVインキ(東華 RNC405グリーンL T&K TOKA社製)を用いてライン速度100m/minにて、500m長の連続印刷を実施し、インイ付着部分のカスレ具合を評価した。
なお、湿し水は下記組成とした。
エッチ液(EU−3 富士写真フイルム社製) 1部
イソプロピルアルコール 5部
水 94部
○:全くカスレなしで高品位な印刷。
○:わずかにカスレが見られるが、実用上、問題なし。
×:カスレが目立つ。
【0078】
【表1】
【0079】
表1に示す結果から、実施例1〜の感熱記録材料は、アマイド変性ポリビニルアルコール、ジアトセン変性ポリビニルアルコールを用いていない比較例1、オーバーコート層(A)のみを有する比較例2、オーバーコート層(A)用塗液とオーバーコート層(B)用塗液を混合した塗液で保護層を形成した比較例3と比較して感度、耐可塑剤性、走行性、耐擦過性、印刷特性において、総合的に優れている。
【0080】
【発明の効果】
以上のように本発明の感熱記録材料によれば、感度(発色特性)、耐可塑剤性、走行性、取扱い性(耐擦過性)に優れ、かつ印刷特性にも優れている。

Claims (3)

  1. 支持体上に電子供与性無色染料と電子受容性化合物とを有する感熱発色層を設け、前記感熱発色層上に無機顔料および水溶性高分子を主成分とするオーバーコート層(A)を設け、該オーバーコート層(A)上に潤滑剤と水溶性高分子とを主成分とするオーバーコート層(B)を設けた感熱記録材料であって、オーバーコート層(A)の水溶性高分子として、アマイド変性ポリビニルアルコール及び/又はジアセトン変性ポリビニルアルコールを含有し、前記オーバーコート層(A)に架橋剤としてジアルデヒド化合物、乳酸チタン、及びジヒドラジド化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする感熱記録材料。
  2. オーバーコート層(B)の潤滑剤の平均粒径が0.5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
  3. 前記電子受容性化合物が、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の感熱記録材料。
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