JP3761811B2 - 感熱記録材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感熱記録材料に関し、特に、発色濃度が高く、画像保存性、耐薬品性、ヘッドマッチング(スティッキング)性、インクジェット記録適性、及びインクジェット・シート耐性に優れた感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に感熱記録材料は比較的廉価であってその記録機器がコンパクトであり、且つメンテナンスフリーであるため広範囲において使用されている。そのような中、最近では感熱記録材料の販売競争が激化し、感熱記録材料に従来の機能とは差別化された一層の高機能化が要求されている。このような要求に応えるべく、感熱記録材料の発色濃度や画像保存性やヘッドマッチング性等についての改良研究が鋭意行なわれている。
【0003】
従来の感熱記録材料においては、電子供与性無色染料と反応して該無色塗料を発色させる電子受容性化合物として、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(所謂「ビスフェノールA」)が広く使用されている。しかしながら、これら感熱記録材料において、感度、地肌被り、画像保存性、耐薬品性、及びヘッドマッチング(スティッキング)性の夫々を同時に満足できるものは得られていなかった。
【0004】
一方、特公平4−20792号公報には、電子受容性化合物として、N置換スルファモイルフェノール又はN置換スルファモイルナフトールを用いる記録材料が記載され、この記録材料(感圧、感熱)は、画像濃度、画像安定性、コスト等が改良されることが記載されているが、画像濃度および画像保存性に関してはさらに改良の余地がある。
【0005】
また、感熱記録材料にフルカラーの情報を記録する場合、インクジェット用インクを用いて記録を行うことがあるが、通常の感熱記録材料にインクジェット記録を行うと、インクの色が忠実に再現されず、鮮やかな色が出ず、色がくすんだり、既に感熱記録されている情報が消失してしまうことがある。また、インクジェット方式で記録したシート等が感熱記録紙に接触した場合にも、感熱記録画像の消失が生じるという問題があることも分かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は上記の諸問題を解決して、発色濃度が高く、且つ画像部の保存性、耐薬品性、インクジェット記録適性、インクジェット・シート耐性、及びヘッドマッチング(スティッキング)性に優れた感熱記録材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、電子受容性化合物、増感剤、画像安定剤等の夫々について鋭意研究を重ね、優れた感熱記録材料の開発を探究して、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の課題を解決するための手段は、次の通りである。
【0008】
<1> 支持体上に、少なくとも電子供与性無色染料と電子受容性化合物と増感剤とを含有する感熱発色層を設けた感熱記録材料であって、
該感熱発色層が、上記電子供与性無色染料1.0質量部に対して、電子受容性化合物として4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドを1.5〜3.5質量部含有し、且つ増感剤として1,2−ジフェノキシエタン又は1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタンを1.5〜3.5質量部含有することを特徴とする感熱記録材料。
<2> 前記感熱発色層が、電子供与性無色染料と電子受容性化合物と増感剤の合計100質量部に対して、無機顔料を20〜150質量部含有することを特徴とする上記<1>に記載の感熱記録材料。
<3> 前記感熱発色層が、更に画像安定剤として、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン及び/又は1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタンを含有する上記<1>又は<2>に記載の感熱記録材料。
<4> 前記画像安定剤の含有量が、電子供与性無色染料1.0質量部に対して0.1〜1.0質量部である上記<3>に記載の感熱記録材料。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の感熱記録材料は、支持体上に、少なくとも電子供与性無色染料と電子受容性化合物と増感剤とを含有する感熱発色層が設けられ、該感熱発色層が、上記電子供与性無色染料1.0質量部に対して、電子受容性化合物として4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドを1.5〜3.5質量部含有し、且つ増感剤として1,2−ジフェノキシエタン又は1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタンを1.5〜3.5質量部含有することを特徴とする。
【0010】
本発明において、支持体上に設けられた感熱発色層は、少なくとも、電子供与性無色染料と電子受容性化合物と増感剤とを含有してなり、更に本発明の感熱発色層は、無機顔料や画像安定剤を含んでいることが好ましく、その他必要に応じてバインダーや接着剤、架橋剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤を含むことができる。以下に、各成分につき詳細に説明する。
【0011】
(電子供与性無色染料)
電子供与性無色染料は、実質的に無色の化合物であり、エレクトロンを供与して或いは酸等のプロトンを受容して発色する性質を有する染料性化合物である。本発明の感熱記録材料の発色成分として用いられる電子供与性無色染料としては、感熱紙や感圧紙等で既知の、フタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピラン系化合物、ピリジン系、ピラジン系化合物、フルオレン系化合物等の各種化合物を挙げることができるが、この中でも特にフルオラン系化合物が好ましい。。
【0012】
上記フルオラン系化合物としては、例えば、米国特許第3,624,107号明細書、同第3,627,787号明細書、同第3,641,011号明細書、同第3,462,828号明細書、同第3,681,390号明細書、同第3,920,510号明細書、同第3959,571号明細書に記載の化合物が挙げられる。
【0013】
本発明の電子供与性無色染料としては、特に下記一般式(I)で表されるフルオラン系化合物の少なくとも1種を用いることが、発色濃度を高め地肌カブリを抑制し、画像保存性及び耐薬品性等を向上させる上で好ましい。
【0014】
【化1】
【0015】
一般式(I)において、R1〜R5に示す基は、水素、アルキル基、脂環基、アリル基、ハロゲン化アルキル基、フェニル基、アルキルフェニル基、アラルキル基が好ましい。該R1〜R5に示す基は、前記の各基に、更にハロゲン、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、脂環基、アリル基、アラルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシル基、アミノ基、置換アミノ基、ニトロ基で置換した基であってもよい。またR1とR2、R4とR5は互いに結合して環を形成することもできる。
【0016】
上記一般式(I)で示されるフルオラン系化合物の具体例としては、例えば2-アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−(2,4−キシリジノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,6−キシリジノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−イソペンチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジペンチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)フルオラン、2−m−トリフルオロメチルアニリノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(3−トルイジノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−シクロヘキシル−N−メチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−n−プロピル−N−メチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−プロピルアミノ)フルオラン等が挙げられる。これらのフルオラン系化合物は、1種単独でも2種以上を併用してもよい。
【0017】
また、本発明の感熱記録層には、前記一般式(I)で示されるフルオラン系化合物以外のフルオラン系化合物を使用してもよい。
他のフルオラン系化合物としては、例えば、3−ジ(n−ブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−[N−(3−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチルアミノ)−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン等が挙げられ、これらは更に、前記一般式(I)のものと併用してもよい。
【0018】
上記電子供与性無色染料の塗布量としては、乾燥質量で0.1〜1.0g/m2が好ましく、発色濃度及び地肌被りを更に良化させる観点から、0.2〜0.5g/m2がより好ましい。
【0019】
(電子受容性化合物)
本発明の感熱記録材料は、その感熱発色層中に、前記電子供与性無色染料1.0質量部に対して、電子受容性化合物として4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドを1.5〜3.5質量部含有することを特徴とし、これにより発色濃度を高め、地肌被りを抑え、耐薬品性を向上させることができる。
上記含有量が1.5質量部未満であると、本発明の効果が不十分であり、また3.5質量部を越えて含有するのは、効果が飽和して価格的に不利となり地肌被りや耐薬品性を損なう恐れがある。
上記4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドの含有量は、その効果を一層際立たせるために、電子供与性無色染料1.0質量部に対して、1.5〜3.5質量部であることが好ましく、1.7〜3.5質量部がより好ましく、2.0〜3.0質量部が特に好ましい。
【0020】
本発明の電子受容性化合物としては、上記4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドの他、本発明の効果を損なわない範囲において、他の公知の電子受容性化合物を併用することができる。但し、この場合においても、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドの電子供与性無色染料に対する配合割合は、上述の範囲内でなければならない。
【0021】
上記他の公知の電子受容性化合物としては、公知のものの中から任意に選択して使用することができるが、特に地肌被りを抑制する観点からは、フェノール性化合物、又はサルチル酸誘導体及びその多価金属塩が好ましい。
上記フェノール性化合物としては、例えば、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェノール)プロパン(ビスフェノールA)、4−t−ブチルフェノール、4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシジフェノキシド、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1’−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1’−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルブタン、4,4’−sec−イソオクチリデンジフェノール、4,4’−sec−ブチリレンジフェノール、4−tert−オクチルフェノール、4−p−メチルフェニルフェノール、4,4’−メチルシクロヘキシリデンフェノール、4,4’−イソペンチリデンフェノール、4−ヒドロキシ−4−イソプロピルオキシジフェニルスルホン、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4’4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、N−(4−ヒドロキシフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、2,4,−ビス(フェニルスルホニル)フェノール等が挙げられる。
【0022】
また、上記サルチル酸誘導体及びその多価金属塩としては、4−ぺンタデシルサルチル酸、3−5−ジ(α−メチルベンジル)サルチル酸、3,5−ジ(tert−オクチル)サルチル酸、5−オクタデシルサルチル酸、5−α−(p−α−メチルベンジルフェニル)エチルサルチル酸、3−α−メチルベンジル−5−tert−オクチルサルチル酸、5−テトラデシルサルチル酸、4−ヘキシルオキシサルチル酸、4−シクロヘキシルオキシサルチル酸、4−デシルオキシサルチル酸、4−ドデシルオキシサルチル酸、4−ペンタデシルオキシサルチル酸、4−オクタデシルオキシサルチル酸等や、これらの亜鉛、アルミニウム、カルシウム、銅、鉛塩等も挙げられる。
【0023】
本発明において上記公知の他の電子受容性化合物を併用する場合にも、本発明に係る4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドは、全電子受容性化合物の総量に対して、50質量%以上含まれていることが好ましく、70質量%以上含まれていることが更に好ましい。
【0024】
本発明において、感熱発色層用の塗布液を調製する際、電子受容性化合物の粒子径としては、体積平均粒子径で1.0μm以下が好ましく、0.4〜0.7μmが更に好ましい。上記体積平均粒子径が、1.0μm以下であると、熱感度をが低下しにくい利点がある。ここで、体積平均粒子径は、レーザ回折散乱式粒度分布測定器(例えば、(株)ホリバ製の「LA500」)等によって容易に測定できる。
【0025】
(増感剤)
また本発明の感熱記録材料は、その感熱発色層中に、前記電子供与性無色染料1.0質量部に対して、増感剤として1,2−ジフェノキシエタン又は1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタンを1.5〜3.5質量部含有することを特徴とする。これにより、地肌被りを抑制したままで、高い発色画像濃度を得ることがができる。
上記増感剤の含有量が1.5質量部未満であると、十分な画像濃度が得られず、また3.5質量部を越えて含有するのは、効果が飽和して価格的に不利となり地肌被りや耐薬品性を損なう恐れもある。
上記1,2−ジフェノキシエタン又は1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタンの含有量は、その効果を一層際立たせるために、電子供与性無色染料1.0質量部に対して、1.5〜3.3質量部であることが好ましく、1.7〜3.3質量部がより好ましく、2.0〜3.0質量部が特に好ましい。
【0026】
本発明の感熱記録材料の感熱発色層には、上記の1,2−ジフェノキシエタン又は1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタンの他に、本発明の効果を損なわない範囲において、他の公知増感剤を併用してもよい。但し、この場合においても、1,2−ジフェノキシエタン又は1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタンの電子供与性無色染料に対する配合割合は、上述の範囲内でなければならない。
また、他の増感剤を含む場合も、上記1,2−ジフェノキシエタン又は1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタンは、全増感剤の50質量%以上、好ましくは70質量%以上であることが望ましい。
【0027】
上記他の公知増感剤としては、脂肪族モノアマイド、ステアリル尿素、p−ベンジルビフェニール、ジ(2−メチルフェノキシ)エタン、ジ(2−メトキシフェノキシ)エタン、β−ナフトール−(p−メチルベンジル)エーテル、α−ナフチルベンジルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−メチルフェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−イソプロピルフェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−tert−オクチルフェニルエーテル、1−フェノキシ−2−(4−エチルフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(クロロフェノキシ)エタン、1,4−ブタンジオールフェニルエーテル、ジエチレングリコールビス(4−メトキシフェニル)エーテル、m−ターフェニル、シュウ酸メチルベンジルエーテル、1,2−ジフェノキシメチルベンゼン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,4−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン等が挙げられる。
【0028】
(無機顔料)
本発明の感熱記録材料は、インクジェット記録適性及びヘッドマッチング性を更に向上させるために、その感熱発色層中に、電子供与性無色染料と電子受容性化合物と増感剤の合計100質量部に対して、無機顔料を20〜150質量部含有することが好ましい。
上記無機顔料の含有量は、効果を更に顕著にするために、電子供与性無色染料と電子受容性化合物と増感剤の合計100質量部に対して、30〜130質量部含有することがより好ましく、特に40〜110質量部含有することが好ましい。
【0029】
上記無機顔料としては、軽質炭酸カルシウム又は水酸化アルミニウム又は非晶質シリカを、夫々単独で使用、或いは併用するのが好ましい。無機顔料として軽質炭酸カルシウム及び/又は水酸化アルミニウム及び/又は非晶質シリカを含むことで、地肌被りやサーマルヘッドの磨耗を低減することができ、更に、サーマルヘッドに対するカス付着防止やスティッキング性を向上させることができる。また、非晶質シリカを含むことで、インクジェット記録による滲みを防止することもできる。
【0030】
また、上記無機顔料の粒子径は、同様に発色濃度及びサーマルヘッドに対するカス付着の観点から、体積平均粒子径で0.6〜2.5μmであることが好ましく、0.8〜2.0μmであることが更に好ましく、1.0〜1.6μmであることが特に好ましい。
【0031】
軽質炭酸カルシウムは一般に、カルサイト、アラゴナイト、バテライト等の結晶形があるが、本発明に用いる無機顔料としては、吸収性、硬度等の観点からカルサイト系の軽質炭酸カルシウムが好ましく、更には粒子形状が紡錘状又は偏三角面状態であるものがよい。
上記カルサイト系軽質炭酸カルシウムの製造方法としては公知の製造方法を用いることができる。
【0032】
また、上記以外の無機顔料としては、カルサイト系軽質炭酸カルシウム以外の炭酸カルシウム、硫酸バリウム、リトポン、ロウ石、カオリン、焼成カオリン等が挙げられる。上記の軽質炭酸カルシウム等と他の無機顔料とを併用する場合は、上記の軽質炭酸カルシウム等の総質量(v)と上記他の無機顔料の総質量(w)との比(v/w)は、100/0〜60/40の範囲内であることが好ましく、100/0〜80/20の範囲内であることが更に好ましい。
【0033】
(画像安定剤)
本発明の感熱記録材料は、地肌被りの悪化を抑制し、且つ画像部の保存性や耐薬品性を向上させるために、前記感熱発色層中に画像安定剤を含有することが好ましい。
このような画像安定剤としては、フェノール化合物、特にヒンダードフェノール化合物が有効であり、例えば、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−エチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)プロパン、2,2’−メチレン−ビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール),2,2’−メチレン−ビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)4,4’−ブチリデン−ビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)等が挙げられる。
【0034】
本発明の感熱記録材料においては、上述の画像安定剤の中でも特に、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン及び/又は1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタンを感熱発色層中に含有すると、画像部の耐薬品性と保存性を更に向上できるので好ましい。
【0035】
上記の1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン(α)及び1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン(β)は,それぞれ単独で使用してもよいし併用してもよく、両者を併用する場合にはその質量比(α/β)は、20/80〜80/20の範囲内であることが好ましく、40/60〜60/40の範囲内にあることがより好ましい。
上記画像安定剤(αとβ)の総含有量は、地肌被り、画像保存性、耐薬品性及びヘッドマッチング(スティッキング)性に対する所望の効果を効率的に発揮する観点から、前記電子供与性無色染料1.0質量部に対し、0.1〜1.0質量部とするのが好ましく、0.2〜0.8質量部とするのが更に好ましく、0.3〜0.6質量部とするのが特に好ましい。
【0036】
また本発明では、上記の1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン(α)又は1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン(β)の他に、他の公知画像安定剤等を併用してもよい。他の画像安定剤を併用する場合、上記画像安定剤(αとβ)の総含有量は、全画像安定剤の総量に対して、50質量%以上含まれていることが好ましく、70質量%以上含まれていることがより好ましい。
【0037】
(接着剤)
また、本発明の感熱記録材料は、本発明の効果を損なわない範囲内で、感熱発色層中に接着剤を含むことができる。
近年、感熱記録材料が多岐にわたって使用されるにつれ、感熱記録材料をオフセット印刷に用いる場合も生じてきている。しかし、一般的に感熱記録材料は表面強度が弱いため、オフセット印刷の際に紙むけなどのトラブルを生じるなど、いわゆる印刷適性に劣るという問題点を抱えていた。かかる問題点を解決するためには、上記感熱発色層に接着剤を含めることで、オフセット印刷に対しての印刷適性を向上させることができる。
【0038】
上記接着剤としては、ケン化度85〜99モル%かつ重合度200〜2000のポリビニルアルコールが好ましい。該ポリビニルアルコールを含むことで、感熱記録材料の発色濃度を維持しながら、感熱発色層と支持体との層間密着力を増大させて、オフセット印刷時等に生じる紙むけ等のトラブルの防止など、いわゆる印刷適性を向上させることができる。また、上記ケン化度は85〜99モル%が好ましい。上記ケン化度が85〜99モル%の範囲内にあると、オフセット印刷に用いる湿し水に対しての耐水性が不足することに起因する紙むけを防ぎ、さらには、塗工液調製の際に、未溶解物が生じて不良部分発生の原因となるのを防止することができる。さらに、重合度が200〜2000の範囲内にあるポリビニルアルコールを用いることが好ましい。該重合度が200〜2000の範囲内にあると、添加量を多くする必要がないので、添加量の増大による画像濃度の低下を引き起こすことがない。さらに、ポリビニルアルコールが溶媒に溶解しやすく、塗布液の粘度も高くならないので、その調製および塗布が容易である。なお、上記重合度とは、JIS−K6726(1994)に記載の方法で求めた平均重合度のことをいう。
【0039】
上記感熱発色層中の上記ポリビニルアルコールの含有量は、上記電子供与性無色染料100質量部に対して、発色濃度とオフセット印刷適性(紙むけ等)の観点から、30〜300質量%であることが好ましく、70〜200質量%がさらに好ましく、100〜170質量%が特に好ましい。上記感熱発色層に含有されるポリビニルアルコールは、層間密着力を高める接着剤としての目的の他に、分散剤および結合剤等としての目的も果たすことができる。
【0040】
また、上記ポリビニルアルコールとしては、ケン化度85〜99モル%かつ重合度200〜2000の条件を満たすものであれば好適であるが、サーマルヘッドでの記録における発色濃度の観点から、スルホ変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、およびアセトアセチル変性ビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種を用いるのが好ましい。
上記スルホ変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、およびアセトアセチル変性ビニルアルコールは、単独で用いてもよいし、併用してもよく、さらに別のポリビニルアルコールと併用してもよい。該別のポリビニルアルコールを併用する場合、上記スルホ変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、およびアセトアセチル変性ビニルアルコールは、ポリビニルアルコールの総質量に対して10質量%以上含まれていることが好ましく、20質量%以上含まれていることがさらに好ましい。
【0041】
上記スルホ変性ポリビニルアルコールは、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸またはその塩と酢酸ビニル等のビニルエステルとをアルコールあるいはアルコール/水混合溶媒中で重合して得られた重合体をケン化する方法や、ミドナトリウム塩と酢酸ビニル等のビニルエステルとを共重合させ、得られた共重合体をケン化する方法や、ポリビニルアルコールを臭素、ヨウ素等で処理した後、酸性亜硫酸ナトリウム水溶液中で加熱する方法や、ポリビニルアルコールを濃厚な硫酸水溶液中で加熱する方法や、ポリビニルアルコールを、スルホン酸基を含有するアルデヒド化合物でアセタール化する方法等で製造することができる。
【0042】
上記ジアセトン変性ポリビニルアルコールは、ジアセトン基を有する単量体とビニルエステルとの共重合体の部分または完全ケン化物であって、ジアセトン基を持つ単量体とビニルエステルとを共重合して得た樹脂をケン化することによって製造される。
上記ジアセトン変性ポリビニルアルコールにおいて、ジアセトン基を有する単量体(繰り返し単位構造)の含有量は特に限定されない。
【0043】
上記アセトアセチル変性ポリビニルアルコールは、一般に、ポリビニルアルコール系樹脂の溶液、分散液または粉末に、液状またはガス状のジケテンを添加反応させて製造することができる。該アセトアセチル変性ポリビニルアルコールのアセチル化度は、目的とする感熱記録材料の品質に応じて適宜選定することができる。
【0044】
(紫外線吸収剤)
また、本発明の感熱記録材料は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記感熱発色層に紫外線吸収剤を含有していてもよい。本発明に用いることができる紫外線吸収剤としては、たとえば下記のものが挙げられる。
【0045】
【化2】
【0046】
(バインダー)
本発明において、電子供与性無色染料、電子受容性化合物及び増感剤等の分散は水溶性バインダー中で行なうことができる。この場合に用いられる水溶性バインダーは25℃の水に対して5質量%以上溶解する化合物であることが好ましい。
【0047】
上記水溶性バインダーの具体例としては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン類(変性デンプンを含む)、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン、スチレン−無水マレイン酸共重合体のケン化物等が挙げられる。
【0048】
これらのバインダーは分散時のみならず、感熱発色層の塗膜強度を向上させる目的にも使用されるが、この目的に対してはスチレン−ブタジエン共重合物、酢酸ビニル共重合物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合物、アクリル酸メチル−ブタジエン共重合物、ポリ塩化ビニリデンの如き合成高分子ラテックス系のバインダーを併用することもできる。
【0049】
上記、電子供与性無色染料、電子受容性化合物及び増感剤等は、ボールミル、アトライター、サンドミル等の攪拌・粉砕機によって同時に、又は、別々に分散され、塗液として調製される。塗液中には、更に必要に応じて各種の顔料、金属石鹸、ワックス、及び界面活性剤を添加してもよく、更に、帯電防止剤、上記紫外線吸収剤、消泡剤、及び蛍光染料等を添加してもよい。
【0050】
上記顔料としては炭酸カルシウム、硫酸バリウム、リトポン、ロウ石、カオリン、焼成カオリン、非晶質シリカおよび水酸化アルミニウム等が用いられる。また、上記金属石鹸としては高級脂肪酸金属塩が用いられ、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム及びステアリン酸アルミニウム等が用いられる。
【0051】
上記ワックスとしてはパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、メチロールステアロアミド、ポリエチレンワックス、ポリスチレンワックス及び脂肪酸アミド系ワックス等を単独又は混合して用いることができる。また、上記界面活性剤としてはスルホコハク酸系のアルカリ金属塩やフッ素含有界面活性剤等が用いられる。
【0052】
更に、本発明では媒染剤を含有することによりインクジェット記録による滲みを防止することができる。
媒染剤としては、アミド基、イミド基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、1級アンモニウム塩基、2級アンモニウム塩基、3級アンモニウム塩基、4級アンモニウム塩基から選ばれる少なくとも1種のカチオン基を含有する化合物が好ましく、その具体例として、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリメタクリロイルオキシエチル−β−ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムクロライド、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート塩酸塩、ポリエチレニミン、ポリアリルアミン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアミド−ポリアミン樹脂、カオチン化澱粉、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム塩重合物等を挙げることができる。これらの化合物の分子量は、1000〜20000程度が好ましい。分子量が1000未満では耐水性が不十分となる傾向があり、20000以上では粘度が高くなり、取り扱い適性が不良となることがある。
【0053】
これらの感熱発色層に含まれる素材は、混合された後、支持体上に塗布される。塗布方法は、例えば、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブレードコーター、またはカーテンコーター等を用いた方法が挙げられる。本発明の感熱記録材料は、支持体上に塗液を塗工された後に乾燥され、その後、キャレンダー等で平滑化処理を施されて使用に供される。上記塗布方法としては、感熱発色層を均一に塗布することができ、感度および画像保存性を効率よく向上させる観点から、特にカーテンコーターを用いた方法が本発明には好ましい。
また、感熱発色層の塗布量については特に限定されず、通常、乾燥質量で2〜7g/m2程度が好ましい。
【0054】
(支持体)
本発明において使用する支持体としては従来公知の支持体を用いることができる。具体的には、上質紙等の紙支持体、紙に樹脂または顔料を塗布したコート紙、樹脂ラミネート紙、アンダーコート層を有する下塗り原紙、合成紙、またはプラスチックフィルム等の支持体が挙げられるが、サーマルヘッドマッチング特性の観点からアンダーコート層を有する下塗り原紙が好ましく、ブレードコーターを用いて吸油性顔料を含むアンダーコート層を設けた下塗り原紙が特に好ましい。
【0055】
上記支持体としては、JIS−P8119で規定される平滑度が300秒以上の平滑な支持体がドット再現性の観点から好ましい。
【0056】
上述の通り、本発明において使用する支持体はアンダーコート層を有していることが好ましい。該アンダーコート層としては、顔料とバインダーとを主成分とするものが好ましい。
上記顔料としては、一般の無機、有機顔料を全て使用できるが、特にJIS−K5101で規定する吸油度が40ml/100g(cc/100g)以上である吸油性顔料が好ましい。該吸油性顔料としては、焼成カオリン、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、非晶質シリカ、焼成ケイソウ土、珪酸アルミニウム、アルミノ珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウム等を挙げることができ、中でもJIS−K5101で規定する吸油量が70〜80ml/100gの焼成カオリンが特に好ましい。
【0057】
上記アンダーコート層に使用するバインダーとしては、水溶性高分子および水性バインダーが挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
上記水溶性高分子としては、デンプン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルアルコール、メチルセルロース、カゼイン等が挙げられる。
上記水性バインダーとしては、合成ゴムラテックス、または合成樹脂エマルションが一般的であり、スチレン−ブタジエンゴムラテックス(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルション等が挙げられる。
これらバインダーの使用量は、塗布層の膜強度や感熱発色層の熱感度等との兼ね合いで決められるが、アンダーコート層に添加される顔料に対して、3〜100質量%、好ましくは5〜50質量%、特に好ましくは8〜15質量%である。また上記アンダーコート層にはワックス、消色防止剤、界面活性剤等を添加してもよい。
【0058】
上記アンダーコート層の塗布には、公知の塗布方式を使用することができる。具体的には、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、カーテンコーター等を用いた方式を使用でき、なかでもブレードコーターを用いたブレード塗布が好ましい。さらに、必要に応じてキャレンダー等の平滑処理を施して使用してもよい。
上記ブレードコーターを用いた方式はベベルタイプやベントタイプのブレードを使用した塗工法に限定されず、ロッドブレード塗工法やビルブレード塗工法等をも含み、またオフマシンコーターに限られず、抄紙機に設置したオンマシンコーターで塗工してもよい。なお、ブレードコート時の流動性を付与して優れた平滑性および面状を得るため、アンダーコート層用塗布液にエーテル化度が0.6〜0.8、重量平均分子量が20000〜200000のカルボキシメチルセルロースを上記顔料に対して1〜5質量%、好ましくは1〜3質量%添加してもよい。
【0059】
アンダーコート層の塗布量は特に限定されないが、感熱記録材料の特性に応じて、2g/m2以上、好ましくは4g/m2以上であり、7g/m2〜12g/m2が特に好ましい。
【0060】
(保護層)
上記感熱発色層上には、必要に応じて保護層を設けることができる。該保護層を設けることによって画像保存性、耐薬品性を向上させることができる。保護層には、バインダー、界面活性剤、有機または無機顔料、熱可融性物質等を含有させることができる。
上記バインダーとしては、ポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコール、デンプンまたは酸化デンプン、尿素リン酸エステル化デンプン等の変性デンプン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルキルエステル化物、スチレン−アクリル酸共重合体等のカルボキシル基含有重合体、酢酸ビニル−アクリルアミド共重合体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ゼラチン類、アラビアゴム、カゼイン、ポリアクリルアミド誘導体、ポリビニルピロリドン、およびスチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルション等が用いられ、中でも、水溶性高分子が好ましい。
【0061】
上記水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、酸化デンプン、尿素リン酸エステル化デンプンが好ましく、該ポリビニルアルコール(v)と、酸化デンプンおよび/または尿素リン酸エステル化デンプン(w)とを90/10〜10/90の質量比(v/w)で混合することがさらに好ましい。また、酸化デンプンと尿素リン酸エステル化デンプンとを併用、即ち、ポリビニルアルコールと併せて3つを併用する場合には、酸化デンプン(W1)と尿素リン酸エステル化デンプン(W2)とは、10/90〜90/10の質量比(W1/W2)で用いることが好ましい。
【0062】
また、上記変性ポリビニルアルコールとしては、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアルコールが好ましく用いられ、この他にも、スルホ変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコールなどが用いられる。これらのポリビニルアルコールは、これに反応する架橋剤を組み合わせることで、さらに好ましい結果を得ることができる。
水溶性高分子の含有量は、保護層用塗布液の固形分に対して10〜90質量%が好ましく、30〜70質量%がさらに好ましい。
【0063】
上記架橋剤としては、エチレンジアミン等の多価アミン化合物、グリオキザール、グルタルアルデヒド、ジアルデヒド等の多価アルデヒド化合物、アジピン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド等のジヒドラジド化合物、水溶性メチロール化合物(尿素、メラミン、フェノール)、多官能エポキシ化合物、多価金属塩(Al、Ti、Zr、Mg等)、などが好ましく用いられる。上記ポリビニルアルコールと併用する場合には、該ポリビニルアルコールに対する架橋剤の含有量は2〜30質量%程度が好ましく、5〜20質量%がさらに好ましい。上記架橋剤を用いることによって、皮膜強度や耐水性等を向上させることができる。本発明に用いる架橋剤としては、多価アルデヒド化合物、ジヒドラジド化合物等が好ましい。
【0064】
上記無機顔料としては、例えば、水酸化アルミニウムとカオリンが好ましく、サーマルヘッドでの記録による発色濃度の観点から平均粒子径が0.5〜0.9μmの水酸化アルミニウムが好ましい。このほか、無機顔料としては、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、タルク、クレー、焼成クレー、コロイダルシリカ等を用いることもできる。また、上記有機顔料としては、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合体、ポリスチレン等を用いることができる。
【0065】
上記無機顔料の含有量としては、保護層用塗布液の固形分に対して10〜90質量%が好ましく、30〜70質量%がさらに好ましい。
また、保護層に無機顔料と水溶性高分子とを含有させた場合、その混合比は、無機顔料の種類やその粒子径、水溶性高分子の種類等によって異なるが、無機顔料に対して水溶性高分子を50〜400質量%とすることが好ましく、100〜250%がさらに好ましい。また、保護層に含まれる無機顔料と水溶性高分子との総含有量は、保護層の50質量%以上であることが好ましい。
【0066】
本発明では、保護層用塗布液に界面活性剤を添加することで、耐薬品性をさらに向上させることができる。該界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ヘキサメタ燐酸ナトリウム、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が好ましく、中でもスルホコハク酸アルキルエステル塩が特に好ましい。界面活性剤の含有量は、保護層用塗布液の固形分に対して0.1〜5質量%が好ましく、0.5〜3質量%がさらに好ましい。
また、保護層用塗布液には、潤滑剤、消泡剤、蛍光増白剤、有色の有機顔料等を本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。潤滑剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス・合成高分子ワックス等のワックス類が挙げられる。
【0067】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。また特に断らない限り、実施例中の「部」及び「%」は、夫々「質量部」及び「質量%」を示す。また実施例中の「平均粒子径」は「体積平均粒子径」を表し、ホリバ(株)製の「LA500」を用いて測定した値を示す。
【0068】
[実施例1]
(感熱発色層用塗布液の調製)
<分散液Aの調製> 下記の各成分をサンドミルで分散しながら混合して平均粒子径が0.7μmの分散液(A)を得た。
<分散液Aの組成>
・2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン 10部
(電子供与性無色染料)
・ポリビニルアルコール2.5%溶液 50部
((株)クラレ製の「PVA−105」)
【0069】
<分散液Bの調製> 下記の各成分をサンドミルで分散しながら混合して平均粒子径が0.7μmの分散液(B)を得た。
<分散液Bの組成>
・4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリド 20部
(電子受容性化合物)
・ポリビニルアルコール2.5%溶液 100部
((株)クラレ製の「PVA−105」)
【0070】
<分散液Cの調製> 下記の各成分をサンドミルで分散しながら混合して平均粒子径が0.7μmの分散液(C)を得た。
<分散液Cの組成>
・1,2−ジフェノキシエタン(増感剤) 20部
・ポリビニルアルコール2.5%溶液 100部
((株)クラレ製の「PVA−105」)
【0071】
<分散液Dの調製> 下記の各成分をサンドミルで分散しながら混合して平均粒子径が0.7μmの分散液(D)を得た。
<分散液Dの組成>
・1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン(画像安定剤) 5部
・ポリビニルアルコール2.5%溶液 25部
((株)クラレ製の「PVA−105」)
【0072】
<顔料分散液Eの調製> 下記の各成分をサンドミルで分散しながら混合して平均粒子径が2.0μmの顔料分散液(E)を得た。
<顔料分散液Eの組成>
・軽質炭酸カルシウム 40部
・ポリアクリル酸ナトリウム 1部
・水 60部
【0073】
(感熱発色層用塗布液の調製)
下記組成の化合物を混合して、感熱発色層用塗布液を得た。
<感熱発色層用塗布液の組成>
・分散液(A) 60部
・分散液(B) 120部
・分散液(C) 120部
・分散液(D) 30部
・顔料分散液(E) 101部
・エチレンビスステアリン酸アミド(増感剤)乳化分散液(20%) 50部
・ステアリン酸亜鉛30%分散液 15部
・パラフィンワックス(30%) 15部
・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(25%) 4部
【0074】
(支持体アンダーコート層用塗布液の調製)
下記の各成分をディソルバーで攪拌混合し、SBRラテックス(48%)20部と酸化デンプン(25%)25部とを添加して支持体アンダーコート層用塗布液を得た。
<支持体アンダーコート層用塗布液の組成>
・焼成カオリン(吸油量75ml/100g) 100部
・ヘキサメタリン酸ナトリウム 1部
・蒸留水 110部
【0075】
(感熱記録材料の作製)
秤量50g/m2の原紙上に、ブレードコーターによって乾燥後の塗布量が8g/m2となるように、上記支持体アンダーコート層用塗布液を塗布し乾燥してアンダーコート原紙を作製した。次いで、該下塗り層表面に乾燥後の塗布量が4.5g/m2となるように、上記感熱発色層用塗布液をカーテンコーターによって塗布し、その後乾燥した。形成された感熱発色層の表面にキャレンダー処理を施し、実施例1に係る感熱記録材料を得た。
【0076】
[実施例2]
実施例1において、分散液(B)を120部から90部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2に係る感熱記録材料を得た。
【0077】
[実施例3]
実施例1において、分散液(B)を120部から210部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例3に係る感熱記録材料を得た。
【0078】
[実施例4]
実施例1において、分散液(C)を120部から90部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例4に係る感熱記録材料を得た。
【0079】
[実施例5]
実施例1において、分散液(C)を120部から210部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例5に係る感熱記録材料を得た。
【0080】
[実施例6]
実施例1において、分散液(E)を101部から30部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例6に係る感熱記録材料を得た。
【0081】
[実施例7]
実施例1において、分散液(E)を101部から120部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例7に係る感熱記録材料を得た。
【0082】
[実施例8]
実施例1において、分散液(E)を101部から190部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例8に係る感熱記録材料を得た。
【0083】
[実施例9]
実施例1において、分散液(D)の1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタンを1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタンに変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例9に係る感熱記録材料を得た。
【0084】
[実施例10]
実施例1において、分散液(D)を30部から10部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例10に係る感熱記録材料を得た。
【0085】
[実施例11]
実施例1において、分散液(D)を30部から70部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例11に係る感熱記録材料を得た。
【0086】
[実施例12]
実施例1において、分散液(D)を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして実施例12に係る感熱記録材料を得た。
【0087】
[実施例13]
実施例1において、上記感熱発色層用塗布液をカーテンコーターの代わりにエアーナイフコーターによって塗布したこと以外は、実施例1と同様にして実施例13に係る感熱記録材料を得た。
【0088】
[実施例14]
実施例10において、形成された感熱発色層にキャレンダー処理を施す前に、該感熱発色層の上に更に下記の保護層用塗布液を乾燥塗布量が2g/m2となるようにカーテンコーターにより塗布し乾燥して保護層を形成し、該保護層の表面にキャレンダー処理を施したこと以外、実施例10と同様にして実施例14に係る感熱記録材料を得た。
【0089】
(保護層用塗布液の調製)
まず最初に、下記組成の化合物をサンドミルで分散し、平均粒子径2μmの顔料分散物を調製した。続いて、尿素リン酸エステル化デンプン15%水溶液(日本食品化工(株)製の「MS4600」)200部及びポリビニルアルコール15%水溶液((株)クラレ製の「PVA−105」)200部に水60部を加え、更に前記顔料分散物を混合し、更に平均粒子径0.15μmのステアリン酸亜鉛乳化分散物(中京油脂(株)製の「ハイドリンF115」)25部、スルホコハク酸2−エチルヘキシルエステルナトリウム塩2%水溶液125部を混合して、保護層用塗布液を得た。
<保護層用塗布液の組成>
・水酸化アルミニウム(平均粒子径1μm) 40部
(昭和電工(株)製の「ハイジライトH42」)
・ポリアクリル酸ナトリウム 1部
・水 60部
【0090】
[実施例15]
実施例1において、顔料分散液(E)に用いた軽質炭酸カルシウムの代わりに、水沢化学(株)の商品名「ミズカシルP78A」(非晶質シリカ)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例15に係る感熱記録材料を得た。
【0091】
[実施例16]
実施例15の感熱発色層用塗布液に、更に媒染剤として荒川化学(株)の商品名「アラフィックス300」(ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン水溶液)40部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして実施例16に係る感熱記録材料を得た。
【0092】
[実施例17]
実施例1において、分散液(C)の1,2−ジフェノキシエタンを1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタンに変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例17に係る感熱記録材料を得た。
【0093】
[比較例1]
実施例1において、分散液(B)を120部から60部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして比較例1に係る感熱記録材料を得た。
【0094】
[比較例2]
実施例1において、分散液(B)を120部から240部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして比較例2に係る感熱記録材料を得た。
【0095】
[比較例3]
実施例1において、分散液(C)を120部から60部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして比較例3に係る感熱記録材料を得た。
【0096】
[比較例4]
実施例1において、分散液(C)を120部から240部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして比較例4に係る感熱記録材料を得た。
【0097】
[比較例5]
実施例1において、分散液(B)の4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドを2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして比較例5に係る感熱記録材料を得た。
【0098】
[比較例6]
実施例1における、分散液(B)の4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドをN−ベンジル−4−ヒドロキシベンゼンスルホンアミド(p−N−ベンジルスルファモイルフェノール)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして比較例6に係る感熱記録材料を得た。
【0099】
(評価試験)
(1)感度
京セラ(株)製のサーマルヘッド「KJT−216−8MPD1」を有する感熱印字装置を用いて、実施例1〜17及び比較例1〜6で得られた感熱記録材料に印字した。該印字はヘッド電圧が24V、パルス周期が10msの条件で、パルス幅1.5msで印字し、その印字濃度をマクベス反射濃度計「RD−918」で測定した。結果を表1に示す。
【0100】
(2)画像保存性
上記実施例1〜17および比較例1〜6で得られた感熱記録材料を、上記(1)と同一の装置および条件で画像を記録し、60℃、相対湿度20%の環境下で24時間放置した。その後、画像濃度をマクベス反射濃度計(RD−918)で測定し、上記(1)と同一の装置および条件で画像を記録した未処理品(放置なし)の画像濃度に対する残存率を下記の式から算出した。結果を表1に示す。なお、数値が高いほど良好な画像保存性を示す。
画像保存性(%)=(放置後の画像濃度/未処理品画像濃度)×100
【0101】
(3)耐薬品性
上記実施例1〜17及び比較例1〜6で得られた感熱記録材料を前記(1)感度と同じ条件で印字して、その地肌部と印字部の表面に蛍光ペン(ゼブラ(株)製の「ゼブラ蛍光ペン2−ピンク」)で筆記し、1日経過後の各感熱記録材料の地肌被りの発生具合及び画像部の安定性を目視によって観察し、下記の基準にしたがって評価した。結果を表1に示す。
○………被りの発生は認められず、画像部の変化も認められなかった。
△………若干の被りの発生が認められ、画像部の消色がやや認められた。
×………被りの発生が顕著に認められた。また、画像部が消色した。
【0102】
(4)スティッキング性
ファクシミリ(三洋電機(株)製の「SFX85」)と、テストチャートとして電子画像学会NO.3チャートとを使用して、上記実施例1〜17および比較例1〜6で得られた感熱記録材料に印画した。その際の印字音及び目視によって測定した白飛び状態を総合して、下記の基準に従って評価した。結果を表1に示す。
○………プリント音以外のノイズがなく、白飛びも見られなかった。
△………若干のノイズがあり、白飛びが見られた。
×………明らかなノイズ(接着音)が発生し、白飛びも多く見られた。
【0103】
(5)インクジェット記録適性
(株)東芝製のワードプロセッサー「ルポ JW−95JV」にて文字を印字したシートに、インクジェット・プリンターでプリントを行い、インクジェット記録の滲みとワードプロセッサーにて記録した文字の消色を下記の基準で目視評価した。
○………僅かに薄くなるが、判読に問題はなかった。
△………文字は薄くかすれるが、何とか判読は可能であつた。
×………完全に文字が消失して、判読は不可能であった。
【0104】
(6)インクジェット・シート耐性
インクジェットプリンター((株)エプソン製の「MJ930C」)で高画質プリントした画像と、前記(1)感度の場合と同様にして印字した感熱記録材料の感熱記録面を接触(コンタクト)させ、25℃で48時間放置後の画像濃度をマクベスRD918で測定した。別途、未接触品画像濃度も測定し、これに対する上記接触品画像濃度の比(残存率)を算出した。この数値が高い程、インクジェット・シート耐性が良好である。
【0105】
【表1】
【0106】
表1から、本発明に従う実施例1〜17で得られた感熱記録材料は、感度、発色画像の保存性、耐薬品性、スティッキング性、インクジェット記録適性(滲みと消色)、及びインクジェット・シート耐性の夫々において優れていることが判明した。
ここで、実施例1と比較例1、2の比較から、電子供与性無色染料1.0質量部に対する4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリド(電子受容性化合物)の含有量が1.5〜3.5質量部の範囲を外れると、感度或いは画像保存性やスティッキング性が悪化することが分かった。
また、実施例1と比較例3、4の比較から、電子供与性無色染料1.0質量部に対する1,2−ジフェノキシエタン又は1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン(増感剤)の含有量が1.5〜3.5質量部の範囲を外れると、感度或いは画像保存性が悪化することが分かった。
また、実施例1と比較例5、6の比較から、電子受容性化合物として、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリド以外のものを使用すると、画像保存性や耐薬品性、インクジェット・シート耐性が悪化することが分かった。
【0107】
更に、実施例1と実施例10、11、12の比較から、画像安定剤が含まれていると画像保存性がより優れていることが分かった。特に、電子供与性無色染料1.0質量部に対する画像安定剤の含有量が0.1〜1.0質量部の範囲内であると、画像保存性及び耐薬品性が更に優れていることが分かった。
また、実施例1と実施例13との比較から、カーテンコーターによって感熱発色層を塗布した方が、感度や画像保存性により優れていることが分かった。
また、実施例1と実施例14との比較から、保護層を設けることによって画像保存性及び耐薬品性がより向上することが分かった。
また、実施例1と実施例15、16との比較から、無機顔料に非晶質シリカ(ミズカシル)を、或いは媒染剤(ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン)を使用すると、特にインクジェット記録適性(滲み)が顕著に改善されることが分かった。
【0108】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、従来の感熱記録材料に比べ、発色濃度が高く、画像部の保存性、耐薬品性、スティッキング性、インクジェット記録適性、及びインクジェット・シート耐性に優れた感熱記録材料を提供することができる。
Claims (4)
- 支持体上に、少なくとも電子供与性無色染料と電子受容性化合物と増感剤とを含有する感熱発色層を設けた感熱記録材料であって、
該感熱発色層が、上記電子供与性無色染料1.0質量部に対して、電子受容性化合物として4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドを1.5〜3.5質量部含有し、且つ増感剤として1,2−ジフェノキシエタン又は1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタンを1.5〜3.5質量部含有することを特徴とする感熱記録材料。 - 前記感熱発色層が、電子供与性無色染料と電子受容性化合物と増感剤の合計100質量部に対して、無機顔料を20〜150質量部含有することを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
- 前記感熱発色層が、更に画像安定剤として、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン及び/又は1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタンを含有する請求項1又は2に記載の感熱記録材料。
- 前記画像安定剤の含有量が、電子供与性無色染料1.0質量部に対して0.1〜1.0質量部である請求項3に記載の感熱記録材料。
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