JP4115828B2 - Preparation of 2- (alkylidene) cycloalkanone - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は香料素材として有用なジヒドロジャスモン酸メチル、δ−ラクトン等の中間体である２−（アルキリデン）シクロアルカノンの製法、並びにそれを用いた、アルキル（３−オキソ−２−アルキルシクロアルキル）アセテート及び５−アルキル−５−アルカノリドの製法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、２−（１−ヒドロキシアルキル）シクロアルカノンから２−（アルキリデン）シクロアルカノンを製造する際には、脱水反応触媒として均一系の酸触媒が一般的に用いられている。
【０００３】
例えば特許文献１では、２−（アルキリデン）シクロアルカノンを得るために、アルドール縮合体にシュウ酸を添加して脱水反応を行っているが、反応後にアルカリによる中和、分層が必要であり、工程が多く、排水も生じる。また、酸により設備が腐食したり、アルカリによる中和時に２−（アルキリデン）シクロアルカノンが重合および分解し収率が低下する場合もある。
【０００４】
さらに、このような重合および分解のため、これを用いて合成されるアルキル（３−オキソ−２−アルキルシクロアルキル）アセテートや５−アルキル−５−アルカノリドの匂いの低下が生じる場合がある。
【０００５】
【特許文献１】
特開昭５６−１４７７４０号公報
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、２−（アルキリデン）シクロアルカノンを効率的に高収率で製造する方法、並びにそれを用いた香料素材や生理活性物質として有用なアルキル（３−オキソ−２−アルキルシクロアルキル）アセテート及び５−アルキル−５−アルカノリドの製法を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明は、式（１）
【０００８】
【化７】

【０００９】
（式中、ｎは１又は２の整数、Ｒ¹及びＲ²はそれぞれ、水素原子又は炭素数１〜８の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示すか、あるいはＲ¹とＲ²が一緒になって隣接する炭素原子と共にシクロペンタン環もしくはシクロヘキサン環を形成してもよい。）
で表される２−（１−ヒドロキシアルキル）シクロアルカノン（以下化合物（１）という）を、固体酸触媒を用いて脱水反応させる、式（２）
【００１０】
【化８】

【００１１】
（式中、ｎ、Ｒ¹及びＲ²は前記の意味を示す。）
で表される２−（アルキリデン）シクロアルカノン（以下化合物（２）という）の製法を提供する。
【００１２】
また、本発明は、上記の製法で得られた化合物（２）を異性化反応させるか、又は化合物（１）を含有する化合物（２）を脱水反応させつつ異性化反応させて、式（３）
【００１３】
【化９】

【００１４】
（式中、ｎ、Ｒ¹及びＲ²は前記の意味を示す。）
で表される２−（アルキル）シクロアルケノン（以下化合物（３）という）とし、次いで式（４）
【００１５】
【化１０】

【００１６】
（式中、Ｒ³は炭素数１〜３の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、２個のＲ³は同一でも異なっていてもよい。）
で表されるマロン酸ジエステル（以下化合物（４）という）とを反応させ、次いで水を反応させる、式（５）
【００１７】
【化１１】

【００１８】
（式中、ｎ、Ｒ¹、Ｒ²及びＲ³は前記の意味を示す。）
で表されるアルキル（３−オキソ−２−アルキルシクロアルキル）アセテート（以下化合物（５）という）の製法、並びに上記製法で得られた化合物（２）を異性化反応させるか、又は化合物（１）を含有する化合物（２）を脱水反応させつつ異性化反応させて、化合物（３）とし、次いで水素還元させた後、バイヤービリガー酸化させる、式（６）で表される５−アルキル−５−アルカノリド（以下化合物（６）という）の製法を提供する。
【００１９】
【化１２】

【００２０】
（式中、ｎ、Ｒ¹及びＲ²は前記の意味を示す。）
【００２１】
【発明の実施の形態】
［化合物（２）の製法］
本発明の原料として用いられる、化合物（１）において、１−ヒドロキシアルキル基を構成するアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基等が挙げられる。
【００２２】
この化合物（１）は、一般的に公知の方法により製造でき、例えば炭素数５又は６のシクロアルカノンと、式（７）
【００２３】
【化１３】

【００２４】
（式中、Ｒ¹及びＲ²は前記の意味を示す。）
で表されるアルデヒド又はケトンを反応させることにより得ることができる。本発明では、このような方法で得られる化合物（１）を蒸留せずに用いることもできるが、固体酸触媒の活性が低下する場合は蒸留精製して使用してもよい。
【００２５】
本発明に用いられる固体酸触媒としては、ＡｌＰＯ₄、Ａｌ₂Ｏ₃、活性アルミナ、硫酸ジルコニア、トリポリリン酸二水素アルミニウム、ＴｉＯ₂等の無機金属固体触媒や、カチオン交換樹脂、ＳｉＯ₂−ＴｉＯ₂、ＳｉＯ₂−ＣａＯ、ＳｉＯ₂−ＭｇＯ、ゼオライト等を用いることができ、ＡｌＰＯ₄、ＴｉＯ₂、カチオン交換樹脂から選ばれる少なくとも１種が好ましい。
【００２６】
固体酸触媒の形状は、粉末でも成型したものでもよい。さらに、固体酸触媒の使用方法も、懸濁床でも固定床でもよいが、固定床の場合には、触媒と反応終了物との分離工程がいらないことから、大量生産する際には有効である。また、この脱水反応は回分式でも連続式でもよい。
【００２７】
固体酸触媒の使用量は、反応形式により適宜最適化すればよいが、回分式の場合は、反応性、経済性の面から原料である化合物（１）に対して０．５〜２０重量％が好ましく、１〜１０重量％がより好ましい。
【００２８】
また、例えば化合物（３）を得るために脱水反応後に異性化反応を行う場合は、脱水反応転化率が低すぎると、異性化反応中に脱水反応を同時に行わなければならず、異性化反応を効率的に行える温度（８０℃〜２００℃）を維持することが困難となり、また、脱水反応転化率が高すぎると、脱水反応の原料の化合物（１）や生成物の化合物（２）が重合および分解し、収率の低下を招くので、脱水反応転化率は４０〜９０％が好ましく、５０〜８０％がより好ましい。
ここで、脱水反応転化率は、以下の式（Ｉ）で定義される値である。
【００２９】
【数１】

【００３０】
脱水反応の温度は、反応を短時間で終わらせ、化合物（２）の重合および分解を防いで収率の低下を防ぐという観点から、７０〜１５０℃が好ましく、９０〜１２０℃が更に好ましい。また、反応圧力は、常圧でも反応は進行するが、生成する水を効率的に系外へ留去させ、原料および反応生成物を留出させないで効率的に反応させるために、２０〜１０１ｋＰａが好ましく、２０〜８０ｋＰａの減圧下で反応させることが更に好ましい。
【００３１】
本発明の脱水反応においては、生成する水を留去しながら反応を行うことが好ましい。反応後は、固体酸触媒を濾過等により、反応液と容易に分離することができ、リサイクルすることも可能である。
【００３２】
［化合物（５）の製法］
上記製法により得られた化合物（２）、又は化合物（１）を含有する化合物（２）を原料とし、例えば特開昭５６−１４７７４０号公報に記載の方法により香料素材や生理活性剤として有用な化合物（５）を得ることができる。
【００３３】
具体的には、まず化合物（２）を異性化反応させるか、又は化合物（１）を含有する化合物（２）を脱水反応させつつ異性化反応させて、化合物（３）を得る。
【００３４】
この脱水反応及び異性化反応は、既知の方法を用いることができ、例えば特開２００１−３２８９６５号公報に記載されているように、化合物（２）、又は化合物（１）を含有する化合物（２）に、アミンとハロゲン化水素からなる触媒を作用させて行う。
【００３５】
ここで用いるアミンとしては、アニリン、ジフェニルアミン、ピリジン、ピコリン、キノリン、ポリビニルピリジン等の芳香族アミン又は複素芳香環アミンが好ましく、特にピリジン、ピコリン及びキノリンが好ましい。ハロゲン化水素としては、塩化水素、臭化水素又はヨウ化水素等が挙げられ、特に塩化水素又は臭化水素が好ましい。
【００３６】
反応は、アルコール溶媒中又は無溶媒下で行うのが好ましい。アルコール溶媒としては、メタノール、エタノール、１−プロパノール、２−プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、２−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、１，８−オクタンジオール、グリセリン、ポリエチレングリコール等が挙げられ、炭素数１〜８の低級アルコール類が特に好ましい。反応温度は８０〜２００℃、特に１００〜１８０℃が好ましい。
【００３７】
次いで、得られる化合物（３）と化合物（４）とを塩基性触媒存在下に反応させて、式（８）で表される化合物（以下化合物（８）という）を得る。
【００３８】
【化１４】

【００３９】
（式中、ｎ、Ｒ¹、Ｒ²及びＲ³は前記の意味を示す。）
化合物（３）に対して化合物（４）を、好ましくは１〜５モル倍、更に好ましくは１．２〜２モル倍の割合で反応させる。
【００４０】
塩基性触媒としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド等のアルカリ金属アルコキシド等が挙げられる。触媒の使用量は化合物（３）に対して０．０２〜０．２モル倍が好ましい。溶媒としてはアルコール類等の極性溶媒が好ましい。反応温度は−１０〜３０℃の範囲が好ましく、０〜２０℃の範囲が更に好ましい。
【００４１】
次に、得られた化合物（８）と水とを反応させることにより、化合物（５）を製造することができる。水は、化合物（８）に対して１〜３モル倍量を反応系中に滴下しながら反応させることが好ましい。反応温度は１５０〜２２０℃の範囲が好ましい。
【００４２】
このようにして得られた化合物（５）は、脱水反応において均一系の酸触媒を用いた場合に比べ、収率がよく、不純物が少ないので、化合物（５）を高純度で得るための精留負荷が低減でき、香料素材として優れたものである。
【００４３】
［化合物（６）の製法］
上記製法により得られた化合物（２）、又は化合物（１）を含有する化合物（２）を原料とし、既知の一般的な方法により、香料素材や生理活性剤として有用な化合物（６）を得ることができる。
【００４４】
例えば、上記のように化合物（２）を異性化反応させるか、又は化合物（１）を含有する化合物（２）を脱水反応させつつ異性化反応させて、化合物（３）を得る。次いで、Ｐｄ／Ｃ等の触媒存在下で水素還元させ、式（９）で表される化合物（以下化合物（９）という）を得る。
【００４５】
【化１５】

【００４６】
（式中、ｎ、Ｒ¹及びＲ²は前記の意味を示す。）
得られた化合物（９）を、例えば特開平９−１０４６８１号公報に記載されているように、過酢酸等を酸化剤として用い、バイヤービリガー（Baeyer-Villiger）酸化させて、化合物（６）を得る。
【００４７】
このようにして得られた化合物（６）は、脱水反応において均一系の酸触媒を用いた場合に比べ、収率がよく、不純物が少ないので、化合物（６）を高純度で得るための精留負荷が低減でき、香料素材として優れたものである。
【００４８】
【実施例】
以下の例において、生成物の定量はガスクロマトグラフィーによる内部標準法（内標は、カルビトール又はウンデカン）によって行った。
【００４９】
製造例１
滴下槽を備えた６ｍ³の反応槽に、シクロペンタノン２２４１ｋｇ（２６．６ｋｍｏｌ）、水１００７ｋｇ、４８％ＮａＯＨ１１ｋｇを仕込み、撹拌しながら１５℃に冷却した後、同温度でバレルアルデヒド９８５ｋｇ（１１．４ｋｍｏｌ）を５時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で１時間撹拌した。反応終了後、中和し、過剰のシクロペンタノンを蒸留回収した後、有機層を分析した結果、反応終了品１８６８ｋｇ中には、２−（１−ヒドロキシペンチル）−シクロペンタノンが１７０６ｋｇ含まれていた。
【００５０】
実施例１
脱水管を備えた３００ｍｌの４つ口フラスコに、製造例１と同様に製造した反応終了品を精留して得られた２−（１−ヒドロキシペンチル）−シクロペンタノン１７０ｇ（０．９９ｍｏｌ）、ＴｉＯ₂（球状成型品、直径１．５ｍｍ）８．５ｇを加え、１００℃、５３ｋＰａになるように加熱し混合した。反応６時間後には、留分が１６．７ｇ得られ、反応終了物を分析すると、２−ペンチリデンシクロペンタノンが１４１ｇ含まれていることがわかった。収率は９３％であった。
【００５１】
実施例２
実施例１と同様の装置に、２−（１−ヒドロキシペンチル）−シクロペンタノン１７０ｇ（０．９９ｍｏｌ）、ＡｌＰＯ₄（ヌードル状成型品、直径０．８ｍｍ、長さ＜５ｍｍ）８．５ｇを加え、１２０℃、１０１ｋＰａになるように加熱し混合した。反応５時間後には、留分が１６．７ｇ得られ、反応終了物を分析すると、２−ペンチリデンシクロペンタノンが１４１ｇ含まれていることがわかった。収率は９３％であった。
【００５２】
実施例３
固体酸触媒としてＮａｆｉｏｎ ＮＲ−５０（デュポン（株）、ヌードル状成型品）１．７ｇを用いる以外は実施例２と同様にして、反応を行った結果、２−ペンチリデンシクロペンタノンが１２１ｇ得られた。収率は８０％であった。
【００５３】
実施例４
固体酸触媒としてＤＩＡＩＯＮ ＲＣＰ１６０Ｍ（三菱化学（株）、球状成型品、直径約１ｍｍ）８．５ｇを用い、圧力２６．７ｋＰａ、温度１００℃とする以外は実施例２と同様にして、反応を行った結果、２−ペンチリデンシクロペンタノンが９４ｇ得られた。収率は６２％であった。
【００５４】
実施例５
実施例１と同様にして得られた反応終了物中の固体酸触媒を濾過し、１５３ｇの濾過終了物を得た。この中に含まれる２−ペンチリデンシクロペンタノンは１４１ｇ（０．９３ｍｏｌ）であった。この濾過終了物をｎ−ブタノール１５３ｇに溶かし、１３０℃に昇温した後、同温度で３−ピコリン１４．５ｇ（０．１５ｍｏｌ）と３５％塩酸１０．５ｇ（０．１ｍｏｌ）の混合液を３０分で滴下した。滴下終了後、同温度で３．５時間加熱攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、有機層を分析した結果、反応終了品中には、２−ペンチル−２−シクロペンテノンが１１８ｇ含まれていることがわかった。この異性化反応の収率は８３％であった。
【００５５】
この反応終了品を精留し、２−ペンチル−２−シクロペンテノンを９５ｇ（０．６ｍｏｌ）得た。さらに、窒素雰囲気下にてマロン酸ジメチル１１８ｇ（０．９ｍｏｌ）を無水メタノール３８ｇに溶解し、０℃に冷却して、ナトリウムメトキシド（３０％メタノール溶液）６．５ｇ（０．０３６ｍｏｌ）を添加したものに、上記で得られた２−ペンチル−２−シクロペンテノン９５ｇ（０．６ｍｏｌ）を０℃で、２時間かけて滴下した。滴下終了後、未反応のマロン酸ジメチルを減圧留去し、１６０ｇのマイケル付加物を得た。
【００５６】
蒸留留出管をつけた反応装置に、上記で得られたマイケル付加物を加え、２１５℃に加熱し、水を３．２ｇ／ｈ（２％／ｈ）の速度で滴下した。発生する二酸化炭素とメタノールを留出させながら、２１５℃で、４時間滴下反応を行った。反応終了後、粗生成物１２６ｇ中に、３−オキソ−２−ペンチルシクロペンチル酢酸メチル１２３ｇを得た。
【００５７】
粗生成物を精留して得られた３−オキソ−２−ペンチルシクロペンチル酢酸メチルは、フルーティでジャスミン様の香気を有しており、香料素材としても優れたものであった。
【００５８】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、脱水反応触媒として均一系触媒を用いる場合のように反応後に中和／分層等の工程がなく、設備の腐食の可能性もなく、高収率かつ高生産性で２−（アルキリデン）シクロアルカノンを製造することができる。更に、得られた２−（アルキリデン）シクロアルカノンを用い、香料素材や生理活性物質として有用なアルキル（３−オキソ−２−アルキルシクロアルキル）アセテート及び５−アルキル−５−アルカノリドを高収率、高純度で製造することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a process for producing 2- (alkylidene) cycloalkanone which is an intermediate such as methyl dihydrojasmonate and δ-lactone useful as a perfume material, and alkyl (3-oxo-2-alkylcycloalkyl) using the same. ) It relates to a process for the production of acetate and 5-alkyl-5-alkanolides.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, when producing 2- (alkylidene) cycloalkanone from 2- (1-hydroxyalkyl) cycloalkanone, a homogeneous acid catalyst is generally used as a dehydration reaction catalyst.
[0003]
For example, in Patent Document 1, in order to obtain 2- (alkylidene) cycloalkanone, oxalic acid is added to the aldol condensate to perform a dehydration reaction. However, neutralization with an alkali and layer separation are necessary after the reaction. There are many processes and wastewater is also generated. In addition, the equipment may be corroded by an acid, or 2- (alkylidene) cycloalkanone may be polymerized and decomposed during neutralization with an alkali to lower the yield.
[0004]
Furthermore, due to such polymerization and decomposition, the odor of alkyl (3-oxo-2-alkylcycloalkyl) acetate and 5-alkyl-5-alkanolide synthesized using the same may be lowered.
[0005]
[Patent Document 1]
JP-A-56-147740 [0006]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a method for efficiently producing 2- (alkylidene) cycloalkanone in high yield, and alkyl (3-oxo-2-alkylcyclohexane) useful as a fragrance material or a physiologically active substance using the method. It is to provide a process for the preparation of (alkyl) acetates and 5-alkyl-5-alkanolides.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present invention relates to formula (1)
[0008]
[Chemical 7]

[0009]
(Wherein n represents an integer of 1 or 2, R ¹ and R ² each represent a hydrogen atom or a linear or branched alkyl group having 1 to 8 carbon atoms, or R ¹ and R ² together And may form a cyclopentane ring or a cyclohexane ring with adjacent carbon atoms.)
A 2- (1-hydroxyalkyl) cycloalkanone represented by the following formula (2) is subjected to a dehydration reaction using a solid acid catalyst.
[0010]
[Chemical 8]

[0011]
(In the formula, n, R ¹ and R ² have the above-mentioned meanings.)
The manufacturing method of 2- (alkylidene) cycloalkanone (henceforth a compound (2)) represented by these is provided.
[0012]
In the present invention, the compound (2) obtained by the above production method is isomerized, or the compound (2) containing the compound (1) is subjected to an isomerization reaction while dehydrating to give a compound of formula (3 )
[0013]
[Chemical 9]

[0014]
(In the formula, n, R ¹ and R ² have the above-mentioned meanings.)
2- (alkyl) cycloalkenone (hereinafter referred to as compound (3)) represented by formula (4)
[0015]
[Chemical Formula 10]

[0016]
(In the formula, R ³ represents a linear or branched alkyl group having 1 to ³ carbon atoms, and two R ^{3 s} may be the same or different.)
Is reacted with a malonic acid diester represented by the formula (hereinafter referred to as compound (4)), and then reacted with water, formula (5)
[0017]
Embedded image

[0018]
(In the formula, n, R ¹ , R ² and R ³ have the above-mentioned meanings.)
Or an isomerization reaction of the compound (2) obtained by the above-described production method and the compound (1) The compound (2) containing) is subjected to an isomerization reaction while dehydrating to give a compound (3), followed by hydrogen reduction, and then buyer-bilger oxidation. 5-alkyl-5 represented by formula (6) -A method for producing an alkanolide (hereinafter referred to as compound (6)) is provided.
[0019]
Embedded image

[0020]
(In the formula, n, R ¹ and R ² have the above-mentioned meanings.)
[0021]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
[Production Method of Compound (2)]
In the compound (1) used as a raw material of the present invention, examples of the alkyl group constituting the 1-hydroxyalkyl group include a methyl group, an ethyl group, a propyl group, an isopropyl group, a butyl group, an isobutyl group, an amyl group, An isoamyl group, a hexyl group, a heptyl group, etc. are mentioned.
[0022]
This compound (1) can be generally produced by a known method, for example, a cycloalkanone having 5 or 6 carbon atoms and a compound of the formula (7)
[0023]
Embedded image

[0024]
(In the formula, R ¹ and R ² have the above-mentioned meanings.)
It can obtain by making the aldehyde or ketone represented by these react. In the present invention, the compound (1) obtained by such a method can be used without distillation. However, when the activity of the solid acid catalyst is lowered, it may be used after being purified by distillation.
[0025]
Examples of the solid acid catalyst used in the present invention include inorganic metal solid catalysts such as AlPO ₄ , Al ₂ O ₃ , activated alumina, zirconia sulfate, aluminum dihydrogen phosphate, TiO ₂ , cation exchange resins, SiO ₂ —TiO _2. , SiO ₂ —CaO, SiO ₂ —MgO, zeolite and the like can be used, and at least one selected from AlPO ₄ , TiO ₂ and cation exchange resin is preferable.
[0026]
The shape of the solid acid catalyst may be a powder or a molded one. Further, the method of using the solid acid catalyst may be either a suspended bed or a fixed bed. However, in the case of a fixed bed, there is no need for a separation step of the catalyst and the reaction product, which is effective for mass production. . The dehydration reaction may be batch or continuous.
[0027]
The amount of the solid acid catalyst used may be optimized as appropriate depending on the reaction mode, but in the case of a batch system, 0.5 to 20% by weight with respect to the raw material compound (1) in terms of reactivity and economy. 1 to 10% by weight is more preferable.
[0028]
For example, when the isomerization reaction is performed after the dehydration reaction in order to obtain the compound (3), if the conversion rate of the dehydration reaction is too low, the dehydration reaction must be performed simultaneously during the isomerization reaction. It becomes difficult to maintain a temperature (80 ° C. to 200 ° C.) that can be efficiently performed, and if the dehydration reaction conversion rate is too high, the raw material compound (1) and the product compound (2) of the dehydration reaction are polymerized. In addition, the dehydration reaction conversion rate is preferably 40 to 90%, and more preferably 50 to 80%.
Here, the dehydration reaction conversion rate is a value defined by the following formula (I).
[0029]
[Expression 1]

[0030]
The temperature of the dehydration reaction is preferably from 70 to 150 ° C, more preferably from 90 to 120 ° C, from the viewpoint of completing the reaction in a short time and preventing the polymerization and decomposition of the compound (2) to prevent the yield from decreasing. In addition, the reaction proceeds at normal pressure, but the reaction proceeds efficiently without distilling off the produced water and distilling off the raw materials and reaction products. It is more preferable to make it react under the reduced pressure of 20-80 kPa.
[0031]
In the dehydration reaction of the present invention, it is preferable to carry out the reaction while distilling off the produced water. After the reaction, the solid acid catalyst can be easily separated from the reaction solution by filtration or the like, and can be recycled.
[0032]
[Production Method of Compound (5)]
The compound (2) obtained by the above production method or the compound (2) containing the compound (1) is used as a raw material, and is useful as a fragrance material or bioactive agent by the method described in, for example, JP-A-56-147740. Compound (5) can be obtained.
[0033]
Specifically, the compound (2) is first subjected to an isomerization reaction, or the compound (2) containing the compound (1) is subjected to an isomerization reaction while dehydrating to obtain a compound (3).
[0034]
For this dehydration reaction and isomerization reaction, known methods can be used. For example, as described in JP-A-2001-328965, compound (2) or compound (2) containing compound (1) ) And a catalyst comprising an amine and a hydrogen halide.
[0035]
As the amine used here, aromatic amines or heteroaromatic amines such as aniline, diphenylamine, pyridine, picoline, quinoline and polyvinylpyridine are preferable, and pyridine, picoline and quinoline are particularly preferable. Examples of the hydrogen halide include hydrogen chloride, hydrogen bromide, hydrogen iodide and the like, and hydrogen chloride or hydrogen bromide is particularly preferable.
[0036]
The reaction is preferably performed in an alcohol solvent or in the absence of a solvent. Examples of the alcohol solvent include methanol, ethanol, 1-propanol, 2-propanol, butanol, pentanol, hexanol, 2-ethylhexanol, cyclohexanol, ethylene glycol, 1,8-octanediol, glycerin, and polyethylene glycol. Particularly preferred are lower alcohols having 1 to 8 carbon atoms. The reaction temperature is preferably 80 to 200 ° C, particularly preferably 100 to 180 ° C.
[0037]
Next, the resulting compound (3) and compound (4) are reacted in the presence of a basic catalyst to obtain a compound represented by formula (8) (hereinafter referred to as compound (8)).
[0038]
Embedded image

[0039]
(In the formula, n, R ¹ , R ² and R ³ have the above-mentioned meanings.)
The compound (4) is reacted with the compound (3) at a ratio of preferably 1 to 5 mol times, more preferably 1.2 to 2 mol times.
[0040]
Examples of the basic catalyst include alkali metals such as sodium and potassium, alkali metal alkoxides such as sodium alkoxide and potassium alkoxide, and the like. The amount of the catalyst used is preferably 0.02 to 0.2 mole times the compound (3). As the solvent, polar solvents such as alcohols are preferable. The reaction temperature is preferably in the range of −10 to 30 ° C., more preferably in the range of 0 to 20 ° C.
[0041]
Next, the compound (5) can be produced by reacting the obtained compound (8) with water. It is preferable to make water react while dripping 1-3 mol times with respect to a compound (8) in a reaction system. The reaction temperature is preferably in the range of 150 to 220 ° C.
[0042]
The compound (5) thus obtained has a better yield and less impurities than the case where a homogeneous acid catalyst is used in the dehydration reaction. Therefore, the compound (5) is highly purified to obtain the compound (5) with high purity. The residual load can be reduced, and it is an excellent fragrance material.
[0043]
[Production Method of Compound (6)]
Using compound (2) obtained by the above production method or compound (2) containing compound (1) as a raw material, compound (6) useful as a fragrance material or bioactive agent is obtained by a known general method. be able to.
[0044]
For example, compound (2) is isomerized as described above, or compound (2) containing compound (1) is isomerized while dehydrating to obtain compound (3). Next, hydrogen reduction is performed in the presence of a catalyst such as Pd / C to obtain a compound represented by formula (9) (hereinafter referred to as compound (9)).
[0045]
Embedded image

[0046]
(In the formula, n, R ¹ and R ² have the above-mentioned meanings.)
The obtained compound (9) is oxidized with a Baeyer-Villiger using peracetic acid or the like as an oxidizing agent, as described in, for example, JP-A-9-104681 to give compound (6). obtain.
[0047]
The compound (6) thus obtained has a better yield and less impurities than the case where a homogeneous acid catalyst is used in the dehydration reaction, so that the compound (6) for obtaining the compound (6) with high purity is obtained. The residual load can be reduced, and it is an excellent fragrance material.
[0048]
【Example】
In the following examples, the product was quantified by an internal standard method by gas chromatography (internal standard is carbitol or undecane).
[0049]
Production Example 1
A 6m ³ reaction tank equipped with a dropping tank was charged with 2241 kg (26.6 kmol) of cyclopentanone, 1007 kg of water and 11 kg of 48% NaOH, cooled to 15 ° C. with stirring, and then 985 kg (11. 4 kmol) was added dropwise over 5 hours. After completion of dropping, the mixture was stirred at the same temperature for 1 hour. After completion of the reaction, the reaction mixture was neutralized and excess cyclopentanone was recovered by distillation, and the organic layer was analyzed. As a result, 1868 kg of 2- (1-hydroxypentyl) -cyclopentanone was contained in the reaction finished product 1868 kg. It was.
[0050]
Example 1
170 g (0.99 mol) of 2- (1-hydroxypentyl) -cyclopentanone obtained by rectifying the reaction-finished product produced in the same manner as in Production Example 1 in a 300 ml four-necked flask equipped with a dehydrating tube Then, 8.5 g of TiO ₂ (spherical molded product, diameter 1.5 mm) was added, and the mixture was heated and mixed to 100 ° C. and 53 kPa. After 6 hours of reaction, 16.7 g of a fraction was obtained, and when the reaction product was analyzed, it was found that 141 g of 2-pentylidenecyclopentanone was contained. The yield was 93%.
[0051]
Example 2
In the same apparatus as in Example 1, 170 g (0.99 mol) of 2- (1-hydroxypentyl) -cyclopentanone and 8.5 g of AlPO ₄ (noodle-shaped molded product, diameter 0.8 mm, length <5 mm) were added. In addition, the mixture was heated and mixed at 120 ° C. and 101 kPa. After 5 hours of reaction, 16.7 g of a fraction was obtained, and analysis of the reaction product revealed that 141 g of 2-pentylidenecyclopentanone was contained. The yield was 93%.
[0052]
Example 3
As a result of carrying out the reaction in the same manner as in Example 2 except that 1.7 g of Nafion NR-50 (DuPont Co., Ltd., noodle-shaped molded product) was used as the solid acid catalyst, 121 g of 2-pentylidenecyclopentanone was obtained. It was. The yield was 80%.
[0053]
Example 4
The reaction was conducted in the same manner as in Example 2 except that 8.5 g of DIAION RCP160M (Mitsubishi Chemical Corporation, spherical molded product, diameter of about 1 mm) was used as the solid acid catalyst, the pressure was 26.7 kPa, and the temperature was 100 ° C. As a result, 94 g of 2-pentylidenecyclopentanone was obtained. The yield was 62%.
[0054]
Example 5
The solid acid catalyst in the reaction end product obtained in the same manner as in Example 1 was filtered to obtain 153 g of the filtration end product. The amount of 2-pentylidenecyclopentanone contained in this was 141 g (0.93 mol). The filtered product was dissolved in 153 g of n-butanol, heated to 130 ° C., and then mixed with 14.5 g (0.15 mol) of 3-picoline and 10.5 g (0.1 mol) of 35% hydrochloric acid at the same temperature. It was dripped in 30 minutes. After completion of dropping, the mixture was heated and stirred at the same temperature for 3.5 hours. After completion of the reaction, the reaction mixture was cooled to room temperature, neutralized with an aqueous sodium hydroxide solution, and the organic layer was analyzed. As a result, it was confirmed that 118 g of 2-pentyl-2-cyclopentenone was contained in the finished product. all right. The yield of this isomerization reaction was 83%.
[0055]
This reaction-finished product was rectified to obtain 95 g (0.6 mol) of 2-pentyl-2-cyclopentenone. Furthermore, 118 g (0.9 mol) of dimethyl malonate was dissolved in 38 g of anhydrous methanol under a nitrogen atmosphere, cooled to 0 ° C., and 6.5 g (0.036 mol) of sodium methoxide (30% methanol solution) was added. To the obtained product, 95 g (0.6 mol) of 2-pentyl-2-cyclopentenone obtained above was added dropwise at 0 ° C. over 2 hours. After completion of dropping, unreacted dimethyl malonate was distilled off under reduced pressure to obtain 160 g of a Michael adduct.
[0056]
The Michael adduct obtained above was added to a reactor equipped with a distillation distillation tube, heated to 215 ° C., and water was added dropwise at a rate of 3.2 g / h (2% / h). While distilling off the generated carbon dioxide and methanol, a drop reaction was carried out at 215 ° C. for 4 hours. After completion of the reaction, 123 g of methyl 3-oxo-2-pentylcyclopentylacetate was obtained in 126 g of the crude product.
[0057]
Methyl 3-oxo-2-pentylcyclopentyl acetate obtained by rectifying the crude product had a fruity and jasmine-like fragrance, and was also excellent as a fragrance material.
[0058]
【The invention's effect】
According to the method of the present invention, there is no neutralization / separation step after the reaction as in the case of using a homogeneous catalyst as a dehydration reaction catalyst, there is no possibility of equipment corrosion, high yield and high productivity. Can produce 2- (alkylidene) cycloalkanone. Further, using the obtained 2- (alkylidene) cycloalkanone, high yields of alkyl (3-oxo-2-alkylcycloalkyl) acetate and 5-alkyl-5-alkanolide useful as a fragrance material or physiologically active substance are obtained. Can be produced with high purity.

Claims (3)

式（１）

（式中、ｎは１又は２の整数、Ｒ^１及びＲ^２はそれぞれ、水素原子又は炭素数１〜８の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示すか、あるいはＲ^１とＲ^２が一緒になって隣接する炭素原子と共にシクロペンタン環もしくはシクロヘキサン環を形成してもよい。）
で表される２−（１−ヒドロキシアルキル）シクロアルカノン（以下化合物（１）という）を、固体酸触媒を用いて、温度７０〜１５０℃、圧力２０〜１０１ｋＰａで脱水反応させる、式（２）

（式中、ｎ、Ｒ^１及びＲ^２は前記の意味を示す。）
で表される２−（アルキリデン）シクロアルカノン（以下化合物（２）という）の製法。Formula (1)

(Wherein n represents an integer of 1 or 2, R ¹ and R ² each represents a hydrogen atom or a linear or branched alkyl group having 1 to 8 carbon atoms, or R ¹ and R ² together And may form a cyclopentane ring or a cyclohexane ring with adjacent carbon atoms.)
2- (1-hydroxyalkyl) cycloalkanone (hereinafter referred to as compound (1)) represented by the formula (2) is subjected to a dehydration reaction at a temperature of 70 to 150 ° C. and a pressure of 20 to 101 kPa using a solid acid catalyst. )

(In the formula, n, R ¹ and R ² have the above-mentioned meanings.)
The manufacturing method of 2- (alkylidene) cycloalkanone (henceforth a compound (2)) represented by these. 固体酸触媒が、ＡｌＰＯ_４、ＴｉＯ_２、カチオン交換樹脂から選ばれる少なくとも１種である請求項１記載の製法。Solid acid _catalyst, AlPO _4, TiO _2, method according to claim 1, wherein at least one selected from the cation exchange resin. 請求項１記載の式（１）で表される化合物（１）を、固体酸触媒を用いて、温度７０〜１５０℃、圧力２０〜１０１ｋＰａで脱水反応させて、請求項１記載の式（２）で表される化合物（２）を得、得られた化合物（２）を異性化反応させて、式（３）

（式中、ｎ、Ｒ^１及びＲ^２は請求項１と同じ意味を示す。）
で表される２−（アルキル）シクロアルケノン（以下化合物（３）という）とし、次いで式（４）

（式中、Ｒ^３は炭素数１〜３の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、２個のＲ^３は同一でも異なっていてもよい。）
で表されるマロン酸ジエステルとを反応させ、次いで水を反応させる、式（５）

（式中、ｎ、Ｒ^１、Ｒ^２及びＲ^３は前記の意味を示す。）
で表されるアルキル（３−オキソ−２−アルキルシクロアルキル）アセテートの製法。 The compound (1) represented by the formula (1) according to claim 1 is subjected to a dehydration reaction at a temperature of 70 to 150 ° C. and a pressure of 20 to 101 kPa using a solid acid catalyst. The compound (2) represented by formula (3) is obtained, and the obtained compound (2) is isomerized to give a compound of formula (3)

(In the formula, n, R ¹ and R ² have the same meaning as in claim 1 ).
2- (alkyl) cycloalkenone (hereinafter referred to as compound (3)) represented by formula (4)

(In the formula, R ³ represents a linear or branched alkyl group having 1 to ³ carbon atoms, and two R ³ may be the same or different.)
With a malonic acid diester represented by the formula (5)

(In the formula, n, R ¹ , R ² and R ³ have the above-mentioned meanings.)
The manufacturing method of the alkyl (3-oxo-2-alkyl cycloalkyl) acetate represented by these.