JP4115561B2 - 育毛促進剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、育毛促進剤に関するものであり、更に詳細には、魚肉に由来するペプチドを有効成分とする、従来未知にして安全でありしかもきわめて効果の高い、外用はもちろんのこと内用も可能な天然系育毛促進剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より育毛促進剤の開発が行われており、天然物を利用する育毛促進剤についてもさかんに開発、実用化が試みられているが、魚肉を酵素分解して得られるペプチドに育毛促進作用があることは知られていないし、ましてや経口投与により育毛が促進されるという知見は、従来、全く知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年になり、食生活の洋風化、ストレスの増加等各種の要因によって頭髪がうすくなったり脱けたりする症例が非常に増加しており、老年層のみならず若年層にまでその症例は拡大しており、その解決が強く希求されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような当業界における強い要望に応える目的でなされたものであって、魚肉の酵素分解物の研究過程において、イワシ魚肉を加熱変性せしめて自己消化酵素を失活せしめた後プロテアーゼ処理して得たペプチドが毛包細胞の増殖を促進せしめるというきわめて有用な新知見を得、この有用新知見に基づき更に研究の結果、遂に完成されたものである。
【0005】
すなわち本発明は、魚肉を加熱変性せしめて自己消化酵素を失活せしめた後プロテアーゼ処理して得られるペプチドを有効成分とする育毛促進剤を基本的技術思想とするものである。
【0006】
本発明に係る育毛促進剤の有効成分として使用するペプチドとしては、上記のように魚肉を加熱変性せしめた後プロテアーゼ処理して得られるペプチドが適宜広範に使用することができるが、例えば、下記表2、表3に示される物理化学的性質を有する魚肉由来のペプチドα−1000は好適なペプチドの1例である。
【0007】
【表2】
ペプチドα−1000の物理化学的性質(1)
(A)分子量
200〜10,000(セファデックスG−25(商標)カラムクロマトグラフィーによる)
(B)融点
119℃で分解着色する。
(C)比旋光度
20℃において、ナトリウムのD線で測定したときの比旋光度
〔α〕:−22°
(D)溶剤に対する溶解性
水に易溶であるが、エタノール、アセトン、ヘキサンにはほとんど溶解しない。
(E)酸性、中性、塩基性の区別
中性
【0008】
【表3】
【0009】
本ペプチドは魚介類を原料として製造するものであるが、先ず、これを採肉機、デボーナー等によって処理して魚肉質を分離する。原料は出来る限り新鮮なものが好ましい。分離した魚肉は、10kg程度のすり身に分割し、このまま次の処理に使用してもよいが、−20〜−50℃、例えば−30℃程度の冷気を吹き付けて急速凍結し、−20〜−25℃に保存しておき、必要に応じてこれを適宜使用することにしてもよい。
【0010】
魚介類としては、イワシ、アジ、マグロ、カツオ、サンマ、サバ等赤身魚;ヒラメ、タイ、キス、コノシロ、タラ、ニシン、ブリ等白身魚;サメ、エイ等軟骨魚肉;ワカサギ、コイ、イワナ、ヤマメ等淡水魚肉;アイザメ、アンコウ等深海魚肉のほか、エビ、カニ、タコ、アミ類等も適宜使用できる。
【0011】
本発明においては、採肉した後、粉砕機等によって魚介類を粉砕し、原料重量に対して1/2量〜20倍量、好ましくは等量〜10倍量の加水を行った後、加熱処理し、もって、自己消化酵素を失活させ、且つ雑菌を死滅させるとともに、タンパク質を熱変性させて後に行う酵素反応効率を上昇せしめる。加熱条件としては、このような作用が奏される条件であればすべての条件が利用できるが、例えば65℃以上、2〜60分、好ましくは80℃以上、5〜30分とするのがよい。
【0012】
次いで、アンモニア水、水酸化ナトリウム(カリウム)水溶液等アルカリ剤を加えて、使用する蛋白分解酵素の適値にpHを調整し(例えばアルカリプロテアーゼの場合は、pH7.5以上、好ましくは8以上)、温度も酵素適温(使用酵素によって異なるが、20〜65℃、アルカリプロテアーゼの場合は35〜60℃、好ましくは40〜55℃)に加温し、蛋白分解酵素を加えて30分〜30時間(アルカリプロテアーゼの場合は30分〜25時間、好ましくは1〜17時間)処理する。
【0013】
蛋白分解酵素としては、中性またはアルカリ性条件下で蛋白質を分解し得る酵素であればすべての酵素が単独で又は混合して使用し得る。その起源は、動植物のほかに微生物に求めることができ、ペプシン、レニン、トリプシン、キモトリプシン、パパイン、ブロメレインのほか、細菌プロテアーゼ、糸状菌プロテアーゼ、放線菌プロテアーゼ等も広く利用できる。これらの酵素は、通常、市販されているものが使用されるが、未精製の酵素、酵素を含有した培養液、麹といった固体又は液体の酵素含有物も、目的により必要に応じて使用することができる。酵素の添加量としては0.1%〜5.0%程度でもよい。
【0014】
次いで必要であれば中和処理を行った後、70℃(好適には80℃)以上の温度に2〜60分間(好適には5〜30分間)保持し、酵素を失活させるとともに後に行う分離を良好ならしめる。加熱失活処理後、バイブロスクリーン等による濾過によって粗分離し、必要によりジェクター処理した後、超遠心分離処理して、浮遊物、沈殿物を除去する。
【0015】
次に、ケイソウ土等濾過助剤(例えばセライト)を用いて濾過し、濾液を活性炭処理して(0.05〜20%W/V、好ましくは0.1〜10%W/V使用,20〜65℃、好ましくは25〜60℃、15分〜4時間、好ましくは30分〜2時間)、脱臭、脱色、精製する。
【0016】
これを減圧濃縮(0〜15℃)その他常法にしたがって濃縮(30Bx程度にまで)した後、必要あれば再度(超)遠心分離又は濾過してペプチド原液を得る。このようにして得たペプチド原液は、殺菌(UHTSTその他常法による)した後、容器に充填して製品(α−1000(液体))とする。又、希望するのであれば、更に濃縮したりあるいは逆に希釈したり、また、噴霧乾燥、凍結乾燥などの常法によって60メッシュ程度に粉末化し、これを袋などの容器に充填して製品(α−1000(粉末))とすることもできる。これらの製品は、冷蔵ないし冷凍保管する。
【0017】
このようにして得た、液状、ペースト状ないし粉末状のペプチドは、その有用性に鑑み、α−1000と命名した。このペプチドα−1000(スプレ−ドライ粉末)の物理化学的性質は、下記表4、表5、表6に示すとおりである。
【0018】
【表4】
ペプチドα−1000(粉末)の物理化学的性質(1)
(A)分子量
200〜10,000(セファデックスG−25(商標)カラムクロマトグラフィーによる)
(B)融点:119℃で着色(分解点)
(C)比旋光度
20℃において、ナトリウムのD線で測定したときの比旋光度
〔α〕:−22°
(D)溶剤に対する溶解性
水に易溶;エタノール、アセトン、ヘキサンにはほとんど溶けない。
(E)酸性、中性、塩基性の区別
中性 pH=5.0〜8.0(10%溶液)
(F)外観、成分:
白色粉末;水分5.14%(減圧加熱乾燥法);蛋白質87.5%(ケルダール法、窒素・蛋白質換算係数6.25);脂質0%(ソックスレー抽出法);灰分5.0%(直接灰化法)
【0019】
【表5】
【0020】
【表6】
【0021】
本発明において使用するペプチドは、いずれも魚肉を起源としこれを酵素処理したものであるため、安全性については全く問題はないし、しかも魚肉起源につきものの不快な魚臭や苦味がなく、したがって経口投与するのに好適であり、更にまた、容易に粉末化することができ、取扱い易い白色粉末となるので製剤化が容易であって、各種の剤型に製剤化することができる。
【0022】
飲食品タイプとして使用する場合には、本有効成分であるペプチド(その処理物)をそのまま、使用したり、他の食品ないし食品成分と併用したりして適宜常法にしたがって使用できる。本有効成分を用いる本発明に係る育毛剤は、固体状(粉末、顆粒状その他)、ペースト状、液状ないし懸濁状のいずれでもよいが、甘味料、酸味料、ビタミン剤その他ドリンク剤製造に常用される各種成分を用いて、育毛ドリンクに製剤化すると好適である。
【0023】
医薬品タイプとして使用する場合、本有効成分は、種々の形態で投与され、経口投与剤のほか、外用剤等の非経口投与剤、養毛剤等の化粧料に製剤化することができる。
経口投与のための製剤としては、錠剤、丸剤、顆粒剤、軟・硬カプセル剤、散剤、細粒剤、粉剤、乳濁剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤などが挙げられる。これらの各種製剤は、常法に従って主薬に賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤などの医薬の製剤技術分野において通常使用しうる既知の補助剤を用いて製剤化することができる。その使用量は症状、年齢、体重、投与方法及び剤型等によって異なるが、通常は、成人に対して1回約0.1g乃至10g、好適には0.2g乃至8gを投与することができる。
【0024】
非経口投与のための製剤としては、注射剤、軟膏、ローション、トニック、スプレー、懸濁剤、油剤、乳剤、坐剤等が挙げられる。本発明の有効成分を製剤化するには、常法にしたがえばよく、界面活性剤、賦形剤、着色料、着香料、保存剤、安定剤、緩衝剤、懸濁剤、等張剤その他外用剤や化粧料に常用される補助剤を適宜使用する。
【0025】
本発明に係る有効成分は、天然起源でありしかも食品としても使用できるため、毒性は全くないか又は極めて低く、卓越した安全性を示し、ラットに対して1日当たり10g/kg経口投与したが急性毒性は全く認められなかった。したがって飲食品タイプとして使用する場合は、予防用、保健用、通常の飲食品として使用する場合のいずれにおいても、有効成分の使用量に格別の限定はないし、医薬として使用する場合も、患者に応じて上記範囲内で適宜使用すればよい。また、本有効成分は多量に服用しても格別の問題はない。外用剤や育毛料と言った育毛化粧料のように皮膚に適用する場合は、必要個所に必要量適用すればよく、適用量に格別の限定はないし、局所の発赤やかゆみといった副作用も全く認められない。
【0026】
本発明に係る育毛促進剤は、当該ペプチドを有効成分とするほか、更にコンブの酵素分解物及び/又はカキ肉の酵素分解物を配合してもよい。その場合、配合比率は、ペプチド60〜99%、残りをコンブ及び/又はカキ肉の酵素分解物とするのが好適である。これら酵素分解物は、等量混合物とするほか適宜の割合で混合使用してもよい。例えば、次のような割合で混合することができる:ペプチド60〜100%;コンブ酵素分解物0〜40%;カキ肉酵素分解物0〜40%。
【0027】
コンブ及び/又はカキ肉の酵素分解物としては、コンブ、カキ肉をプロテアーゼ等の酵素で処理して得られたものをすべて包含するが、例えば先に述べたイワシ等魚肉をプロテアーゼ処理してペプチドを製造する方法にしたがって得られるコンブ、カキ肉の酵素分解物を使用してもよい。
【0028】
ペプチドと、コンブ及び/又はカキ肉の酵素分解物は、酵素分解した後、精製、殺菌、乾燥処理等の各種後処理をした後にこれらを混合し、この混合物を本発明に係る育毛促進剤の有効成分として使用できるほか、これらの処理の途中においてこれらを混合してもよい。例えば、次のような処理が可能である。
【0029】
先ず既述したように、イワシなどの魚肉について魚肉質を分離してこれを酵素分解し、他方、コンブ及び/又はカキを粉砕してこれを酵素分解し、これらを合した後に粗分離、超遠心分離、濾過、濃縮、殺菌(UHTST)、噴霧乾燥し、これを有効成分として使用することができる。
【0030】
以下、本発明を製造例および実施例によって更に詳しく説明する。
【0031】
【製造例1】
新鮮イワシをデボーナーで処理して採肉した。採肉した魚肉質を10kgのすり身に分割し、これを−30℃以下で急速凍結した後、粉砕機で粉砕した後等量の水を加え、これをタンクに送り、100℃に10分間加熱して自己消化酵素を失活させ、熱変性させた。次いでアンモニア水を加えてpHを10.0に調整した。
【0032】
これに市販のアルカリプロテアーゼ製品の0.1%液を加え、45℃に17時間保持して酵素分解を行った。次いで15分間煮沸して酵素を失活せしめた。
【0033】
これをバイブロスクリーン(150メッシュ)に通し5000rpmでジェクター処理した後、シャープレス遠心分離機で処理し(15000rpm)、ケイソウ土を濾過助剤として用い、濾過処理したものをペプチド原液とした。
【0034】
上記で得たペプチド原液に活性炭を1%W/V加え,30℃で60分間攪拌した後濾過して濾液を得た。これを常法にしたがって減圧濃縮(20℃)した後、常法にしたがってUHTST殺菌を行って、α−1000(液体)製品を得、これを更に常法にしたがって噴霧乾燥して粒径60メッシュのα−1000(粉末)製品を得、それぞれこれらの製品は冷凍保管した。
【0035】
このようにして調製したペプチドα−1000(粉末)について、セファデックスG−25(商標)カラムを用い、下記の条件でゲル濾過した結果、図3の結果が得られ、分子量は200〜10,000であることが判明した。カラムサイズ:径16〜950mm、溶出剤:0.1Mホスフェートバッファー(pH7.0)、分画:2ml/チューブ、流速10ml/h、分子量マーカー:バシトラシン(分子量1450)。
【0036】
上記によって得たα−1000(液体)は、水分含量が73.6%(減圧加熱乾燥法)であって、淡黄色を呈し、その10%溶液のpHは7.5を示し、魚臭もなく苦味も認められなかった。その成分についての分析、及び、アミノ酸組成についての測定を行った結果、下記する表7及び表8に示す結果が得られた。
【0037】
【表7】
【0038】
【表8】
【0039】
【製造例2】
コンブ10kg及びカキ肉10kgをそれぞれ粉砕し、これに等量の水を加えた後、pHを10.0に調整した。これに市販のアルカリプロテアーゼ製品の0.1%液を加え、45℃に20時間保持して酵素分解を行った。次いで、15分間煮沸してそれぞれ酵素を失活せしめ、コンブ酵素分解物及びカキ肉酵素分解物をそれぞれ得た。
【0040】
【実施例1】
上記によって製造したコンブ酵素分解物、カキ肉酵素分解物、及び、先に得たイワシ肉酵素分解物を5%、5%及び90%の混合比率で混合した。得られた混合物をバイブロスクリーン(150メッシュ)に通し、5000rpmでジェクター処理して、粗分離処理を行った。
【0041】
粗分離処理した後、上記したところにしたがって、超遠心分離、濾過、濃縮、殺菌(UHTST)、噴霧乾燥し、黄白色の粉末を得た。これをセンミペプチド3Mと命名した。センミペプチド3Mの成分組成は、下記表9に示すとおりである。
【0042】
【表9】
【0043】
【実施例2】
本発明有効成分が培養毛包細胞の増殖促進作用を有することを以下により試験し、確認した。
先ず、前培養を行った。すなわち、頭皮の各部位より、無作為に抜去した成長期毛包をTrypsin-EDTA処理し、分散した細胞を得た。IV型コラーゲンをコートした培養皿に培養液にて懸濁した毛包細胞を2×104/cm濃度で植え込み約2週間培養を行った。
【0044】
次いで、上記によって得たセンミペプチド3Mの1μg/ml、10μg/ml、100μg/ml水溶液をそれぞれ試験液として、毛包細胞の増殖促進効果確認試験を行った。
すなわち、前培養にて増殖した毛包細胞をTrypsin-EDTA処理にて培養皿からはがし、遠心分離後に得られた細胞塊を培養液に懸濁した。この細胞懸濁液を2.5×103/cm2の濃度で組織培養用培養皿に植え込んだ。24時間培養後、試験液を含む培養液と交換し、培養を継続した。7日および14日間培養後、血球算定盤によるcell count法にて増殖した毛包細胞の数を測定し、試験液の細胞増殖に及ぼす影響について評価した。結果を図4に示す。
【0045】
上記試験結果から明らかなように、本発明に係る育毛促進剤は、すぐれた育毛促進効果を有し、特に10μg/mlの濃度においてコントロールに比べて140%もの増加効果を示した。
【0046】
【実施例3】
本発明有効成分が、経口投与することによって、ヒト頭髪に対して毛成長促進効果を有することを、以下により試験し、確認した。
すなわち、男性型脱毛症である被験者15名に、上記によって得たセンミペプチド3Mを1日1回、2gずつ2ケ月間経口投与し、軟毛、硬毛の新生につき視認により改善度を評価した。得られた結果を下記表10に示す。その結果から明らかなように、本発明に係る育毛促進剤は、外用のみでなく内用によっても育毛が促進されるというきわめて顕著な効果が奏されることが確認された。なお、イワシ魚肉の酵素分解物であるα−1000のみを経口投与した場合も、同様にすぐれた育毛促進効果が奏された。
【0047】
【表10】
【0048】
【実施例4】
実施例1で得たセンミペプチド3M粉末80g、糖類150g、蜂蜜15g、アスコルビン酸1g、クエン酸0.5g、香料適量に水を加えて1kgとし、これを95℃で20分間殺菌し、100mlずつ無菌的にビンに充填して、飲食品タイプの養毛ドリンクを製造した。
【0049】
【実施例5】
製造例1で得たペプチドα−1000(液体)200g、酢酸トコフェロール5g、硝酸チアミン10g、ニコチン酸アミド20g、無水カフェイン50g、安息香酸塩及び香料適量に脱イオン水を加えて30Lとし、殺菌した後30mlずつ無菌的にビンに充填して、医薬品としての養毛ドリンクを製造した。
【0050】
【実施例6】
結晶グルコース400重量部、センミペプチド3M100重量部、クエン酸7重量部、Na-Caseinate7重量部、アスコルビン酸5重量部、硬化油3重量部を用い、常法にしたがって育毛促進錠菓を製造した。
【0051】
【実施例7】
センミペプチド3M500重量部、精製炭酸カルシウム20重量部、ラクトース178重量部、ステアリン酸マグネシウム2重量部を用い、これらの混合物を250mgずつ1号カプセルに充填し、1カプセル内に500mgのセンミペプチド3Mを含有する育毛促進カプセル剤を製造した。
【0052】
【実施例8】
エタノール60ml、植物油0.5ml、プロピレングリコール5ml、塩化カルブロニウム0.54ml、ペプチドα−1000(液体)2ml、これに精製水を加えて全量を100mlとし、上記成分を混合溶解して、育毛促進ヘアートニックを製造した。
【0053】
【実施例9】
ビタミンC20g、グラニュー糖50g、コーンスターチと乳糖の等量混合物30gに、製造例1で得たペプチドα−1000を50g加えて充分に混合した。混合物を100等分して袋に詰め、1袋1.5gのスティック状育毛促進食品を100袋製造した。
【0054】
【発明の効果】
魚肉の酵素分解物を有効成分とする本発明に係る育毛促進剤は、患部に適用する非経口的に投与することにより育毛促進効果を奏することはもちろんのこと、これを内服する経口投与により抜毛を防止するとともに育毛も促進するというきわめてユニークにして卓越した著効が奏される。しかも本育毛促進剤は天然物由来であって、安全上も全く問題がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ペプチドα−1000のUVスペクトルを示す。
【図2】ペプチドα−1000のIRスペクトルを示す。
【図3】ペプチドα−1000のゲル濾過による分子量分布を示す。
【図4】本育毛促進剤による培養毛包細胞の増殖促進効果を示す。
Claims (1)
- 下記の物理化学的性質を有するペプチドα−1000及びコンブをプロテアーゼ処理して得られる酵素分解物及びカキ肉をプロテアーゼ処理して得られる酵素分解物の混合物を有効成分とすること、を特徴とするヒト頭髪育毛促進用経口投与医薬。
(ペプチドα−1000の物理化学的性質)
(A)分子量
200〜10,000(カラムクロマトグラフィーによる)
(B)融点
119℃で分解着色する。
(C)比旋光度
20℃において、ナトリウムのD線で測定したときの比旋光度
〔α〕:−22°
(D)溶剤に対する溶解性
水に易溶であるが、エタノール、アセトン、ヘキサンにはほとんど溶解しない。
(E)酸性、中性、塩基性の区別
中性
(F)紫外吸収スペクトル
280nm付近に本ペプチド由来のピークが認められる。
(G)赤外吸収スペクトル
ペプチド結合(−CONH−)に特異な吸収が3400cm-1付近にみられ、アミノ基(−NH2)に特異な吸収が3300〜3500cm-1付近にみられ、ペプチドの骨格となる−CH2−結合に特異な吸収が2900cm-1付近にみられ、カルボキシル基(−COOH)由来の吸収が1600cm-1付近及び1400cm-1付近にみられる。
(H)特性
イワシ魚肉由来であり、加熱によって自己消化酵素を失活させ、蛋白分解酵素で加水分解して得たペプチドである。
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