JP4114656B2 - レンズ基板、レンズ基板の製造方法、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタ - Google Patents

レンズ基板、レンズ基板の製造方法、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタ Download PDF

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Description

本発明は、レンズ基板、レンズ基板の製造方法、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタに関するものである。
近年、リア型プロジェクタ(背面投射型プロジェクションテレビ)は、ホームシアター用モニター、大画面テレビ等に好適なディスプレイとして、需要が高まりつつある。
このようなリア型プロジェクタでは、画像のコントラストを高めるために、映像光の強度の低下を抑えつつ、外光反射を抑えることが求められる。
このような目的を達成するために、レンチキュラレンズ(レンチキュラレンズシート)の光の出射側に、観察面側(光の出射側)に着色処理が施された透光性前面板を配置したスクリーン(背面投写式スクリーン)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このようなスクリーンにおいては、外光の反射(映り込み)を十分に防止するのが困難である。また、外光の反射(映り込み)を十分に防止するために、着色処理により形成される着色層の厚さを大きくしたり、着色層中の着色剤含有率を高くすると、光の透過率が著しく低下するという問題があった。すなわち、特許文献1で提案されているような構成では、画像のコントラストを十分に高めるのが困難であった。
特開2001−209130号公報(第4頁左欄第16〜21行目)
本発明の目的は、コントラストに優れた画像を得ること(特に、優れた透過率で(最大輝度が高く)、かつ、コントラストに優れた画像を得ること)が可能なレンズ基板を提供すること、当該レンズ基板を効率良く製造することができる製造方法を提供すること、また、前記レンズ基板を備えた透過型スクリーン、リア型プロジェクタを提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のレンズ基板は、光を入射させて用いるレンズ基板であって、
レンズ部を有する基板本体を備えており、
前記基板本体は、レンズ基板の光が入射する面であるレンズ面側に設けられた着色部と、前記着色部よりも光が出射する側に設けられた着色されていない非着色部とを有するものであり、
前記着色部は、その厚さ方向に、着色剤の含有率が異なる複数の層を有する積層体であることを特徴とする。
これにより、コントラストに優れた画像を得ること(特に、優れた透過率で(最大輝度が高く)、かつ、コントラストに優れた画像を得ること)が可能なレンズ基板を提供することができる。特に、レンズ基板に入射し、反対の側に出射させるべき光の透過率を十分に高く、かつ、レンズ基板に入射させるべき光の入射側とは反対の側から入射した光(外光)を効率良く減衰させて外光の影響を確実に防止することができるレンズ基板を提供することができる。
本発明のレンズ基板では、前記着色部は、第1の領域と、
前記第1の領域よりも着色剤の含有率が高く、かつ、前記第1の領域よりも光の入射側に設けられた第2の領域とを有するものであることが好ましい。
これにより、レンズ基板に入射し、反対の側に出射させるべき光の透過率を十分に高いものとしつつ、レンズ基板に入射させるべき光の入射側とは反対の側から入射した光(外光)を効率良く減衰させて外光の影響をより確実に防止することができる。
本発明のレンズ基板では、前記第1の領域の厚さをD[μm]、前記第2の領域の厚さをD[μm]としたとき、0.1≦D/D≦80の関係を満足することが好ましい。
これにより、レンズ基板に入射し、反対の側に出射させるべき光の透過率を特に高いものとしつつ、レンズ基板に入射させるべき光の入射側とは反対の側から入射した光(外光)をさらに効率良く減衰させて外光の影響をより確実に防止することができる。
本発明のレンズ基板では、前記着色部は、着色剤の含有率が異なる複数の層の積層体であることが好ましい。
これにより、レンズ基板に入射し、反対の側に出射させるべき光の透過率を特に高いものとしつつ、レンズ基板に入射させるべき光の入射側とは反対の側から入射した光(外光)をさらに効率良く減衰させて外光の影響をより確実に防止することができる。
本発明のレンズ基板は、マイクロレンズ基板であることが好ましい。
これにより、特に優れたコントラストの画像を得ることが可能なレンズ基板を提供することができる。
本発明のレンズ基板は、主としてアクリル系樹脂で構成されたものであることが好ましい。
アクリル系樹脂は、優れた透明性を有し、かつ、耐熱性、耐光性、加工性、成形した際の寸法精度、機械的強度等にも優れるため、レンズ基板の構成材料に適しているが、従来の着色方法では、着色が困難であったが、本発明では、このような難着色性(特に、難染色性)のアクリル系樹脂で構成された基板本体に対しても、容易かつ確実に着色部を形成することができる。したがって、レンズ基板が主としてアクリル系樹脂で構成されたものであることにより、各種特性が特に優れ、かつ、信頼性にも優れたものとすることができる。
本発明のレンズ基板では、前記着色部の厚さは、1〜10μmであることが好ましい。
これにより、コントラストに優れた画像を得ることが可能なレンズ基板を提供することができる。
本発明のレンズ基板の製造方法は、本発明のレンズ基板を製造する方法であって、
レンズ基板に対して、ベンジルアルコールを含む処理液による処理を施す処理液付与工程と、
前記処理液による処理が施された基板本体に対し、着色剤を付与する工程とを有することを特徴とする。
これにより、コントラストに優れた画像を得ること(特に、優れた透過率で(最大輝度が高く)、かつ、コントラストに優れた画像を得ること)が可能なレンズ基板を効率良く製造することができる製造方法を提供することができる。特に、レンズ基板に入射し、反対の側に出射させるべき光の透過率が十分に高く、かつ、レンズ基板に入射させるべき光の入射側とは反対の側から入射した光(外光)を効率良く減衰させて外光の影響を確実に防止することができるレンズ基板を提供することができる。また、着色部を形成すべき基板本体に対する悪影響の発生(例えば、基板の構成材料の劣化等)を十分に防止しつつ、効率良く着色部を形成することができる。特に、着色液が付与される基板本体が、アクリル系樹脂のような、従来の方法では、着色するのが困難であった材料で構成されたものであっても、容易かつ確実に着色することができる。また、容易かつ確実に、基板本体に第1の領域と第2の領域とを形成することができる。
本発明のレンズ基板の製造方法では、前記処理液中における前記ベンジルアルコールの含有率は、0.1〜5.0wt%であることが好ましい。
これにより、着色部を形成すべき基板本体に対する悪影響の発生(例えば、基板の構成材料の劣化等)を十分に防止しつつ、効率良く着色部を形成することができる。
本発明のレンズ基板の製造方法では、前記処理液は、ベンゾフェノン系化合物および/またはベンゾトリアゾール系化合物を含むものであることが好ましい。
これにより、着色部を形成すべき基板本体に対する悪影響の発生(例えば、基板の構成材料の劣化等)を十分に防止しつつ、効率良く着色部を形成することができる。
本発明のレンズ基板の製造方法では、前記処理液中における、前記ベンゾフェノン系化合物および前記ベンゾトリアゾール系化合物の含有率の総和は、0.01〜3.0wt%であることが好ましい。
これにより、着色部を形成すべき基板本体に対する悪影響の発生(例えば、基板の構成材料の劣化等)を十分に防止しつつ、効率良く着色部を形成することができる。
本発明のレンズ基板の製造方法では、前記処理液中における、前記ベンジルアルコールの含有率をX[wt%]、前記ベンゾフェノン系化合物および前記ベンゾトリアゾール系化合物の含有率の総和をY[wt%]としたとき、0.25≦X/Y≦500の関係を満足することが好ましい。
これにより、着色部を形成すべき基板本体に対する悪影響の発生(例えば、基板の構成材料の劣化等)をより確実に防止しつつ、容易かつ確実に好適な着色部を形成することができる。
本発明のレンズ基板の製造方法では、前記処理液付与工程として、所定の割合のベンジルアルコールを含有する第1の処理液を用いて行う第1の処理液付与工程と、
前記第1の処理液よりもベンジルアルコールの含有率が低い第2の処理液を用いて行う第2の処理液付与工程とを有することが好ましい。
これにより、所望の厚さ、着色剤含有率の第1の領域および第2の領域を、容易かつ確実に形成することができる。
本発明のレンズ基板の製造方法では、前記第1の処理液中におけるベンジルアルコールの含有率をC[g/L]、前記第2の処理液中におけるベンジルアルコールの含有率をC[g/L]としたとき、1.1≦C/C≦5.00の関係を満足することが好ましい。
これにより、所望の厚さ、着色剤含有率の第1の領域および第2の領域を、容易かつ確実に形成することができる。
本発明の透過型スクリーンは、本発明のレンズ基板を備えたことを特徴とする。
これにより、コントラストに優れた画像を得ることが可能な透過型スクリーンを提供することができる。
本発明のリア型プロジェクタは、本発明の透過型スクリーンを備えたことを特徴とする。
これにより、コントラストに優れた画像を得ることが可能なリア型プロジェクタを提供することができる。
以下、本発明のレンズ基板、レンズ基板の製造方法、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタについて、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明のレンズ基板および透過型スクリーンの構成について説明する。
図1は、本発明のレンズ基板(マイクロレンズ基板)の第1実施形態を示す模式的な縦断面図、図2は、図1に示すレンズ基板の平面図、図3は、図1に示すレンズ基板を備えた、本発明の透過型スクリーンの第1実施形態を示す模式的な縦断面図である。なお、以下の説明では、図1、図3中の左側を「(光の)入射側」、右側を「(光の)出射側」と言う。また、本発明においては、特に断りのない限り、「(光の)入射側」、「(光の)出射側」とは、それぞれ、画像光(映像光)を得るための光の「入射側」、「出射側」のことを指し、外光等の「入射側」、「出射側」のことを指すものではない。また、本明細書で参照する各図は、着色部22(第1の領域221、第2の領域222)、易着色部(第1の易着色部25、第2の易着色部26)等、構成の一部を強調して示したものであり、実際の寸法を反映するものではない。
マイクロレンズ基板(レンズ基板)1は、後述する透過型スクリーン10を構成する部材であり、図1に示すように、複数個のマイクロレンズ21を備えた基板本体2に対し、マイクロレンズ基板1の光の入射側(すなわち、マイクロレンズ21の光の入射側)には、着色部(外光吸収部)22が設けられている。そして、この着色部22は、第1の領域221と、第1の領域よりも光の入射側(レンズ基板1の外表面側)に設けられ、第1の領域よりも着色剤の含有率の高い第2の領域222とを有している。着色部22(第1の領域221と第2の領域222とを有する着色部22)の機能については、後に詳述する。
また、必要に応じて基板本体2の中には、光源からの入射光を拡散させるために、拡散材として、例えばポリスチレンビーズ、ガラスビーズ、有機架橋ポリマー等が含まれていてもよい。なお、拡散材は樹脂の全体(基板本体2全体)に含まれるものであってもよいし、一部にのみ含まれるものであってもよい。
また、必要に応じて遮光層としてブラックマトリックス3を備えても良い。図1においては出射側に備えている様子を示している。
基板本体2の構成材料は、特に限定されないが、主として樹脂材料(通常、光の屈折率が空気よりも大きい)で構成され、均一な屈折率を有する透明な材料で構成されている。
基板本体2の具体的な構成材料(光の屈折率が空気よりも大きい材料)としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等として)用いることができるが、中でも、透明性の観点から、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリル系樹脂が好ましいが、その中でも特にアクリル系樹脂が好ましい。アクリル系樹脂は、優れた透明性を有し、かつ、耐熱性、耐光性、加工性、成形した際の寸法精度、機械的強度等にも優れるため、レンズ基板(基板本体)の構成材料に適しているものの、従来の着色方法では、着色が困難であった。これに対し、本発明では、このような難着色性(特に、難染色性)のアクリル系樹脂で構成された基板本体に対しても、容易かつ確実に着色部を形成することができる。したがって、本発明において、主としてアクリル系樹脂で構成された基板本体を用いることにより、各種特性が特に優れ、かつ、信頼性にも優れたレンズ基板(マイクロレンズ基板)を提供することができる。また、アクリル系樹脂は、一般的に、比較的安価であり、製造コストの面からも有利である。
アクリル系樹脂としては、例えば、アクリル酸またはその誘導体(例えば、アクリル酸エステル)を構成モノマーとしたアクリル樹脂、メタクリル酸またはその誘導体(例えば、メタクリル酸エステル)を構成モノマーとしたメタクリル樹脂の他に、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等の(メタ)アクリル酸またはその誘導体を構成モノマーとして含む共重合体等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
マイクロレンズ21の直径は、10〜500μmであるのが好ましく、30〜300μmであるのがより好ましく、50〜100μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ21の直径が前記範囲内の値であると、スクリーンに投影される画像において十分な解像度を保持しつつ、マイクロレンズ基板1(透過型スクリーン10)の生産性をさらに高めることができる。なお、マイクロレンズ基板1においては、隣接するマイクロレンズ21−マイクロレンズ21間のピッチは、10〜500μmであるのが好ましく、30〜300μmであるのがより好ましく、50〜100μmであるのがさらに好ましい。
また、マイクロレンズ21の曲率半径は、5〜250μmであるのが好ましく、15〜150μmであるのがより好ましく、25〜50μmであるのがさらに好ましい。マイクロレンズ21の曲率半径が前記範囲内の値であると、視野角特性を特に優れたものとすることができる。特に、水平方向および鉛直方向の視野角特性をともに優れたものとすることができる。
また、マイクロレンズ21の配列方式は、特に限定されず、周期的な配列であっても、光学的にランダムな配列(マイクロレンズ基板1の主面側から平面視したときに、各マイクロレンズ21が互いにランダムな位置関係となるように配されたもの)であってもよいが、図2に示すようなランダムな配列であるのが好ましい。マイクロレンズ21をランダムに配列することにより、液晶等のライトバルブやフレネルレンズとの干渉をより効果的に防止することができ、モアレの発生をほぼ完全に無くすことが可能になる。これにより、表示品質の良い優れた透過型スクリーン10を得ることができる。なお、本明細書中において「光学的にランダム」とは、モアレ等の光学的干渉の発生が十分に防止・抑制される程度に、マイクロレンズの配置が不規則で、乱れていることを意味する。
また、各マイクロレンズ21は、入射側に突出した凸レンズとして形成されており、焦点fが、出射側の基板面の近傍に位置するように設計されている。すなわち、マイクロレンズ基板1に対して、ほぼ垂直な方向から入射した平行光La(後述するフレネルレンズ部5からの平行光La)は、マイクロレンズ基板1の各マイクロレンズ21によって集光され、出射側の基板面近傍で焦点fを結ぶ。
またこのとき、焦点fの近傍を開口するようにブラックマトリックス3を形成することにより、光の利用効率をさらに優れたものとすることができる。
また、マイクロレンズ基板1を光の入射面側(図2で示した方向)から平面視したときの、マイクロレンズ21が形成されている有効領域において、マイクロレンズ(レンズ部)21が占める面積(投影面積)の割合は、90%以上であるのが好ましく、96%以上であるのがより好ましい。マイクロレンズ21が占める面積の割合が90%以上であると、マイクロレンズ21以外を通過する直進光をより少なくすることができ、光利用効率をさらに向上させることができる。
また、前述したように、マイクロレンズ基板1の光の入射側(すなわち、マイクロレンズ21の光の入射側)には、着色部22が設けられている。このような着色部22は、入射側から入射した光を十分に透過することができるとともに、外光(例えば、光の出射側等から不本意に入射した外光等)が、出射側に反射するのを防止する機能を有する。このような着色部22を有することにより、コントラストに優れた画像を得ることができる。これに対し、レンズ基板の光の出射側(すなわち、マイクロレンズの光の出射側)に着色部を設けた場合は、このような効果が十分に発揮されないことを、本発明者は見出した。すなわち、レンズ基板の光の出射側に同じ着色濃度で着色部を設けた場合、光の入射側からの光の透過率(すなわち、画像形成用の光)を著しく低下させるとともに、光の外光の反射を十分に防止することができない。これは、着色部がレンズ面にある場合と、着色部がレンズ面と反対の面(フラットな面)にある場合とで、それぞれの面における着色部の表面積(着色体積)の差により、外光の着色層内部での、反射・屈折による外光の減衰に差が生じるためであると考えられる。
また、特に、本発明では、着色部が、着色剤の含有率の異なる複数の領域(第1の領域と第2の領域)を有している点に特徴を有する。これにより、光の入射側から入射し、反対の側に出射させるべき光の透過率を十分に高いものとしつつ、レンズ基板に入射させるべき光の入射側とは反対の側から入射した光(外光)を効率良く減衰させて外光の影響を確実に防止することができる。その結果、優れた透過率で、かつ、コントラストに優れた画像を得ることができる。
このように、本発明は、レンズ基板の光の入射側に、着色剤の濃度の異なる複数の領域を有する着色部を設けることにより、入射側から入射した光を十分に透過することができるとともに、外光が、出射側に反射するのを効果的に防止することができることを見出した点に特徴を有する。
上述したように、着色部は、着色剤の含有率の異なる複数の領域を有するものであればいかなるものであってもよいが、本実施形態では、着色部22は、層状の第1の領域(第1の層)221と、第1の領域221より光の入射側に設けられ、第1の領域221よりも着色剤の含有率の高い層状の第2の領域(第2の層)222とを有している。すなわち、第1の領域221における着色剤の含有率をX[wt%]、第2の領域222における着色剤の含有率をX[wt%]としたとき、X<Xの関係を満足している。このように、着色剤の含有率の高い領域(第2の領域)が、着色剤の含有率の低い(ただし、零を除く)領域より光の入射側に設けられることにより、前述したような効果は特に顕著なものとして現れる。
また、本実施形態では、第1の領域221、第2の領域222が、層状に設けられている。このように、着色部22が着色剤の含有率が異なる複数の層の積層体であると、光の入射側から入射し、反対の側に出射させるべき光の透過率を特に高いものとしつつ、レンズ基板1に入射させるべき光の入射側とは反対の側から入射した光(外光)を効率良く減衰させて外光の影響をより確実に防止することができる。
第1の層221は、着色剤を含むものであればよい。
また、第1の層221の厚さ(平均厚さ)は、第1の領域221、第2の領域222における着色剤の含有率、第2の領域222の厚さ等により異なるが、1〜10μmであるのが好ましく、2〜8μmであるのがより好ましい。第1の領域221の厚さが前記範囲内の値であると、光の入射側から入射させるべき光の透過率を特に高いものとしつつ、レンズ基板1に入射させるべき光の入射側とは反対の側から入射した光(外光)を効率良く減衰させて外光の影響をより確実に防止することができる。
また、第2の層222の厚さ(平均厚さ)は、第1の領域221、第2の領域222における着色剤の含有率、第1の領域221の厚さ等により異なるが、0.05〜8μmであるのが好ましく、0.1〜5μmであるのがより好ましい。第2の領域222の厚さが前記範囲内の値であると、光の入射側から入射し、反対の側に出射させるべき光の透過率を特に高いものとしつつ、レンズ基板1に入射させるべき光の入射側とは反対の側から入射した光(外光)を効率良く減衰させて外光の影響をより確実に防止することができる。
また、第1の領域221における着色剤の含有率をX[wt%]、第2の領域222における着色剤の含有率をX[wt%]としたとき、0.001≦X/X≦0.95の関係を満足するのが好ましく、0.02≦X/X≦0.90の関係を満足するのがより好ましく、0.03≦X/X≦0.80の関係を満足するのがさらに好ましい。このような関係を満足することにより、光の入射側から入射し、反対の側に出射させるべき光の透過率を特に高いものとしつつ、レンズ基板1に入射させるべき光の入射側とは反対の側から入射した光(外光)を効率良く減衰させて外光の影響をより確実に防止することができる。
また、第1の領域221の厚さをD[μm]、第2の領域222の厚さをD[μm]としたとき、0.1≦D/D≦80の関係を満足するのが好ましく、0.2≦D/D≦60の関係を満足するのがより好ましく、0.2≦D/D≦50の関係を満足するのがさらに好ましい。このような関係を満足することにより、光の入射側から入射し、反対の側に出射させるべき光の透過率を特に高いものとしつつ、レンズ基板1に入射させるべき光の入射側とは反対の側から入射した光(外光)を効率良く減衰させて外光の影響をより確実に防止することができる。
着色部22の厚さは、特に限定されないが、1〜10μmであるのが好ましく、2〜8μmであるのがより好ましく、3〜6μmであるのがさらに好ましい。着色部22の厚さが前記範囲内の値であると、マイクロレンズ基板を透過した光により形成される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。これに対し、着色部22の厚さが前記下限値未満であると、外光(光の入射側とは反対側から入射する外光)の反射を十分に防止することが困難となり、画像のコントラストを向上させるという効果が十分に得られない可能性がある。また、着色部22の厚さが前記上限値を超えると、入射光の透過率が低下し、得られる画像において十分な輝度が得られず、結果として、画像のコントラストが不十分となる可能性がある。
着色部22の色は、特に限定されないが、青色を基調とし、赤色あるいは茶色あるいは黄色を混色した着色剤を用い、外観としては無彩色で黒色であり、光源の光の三原色のバランスを制御する特定の波長の光を選択的に吸収または透過するものであるのが好ましい。これにより、外光の反射を防止し、マイクロレンズ基板を透過した光により形成される画像の色調を正確に表現し、さらに色座標が広く(色調の表現の幅が十分に広く)、より深い黒を表現できることで、結果的にコントラストを特に優れたものとすることができる。
着色部22は、いかなる方法で形成されたものであってもよいが、本実施形態では、後に詳述するように、基板本体2に着色液を付与することにより形成されたもの、より詳しくは、組成に特徴を有する処理液による処理を基板本体2に対して施した後に、着色液を付与することにより、着色剤が基板本体2(マイクロレンズ21)の内部に含浸して形成されたものである。これにより、基板本体上に着色層を積層(外付け)した場合に比べて、着色層の密着性が高くなる。その結果、例えば、界面付近での屈折率の変化等によるマイクロレンズ基板の光学特性への悪影響の発生をより確実に防止することができる。
また、着色部22は、基板本体2に、後に詳述する処理液および着色液を付与することにより形成されたものであるため、各部位での厚さのばらつき(特に、基板本体の表面形状に対応しない厚さのばらつき)が小さい。これにより、投射される画像において、色ムラ等の不都合が発生するのをより確実に防止することができる。
また、着色部22は、着色剤を含む材料で構成されているものの、通常、その主成分は、基板本体2(マイクロレンズ21)の主成分と同一である。したがって、着色部22と、それ以外の非着色部との境界付近での急激な屈折率の変化等が生じ難い。したがって、マイクロレンズ基板1全体としての光学特性を設計し易く、また、マイクロレンズ基板1としての光学特性は安定し、信頼性の高いものとなる。
また、マイクロレンズ基板1の光の出射側の面には、ブラックマトリックス3が設けられていてもよい。この場合、ブラックマトリックス3は、遮光性を有する材料で構成され、層状に形成されたものである。このようなブラックマトリックス3を有することにより、当該ブラックマトリックス3に、外光(投影画像を形成する上で好ましくない外光)を吸収させることができ、スクリーンに投影される画像を、さらにコントラストに優れたものとすることができる。特に、前述したような着色部22を有するとともに、ブラックマトリックス3を有することにより、マイクロレンズ基板1による画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
このようなブラックマトリックス3は、各マイクロレンズ21を透過した光の光路上に開口部31を有しているのが望ましい。これにより、各マイクロレンズ21で集光された光を、効率良く、ブラックマトリックス3の開口部31を通過させることができる。その結果、マイクロレンズ基板1の光利用効率を高いものとすることができる。
開口部31の大きさは、特に限定されないが、その直径が、9〜500μmであるのが好ましく、9〜450μmであるのがより好ましく、20〜90μmであるのがさらに好ましい。これにより、スクリーンに投影される画像を、よりコントラストに優れたものとすることができる。
また、ブラックマトリックス3の厚さ(平均厚さ)は、0.01〜5μmであるのが好ましく、0.01〜3μmであるのがより好ましく、0.03〜1μmであるのがさらに好ましい。ブラックマトリックス3の厚さが前記範囲内の値であると、ブラックマトリックス3の不本意な剥離、クラック等をより確実に防止しつつ、ブラックマトリックス3としての機能をより効果的に発揮させることができ、例えば、マイクロレンズ基板1を備えた透過型スクリーン10において、投影される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
また、マイクロレンズ基板1を光の入射面側(図2で示した方向)から平面視したときの、マイクロレンズ21が形成されている有効領域において、ブラックマトリックス3の(開口部31以外の領域)が占める面積(投影面積)の割合は、1〜70%であるのが好ましく、1〜50%であるのがより好ましい。ブラックマトリックス3が占める面積の割合が前記範囲内の値であると、光の利用効率を十分に高いものとしつつ、スクリーンに投影される画像を、コントラストに優れたものとすることができる。
次に、上述したようなマイクロレンズ基板1を備えた透過型スクリーン10について説明する。
図3に示すように、透過型スクリーン10は、フレネルレンズ部5と、前述したマイクロレンズ基板1とを備えている。フレネルレンズ部5は、光(画像光)の入射側に設置されており、フレネルレンズ部5を透過した光が、マイクロレンズ基板1に入射する構成になっている。
フレネルレンズ部5は、出射側表面に、ほぼ同心円状に形成されたプリズム形状のフレネルレンズ51を有している。このフレネルレンズ部5は、投射レンズ(図示せず)からの画像光を屈折させ、マイクロレンズ基板1の主面の垂直方向に平行な平行光Laにするものである。
以上のように構成された透過型スクリーン10では、投射レンズからの映像光が、フレネルレンズ部5によって屈折し、平行光Laとなる。そして、この平行光Laは、マイクロレンズ基板1の着色部が形成された面側からに入射し、各マイクロレンズ21によって集光し、ブラックマトリックス(遮光層)3の開口部31を通過する。
このとき、マイクロレンズ基板1に入射した光は、十分な透過率でマイクロレンズ基板1を透過する。開口部31を通過した光は、拡散し、観察者に平面画像として観測される。
次に、前述したマイクロレンズ基板1の製造方法の一例について説明する。
図4は、マイクロレンズ基板の製造に用いるマイクロレンズ用凹部付き基板を示す模式的な縦断面図、図5は、図4に示すマイクロレンズ用凹部付き基板の製造方法を示す模式的な縦断面図である。図6〜図8は、図1に示すマイクロレンズ基板の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。なお、以下の説明では、図6〜図8中の下側を「(光の)入射側」、上側を「(光の)出射側」と言う。
また、マイクロレンズ用凹部付き基板の製造においては、実際には基板上に多数の凹部(マイクロレンズ用凹部)を形成し、マイクロレンズ基板の製造においては、実際には基板上に多数の凸部(凸レンズ)を形成するが、ここでは、説明をわかりやすくするために、その一部分を強調して示した。
まず、マイクロレンズ基板の製造方法の説明に先立ち、マイクロレンズ基板の製造に用いるマイクロレンズ用凹部付き基板の構成およびその製造方法について説明する。
図4に示すように、マイクロレンズ用凹部付き基板6は、ランダムに配された複数個の凹部(マイクロレンズ用凹部)61を有している。
そして、このようなマイクロレンズ用凹部付き基板6を用いることにより、前述したような、マイクロレンズ21がランダムに配されたマイクロレンズ基板1を得ることができる。
本明細書中において「光学的にランダム」とは、モアレ等の光学的干渉の発生が十分に防止・抑制される程度に、マイクロレンズの配置が不規則で、乱れていることを意味する。
次に、マイクロレンズ用凹部付き基板の製造方法について、図5を参照しながら説明する。なお、実際には基板上に多数のマイクロレンズ用凹部を形成するが、ここでは、説明をわかりやすくするために、その一部分を強調して示した。
まず、マイクロレンズ用凹部付き基板6を製造するに際し、基板7を用意する。
この基板7は、厚さが均一で、たわみや傷のないものが好適に用いられる。また、基板7は、洗浄等により、その表面が清浄化されているものが好ましい。
基板7の材料としてはソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等が挙げられるが、中でも、ソーダガラス、結晶性ガラス(例えば、ネオセラム等)、無アルカリガラスが好ましい。ソーダガラス、結晶性ガラス、無アルカリガラスは、加工が容易であるとともに、比較的安価であり、製造コストの面からも有利である。
<A1>図5(a)に示すように、用意した基板7の表面に、マスク8を形成する(マスク形成工程)。また、これとともに、基板7の裏面(マスク8を形成する面と反対側の面)に裏面保護膜89を形成する。もちろん、マスク8および裏面保護膜89は同時に形成することもできる。
マスク8は、レーザ光の照射等により、後述する初期孔81を形成することができるとともに、後述するエッチング工程におけるエッチングに対する耐性を有するものが好ましい。換言すれば、マスク8は、エッチングレートが、基板7と略等しいか、または、基板7に比べて小さくなるように構成されるのが好ましい。
かかる観点からは、このマスク8を構成する材料としては、例えばCr、Au、Ni、Ti、Pt等の金属やこれらから選択される2種以上を含む合金、前記金属の酸化物(金属酸化物)、シリコン、樹脂等が挙げられる。また、マスク8を、Cr/Auや酸化Cr/Crのように異なる材料からなる複数の層の積層構造としてもよい。
マスク8の形成方法は特に限定されないが、マスク8をCr、Au等の金属材料(合金を含む)や金属酸化物(例えば酸化Cr)から構成する場合、マスク8は、例えば、蒸着法やスパッタリング法等により、好適に形成することができる。また、マスク8をシリコンから構成する場合、マスク8は、例えば、スパッタリング法やCVD法等により、好適に形成することができる。
マスク8が主として酸化CrまたはCrで構成されるものである場合、後述する初期孔形成工程において初期孔81を容易に形成することができるとともに、後述するエッチング工程においては基板7をより確実に保護することができる。また、マスク8が主として酸化CrまたはCrで構成されたものであると、例えば、後述するエッチング工程において、エッチング液として一水素二フッ化アンモンを用いることができる。一水素二フッ化アンモンは毒劇物ではないため、作業中の人体や環境への影響をより確実に防止することができる。
マスク8の厚さは、マスク8を構成する材料によっても異なるが、0.01〜2.0μm程度が好ましく、0.03〜0.2μm程度がより好ましい。厚さが前記下限値未満であると、後述する初期孔形成工程において形成される初期孔81の形状が歪んでしまう可能性がある。また、後述するエッチング工程でウェットエッチングを施す際に、基板7のマスクした部分を十分に保護できない可能性がある。一方、上限値を超えると、後述する初期孔形成工程において、貫通する初期孔81を形成するのが困難になるほか、マスク8の構成材料等によっては、マスク8の内部応力によりマスク8が剥がれ易くなる場合がある。
裏面保護膜89は、次工程以降で基板7の裏面を保護するためのものである。この裏面保護膜89により、基板7の裏面の侵食、劣化等が好適に防止される。この裏面保護膜89は、例えば、マスク8と同様の材料で構成されている。このため、裏面保護膜89は、マスク8の形成と同時に、マスク8と同様に設けることができる。
<A2>次に、図5(b)に示すように、マスク8に、後述するエッチングの際のマスク開口となる、複数個の初期孔81をランダムに形成する(初期孔形成工程)。
初期孔81は、いかなる方法で形成されるものであってもよいが、物理的方法またはレーザ光の照射により形成されるのが好ましい。これにより、マイクロレンズ用凹部付き基板を生産性良く製造することができる。特に、大面積の基板にも簡単に凹部を形成することができる。
初期孔81を形成する物理的方法としては、例えば、ショットブラスト、サンドブラスト等のブラスト処理、エッチング、プレス、ドットプリンタ、タッピング、ラビング等の方法が挙げられる。ブラスト処理により初期孔81を形成する場合、比較的大きい面積(マイクロレンズ21を形成すべき領域の面積)の基板7でも、より短時間で効率良く、初期孔81を形成することができる。
また、レーザ光の照射により初期孔81を形成する場合、使用するレーザ光の種類は、特に限定されないが、ルビーレーザ、半導体レーザ、YAGレーザ、フェムト秒レーザ、ガラスレーザ、YVOレーザ、Ne−Heレーザ、Arレーザ、COレーザ、エキシマレーザ等が挙げられる。また、各レーザのSHG、THG、FHG等の波長を使っても良い。レーザ光の照射により初期孔81を形成する場合、形成される初期孔81の大きさや、隣接する初期孔81同士の間隔等を容易かつ精確に制御することができる。また、レーザ光の照射により初期孔81を形成する場合、その照射条件を制御することにより、後述するような初期凹部71を形成することなく初期孔81のみを形成したり、初期孔81とともに、形状、大きさ、深さのばらつきの小さい初期凹部71を、容易かつ確実に形成することができる。
形成された初期孔81は、マスク8の全面に亘って偏りなく形成されているのが好ましい。また、形成された初期孔81は、後述する工程<A3>でエッチングを施した際に、基板7の表面の平らな面がなくなり、ほぼ隙間なく凹部61が形成される程度に、小さい孔がある程度の間隔で配されているのが好ましい。
具体的には、例えば、形成された初期孔81の平面視での形状は、略円形であり、その平均径(直径)は、2〜10μmであるのが好ましい。また、初期孔81は、マスク8上に1,000〜1,000,000個/cmの割合で形成されているのが好ましく、10,000〜500,000個/cmの割合で形成されているのがより好ましい。なお、初期孔81の形状は、略円形に限定されないことは言うまでもない。
また、マスク8に初期孔81を形成するとき、図5(b)に示すように、マスク8だけでなく基板7の表面の一部も同時に除去し、初期凹部71を形成してもよい。これにより、後述するエッチング工程でエッチングを施す際に、エッチング液との接触面積が大きくなり、侵食を好適に開始することができる。また、この初期凹部71の深さの調整により、凹部61の深さ(レンズの最大厚さ)を調整することもできる。初期凹部71の深さは、特に限定されないが、5μm以下とするのが好ましく、0.1〜0.5μm程度とするのがより好ましい。なお、初期孔81の形成をレーザの照射により行う場合、初期孔81とともに形成される複数個の初期凹部71について、深さのばらつきをより確実に小さくすることができる。これにより、マイクロレンズ用凹部付き基板6を構成する各凹部61の深さのばらつきも小さくなり、最終的に得られるマイクロレンズ基板1の各マイクロレンズ21の大きさ、形状のばらつきも小さくなる。その結果、各マイクロレンズ21の直径、焦点距離、レンズ厚さのばらつきを特に小さくさせることができる。
また、形成されたマスク8に対して物理的方法またはレーザ光の照射で初期孔81を形成するだけでなく、例えば、基板7にマスク8を形成する際に、予め基板7上に所定パターンで異物を配しておき、その上にマスク8を形成することでマスク8に積極的に欠陥を形成し、当該欠陥を初期孔81としてもよい。
このように、物理的な方法またはレーザ光の照射でマスク8に初期孔81を形成することで、従来のようなフォトリソグラフィ法によってマスクに開口部を形成する場合に比べて、簡単かつ安価にマスク8に開口部(初期孔81)をランダムに形成することができる。また、物理的な方法またはレーザ光の照射によれば、大きな基板に対する処理も容易に行うことができる。
<A3>次に、図5(c)に示すように、初期孔81が形成されたマスク8を用いて基板7にエッチングを施し、基板7上に多数の凹部61をランダムに形成する(エッチング工程)。
エッチングの方法は、特に限定されず、例えば、ウェットエッチング、ドライエッチング等が挙げられる。以下の説明では、ウェットエッチングを用いる場合を例に挙げて説明する。
初期孔81が形成されたマスク8で被覆された基板7に対して、エッチング(ウェットエッチング)を施すことにより、図5(c)に示すように、基板7は、マスク8が存在しない部分より食刻され、基板7上に多数の凹部61が形成される。上述したように、マスク8に形成された初期孔81がランダムなものであるため、形成される凹部61は、基板7の表面にランダムに配置されたものとなる。
また、本実施形態では、工程<A2>でマスク8に初期孔81を形成した際に、基板7の表面に初期凹部71を形成している。これにより、エッチングの際、エッチング液との接触面積が大きくなり、侵食を好適に開始することができる。
また、ウェットエッチング法を用いると、凹部61を好適に形成できる。そして、エッチング液として、例えば、フッ酸(フッ化水素)を含むエッチング液(フッ酸系エッチング液)を用いると、基板7をより選択的に食刻することができ、凹部61を好適に形成することができる。
マスク8が主としてCrで構成されたものである場合、フッ酸系エッチング液としては、フッ化アンモン溶液(一水素二フッ化アンモニウム溶液)が特に好適である。フッ化アンモン溶液(4wt%以下)は毒劇物ではないため、作業中の人体や環境への影響を防止することができる。また、エッチング液として、フッ化アンモン溶液を用いる場合、該エッチング液中には、例えば、過酸化水素が含まれていてもよい。これにより、エッチングスピートをより速くすることができる。
また、ウェットエッチングによれば、ドライエッチングに比べて簡単な装置で処理を行うことができ、さらに、一度に多くの基板に対して処理を行うことができる。これにより生産性が向上し、安価にマイクロレンズ用凹部付き基板6を提供することができる。
<A4>次に、図5(d)に示すように、マスク8を除去する(マスク除去工程)。また、この際、マスク8の除去とともに、裏面保護膜89も除去する。
マスク8が主としてCrで構成されたものである場合、マスク8の除去は、例えば、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含む混合物を用いたエッチングにより行うことができる。
以上により、図5(d)および図4に示すように、基板7上に多数の凹部61がランダムに形成されたマイクロレンズ用凹部付き基板6が得られる。
基板7上にランダムな凹部61を形成する方法は、特に限定されないが、上述したような方法(物理的方法またはレーザ光の照射によりマスク8に初期孔81を形成し、その後、そのマスク8を用いてエッチングを行うことにより、基板7上に凹部61を形成する方法)により形成した場合、以下のような効果が得られる。
すなわち、物理的な方法またはレーザ光の照射によりマスク8に初期孔81を形成することで、従来のようなフォトリソグラフィ法によってマスクに開口部を形成する場合に比べて簡単かつ安価にマスク8に所定パターンで開口部(初期孔81)を形成することができる。これにより生産性が向上し、安価にマイクロレンズ用凹部付き基板6を提供することができる。
また、上述したような方法によれば、大型の基板に対する処理も容易に行うことができる。大型の基板を製造する場合に、従来のように複数の基板を貼り合わせる必要がなくなり、貼り合わせの継ぎ目をなくすことができる。これにより高品質の大型マイクロレンズ用凹部付き基板(マイクロレンズ基板)を簡便な方法で安価に製造することができる。
さらに、工程<A4>でマスク8を除去した後、基板7上に新しいマスクを形成し、マスク形成−初期孔形成−ウェットエッチング−マスク除去の一連の工程を繰り返して行ってもよい。これにより、凹部61が緻密に形成されたマイクロレンズ用凹部付き基板6を得ることができる。
次に、上述したマイクロレンズ用凹部付き基板6を用いて、マイクロレンズ基板1を製造する方法について説明する。
<B1>まず、図6(a)に示すように、マイクロレンズ用凹部付き基板6の凹部61が形成された側の面に、流動性を有する状態の樹脂23(例えば、軟化状態の樹脂23、未重合(未硬化)の樹脂23)を付与する。本実施形態では、本工程において、マイクロレンズ用凹部付き基板6の凹部61が形成されていない領域に、スペーサー9を配しておき、樹脂23を平板11で押圧する構成になっている。これにより、形成されるマイクロレンズ基板1の厚さをより確実に制御することができ、最終的に得られるマイクロレンズ基板1での、マイクロレンズ21の焦点の位置を、より確実に制御することができる。
本実施形態のように、スペーサー9を用いる場合、スペーサー9の形状は特に限定されないが、略球状、略円柱状であるのが好ましい。スペーサー9がこのような形状のものである場合、その直径は、10〜300μmであるのが好ましく、30〜200μmであるのがより好ましく、30〜170μmであるのがさらに好ましい。
なお、樹脂23の付与、平板11での押圧に先立ち、マイクロレンズ用凹部付き基板6の凹部61が形成されている側の面や、平板11の樹脂23を押圧する側の面に離型剤を塗布しておいてもよい。これにより、後述する工程において、マイクロレンズ用凹部付き基板6や平板11から、基板本体2を容易かつ確実に分離(剥離)することができる。
<B2>次に、樹脂23を固化(ただし、硬化(重合)を含む)させ、その後、平板11を取り除く(図6(b)参照)。これにより、凹部61に充填された樹脂で構成され、凸レンズとして機能するマイクロレンズ21を備えた基板本体2が得られる。
樹脂23の固化を硬化(重合)により行う場合、その方法としては、例えば、紫外線等の光の照射、電子線の照射、加熱等の方法が挙げられる。
なおここで、必要に応じて樹脂23の中には、光源からの入射光を拡散させるために、拡散材として例えばポリスチレンビーズ、ガラスビーズ、有機架橋ポリマーなどを混ぜても良い。ここで拡散材は樹脂23全体に混入しても良いし、一部にのみ混入しても良い。拡散材の量は特に限定するものではないが、視野角特性の観点から、Haze(くもり度:Td/Tt、Td:拡散光線透過率、Tt:全光線透過率)が、例えば30〜99%になるようにすることが望ましい。
<B3>ここで、上記のようにして作製された基板本体2の出射側表面に、ブラックマトリックス3を形成する場合のプロセスを説明する。
まず、図6(c)に示すように、基板本体2の出射側表面に、遮光性を有するポジ型のフォトポリマー32を付与する。基板本体2表面へのフォトポリマー32の付与方法としては、例えば、ディップコート、ドクターブレード、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、ロールコーター等の各種塗布法等を用いることができる。フォトポリマー32は、遮光性を有する樹脂で構成されたものであってもよいし、(遮光性の低い)樹脂材料に、遮光性の材料が分散または溶解したものであってもよい。フォトポリマー32の付与後、必要に応じて、例えば、プレベーク処理等の熱処理を施してもよい。
<B4>次に、図7(d)に示すように、基板本体2に、入射側表面に対して垂直方向の露光用光Lbを照射する。照射された露光用光Lbは各マイクロレンズ21を通過することによって集光する。これにより、マイクロレンズ21の焦点f近傍の(集光された光が入射した部位の)フォトポリマー32が露光され、それ以外の部分のフォトポリマー32は露光されないか、または露光量が少なくなり、焦点f近傍のフォトポリマー32のみが感光する。
その後、現像を行う。ここで、このフォトポリマー32はポジ型のフォトポリマーであるので、感光した焦点f近傍のフォトポリマー32が現像により溶解、除去される。その結果、図7(e)に示すように、マイクロレンズ21の光軸Lに対応する部分に開口部31が形成されたブラックマトリックス3が形成される。現像の方法は、フォトポリマー32の組成等により異なるが、例えば、KOH水溶液等のアルカリ性溶液を用いて行うことができる。
また、現像後、必要に応じて、例えば、ポストベーク処理等の熱処理を施してもよい。
なお、ブラックマトリックス3は必ずしも形成しておく必要はなく、形成しない場合は、上記<B3>、<B4>の工程は省略することができる。
<B5>次に、基板本体2を、マイクロレンズ用凹部付き基板6から取り外す(図8(f)参照)。このように、マイクロレンズ用凹部付き基板6を取り外すことにより、マイクロレンズ用凹部付き基板6を、基板本体2(マイクロレンズ基板1)の製造に繰り返し使用することができ、製造コスト面や製造される基板本体2(マイクロレンズ基板1)の品質の安定性を高めることができる。
<B6>その後、マイクロレンズ用凹部付き基板6から取り外された基板本体2に対してベンジルアルコールを含む処理液(第1の処理液)を用いた第一の処理を施すことにより、基板本体2の他の部位に比べて着色されやすい易着色部(第1の易着色部25)を形成する(図7(g)、図8(h)参照)。
その後、後述する着色処理を行うことにより、第1の易着色部25に第一の着色処理を行う。なお、前述の第1の処理液中には、ベンジルアルコール以外に他の添加物が含まれていても良く、着色剤が含まれていてもよい。
次に、以上のようにして、第1の易着色部25に第一の着色処理を施した基板本体2に対して、ベンジルアルコールを含む処理液(第2の処理液)を用いた第二の処理を施すことにより、基板本体2の他の部位に比べて着色されやすい易着色部(第2の易着色部26)を形成する(図7(g)、図8(h)参照)。
その後、後述する着色処理を行うことにより、第2の易着色部26に第二の着色処理を行う。なお、前述の第1の処理液中には、ベンジルアルコール以外に他の添加物が含まれていてもよく、着色剤が含まれていてもよい。なお、その他の添加物、および着色処理については後述する。
このように、後述する着色液付与工程(第一の着色処理および第二の着色処理)に先立ち、基板本体に対して、ベンジルアルコールを含む処理液を用いた処理(第1の処理液付与工程、および、第2の処理液付与工程)をそれぞれ施すことにより、基板本体の着色を容易かつ確実に行うことができることを、本発明者は見出した。特に、アクリル系樹脂のように、従来の着色方法では着色が困難であった材料で構成された基板本体に対しても、容易かつ確実に着色を施すことができる。これは、以下のような理由によるものであると考えられる。
すなわち、ベンジルアルコールを含む処理液を用いることにより、処理液中のベンジルアルコールが基板本体中に深く侵入、拡散し、基板本体を構成する分子の結合(分子間結合)を緩め、着色剤が侵入するための空間を確保する。そして、後述する着色液付与工程において、着色液中の着色剤が、容易に深く入りこむことにより、前記空間(着色剤のための座席(着色座席)に例えることができる)に着色剤が保持され、基板本体が着色され、また容易に脱離しない。言い換えるならば、後述する着色液付与工程において、着色液中の着色剤が、容易に深く入りこめるように、事前に基材に空間を準備するための工程が、本処理である。
また、上記のような処理液を用いることにより、均一な厚さの着色部を容易かつ確実に形成することができる。特に、着色に供される基板本体(ワーク)が、その表面にマイクロレンズのような微細な構造を有するもの(二次元方向への凹凸の周期がいずれも小さいもの)、また、着色されるべき領域が大面積のものであっても、樹脂の重合の不均一に伴う欠陥があっても、事前に処理する液に含まれるベンジルアルコールが樹脂の分子の結合そのものを緩めることができるため、均一な濃度で(透過率のムラなく)着色部を形成することができる。
また、基板本体に対して、着色液を付与するのに先立ち、上記のような処理液を付与することにより、以下のような効果も得られる。すなわち、上述のような二段階の処理を行う場合、第1の処理液でのベンジルアルコールの濃度設定を自由に設定することにより、後の着色工程でより濃い濃度で深く着色を行いたい場合には、第1の処理液のベンジルアルコールの濃度設定を上げることにより、また後の着色工程で薄い濃度で浅く着色を行いたい場合には、第1の処理液のベンジルアルコールの濃度設定を下げることにより、第二の工程である着色工程での、着色層の深さと濃度のコントロールをより精度良く、均一に、かつ容易に行うことができる。これに対し、従来のように一工程で直接着色する場合には、着色するための空間の確保と着色の工程が、ほぼ同時に進行するため、このような微妙な着色層のコントロールが困難である。また、第二の着色工程でも着色剤にベンジルアルコールを併用することにより、より一層着色層の濃度コントロールを簡便にすることができる。すなわち、第1の処理液のベンジルアルコールは、次の着色工程での着色剤の入りこむ空間(着色座席)を確保することは先に述べたが、この処理を十分に行うことで(濃度と処理時間の制御)着色剤の入りこむ空間を事前に十分に確保しておいた上で、第二の着色工程においても、ベンジルアルコールの作用により、着色剤が前記空間への入り込みを促進し、これを加速することができる。これにより、より効率的に、短時間で着色工程を行うことができる。さらには、第1の処理液のベンジルアルコールの濃度と第二の着色工程のベンジルアルコールの濃度設定を変えることにより、着色剤の基材への拡散の速度をコントロールすることができ、結果的に、大面積でも均一な着色を可能とすることができる。
また、第1の処理液および第2の処理液の処理液の組成を自由に変更することにより、第一の着色処理および第二の着色処理での各着色領域(第1の易着色部25および第2の易着色部26)の厚さ、濃度を自由にコントロールし、これにより、光の入射側から入射し、反対の側に出射させるべき光の透過率を特に高いものとしつつ、レンズ基板1に入射させるべき光の入射側とは反対の側から入射した光(外光)を効率良く減衰させて外光の影響をより確実に防止することができるようなスクリーンを作製することができる。
処理液の付与方法としては、例えば、ドクターブレード、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、ロールコーター等の各種塗布法や、基板本体2を処理液中に浸漬するディッピング等の方法が挙げられるが、中でも、ディッピングが好ましい。これにより、容易かつ確実に易着色部25(特に、均一な濃度の易着色部25)を形成することができる。
処理液を付与する工程は、処理液および/または基板本体2を、60〜100℃とした状態で行うのが好ましい。これにより、大面積でも均一にベンジルアルコールの着色座席の確保を促進させ、さらには着色速度を上げ、効率良く易着色部25を形成することができる。
また、処理液を付与する工程は、例えば、雰囲気圧を高めた状態(加圧した状態)で行ってもよい。これにより、処理液の基板本体内部への侵入を促進することができ、結果として、易着色部25を短時間で効率良く形成することができる。
処理液中におけるベンジルアルコールの含有率は、特に限定されないが、0.01〜10.0wt%であるのが好ましく、0.05〜8.0wt%であるのがより好ましく、0.1〜5.0wt%であるのがさらに好ましい。ベンジルアルコールの含有率が上記範囲内の値であると、それぞれの易着色部(第1の易着色部25、第2の易着色部26)を形成すべき基板本体に対する悪影響の発生(例えば、基板の構成材料の劣化等)をより効果的に防止しつつ、容易かつ確実に好適な易着色部(第1の易着色部25、第2の易着色部26)を形成することができる。
また、処理液中には、前述のとおり、ベンジルアルコール以外の添加物成分が含まれていてもよい。例えば、処理液中には、ベンゾフェノン系化合物およびベンゾトリアゾール系化合物から選択される少なくとも1種の化合物が含まれていてもよい。これにより、上述したような効果がより顕著なものとして発揮される。例えば、基板本体の着色をさらに容易かつ確実に行うことができ、特に、アクリル系樹脂のように、従来の着色方法では着色が困難であった材料で構成された基板本体に対しても、容易かつ確実に着色を施すことができる。これは、ベンゾフェノン系化合物およびベンゾトリアゾール系化合物から選択される少なくとも1種の化合物と、ベンジルアルコールとを併用することにより、ベンゾフェノン系化合物およびベンゾトリアゾール系化合物から選択される少なくとも1種の化合物と、ベンジルアルコールとが相補的に作用し合い、その結果として、これらを併用することによる顕著な効果(相乗的な効果)が発揮されるものであると考えられる。
このメカニズムをさらに詳しく述べると、まず第一に、処理液中のベンジルアルコールが基板樹脂の分子の結合を緩め、他の分子が入りこむための空間を確保する。第二にベンゾフェノン系化合物およびベンゾトリアゾール系化合物から選択される少なくとも1種の化合物が、この空間に侵入し深く拡散する。これは、ベンゾフェノン系化合物およびベンゾトリアゾール系化合物が、ベンジルアルコールと同様に、基板樹脂の分子の結合を緩め、他の分子が入りこむための空間を確保する働きがあり、このためベンジルアルコールにより確保された空間を利用して、さらに深く、広く、その空間を広げる作用があることによる。なお後の着色工程で用いる着色剤にはこの働きがない。このようにして確保された空間に対して、次の着色工程において、着色剤が前記空間に入りこみ、保持され着色が完了する。このようにして、ベンゾフェノン系化合物およびベンゾトリアゾール系化合物から選択される少なくとも1種の化合物と、ベンジルアルコールとを併用することにより、着色剤が基材中に、効率良く、さらに深く、高速度で拡散でき、均一に着色することが可能となったのである。
なお、ここで、アクリル系樹脂に対して、ベンジルアルコール、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物は特に前述の着色座席を確保する働きが強い。このために着色剤をより効率的に基板本体に取りこむことが可能となる。
また、ベンゾフェノン系化合物および/またはベンゾトリアゾール系化合物を、ベンジルアルコールと併用することにより、処理液の付与条件がより温和なものであっても、より確実に易着色部(第1の易着色部25、第2の易着色部26)を形成することができる。その結果、易着色部(第1の易着色部25、第2の易着色部26)を形成すべき基板本体2に対する悪影響の発生(例えば、基板の構成材料の劣化等)をより効果的に防止することができる。
ベンゾフェノン系化合物としては、下記式(I)またはこれに対応する他の限界構造式で示されるようなベンゾフェノン骨格を有する化合物、あるいはこれらの互変異性体(以下、単に「式(I)で示されるベンゾフェノン骨格を有する化合物」という)、または、その誘導体(例えば、付加反応生成物、置換反応生成物、還元反応生成物、酸化反応生成物等)を用いることができる。
Figure 0004114656
このような化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルベンゾフェノン、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、ベンゾフェノンアニル、ベンゾフェノンオキシム、ベンゾフェノンクロリド(α,α’−ジクロルジフェニルメタン)等が挙げられる。中でも、上記式(I)で表されるベンゾフェノン骨格を有する化合物であるのが好ましく、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンがより好ましい。このようなベンゾフェノン系化合物を用いることにより、前述したような効果はさらに顕著なものとして現れる。なお、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの構造式(化学式)を、ぞれぞれ、下記式(II)、式(III)として示す。
Figure 0004114656
Figure 0004114656
また、上記のようなベンゾフェノン系化合物は、融点、沸点が比較的低く、また、水やエタノール等の低分子量アルコール等に対する溶解性(相溶性)も比較的高いので、ベンゾフェノン系化合物を用いた場合、上述したような、所望の厚さの易着色部25(着色部22)をより確実に形成することができ、レンズ基板の製造の歩留りを向上させることができる等の効果を顕著なものとして発揮させることができる。
また、ベンゾトリアゾール系化合物としては、下記式(IV)またはこれに対応する他の限界構造式で表されるようなベンゾトリアゾール骨格を有する化合物、あるいはこれらの互変異性体(以下、単に「式(IV)で示されるベンゾトリアゾール骨格を有する化合物」という)、または、その誘導体(例えば、付加反応生成物、置換反応生成物、還元反応生成物、酸化反応生成物等)を用いることができる。
Figure 0004114656
このような化合物としては、例えば、ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。中でも、上記式(IV)で表されるベンゾトリアゾール骨格を有する化合物であるのが好ましく、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールがより好ましい。このようなベンゾトリアゾール系化合物を用いることにより、前述したような効果はさらに顕著なものとして現れる。なお、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールの構造式(化学式)を、ぞれぞれ、下記式(V)、式(VI)として示す。
Figure 0004114656
Figure 0004114656
また、処理液が、上記のようなベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物を2種以上含むものである場合(特に、1種以上のベンゾフェノン系化合物と、1種以上のベンゾトリアゾール系化合物とを含むものである場合)、これらの化合物同士が相補的に作用し合うとともに、これらの化合物がベンジルアルコールと相補的に作用し合うことにより、前述したような効果はさらに顕著なものとして現れる。
処理液中にベンゾフェノン系化合物および/またはベンゾトリアゾール系化合物が含まれる場合、処理液中における、ベンゾフェノン系化合物およびベンゾトリアゾール系化合物の含有率の総和は、特に限定されないが、0.001〜10.0wt%であるのが好ましく、0.005〜5.0wt%であるのがより好ましく、0.01〜3.0wt%であるのがさらに好ましい。ベンゾフェノン系化合物およびベンゾトリアゾール系化合物の含有率の総和が上記範囲内の値であると、易着色部(第1の易着色部25、第2の易着色部26)を形成すべき基板本体に対する悪影響の発生(例えば、基板の構成材料の劣化等)をより効果的に防止しつつ、容易かつ確実に好適な易着色部(第1の易着色部25、第2の易着色部26)を形成することができる。
また、処理液中にベンゾフェノン系化合物および/またはベンゾトリアゾール系化合物が含まれる場合、処理液中における、ベンジルアルコールの含有率をX[wt%]、ベンゾフェノン系化合物およびベンゾトリアゾール系化合物の含有率の総和をY[wt%]としたとき、0.001≦X/Y≦10000の関係を満足するのが好ましく、0.05≦X/Y≦1000の関係を満足するのがより好ましく、0.25≦X/Y≦500の関係を満足するのがさらに好ましい。上記のような関係を満足することにより、ベンゾフェノン系化合物および/またはベンゾトリアゾール系化合物と、ベンジルアルコールとを併用することによる相乗効果がより顕著に発揮され、易着色部(第1の易着色部25、第2の易着色部26)を形成すべき基板本体に対する悪影響の発生(例えば、基板の構成材料の劣化等)をより効果的に防止しつつ、容易かつ確実に、また高速に好適な易着色部(第1の易着色部25、第2の易着色部26)を形成することができる。
また、処理液中には、例えば、着色剤が含まれていてもよい。これにより、易着色部の厚さを容易に認識することができる。
特に、本実施形態では、上記のような処理液を用いた処理を複数回繰り返し行うことにより、着色のされやすさの異なる複数の易着色部を形成する。すなわち、第1の処理液を基板本体2に付与することにより、基板本体2の他の部位(ただし、第2の易着色部26を除く)に比べて着色されやすい第1の易着色部25を形成する工程(図5(g)参照)と、その後、第1の易着色部25を必要な濃度に着色する工程と、第2の処理液を第1の易着色部25が形成された基板本体2に付与することにより、基板本体2の他の部位(第1の易着色部25を含む)に比べて着色されやすい第2の易着色部26を形成する工程(第1の領域25の一部を第2の領域26にする工程)(図5(h)参照)と、その後、第1の易着色部25を必要な濃度に着色する工程とを有している。これにより、所望の厚さ、着色剤含有率(着色濃度)の異なる、第1の領域221および第2の領域222を、容易かつ確実に形成することができる。ここで、これらの工程を経て形成される第1の易着色部25は、第1の領域221に対応するものであり、第2の易着色部26は、第2の領域222に対応するものである。
第1の処理液を基板本体2に付与する工程(第1の処理液付与工程)で用いる第1の処理液、第2の処理液を基板本体2に付与する工程(第2の処理液付与工程)で用いる第2の処理液は、いずれも、前述したような条件を満足するものであるのが好ましいが、特に、第1の処理液は、以下のような条件を満足するものであるのが好ましい。
すなわち、第1の処理液中におけるベンジルアルコールの含有率は、特に限定されないが、0.1〜8.0wt%であるのが好ましく、0.3〜7.0wt%であるのがより好ましく、0.5〜6.0wt%であるのがさらに好ましい。ベンジルアルコールの含有率が上記範囲内の値であると、第1の易着色部25を形成すべき基板本体に対する悪影響の発生(例えば、基板の構成材料の劣化等)をより効果的に防止しつつ、容易かつ確実に好適な第1の易着色部25を形成することができる。
また、第1の処理液が、ベンゾフェノン系化合物および/またはベンゾトリアゾール系化合物を含むものである場合、第1の処理液中における、ベンゾフェノン系化合物およびベンゾトリアゾール系化合物の含有率の総和は、特に限定されないが、0.01〜8.0wt%であるのが好ましく、0.03〜5.0wt%であるのがより好ましく、0.05〜3.0wt%であるのがさらに好ましい。ベンゾフェノン系化合物およびベンゾトリアゾール系化合物の含有率の総和が上記範囲内の値であると、第1の易着色部25を形成すべき基板本体に対する悪影響の発生(例えば、基板の構成材料の劣化等)をより効果的に防止しつつ、容易かつ確実に好適な第1の易着色部25を形成することができる。
また、第2の処理液は、以下のような条件を満足するものであるのが好ましい。
すなわち、第2の処理液中におけるベンジルアルコールの含有率は、特に限定されないが、0.05〜5.0wt%であるのが好ましく、0.1〜4.0wt%であるのがより好ましく、0.2〜3.0wt%であるのがさらに好ましい。ベンジルアルコールの含有率が上記範囲内の値であると、第2の易着色部26を形成すべき基板本体に対する悪影響の発生(例えば、基板の構成材料の劣化等)をより効果的に防止しつつ、容易かつ確実に好適な第2の易着色部26を形成することができる。
また、第2の処理液が、ベンゾフェノン系化合物および/またはベンゾトリアゾール系化合物を含むものである場合、第2の処理液中における、ベンゾフェノン系化合物およびベンゾトリアゾール系化合物の含有率の総和は、特に限定されないが、0.01〜8.0wt%であるのが好ましく、0.03〜5.0wt%であるのがより好ましく、0.05〜3.0wt%であるのがさらに好ましい。ベンゾフェノン系化合物およびベンゾトリアゾール系化合物の含有率の総和が上記範囲内の値であると、第2の易着色部26を形成すべき基板本体に対する悪影響の発生(例えば、基板の構成材料の劣化等)をより効果的に防止しつつ、容易かつ確実に好適な第2の易着色部26を形成することができる。
また、第1の処理液中におけるベンジルアルコールの含有率をC[g/L]、第2の処理液中におけるベンジルアルコールの含有率をC[g/L]としたとき、1.1≦C/C≦5.00の関係を満足するのが好ましく、1.2≦C/C≦4.0の関係を満足するのがより好ましく、1.3≦C/C≦3.0の関係を満足するのがさらに好ましい。このような関係を満足することにより、所望の厚さ、着色剤含有率の第1の領域221および第2の領域222を、さらに容易かつ確実に形成することができる。
上記のような第1の易着色部25、第2の易着色部26の厚さは、各工程において用いる処理液(第1の処理液、第2の処理液)の組成や、各工程の処理時間、処理温度等の条件を調整することにより、容易かつ確実に制御することができる。
また、処理液の付与後(第1の処理液の付与後、第2の処理液の付与後)には、必要に応じて、加熱、冷却等の熱処理、光照射、雰囲気の減圧等の処理を施してもよいし、連続的に着色処理を行ってもよい。
<B7>次に、第1の易着色部25を形成したのち、あるいは第2の易着色部26を形成した後、基板本体2に対して着色液を付与することにより、着色部22を形成する工程について述べる。この着色工程を経て、マイクロレンズ基板1を得る(図8(i)参照)。
上述したように、着色液の付与(第一の着色工程)に先立ち、基板本体2には、易着色部25が形成されている。このため、本工程(着色液付与工程)では、易着色部(第1の易着色部25)が選択的に着色される。
同様に、第二の着色工程に先立ち、基板本体2には、第2の易着色部26が形成されている。このため、本工程(着色液付与工程)では、易着色部(第2の易着色部26)が選択的に着色される。
特に、本実施形態では、上述してきたように易着色部が、それぞれに着色されやすさの異なる領域(第1の易着色部25および第2の易着色部26)を有しているため、本工程で、第1の領域221と第2の領域222とを、それぞれに最適な厚さと着色濃度で着色部を形成することができる。すなわち、本実施形態の方法によれば、第1の領域221と第2の領域222とを最適な厚さと着色濃度とすることができ、特性の優れたマイクロレンズ基板を作製することができる。
着色液の付与方法としては、例えば、ドクターブレード、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、ロールコーター、捺染等の各種塗布法や、易着色部(第1の易着色部25、第2の易着色部26)が形成された基板本体2(以下、単に「基板本体2」ともいう)を着色液中に浸漬するディッピング等の方法が挙げられるが、中でも、ディッピング(特に、浸染)が好ましい。これにより、容易かつ確実に着色部22(特第1の領域と第2の領域とを有する着色部22)を形成することができる。また、特に、着色液の付与を浸染により行う場合、着色液が付与される基板本体2が、アクリル系樹脂のような、従来の方法では、着色するのが困難であった材料で構成されたものであっても、容易かつ確実に着色することができる。これは、浸染に用いることができる染料が溶液中に十二分に存在しているために、先に述べたとおり、ベンジルアルコールとベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物の相互作用により、染料が入りこむための着色座席を、効率よくまた広く深い範囲で確保することができるために、染料による着色が容易に、且つ、大面積においても均一に行うことができるためである。
着色液を付与する工程は、着色液および/または基板本体2を、60〜100℃とした状態で行うのが好ましい。これにより、大面積でも均一にベンジルアルコールの着色座席の確保を促進させ、さらには着色速度を上げ、効率良く着色部22を形成することができる。
また、着色液を付与する工程は、例えば、雰囲気圧を高めた状態(加圧した状態)で行ってもよい。これにより、着色液の基板本体2内部への侵入を促進することができ、結果として、着色部22を短時間で効率良く形成することができる。
なお、着色液の付与は、必要に応じて(例えば、形成すべき着色部22の濃度を濃くしたい場合等においては)、複数回繰り返し行ってもよい。
また、着色液の付与後、必要に応じて、加熱、冷却等の熱処理、光照射、雰囲気の加圧、減圧等の処理を施してもよい。これにより、着色部22の定着(安定化)を促進することができる。
以下、本工程で用いる着色液についてより詳細に説明する。
着色液中に含まれる着色剤は、各種染料、各種顔料等、いかなるものであってもよいが、染料であるのが好ましく、分散染料および/またはカチオン系染料であるのがより好ましく、分散染料であるのがさらに好ましい。これにより、着色部を形成すべき基板本体に対する悪影響の発生(例えば、基板の構成材料の劣化等)を十分に防止しつつ、効率良く着色部22を形成することができる。特に、着色液が付与される基板本体2が、アクリル系樹脂のような、従来の方法では、着色するのが困難であった材料で構成されたものであっても、容易かつ確実に着色することができる。これは、上記のような着色剤が、アクリル系樹脂等が有するエステル基(エステル結合)を着色座席とするために、より着色しやすいためであると考えられる。
また、着色液は、少なくとも、着色剤を含むものであればよいが、さらにベンジルアルコールおよび界面活性剤を含むものであるのが好ましい。これにより、着色剤およびベンゾフェノン系化合物、あるいはベンゾトリアゾール系化合物を、ベンジルアルコールの存在下においても、安定的に、均一に分散させることができ、着色液が付与される基板本体2が、アクリル系樹脂のような、従来の方法では、着色するのが困難であった材料で構成されたものであっても、容易かつ確実に着色することができる。界面活性剤としては、例えば、非イオン系(ノニオン系)、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。非イオン系(ノニオン系)界面活性剤としては、例えば、エーテル系界面活性剤、エステル系界面活性剤、エーテルエステル系界面活性剤、含窒素系界面活性剤等が挙げられ、より具体的には、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等が挙げられる。また、アニオン系界面活性剤としては、例えば、各種ロジン、各種カルボン酸塩、各種硫酸エステル塩、各種スルホン酸塩、各種リン酸エステル塩等が挙げられ、より具体的には、ガムロジン、重合ロジン、不均一化ロジン、マレイン化ロジン、フマール化ロジン、マレイン化ロジンペンタエステル、マレイン化ロジングリセリンエステル、トリステアリン酸塩(例えば、アルミニウム塩等の金属塩等)、ジステアリン酸塩(例えば、アルミニウム塩、バリウム塩等の金属塩等)、ステアリン酸塩(例えば、カルシウム塩、鉛塩、亜鉛塩等の金属塩等)、リノレン酸塩(例えば、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等の金属塩等)、オクタン酸塩(例えば、アルミニウム塩、カルシウム塩、コバルト塩等の金属塩等)、オレイン酸塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩等の金属塩等)、パルミチン酸塩(例えば、亜鉛塩等の金属塩等)、ナフテン酸塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等の金属塩等)、レジン酸塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン鉛塩、亜鉛塩等の金属塩等)、ポリアクリル酸塩(例えば、ナトリウム塩等の金属塩等)、ポリメタクリル酸塩(例えば、ナトリウム塩等の金属塩等)、ポリマレイン酸塩(例えば、ナトリウム塩等の金属塩等)、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩(例えば、ナトリウム塩等の金属塩等)、セルロース、ドデシルベンゼンスルホン酸塩(例えば、ナトリウム塩)、アルキルスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩(例えば、ナトリウム塩等の金属塩等)、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩(例えば、ナトリウム塩等の金属塩等)等が挙げられる。また、カチオン系界面活性剤としては、例えば、1級アンモニウム塩、2級アンモニウム塩、3級アンモニウム塩、4級アンモニウム塩等の各種アンモニウム塩等が挙げられ、より具体的には、(モノ)アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、トリアルキルアミン塩、テトラアルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。また、両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシベタイン、スルホベタイン等の各種ベタイン、各種アミノカルボン酸、各種リン酸エステル塩等が挙げられる。
また、着色液中には、例えば、前述したようなベンジルアルコール、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物等が含まれていてもよい。これにより、基板本体の着色性の更なる向上を図ることができる。
以上、説明したように、本実施形態の製造方法では、ベンジルアルコールを含む処理液で基板を処理したのち、着色工程を行うことで、着色が困難なアクリル系樹脂を基板に用いた場合でも、容易に、且つ、大面積でも均一な着色を、高速度で実現することが可能となり、特に着色層の濃度のコントロールを均一にまた容易にすることができる。
以下、前記透過型スクリーンを用いたリア型プロジェクタについて説明する。
図9は、本発明のリア型プロジェクタの構成を模式的に示す図である。
同図に示すように、リア型プロジェクタ300は、投写光学ユニット310と、導光ミラー320と、透過型スクリーン10とが筐体340に配置された構成を有している。
そして、このリア型プロジェクタ300は、上記のような透過型スクリーン10を備えているので、コントラストに優れた画像を得ることができる。さらに、本実施形態では、上記のような構成を有しているので、視野角特性、光利用効率等も特に優れたものとなる。
また、特に、前述したマイクロレンズ基板1では、マイクロレンズ21がランダム(光学的にランダム)に配されているので、リア型プロジェクタ300では、モアレ等の問題が極めて発生し難い。
以上、本発明のレンズ基板、レンズ基板の製造方法、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタについて、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、レンズ基板、透過型スクリーン、リア型プロジェクタを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
また、前述した実施形態では、着色部が、着色剤の含有率の異なる2つの層を有するものとして説明したが、例えば、着色部は、3層以上の層の積層体であってもよい。また、着色部は、第1の領域と第2の領域とが、それぞれ層状に設けられたものとして説明したが、例えば、着色部は、その厚さ方向に、着色剤の含有率が傾斜的に変化するものであってもよい。
また、前述した実施形態では、ベンジルアルコールの含有率の異なる処理液を用いることにより、着色されやすさの異なる複数の領域を形成するものとして説明したが、例えば、ベンジルアルコールの含有率が同じであっても、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾールの含有率が異なる処理液を用いたり、第1の処理液付与工程と第2の処理液付与工程とで処理液の付与条件(例えば、処理温度、処理圧力等)を異なるものとすること等により、上記と同様な効果を得ることができる。
また、前述した実施形態では、着色部は、第1の領域に比べて着色剤の含有率が高い第2の領域が、第1の領域よりも光の入射側に設けられるものとして説明したが、第1の領域と第1の領域との配置は逆であってもよい。すなわち、着色部は、光の入射側に比較的着色剤の含有率の低い領域を有し、かつ、当該領域よりも光の出射側に着色剤の含有率のより高い領域を有するものであってもよい。このような着色部は、例えば、以下のようにして形成することができる。すなわち、一旦、前述した実施形態のように、基板本体に対して処理液による処理を1回行う。その後、着色液を付与することにより光の入射面側に、着色剤の含有率が均一な着色部を形成する。その後、着色剤を脱離することができ、かつ、レンズ基板に対し実質的に悪影響を与えない溶剤を、均一な着色部が形成されたレンズ基板に付与する。これにより、着色部中に含まれる着色剤が、着色部の表面付近から優先的に脱離、除去される。これにより、光の入射側(レンズ基板の表面側)に比較的着色剤の含有率の低い領域を有し、かつ、当該領域よりも光の出射側(レンズ基板の内部側)に着色剤の含有率のより高い領域を有するレンズ基板を得ることができる。
また、本発明のレンズ基板は、その厚さ方向に着色剤の含有率の異なる複数の領域を有するものであればいかなるものであってもよく、前述したような方法で着色部が形成されたものに限定されるものではない。例えば、本発明のレンズ基板において、着色部は、上記のような処理液中に比較的少量の(低含有率の)着色剤を含む液体を用いた処理を行い、その後、比較的多量の(高含有率の)着色剤を含む着色液を用いることにより形成されたものであってもよい。また、例えば、着色剤を含む流動性のある樹脂材料を光の入射側の表面に付与し、積層により基板本体上に着色部を形成してもよい。
また、前述した実施形態では、マイクロレンズ用凹部付き基板の製造方法の初期孔形成工程において、初期孔81とともに、基板7に初期凹部71を形成するものとして説明したが、このような初期凹部71は形成されなくてもよい。初期孔81の形成条件(例えば、レーザのエネルギー強度、ビーム径、照射時間等)を適宜調整することにより、所望の形状の初期凹部71を形成したり、初期凹部71が形成されないように初期孔81のみを選択的に形成することができる。
また、前述した実施形態では、易着色部(第1の易着色部25、第2の易着色部26)、着色部22を形成する前に、必要に応じてブラックマトリックス3を形成するものとして説明したが、必要に応じて易着色部(第1の易着色部25、第2の易着色部26)、着色部22の形成後にブラックマトリックス3を形成してもよい。
また、前述した実施形態では、レンズ基板が有するレンズ(レンズ部)が凸レンズであるものとして説明したが、レンズ基板が有するレンズ(レンズ部)は、例えば、凹レンズであってもよい。
また、前述した実施形態では、着色部がレンズ基板の光の入射側の全面に設けられているものとして説明したが、着色部は、光の入射面側の一部のみに設けられるものであってもよい。
また、前述した実施形態では、平面視したときの形状が略円形のマイクロレンズがランダムに配置されたものとして説明したが、マイクロレンズの形状、配置はこのようなものに限定されない。例えば、マイクロレンズは、格子状に配されたものであってもよいし、ハニカム状に形成されたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、透過型スクリーンが、マイクロレンズ基板(レンズ基板)とフレネルレンズとを備えるものとして説明したが、本発明の透過型スクリーンは、必ずしも、フレネルレンズを備えたものでなくてもよい。例えば、本発明の透過型スクリーンは、実質的に、本発明のレンズ基板のみで構成されたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、視野角上の観点から、より望ましい形状のレンズ部として、マイクロレンズを備えた構成について説明したが、レンズ基板を構成するレンズ部(レンズ)は、これに限定されず、例えば、レンチキュラレンズであってもよい。レンチキュラレンズを使用することにより、レンズ部の製造工程を簡略化することができ、また、透過型スクリーンの生産性を向上させることができる。レンズ部として、レンチキュラレンズを使用する場合、ブラックマトリックスの代わりにストライプ状の遮光層(ブラックストライプ)が形成される。このような構成においても、前記実施形態と同様の作用・効果が得られる。
また、前述した実施形態では、ブラックマトリックスを基板本体の表面に直接形成するものとして説明したが、ブラックマトリックスは、例えば、下地層(接着剤層)等を介して、基板本体に接合されたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、ブラックマトリックス(遮光層)は、遮光性の材料を含むフォトポリマーを、マイクロレンズ基板(レンズ基板)の表面に付着させることにより形成するものとして説明したが、ブラックマトリックス(遮光層)の形成方法は、これに限定されず、例えば、染色、(化学的な)発色、変色等によるものであってもよい。
また、前述した実施形態では、既述のとおり、レンズ基板がブラックマトリックスを有する場合についても説明しているが、レンズ基板は、このようなブラックマトリックスを有していなくてもよいのは言うまでもない。
また、前述した実施形態では、レンズ基板は、透過型スクリーン、リア型プロジェクタを構成する部材であるものとして説明したが、本発明のレンズ基板は、透過型スクリーン、リア型プロジェクタに適用されるものに限定されず、いかなる用途のものであってもよい。例えば、本発明のレンズ付き基板は、投射型表示装置(フロントプロジェクタ)の液晶ライトバルブの構成部材に適用されるものであってもよい。
[レンズ基板および透過型スクリーンの作製]
(実施例1)
以下のように、マイクロレンズ用の凹部を備えたマイクロレンズ用凹部付き基板を製造し、このマイクロレンズ用凹部付き基板を用いてマイクロレンズ基板を製造した。
まず、基板として、1.2m×0.7m角、厚さ4.8mmのソーダガラス基板を用意した。
このソーダガラス基板を、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む洗浄液に浸漬して6μmエッチングを行い、その表面を清浄化した。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
次に、このソーダガラス基板上に、スパッタリング法にて、Cr/酸化Crの積層体(Crの外表面側に酸化Crが積層された積層体)を形成した。すなわち、ソーダガラス基板の表面に、Cr/酸化Crの積層体で構成されたのマスクおよび裏面保護膜を形成した。Cr層の厚さは0.02μm、酸化Cr層の厚さは0.02μmであった。
次に、マスクに対してレーザ加工を行い、マスクの中央部113cm×65cmの範囲に多数の初期孔を形成した。
なお、レーザ加工は、YAGレーザを用いて、エネルギー強度1mW、ビーム径3μm、照射時間60×10−9秒という条件で行った。
これにより、マスクの上記範囲全面に亘って、ランダムなパターンで初期孔が形成された。初期孔の平均径は5μmであり、初期孔の形成密度は40,000個/cmであった。
また、この際、ソーダガラス基板の表面に深さ0.1μmの凹部および変質層も形成した。
次に、ソーダガラス基板にウェットエッチングを施し、ソーダガラス基板上に多数の凹部を形成した。形成された多数の凹部は、互いにほぼ同一の曲率半径(35μm)を有するものであった。
なお、ウェットエッチングは、エッチング液として、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む水溶液を用い、浸漬時間は5時間とした。
次に、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸との混合物を用いてエッチングすることにより、マスクおよび裏面保護膜を除去した。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
これにより、ソーダガラス基板上に、マイクロレンズ用の多数の凹部がランダムに形成されたウエハー状のマイクロレンズ用凹部付き基板を得た。得られた凹部付き基板を平面視したときに、凹部が形成されている有効領域において、凹部が占める面積の割合が97%であった。また、マイクロレンズ用凹部付き基板の任意の近接した2点間(凹部−凹部間)の距離を多数とり、それらから標準偏差を求めた。このようにして求められた標準偏差は、それらの平均の32%であった。
次に、上記のようにして得られたマイクロレンズ用凹部付き基板の凹部が形成された側の面に、離型剤(GF−6110)を付与し、さらに、拡散材としてポリスチレンビーズを混練させた未重合(未硬化)のアクリル系樹脂(PMMA樹脂(メタクリル樹脂))を付与した。この際、前記面のマイクロレンズ用凹部付き基板の凹部が形成されていない領域に、略球形状のスペーサー(直径30μm)を配しておいた。拡散材の量は、Haze(くもり度:Td/Tt、Td:拡散光線透過率、Tt:全光線透過率)が70%になるように調整した。
次に、ソーダガラスで構成された平板で、前記アクリル系樹脂を押圧した。この際、平板とアクリル系樹脂との間に、空気が侵入しないようにした。また、平板としては、アクリル系樹脂を押圧する側の面に離型剤(GF−6110)が塗布されたものを用いた。
その後、平板上から、加熱することにより、アクリル系樹脂を硬化させ、基板本体を得た。また、得られた基板本体の樹脂層の厚さは2mm、マイクロレンズの曲率半径は35μm、マイクロレンズの直径は70μmであった。また、得られた基板本体を平面視したときに、マイクロレンズが形成されている有効領域において、マイクロレンズが占める面積(投影面積)の割合は97%であった。
次に、平板を取り除いた。
次に、基板本体の出射側(マイクロレンズが形成されている面とは反対側の面)表面に、遮光性材料(カーボンブラック)が添加されたポジ型のフォトポリマー(PC405G:JSR株式会社製)を、ロールコーターにより付与した。フォトポリマー中における遮光性材料の含有量は、20wt%であった。
次に、90℃×30分のプレベーク処理を施した。
次に、マイクロレンズ用凹部付き基板の凹部が形成されている側の面とは反対側の面から、80mJ/cmの平行光としての紫外線を照射した。これにより、照射した紫外線は、各マイクロレンズで集光され、各マイクロレンズの焦点f(ブラックマトリックスの厚さ方向の中心付近)近傍のフォトポリマーを選択的に露光した。
その後、0.5wt%のKOH水溶液を用いて、40秒の現像処理を施した。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行い、さらに、200℃×30分のポストベーク処理を施した。これにより、各マイクロレンズに対応した開口部を有するブラックマトリックスが形成された。形成されたブラックマトリックスの厚さは2μm、開口部の直径は45μmであった。
その後、基板本体を、マイクロレンズ用凹部付き基板から取り外した。
その後、基板本体に対して、ディッピングにより、ベンジルアルコールを含む第1の処理液を付与した。このとき、マイクロレンズが形成された面側全体が処理液に接触し、かつ、ブラックマトリックスが形成された面側には処理液が接触しないようにした。また、第1の処理液を付与する際の基板本体および処理液の温度は、90℃に調整した。第1の処理液としては、ベンジルアルコール:15重量部、ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン(ベンゾフェノン系化合物):3重量部、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(ベンゾトリアゾール系化合物):2重量部、純水:1000重量部の混合物を用いた。
上記のような条件で、基板本体と処理液とを15分間接触させた後、処理液が貯留された槽から、基板本体を取り出し、水洗・乾燥することにより、第1の易着色部が形成された基板本体を得た。
次に、易着色部が形成された基板本体に対して、浸染により着色液を付与した。このとき、マイクロレンズが形成された面側全体が着色液に接触し、かつ、ブラックマトリックスが形成された面側には着色液が接触しないようにした。また、着色液を付与する際の基板本体および着色液の温度は、90℃に調整した。着色液としては、分散染料(Blue(双葉産業製)):2重量部、分散染料(Red(双葉産業製)):0.1重量部、分散染料(Yellow(双葉産業製)):0.05重量部、ベンジルアルコール:4重量部、界面活性剤:2重量部、純水:1000重量部の混合物を用いた。
上記のような条件で、基板本体と着色液とを15分間接触させた後、着色液が貯留された槽から、基板本体を取り出し、十分水洗した後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行うことにより、着色部が形成されたマイクロレンズ基板を得た。形成された着色部の濃度は、本基板と同一の構造の別の未処理の基板を用い、上記と全く同様の条件で、第1の処理液および着色処理を行い、このサンプルの分光透過率を測定したところ、Y値(D65/2°視野)で68%であった。
次に、第1の着色部が形成された基板本体に対して、ディッピングにより、ベンジルアルコールを含む第2の処理液を付与した。このとき、マイクロレンズが形成された面側全体が処理液に接触し、かつ、ブラックマトリックスが形成された面側には処理液が接触しないようにした。また、第2の処理液を付与する際の基板本体および処理液の温度は、90℃に調整した。第2の処理液としては、ベンジルアルコール:10重量部、ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン(ベンゾフェノン系化合物):3重量部、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(ベンゾトリアゾール系化合物):2重量部、界面活性剤:2重量部、純水:1000重量部の混合物を用いた。
上記のような条件で、基板本体と処理液とを10分間接触させた後、処理液が貯留された槽から、基板本体を取り出し、易着色部(第1の易着色部、第2の易着色部)が形成された基板本体を得た。
次に、第2の易着色部が形成された基板本体に対して、浸染により着色液を付与した。このとき、マイクロレンズが形成された面側全体が着色液に接触し、かつ、ブラックマトリックスが形成された面側には着色液が接触しないようにした。また、着色液を付与する際の基板本体および着色液の温度は、90℃に調整した。着色液としては、分散染料(Blue(双葉産業製)):2重量部、分散染料(Red(双葉産業製)):0.1重量部、分散染料(Yellow(双葉産業製)):0.05重量部、ベンジルアルコール:12重量部、界面活性剤:2重量部、純水:1000重量部の混合物を用いた。
上記のような条件で、基板本体と着色液とを15分間接触させた後、着色液が貯留された槽から、基板本体を取り出し、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行うことにより、着色部が形成されたマイクロレンズ基板を得た。また、着色部は、マイクロレンズ基板の内部に着色剤の含有率が比較的低い第1の領域と、マイクロレンズ基板の表面側に着色剤の含有率が比較的高い第2の領域とを有するものであった。形成された着色部の濃度は、本基板と同一の構造の別の未処理の基板を用い、上記と全く同様の条件で、第2の処理液および着色処理のみを行い、このサンプルの分光透過率を測定したところ、Y値(D65/2°視野)で56%であった。また、着色部の厚さをエリプソメトリー(偏向解析)法で測定したところ、着色部を構成する第1の領域の厚さは、約5.3μmであり、第2の領域の厚さは、0.9μmであった。
このようにして得られたマイクロレンズ基板は、マイクロレンズ基板を平面視したときの、マイクロレンズが形成されている有効領域において、開口部が占める面積(投影面積)の割合は、50%であった。
以上のようにして製造されたマイクロレンズ基板と、押出成形により作製したフレネルレンズ部とを組み立てることにより、図3に示すような透過型スクリーンを得た。
(実施例2〜7)
処理液(第1の処理液、第2の処理液)および着色液(第1の着色液、第2の着色液)中におけるベンジルアルコール、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物の含有率、処理液(第1の処理液、第2の処理液)を付与する際の基板本体および処理液の温度、着色液を付与する際の基板本体および着色液の温度を表1に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。なお、処理液、着色液中におけるベンジルアルコール、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物の含有率の変更は、これらに対応するように純水を増減させることにより行った。
(実施例8)
基板本体に対して、ブラックマトリックスを形成しなかった以外は、前記実施例1と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。
(比較例1)
基板本体に対して、易着色部(第1の易着色部、第2の易着色部)、着色部(第1の領域、第2の領域)を形成しなかった以外は、前記実施例8と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。
(比較例2)
まず、基板として、1.2m×0.7m角、厚さ4.8mmのソーダガラス基板を用意した。
このソーダガラス基板を、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む洗浄液に浸漬して6μmエッチングを行い、その表面を清浄化した。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
次に、このソーダガラス基板上に、スパッタリング法にて、厚さ0.03μmのCr膜を形成した。すなわち、ソーダガラス基板の表面に、Cr膜のマスクおよび裏面保護膜を形成した。
次に、マスクに対してレーザ加工を行い、マスクの中央部113cm×65cmの範囲に多数の直線状の溝(孔)を、互いに平行になるように形成した。隣接する溝−溝間のピッチは、140μmであった。
なお、レーザ加工は、YAGレーザを用いて、エネルギー強度1mW、ビーム径3μm、照射時間60×10−9秒という条件で行った。
また、この際、ソーダガラス基板の表面に深さ0.1μmの凹部および変質層も形成した。
次に、ソーダガラス基板にウェットエッチングを施し、ソーダガラス基板上に溝状の凹部を形成した。形成された凹部は、互いにほぼ同一の曲率半径(35μm)を有するものであった。
なお、ウェットエッチングは、エッチング液として、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む水溶液を用い、浸漬時間は5時間とした。
次に、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸との混合物を用いてエッチングすることにより、マスクおよび裏面保護膜を除去した。
その後、純水洗浄およびNガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
これにより、ソーダガラス基板上に、レンチキュラレンズ用の多数の凹部(溝部)が形成されたウエハー状のレンチキュラレンズ用凹部付き基板を得た。
次に、上記のようにして得られたレンチキュラレンズ用凹部付き基板の凹部が形成された側の面に、離型剤(GF−6110)を付与し、さらに、未重合(未硬化)のアクリル系樹脂(PMMA樹脂(メタクリル樹脂))を付与した。この際、前記面のレンチキュラレンズ用凹部付き基板の凹部が形成されていない領域に、略球形状のスペーサー(直径30μm)を配しておいた。
次に、ソーダガラスで構成された平板で、前記アクリル系樹脂を押圧した。この際、平板とアクリル系樹脂との間に、空気が侵入しないようにした。また、平板としては、アクリル系樹脂を押圧する側の面に離型剤(GF−6110)が塗布されたものを用いた。
その後、加熱することにより、アクリル系樹脂を硬化させ、レンチキュラレンズ基板を得た。また、得られたレンチキュラレンズ基板の樹脂層の厚さは1mm、レンチキュラレンズの曲率半径は35μmであった。
次に、アクリル系樹脂の押圧に用いた平板、レンチキュラレンズ用凹部付き基板を取り外すことにより、レンチキュラレンズ基板を得た。
以上のようにして製造されたレンチキュラレンズ基板と、押出成形により作製したフレネルレンズ部とを組み立てることにより、前記実施例1と同様にして透過型スクリーンを得た。
(比較例3)
前記実施例1と同様にして、ブラックマトリックスが形成されていない基板本体を製造した。その後、基板本体がマイクロレンズ用凹部付き基板と密着した状態で、基板本体の光の出射側の面に、前記実施例1と同様にして易着色部(第1の易着色部、第2の易着色部)、着色部(第1の領域、第2の領域)を形成した。その後、マイクロレンズ用凹部付き基板を取り外すことにより、マイクロレンズ基板を得た。また、このようにして得られたマイクロレンズ基板を用いて、前記実施例1と同様にして透過型スクリーンを製造した。
(比較例4)
第1の処理液による処理を行った後、第1の易着色部に着色液を付与する工程を行い、第2の処理液による処理および第2の易着色部に着色液を付与する工程を行わなかった以外は、前記実施例1と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。
(比較例5)
第1の処理液による処理を行った後、第1の易着色部に着色液を付与する工程を行い、第2の処理液による処理および第2の易着色部に着色液を付与する工程を行わなかった以外は、前記実施例1と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。
(比較例6)
以下に述べるように、光の入射側に着色長の含有率が均一な着色部を有する、レンチキュラレンズ基板を製造した。
まず、図10に示すように、連続したフィルム状のアクリル系樹脂で構成されたベース部材T15が巻かれたロールT51と、ベース部材T15の片面(入光側)に、溶剤で希釈した透明かつ非着色の未重合(未硬化)のアクリル系樹脂(透明樹脂)T12AをコーティングするコータT52と、ベース部材T15にコーティングされた透明樹脂T12Aを乾燥させる乾燥機T53と、レンチキュラレンズ形状の型が形成された金型ロールT54と、その金型ロールT54に、着色された未重合(未硬化)のアクリル系樹脂(着色樹脂)T13を塗工するディスペンサT55と、金型ロールT54に着色樹脂T13、透明樹脂T12Aを挟んで、ベース部材T15をニップするニップロールT56と、金型ロールT54の型内の着色樹脂T13、透明樹脂T12AにUVを照射するUVランプT57と、成形されたレンチキュラレンズ基板(レンチキュラレンズシート)T10を金型ロールT54から離型する離型ロールT58などとを備えたレンチキュラレンズ基板製造装置T50を用意した。
このレンチキュラレンズ基板製造装置T50において、フィルム状のベース部材T15に、コータT52を用いて、高粘度の透明樹脂T12Aを、溶剤希釈してコートした(透明樹脂コート工程)後に、乾燥機T53によって、温風乾燥して(溶剤乾燥工程)、流動性を抑えた、透明樹脂層を形成した。
次に、着色樹脂T13を、金型ロールT54に塗工して、その着色樹脂T13が塗工された金型ロールT54に、ニップロールT56によって、透明樹脂T12Aがコートされたベース部材T15を、着色樹脂T13と透明樹脂T12Aが積層されるようにしてニップした。
その後に、UVランプT57によって、ベース部材T15側から、紫外線を照射して(照射工程)、着色樹脂T13と透明樹脂T12Aとを硬化させた。最後に、金型ロールT54から、ベース部材T15に着色樹脂T13と透明樹脂T12Aからなるレンズ部T12が形成されたレンチキュラレンズ基板T10を剥離し、レンチキュラレンズ基板T10を得た。
得られたレンチキュラレンズ基板T10は、1.2m×0.7m角で、中央部113cm×65cmの範囲に多数の直線状のレンチキュラレンズが、互いに平行になるように形成されたものであった。また、得られたレンチキュラレンズ基板の樹脂層の厚さは1mmであった。また、着色部の濃度は、分光透過率に基づいたY値(D65/2°視野)で52%であった。また、隣接する溝−溝間(レンズ間)のピッチは、70μmであった。また、形成されたレンチキュラレンズは、互いにほぼ同一の曲率半径(35μm)を有するものであった。
なお、ベース部材T15、透明樹脂T12A、着色樹脂T13を構成するアクリル系樹脂としては、PMMA樹脂(メタクリル樹脂)を用いた。また、着色樹脂T13としては、一般的にTint材と呼ばれる顔料をベース部材に事前に練り込んである。また、樹脂中には拡散材が混入されているが、比較のため、他の水準と同様Haze70%とした。
以上のようにして製造されたレンチキュラレンズ基板と、押出成形により作製したフレネルレンズ部とを組み立てることにより、前記実施例1と同様にして透過型スクリーンを得た。
前記各実施例および各比較例についての、易着色部(第1の易着色部、第2の易着色部)の形成に用いた処理液(第1の処理液、第2の処理液)および着色液(第1の着色液、第二の着色液)の形成に用いた処理液の条件(第1の着色液、第2の着色液)の一部、処理液(第1の処理液、第2の処理液)および着色液(第1の着色液、第2の着色液)を付与する際の基板本体および処理液の温度、を表1および2にまとめて示す。
Figure 0004114656
Figure 0004114656
[コントラストの評価]
前記各実施例および各比較例で作製された透過型スクリーンについて、コントラストの評価を行った。コントラストは、暗室において410lxの全白色が入射したときの白表示の正面輝度(白輝度)LW(cd/m)と、明室において光源を全消灯した時の黒表示の正面輝度の増加量(黒輝度増加量)LB(cd/m)との比、LW/LBを求めた。明室は、外光照度185lx(明室)の部屋で測定した。輝度の測定にはトプコン製輝度計BM−7を用いた。
[リア型プロジェクタの作製]
前記各実施例および各比較例の透過型スクリーンを用いて、図9に示すようなリア型プロジェクタを、それぞれ作製した。
[色ムラの評価]
前記各実施例および各比較例のリア型プロジェクタの透過型スクリーンの分光透過率を面内20ポイント測定し、その分光透過率に基づくY値(D65/2°視野)の最大値と最小値の差ΔT(Y)%を色ムラと定義し、色ムラの発生状況を以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:ΔT(Y):3%未満。色ムラが全く認められない。
○:ΔT(Y):3〜5%。色ムラがほとんど認められない。
△:ΔT(Y):5〜10%。色ムラがわずかに認められる。
×:ΔT(Y):10%超。色ムラが顕著に認められる。
[視野角の測定]
前記各実施例および各比較例のリア型プロジェクタの透過型スクリーンにサンプル画像を表示させた状態で、鉛直方向および水平方向での視野角の測定を行った。
視野角の測定は、変角光度計(ゴニオフォトメータ)MPC3100(島津製作所製)で、1度間隔で測定するという条件で行った。
[長期安定性の評価]
450lxの光を照射するリア型プロジェクタの投写光学ユニットの光の出射部の直前に、作成した透過型スクリーンを設置し、加速度的に長期安定性を評価した。
光の照射開始から10時間前後における、色調の差(変化量ΔT(Y))を透過型スクリーンの劣化、ムラとし、以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:劣化、ムラが全く認められない。変化量ΔT(Y)3%未満。
○:劣化、ムラがほとんど認められない。変化量ΔT(Y)3〜5%。
△:劣化、ムラがわずかに認められる。変化量ΔT(Y)5〜10%。
×:劣化、ムラが顕著に認められる。変化量ΔT(Y)10%超。
これらの結果を、着色部(第1の領域、第1の領域)の厚さとともに、表3にまとめて示す。
Figure 0004114656
表3から明らかなように、本発明のレンズ基板(マイクロレンズ基板)では、透過率(Y値)のばらつきが小さいのに対し、比較例6のレンズ基板(レンチキュラレンズ基板)では、透過率(Y値)のばらつきが大きかった。
また、表2から明らかなように、本発明では、優れたコントラストが得られ、また、視野角特性に優れ、長期安定性も問題ない。また、本発明では、色ムラのない優れた画像を表示することができた。すなわち、本発明では、優れた画像を長期間にわたって安定的に表示することができた。
これに対し、各比較例では、十分なコントラストが得られなかった。これは、着色部を有している場合であっても、着色部中における着色剤の含有率が均一なものである場合や、着色部が光の出射側に設けられている場合、外光の反射防止と、入射光(画像形成のために必要な光)についての十分な透過率の確保とを両立することができないためであると考えられる。また、透明樹脂の表面に硬化前の着色樹脂を積層することにより着色部を形成した比較例6では、コントラストが不十分であるばかりか、色ムラが顕著で低画質の画像しか表示することができなかった。これは、着色部の厚さのばらつきが大きいためであると考えられる。
本発明のレンズ基板(マイクロレンズ基板)の第1実施形態を示す模式的な縦断面図である。 図1に示すレンズ基板の平面図である。 図1に示すレンズ基板(マイクロレンズ基板)を備えた、本発明の透過型スクリーンの第1実施形態を示す模式的な縦断面図である。 マイクロレンズ基板の製造に用いるマイクロレンズ用凹部付き基板を示す模式的な縦断面図である。 図4に示すマイクロレンズ用凹部付き基板の製造方法を示す模式的な縦断面図である。 図1に示すレンズ基板(マイクロレンズ基板)の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。 図1に示すレンズ基板(マイクロレンズ基板)の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。 図1に示すレンズ基板(マイクロレンズ基板)の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。 本発明の透過型スクリーンを適用したリア型プロジェクタを模式的に示す図である。 比較例でのレンチキュラレンズ基板の製造に用いた製造装置の構成を示す図である。
符号の説明
1…マイクロレンズ基板(レンズ基板) 2…基板本体 21…マイクロレンズ(レンズ部) 22…着色部(外光吸収部) 221…第1の領域 222…第2の領域 23…樹脂 25…第1の易着色部 26…第2の易着色部 3…ブラックマトリックス(遮光層) 31…開口部 32…フォトポリマー 5…フレネルレンズ部 51…フレネルレンズ 6…マイクロレンズ用凹部付き基板 61…凹部 7…基板 71…初期凹部 8…マスク 81…初期孔 89…裏面保護膜 9…スペーサー 10…透過型スクリーン 11…平板 300…リア型プロジェクタ 310…投写光学ユニット 320…導光ミラー 340…筐体 T50…レンチキュラレンズ基板製造装置 T10…レンチキュラレンズ基板(レンチキュラレンズシート) T12A…透明かつ非着色の未重合(未硬化)のアクリル系樹脂(透明樹脂) T13…未重合(未硬化)のアクリル系樹脂(着色樹脂) T15…ベース部材 T51…ロール T52…コータ T53…乾燥機 T54…金型ロール T55…ディスペンサ T56…ニップロール T57…UVランプ T58…離型ロール

Claims (6)

  1. 光を入射させて用いるレンズ基板であって、
    レンズ部を有する基板本体を備えており、
    前記基板本体は、レンズ基板の光が入射する面であるレンズ面側に設けられた着色部と、前記着色部よりも光が出射する側に設けられた着色されていない非着色部とを有するものであり、
    前記着色部は、その厚さ方向に、着色剤の含有率が異なる複数の層を有する積層体であることを特徴とするレンズ基板。
  2. レンズ基板は、マイクロレンズ基板である請求項1に記載のレンズ基板。
  3. 請求項1または2に記載のレンズ基板を製造する方法であって、
    レンズ基板に対して、ベンジルアルコールを含む処理液による処理を施す処理液付与工程と、
    前記処理液による処理が施された基板本体に対し、着色剤を付与する工程とを有することを特徴とするレンズ基板の製造方法。
  4. 前記処理液付与工程として、所定の割合のベンジルアルコールを含有する第1の処理液を用いて行う第1の処理液付与工程と、
    前記第1の処理液よりもベンジルアルコールの含有率が低い第2の処理液を用いて行う第2の処理液付与工程とを有する請求項3に記載のレンズ基板の製造方法。
  5. 請求項1または2に記載のレンズ基板を備えたことを特徴とする透過型スクリーン。
  6. 請求項5に記載の透過型スクリーンを備えたことを特徴とするリア型プロジェクタ。
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