JP4114656B2 - レンズ基板、レンズ基板の製造方法、透過型スクリーンおよびリア型プロジェクタ - Google Patents
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Description
このようなリア型プロジェクタでは、画像のコントラストを高めるために、映像光の強度の低下を抑えつつ、外光反射を抑えることが求められる。
このような目的を達成するために、レンチキュラレンズ(レンチキュラレンズシート)の光の出射側に、観察面側(光の出射側)に着色処理が施された透光性前面板を配置したスクリーン(背面投写式スクリーン)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明のレンズ基板は、光を入射させて用いるレンズ基板であって、
レンズ部を有する基板本体を備えており、
前記基板本体は、レンズ基板の光が入射する面であるレンズ面側に設けられた着色部と、前記着色部よりも光が出射する側に設けられた着色されていない非着色部とを有するものであり、
前記着色部は、その厚さ方向に、着色剤の含有率が異なる複数の層を有する積層体であることを特徴とする。
前記第1の領域よりも着色剤の含有率が高く、かつ、前記第1の領域よりも光の入射側に設けられた第2の領域とを有するものであることが好ましい。
これにより、レンズ基板に入射し、反対の側に出射させるべき光の透過率を十分に高いものとしつつ、レンズ基板に入射させるべき光の入射側とは反対の側から入射した光(外光)を効率良く減衰させて外光の影響をより確実に防止することができる。
これにより、レンズ基板に入射し、反対の側に出射させるべき光の透過率を特に高いものとしつつ、レンズ基板に入射させるべき光の入射側とは反対の側から入射した光(外光)をさらに効率良く減衰させて外光の影響をより確実に防止することができる。
これにより、レンズ基板に入射し、反対の側に出射させるべき光の透過率を特に高いものとしつつ、レンズ基板に入射させるべき光の入射側とは反対の側から入射した光(外光)をさらに効率良く減衰させて外光の影響をより確実に防止することができる。
これにより、特に優れたコントラストの画像を得ることが可能なレンズ基板を提供することができる。
本発明のレンズ基板は、主としてアクリル系樹脂で構成されたものであることが好ましい。
アクリル系樹脂は、優れた透明性を有し、かつ、耐熱性、耐光性、加工性、成形した際の寸法精度、機械的強度等にも優れるため、レンズ基板の構成材料に適しているが、従来の着色方法では、着色が困難であったが、本発明では、このような難着色性(特に、難染色性)のアクリル系樹脂で構成された基板本体に対しても、容易かつ確実に着色部を形成することができる。したがって、レンズ基板が主としてアクリル系樹脂で構成されたものであることにより、各種特性が特に優れ、かつ、信頼性にも優れたものとすることができる。
本発明のレンズ基板では、前記着色部の厚さは、1〜10μmであることが好ましい。
これにより、コントラストに優れた画像を得ることが可能なレンズ基板を提供することができる。
レンズ基板に対して、ベンジルアルコールを含む処理液による処理を施す処理液付与工程と、
前記処理液による処理が施された基板本体に対し、着色剤を付与する工程とを有することを特徴とする。
これにより、着色部を形成すべき基板本体に対する悪影響の発生(例えば、基板の構成材料の劣化等)を十分に防止しつつ、効率良く着色部を形成することができる。
本発明のレンズ基板の製造方法では、前記処理液は、ベンゾフェノン系化合物および/またはベンゾトリアゾール系化合物を含むものであることが好ましい。
これにより、着色部を形成すべき基板本体に対する悪影響の発生(例えば、基板の構成材料の劣化等)を十分に防止しつつ、効率良く着色部を形成することができる。
これにより、着色部を形成すべき基板本体に対する悪影響の発生(例えば、基板の構成材料の劣化等)を十分に防止しつつ、効率良く着色部を形成することができる。
これにより、着色部を形成すべき基板本体に対する悪影響の発生(例えば、基板の構成材料の劣化等)をより確実に防止しつつ、容易かつ確実に好適な着色部を形成することができる。
前記第1の処理液よりもベンジルアルコールの含有率が低い第2の処理液を用いて行う第2の処理液付与工程とを有することが好ましい。
これにより、所望の厚さ、着色剤含有率の第1の領域および第2の領域を、容易かつ確実に形成することができる。
これにより、所望の厚さ、着色剤含有率の第1の領域および第2の領域を、容易かつ確実に形成することができる。
これにより、コントラストに優れた画像を得ることが可能な透過型スクリーンを提供することができる。
本発明のリア型プロジェクタは、本発明の透過型スクリーンを備えたことを特徴とする。
これにより、コントラストに優れた画像を得ることが可能なリア型プロジェクタを提供することができる。
まず、本発明のレンズ基板および透過型スクリーンの構成について説明する。
図1は、本発明のレンズ基板(マイクロレンズ基板)の第1実施形態を示す模式的な縦断面図、図2は、図1に示すレンズ基板の平面図、図3は、図1に示すレンズ基板を備えた、本発明の透過型スクリーンの第1実施形態を示す模式的な縦断面図である。なお、以下の説明では、図1、図3中の左側を「(光の)入射側」、右側を「(光の)出射側」と言う。また、本発明においては、特に断りのない限り、「(光の)入射側」、「(光の)出射側」とは、それぞれ、画像光(映像光)を得るための光の「入射側」、「出射側」のことを指し、外光等の「入射側」、「出射側」のことを指すものではない。また、本明細書で参照する各図は、着色部22(第1の領域221、第2の領域222)、易着色部(第1の易着色部25、第2の易着色部26)等、構成の一部を強調して示したものであり、実際の寸法を反映するものではない。
また、必要に応じて遮光層としてブラックマトリックス3を備えても良い。図1においては出射側に備えている様子を示している。
基板本体2の具体的な構成材料(光の屈折率が空気よりも大きい材料)としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等として)用いることができるが、中でも、透明性の観点から、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリル系樹脂が好ましいが、その中でも特にアクリル系樹脂が好ましい。アクリル系樹脂は、優れた透明性を有し、かつ、耐熱性、耐光性、加工性、成形した際の寸法精度、機械的強度等にも優れるため、レンズ基板(基板本体)の構成材料に適しているものの、従来の着色方法では、着色が困難であった。これに対し、本発明では、このような難着色性(特に、難染色性)のアクリル系樹脂で構成された基板本体に対しても、容易かつ確実に着色部を形成することができる。したがって、本発明において、主としてアクリル系樹脂で構成された基板本体を用いることにより、各種特性が特に優れ、かつ、信頼性にも優れたレンズ基板(マイクロレンズ基板)を提供することができる。また、アクリル系樹脂は、一般的に、比較的安価であり、製造コストの面からも有利である。
またこのとき、焦点fの近傍を開口するようにブラックマトリックス3を形成することにより、光の利用効率をさらに優れたものとすることができる。
このように、本発明は、レンズ基板の光の入射側に、着色剤の濃度の異なる複数の領域を有する着色部を設けることにより、入射側から入射した光を十分に透過することができるとともに、外光が、出射側に反射するのを効果的に防止することができることを見出した点に特徴を有する。
また、第1の層221の厚さ(平均厚さ)は、第1の領域221、第2の領域222における着色剤の含有率、第2の領域222の厚さ等により異なるが、1〜10μmであるのが好ましく、2〜8μmであるのがより好ましい。第1の領域221の厚さが前記範囲内の値であると、光の入射側から入射させるべき光の透過率を特に高いものとしつつ、レンズ基板1に入射させるべき光の入射側とは反対の側から入射した光(外光)を効率良く減衰させて外光の影響をより確実に防止することができる。
また、着色部22は、基板本体2に、後に詳述する処理液および着色液を付与することにより形成されたものであるため、各部位での厚さのばらつき(特に、基板本体の表面形状に対応しない厚さのばらつき)が小さい。これにより、投射される画像において、色ムラ等の不都合が発生するのをより確実に防止することができる。
このようなブラックマトリックス3は、各マイクロレンズ21を透過した光の光路上に開口部31を有しているのが望ましい。これにより、各マイクロレンズ21で集光された光を、効率良く、ブラックマトリックス3の開口部31を通過させることができる。その結果、マイクロレンズ基板1の光利用効率を高いものとすることができる。
また、ブラックマトリックス3の厚さ(平均厚さ)は、0.01〜5μmであるのが好ましく、0.01〜3μmであるのがより好ましく、0.03〜1μmであるのがさらに好ましい。ブラックマトリックス3の厚さが前記範囲内の値であると、ブラックマトリックス3の不本意な剥離、クラック等をより確実に防止しつつ、ブラックマトリックス3としての機能をより効果的に発揮させることができ、例えば、マイクロレンズ基板1を備えた透過型スクリーン10において、投影される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
図3に示すように、透過型スクリーン10は、フレネルレンズ部5と、前述したマイクロレンズ基板1とを備えている。フレネルレンズ部5は、光(画像光)の入射側に設置されており、フレネルレンズ部5を透過した光が、マイクロレンズ基板1に入射する構成になっている。
フレネルレンズ部5は、出射側表面に、ほぼ同心円状に形成されたプリズム形状のフレネルレンズ51を有している。このフレネルレンズ部5は、投射レンズ(図示せず)からの画像光を屈折させ、マイクロレンズ基板1の主面の垂直方向に平行な平行光Laにするものである。
このとき、マイクロレンズ基板1に入射した光は、十分な透過率でマイクロレンズ基板1を透過する。開口部31を通過した光は、拡散し、観察者に平面画像として観測される。
図4は、マイクロレンズ基板の製造に用いるマイクロレンズ用凹部付き基板を示す模式的な縦断面図、図5は、図4に示すマイクロレンズ用凹部付き基板の製造方法を示す模式的な縦断面図である。図6〜図8は、図1に示すマイクロレンズ基板の製造方法の一例を示す模式的な縦断面図である。なお、以下の説明では、図6〜図8中の下側を「(光の)入射側」、上側を「(光の)出射側」と言う。
また、マイクロレンズ用凹部付き基板の製造においては、実際には基板上に多数の凹部(マイクロレンズ用凹部)を形成し、マイクロレンズ基板の製造においては、実際には基板上に多数の凸部(凸レンズ)を形成するが、ここでは、説明をわかりやすくするために、その一部分を強調して示した。
図4に示すように、マイクロレンズ用凹部付き基板6は、ランダムに配された複数個の凹部(マイクロレンズ用凹部)61を有している。
本明細書中において「光学的にランダム」とは、モアレ等の光学的干渉の発生が十分に防止・抑制される程度に、マイクロレンズの配置が不規則で、乱れていることを意味する。
まず、マイクロレンズ用凹部付き基板6を製造するに際し、基板7を用意する。
この基板7は、厚さが均一で、たわみや傷のないものが好適に用いられる。また、基板7は、洗浄等により、その表面が清浄化されているものが好ましい。
マスク8は、レーザ光の照射等により、後述する初期孔81を形成することができるとともに、後述するエッチング工程におけるエッチングに対する耐性を有するものが好ましい。換言すれば、マスク8は、エッチングレートが、基板7と略等しいか、または、基板7に比べて小さくなるように構成されるのが好ましい。
かかる観点からは、このマスク8を構成する材料としては、例えばCr、Au、Ni、Ti、Pt等の金属やこれらから選択される2種以上を含む合金、前記金属の酸化物(金属酸化物)、シリコン、樹脂等が挙げられる。また、マスク8を、Cr/Auや酸化Cr/Crのように異なる材料からなる複数の層の積層構造としてもよい。
裏面保護膜89は、次工程以降で基板7の裏面を保護するためのものである。この裏面保護膜89により、基板7の裏面の侵食、劣化等が好適に防止される。この裏面保護膜89は、例えば、マスク8と同様の材料で構成されている。このため、裏面保護膜89は、マスク8の形成と同時に、マスク8と同様に設けることができる。
初期孔81は、いかなる方法で形成されるものであってもよいが、物理的方法またはレーザ光の照射により形成されるのが好ましい。これにより、マイクロレンズ用凹部付き基板を生産性良く製造することができる。特に、大面積の基板にも簡単に凹部を形成することができる。
具体的には、例えば、形成された初期孔81の平面視での形状は、略円形であり、その平均径(直径)は、2〜10μmであるのが好ましい。また、初期孔81は、マスク8上に1,000〜1,000,000個/cm2の割合で形成されているのが好ましく、10,000〜500,000個/cm2の割合で形成されているのがより好ましい。なお、初期孔81の形状は、略円形に限定されないことは言うまでもない。
また、形成されたマスク8に対して物理的方法またはレーザ光の照射で初期孔81を形成するだけでなく、例えば、基板7にマスク8を形成する際に、予め基板7上に所定パターンで異物を配しておき、その上にマスク8を形成することでマスク8に積極的に欠陥を形成し、当該欠陥を初期孔81としてもよい。
エッチングの方法は、特に限定されず、例えば、ウェットエッチング、ドライエッチング等が挙げられる。以下の説明では、ウェットエッチングを用いる場合を例に挙げて説明する。
また、ウェットエッチング法を用いると、凹部61を好適に形成できる。そして、エッチング液として、例えば、フッ酸(フッ化水素)を含むエッチング液(フッ酸系エッチング液)を用いると、基板7をより選択的に食刻することができ、凹部61を好適に形成することができる。
また、ウェットエッチングによれば、ドライエッチングに比べて簡単な装置で処理を行うことができ、さらに、一度に多くの基板に対して処理を行うことができる。これにより生産性が向上し、安価にマイクロレンズ用凹部付き基板6を提供することができる。
マスク8が主としてCrで構成されたものである場合、マスク8の除去は、例えば、硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含む混合物を用いたエッチングにより行うことができる。
以上により、図5(d)および図4に示すように、基板7上に多数の凹部61がランダムに形成されたマイクロレンズ用凹部付き基板6が得られる。
すなわち、物理的な方法またはレーザ光の照射によりマスク8に初期孔81を形成することで、従来のようなフォトリソグラフィ法によってマスクに開口部を形成する場合に比べて簡単かつ安価にマスク8に所定パターンで開口部(初期孔81)を形成することができる。これにより生産性が向上し、安価にマイクロレンズ用凹部付き基板6を提供することができる。
さらに、工程<A4>でマスク8を除去した後、基板7上に新しいマスクを形成し、マスク形成−初期孔形成−ウェットエッチング−マスク除去の一連の工程を繰り返して行ってもよい。これにより、凹部61が緻密に形成されたマイクロレンズ用凹部付き基板6を得ることができる。
<B1>まず、図6(a)に示すように、マイクロレンズ用凹部付き基板6の凹部61が形成された側の面に、流動性を有する状態の樹脂23(例えば、軟化状態の樹脂23、未重合(未硬化)の樹脂23)を付与する。本実施形態では、本工程において、マイクロレンズ用凹部付き基板6の凹部61が形成されていない領域に、スペーサー9を配しておき、樹脂23を平板11で押圧する構成になっている。これにより、形成されるマイクロレンズ基板1の厚さをより確実に制御することができ、最終的に得られるマイクロレンズ基板1での、マイクロレンズ21の焦点の位置を、より確実に制御することができる。
なお、樹脂23の付与、平板11での押圧に先立ち、マイクロレンズ用凹部付き基板6の凹部61が形成されている側の面や、平板11の樹脂23を押圧する側の面に離型剤を塗布しておいてもよい。これにより、後述する工程において、マイクロレンズ用凹部付き基板6や平板11から、基板本体2を容易かつ確実に分離(剥離)することができる。
樹脂23の固化を硬化(重合)により行う場合、その方法としては、例えば、紫外線等の光の照射、電子線の照射、加熱等の方法が挙げられる。
まず、図6(c)に示すように、基板本体2の出射側表面に、遮光性を有するポジ型のフォトポリマー32を付与する。基板本体2表面へのフォトポリマー32の付与方法としては、例えば、ディップコート、ドクターブレード、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、ロールコーター等の各種塗布法等を用いることができる。フォトポリマー32は、遮光性を有する樹脂で構成されたものであってもよいし、(遮光性の低い)樹脂材料に、遮光性の材料が分散または溶解したものであってもよい。フォトポリマー32の付与後、必要に応じて、例えば、プレベーク処理等の熱処理を施してもよい。
また、現像後、必要に応じて、例えば、ポストベーク処理等の熱処理を施してもよい。
なお、ブラックマトリックス3は必ずしも形成しておく必要はなく、形成しない場合は、上記<B3>、<B4>の工程は省略することができる。
その後、後述する着色処理を行うことにより、第1の易着色部25に第一の着色処理を行う。なお、前述の第1の処理液中には、ベンジルアルコール以外に他の添加物が含まれていても良く、着色剤が含まれていてもよい。
その後、後述する着色処理を行うことにより、第2の易着色部26に第二の着色処理を行う。なお、前述の第1の処理液中には、ベンジルアルコール以外に他の添加物が含まれていてもよく、着色剤が含まれていてもよい。なお、その他の添加物、および着色処理については後述する。
また、処理液を付与する工程は、例えば、雰囲気圧を高めた状態(加圧した状態)で行ってもよい。これにより、処理液の基板本体内部への侵入を促進することができ、結果として、易着色部25を短時間で効率良く形成することができる。
また、ベンゾフェノン系化合物および/またはベンゾトリアゾール系化合物を、ベンジルアルコールと併用することにより、処理液の付与条件がより温和なものであっても、より確実に易着色部(第1の易着色部25、第2の易着色部26)を形成することができる。その結果、易着色部(第1の易着色部25、第2の易着色部26)を形成すべき基板本体2に対する悪影響の発生(例えば、基板の構成材料の劣化等)をより効果的に防止することができる。
また、処理液中には、例えば、着色剤が含まれていてもよい。これにより、易着色部の厚さを容易に認識することができる。
すなわち、第1の処理液中におけるベンジルアルコールの含有率は、特に限定されないが、0.1〜8.0wt%であるのが好ましく、0.3〜7.0wt%であるのがより好ましく、0.5〜6.0wt%であるのがさらに好ましい。ベンジルアルコールの含有率が上記範囲内の値であると、第1の易着色部25を形成すべき基板本体に対する悪影響の発生(例えば、基板の構成材料の劣化等)をより効果的に防止しつつ、容易かつ確実に好適な第1の易着色部25を形成することができる。
すなわち、第2の処理液中におけるベンジルアルコールの含有率は、特に限定されないが、0.05〜5.0wt%であるのが好ましく、0.1〜4.0wt%であるのがより好ましく、0.2〜3.0wt%であるのがさらに好ましい。ベンジルアルコールの含有率が上記範囲内の値であると、第2の易着色部26を形成すべき基板本体に対する悪影響の発生(例えば、基板の構成材料の劣化等)をより効果的に防止しつつ、容易かつ確実に好適な第2の易着色部26を形成することができる。
また、処理液の付与後(第1の処理液の付与後、第2の処理液の付与後)には、必要に応じて、加熱、冷却等の熱処理、光照射、雰囲気の減圧等の処理を施してもよいし、連続的に着色処理を行ってもよい。
上述したように、着色液の付与(第一の着色工程)に先立ち、基板本体2には、易着色部25が形成されている。このため、本工程(着色液付与工程)では、易着色部(第1の易着色部25)が選択的に着色される。
同様に、第二の着色工程に先立ち、基板本体2には、第2の易着色部26が形成されている。このため、本工程(着色液付与工程)では、易着色部(第2の易着色部26)が選択的に着色される。
また、着色液を付与する工程は、例えば、雰囲気圧を高めた状態(加圧した状態)で行ってもよい。これにより、着色液の基板本体2内部への侵入を促進することができ、結果として、着色部22を短時間で効率良く形成することができる。
また、着色液の付与後、必要に応じて、加熱、冷却等の熱処理、光照射、雰囲気の加圧、減圧等の処理を施してもよい。これにより、着色部22の定着(安定化)を促進することができる。
着色液中に含まれる着色剤は、各種染料、各種顔料等、いかなるものであってもよいが、染料であるのが好ましく、分散染料および/またはカチオン系染料であるのがより好ましく、分散染料であるのがさらに好ましい。これにより、着色部を形成すべき基板本体に対する悪影響の発生(例えば、基板の構成材料の劣化等)を十分に防止しつつ、効率良く着色部22を形成することができる。特に、着色液が付与される基板本体2が、アクリル系樹脂のような、従来の方法では、着色するのが困難であった材料で構成されたものであっても、容易かつ確実に着色することができる。これは、上記のような着色剤が、アクリル系樹脂等が有するエステル基(エステル結合)を着色座席とするために、より着色しやすいためであると考えられる。
また、着色液中には、例えば、前述したようなベンジルアルコール、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物等が含まれていてもよい。これにより、基板本体の着色性の更なる向上を図ることができる。
以上、説明したように、本実施形態の製造方法では、ベンジルアルコールを含む処理液で基板を処理したのち、着色工程を行うことで、着色が困難なアクリル系樹脂を基板に用いた場合でも、容易に、且つ、大面積でも均一な着色を、高速度で実現することが可能となり、特に着色層の濃度のコントロールを均一にまた容易にすることができる。
図9は、本発明のリア型プロジェクタの構成を模式的に示す図である。
同図に示すように、リア型プロジェクタ300は、投写光学ユニット310と、導光ミラー320と、透過型スクリーン10とが筐体340に配置された構成を有している。
そして、このリア型プロジェクタ300は、上記のような透過型スクリーン10を備えているので、コントラストに優れた画像を得ることができる。さらに、本実施形態では、上記のような構成を有しているので、視野角特性、光利用効率等も特に優れたものとなる。
また、特に、前述したマイクロレンズ基板1では、マイクロレンズ21がランダム(光学的にランダム)に配されているので、リア型プロジェクタ300では、モアレ等の問題が極めて発生し難い。
例えば、レンズ基板、透過型スクリーン、リア型プロジェクタを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
また、前述した実施形態では、レンズ基板が有するレンズ(レンズ部)が凸レンズであるものとして説明したが、レンズ基板が有するレンズ(レンズ部)は、例えば、凹レンズであってもよい。
また、前述した実施形態では、平面視したときの形状が略円形のマイクロレンズがランダムに配置されたものとして説明したが、マイクロレンズの形状、配置はこのようなものに限定されない。例えば、マイクロレンズは、格子状に配されたものであってもよいし、ハニカム状に形成されたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、透過型スクリーンが、マイクロレンズ基板(レンズ基板)とフレネルレンズとを備えるものとして説明したが、本発明の透過型スクリーンは、必ずしも、フレネルレンズを備えたものでなくてもよい。例えば、本発明の透過型スクリーンは、実質的に、本発明のレンズ基板のみで構成されたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、ブラックマトリックス(遮光層)は、遮光性の材料を含むフォトポリマーを、マイクロレンズ基板(レンズ基板)の表面に付着させることにより形成するものとして説明したが、ブラックマトリックス(遮光層)の形成方法は、これに限定されず、例えば、染色、(化学的な)発色、変色等によるものであってもよい。
また、前述した実施形態では、レンズ基板は、透過型スクリーン、リア型プロジェクタを構成する部材であるものとして説明したが、本発明のレンズ基板は、透過型スクリーン、リア型プロジェクタに適用されるものに限定されず、いかなる用途のものであってもよい。例えば、本発明のレンズ付き基板は、投射型表示装置(フロントプロジェクタ)の液晶ライトバルブの構成部材に適用されるものであってもよい。
(実施例1)
以下のように、マイクロレンズ用の凹部を備えたマイクロレンズ用凹部付き基板を製造し、このマイクロレンズ用凹部付き基板を用いてマイクロレンズ基板を製造した。
まず、基板として、1.2m×0.7m角、厚さ4.8mmのソーダガラス基板を用意した。
このソーダガラス基板を、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む洗浄液に浸漬して6μmエッチングを行い、その表面を清浄化した。
その後、純水洗浄およびN2ガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
次に、マスクに対してレーザ加工を行い、マスクの中央部113cm×65cmの範囲に多数の初期孔を形成した。
なお、レーザ加工は、YAGレーザを用いて、エネルギー強度1mW、ビーム径3μm、照射時間60×10−9秒という条件で行った。
また、この際、ソーダガラス基板の表面に深さ0.1μmの凹部および変質層も形成した。
なお、ウェットエッチングは、エッチング液として、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む水溶液を用い、浸漬時間は5時間とした。
その後、純水洗浄およびN2ガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
これにより、ソーダガラス基板上に、マイクロレンズ用の多数の凹部がランダムに形成されたウエハー状のマイクロレンズ用凹部付き基板を得た。得られた凹部付き基板を平面視したときに、凹部が形成されている有効領域において、凹部が占める面積の割合が97%であった。また、マイクロレンズ用凹部付き基板の任意の近接した2点間(凹部−凹部間)の距離を多数とり、それらから標準偏差を求めた。このようにして求められた標準偏差は、それらの平均の32%であった。
その後、平板上から、加熱することにより、アクリル系樹脂を硬化させ、基板本体を得た。また、得られた基板本体の樹脂層の厚さは2mm、マイクロレンズの曲率半径は35μm、マイクロレンズの直径は70μmであった。また、得られた基板本体を平面視したときに、マイクロレンズが形成されている有効領域において、マイクロレンズが占める面積(投影面積)の割合は97%であった。
次に、基板本体の出射側(マイクロレンズが形成されている面とは反対側の面)表面に、遮光性材料(カーボンブラック)が添加されたポジ型のフォトポリマー(PC405G:JSR株式会社製)を、ロールコーターにより付与した。フォトポリマー中における遮光性材料の含有量は、20wt%であった。
次に、マイクロレンズ用凹部付き基板の凹部が形成されている側の面とは反対側の面から、80mJ/cm2の平行光としての紫外線を照射した。これにより、照射した紫外線は、各マイクロレンズで集光され、各マイクロレンズの焦点f(ブラックマトリックスの厚さ方向の中心付近)近傍のフォトポリマーを選択的に露光した。
その後、純水洗浄およびN2ガスを用いた乾燥(純水の除去)を行い、さらに、200℃×30分のポストベーク処理を施した。これにより、各マイクロレンズに対応した開口部を有するブラックマトリックスが形成された。形成されたブラックマトリックスの厚さは2μm、開口部の直径は45μmであった。
その後、基板本体に対して、ディッピングにより、ベンジルアルコールを含む第1の処理液を付与した。このとき、マイクロレンズが形成された面側全体が処理液に接触し、かつ、ブラックマトリックスが形成された面側には処理液が接触しないようにした。また、第1の処理液を付与する際の基板本体および処理液の温度は、90℃に調整した。第1の処理液としては、ベンジルアルコール:15重量部、ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン(ベンゾフェノン系化合物):3重量部、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(ベンゾトリアゾール系化合物):2重量部、純水:1000重量部の混合物を用いた。
上記のような条件で、基板本体と処理液とを15分間接触させた後、処理液が貯留された槽から、基板本体を取り出し、水洗・乾燥することにより、第1の易着色部が形成された基板本体を得た。
上記のような条件で、基板本体と処理液とを10分間接触させた後、処理液が貯留された槽から、基板本体を取り出し、易着色部(第1の易着色部、第2の易着色部)が形成された基板本体を得た。
以上のようにして製造されたマイクロレンズ基板と、押出成形により作製したフレネルレンズ部とを組み立てることにより、図3に示すような透過型スクリーンを得た。
処理液(第1の処理液、第2の処理液)および着色液(第1の着色液、第2の着色液)中におけるベンジルアルコール、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物の含有率、処理液(第1の処理液、第2の処理液)を付与する際の基板本体および処理液の温度、着色液を付与する際の基板本体および着色液の温度を表1に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。なお、処理液、着色液中におけるベンジルアルコール、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物の含有率の変更は、これらに対応するように純水を増減させることにより行った。
(実施例8)
基板本体に対して、ブラックマトリックスを形成しなかった以外は、前記実施例1と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。
基板本体に対して、易着色部(第1の易着色部、第2の易着色部)、着色部(第1の領域、第2の領域)を形成しなかった以外は、前記実施例8と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。
まず、基板として、1.2m×0.7m角、厚さ4.8mmのソーダガラス基板を用意した。
このソーダガラス基板を、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む洗浄液に浸漬して6μmエッチングを行い、その表面を清浄化した。
その後、純水洗浄およびN2ガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
次に、マスクに対してレーザ加工を行い、マスクの中央部113cm×65cmの範囲に多数の直線状の溝(孔)を、互いに平行になるように形成した。隣接する溝−溝間のピッチは、140μmであった。
なお、レーザ加工は、YAGレーザを用いて、エネルギー強度1mW、ビーム径3μm、照射時間60×10−9秒という条件で行った。
また、この際、ソーダガラス基板の表面に深さ0.1μmの凹部および変質層も形成した。
なお、ウェットエッチングは、エッチング液として、4wt%の一水素二フッ化アンモニウムと、8wt%の過酸化水素とを含む水溶液を用い、浸漬時間は5時間とした。
その後、純水洗浄およびN2ガスを用いた乾燥(純水の除去)を行った。
これにより、ソーダガラス基板上に、レンチキュラレンズ用の多数の凹部(溝部)が形成されたウエハー状のレンチキュラレンズ用凹部付き基板を得た。
その後、加熱することにより、アクリル系樹脂を硬化させ、レンチキュラレンズ基板を得た。また、得られたレンチキュラレンズ基板の樹脂層の厚さは1mm、レンチキュラレンズの曲率半径は35μmであった。
以上のようにして製造されたレンチキュラレンズ基板と、押出成形により作製したフレネルレンズ部とを組み立てることにより、前記実施例1と同様にして透過型スクリーンを得た。
前記実施例1と同様にして、ブラックマトリックスが形成されていない基板本体を製造した。その後、基板本体がマイクロレンズ用凹部付き基板と密着した状態で、基板本体の光の出射側の面に、前記実施例1と同様にして易着色部(第1の易着色部、第2の易着色部)、着色部(第1の領域、第2の領域)を形成した。その後、マイクロレンズ用凹部付き基板を取り外すことにより、マイクロレンズ基板を得た。また、このようにして得られたマイクロレンズ基板を用いて、前記実施例1と同様にして透過型スクリーンを製造した。
第1の処理液による処理を行った後、第1の易着色部に着色液を付与する工程を行い、第2の処理液による処理および第2の易着色部に着色液を付与する工程を行わなかった以外は、前記実施例1と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。
(比較例5)
第1の処理液による処理を行った後、第1の易着色部に着色液を付与する工程を行い、第2の処理液による処理および第2の易着色部に着色液を付与する工程を行わなかった以外は、前記実施例1と同様にしてマイクロレンズ基板、透過型スクリーンを製造した。
以下に述べるように、光の入射側に着色長の含有率が均一な着色部を有する、レンチキュラレンズ基板を製造した。
まず、図10に示すように、連続したフィルム状のアクリル系樹脂で構成されたベース部材T15が巻かれたロールT51と、ベース部材T15の片面(入光側)に、溶剤で希釈した透明かつ非着色の未重合(未硬化)のアクリル系樹脂(透明樹脂)T12AをコーティングするコータT52と、ベース部材T15にコーティングされた透明樹脂T12Aを乾燥させる乾燥機T53と、レンチキュラレンズ形状の型が形成された金型ロールT54と、その金型ロールT54に、着色された未重合(未硬化)のアクリル系樹脂(着色樹脂)T13を塗工するディスペンサT55と、金型ロールT54に着色樹脂T13、透明樹脂T12Aを挟んで、ベース部材T15をニップするニップロールT56と、金型ロールT54の型内の着色樹脂T13、透明樹脂T12AにUVを照射するUVランプT57と、成形されたレンチキュラレンズ基板(レンチキュラレンズシート)T10を金型ロールT54から離型する離型ロールT58などとを備えたレンチキュラレンズ基板製造装置T50を用意した。
このレンチキュラレンズ基板製造装置T50において、フィルム状のベース部材T15に、コータT52を用いて、高粘度の透明樹脂T12Aを、溶剤希釈してコートした(透明樹脂コート工程)後に、乾燥機T53によって、温風乾燥して(溶剤乾燥工程)、流動性を抑えた、透明樹脂層を形成した。
その後に、UVランプT57によって、ベース部材T15側から、紫外線を照射して(照射工程)、着色樹脂T13と透明樹脂T12Aとを硬化させた。最後に、金型ロールT54から、ベース部材T15に着色樹脂T13と透明樹脂T12Aからなるレンズ部T12が形成されたレンチキュラレンズ基板T10を剥離し、レンチキュラレンズ基板T10を得た。
以上のようにして製造されたレンチキュラレンズ基板と、押出成形により作製したフレネルレンズ部とを組み立てることにより、前記実施例1と同様にして透過型スクリーンを得た。
前記各実施例および各比較例で作製された透過型スクリーンについて、コントラストの評価を行った。コントラストは、暗室において410lxの全白色が入射したときの白表示の正面輝度(白輝度)LW(cd/m2)と、明室において光源を全消灯した時の黒表示の正面輝度の増加量(黒輝度増加量)LB(cd/m2)との比、LW/LBを求めた。明室は、外光照度185lx(明室)の部屋で測定した。輝度の測定にはトプコン製輝度計BM−7を用いた。
[リア型プロジェクタの作製]
前記各実施例および各比較例の透過型スクリーンを用いて、図9に示すようなリア型プロジェクタを、それぞれ作製した。
前記各実施例および各比較例のリア型プロジェクタの透過型スクリーンの分光透過率を面内20ポイント測定し、その分光透過率に基づくY値(D65/2°視野)の最大値と最小値の差ΔT(Y)%を色ムラと定義し、色ムラの発生状況を以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:ΔT(Y):3%未満。色ムラが全く認められない。
○:ΔT(Y):3〜5%。色ムラがほとんど認められない。
△:ΔT(Y):5〜10%。色ムラがわずかに認められる。
×:ΔT(Y):10%超。色ムラが顕著に認められる。
前記各実施例および各比較例のリア型プロジェクタの透過型スクリーンにサンプル画像を表示させた状態で、鉛直方向および水平方向での視野角の測定を行った。
視野角の測定は、変角光度計(ゴニオフォトメータ)MPC3100(島津製作所製)で、1度間隔で測定するという条件で行った。
450lxの光を照射するリア型プロジェクタの投写光学ユニットの光の出射部の直前に、作成した透過型スクリーンを設置し、加速度的に長期安定性を評価した。
光の照射開始から10時間前後における、色調の差(変化量ΔT(Y))を透過型スクリーンの劣化、ムラとし、以下の4段階の基準に従い評価した。
◎:劣化、ムラが全く認められない。変化量ΔT(Y)3%未満。
○:劣化、ムラがほとんど認められない。変化量ΔT(Y)3〜5%。
△:劣化、ムラがわずかに認められる。変化量ΔT(Y)5〜10%。
×:劣化、ムラが顕著に認められる。変化量ΔT(Y)10%超。
これらの結果を、着色部(第1の領域、第1の領域)の厚さとともに、表3にまとめて示す。
また、表2から明らかなように、本発明では、優れたコントラストが得られ、また、視野角特性に優れ、長期安定性も問題ない。また、本発明では、色ムラのない優れた画像を表示することができた。すなわち、本発明では、優れた画像を長期間にわたって安定的に表示することができた。
Claims (6)
- 光を入射させて用いるレンズ基板であって、
レンズ部を有する基板本体を備えており、
前記基板本体は、レンズ基板の光が入射する面であるレンズ面側に設けられた着色部と、前記着色部よりも光が出射する側に設けられた着色されていない非着色部とを有するものであり、
前記着色部は、その厚さ方向に、着色剤の含有率が異なる複数の層を有する積層体であることを特徴とするレンズ基板。 - レンズ基板は、マイクロレンズ基板である請求項1に記載のレンズ基板。
- 請求項1または2に記載のレンズ基板を製造する方法であって、
レンズ基板に対して、ベンジルアルコールを含む処理液による処理を施す処理液付与工程と、
前記処理液による処理が施された基板本体に対し、着色剤を付与する工程とを有することを特徴とするレンズ基板の製造方法。 - 前記処理液付与工程として、所定の割合のベンジルアルコールを含有する第1の処理液を用いて行う第1の処理液付与工程と、
前記第1の処理液よりもベンジルアルコールの含有率が低い第2の処理液を用いて行う第2の処理液付与工程とを有する請求項3に記載のレンズ基板の製造方法。 - 請求項1または2に記載のレンズ基板を備えたことを特徴とする透過型スクリーン。
- 請求項5に記載の透過型スクリーンを備えたことを特徴とするリア型プロジェクタ。
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