JP4114420B2 - ハイブリッドコンプレッサ及びその制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として車両用空調装置等に用いられ、エンジンと電動モータとを含む2つの駆動源により選択的に駆動されるハイブリッドコンプレッサ及びその制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般の車両用空調装置等では、エンジンの停止時にはコンプレッサの駆動を行なえないため冷房も行なえない状況となる。これに対して近年、停車時にエンジンを停止させるアイドルストップ車両や、停車時に加えて走行中でも状況に応じてエンジンを停止させるハイブリッド車両等が出てきたこともあり、これらの車両において快適な冷房性能を得る手段として、エンジン稼動時にはエンジン駆動、エンジン停止時には電動モータ駆動で使用することができるハイブリッドコンプレッサが使われてきている。
【0003】
特開2000−110734号公報に、エンジンと電動モータとによって駆動されるハイブリッドコンプレッサ及びその制御方法が開示されている。このハイブリッドコンプレッサは、回転軸を有する圧縮機構と、回転軸に連結された出力軸を有する電動モータと、出力軸に連結された電磁クラッチとを有する。そしてエンジンは、電磁クラッチを介して出力軸に連結される。
【0004】
エンジンの運転状態において電磁クラッチがオンされると、エンジンの駆動力が出力軸を介して回転軸に伝達されて、圧縮機構が駆動される。また、エンジンが停止状態で、かつ電磁クラッチのオフにより出力軸及び回転軸がエンジンから切り離された時には、バッテリの電力によって電動モータが圧縮機構を駆動することが可能である。
【0005】
更に、上記のハイブリッドコンプレッサにおける圧縮機構は、ピストンを斜板の回転にて駆動し、外部から容量調整機構を調整することにより、斜板の傾斜角度を可変して任意の容量に可変可能な斜板型外部可変容量コンプレッサが用いられている。そして、冷凍サイクルにおいて常に適正な冷房能力が発揮されるよう、冷凍サイクルにかかる冷房負荷に応じて斜板の傾斜角度を調整して吐出容量を制御している。
【0006】
また、本出願人は特開平10−291415号公報で、ハイブリッドコンプレッサのモータを小型化し車両搭載性を向上させる手段として、モータ起動時の負荷(容量)をゼロとしておき、モータの回転が安定してから負荷を掛ける(容量を上げる)方法を開示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来装置では、一旦容量をゼロにしてから必要な容量に復帰させるのにある程度の時間が必要となる。特に熱容量が小さく目標冷房能力が低い場合には容量復帰に時間が掛かり、その間空調フィーリングが悪くなるという問題点がある。上記に示した公報では、この問題点を解決するための構成或いは方法を開示していない。
【0008】
本発明は、上記従来の問題を解決するために成されたものであり、その目的は、電動モータによる駆動を開始した際に速やかに容量復帰させることのできるハイブリッドコンプレッサ及びその制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1ないし請求項9に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、圧縮機構を斜板(41)の回転にて駆動し、外部から容量制御手段(4a)を制御することにより斜板(41)の傾斜角度を可変して任意の容量に可変可能な斜板型外部可変容量コンプレッサを冷凍サイクル(5)のコンプレッサ(4)として備え、そのコンプレッサ(4)をエンジン(1)または電動モータ(6)のいずれか一方にて駆動するように構成されたハイブリッドコンプレッサの制御装置において、
制御装置(15)は、電動モータ(6)でコンプレッサ(4)の駆動を開始する際、容量制御手段(4a)を、まず、冷凍サイクル(5)の状況から求まる容量とする制御値(S)よりも容量を大きくする初期制御値(SS)とすることにより斜板(41)を早期に傾斜させる切っ掛けを作り、その後、制御値(S)に制御することを特徴とする。
【0010】
これは、本発明のような斜板型外部可変容量コンプレッサの場合、少しでも斜板(41)が傾いて容量が復帰し始めれば、より容量が大きくなる方向に力が働くことに着目したものであり、その斜板(41)が傾き始める切っ掛けとして、容量制御手段(4a)に冷凍サイクル(5)の状況から求まる容量よりも大きな容量とする初期制御値(SS)を与えるものである。これにより、電動モータ(6)による駆動を開始した際に、速やかに容量復帰させることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、圧縮機構を斜板(41)の回転にて駆動し、外部から容量制御手段(4a)を制御することにより斜板(41)の傾斜角度を可変して任意の容量に可変可能な斜板型外部可変容量コンプレッサを冷凍サイクル(5)のコンプレッサ(4)として備え、そのコンプレッサ(4)をエンジン(1)または電動モータ(6)のいずれか一方にて駆動するように構成されたハイブリッドコンプレッサの制御装置において、
制御装置(15)は、電動モータ(6)でコンプレッサ(4)の駆動を開始する際、電動モータ(6)を、まず、所定回転数(R)よりも回転数を高くした初期回転数(SR)で駆動を開始することにより斜板(41)を早期に傾斜させる切っ掛けを作り、その後、所定回転数(R)とすることを特徴とする。
【0012】
これは、上述した斜板(41)に傾きを与える切っ掛けとして、電動モータ(6)を所定回転数(R)よりも回転数を高くした初期回転数(SR)で駆動を開始するものである。これにより、斜板(41)の慣性が大きくなり、電動モータ(6)による駆動を開始した際に、速やかに容量復帰させることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明では、冷凍サイクル(5)の高圧側冷媒圧力を検知する冷媒圧力検知手段(26)を備え、その冷媒圧力検知手段(26)で検知される高圧側冷媒圧力に応じて初期制御値(SS)もしくは初期回転数(SR)を可変することを特徴とする。これにより、圧縮機構の負荷に応じた初期制御値(SS)もしくは初期回転数(SR)が設定されることとなる。
【0014】
請求項4に記載の発明では、電動モータ(6)でコンプレッサ(4)の駆動を開始した後、所定時間(T1)の経過をもって、初期制御値(SS)を制御値(S)とする、もしくは初期回転数(SR)を所定回転数(R)とすることを特徴とする。
【0015】
これは、斜板(41)が傾き始めたら速やかに、冷凍サイクル(5)の状況から求まる容量とする制御値(S)、もしくは所定回転数(R)に戻さないと冷え過ぎや無駄な動力消費を招くことになるためであり、このように、斜板(41)が傾き始める切っ掛けに充分な所定時間(T1)だけ初期制御値(SS)もしくは初期回転数(SR)として戻すことで冷え過ぎや無駄な動力消費を防ぐことができる。
【0016】
請求項5に記載の発明では、電動モータ(6)の回転数を検知する回転数検知手段(27)を備えると共に、電動モータ(6)でコンプレッサ(4)の駆動を開始した後、電動モータ(6)の回転数が所定値(ΔA)以上低下したことを検出し、この検出タイミングにて初期制御値(SS)を制御値(S)とすることを特徴とする。これは、電動モータ(6)の回転数が低下したことで、斜板(41)が傾き始めて負荷が掛かりだしたことを検出できるためであり、このような制御とすることによっても冷え過ぎや無駄な動力消費を防ぐことができる。
【0017】
請求項6に記載の発明では、電動モータ(6)に流れる駆動電流を検知する電流検知手段(28)を備えると共に、電動モータ(6)でコンプレッサ(4)の駆動を開始した後、電動モータ(6)の駆動電流が所定値(ΔB)以上低下したことを検出し、この検出タイミングにて初期制御値(SS)を制御値(S)とすることを特徴とする。
【0018】
これは、電動モータ(6)の駆動電流が低下したことで、斜板(41)が傾き始めて負荷が掛かりだしたことを検出できるためであり、このような制御とすることによっても冷え過ぎや無駄な動力消費を防ぐことができる。
【0019】
請求項7に記載の発明では、冷凍サイクル(5)に蒸発器(14)と、その蒸発器(14)を通過した直後の空気温度を検知する空気温度検知手段(29)を備えると共に、電動モータ(6)でコンプレッサ(4)の駆動を開始した後、上昇していた空気温度が再び下降し始める変化点(C)を検出し、この変化点(C)を検出したタイミングにて初期制御値(SS)を制御値(S)とする、もしくは初期回転数(SR)を所定回転数(R)とすることを特徴とする。
【0020】
これは、コンプレッサ(4)の圧縮容量が復帰した結果として、上昇していた空気温度が再び下降し始めるため、このような変化点(C)を検出する制御とすることによっても冷え過ぎや無駄な動力消費を防ぐことができる。
【0021】
請求項8に記載の発明では、初期制御値(SS)を制御値(S)とする際、もしくは初期回転数(SR)を所定回転数(R)とする際、所定時間(T2)を掛けて収束させることを特徴とする。これにより、なだらかに通常制御に移行するため、空調フィーリングを悪化させることが無い。
【0022】
請求項9に記載の発明では、圧縮機構を斜板(41)の回転にて駆動し、外部から容量制御手段(4a)を制御することにより斜板(41)の傾斜角度を可変して任意の容量に可変可能な斜板型外部可変容量コンプレッサ(4)であり、エンジン(1)または電動モータ(6)のいずれか一方にて駆動するように構成され、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の制御装置を備えることを特徴とする。
【0023】
これにより、電動モータ(6)による駆動を開始した際に、速やかに容量復帰する斜板型外部可変容量のハイブリッドコンプレッサ(4)とすることができる。ちなみに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態を、図面に基づき説明する。図1は、本発明の一実施形態におけるハイブリッドコンプレッサを用いた車両用空調装置の全体システム図である。尚、本実施形態ではトラック等の荷物を運搬する車両に適用したものである。また、本実施形態におけるトラックは、エンジンを稼動したまま荷物を積み降ろしすることを防止するために、車両が停止するとエンジンを停止し、冷房能力不足時はエンジンをかけるようになっている。
【0025】
図1において、1は車両に搭載された走行駆動源であるエンジンである。エンジン1の出力軸には、駆動プーリ2が設けられており、この駆動プーリ2は、エンジン1の駆動と連動して回転するようになっている。3は動力断続手段としての周知の電磁クラッチであり、駆動プーリ2と電磁クラッチ3には、動力伝達部材であるベルト7が巻架されている。4は車両の冷凍サイクル5の構成部品であるコンプレッサである。これにより、電磁クラッチ3に通電(オン)が施されて、コンプレッサ4と連結されているときは、エンジン1によってコンプレッサ4が駆動される。
【0026】
コンプレッサ4は、エンジン1以外に内蔵された電動モータ6(直流モータ)によっても駆動されるようになっている。電動モータ6は、図示しない車載バッテリから電力が供給されて駆動する。そして、コンプレッサ4は、その動力源が電磁クラッチ3によって、上記エンジン1もしくは電動モータ6のいずれか一方に選択されるようになっている。
【0027】
つまり、本実施形態では、エンジン1停止時に、電動モータ6にてコンプレッサ4を駆動する時には、電磁クラッチ4への通電を遮断(オフ)して、エンジン1とコンプレッサ4との連結を遮断しておき、その後、電動モータ6を駆動してコンプレッサ4を駆動する。尚、電磁クラッチレスタイプとしてワンウェイクラッチを利用して駆動を切り替えるものであっても良い。
【0028】
ここで、上記冷凍サイクル5について簡単に説明する。先ず、図2は本発明の実施形態に係わる斜板型外部可変容量コンプレッサの断面図である。このコンプレッサ4は、ピストン43等の圧縮機構を斜板41の回転にて駆動し、外部から容量制御手段としての電磁式圧力制御弁4a(図1参照、以下、圧力制御弁)を制御して斜板室42内の圧力を調整することにより、斜板41の傾斜角度を可変して任意の吐出容量に可変可能な斜板型外部可変容量コンプレッサ4を構成している。
【0029】
尚、図2の44は後述する蒸発器の出口側に接続される吸入口であり、45は同じく後述する凝縮器の入口側に接続される吐出口である。また、61はコンプレッサ部4の回転軸ともなり電動モータ部6の出力軸ともなるシャフトであり、62と63は電動モータを構成するステータ及びステータ内で回転するロータである。そして、図2左側のシャフト61端に周知の電磁クラッチ3が接続される。
【0030】
冷凍サイクル5は、上記コンプレッサ4の他に、コンプレッサ4にて圧縮された冷媒を、凝縮液化させる凝縮器11、凝縮液化された冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離する受液器12、受液器12からの液相冷媒を膨張減圧させる膨張弁13、膨張された冷媒を蒸発気化させる蒸発器14とからなる周知のものである。
【0031】
蒸発器14は、車両の車室内(キャビン)を空調する車両用空調装置100の冷却用熱交換器を構成するものである。車両用空調装置100は、周知のものであって簡単に説明すると、車室内への空気通路をなす空調ケース101を有し、空調ケース101内には、空調用送風ファン(ブロワ)102と、上記蒸発器14とが収納配置されている。また、蒸発器14の下流側にはエンジン冷却水を熱源とする周知のヒータコア103や、空調風の温度を調整する周知のエアミックスドア104等が設けられている。
【0032】
そして、上述の電磁クラッチ3、コンプレッサ4、及び電動モータ6は、周知のコンピュータ手段である制御装置15(以下、ECU)にて制御されるようになっている。ECU15は、車両の走行を可能とするスイッチ手段であるイグニッションスイッチ16がオンされると、図示しない車載バッテリから電力が供給されるようになっている。
【0033】
ECU15には、出力端子としてクラッチ制御回路17、モータ駆動回路18、及び容量制御回路19が接続されている。そして、上記電磁クラッチ3は、ECU15により上記クラッチ制御回路17を通じて制御されるようになっている。上記電動モータ6は、ECU15により上記モータ駆動回路18を通じて制御されるようになっている。上記コンプレッサ4の圧力制御弁4aは、ECU15により上記容量制御回路19を通じて制御されるようになっている。
【0034】
また、ECU15には、入力端子として車室外温度(外気温)を検出する手段である外気温センサ20、車室内温度(内気温)を検出する手段である内気温センサ21、車室内に入射する日射量を検出する手段である日射センサ22、車室内の設定温度を設定する温度設定器23が接続されている。更にECU15には、車速を検出する手段である車速センサ24、温度設定器23からの信号に基づいて車両用空調装置100を自動制御するエアコンスイッチ25が接続されている。
【0035】
この他に、ECU15には本発明に関係する入力端子として、冷凍サイクル5の高圧側冷媒圧力を検知する冷媒圧力検知手段としての圧力センサ26、電動モータ6の回転数を検知する回転数検知手段としての回転数センサ27、電動モータ6に流れる駆動電流を検知する電流検知手段としての電流センサ28、及び蒸発器14を通過した直後の空気温度(蒸発器後温度)を検出する空気温度検知手段としての温度センサ29が接続されている。そして、本実施形態では、上記エアコンスイッチ25がオンされている時に、始めて上記コンプレッサ4や、上記空調送風ファン102が自動的に駆動制御されるようになっている。
【0036】
次に、このECU15が実行するメイン制御について、図3に示すフローチャートに沿って説明する。空調装置100の自動制御処理を開始すると、まずステップS1で記憶している数値の初期化の処理を行なう。次にステップS2で、車両乗員が温度設定器23でセットした設定温度と、外気温センサ20、内気温センサ21、日射センサ22、温度センサ29、図示しない水温センサ等の各種センサにて検出された温度等を読み込み、補正等の処理を行なう。
【0037】
ステップS3では、ステップS2で入力された温度条件から車室内を設定温度にしてゆく上で必要な吹出風の温度(必要吹出温度)TAOを数式から演算する。ステップS4では、算出された必要吹出温度TAOとブロワ風量(電圧)との関係に基づき、ブロワ102を駆動するモータコントローラの電圧が制御される。
【0038】
ステップS5では、ステップS3で算出された必要吹出温度TAOと、ステップS2で読み込んだ温度センサ29、図示しない水温センサ等の各熱交換器の状態に基づき、必要吹出温度TAOとするために必要なエアミックスドア104の開度が数式に従って決定され図示しないサーボモータが制御される。
【0039】
ステップS6では、必要吹出温度TAOと車室内へ吹き出す空気流の吹出モードとの関係を表わす吹出モードパターンデータに基づき、ステップS3で算出された必要吹出温度TAOから吹出モードをフェイスモード、バイレベルモード、フットモードのいずれかに決定され図示しないサーボモータが制御される。
【0040】
ステップS7では、後述するコンプレッサの稼動に関し、電磁クラッチ3、電動モータ6、圧力制御弁4a等が制御される。以上説明したような、図3のフローチャートに示すサイクルを約0.25秒毎に1回の周期で繰り返すことにより空調制御を行なっている。
【0041】
続いて、ステップS7中で行なうコンプレッサ制御について、図5のフローチャートに基づき説明する。尚、このフローチャートは、上記イグニッションスイッチ16がオンされているときに実行される。先ず、ステップS11にて、上記エアコンスイッチ25がオンか否かを判定する。そして、エアコンスイッチ25がオフの場合は、車両用空調装置100を作動させて車室内を空調する必要が無いので、ステップS12に進み、電動モータ6を停止させ、電磁クラッチ3をオフとする。これにより、コンプレッサ4は停止状態となる。
【0042】
一方、ステップS11にてエアコンスイッチ25がオンであると判定されると、ステップS13に進む。そして、ステップS13では車速センサ24が検出する車速が0が否かが判定され、車速が0でない、つまり車両走行中であると判定されると、ステップS14に進んで、上記圧力制御弁4aにてコンプレッサ4の容量制御を行なう。
【0043】
この容量制御は、上記圧力制御弁4aにて、温度センサ29が検出する温度が目標空気温度となるようにコンプレッサ4の容量が制御される。これにより、目標空気温度が低くなるほど、コンプレッサの容量が大きくなる。このようにすることで、目標空気温度は車室内の冷房負荷と考えられるので、冷房負荷が小さくなるとコンプレッサ4の吐出容量が小さくなって、エンジン1の負荷は低減される。
【0044】
そしてこのように、エンジン1よってコンプレッサ4を駆動する前に、先ず上記容量制御が行われてコンプレッサ4の容量を所定量に設定したのち、ステップS15に進んで、エンジン1を駆動状態にすると共に電磁クラッチ3をオンとして、コンプレッサ4を駆動する。
【0045】
一方、ステップS13にて車速が0と判定される場合、例えばトラックが目的地に到着して停止した場合、ステップS16にてクールダウン状態か否か、つまり車室内の冷房負荷(必要冷却能力)が所定値(所定の必要能力)より大きいか否かが判定される。例えば夏場のように外気温が非常に高くて、例えば外気温が30℃以上、且つ車室内の温度も高くて例えば30℃以上の時には、冷房負荷が所定値より大きい時である。
【0046】
言い換えると、コンプレッサ4の容量が設定可能な最大値と最低値との間の所定容量より大きいか否かを判定することでし、冷凍サイクル5の冷媒循環量が所定値より大きいか否かを判定している。尚、本実施形態でのコンプレッサ4は、容量を間接的にしか検出することができなく、上述のように外気温と内気温とによって、もしくは制御弁への印加電流(Duty)によって容量を推定している。そして、車室内の冷房負荷が所定値より大きい場合は、車室内の冷房負荷に応じてステップS14、15と進んで、上記容量制御が行われる。
【0047】
また、車室内の冷房負荷が所定値より小さい場合は、ステップS17に進んで、エンジン1が停止されると共に、電磁クラッチ3もオフとなる。このようにイグニッションスイッチ16がオンの状態で、例えばトラックが目的地に到着して停車して車速が0となった時、エンジン1を駆動させる必要が無いため、冷房負荷が所定値より小さいと自動的にエンジン1が停止される。
【0048】
このように、本実施形態では車両が停止するとエンジン1も停止するので、作業中にエンジン1から排気ガスが排出されることも無く、大気を汚染することを防止できる。また、信号待ち等で車両が停止したときにも、同様にエンジン1が停止される。
【0049】
しかし、このようにエンジン1が停止されると、今まで駆動していたコンプレッサ4が停止するので冷凍サイクル5には冷媒が循環せず、車両用空調装置100の冷却能力が0となって車室内の空調を引き続き行なうことができない。そこで、冷房負荷が所定値より小さい時には、電動モータ6を起動して、電動モータ6にてコンプレッサ4を駆動する。
【0050】
つまり、冷房負荷が所定値より小さい時には、コンプレッサ4の容量が上記所定容量より小さく、冷凍サイクル5での冷媒循環量が小さいので、コンプレッサ4を駆動するための駆動力は小さくなる。従って、この際は駆動力の小さい電動モータ6にてコンプレッサ4を駆動する。
【0051】
一方、ステップS16にてYESと判定されて冷房負荷が所定値より大きい時には、コンプレッサ4の容量も上記所定容量より大きくなるので、冷凍サイクル5での冷媒循環量が大きくなって、コンプレッサ4の駆動するための駆動力が大きくなる。従って、この場合は車両が停止しても駆動力が大きいエンジン1にて、コンプレッサ4を駆動する。
【0052】
このように、小型の電動モータ6にてコンプレッサを駆動することができ、電動モータ6の車両への搭載性を向上している。更に、コンプレッサ4を外部可変容量タイプのものとし、冷房負荷が所定値より小さい、つまり容量が所定容量より小さい時に電動モータ6にてコンプレッサ4を駆動するので、コンプレッサ4を固定容量タイプのものとした場合より、コンプレッサ4を駆動する駆動力は小さくて済む。この結果、コンプレッサ4を固定容量タイプのものとした場合より電動モータ6の体格を小さくしている。
【0053】
また、このように電動モータ6にてコンプレッサ4を駆動するのであるが、電動モータ6にてコンプレッサ4を駆動する前に、ステップS18のような低容量制御が行われる。つまり、ステップS18では、強制的に圧力制御弁4aにてコンプレッサ4の容量を設定可能な最低の吐出容量(低容量状態)としてから、電動モータ6を起動する。これにより、コンプレッサ4の容量が小さくなるので、コンプレッサ4の駆動するための駆動力は、容量が大きな時より小さくなる。
【0054】
従って、ステップS19で電動モータ6にてコンプレッサ4を駆動する際、大きな駆動力を持つ、大型な電動モータを使用しなくとも、十分コンプレッサ4を駆動できる。この結果、更に電動モータ6の体格を小さくでき、電動モータ6の車両搭載性を格段に向上している。また、図示していないが、一旦電動モータ6にてコンプレッサ4が駆動されると、再度エンジン1が駆動されるまでは、低容量状態が継続される。尚、この際、電動モータ6(コンプレッサ4)の回転数は一定である。
【0055】
これにより、冷凍サイクル5は、車室内を十分に冷却する必要冷却能力を発揮することができないにしても、車両の冷却をある程度継続することができる。従って、例えば夏場にトラックが荷物を積み降ろししている時等に、キャビンの温度上昇を低減でき、荷物積み降ろし後、乗員に与える不快感を和らげている。
【0056】
そして、ステップS20にて電動モータ6の駆動継続時間が所定時間Tを経過したか否かが判定され、所定時間T(例えば2分)経過したならば、ステップS21に進み、電動モータ6を停止する。これにより、電動モータ6によるバッテリ上がりを防止できる。但しこれは、バッテリの状態として電圧や容量等を検知して電動モータ6の停止を判断するものであっても良い。
【0057】
そして、電動モータ6にてコンプレッサ4が駆動されている状態で、再度エンジン1で車両走行を行なう場合はエンジン1が起動される。また、このようなエンジン1再起動時に、車速が0であると直ぐにエンジン1が停止してしまうので、一旦、イグニッションスイッチ16をオンすると所定時間は、車速が0であってもエンジン1を停止しないようになっている。
【0058】
次に、上記作動中ステップS19で行なう、本発明に係わる電動モータ6にてコンプレッサ4を駆動する時の作動を更に細かく説明する。図6は本発明の第1実施形態におけるシステムの制御内容を表すフローチャートであり、図7は本発明の第1実施形態におけるシステムの作動内容を表すタイムチャートである。
【0059】
先ず図6のステップS31で、電動モータ6が停止状態であるか否かを判定する。そして電動モータ6が停止状態である場合にはステップS32へ進み、圧力制御弁4aを冷凍サイクル5の状況から求まる容量とする制御値Sよりも容量を大きくする初期制御値SSを、図4のグラフに表す関係から求める。
【0060】
図4は、本発明の一実施形態における高圧側冷媒圧力と初期制御値(初期制御弁電流)SS、もしくは後述する初期モータ回転数SRとの関係を表す図であり、高圧側冷媒圧力が高い場合には初期制御値SSや初期モータ回転数SRも高くする関係としている。
【0061】
次に、ステップS33で電動モータ6に所定回転数Rで駆動させるための電流を印加し、次のステップS34で所定回転数Rに到達したか否かを判定している。そして、電動モータ6が所定回転数Rに到達したらステップS35に進み、ステップS32で求めた初期制御値SSを圧力制御弁4aに印加する(以上、図7(b)・(c)・(e)参照)。これにより斜板41を早期に傾斜させる切っ掛けを作っている。
【0062】
その後、ステップS36で所定時間T1を経過したか否かを判定し、所定時間T1を経過したらステップS37で、所定時間T2を掛けて冷凍サイクル5の状況から求まる容量とする制御値Sに収束させている(図7(c)参照)。そして、ステップS38で制御値Sでの制御として、これを繰り返している。以降、再度ステップS31の判定で電動モータ6が稼動していて停止状態にない場合はステップS38へと飛んで制御値Sでの制御で運転を続けることとなる。
【0063】
次に、本実施形態での特徴を述べる。本発明のような斜板型外部可変容量コンプレッサの場合、少しでも斜板41が傾いて容量が復帰し始めれば、より容量が大きくなる方向に力が働くことに着目したものであり、その斜板41が傾き始める切っ掛けとして、圧力制御弁4aに冷凍サイクル5の状況から求まる容量よりも大きな容量とする初期制御値SSを与えている。これにより、電動モータ6による駆動を開始した際に、速やかに容量復帰させることができる。
【0064】
また、冷凍サイクル5の高圧側冷媒圧力を検知する圧力センサ26を備え、その圧力センサ26で検知される高圧側冷媒圧力に応じて初期制御値SSを可変している(図4参照)。これにより、圧縮機構の負荷に応じた初期制御値SSが設定されることとなる。
【0065】
また、電動モータ6でコンプレッサ4の駆動を開始した後、所定時間T1の経過をもって、初期制御値SSを制御値Sとしている(図5(c)参照)。これは、斜板41が傾き始めたら速やかに、冷凍サイクル5の状況から求まる容量とする制御値Sに戻さないと冷え過ぎや無駄な動力消費を招くことになるためであり、このように、斜板41が傾き始める切っ掛けに充分な所定時間T1だけ初期制御値SSとして戻すことで冷え過ぎや無駄な動力消費を防ぐことができる。
【0066】
他の実施形態として、電動モータ6の回転数を検知する回転数センサ27を備えると共に、電動モータ6でコンプレッサ4の駆動を開始した後、電動モータ6の回転数が所定回転数RからΔA以上低下したことを検出し、この検出タイミングにて初期制御値SSを制御値Sに戻しても良い(図5(b)参照)。これは、電動モータ6の回転数が低下したことで、斜板41が傾き始めて負荷が掛かりだしたことを検出できるためであり、このような制御とすることによっても冷え過ぎや無駄な動力消費を防ぐことができる。
【0067】
また、他の実施形態として、電動モータ6に流れる駆動電流を検知する電流センサ28を備えると共に、電動モータ6でコンプレッサ4の駆動を開始した後、電動モータ6の駆動電流が所定値ΔB以上低下したことを検出し、この検出タイミングにて初期制御値SSを制御値Sに戻しても良い(図5(e)参照)。これは、電動モータ6の駆動電流が低下したことで、斜板41が傾き始めて負荷が掛かりだしたことを検出できるためであり、このような制御とすることによっても冷え過ぎや無駄な動力消費を防ぐことができる。
【0068】
また、他の実施形態として、冷凍サイクル5に蒸発器14と、その蒸発器14を通過した直後の空気温度を検知する温度センサ29を備えると共に、電動モータ6でコンプレッサ4の駆動を開始した後、上昇していた空気温度が再び下降し始める変化点Cを検出し、この変化点Cを検出したタイミングにて初期制御値SSを制御値Sに戻しても良い(図5(f)参照)。これは、コンプレッサ4の圧縮容量が復帰した結果として、上昇していた空気温度が再び下降し始めるため、このような変化点Cを検出する制御とすることによっても冷え過ぎや無駄な動力消費を防ぐことができる。
【0069】
また、初期制御値SSを制御値Sとする際、所定時間T2を掛けて収束させている(図5(c)参照)。これにより、なだらかに通常制御に移行するため、空調フィーリングを悪化させることが無い。また、このようなコンプレッサ4に、上述したような制御装置を備えることにより、電動モータ6による駆動を開始した際に、速やかに容量復帰する斜板型外部可変容量のハイブリッドコンプレッサ4とすることができる。
【0070】
(第2実施形態)
図8は本発明の第2実施形態におけるシステムの制御内容を表すフローチャートであり、図9は本発明の第2実施形態におけるシステムの作動内容を表すタイムチャートである。上述した第1実施形態とはECU15で行なう制御内容のみ異なる。
【0071】
先ず図8のステップS41で、電動モータ6が停止状態であるか否かを判定する。そして電動モータ6が停止状態である場合にはステップS42へ進み、所定回転数Rよりも回転数を高くした初期回転数SRを、図4のグラフに表す関係から求める。
【0072】
図4は、本発明の一実施形態における高圧側冷媒圧力と前述した初期制御値(初期制御弁電流)SS、もしくは上記初期モータ回転数SRとの関係を表す図であり、高圧側冷媒圧力が高い場合には初期制御値SSや初期モータ回転数SRも高くする関係としている。
【0073】
次に、ステップS43で、ステップS42で求めた初期モータ回転数SRに電動モータ6を駆動させるための電流を印加し、次のステップS44で初期モータ回転数SRに到達したか否かを判定している。そして、電動モータ6が初期モータ回転数SRに到達したらステップS45に進み、冷凍サイクル5の状況から求まる容量とする制御値Sを圧力制御弁4aに印加する(以上、図9(b)・(c)・(e)参照)。これにより斜板41を早期に傾斜させる切っ掛けを作っている。
【0074】
その後、ステップS46で所定時間T1を経過したか否かを判定し、所定時間T1を経過したらステップS47で、所定時間T2を掛けて所定回転数Rに収束させている(図7(b)参照)。そして、ステップS48で所定回転数Rでの制御として、これを繰り返している。以降、再度ステップS41の判定で電動モータ6が稼動していて停止状態にない場合はステップS48へと飛んで所定回転数Rでの制御で運転を続けることとなる。
【0075】
次に、本実施形態での特徴を述べる。本発明のような斜板型外部可変容量コンプレッサの場合、少しでも斜板41が傾いて容量が復帰し始めれば、より容量が大きくなる方向に力が働くことに着目したものであり、その斜板41が傾き始める切っ掛けとして、電動モータ6を所定回転数Rよりも回転数を高くした初期回転数SRで駆動を開始するものである。これにより、斜板41の慣性が大きくなり、電動モータ6による駆動を開始した際に、速やかに容量復帰させることができる。
【0076】
また、冷凍サイクル5の高圧側冷媒圧力を検知する圧力センサ26を備え、その圧力センサ26で検知される高圧側冷媒圧力に応じて初期回転数SRを可変している(図4参照)。これにより、圧縮機構の負荷に応じた初期回転数SRが設定されることとなる。
【0077】
また、電動モータ6でコンプレッサ4の駆動を開始した後、所定時間T1の経過をもって、初期回転数SRを所定回転数Rとしている(図9(b)参照)。これは、斜板41が傾き始めたら速やかに所定回転数Rに戻さないと冷え過ぎや無駄な動力消費を招くことになるためであり、このように、斜板41が傾き始める切っ掛けに充分な所定時間T1だけ初期回転数SRとして戻すことで冷え過ぎや無駄な動力消費を防ぐことができる。
【0078】
また、他の実施形態として、冷凍サイクル5に蒸発器14と、その蒸発器14を通過した直後の空気温度を検知する温度センサ29を備えると共に、電動モータ6でコンプレッサ4の駆動を開始した後、上昇していた空気温度が再び下降し始める変化点Cを検出し、この変化点Cを検出したタイミングにて初期回転数SRを所定回転数Rに戻しても良い(図9(f)参照)。これは、コンプレッサ4の圧縮容量が復帰した結果として、上昇していた空気温度が再び下降し始めるため、このような変化点Cを検出する制御とすることによっても冷え過ぎや無駄な動力消費を防ぐことができる。
【0079】
また、初期回転数SRを所定回転数Rとする際、所定時間T2を掛けて収束させている(図9(b)参照)。これにより、なだらかに通常制御に移行するため、空調フィーリングを悪化させることが無い。また、このようなコンプレッサ4に、上述したような制御装置を備えることにより、電動モータ6による駆動を開始した際に、速やかに容量復帰する斜板型外部可変容量のハイブリッドコンプレッサ4とすることができる。
【0080】
(その他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限るものではなく、冷凍サイクル5の高圧側冷媒圧力に応じて初期制御値SSもしくは初期回転数SRを可変しているが、初期制御値SSまたは初期回転数SRは一定値であっても良い。また、初期制御値SSを制御値Sとする際、もしくは初期回転数SRを所定回転数Rとする際、所定時間T2を掛けて収束させているが、所定時間を掛けない矩形形状の変化であっても良い。
【0081】
また、モータ駆動時、電動モータ6の回転数は一定としたが、例えば冷房負荷に応じて回転数を可変するようにしても良い。また、上述の実施形態でのハイブリッドコンプレッサは、圧縮機構4と電動モータ部6とが一体となっているが、圧縮機構単体の回転軸に電磁クラッチとプーリとを連結し、それぞれに別体のエンジンと電動モータとをベルト接続し、いずれか一方の駆動力を選択する構成であっても良い。
【0082】
また、冷凍サイクル5は車両のキャビン内を冷却するためのものであったが、例えば冷凍車や冷蔵車用のものであっても良い。この場合、車両エンジンを停止させて、荷物の積み降ろしといった作業を行なう時に冷凍室や冷蔵室の冷却が継続して行なえる。
【0083】
本発明は、走行条件に応じて電動モータもしくはエンジンにて走行可能な、いわゆるハイブリッド車に適用しても良いし、発電専用のエンジンを搭載し、このエンジンにて発電された電力にて電動モータを駆動し、この電動モータを走行駆動源とする車両に適用しても良い。また、更に本発明は、車両のみならず定置型のエンジン駆動式冷凍サイクル装置に適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるハイブリッドコンプレッサを用いた車両用空調装置の全体システム図である。
【図2】本発明の実施形態に係わる斜板型外部可変容量コンプレッサの断面図である。
【図3】図1の車両用空調装置に用いられるECUのメイン制御例を表すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態における高圧側冷媒圧力と初期制御値(初期制御弁電流)もしくは初期モータ回転数との関係を表す図である。
【図5】図3のフローチャート中で行なわれるコンプレッサ制御の制御例を表すフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態におけるシステムの制御内容を表すフローチャートである。
【図7】本発明の第1実施形態におけるシステムの作動内容を表すタイムチャートである。
【図8】本発明の第2実施形態におけるシステムの制御内容を表すフローチャートである。
【図9】本発明の第2実施形態におけるシステムの作動内容を表すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン
4 斜板型外部可変容量コンプレッサ
4a 電磁式圧力制御弁(容量制御手段)
5 冷凍サイクル
6 電動モータ
14 蒸発器
15 制御装置(ECU)
26 圧力センサ(冷媒圧力検知手段)
27 回転数センサ(回転数検知手段)
28 電流センサ(電流検知手段)
29 温度センサ(空気温度検知手段)
41 斜板
ΔA、ΔB 所定値
C 変化点
R 所定回転数
S 制御値
T1、T2 所定時間
SR 初期回転数
SS 初期制御値

Claims (9)

  1. 圧縮機構を斜板(41)の回転にて駆動し、外部から容量制御手段(4a)を制御することにより前記斜板(41)の傾斜角度を可変して任意の容量に可変可能な斜板型外部可変容量コンプレッサを冷凍サイクル(5)のコンプレッサ(4)として備え、そのコンプレッサ(4)をエンジン(1)または電動モータ(6)のいずれか一方にて駆動するように構成されたハイブリッドコンプレッサの制御装置において、
    制御装置(15)は、前記電動モータ(6)で前記コンプレッサ(4)の駆動を開始する際、前記容量制御手段(4a)を、まず、前記冷凍サイクル(5)の状況から求まる容量とする制御値(S)よりも容量を大きくする初期制御値(SS)とすることにより前記斜板(41)を早期に傾斜させる切っ掛けを作り、その後、前記制御値(S)に制御することを特徴とするハイブリッドコンプレッサの制御装置。
  2. 圧縮機構を斜板(41)の回転にて駆動し、外部から容量制御手段(4a)を制御することにより前記斜板(41)の傾斜角度を可変して任意の容量に可変可能な斜板型外部可変容量コンプレッサを冷凍サイクル(5)のコンプレッサ(4)として備え、そのコンプレッサ(4)をエンジン(1)または電動モータ(6)のいずれか一方にて駆動するように構成されたハイブリッドコンプレッサの制御装置において、
    制御装置(15)は、前記電動モータ(6)で前記コンプレッサ(4)の駆動を開始する際、前記電動モータ(6)を、まず、所定回転数(R)よりも回転数を高くした初期回転数(SR)で駆動を開始することにより前記斜板(41)を早期に傾斜させる切っ掛けを作り、その後、前記所定回転数(R)とすることを特徴とするハイブリッドコンプレッサの制御装置。
  3. 前記冷凍サイクル(5)の高圧側冷媒圧力を検知する冷媒圧力検知手段(26)を備え、その冷媒圧力検知手段(26)で検知される高圧側冷媒圧力に応じて前記初期制御値(SS)もしくは前記初期回転数(SR)を可変することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のハイブリッドコンプレッサの制御装置。
  4. 前記電動モータ(6)で前記コンプレッサ(4)の駆動を開始した後、所定時間(T1)の経過をもって、前記初期制御値(SS)を前記制御値(S)とする、もしくは前記初期回転数(SR)を前記所定回転数(R)とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のハイブリッドコンプレッサの制御装置。
  5. 前記電動モータ(6)の回転数を検知する回転数検知手段(27)を備えると共に、前記電動モータ(6)で前記コンプレッサ(4)の駆動を開始した後、前記電動モータ(6)の回転数が所定値(ΔA)以上低下したことを検出し、この検出タイミングにて前記初期制御値(SS)を前記制御値(S)とすることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッドコンプレッサの制御装置。
  6. 前記電動モータ(6)に流れる駆動電流を検知する電流検知手段(28)を備えると共に、前記電動モータ(6)で前記コンプレッサ(4)の駆動を開始した後、前記電動モータ(6)の駆動電流が所定値(ΔB)以上低下したことを検出し、この検出タイミングにて前記初期制御値(SS)を前記制御値(S)とすることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッドコンプレッサの制御装置。
  7. 前記冷凍サイクル(5)に蒸発器(14)と、その蒸発器(14)を通過した直後の空気温度を検知する空気温度検知手段(29)を備えると共に、前記電動モータ(6)で前記コンプレッサ(4)の駆動を開始した後、上昇していた前記空気温度が再び下降し始める変化点(C)を検出し、この変化点(C)を検出したタイミングにて前記初期制御値(SS)を前記制御値(S)とする、もしくは前記初期回転数(SR)を前記所定回転数(R)とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のハイブリッドコンプレッサの制御装置。
  8. 前記初期制御値(SS)を前記制御値(S)とする際、もしくは前記初期回転数(SR)を前記所定回転数(R)とする際、所定時間(T2)を掛けて収束させることを特徴とする請求項3ないし請求項6のいずれかに記載のハイブリッドコンプレッサの制御装置。
  9. 圧縮機構を斜板(41)の回転にて駆動し、外部から容量制御手段(4a)を制御することにより前記斜板(41)の傾斜角度を可変して任意の容量に可変可能な斜板型外部可変容量コンプレッサ(4)であり、エンジン(1)または電動モータ(6)のいずれか一方にて駆動するように構成され、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の制御装置を備えることを特徴とするハイブリッドコンプレッサ。
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