JP4108899B2 - 無停電電源システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電源ラインに並列に接続された並列トランスまたは並列リアクトルと、電源ラインに直列に接続された直列トランスと、前記並列トランスまたは並列リアクトルに接続された並列補償コンバータと、前記直列トランスに接続された直列補償インバータと、前記並列補償コンバータと前記直列補償インバータの間に接続された電力貯蔵媒体と、前記並列補償コンバータを制御する並列補償コンバータ制御回路と、前記直列補償インバータを制御する直列補償インバータ制御回路とから構成され、電源ラインの電圧低下時に電力貯蔵媒体から重要負荷に電力を供給するようにした直並列補償方式瞬低対策システムを用いた電力供給システムを構成する無停電電源システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電源ラインの瞬低を許容しない負荷へ無停電で電力を供給する電力供給システムとして、特願平11−310524号公報に記載されている無停電電源システムを用いた電力供給システムがある。
【0003】
図9を用いて、従来の直並列補償方式瞬低対策システムを用いた電力供給システムの構成を説明する。この電力供給システムは、瞬低を許容しない負荷(重要負荷)70と、該重要負荷に電力を供給する電力系統60と、前記電力系統から前記重要負荷に電力を供給する電源ラインに一次巻線が並列に接続された並列トランスまたは並列リアクトル40と、前記電源ラインに一次巻線が直列に接続された直列トランス50と、前記並列トランスの二次巻線または並列リアクトルに接続される並列補償コンバータ10と、前記直列トランスの二次巻線に接続される直列補償インバータ20と、前記並列補償コンバータと前記直列補償コンバータの間に接続された電力貯蔵媒体30と、直流中間回路の電圧を検出し直流中間回路電圧検出値EDCを出力する直流中間回路電圧検出回路(VSDC)35と、前記並列補償コンバータの出力電流(入力電流)を検出し並列補償コンバータ出力電流値Icを出力する並列補償コンバータ出力電流検出回路(CTC)63と、負荷電流を検出し負荷電流検出値ILを出力する負荷電流検出回路(CTL)65と、直並列補償方式瞬低対策システムの入力電圧を検出し入力電圧検出値Viを出力する入力電圧検出回路(PTI)67と、前記並列補償コンバータを制御する並列補償コンバータ制御回路100と、前記直列補償インバータを制御する直列補償インバータ制御回路200と、入力電圧の周波数低下もしくは電圧低下を検出し入力スイッチ開放信号を出力する上流開放検出回路85と、前記入力スイッチ開放信号によって前記電力系統と前記直並列補償方式瞬低対策システムとの接続を遮断する入力スイッチ80とを有して構成される。
【0004】
このような電力供給システムにおいては、電力系統に発生する瞬低または停電に対する対策として、並列補償コンバータ10を、停電および瞬低補償対象である重要負荷70のフィーダ(電源ライン)に並列トランスまたは並列リアクトル40を介して並列に接続し、直列補償インバータ20を直列トランス50を介して直列に接続し、並列補償コンバータ10と直列補償インバータ20との間の直流ライン(直流中間回路)に電力貯蔵媒体30を接続して直並列補償方式瞬低対策システムを構成している。
【0005】
このシステムは、直列トランス50を介して直列補償インバータ20の出力電圧を電源ラインの電圧に補償電圧として直接加えることによって、重要負荷70に印加される電圧を重要負荷70の定格電圧に補償している。すなわち、定常的に電源ラインの電圧が定格電圧より不足する場合および瞬時電圧低下が発生した場合、はその不足分を直列補償インバータ20で発生させ直列トランス50を介してその電圧を電源ラインの電圧に重畳することによって定格電圧を維持している。
【0006】
このようなシステムにおいて、系統の完全な停電、電力系統の断線、上流遮断器の開放等の上流に開放事故が発生すると、上流開放検出回路85を用いて入力電圧の周波数低下もしくは電圧低下により上流開放事故を検出し、入力スイッチ80を開放した後、並列補償コンバータ10の制御モードを電流制御モードから電圧制御モードに切り替え並列補償コンバータ10から安定した電圧を確立させ、並列補償コンバータ10→直列トランス50→重要負荷70→並列補償コンバータ10の電流閉回路を形成させることにより重要負荷70へ安定した電力を供給する。
【0007】
このシステムでは、電源ラインで不足する分のエネルギーは電力貯蔵媒体30から供給される。すなわち、電源ラインの電圧が定格電圧より低い場合は直列トランス50と直列補償インバータ20を介して電力貯蔵媒体30から電力を供給して重要負荷70の定格電圧を維持することができる。
【0008】
さらに、並列補償コンバータ10は、直列補償インバータ20の電圧補償動作に伴い電源ラインとの間でエネルギーの授受が発生したときに、その電力の供給又は回生を行うとともに、重要負荷70の無効電流および不平衡電流(逆相電流)ならびに高調波電流を補償するアクティブフィルターとしても動作する。
【0009】
つぎに、直並列補償方式瞬低対策システムによる並列補償コンバータ10の制御方法を図10以降を用いて説明する。図10は図9中の並列補償コンバータ制御回路100の具体的な構成を示す図である。
【0010】
並列補償コンバータ制御回路100は、直流中間回路電圧補償電流演算回路110と、負荷電流補償電流演算回路120と、並列補償コンバータ出力電流制御演算回路130と、並列補償コンバータ出力電圧指令演算回路140と、PWM制御回路150と、キャリア信号発生回路155と、ゲートドライブ回路160と、電流/電圧制御モード切替器170と、入力電圧制御演算回路180と、入力電圧基準値設定器191と、入力周波数基準値設定器193と、時限設定器195とを有して構成される。
【0011】
直流中間回路電圧補償電流演算回路110は、直流中間回路電圧目標値EDC*と直流中間回路電圧検出値EDCから直流中間回路電圧を一定にするのに必要な並列補償コンバータ10から出力すべき有効電流に関する信号(以下、直流中間回路電圧補償有効電流信号という)を演算する。
【0012】
負荷電流補償電流演算回路120は、負荷電流検出値ILと入力電圧検出値Viから負荷に流入する負荷電流の無効成分および高調波成分ならびに逆相成分を抽出した演算値と、直流中間回路電圧補償電流演算回路110から出力された直流中間回路電圧補償有効電流信号から、並列補償コンバータ10が出力すべき負荷電流の無効成分および高調波成分ならびに逆相成分を相殺するのに必要な電流ならびに直流中間回路電圧を一定に保つのに必要な電流(以下、電流制御モード並列補償コンバータ出力電流目標値信号という)を演算する。
【0013】
並列補償コンバータ出力電流制御演算回路130は、電流制御モード並列補償コンバータ出力電流目標値信号または電圧制御モード並列補償コンバータ出力電流目標値信号と並列補償コンバータ出力電流検出値Icから両者の偏差がゼロになるために必要な並列補償コンバータ出力電圧の変化分(以下、並列補償コンバータ出力電圧変化分指令信号という)を演算する。
【0014】
並列補償コンバータ出力電圧指令演算回路140は、並列補償コンバータ出力電圧変化分指令信号と入力電圧検出値Viから並列補償コンバータ10の出力電圧指令信号を演算する。
【0015】
PWM制御回路150は、並列補償コンバータ10の出力電圧指令信号とキャリア信号発生回路155からのキャリア信号との比較を行い、並列補償コンバータ10を構成するスイッチング素子ブリッジのスイッチング信号を出力する。
【0016】
ゲートドライブ回路160は、このスイッチング信号に基づきスイッチング素子ブリッジに駆動パワーを供給する。
【0017】
電流/電圧制御モード切替器170は、負荷電流補償電流演算回路120からの電流制御モード並列補償コンバータ出力電流目標値信号または入力電圧制御演算回路180からの後述する電圧制御モード並列補償コンバータ出力電流目標値信号のいずれかを上流開放検出回路85からの制御モード選択信号に基づいて選択し、並列補償コンバータ10を電流制御モードで動作させるか電圧制御モードで動作させるかを選択する。
【0018】
入力電圧制御演算回路180は、入力電圧検出値Viと、入力電圧基準値設定器191からの入力電圧基準値Vi*と、入力周波数基準値設定器193からの入力周波数基準値ω0と、時限設定器195からの時限値Tが入力され、上流開放検出回路85からの起動信号を受けた瞬間における入力電圧検出値Viおよびその周波数、入力電圧基準値Vi*(例えば定格の95%)、入力周波数基準値ω0(例えば50Hz)、時限値Tから、入力電圧が、起動信号を受けた瞬間における入力電圧および入力周波数から時限値T後に基準電圧および基準周波数になるために必要な並列補償コンバータ10が出力すべき電流(以下、電圧制御モード並列補償コンバータ出力電流目標値という)を演算する。
【0019】
入力スイッチ80は、上流開放検出回路85からの入力スイッチ開放信号を受けると開放するとともに、確実に開放したことを検出して入力スイッチ開放アンサーバック信号を出力する。
【0020】
上流開放検出回路85は、入力電圧の周波数または電圧を監視し、入力電圧に周波数低下もしくは電圧低下を検出したときに、入力スイッチ80に入力スイッチ開放信号を出力する。さらに、上流開放検出回路85は、入力スイッチ80からの入力スイッチ開放アンサーバック信号を受けたときに、電流/電圧制御モード切替器170に制御モード切替信号を出力するとともに、入力電圧制御演算回路180に起動信号を出力する。
【0021】
並列補償コンバータ10から安定した電圧を確立させることによって、並列補償コンバータ10→直列トランス50→重要負荷70→並列補償コンバータ10の電流閉回路が形成され、重要負荷70へ安定した電力を供給することができる。
【0022】
以上の制御動作により、上流開放検出回路85を用いて入力電圧の周波数低下もしくは電圧低下により上流開放事故を検出し、入力スイッチ80を開放した後、並列補償コンバータ10の制御モードを電流制御モードから電圧制御モードに切り替える。並列補償コンバータ10は、入力電圧および周波数を時限後に基準値になるようにその電流を出力し、その結果、入力電圧および周波数を基準値に制御することができるので、電圧低下もしくは周波数低下による並列補償コンバータの自己防衛機能が働く前に並列補償コンバータ10から安定した電圧を確立させることができ、並列補償コンバータ10→直列トランス50→重要負荷70→並列補償コンバータ10の電流閉回路を形成させることにより重要負荷70へ安定した電力を供給することができる。
【0023】
図11〜図13を用いて、従来技術の直並列補償方式瞬低対策システムにおける上流開放事故時の電流および電力の流れを説明する。
【0024】
<上流事故発生時> 上流開放事故発生前に電力系統の電圧が、例えば重要負荷70の定格電圧の95%だったとすると、入力電圧が重要負荷70の定格電圧の95%であることから、直列補償インバータ20は、重要負荷70の定格電圧の5%の電圧を発生させて、直列トランス50を介して入力電圧に重畳させ重要負荷70には100%の電圧を確立させている。
【0025】
図11に示すように、上流側に開放事故が発生すると、並列補償コンバータ10は、重要負荷70の定格電圧の95%の電圧を確立し、重要負荷70に供給する電力の95%を供給する。直列補償インバータ20は、重要負荷70の定格電圧の5%の電圧を確立し、重要負荷70に供給する電力の5%を供給する。
【0026】
重要負荷70の電流は、並列補償コンバータ10が供給源になり並列補償コンバータ10→直列トランス50→重要負荷70→並列補償コンバータ10の閉ループを形成する。直列補償インバータ20の出力電流Iiは、直列トランス50の二次巻線を介して閉ループを構成する。
【0027】
電力貯蔵媒体30は、並列補償コンバータ10および直列補償インバータ20へ電力Pesを供給している。これはちょうど重要負荷70に供給する電力の100%に相当する。
【0028】
したがって、電力貯蔵媒体30の電圧は急激に低下する。直流中間回路の電圧を一定に保つために並列補償コンバータ制御回路100の動作により並列補償コンバータ10は、電源ラインから電力を吸収する動作を行おうとする。このため並列補償コンバータ10の出力電圧は低下もしくは周波数が遅れるようになる。
【0029】
電流および電力の流れは、周波数にはあまり関係しないので以下の説明は周波数に関して無視して説明する。
【0030】
<上流開放検出回路85により例えば入力電圧が90%まで低下したことを検出して入力スイッチ80を開放したとき> 図12に示すように、例えば、入力電圧が重要負荷70の定格電圧の90%まで低下したことを上流開放検出回路85が検出すると、入力スイッチ開放信号が出力され入力スイッチ80が開放される。並列補償コンバータ10は、電圧低下による自己防衛機能により停止する前に、前述の制御モード切替動作により電流制御モードから電圧制御モードへ切り替えられる。この時間は瞬時にして行われるので入力電圧は重要負荷70の定格電圧の90%のままである。
【0031】
直列補償インバータ20は、入力電圧が重要負荷70の定格電圧の90%であるので、重要負荷70の定格電圧の10%の電圧を発生させ、直列トランス50を介して入力電圧に重畳させ、重要負荷70には定格電圧の100%の電圧を確立させる。
【0032】
重要負荷70の電流は、並列補償コンバータ10が供給源になり並列補償コンバータ10→直列トランス50→重要負荷70→並列補償コンバータ10の閉ループを形成している。また、直列補償インバータ20の出力電流Iiは、直列トランス50の二次巻線を介し閉ループを構成している。
【0033】
並列補償コンバータ10は、重要負荷定格電圧の90%の電圧を確立しているので重要負荷70に供給する電力の90%を供給している。また、直列補償インバータ20は重要負荷70の定格電圧の10%の電圧を確立しているので重要負荷70に供給する電力の10%を供給している。
【0034】
電力貯蔵媒体30は、並列補償コンバータ10および直列補償インバータ20の電力Pesを供給している。これはちょうど重要負荷70に供給する電力の100%に相当する。したがって、電力貯蔵媒体30の電圧は依然として急激に低下するが、並列補償コンバータ10は電圧制御モードに切り替えられているので、これ以上の入力電圧の低下または周波数の低下はなく自己防衛機能により並列補償コンバータ10は停止する恐れはない。
【0035】
その後、前述の制御動作により、入力電圧は基準の例えば95%まで、時限Tを伴い徐々に上昇していく。
【0036】
<入力電圧が基準値、例えば95%に並列補償コンバータ10が制御されている時>
図13に示すように、この時の電流や電力の流れは入力スイッチ80が開放していることを除き、図11に示した<上流事故発生時>と同じである。
【0037】
このように、本発明に実施の形態によれば、上流に開放事故が発生した場合であっても、電力貯蔵媒体30に並列補償コンバータ10および直列補償インバータ20を駆動する電力が貯蔵されている間は、並列補償コンバータ10は自己防衛機能によって停止することが無くなり、重要負荷70への電力供給を維持することができる。
【0038】
従来の直並列補償方式瞬低対策システムを用いた回路構成では、直並列補償方式瞬低対策システムに並列に負荷が接続されている場合は、系統の完全な停電、電力系統の断線、上流側遮断器の開放等の上流に開放事故が発生した場合、重要負荷の運転に支障がある問題があり、かつ、負荷の破損の恐れがある。すなわち、直並列補償方式瞬低対策システムに並列に負荷が接続されている場合で上流側に開放事故が発生した場合の電流および電力の流れを、図14,図15を用いて説明する。
【0039】
直並列補償方式瞬低対策システムの上流に開放事故が発生する前に電力系統の電圧が例えば重要負荷70の定格電圧の95%だったとすると、直並列補償方式瞬低対策システムの入力電圧が95%であることから、直列補償インバータ20に重要負荷70の定格電圧の5%の電圧を発生させ、直列トランス50を介して入力電圧に重畳させ重要負荷70には定格電圧の100%の電圧を確立している。電力系統60には負荷75が並列に接続されているとする。
【0040】
上流に開放事故が発生すると、図14に示すように、重要負荷70および負荷75には、並列補償コンバータ10が電流の供給源になり、並列補償コンバータ10→直列トランス50→重要負荷70→並列補償コンバータ10の閉ループと、並列補償コンバータ10→負荷75→並列補償コンバータ10の閉ループを形成する。並列補償コンバータ10は、重要負荷70の定格電圧の95%の電圧を確立しているので重要負荷電力PiLの95%と負荷電力PLを供給する。直列補償インバータ20は、重要負荷70の定格電圧の5%の電圧を確立しているので重要負荷電力PiLの5%を供給する。
【0041】
直列補償インバータ20の出力電流Iiは、直列トランス50の二次巻線を介し閉ループを構成している。
【0042】
このように、上流開放事故発生時には、電力貯蔵媒体30は、並列補償コンバータ10および直列補償インバータ20へ電力貯蔵媒体電力Pesを供給する。これはちょうど重要負荷電力PiLと負荷電力PLの合計に相当する。
【0043】
一般に、負荷電力PLは重要負荷電力PiLよりもかなり大きい。負荷電力PLの供給源は並列補償コンバータ10であるが故に、並列補償コンバータ出力電流は重要負荷70の定格電流よりもかなり大きくなる。通常、並列補償コンバータ10には過負荷もしくは過電流の場合に自動的に作動を停止する自己防衛機能を備えている。
【0044】
図15に示すように、並列補償コンバータ10は、過負荷もしくは過電流が発生すると、その自己防衛機能により停止する。並列補償コンバータ10が停止すると、直列補償インバータ20は、重要負荷70に定格電圧を確立させるために重要負荷70の定格電圧の100%程度の電圧を発生させる。
【0045】
直列補償インバータ20と、重要負荷70と、負荷75は直列回路を形成している。したがって、重要負荷70の電圧は直列補償インバータ20の電圧を重要負荷70と負荷75のインピーダンスで案分した電圧であり、直列補償インバータ20の電圧が重要負荷70の定格電圧の100%程度の電圧としても、重要負荷70の電圧は定格電圧未満となり、重要負荷70の運転に支障が生じる。また、図15に示すごとく負荷75の電圧、電流は通常の方向と逆転しており負荷75を破損する恐れがある。
【0046】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題に鑑み、直並列補償方式瞬低対策システムに並列に負荷75が接続されている場合において上流開放モード発生時にも重要負荷70に安定な電力を供給し、かつ、負荷75を破損する恐れのない無停電電源システムを提供することを目的とする。
【0047】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、電力系統と、該電力系統から給電され電力系統の瞬時電圧低下(以下、瞬低という)を許容しない負荷(重要負荷)と、前記電力系統と前記重要負荷との間に設けた電源ラインに並列に挿入された並列トランスまたは並列リアクトルと電源ラインに直列に接続された直列トランスと前記並列トランスまたは並列リアクトルに接続された並列補償コンバータと前記直列トランスに接続された直列補償インバータと前記並列補償コンバータと前記直列補償インバータの間に接続された電力貯蔵媒体とから構成され電力系統の瞬低および停電に対応する直並列補償方式瞬低対策システムとを有し、前記直並列補償方式瞬低対策システムと前記電力系統の間に、電力系統側の開放事故または並列補償コンバータの過負荷または過電流を検出したときに前記電力系統と前記直並列補償方式瞬低対策システムとの間を遮断するスイッチを設けて無停電電源システムを構成した。
【0048】
本発明は、上記無停電電源システムにおいて、並列補償コンバータの過負荷または過電流を検出した後に並列補償コンバータの出力電流を並列補償コンバータの過電流耐量または過負荷耐量未満に制限するようにした。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる無停電電源システムの実施の形態を図を用いて説明する。
【0050】
この発明は、並列補償コンバータ10の電流制限により上記問題を解決している。本発明の構成を図を用いて説明する。
【0051】
この発明にかかる直並列補償方式瞬低対策システムは、図9に示した、従来の無停電電源システムにおいて、上流開放検出回路85に電流リミット信号を入力するとともに並列補償コンバータ制御回路100から電流リミット信号を出力するようにし、並列補償コンバータ10の過電流または過負荷を検出したときに瞬時に並列補償コンバータ出力電流を制限するとともに電力系統60と直並列補償方式瞬低対策システムとの間を遮断動作する入力スイッチ80を設けた点に特徴を有している。
【0052】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明にかかる無停電電源システムを用いた電力供給システムの構成を示すブロック図である。その構成は、図9で説明した従来の無停電電源システムを用いた電力供給システムの構成と、上流開放検出回路85に電流リミット信号を入力するとともに並列補償コンバータ制御回路100から電流リミット信号を出力するようにした点、および、無停電電源システムと並列に負荷75が接続されている点以外は同じなので詳細な説明は割愛する。
【0053】
図2を用いて、本発明に用いる並列補償コンバータ制御回路100の構成を説明する。
【0054】
並列補償コンバータ制御回路100の構成は、PWM制御回路150とゲートドライブ回路160との間にリミット回路156を有するとともに、リミット電流設定器157を有する点、並列補償コンバータ出力電流検出値Icがリミット回路156に入力される点、リミット回路156から電流リミット信号が出力される点以外は、図10で説明した従来の並列補償コンバータ制御回路100の構成と同様なので詳細な説明を割愛する。
【0055】
直流中間回路電圧補償電流演算回路110、負荷電流補償電流演算回路120、並列補償コンバータ出力電流制御演算回路130、並列補償コンバータ出力電圧指令演算回路140 、キャリア信号発生回路155、電流/電圧制御モード切替器170、入力電圧制御演算回路180、および入力スイッチ80の構成および働きは図10で説明した従来技術と同じなので詳細な説明を割愛する。
【0056】
PWM制御回路150は、並列補償コンバータ10の出力電圧指令信号とキャリア信号発生回路155からのキャリア信号との比較を行い、リミット回路156へスイッチング信号を出力する。
【0057】
リミット回路156は、PWM制御回路150からのスイッチング信号と、リミット電流設定器157からのリミット電流設定値IcLと、並列補償コンバータ出力電流検出値Icとから図3に示す制御フローチャートに基づきゲートドライブ回路160へスイッチング処理信号を出力するとともに、上流開放検出回路85へ電流リミット信号を出力する。
【0058】
PWM制御回路150は、並列補償コンバータ10の出力電圧指令信号とキャリア信号発生回路155からのキャリア信号との比較を行い、リミット回路156へスイッチング信号を出力する。
【0059】
リミット回路156は、PWM制御回路150からのスイッチング信号と、リミット電流設定器157からのリミット電流設定値IcLと、並列補償コンバータ出力電流検出値Icとから図3に示す制御フローチャートにもとづきゲートドライブ回路160へスイッチング処理信号を出力し、上流開放検出回路85へ電流リミット信号を出力する。
【0060】
図3に示すように、リミット回路156は、リミット電流設定器157からのリミット電流設定値IcLと並列補償コンバータ出力電流検出値Icを比較し(S1)、並列補償コンバータ出力電流検出値Icがリミット電流設定値IcL未満の場合(No)には、スイッチング処理信号としてスイッチング信号をそのまま出力する(S4)。ステップS1で、並列補償コンバータ出力電流検出値Icがリミット電流設定値IcL以上の場合(Yes)は、電流リミット信号を出力する(S2)とともに、ある決められた時間だけスイチング処理信号をOFFし(S3)、その後、スイッチング処理信号としてスイッチング信号をそのまま出力し(S4)、スタートに戻り同様な動作を繰り返す。
【0061】
また、リミット電流設定値IcLの値は並列補償コンバータの過負荷耐量また過電流耐量未満であることは言うまでもない。
ゲートドライブ回路160は、リミット回路156からのスイッチング処理信号に基づきスイッチング素子ブリッジに駆動パワーを供給する。
【0062】
上流開放検出回路85は、入力電圧検出値Viから入力電圧の低下(例えば定格電圧の90%)もしくは入力周波数の低下(例えば49.5Hz(50Hz定格))を検出するか、または、電流リミット信号を受信したときに、入力スイッチ80に入力スイッチ開放信号を出力する以外は従来技術と同様である。
【0063】
第1の実施の形態における制御方法を以下に説明する。
【0064】
上流側に開放事故が発生すると、図14および図15の説明で述べた理由により並列補償コンバータ10の出力電流は増加し、並列補償コンバータ出力電流検出値Icがリミット電流設定値IcL(例えば重要負荷70の定格電流の120%)以上になったとき、リミット回路156から、電流リミット信号を上流開放検出回路85へ出力する。上流開放検出回路85は電流リミット信号を受信し、入力スイッチ80に入力スイッチ開放信号を出力する。
【0065】
この入力スイッチ開放信号を受けた入力スイッチ80は開放して、負荷75および電力系統60と、直並列補償方式瞬低対策システムを分離し、確実に開放したことを検出して入力スイッチ開放アンサーバック信号を出力する。
【0066】
入力スイッチ80が開放するまでの間はリミット回路156の機能より効果的に並列補償コンバータ出力電流はリミット電流設定IcL程度以下に制限され、並列補償コンバータ10が、その自己防衛機能により停止する恐れがない。
【0067】
入力スイッチ開放アンサーバック信号を受けた上流開放検出回路85は、電流/電圧制御モード切替器170に制御モード切替信号を出力するとともに、入力電圧制御演算回路180に起動信号を出力する。なお、入力スイッチ80から入力スイッチ開放アンサーバック信号を受けてから制御モード切替信号および起動信号を出力することに代えて、入力スイッチ開放信号を出力した後、入力スイッチ80が開放する十分な時間をとり、この時間後、制御モード切替信号および起動信号を出力しても良い。
【0068】
制御モード切替信号を受けた電流/電圧制御モード切替器170は、並列補償コンバータ10の制御モードを電流制御モードから電圧制御モードへ瞬時に切り替える。
【0069】
起動信号を受け入力電圧制御演算回路180は、起動信号を受けた瞬間における入力電圧検出値Viおよび起動信号を受けた瞬間における入力周波数、ならびに、入力電圧基準値Vi*(例えば定格の95%)および入力周波数基準値ω0(例えば50Hz)および時限値Tを用いて、時限後に入力電圧を基準電圧Vi*および基準周波数ω0にするために必要な並列補償コンバータ10が出力すべき電圧制御モード並列補償コンバータ出力電流目標値を演算する。
【0070】
並列補償コンバータ出力電流制御演算回路130以降の動作により、並列補償コンバータ10から出力される電流は電圧制御モード並列補償コンバータ出力電流目標値に制御される。
【0071】
以上の制御動作により、上流側の開放事故が発生したときにリミット回路156の機能により並列補償コンバータ10を過負荷耐量未満または過電流耐量未満に制限して並列補償コンバータ10を運転継続させ、並列補償コンバータ10の過負荷または過電流による停止を防止する。さらに、上流側の開放事故が発生したときに入力スイッチ80を開放し、入力電圧および周波数を時限後に基準値になるように並列補償コンバータ10の電流を出力し、その結果、入力電圧および周波数を基準値に制御することができるので、並列補償コンバータ10→直列トランス50→重要負荷70→並列補償コンバータ10の電流閉回路を形成して重要負荷70へ安定した電力を供給することができる。
【0072】
また、電源系統に並列に接続された負荷75の電圧および電流の方向は通常の方向と同じであり、負荷の破損を防止できる。
【0073】
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態について以下に説明する。
【0074】
本発明の第2の実施の形態にかかる無停電電源システムを用いた電力供給システム構成は、図1に示した第1の実施の形態の電力供給システムの構成と同様であるので、詳細な説明を割愛する。
【0075】
図4を用いて、この実施の形態に用いる並列補償コンバータ制御回路100の構成を説明する。
【0076】
並列補償コンバータ制御回路100の構成は、リミット電流設定器157を、第1のリミット電流設定器158と第2のリミット電流設定器159に代えた以外は、図2に示した第1の実施の形態の並列補償コンバータ制御回路100の構成と同様なので詳細な説明を割愛する。
【0077】
直流中間回路電圧補償電流演算回路110、負荷電流補償電流演算回路120、並列補償コンバータ出力電流制御演算回路130、並列補償コンバータ出力電圧指令演算回路140 、キャリア信号発生回路155、電流/電圧制御モード切替器170、入力電圧制御演算回路180、および入力スイッチ80の構成および働きは、図10で説明した従来技術と同じなので詳細な説明を割愛する。
【0078】
PWM制御回路150は、並列補償コンバータ10の出力電圧指令信号とキャリア信号発生回路155からのキャリア信号との比較を行い、リミット回路156へスイッチング信号を出力する。
【0079】
リミット回路156は、PWM制御回路150からのスイッチング信号と、第1のリミット電流設定器158からの第1のリミット電流設定値IcL1と、第2のリミット電流設定器159からの第2のリミット電流設定値IcL2と並列補償コンバータ出力電流検出値Icとから図5に示す制御フローチャートにもとづきゲートドライブ回路160へスイッチング処理信号を出力し、上流開放検出回路85へ電流リミット信号を出力する。
【0080】
図5に示すように、リミット回路156は、第1のリミット電流設定器158からの第1のリミット電流設定値IcL1と並列補償コンバータ出力電流検出値Icを比較し(S11)、並列補償コンバータ出力電流検出値Icが第1のリミット電流設定値IcL1未満の場合(No)は、スイッチング処理信号としてスイッチング信号をそのまま出力し(S15)、並列補償コンバータ出力電流検出値Icが第1のリミット電流設定値IcL1以上の場合(Yes)は、電流リミット信号を出力する(S12)とともに、スイッチング処理信号をOFFし(S13)、その後、第2のリミット電流設定器159からの第2のリミット電流設定値IcL2と並列補償コンバータ出力電流検出値Icを比較し(S14)、並列補償コンバータ出力電流検出値Icが第2のリミット電流設定値IcL2以上の場合(Yes)は、引き続きスイッチング信号をOFFする(S13)。並列補償コンバータ出力電流検出値Icが第2のリミット電流設定値IcL2未満の場合(No)は、スイッチング処理信号としてスイッチング信号をそのまま出力し(S15)、スタートに戻り同様な動作を繰り返す。
【0081】
また、第1のリミット電流設定値IcL1および第2のリミット電流設定値IcL2の値は並列補償コンバータの過負荷耐量未満または過電流耐量未満であり、かつ、第1のリミット電流設定値IcL1は第2のリミット電流設定値IcL2より大きいことは言うまでもない。
【0082】
ゲートドライブ回路160は、リミット回路156からのスイッチング処理信号に基づきスイッチング素子ブリッジに駆動パワーを供給する。
【0083】
上流開放検出回路85は、入力電圧検出値Viから入力電圧の低下(例えば定格電圧の90%)もしくは入力周波数の低下(例えば49.5Hz(50Hz定格))を検出するか、または、電流リミット信号を受信したときに、入力スイッチ80に入力スイッチ開放信号を出力する。これ以外は、従来技術と同様である。
【0084】
第2の実施の形態における制御方法を以下に説明する。
【0085】
上流側に開放事故が発生すると、図14および図15の説明で述べた理由により、並列補償コンバータ10の出力電流は増加し、並列補償コンバータ出力電流検出値Icが第1のリミット電流設定値IcL1(例えば重要負荷70の定格電流の120%)以上になったとき、リミット回路156から、電流リミット信号を上流開放検出回路85へ出力する。
【0086】
上流開放検出回路85は、電流リミット信号を受信し、入力スイッチ80に入力スイッチ開放信号を出力する。
【0087】
この入力スイッチ開放信号を受けた入力スイッチ80は、開放して負荷75および電力系統60と、直並列補償方式瞬低対策システムを分離し、確実に開放したことを検出して入力スイッチ開放アンサーバック信号を出力する。
【0088】
入力スイッチ80が開放するまでの間はリミット回路156の機能より効果的に並列補償コンバータ出力電流は第1のリミット電流設定値IcL1程度以下に制限され、並列補償コンバータ10が、その自己防衛機能により停止する恐れがない。
【0089】
入力スイッチ開放アンサーバック信号を受けた上流開放検出回路85は、電流/電圧制御モード切替器170に制御モード切替信号を出力するとともに、入力電圧制御演算回路180に起動信号を出力する。なお、入力スイッチ80から入力スイッチ開放アンサーバック信号を受けてから制御モード切替信号および起動信号を出力することに代えて、入力スイッチ開放信号を出力した後、入力スイッチ80が開放する十分な時間をとり、この時間後、制御モード切替信号および起動信号を出力しても良い。
【0090】
制御モード切替信号を受けた電流/電圧制御モード切替器170は、並列補償コンバータ10の制御モードを電流制御モードから電圧制御モードへ瞬時に切り替える。
【0091】
起動信号を受け入力電圧制御演算回路180は、起動信号を受けた瞬間における入力電圧検出値Viおよび起動信号を受けた瞬間における入力周波数、ならびに、入力電圧基準値Vi*(例えば定格の95%)および入力周波数基準値ω0(例えば50Hz)および時限値Tを用いて、時限後に入力電圧を基準電圧Vi*および基準周波数ω0にするために必要な並列補償コンバータ10が出力すべき電圧制御モード並列補償コンバータ出力電流目標値を演算する。
【0092】
並列補償コンバータ出力電流制御演算回路130以降の動作により、並列補償コンバータ10から出力される電流は電圧制御モード並列補償コンバータ出力電流目標値に制御される。
【0093】
以上の制御動作により、上流側の開放事故が発生したときに、リミット回路156の機能により並列補償コンバータ10の出力を過負荷耐量未満または過電流耐量未満に制限して並列補償コンバータを運転継続させ、並列補償コンバータ10の過負荷または過電流による停止を防止するとともに、入力スイッチ80を開放し、入力電圧および周波数を時限後に基準値になるように並列補償コンバータ10の電流を出力し、その結果、入力電圧および周波数を基準値に制御することができるので、並列補償コンバータ10→直列トランス50→重要負荷70→並列補償コンバータ10の電流閉回路を形成させ、重要負荷70へ安定した電力を供給することができる。
【0094】
また、負荷の電圧および電流の方向は通常の方向と同じであり負荷の破損を防止できる。
【0095】
図6、図7、図8を用いて、第1の実施の形態および第2の実施の形態の無停電電源システムにおける上流開放事故時の電流および電力の流れを説明する。
【0096】
<上流事故発生時>
上流開放事故発生前に直並列補償方式瞬低対策システムに並列に重要負荷70の10倍の容量を持つ負荷75が接続されているとする。電力系統60の電圧が、例えば重要負荷70の定格電圧の95%だったとすると、入力電圧が重要負荷70の定格電圧の95%であることから、直列補償インバータ20は、重要負荷70の定格電圧の5%の電圧を発生させて、直列トランス50を介して入力電圧に重畳させ重要負荷70には100%の電圧を確立させている。
【0097】
図6に示すように、上流に開放事故が発生すると、重要負荷70および負荷75には、並列補償コンバータ10が電流の供給源になり、並列補償コンバータ10→直列トランス50→重要負荷70→並列補償コンバータ10の閉ループと並列補償コンバータ10→負荷75→並列補償コンバータ10の閉ループを形成する。図14および図15で説明した理由により、並列補償コンバータ10は過負荷または過電流になる恐れがあるが、並列補償コンバータ10の出力電流Icが、リミット回路156の機能により、第1の実施の形態においてはリミット電流設定値IcL(例えば重要負荷70の定格電流の120%)程度、第2の実施の形態においては第1のリミット電流設定値IcL1(例えば重要負荷70の定格電流の120%)程度、に制限されるので、並列補償コンバータ10の出力電流Icは例えば重要負荷70の定格電流の120%程度になり、並列補償コンバータ10は、過負荷または過電流でトリップする恐れがない。
【0098】
並列補償コンバータ10の出力電圧は、並列補償コンバータ10の出力電流を制限するために重要負荷70の定格電圧の2%程度の電圧を確立しているので、重要負荷電力PiLの2%程度の電力を供給する。また、負荷75には重要負荷70の電力の0.4%程度(負荷75の電力の0.04%程度)を供給する。
【0099】
直列補償インバータ20は、重要負荷70の定格電圧の98%程度の電圧を確立しているので重要負荷電力PiLの98%程度を供給する。直列補償インバータ20の出力電流Iiは、直列トランス50の二次巻線を介して閉ループを構成する。
【0100】
重要負荷70の電圧および電流は定格値を維持しており、重要負荷70の定格電力が安定して供給される。一方、負荷75には定格電圧の2%程度が確立され、負荷75の電流は重要負荷70の定格電流の20%程度(負荷75の電流の2%程度)であり、負荷75の電力は重要負荷70の電力の0.4%程度(負荷75の電力の0.04%程度)である。また、負荷75の電圧および電流は通常の方向であり負荷を破損する恐れがない。
【0101】
電力貯蔵媒体30は、並列補償コンバータ10および直列補償インバータ20へ電力Pesを供給している。これはちょうど重要負荷70に供給する電力と負荷75に供給する電力の合計であり重要負荷70の定格電力の100.4%程度に相当する。
【0102】
<入力スイッチ80を開放したとき>
図7に示すように、リミット回路156から電流リミット信号を出力し、この信号を上流検出回路85が受信すると、上流検出回路85から入力スイッチ開放信号が出力され入力スイッチ80が開放される。並列補償コンバータ10は、従来技術と同様に制御モード切替動作により電流制御モードから電圧制御モードへ切り替えられる。この時間は瞬時にして行われるので入力電圧は重要負荷定格電圧の2%程度のままである。
【0103】
直列補償インバータ20は、入力電圧が重要負荷70の定格電圧の2%程度であるので、重要負荷70の定格電圧の98%程度の電圧を発生させ、直列トランス50を介して入力電圧に重畳させ、重要負荷70には定格電圧の100%の電圧を確立させる。
【0104】
重要負荷70の電流は、並列補償コンバータ10が供給源になり並列補償コンバータ10→直列トランス50→重要負荷70→並列補償コンバータ10の閉ループを形成している。この閉ループの電流は負荷75への電流の供給を入力スイッチ80により遮断しているので重要負荷70の定格電流の100%になる。また、直列補償インバータ20の出力電流Iiは、直列トランス50の二次巻線を介し閉ループを構成している。
【0105】
並列補償コンバータ10は、重要負荷定格電圧の2%程度の電圧を確立しているので重要負荷70に供給する電力の2%程度を供給している。また、直列補償インバータ20は重要負荷定格電圧の98%程度の電圧を確立しているので重要負荷70に供給する電力の98%程度を供給している。重要負荷70の電圧および電流は定格値を維持しており、重要負荷70の定格電力が安定して供給される。一方、負荷75には入力スイッチ80が開放されているので、電力供給は行われない。
【0106】
電力貯蔵媒体30は、並列補償コンバータ10および直列補償インバータ20の電力Pesを供給している。これはちょうど重要負荷70に供給する電力の100%に相当する。したがって、電力貯蔵媒体30の電圧は依然として急激に低下するが、並列補償コンバータ10は電圧制御モードに切り替えられているので、入力電圧の低下または周波数の低下はなく自己防衛機能により並列補償コンバータ10は停止する恐れはない。
【0107】
その後、図11〜図13で説明したように、従来技術と同様に入力電圧は基準の例えば95%まで、時限Tを伴い徐々に上昇していく。
【0108】
<入力電圧が基準値、例えば95%に並列補償コンバータ10が制御されている時>
図8に示すように、この時の電流や電力の流れは直並列補償方式瞬低対策システムに並列に重要負荷70の10倍の容量を持つ負荷75が接続されていることを除き、図13に示した<入力電圧が基準値、例えば95%に並列補償コンバータ10が制御されている時>と同じである。
【0109】
このように、本発明の実施の形態によれば、上流側の開放事故が発生したときに、リミット回路156の機能により並列補償コンバータ10の過負荷耐量未満または過電流耐量未満に制限して並列補償コンバータ10を運転継続させることにより、並列補償コンバータ10の過負荷または過電流による停止を防止するとともに、入力スイッチ80を開放し、入力電圧および周波数を時限後に基準値になるように並列補償コンバータ10の電流を出力し、その結果、入力電圧および周波数を基準値に制御することができるので、並列補償コンバータ10→直列トランス50→重要負荷70→並列補償コンバータ10の電流閉回路を形成させ、重要負荷70へ安定した電力を供給することができる。
【0110】
また、負荷75の電圧および電流の方向は通常の方向と同じであり負荷75の破損を防止できる。
【0111】
【発明の効果】
直並列補償方式瞬低対策システムに並列に負荷が接続されている場合において、上流の開放事故(系統の完全な停電、電力系統の断線、上流遮断器の開放等)が発生しても、リミット回路156の機能によって並列補償コンバータ10の出力電流を過負荷耐量未満または過電流耐量未満に制限するので、並列補償コンバータを運転継続させて並列補償コンバータ10の過負荷または過電流による停止を防止することができる。
【0112】
さらに、入力スイッチ80を開放し、入力電圧および周波数を時限後に基準値になるように並列補償コンバータ10の電流を出力し、その結果、入力電圧および周波数を基準値に制御することができるので、並列補償コンバータ10→直列トランス50→重要負荷70→並列補償コンバータ10の電流閉回路を形成させることにより重要負荷70へ安定した電力を供給することができる。
【0113】
また、負荷75の電圧および電流の方向は通常の方向と同じであり負荷75の破損を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる直並列補償方式瞬低対策システムを用いた無停電電源システムの構成を示すブロック図。
【図2】第1の実施の形態にかかる直並列補償方式瞬低対策システムを用いた無停電電源システムの並列補償コンバータ制御回路の構成を示すブロック図。
【図3】第1の実施の形態にかかるリミット回路の制御フローチャート。
【図4】第2の実施の形態にかかる直並列補償方式瞬低対策システムを用いた無停電電源システムの並列補償コンバータ制御回路の構成を示すブロック図。
【図5】第2の実施の形態にかかるリミット回路の制御フローチャート。
【図6】本発明にかかる直並列補償方式瞬低対策システムを用いた無停電電源システムに並列に負荷が接続されている場合における上流開放事故発生時の電流および電力の流れを説明する図。
【図7】本発明にかかる直並列補償方式瞬低対策システムを用いた無停電電源システムに並列に負荷が接続されている場合における上流開放事故発生時に入力スイッチを開放したときの電流および電力の流れを説明する図。
【図8】本発明にかかる直並列補償方式瞬低対策システムを用いた無停電電源システムに並列に負荷が接続されている場合において、上流スイッチが開放し、入力電圧が95%(基準値)となるように並列補償コンバータが制御されているときの電流および電力の流れを説明する図。
【図9】従来の直並列補償方式瞬低対策システムを用いた無停電電源システムの構成を示すブロック図。
【図10】図9の無停電電源システムの並列補償コンバータ制御回路の構成を示すブロック図。
【図11】従来の直並列補償方式瞬低対策システムを用いた無停電電源システムにおける上流開放事故発生時の電流および電力の流れを説明する図。
【図12】従来の直並列補償方式瞬低対策システムを用いた無停電電源システムにおける上流開放事故発生時に上流開放検出回路により入力電圧が90%まで低下したことを検出して入力スイッチを開放したときの電流および電力の流れを説明する図。
【図13】従来の直並列補償方式瞬低対策システムを用いた無停電電源システムにおいて、上流スイッチが開放し、入力電圧が95%(基準値)となるように並列補償コンバータが制御されているときの電流および電力の流れを説明する図。
【図14】従来の直並列補償方式瞬低対策システムを用いた無停電電源システムに並列に負荷が接続されている場合における上流開放事故発生時の電流および電力の流れを説明する図。
【図15】従来の直並列補償方式瞬低対策システムを用いた無停電電源システムに並列に負荷が接続されている場合における上流開放事故が発生したことにより並列補償コンバータが自己防衛機能により停止したときの電流および電力の流れを説明する図。
【符号の説明】
10:並列補償コンバータ
20:直列補償インバータ
30:電力貯蔵媒体
35:直流中間回路電圧検出回路
40:並列トランスまたは並列リアクトル
50:直列トランス
60:電力系統
70:重要負荷
75:負荷
80:入力スイッチ
85:上流開放検出回路
100:並列補償コンバータ制御回路
110:直流中間回路電圧補償電流演算回路
120:負荷電流補償電流演算回路
130:並列補償コンバータ出力電流制御演算回路
140:並列補償コンバータ出力電圧指令演算回路
150:PWM制御回路
155:キャリア信号発生回路
156:リミット回路
157:リミット電流設定器
158:第1のリミット電流設定器
159:第2のリミット電流設定器
160:ゲートドライブ回路
170:電流/電圧制御モード切替器
180:入力電圧制御演算回路
191:入力電圧基準値設定器
193:入力周波数基準値設定器
195:時限設定器
200:直列補償インバータ制御回路

Claims (3)

  1. 電力系統と、該電力系統から給電され電力系統の瞬時電圧低下(以下、瞬低という)を許容しない負荷と、前記電力系統と前記負荷との間に設けた電源ラインに並列に挿入された並列トランスまたは並列リアクトルと電源ラインに直列に接続された直列トランスと前記並列トランスまたは並列リアクトルに接続されたコンバータ(以下、並列補償コンバータという)と前記直列トランスに接続されたインバータ(以下、直列補償インバータという)と前記並列補償コンバータと前記直列補償インバータの間に接続された電力貯蔵媒体とから構成され電力系統の瞬低および停電に対応する直並列補償方式瞬時電圧低下対策システム(以下、直並列補償方式瞬低対策システムという)とを有し、
    前記直並列補償方式瞬低対策システムと前記電力系統の間に、電力系統側の開放事故または並列補償コンバータの過負荷または過電流を検出したときに前記電力系統と前記直並列補償方式瞬低対策システムとの間を遮断する入力スイッチを設けた無停電電源システム。
  2. 並列補償コンバータの過負荷または過電流を検出した時に並列補償コンバータの出力電流を並列補償コンバータの過電流耐量または過負荷耐量未満に制限するようにした請求項1に記載の無停電電源システム。
  3. 直並列補償方式瞬低対策システムには負荷が並列に接続されている請求項1または請求項2に記載の無停電電源システム。
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