JP4108805B2 - 消費電力特性計算手段及びその方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゲート(最小回路部品)のライブラリ化に関し、特にゲートレベルシミュレータ用ゲートライブラリの消費電力特性の測定、予測技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
チップの設計段階における実チップの消費電力の見積もりは、過去には回路を容量、抵抗、ダイオード、電流源、電圧源等の接続関係として扱い、更にこれをライブラリとネットリストで表現し、そのもとでこれらを電流と電圧の関係式に変換し、その結果を用いて更に回路の入力に対して電流と電圧の関係式を反復法等を用いて解き、回路内部を流れる電流や電圧の大きさを推定する回路シミュレータを用いて行っていた。
【0003】
しかし、そのシミュレーションに要する時間はON、OFF等の信号が外部から入力される配線に関係する入力信号変化列に対しては比例して増大する。また、トランジスタの個数が増し、接続が複雑化した大規模回路に対しては、電流と電圧の関係式が複雑化するため、経験則上平均して指数関数的に増大する。このため、大規模回路では扱えなかった。
【0004】
そこで、近年のLSIの大規模化とともに、LSIの消費電力はゲートレベルシミュレーションで見積もりを行うことが一般的となっている。
このゲートレベルシミュレーションでの消費電力見積りには、ゲートレベルシミュレーションの最小構成要素である論理ゲートにおいて、入力論理変化と入力論理変化が発生した時に論理ゲートで消費される消費電力との対応関係(回路入力対消費電力関係)をあらかじめ回路シミュレータで測定し(含む、推定計算等をなすこと)、それをライブラリ化しておく必要がある。
【0005】
そして、この回路入力対消費電力の関係の算出のためには、論理ゲートの入力に与えうる全ての入力論理変化に対して回路シミュレータで消費電力を測定する方法が一般的であった。
【0006】
しかしながら、この測定方法では、N入力ゲートに対して通常各ゲートが2つの論理値を採り得るため、入力論理は2^N(2のN乗)となる。そしてこれに対する変化も2^N通りとなるが、このうち1は入力論理と同じとなるため総計で(2^N)×(2^N−1)通りの入力論理変化が必要となる。従って、論理ゲートの入力端子数が増加すると、やはり消費電力の測定に要する時間(含む、推定計算時間)が非常にかかってしまう。
【0007】
さて、近年は論理合成ツールを効率的に用いるための複雑な組み合わせ論理ゲートや、設計再利用のための乗算器等、回路規模が大きくしかも入力端子数も多い大規模論理ゲートが増加している。このため、このような論理ゲートの消費電力を測定する際には、消費電力の測定時間が増大し、問題となる。
【0008】
この課題に対して、例えば、ASP−DAC’97 3C.1 CB−Power:A Hierarchical Cell−Based Power Characterization and Estimation Environment for Static CMOS Circuitsに記載されている消費電力パラメータ測定システム( 以下CB−Powerと記す) では、論理ゲート中で使われるAND,OR等の部分回路の出力配線を変化させる全ての入力信号変化に対する消費電力を算出したものをあらかじめライブラリ化し、これらの部分回路の組み合わせからなる論理ゲートの消費電力を論理ゲートの入力変化に伴って発生する部分回路の入力変化に対応する消費電力の総和から算出する方法を用いている。
【0009】
この方法は、予め部分回路の消費電力を複数の論理ゲートに適用しうるべくライブラリ化する際に、部分回路の入力として可能性のある(従って、実際には入力されないのもあり得る)すべての入力変化のうち、部分回路の出力を変化させるもののみについて消費電力を測定することと、測定した部分回路の消費電力を論理ゲート回路図中の同一の構造を持つ部分回路に適用することで、複数の論理ゲートに渡った消費電力測定において消費電力を測定すべき部分回路入力変化数と部分回路数を削減し、これにより回路シミュレーション時間の短縮を図っている。
【0010】
例えば、今、図3に示すような回路について、1つの入力論理変化に対して部分回路P01およびP02の消費電力を測定するのにそれぞれ1分、回路の消費電力を測定するのに2分かかると仮定する。そうすると、この回路1つの消費電力の測定時間は、入力ゲート数が2であるため、一般的手法では入力論理変化は(2^2)×(2^2−1)=12通りとなる。そして、1つの回路に各2分づつ消費電力計算を行うので、全体では24分かかることなる。
【0011】
一方、CB−Powerの手法では、出力を変化させる入力論理変化のみ扱うので、各部分回路で(論理0を出力する入力論理値数)×(論理1を出力する入力論理値数)×2通りの入力論理変化が必要となる。
【0012】
図3に示す回路では、図6に示すような部分回路P01、P02に分割され、部分回路P01の入出力論理関係は図9の901、部分回路P02の入出力論理関係は図9の902で示されるので、部分回路P01に必要な入力論理変化数は1×3×2=6通りであり、部分回路P02に必要な入力論理変化数は3×5×2=30通りである。
【0013】
したがって、CB−Powerの手法では、部分回路P01に対して6通り、部分回路P02に対して30通りの入力論理変化をそれぞれ1分づつ消費電力計算を行うので36分かかる。
すなわち、CB−Powerの手法は、論理ゲート1つだけを見た場合、一般的手法よりも消費電力測定時間が増加してしまう。
【0014】
しかしながら、部分回路が100種類あり、各1種の部分回路が全回路中で2度使われているものとすると、一般的な手法では、24×100=2400分かかるが、CB−Powerの手法では36×100/2=1800分ですむ。
また、各1種の部分回路が全回路中で3度使われている場合で1200分、4つ使われている場合で900分ですむ。
【0015】
さて、予め基板上の薄膜シリコン等の上に作られた論理素子を配線で接続する方式のゲートアレイを対象としたゲートアレイライブラリなどでは、論理素子を有効に使うため論理素子の種類を少なくしかつその論理素子で使っているトランジスタのサイズ(幅と高さ)を揃える傾向にあるため、結果的に複数の論理ゲートで特性および構成の同じ部分回路を使用していることが多い。このためCB−Powerの手法は、消費電力特性の測定時間を大幅に短縮することが出来る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上記のごとく、従来例のCB−Powerの手法では、ゲートアレイライブラリなど、複数の論理ゲートで特性および構成の同じ部分回路を使用している場合には非常に効果的な方法である。しかし、大きさ(高さ)を揃えた論理素子(セル)を配置、配線するセルベースライブラリでは、論理素子を予めシリコン上には作らない方式を採っているため自由度が高く、一般的にゲートアレイライブラリより多種のセルを有する。結果的に複数の論理ゲートで特性および構成の同じ部分回路を使用していることが少なくなる。このため、部分回路の消費電力を同一の部分回路を持つ別の論理ゲートに再利用することによる消費電力測定時間短縮効果は減少する。
【0017】
その一方、部分回路の消費電力の再利用を前提としているがために、2つ以上の部分回路から構成される論理ゲートにおいて、2段目以降の部分回路の入力配線に伝搬しない論理値に関する消費電力まで測定する必要がある。
例えば、図3に示す回路では、2段目の部分回路P02の入力論理変化はCB−Powerの手法では30通り必要であるが、実際の論理ゲート内で発生する部分回路P02の入力論理変化は図12の1202に示す通り8通りしか存在しない。
【0018】
このように、CB−Powerの手法には論理ゲートの回路構造を考慮せずに部分回路の消費電力を測定するため、セルベースライブラリ等、複数の論理ゲートで特性および構成の同じ部分回路を使用していない場合には、不要な消費電力を測定してしまう。
【0019】
また、消費電力は電流が回路網中のどの経路を流れるかによって決まるため、たとえ異なる入力変化であっても電流の流れる経路が等しく消費電力が等しい場合がある。例えば部分回路P02に対して、図12の1202の部分回路入力番号7および8の部分回路入力変化を与えた場合、図19の1902に示す部分回路入力番号7および8の電流経路のように同一の電流経路を電流が流れ、消費電力も一致する。
【0020】
さらに、電流経路が異なる場合でも、電流経路上のトランジスタの数が等しく、出力配線とトランジスタの間を流れる電流の方向が同一で、各電流経路上の同じ順番にあるトランジスタの電流特性が同じときには、電流経路を流れる電流は同じであるため、消費電力が等しいことがある。
【0021】
例えば部分回路P01についてトランジスタTP11とTP12の電流特性が等しい時に、図12の1201の部分回路入力番号2および3の部分回路入力変化を与えた場合、図19の1901に示す部分回路入力番号2および3の電流経路を電流が流れるが、その電流量は同一であり、消費電力も一致する。
【0022】
また、一般的に、このように並列に並んでいるトランジスタの電流特性は同じものを用いている場合が多い。ところで、回路の消費電力推定の目的は、パッケージや電源巾決定あるいは回路アーキテクチャー選択が主たるものであり、厳密解よりもライブラリ生成の高速化の方が重視されている。なおこれは、一般には計画設計の段階では重量、寸法等は大凡の値で十分であり、詳細設計の如く厳密な値を得るのは経費と時間の面から不経済ともなることが多いのに似る。
【0023】
しかしながら、CB−Powerの手法ではこのような消費電力が一致する場合でもそれぞれの部分回路の入力変化に対して消費電力測定を行っていた。
また、他のこの様なゲートレベルの消費電力ライブラリの生成手技術は、種々の面からまだまだ不充分なものであった。
【0024】
このため、セルベースライブラリ等、複数の論理ゲートで特性および構成の同じ部分回路を使用していない場合にでも、論理ゲートの消費電力測定時間を短縮することの出来る消費電力測定技術の出現が望まれていた。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明は以上の課題を解決するためなされたものであり、論理ゲートの部分回路構造の同一性や類似性の存在を考慮し、更には電流経路、電流特性及びトランジスタの同一性や類似性を考慮することにより、論理ゲートの消費電力特性時間を短縮するものである。具体的には、以下の構成としている。
【0026】
請求項1記載の発明においては、トランジスタと入力配線と出力配線、その他電源線、アース線等とを有する回路網を入力されて記憶するICメモリ、ハードディスク、光磁気ディスク等の記憶媒体からなる回路網記憶手段と、上記回路網の入力配線に与える論理変化である回路入力を操作者等から入力されて(含む、プログラムにより自動入力されること)記憶するICメモリ等からなる回路入力記憶手段と、前記回路網記憶手段の記憶する回路網に含まれるトランジスタのゲート端子間の接続関係とゲート端子以外の端子間の接続関係は保ちつつ、ゲート端子とゲート端子以外の端子との接続関係を切り離した部分回路をプログラムにのっとり、所定の手順で作成して記憶するメモリー付のCPU等からなる部分回路作成記憶手段と、前記部分回路作成記憶手段の作用と調整を図りつつ上記部分回路相互の接続関係である部分回路接続関係を作成して記憶する部分回路接続関係作成記憶手段と、前記部分回路作成記憶手段の記憶内容をもとに上記部分回路にその外からの論理値を伝える部分回路入力配線における論理値と、上記部分回路内よりその外へ論理値を伝える部分回路出力配線における論理値との対応関係である部分回路入出力関係をプログラムに従ったりして各部分回路毎に算出して記憶する部分回路入出力関係算出記憶手段と、前記回路入力記憶手段の記憶内容と前記部分回路接続関係作成記憶手段の記憶内容と前記部分回路入出力関係算出記憶手段の記憶内容とをもとに、上記回路網の入力配線に与える論理変化とこれに対応する各部分回路の入力変化の対応関係を算出して記憶する回路入力対部分回路入力関係算出記憶手段と、前記部分回路作成記憶手段の記憶内容と前記部分回路入出力関係算出記憶手段の記憶内容をもとに、上記部分回路の入力論理変化列と各入力論理変化毎の消費電力の対応関係である部分回路入力対消費電力関係を所定の手順で算出して記憶する部分回路入力対消費電力関係算出記憶手段と、前記回路入力対部分回路入力関係算出記憶手段の記憶内容と前記部分回路入力対消費電力関係算出記憶手段の記憶内容より、各回路入力に対応する各部分回路入力の消費電力の総和を各回路入力に対応する回路の消費電力とみなして算出して記憶する回路消費電力算出手段とを有している。
【0027】
上記構成により、以下の作用がなされる。
回路網記憶手段は少なくともトランジスタと入力配線と出力配線とを有する回路網を、操作者等から各種接続関係を示す各種の表の形式やポインタリストや線図等の形で入力されて記憶する。
回路入力記憶手段は、上記回路網の各入力配線に外部から与えられる1、0(電圧の高、低)等の論理変化である回路入力を、例えば各入力線毎にその論理変化の対応の内容を示した表、ひいては回路網における各入力配線の各論理変化の組合せ表の形式で記憶する。
【0028】
部分回路作成記憶手段は、上記回路網に含まれるトランジスタのゲート端子間の接続関係とゲート端子以外の端子間(含む、電源等)の接続関係は保ちつつ、ゲート端子とゲート端子以外の端子との接続関係を切り離した部分回路を、例えばポインタリストを参照して、ゲートとゲート以外の端子の接続関係を消去する等して作成し、これを記憶する。
部分回路接続関係作成記憶手段は、前記部分回路作成記憶手段の作用と調整を図りつつ、上記部分回路相互の接続関係である部分回路接続関係を作成して、例えば各部分回路毎の接続する相手方の対応表の形式やポインタリストを修正した形式で記憶する。
【0029】
部分回路入出力関係算出記憶手段は、前記分回路作成記憶手段の記憶内容をもとに、上記部分回路に回路網の外や他の部分回路等その外からの論理値を伝える部分回路入力配線における論理値と、上記部分回路内よりその外へ論理値を伝える部分回路出力配線における論理値との対応関係である部分回路入出力関係を各部分回路毎に算出して例えば一覧表の形で記憶する。
回路入力対部分回路入力関係算出記憶手段は、前記回路入力記憶手段の記憶内容と前記部分回路接続関係作成記憶手段の記憶内容と前記部分回路入出力関係算出記憶手段の記憶内容とをもとに、上記回路網の入力配線に外部より与える(与えられる)論理変化とこれに対応する各部分回路の入力変化の対応関係を上流側の部分回路から順に計算する等所定の手順で算出して記憶する。
【0030】
部分回路入力対消費電力関係算出記憶手段は、前記部分回路作成記憶手段の記憶内容と前記部分回路入出力関係算出記憶手段の記憶内容をもとに、上記部分回路の入力論理変化列と各入力論理変化毎の消費電力の対応関係である部分回路入力対消費電力関係をプログラムにのっとって各種のデータの記載されているライブラリー(辞書)を参照したり、別途の式を呼び出したりして算出して記憶する。
例えばプログラム上での加算機能等を有する回路消費電力算出手段は、前記回路入力対部分回路入力関係算出記憶手段の記憶内容と前記部分回路入力対消費電力関係算出記憶手段の記憶内容より、各回路入力に対応する各部分回路入力の消費電力の総和を各回路入力に対応する消費電力とみなして算出し、各回路入力ごとに消費電力を記憶する。
【0034】
また、請求項1記載の発明においては、上記記載の消費電力特性計算手段において、前記部分回路入力対消費電力関係算出記憶手段は、前記部分回路作成記憶手段の記憶内容と前記部分回路入出力関係算出記憶手段の記憶内容を参照して、各部分回路毎に、部分回路における上記部分回路入力の変化前の論理値と変化後の論理値のいずれかで駆動されるトランジスタを有することとなる(そして、駆動されないトランジスタを有しない)電源配線から接地配線までの経路と上記部分回路における変化後の論理値で駆動されるトランジスタを有することとなる電源配線から出力配線までの経路または出力配線から接地配線までの経路とを重ねあわせた経路である電流経路(含む、単に電線、信号線のみならずそれらに接続されたトランジスタ等についての情報)を作成して記憶する電流経路作成記憶小手段と、前記部分回路入出力関係算出記憶手段の記憶内容と前記電流経路作成記憶小手段の作成した電流経路との対応関係を作成して各部分回路毎に部分回路入力対電流経路関係として記憶する部分回路入力対電流経路関係作成記憶小手段と、前記部分回路入力対電流経路関係作成記憶小手段の記憶する電流経路を使用して電流と電圧の関係から各電流経路毎の消費電力を求め、更に部分回路入力対消費電力関係を算出して記憶する部分回路入力対消費電力関係算出記憶小手段とを有している。
【0035】
上記構成により、請求項1もしくは請求項2記載の消費電力特性計算手段の部分回路入力対消費電力関係算出記憶手段にて以下の作用がなされる。
電流経路作成記憶小手段は、前記部分回路作成記憶手段の記憶内容と前記部分回路入出力関係算出記憶手段の記憶内容を参照して、各部分回路毎に部分回路における上記部分回路入力の変化前の論理値と変化後の論理値のいずれかで駆動されるトランジスタを有することとなる電源配線から接地配線までの経路と上記部分回路における変化後の論理値で駆動されるトランジスタを有することとなる電源配線から出力配線までの経路または出力配線から接地配線までの経路とを重ねあわせた経路である電流経路を別途記憶している部分回路を参照する等して作成し、そして勿論この電流経路上のトランジスタやその順番等をも併せて記憶する。
【0036】
部分回路入力対電流経路関係作成記憶小手段は、前記部分回路入出力関係算出記憶手段の記憶内容と前記電流経路作成記憶小手段の作成した電流経路との対応関係を作成して各部分回路毎に部分回路入力対電流経路関係として記憶する。
部分回路入力対消費電力関係算出記憶小手段は、前記部分回路入力対電流経路関係作成記憶小手段の記憶する電流経路を使用して電流と電圧の関係から各電流経路毎の消費電力を求め、更に部分回路入力対消費電力関係を算出して記憶する。
よってこの際、同一視した部分回路入力については、一の(ある特定の)部分回路の計算結果を他の部分回路入力での消費電力計算に際して流用して必要な記憶等する。
【0037】
請求項記載の発明においては、請求項記載の消費電力特性計算手段において部分回路入力対消費電力関係算出記憶手段は、前記部分回路入力対消費電力関係算出記憶小手段の作用前に、前記部分回路入出力関係算出記憶手段の記憶内容と前記部分回路入力対電流経路関係作成記憶小手段の記憶内容を調べて、同一の電流経路となる部分回路入力が複数存在するならば、これら複数の部分回路入力を同一とみなして前記部分回路入出力関係算出記憶手段と前記部分回路入力対電流経路関係作成記憶手段に記憶させ直し、併せて前記部分回路入力対消費電力関係算出記憶小手段に同一の部分回路入力の消費電力の計算を流用させる部分回路入力同一視小手段とを有していることを特徴としている。
【0038】
上記構成により、以下の作用がなされる。
部分回路入力対消費電力関係算出記憶手段の部分回路入力同一視小手段は、前記部分回路入力対消費電力関係算出記憶小手段の作用前に、前記部分回路入出力関係算出記憶手段の記憶内容と前記部分回路入力対電流経路関係作成記憶小手段の記憶内容を調べて、ハード的な構成が同一の電流経路となる部分回路入力が複数存在するならば、これら複数の部分回路入力消費電力の計算に際して同一とみなして作用するよう前記部分回路入出力関係算出記憶手段と前記部分回路入力対電流経路関係作成記憶小手段に記憶させ直し、併せて前記部分回路入力対消費電力関係算出記憶小手段に後の部分回路入力については先に計算した同一の部分回路入力の消費電力の計算結果を流用させる。
【0039】
請求項記載の発明においては、請求項若しくは請求項記載の消費電力特性計算手段において、前記部分回路入力対消費電力関係算出記憶手段は、前記部分回路入力対消費電力関係算出記憶小手段の作用前に、前記電流経路作成記憶小手段の若しくは部分回路入力対電流経路関係作成記憶小手段の記憶内容を参照して、上記電流経路を構成するトランジスタの数と、出力配線とトランジスタとの間に流れる電流の方向と、経路上に現れるトランジスタについて電源端子からの順番の等しい全てのトランジスタの電流特性(IーV特性)とが等しい複数の電流経路を同一電流経路と見なして、前記電流経路作成小手段若しくは部分回路入力対電流経路関係作成記憶小手段に記憶させ直すよう作用する電流経路同一視手段を有していることを特徴としている。
【0040】
上記構成により、以下の作用がなされる。
部分回路入力対消費電力関係算出記憶手段の電流経路同一視手段は、前記部分回路入力対消費電力関係算出記憶小手段の作用前に、前記電流経路作成記憶小手段の若しくは部分回路入力対電流経路関係作成記憶小手段の記憶内容を参照して、上記電流経路を構成するトランジスタの数と、出力配線とトランジスタとの間に流れる電流の方向と、全ての順番の等しいトランジスタの電流特性とが等しい複数の電流経路を同一電流経路と見なして、前記電流経路作成小手段若しくは部分回路入力対電流経路関係作成記憶小手段に記憶させ直すよう作用する。しかる後、部分回路入力と消費電力の関係が算出され、同一電流経路の重複計算が省略される。
【0041】
請求項記載の発明においては、部分回路消費電力算出手段は、トランジスタと入力配線と出力配線とを有する複数の部分回路を記憶する部分回路記憶手段と、上記部分回路についてその入力配線に与える論理変化である部分回路入力を記憶する部分回路入力記憶手段と、前記部分回路記憶手段と部分回路入力記憶手段の記憶内容をもとに、上記部分回路内にその外からの論理値と、上記部分回路内よりその外へ伝える論理値との対応関係である部分回路入出力関係を部分回路のトランジスタの特性等を考慮しつつ算出して記憶する部分回路入出力関係算出記憶手段と、前記部分回路記憶手段の記憶内容と前記部分回路入出力関係算出記憶手段の記憶内容を参照して、部分回路における上記部分回路入力の変化前の論理値と変化後の論理値のいずれかで駆動されるトランジスタを有することとなる電源配線から接地配線までの経路と上記部分回路における変化後の論理値で駆動されるトランジスタを有することとなる電源配線から出力配線までの経路または出力配線から接地配線までの経路とを重ねあわせた経路である電流経路を作成して記憶する電流経路作成記憶手段と、前記部分回路入出力関係算出記憶手段の記憶内容と前記電流経路作成記憶手段の作成した電流経路との対応関係を作成して、部分回路入力対電流経路関係として記憶する部分回路入力対電流経路関係作成記憶手段と、部分回路入力毎の電流経路の算出に先立って、前記部分回路入力対電流経路関係作成記憶手段の記憶内容を調べて、同一の電流経路となる部分回路入力が複数存在するならば、これら複数の部分回路入力を同一とみなして前記部分回路入力対電流経路関係作成記憶手段に記憶させ直す部分回路入力同一視手段と、前記部分回路同一視手段の作用後に上記部分回路入力毎の電流経路の消費電力を算出する部分回路消費電力算出手段とを有していることを特徴とする。
【0042】
上記構成により、以下の作用がなされる。
部分回路記憶手段は、操作者等から入力されたトランジスタと入力配線と出力配線とを有する複数の部分回路をポインタリストや図や表の形式で記憶する。部分回路入力記憶手段は、上記部分回路について、その入力配線に与える論理変化である部分回路入力を別途入力されたり計算したりして記憶する。
【0043】
部分回路入出力関係算出記憶手段は、前記部分回路記憶手段と部分回路入力記憶手段の記憶内容をもとに、上記部分回路内にその外からの論理値と、上記部分回路内よりその外へ伝える論理値との対応関係である部分回路入出力関係を算出して記憶する。
【0044】
電流経路作成記憶手段は、前記部分回路記憶手段の記憶内容と前記部分回路入出力関係算出記憶手段の記憶内容を参照して、部分回路における上記部分回路入力の変化前の論理値と変化後の論理値のいずれかで駆動されるトランジスタを有することとなる電源配線から接地配線までの経路と上記部分回路における変化後の論理値で駆動されるトランジスタを有することとなる(駆動されないトランジスタは含まない)と電源配線から出力配線までの経路または出力配線から接地配線までの経路とを重ねあわせた経路である電流経路を作成して記憶する。
【0045】
部分回路入力対電流経路関係作成記憶手段は、前記部分回路入出力関係算出記憶手段の記憶内容と前記電流経路作成記憶手段の作成した電流経路との対応関係を作成して、部分回路入力対電流経路関係として記憶する。
【0046】
部分回路入力同一視手段は、部分回路入力毎の電流経路の算出に先立って、前記部分回路入力対電流経路関係作成記憶手段の記憶内容を調べて、同一の電流経路となる部分回路入力が複数存在するならば、これら複数の部分回路入力を同一とみなして、即ち消費電力の計算に際して先の計算結果を後の計算に流用しこのため後の計算そのものはしなくてすむ態様で、前記部分回路入力対電流経路関係作成記憶手段に記憶させ直す。
消費電力特性計算手段は、前記部分回路同一視手段の作用後に上記部分回路入力毎の電流経路の消費電力を算出する。
【0047】
請求項記載の発明においては、請求項記載の消費電力特性計算手段において、前記部分回路入力同一視手段の作用に先立って、前記電流経路作成記憶手段の記憶内容をもとに、上記電流経路を構成するトランジスタの数と、出力配線とトランジスタとの間に流れる電流の方向と、全ての順番の等しいトランジスタの電流特性とが等しい複数の電流経路を同一電流経路と見なすよう前記部分回路入力対電流経路関係作成記憶手段に作用する電流経路同一視手段を有していることを特徴としている。
【0048】
上記構成により、以下の作用がなされる。
電流経路同一視手段は、前記部分回路入力同一視手段の作用に先立って、前記電流経路作成記憶手段の記憶内容をもとに、上記電流経路を構成するトランジスタの数と、出力配線とトランジスタとの間に流れる電流の方向と、全ての順番の等しいトランジスタの電流特性とが等しい複数の電流経路を同一電流経路と見なし、消費電力の計算に際しては先の計算結果を流用しうる態様で記憶しなおすよう前記部分回路入力対電流経路関係作成記憶手段に作用する。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態に基づいて説明する。
さて、本発明の消費電力特性計算手段は、実際にはワークステーション上に構成され、必要な計算、記憶等はそのシステムでのCPU、メモリ等にてなされることが多い。然し、この形式で説明すると、ハード的構成が不明確となりかねない。そこで、本発明の消費電力特性計算を主用途とする計算機システムの形式で(ワークステーションから必要の部分のみとりだした形式で)ハード的構成を説明する。
【0051】
図28に、その形式的構成を示す。本図において、(a)はその外観を示すものであり、1は計算機、液晶表示部、ハードディスク収納部等を内蔵した本体である。2はキーボードであり、3は,マウスである。4は印刷出力部であり、5と6は各本発明に係るプログラム、本発明の計算に使用するライブラリ(辞書、データ表)を内蔵したフロッピーディスクである。7は本計算機からみて外部の大型計算機である。
【0052】
以上の他、必要に応じて光学的読取機8、CADシステム9等との接続もなされ、また出力は液晶表示部にてもなされるようにされている。
光学的に回路図を読み込んだ場合には、各回路要素はその図形がJIS等により定まっているため、これを基に計算機による回路の仮認識、その結果を表示部へ表示しての人による確認等がなされる。CADシステムや大型計算機との結合も、各種規則や通信規約にのっとってなされる。ただし、これらは、いわば周知とまではいかなくても、今日では容易に成しうる技術であるため、その詳細な説明は省略する。
【0053】
(b)は(a)の構成を示す図である。
本図において、11は計算機部であり、12は通信部であり、23は入力部であり、44は出力部であり、55はプログラム記憶部であり、66はライブラリ記憶部であり、77は回路網記憶部であり、88は各種記憶部であり、71は外部の大型計算機であり、72は同じくデータベースである。また、8は光学的読取機であり、9はCADシステムである。そして、(a)に示すハードディスク5、6より読み込まれたデータは、計算機1本体に付属して設けられている各プログラム記憶部55、ライブラリ記憶部66に記憶される。
【0054】
また、キーボード2、マウス3、その他光学読み取り装置やCADシステム、或いは図示しないハードディスク等から読み込まれた回路網は回路網記憶部77に記憶される。
【0055】
更にまた、計算処理の進行に伴い必要となった各種データ、例えば各部分回路、各部分回路の内容、各部分回路相互の接続関係等はプログラム記憶部55のプログラムの指示のもと、計算機部11が各種記憶部88に区分けして記憶させる。ただし、各種のデータをその内容に応じて区分けして、所定の場所に記憶するプログラムそのものは、いわば周知技術であるため、わざわざの説明は省略する。
【0056】
また、計算機本体がハードディスク等から読み込んだプログラムやデータをもとに計算をなすのは、今日ではいわば周知の技術である。例えば家庭用のワードプロセッサーでも、別売りのフロッピーディスクに内蔵されたデータを読み込んで、あらかじめの楷書体でなく行書体で印字したり、辞書に早変わりするどころか入力された英文のスペルのミスのチェックまで行うことが可能である。ましてや、パソコンや計算機では容易である。(プログラム的には、印刷の字体を例にとると、印刷指令信号により印刷部が別途の字体の読みだし命令の有無を調べ、有れば該当する字体を読みだし、無ければ常備の字体を読みだす。)このため、これらについても説明は省略する。
【0057】
図29に、本発明に係る各種の同一若しくはほぼ同一内容の繰り返し処理、例えば部分回路への分割、消費電力の計算等の原則的(例外もある)手順を示す。本図で分かるように、本発明での各種の処理、例えば回路分割等の認識処理、電力消費等の計算処理は、優先するもの(i=1)から順に(i=i+1)最後のもの(i=I)まで同一の処理が順になされていく。なお、ここに総数Iの認識は、例えば処理内容が部分回路への分割ならば、別途操作者により入力された入力配線の数等により定まり、部分回路毎の消費電力計算ならばプログラム記憶部55のプログラムにより分割して作成された部分回路の数、ひいてはプログラムの処理により定められる。
【0058】
なお、これらについては、後に少し詳しく説明する。ただし、この同一の繰り返し計算を順に行うルーチンそのものは、広く各種の計算処理に使用されているいわば周知の技術であるため、此れ以上の説明は省略する。
【0059】
図30に本発明に係る回路網全体や各部分回路に渡っての比較処理の手順を示す。なお、本処理は図29の処理をいわば2段としたものである。
I、Jは、例えば回路網全体で同一の部分回路が存在するか否かの場合には、Iは部分回路の総数−1となり、JはIの関数となり、その初期値j=f(i)はi=1のときf(1)=2となる。すなわち、一番最初は部分回路1と同2とが同一か否か判断され、以下順次部分回路1と同Iまでが同じか否か比較判断される。次に部分回路2と同3(=f(i)=f(2))が比較され、以下順次部分回路2と同Iまで同一か否かが比較判断される。
【0060】
以下、部分回路I−1と同Iまで同一手順が繰り返しされることとなる。
また、各分回路中の電流経路の比較では、Iは部分回路の総数となり、Jは各部分回路毎に定まる電流経路の総数となる。そして、一番最初に部分回路1中の電流経路1が取り出され、これと同じ電流経路の有無が部分回路1中で調べられ、以下部分回路Iまで調べられる。
【0061】
次に、部分回路1中の電流経路2が取り出され、これと同じ電流経路の有無が部分回路1中で調べられ、以下同様の手順で部分回路I中の電流経路J−1と同Jとの同一性が判断される。
更に、いずれの場合でも、比較判断の結果同じとされれば、処理の途中で若しくは最後にまとめて同一視等の処理がなされる。ただし、これも広く知られた手順であるためこれ以上の説明は省略する。
【0062】
図31に、入力された回路網を部分回路に分割する手順の概略の流れを示す。(ステップ3101) 操作者から入力された回路網より入力配線(総数I)を確認する。従って、この場合Iは操作者から計算条件の一つとして入力されたこととなる。
(ステップ3102) i=1から順にIまで各入力配線に直接接続されたトランジスタを確認する。なお、各入力配線に接続されたトランジスタは第1段のトランジスタとなる。以下このトランジスタの出力配線を追っていく。
【0063】
(ステップ3103) 各トランジスタは、電源、接地、出力配線に接続しているか否か判断される。
(ステップ3104) 電源等に接続しておれば、その部分回路は次の段の部分回路と接続することなく、そこで終わりとなる。ただし、その部分回路の出力端が複数の場合、その他の出力線で次の段の部分回路に接続していることはあり得る。
【0064】
(ステップ3105) 各トランジスタの出力端子が他のトランジスタのゲート端子に接続しているか否かを調べる。
(ステップ3106) 出力端子が他のトランジスタのゲート端子に接続されていなければ、そのトランジスタは同一の部分回路に属するものと認識する。
(ステップ3107) 出力端子が他のトランジスタのゲート端子に接続されておれば、そのトランジスタは他の部分回路、そして第2段の部分回路に属するものと認識する。(ただし、他の入力配線にも直接接続されているため、実際は第1段のトランジスタでもあることはあり得る。)
【0065】
(ステップ3108) 以下、以上の処理を第2段、第3段と電源、接地、出力配線に接続されたトランジスタに辿り着くまで、そして全てのトランジスタがいずれかの部分回路に含まれることとなるまで、繰り返していくこととなる。(従って、ここのところは考え様によっては、図29に示す手順の例外となる。)
【0066】
以上は原則であり、実際には各種の調整、修正処理もなされる。そして、このことは後述の手順においても同様である。
但し、この分割処理そのものは、本発明の趣旨ではない。このため、これ以上の詳しい説明は省略する。
【0067】
図32に、各種記憶部88内の部分回路記憶部に記憶されたある部分回路を概念的に示す。(なお、回路網記憶部77内の回路網の記憶も同様である。)
本図に示すように、ある部分回路に属するN型、P型の半導体、接続線、容量等その他図示していない電源、アースは、それらの接続関係と組になって表の形で記憶されている。なお、この表の接続関係は前述のステップ3104、3105に併せて作成されていく。本図の表において、「○」印は、接続有を、「−」印は無を示す。ただし、部分回路の構成要素を例えばこの表のようにして記憶していくこと自体は、今日では周知の技術である。また、他にも種々の手段がある。従って、この表作成の手順等の説明は省略する。
【0068】
また、第1段の部分回路の1からIまでの番号付け、或いは処理に際しての優先順位は、原則的には入力回線の小さい番号に接続されているものを優先させ、また上流側となるものを優先させ、更に第2段以降の部分回路の番号付けは小さい段数の部分回路に接続されているものを優先させ、同一段数の部分回路に接続されているものが複数あれば、より優先する部分回路に接続されているものを優先させる。ただし、上述のごとく実際には各種の調整処理、そのための細則が必要であるが、煩雑となること、内容はそう困難でないことのため、その説明は省略する。そして、このことも後述の手順において同様である。
【0069】
図33は、同じく部分回路接続関係記憶部分回路に記憶されている部分回路相互の接続関係を概念的に示したものである。
本図において、(a)は総数I個の各部分回路相互の接続関係の有無を示す。本表において「−」は接続関係無を示す。また、数字は接続内容の種類を示す。本表において、左より3行目の「2」と上より2段目の「1」との交わる四角内の「1・2」は、部分回路1と同2とが接続されていることを示す。なお、この部分回路相互の接続関係は、前述のステップ3105〜3107の処理に併せてなされていくこととなる。
【0070】
(b)は、接続関係記憶内の接続内容記憶部分回路に記憶された接続内容の一覧表を概念的に示したものである。本表において、部分回路1と部分回路2の接続内容の「N1・2」は、1が上流側、2が下流側であることを、Nは接続線の詳細、具体的には部分回路1のどの出力回線が部分回路2のどのトランジスタのゲート端子となっているか等を示し、その内容は複雑となるため別途Nと対応付けた一覧表の形で記憶されている。
【0071】
さて、この相互の接続関係は回路分割の際に計算機により認識されていくが、計算機がこの認識された相互の接続関係をもとに各種の一覧表をプログラムに従って順次作成するのも今回では容易な技術である。このため、このプログラムの内容の説明は省略する。
【0072】
以上の他、部分回路と消費電力の対応関係等を計算し、計算結果を例えば一覧表の形で整理して記憶するのも今日では容易な技術である。このため、これらの一覧表、対応表の内容をわざわざ概念的に図示する手順の説明は省略する。
【0073】
次に部分回路入力と電流経路関係の作成手順について説明する。
各部分回路毎に、その構成要素たる半導体へのゲート入力端子、回路網外部からの入力回線、電源や接地線、下流側部分回路の半導体のゲート端子への入力等の入出力回線が確認される。
しかる後、各入力回線に開、閉等の論理値を与えた場合の出力回線の論理値の表が作成される。そして、後に実施例で具体的な回路網を例にとって内容を示すが、入力回線と出力回線の論理値の対応表が作成される。
【0074】
更に、各部分回路毎に入力論理値の状態で通電されている半導体、入出力論理値変化で作動する半導体等が確認される。なお、これはわざわざ図示はしないが、例えば概略以下の手順でなされる。
(1)評価対象の部分回路の取り出し。
(2)当該部分回路の各入力回線からの各入力論理値の組合せ表を取り出す。
(3)同じく、当該部分回路の電源、接地線を確認する。
【0075】
(4)各入力回線からの各入力論理値の組合せ毎に電源、次いで接地線から順にこれらに接続されている半導体が通電状態か否かを調べる。
なおこの際、各半導体が通電状態か否かは、そのゲート端子への入力論理値と当該半導体の型とにより判断される。
なおまた、出力回線や他の半導体のゲート端子へ接続される場合には、それより先は他の部分回路となるので、それから先は調べない。
(5)各入力回線への各入力論理値の組合せ毎に通電状態となっている半導体の一覧表が作成される。
【0076】
(6)上記(5)を基に、当該部分回路についての電流経路が全て認識される。以下、部分回路の処理となり、この手順が最後の部分回路まで行われることとなる。
しかる後、ライブラリ(辞書、データ表)を呼び出し、当該半導体等の抵抗値、容量値が読み出される。このもとで、各部分回路や更にはその電流経路毎に消費電力の計算や電流経路の確認がなされる。ただし、これらのプログラム自体も今日では製作容易な技術である。このため、これらについても手順のプログラムそのものの説明は省略する。
【0077】
次にライブラリについて説明する。
図34は、ライブラリ記憶部66の内容を概念的に示した表である。本表においては、N型、P型の半導体、コンデンサ等が各種の条件1、同2で消費する電力の算出に必要な(抵抗、容量等)が示されている。そして、これらのデータを電力消費計算に際して条件毎に該当する内容を参照して使用する。
【0078】
具体的には、トランジスタがON/OFFする際に、配線容量に流れ込む、或いは流れ出るスイッチング電流、変化する瞬間に電源と接地端子間をトランジスタを経由して流れる貫通電流等が消費電力とされ、SPICE等の回路シュレータを用いて各電源、接地端子を流れる電流を推定し、それに電圧をかけて消費電力を算出するが、この際、各トランジスタやそのタイプ(型、種類)毎に各条件に応じた容量や抵抗等が読み出される。
【0079】
次に、部分回路相互や電流経路の同一か否かの判断手順の一例の概略を説明する。
(1)各部分回路、電流経路毎にそれらを構成するトランジスタの個数の一覧表が作成される。
(2)同じく、各トランジスタの型毎の個数の一覧表が作成される。
(3)同じく、接続されている電源、接地線の個数の一覧表が作成される。
(4)同じく、出力回線の本数の一覧表が作成される。
(5)同じく、各種トランジスタの接続関係、各論理値毎に電流経路等の表が作成される。
(6)以上のもとで、(1)〜(4)の内容が全て同一ならば最後に(5)の内容が比較され、これも同一ならば同一の部分回路、電流経路等とされる。
【0080】
最後に、部分回路や電流経路の同一視の手順について説明する。
今、部分回路iと同j、(ただしi<j)とが同一であったとする。記憶においては、jの部分は「iを読み込む」や「iを流用する」と作用する様に記憶される。また、消費電力計算等ではjの電流経路等の値をわざわざ計算して加える代わりにiでの計算値が読み出されてそのまま加えられることとなる。
【0081】
以上のもとで、各入力線(入力回路)の論理値の状態ごとに出力回路の対応する論理値の状態及び消費電力が対応表の形式で出力される。
以上は、本発明の実施の形態の一例であり、他の手段、方法が採用されてもよいのは勿論である。
例えば、部分回路の生成ならば、素子(端子)Aと同Bは端部Yで接続されており、端部Yの内容はポインタリストに記憶されている。そして素子Aと同Bは両者を接続する端部Yのポインタリストのデータを参照し、ゲートとゲート以外の素子の接続関係は消去することによりなされる等である。
【実施例】
以下、本発明を簡単な回路網を対象とした実施例に基づいて説明する。
【0082】
(第1実施例)
図1は、本発明に係る消費電力特性測定装置の第1実施例の構成図である。
この消費電力特性測定装置は、回路網記憶手段101と、回路入力記憶手段102と、部分回路記憶手段103と、部分回路接続関係記憶手段104と、部分回路入出力関係記憶手段105と、部分回路入力記憶手段106と、回路入力対部分回路入力関係記憶手段107と、部分回路入力対消費電力関係記憶手段108と、回路入力対消費電力関係記憶手段109と、回路分割手段110と、部分回路入出力関係算出手段111と、部分回路入力算出手段112と、部分回路消費電力測定手段113と、回路入力対消費電力関係算出手段114とを有している。
【0083】
以下、各部の機能あるいは作用を説明する。
回路網記憶手段101には、視覚的に図3に示す消費電力特性算出対象の回路網が別途の入力によりあらかじめ各種の表の形で記憶されている。
【0084】
ここに、図3の回路網は、入力配線IN1、IN2と、出力配線OUTと、P型トランジスタTP11、TP12、TP21、TP22、TP23と、N型トランジスタTN11、TN12、TN21、TN22、TN23と、電源配線VDD1、VDD2と、接地配線GND1、GND2と、トランジスタ間を接続する配線N11、N12、N21、N22とから構成されている。
【0085】
回路入力記憶手段102には、いわば回路網の一部として図4に示す回路入力表が記憶されている。
この回路入力表は、別途入力された入力配線と各入力配線の論理値の変化を元に本装置の計算部(図示せず)が作成したものであり、回路入力配線における変化前の入力論理値と変化後の入力論理値を持つ1つ以上の論理変化401の対応表から構成され、それぞれの論理変化を識別するために論理変化ごとに回路入力番号が付けられているものである。
【0086】
回路分割手段110は、図30の説明と重複する部分もあるが、図5のフローチャートに示す作用をなす。すなわち、
(ステップ501) 回路網記憶手段101より図3に示す回路網を読み込む。
(ステップ502) トランジスタ(TP23とTN23)のゲート端子とトランジスタのゲート端子以外の端子(TP12のドレイン端子とTN11のソース端子)とをつなぐ配線(N11)で部分回路(P01とP02)に分割し、これらを視覚的には図6に示す形式で部分回路記憶手段103に記憶させる。
(ステップ503) 図3に示す回路網における図6に示す部分回路(P01とP02)同士の接続関係を、視覚的には図7に示す形式で前記部分回路接続関係記憶手段104に記憶させる。
【0087】
ここで、図6に示す部分回路P01、P02において、これら各部分回路外からの論理値を伝える各配線(部分回路P01に対してIN1、IN2、部分回路P02に対してIN1、IN2、N11)を以下部分回路入力配線と呼ぶこととする。
また、部分回路内より前記部分回路外へ論理値を伝える配線(部分回路P01に対してN11、部分回路P02に対してOUT)を部分回路出力配線と呼ぶこととする。
【0088】
部分回路入出力関係算出手段111は、
図8のフローチャートに示す作用をなす。すなわち、
(ステップ801) 部分回路記憶手段103より図6に視覚的に示す部分回路P01、P02を(以下、「視覚的に」、「各種の表の形で」等は自明なため、記載を省略する。)各種の表の形で読み込む。
【0089】
(ステップ802) 全ての部分回路P01、P02について部分回路入出力関係を算出したか否かを検査し、まだ行っていないときにはステップ803に進む。そして、最初は当然行っていないためステップ803進むこととなる。
【0090】
なお、以下のステップの内容は本質的には前述の図29に示したものと同じである。
(ステップ803) 部分回路入出力関係を算出していない最初の部分回路の1つP01を対象部分回路とする。
(ステップ804) 対象部分回路P01の入力配線IN1とIN2のとりうる全ての入力論理値の組み合わせを、図9の903に示す形式で算出する。
(ステップ805) スイッチレベルシミュレータの出力論理値算出方法を用いて、前記図9の903に示す組み合わせに対応する図9の905に示す対象部分回路P01の出力配線N11における出力論理値を算出し、対象部分回路P01の入力論理値と出力論理値との対応関係を図9の901に示す形式で部分回路入出力関係記憶手段105に記憶させる。
【0091】
ここで、スイッチレベルシミュレータの出力論理算出方法とは、一般的にはP型トランジスタはゲート端子につながるネットの論理値が0の時に駆動(ドレイン端子とソース端子の間に電流を流すこと)し1のときには駆動しないことと、N型トランジスタはゲート端子につながるネットの論理値が1の時に駆動(ドレイン端子とソース端子の間に電流を流すこと)し0のときには駆動しないことを用いてトランジスタをゲート端子の論理値によって駆動・非駆動されるスイッチとして扱い、電源配線から部分回路出力配線までのいずれかの経路上のトランジスタが全て駆動している場合に出力配線の論理値が1となることと、接地配線から部分回路出力配線までのいずれかの経路上のトランジスタが全て駆動している場合に出力配線の論理値が0となることとを用いて出力論理値を算出する方法であり、一般的なスイッチレベルシミュレータで用いられている方法である。
またこのため、必要なプログラムやデータは予め記憶されているが、この内容は周知の技術であるため、その説明は省略する。
【0092】
(ステップ802) 全ての部分回路P01、P02について部分回路入出力関係を算出したか検査し、まだP02について行っていないのでステップ803に進む。
(ステップ803) 部分回路入出力関係を算出していない部分回路の1つP02を対象部分回路とする。
(ステップ804) 対象部分回路P02の入力配線IN1とIN2とN11のとりうる全ての入力論理値の組み合わせを、図9の904に示す形式で算出する。なお、N11は、本来は1N1と1N2により定まるため、これら2つの変化と独立に1,0の値となることは有り得ないが、実際の複雑な回路網であったならば、今の段階ではそのことが不明であるため、独立に論理値を取りうるとしているものである。
【0093】
(ステップ805) スイッチレベルシミュレータの出力論理値算出方法を用いて、前記図9の904に示す組み合わせに対応する図9の906に示す対象部分回路P02の出力配線OUTにおける出力論理値を算出し、対象部分回路P02の入力論理値と出力論理値との対応関係を図9の902に示す形式で部分回路入出力関係記憶手段105に記憶させる。
(ステップ802) 全ての部分回路P01、P02について部分回路入出力関係を算出したか検査し、この場合には算出したので部分回路入出力関係算出手段を完了する。
【0094】
部分回路入力算出手段112は、図10のフローチャートに示す作用をなす。すなわち、
(ステップ1001) 部分回路接続関係記憶手段104に記憶された図7に示す部分回路接続関係を読み込む。
(ステップ1002) 部分回路入出力関係記憶手段105に記憶された図9に示す部分回路入出力関係を読み込む。
【0095】
(ステップ1003) 回路入力記憶手段102に記憶された図4に示す回路入力を読み込む。
(ステップ1004) 図7に示す部分回路接続関係に基づき、図4に示す回路入力配線IN1とIN2の入力論理変化を接続関係のある部分回路の入力配線(部分回路P01のIN1とIN2、部分回路P02のIN1とIN2)の入力論理変化とする。
【0096】
(ステップ1005) 出力論理値を算出していない部分回路P01、P02のうち、全ての入力配線に入力論理変化を持ち、そして部分回路P02に対して上流となる部分回路のP01を対象部分回路とする。
(ステップ1006) 図9の901に示す対象部分回路P01の部分回路入出力関係より、対象部分回路P01の変化前入力論理値に対応する出力論理値と、変化後入力論理値に対応する出力論理値とを読込み、図11の1101に示す形式で対象部分回路P01の入力論理変化に対応する出力論理変化を算出する。
【0097】
(ステップ1007) 対象部分回路P01の部分回路入力のうち出力論理値の変化する部分回路入力(図11の1101の部分回路入力番号3、6、9、10、11、12の入力論理変化)について同じものを2つ以上含まないようにしながら図12の1201に示す形式で部分回路入力記憶手段106に記憶させる。この際それぞれの論理変化を識別するために、図12に示すように入力論理変化毎に部分回路入力番号が付けられている。このため、図9のP01の部分回路入力番号3、6、9、10、11、12が各々図12のP01の1、2、3、4、5、6となる。
【0098】
(ステップ1008) 図13の1301に示す形式で対象部分回路P01の回路入力と部分回路入力との対応関係を回路入力対部分回路入力関係記憶手段107に記憶する。
ここで、図13では回路入力に対応する部分回路入力が無い場合を’−’で表している。
【0099】
(ステップ1009) 図7に示す部分回路接続関係に、対象部分回路P01の出力配線N11と接続関係のある部分回路P02の入力配線N11があるので、図11の1101に示す対象部分回路P01の出力配線N11における出力論理変化を、接続関係のある部分回路P02の入力配線N11の入力論理変化とする。
(ステップ1010) 全ての部分回路について出力論理変化を算出したか否か検査し、まだ部分回路P02について算出していないので、ステップ1005に戻る。
【0100】
(ステップ1005) 出力論理値を算出していない部分回路P02のうち全ての入力配線に入力論理変化を持つ部分回路の1つP02を対象部分回路とする。
(ステップ1006) 図9の902に示す対象部分回路P02の部分回路入出力関係より、対象部分回路P02の変化前入力論理値に対応する出力論理値と、変化後入力論理値に対応する出力論理値とを読込み、図11の1102に示す形式で対象部分回路P02の入力論理変化に対応する出力論理変化を算出する。
(ステップ1007) 対象部分回路P02の部分回路入力のうち出力論理値の変化する部分回路入力(図11の1102の部分回路入力変化番号1、2、4、6、7、9、11、12の入力論理変化)について同じものを2つ以上含まないようにしながら図12の1202に示す形式で部分回路入力記憶手段106に記憶させる。
【0101】
(ステップ1008) 図13の1302に示す形式で対象部分回路P02の回路入力と部分回路入力との対応関係を回路入力対部分回路入力関係記憶手段107に記憶させる。
(ステップ1009) 図7に示す部分回路接続関係に、対象部分回路P02の出力配線OUTと接続関係のある部分回路の入力配線が無いのでなにもしない。
(ステップ1010) 全ての部分回路について出力論理変化を算出したかどうか検査し、算出したので部分回路入力算出手段を完了する。
【0102】
部分回路消費電力測定手段113は、図14のフローチャートに示す作用をなす。すなわち、
(ステップ1401) 図12に示す部分回路入力を部分回路入力記憶手段106より読込む。
(ステップ1402) 図6に示す部分回路を、部分回路記憶手段103より読込む。
(ステップ1403) 全ての部分回路P01、P02について消費電力を測定したか検査し、まだ行っていないのでステップ1404に進む。
(ステップ1404) 消費電力を測定していない部分回路P01、P02の1つP01を対象部分回路とする。
【0103】
(ステップ1405) 図6のP01に示す対象部分回路P01の部分回路の入力配線IN1とIN2に図12の1201に示す部分回路入力を与え、各部分回路入力(部分回路入力番号1、2、3、4、5、6の部分回路入力)毎の対象部分回路P01の部分回路の消費電力を前述の手順で測定し、図15の1501に示す形式で部分回路入力対消費電力関係記憶手段108に記憶させる。なお、本図に示す消費電力の値そのものは、わざわざ直観的に理解し易い値を例として示したものであり、P01に示す程度の回路で実際にかかる値となるというものではない。
【0104】
(ステップ1403) 全ての部分回路P01、P02について消費電力を測定したか否かを検査し、まだP02について行っていないのでステップ1404に進む。
(ステップ1404) 消費電力を測定していない部分回路の1つP02を対象部分回路とする。
【0105】
(ステップ1405) 図6のP02に示す対象部分回路P02の部分回路の入力配線IN1とIN2とN11に図12の1202に示す部分回路入力を与え、各部分回路入力(部分回路入力番号1、2、3、4、5、6、7、8の部分回路入力)ごとの対象部分回路P02の部分回路の消費電力を測定し、図15の1502に示す形式で部分回路入力対消費電力関係記憶手段108に記憶する。
(ステップ1403) 全ての部分回路P01、P02について消費電力を測定したか検査し、算出したので部分回路消費電力測定手段を完了する。
【0106】
回路入力対消費電力関係算出手段114は、図16のフローチャートに示す作用をなす。すなわち、
(ステップ1601) 図13に示す回路入力対部分回路入力関係を回路入力対部分回路入力関係記憶手段107より読込む。
(ステップ1602) 図15に示す部分回路入力対消費電力関係を部分回路入力対消費電力関係記憶手段108より読込む。
【0107】
(ステップ1603) 回路入力対消費電力関係記憶手段109の各回路入力の消費電力をすべて0に初期化する。
(ステップ1604) 全ての部分回路P01、P02について消費電力を加算したか検査し、まだ行っていないのでステップ1605に進む。
(ステップ1605) 消費電力を加算していない部分回路P01、P02の1つP01を対象部分回路とする。
【0108】
(ステップ1606) 図13の1301に示す部分回路P01の回路入力対部分回路入力関係に登録された各部分回路入力(部分回路入力番号1、2、3、4、5、6)について、図15の1501に示す部分回路入力対消費電力関係より対応する部分回路消費電力(80、90、90、100、70、70)を取得し、回路入力対消費電力記憶手段109の中の各部分回路入力(部分回路入力番号1、2、3、4、5、6)に対応する回路入力( 回路入力番号3、6、9、10、11、12)の消費電力に加算する。
【0109】
(ステップ1604) 全ての部分回路P01、P02について消費電力を加算したか検査し、まだ部分回路P02について行っていないのでステップ1605に進む。
(ステップ1605) 消費電力を加算していない部分回路の1つP02を対象部分回路とする。
【0110】
(ステップ1606) 図13の1302に示す対象部分回路P02の回路入力対部分回路入力関係に登録された各部分回路入力(右側の部分回路入力番号1、2、3、4、5、6、7、8)について、図15の1501に示す部分回路入力対消費電力関係より対応する部分回路消費電力(90、90、140、100、140、100、150、150)を取得し、回路入力対消費電力記憶手段109の中の各部分回路入力(部分回路入力番号1、2、3、4、5、6、7、8)に対応する回路入力( 回路入力番号1、2、4、6、7、9、11、12)の消費電力に加算する。
【0111】
(ステップ1604) 全ての部分回路P01、P02について消費電力を加算したか検査し、加算したので回路入力対消費電力関係算出手段を完了する。
以上のもと、入力回路の各論理値やその変更毎に回路網の消費電力が対応された表となって出力がなされる。
【0112】
以上の説明で分かるごとく、本実施の形態では、1つの入力論理変化に対して部分回路P01およびP02の消費電力を測定するのにそれぞれ1分かかると仮定した場合、部分回路P01への入力変化は図12の1201に示す6通り、部分回路P02への入力変化は図12の1202に示す8通りなので、消費電力測定時間は合計14分ですみ、従来例の一般的手法の24分、CB−Powerの手法の36分よりも短縮できる。
【0113】
また、回路が100種類あり、1種の部分回路が全回路中で2つ使われている場合であれば、本手法では、消費電力測定時間は14×100=1400分ですみ、CB−Powerの手法の1800分に対して消費電力測定時間を短縮出来る。
【0114】
(第2実施例)
本実施例は、部分回路の入力の削減に関する。
図2は、本発明の消費電力特性測定装置の第2実施例の構成図である。
【0115】
本消費電力特性測定手段は、回路網記憶手段101と、回路入力記憶手段102と、部分回路記憶手段103と、部分回路接続関係記憶手段104と、部分回路入出力関係記憶手段105と、部分回路入力記憶手段106と、回路入力対部分回路入力関係記憶手段107と、部分回路入力対消費電力関係記憶手段108と、回路入力対消費電力関係記憶手段109と、部分回路入力対電流経路関係記憶手段201と回路分割手段110と、部分回路入出力関係算出手段111と、部分回路入力算出手段112と、部分回路消費電力測定手段113と、回路入力対消費電力関係算出手段114と、部分回路入力対電流経路関係算出手段202と、部分回路入力削減手段203とを有している。
【0116】
以上の構成部(要素)のうち、先の第1実施例と同じ作用、効果を有する物(構成部)は同一の名称、符合を付してその説明は省略する。
以下、本実施例固有の構成について説明する。
【0117】
部分回路入力対電流経路算出手段202は、図18のフローチャートに示す作用をなす。すなわち、
(ステップ1801) 部分回路記憶手段103に記憶された図6に示す部分回路を読み込む。
(ステップ1802) 部分回路入力記憶手段106に記憶された図12に示す部分回路入力を読み込む。
(ステップ1803) 全ての部分回路P01、P02について電流経路を算出したか否か検査し、まだ算出していないのでステップ1804に進む。
(ステップ1804) 電流経路を算出していない部分回路P01、P02の1つP01を対象部分回路とする。
【0118】
(ステップ1805) 対象部分回路P01について、スイッチレベルシミュレータの駆動トランジスタ判別方法を用いて、図12の1201に示す対象部分回路P01の各部分回路入力の変化前入力論理値と変化後入力論理値のいずれかで駆動されるトランジスタを図6のP01に示す対象部分回路P01の部分回路から検出し、対象部分回路P01の中の電源配線VDD1から接地配線GND1までの経路上の全てのトランジスタが駆動される経路を貫通電流経路として算出する。
【0119】
(ステップ1806) 対象部分回路P01について、スイッチレベルシミュレータの駆動トランジスタ判別方法を用いて、図12の1201に示す部分回路P01の各部分回路入力の変化後入力論理値で駆動されるトランジスタを図6のP01に示す対象部分回路P01の部分回路から検出し、対象部分回路P01の部分回路中の電源配線VDD1から出力配線N11までの経路か出力配線N11から接地配線GND1までの経路のうち経路上の全てのトランジスタが駆動される経路を算出するとともに貫通電流経路と重ねあわせた経路について、部分回路入力との対応関係を図19の1901に示す形式で部分回路入力対電流経路記憶手段201に記憶させる。
【0120】
(ステップ1803) 全ての部分回路P01、P02について電流経路を算出したか否か検査し、まだ部分回路P02について算出していないのでステップ1804に進む。
(ステップ1804) 電流経路を算出していない部分回路の1つP02を対象部分回路とする。
【0121】
(ステップ1805) 対象部分回路P02について、スイッチレベルシミュレータの駆動トランジスタ判別方法を用いて、図12の1202に示す対象部分回路P02の各部分回路入力の変化前入力論理値と変化後入力論理値のいずれかで駆動されるトランジスタを図6のP02に示す対象部分回路P02の部分回路から検出し、対象部分回路P02の部分回路中の電源配線VDD2から接地配線GND2までの経路上の全てのトランジスタが駆動される経路を貫通電流経路として算出する。
【0122】
(ステップ1806) 対象部分回路P02について、スイッチレベルシミュレータの駆動トランジスタ判別方法を用いて、図12の1202に示す部分回路P02の各部分回路入力の変化後入力論理値で駆動されるトランジスタを図6のP02に示す対象部分回路P02の部分回路から検出し、対象部分回路P02の部分回路中の電源配線VDD2から出力配線OUTまでの経路か出力配線OUTから接地配線GND2までの経路のうち経路上の全てのトランジスタが駆動される経路を算出するとともに前記貫通電流経路と重ねあわせた経路について、部分回路入力との対応関係を図19の1902に示す形式で部分回路入力対電流経路記憶手段201に記憶する。
【0123】
(ステップ1803) 全ての部分回路P01、P02について電流経路を算出したか否かを検査し、算出したので部分回路入力対電流経路関係算出手段を完了する。
部分回路入力削減手段203は、図20のフローチャートに示す作用をなす。すなわち、
(ステップ2001) 部分回路入力対電流経路関係記憶手段201に記憶された図19に示す部分回路入力対電流経路関係を読み込む。
【0124】
(ステップ2002) 部分回路入力記憶手段106に記憶された図12に示す部分回路入力を取り出す。
(ステップ2003) 全ての部分回路P01、P02について部分回路入力を削減したか否かを検査し、まだ削減していないのでステップ2004に進む。
(ステップ2004) 部分回路入力を削減していない部分回路P01、P02の1つP01を対象部分回路とする。
【0125】
(ステップ2005) 対象部分回路P01の各部分回路入力を、同じ電流経路を持つ部分回路入力を2つ以上含まないようにしながら図22の2201に示す形式で部分回路入力記憶手段106に記憶させる。ただし部分回路P01の場合は同じ電流経路を持つ部分回路入力は2つ以上存在しないので、図12の1201と同じものとなる。
【0126】
(ステップ2006) 対象部分回路P01についてステップ2005で部分回路入力記憶手段106に記憶された図22の2201に示す部分回路入力と同じ電流経路を持つ部分回路入力について、図22の2201に示すように、対応する回路入力対部分回路入力関係記憶手段107に記憶された図13の1301に示す部分回路入力対部分回路入力関係の部分回路入力を、図22の2201に示す形式で前述の同じ電流経路を持つ部分回路入力に置き換える。ただしP01の場合は同じ電流経路を持つ部分回路入力は2つ以上存在しないので、図13の1301と同じものとなる。
【0127】
(ステップ2003) 全ての部分回路P01、P02について部分回路入力を削減をしたか否かを検査し、まだP02について算出していないのでステップ2004に進む。
(ステップ2004) 部分回路入力を削減していない部分回路の1つP02を対象部分回路とする。
(ステップ2005) 対象部分回路P02の各部分回路入力を、同じ電流経路を持つ部分回路入力(部分回路入力番号4と6、7と8)を2つ以上含まないようにしながら図22の2202に示す形式で部分回路入力記憶手段106に記憶する。
【0128】
(ステップ2006) 対象部分回路P02についてステップ2005で部分回路入力記憶手段106に記憶された図22の2202に示す部分回路入力と同じ電流経路を持つ部分回路入力(部分回路入力番号4に対して6、7に対して8)について、図22の2202に示すように、対応する回路入力対部分回路入力関係記憶手段107に記憶された図13の1302に示す部分回路入力対部分回路入力関係(回路入力番号9、12)の部分回路入力(部分回路入力番号6、8)を、前述の同じ電流経路を持つ部分回路入力(部分回路入力番号4、7)に置き換える。
【0129】
(ステップ2003) 全ての部分回路P01、P02について部分回路入力を削減をしたか否かを検査し、削減したので部分回路入力削減手段を終了する。
【0130】
部分回路消費電力測定手段113は、以上の構成の相違に伴い、第1実施例と同じ処理により図21に示す部分回路入力変化と図6に示す部分回路とから図23に示す部分回路入力変化対消費電力関係を算出することとなる。
【0131】
回路入力対消費電力関係算出手段114は、以上の構成の相違に伴い、第1実施例と同じ処理により図22に示す回路入力対部分回路入力関係と図23に示す部分回路入力対消費電力関係とから図17に示す回路入力対消費電力関係を算出することとなる。
【0132】
以上、説明してきたように本実施例では、1つの入力論理変化に対して部分回路P01およびP02の消費電力を測定するのにそれぞれ1分かかると仮定した場合、部分回路P01への入力変化は図21の2101に示す6通り、部分回路P02への入力変化は図21の2102に示す6通りなので、消費電力測定時間は合計12分ですみ、先の実施の形態の14分、従来例の一般的手法の24分、CB−Powerの手法の36分よりも消費電力測定時間を短縮できたこととなる。
【0133】
また、回路が100種類あり、各1種の部分回路が全回路中で2度使われている場合であれば、本発明では、消費電力測定時間は12×100=1200分ですみ、CB−Powerの手法の1800分に対して消費電力測定時間を短縮出来る。
【0134】
また、各1種の部分回路が全回路中で3度使われている場合であれば、本発明はCB−Powerの手法の1200分と消費電力測定時間は同等である。
【0135】
なお、本実施例では、部分回路に対して適用したが、前述の図30に示す手順に従って回路網全体に適用してもよいのは勿論である。この場合には、消費電力測定用の入力論理変化はあまり削減されないが、わざわざ部分回路に分割して測定しないでも、従来通りの方法で測定できる。
【0136】
以上の説明で分かるように、本実施例では、電流経路の同じ部分回路入力を削減することにより消費電力を測定する部分回路入力数を削減し得る。
処理時間のかかる回路シミュレータを実行せずに高速に電流経路を算出し得る。
更に、電流の経路の同じ部分回路入力を削減することにより、消費電力測定時間の一層の削減が可能となっている。
【0137】
(第3実施例)
本実施例は、電流経路の削減に関する。
なお、実施例の基本的な構成は図2に示す第2の実施例と同じであるため、この図を代用する。
【0138】
部分回路入力対電流経路算出手段202は、先の第2実施例と同じ処理により、図6に示す部分回路と図12に示す部分回路入力とから部分回路入力と電流経路との対応関係を算出し、図19の1901に示す形式で部分回路入力対電流経路記憶手段201に記憶させる。
【0139】
部分回路入力削減手段203は、図24のフローチャートに示す作用をなす。ただし、本フローチャートにおいて、ステップ2001、同2002、同2003及び同2004は第2実施例における図20と同じである。このため、それらについての説明は省略する。
【0140】
(ステップ2401) ステップ2004の後、最初の対象部分回路P01の各部分回路入力を、同じ電流経路か、経路上に幅および長さが同じトランジスタが同じ順番で並んでいる電流経路を持つ部分回路入力(部分回路入力番号2と3、5と6)を2つ以上含まないようにしながら図25の2501に示す形式で部分回路入力記憶手段106に記憶させる。
【0141】
(ステップ2006) 対象部分回路P01についてステップ2401で部分回路入力記憶手段106に記憶された図25の2501に示す部分回路入力と同じ電流経路を持つ部分回路入力(部分回路入力番号2に対して3、5に対して6)について、図26の2601に示すように、対応する回路入力対部分回路入力関係記憶手段107に記憶された図13の1301に示す部分回路入力対部分回路入力関係(回路入力番号9、12)の部分回路入力(部分回路入力番号3、6)を、前述の同じ電流経路を持つ部分回路入力(部分回路入力番号2、5)に置き換えステップ2003へ進む。
【0142】
(ステップ2401) ステップ2004の後、2つ目の部分回路P02の各部分回路入力を、同じ電流経路か、経路上に幅および長さが同じトランジスタが同じ順番で並んでいる電流経路を持つ部分回路入力(部分回路入力番号1と2、3と5、4と6、7と8)を2つ以上含まないようにしながら図25の2502に示す形式で部分回路入力記憶手段106に記憶する。
【0143】
(ステップ2006) 対象部分回路P02についてステップ2401で部分回路入力記憶手段106に記憶された図25の2502に示す部分回路入力と同じ電流経路を持つ部分回路入力(部分回路入力番号1に対して2、3に対して5、4に対して6、7に対して8)について、図26の2602に示すように、対応する回路入力対部分回路入力関係記憶手段107に記憶された図13の1302に示す部分回路入力対部分回路入力関係(回路入力番号2、7、9、12)の部分回路入力(部分回路入力番号2、5、6、8)を、前述の同じ電流経路を持つ部分回路入力(部分回路入力番号1、3、4、7)に置き換えステップ2003に進む。
【0144】
(ステップ2003) 先の第2実施例と同じく、全ての部分回路P01、P02について部分回路入力を削減をしたか否かを検査し、削減したので部分回路入力削減処理を終了することとなる。
【0145】
部分回路消費電力測定手段113は、以上の構成の相違に伴い、第1実施例と同じ処理により、図25に示す部分回路入力変化と図6に示す部分回路とから図27に示す部分回路入力変化対消費電力関係を算出することとなる。
【0146】
回路入力対消費電力関係算出手段114は、以上の構成の相違に伴い第1実施例と同じ処理により図26に示す回路入力対部分回路入力関係と図27に示す部分回路入力対消費電力関係とから図17に示す回路入力対消費電力関係を算出することとなる。
【0147】
以上、説明してきたように、本実施例では、1つの入力論理変化に対して部分回路P01およびP02の消費電力を測定するのにそれぞれ1分かかると仮定した場合、部分回路P01への入力変化は図25の2501に示す4通り、部分回路P02への入力変化は図25の2502に示す4通りなので、消費電力測定時間は合計8分ですみ、第1実施例の14分、従来例の一般的手法の24分、CB−Powerの手法の36分よりも消費電力測定時間を短縮できたこととなる。
【0148】
また、回路が100種類あり、各1種の部分回路が全回路中で2度使われている場合であれば、本手法では、消費電力測定時間は8×100=800分ですみ、CB−Powerの手法の1800分に対して消費電力測定時間を短縮出来る。
【0149】
また、各1種の部分回路が全回路中で3度使われている場合でも、本発明はCB−Powerの手法の1200分に対して消費電力測定時間を短縮出来る。
【0150】
また、各1種の部分回路が全回路中で4度使われている場合でも、本発明はCB−Powerの手法の900分に対して消費電力測定時間を短縮出来る。
【0151】
以上の説明で分かるように本実施例では、電流の経路を流れる電流が同じ電流経路に関する部分回路入力を削減することにより、さらに消費電力測定時間を削減することが出来る。
【0152】
以上、本発明を幾つかの実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は何も上記実施の形態に限定されないのは勿論である。すなわち、以下のようにしてもよい。
【0153】
(1)本発明に係る機能を備えたワークステーションや計算処理システムでなく、汎用マイクロコンピュータや計算機を対象として、それに読み込まれて本発明に係る機能を該マイクロコンピュータ等に発揮させるハードディスク、各種記憶媒体の形態としている。
(2)機器本体の設計や詳細設計、計画設計等各種の設計段階に応じて第2実施例、第3実施例に示したいわば各種の省略計算をなしうる機能を有するものとしている。
【0154】
(3)回路中の各型の半導体は、単にP型、N型でなく、更に詳細な種類分けが可能となっている。
回路は、更に各種の接続線、本来の容量(コンデンサー)等を入力可能としている。なおこの場合には、電流経路の同一視等にさいしては、これらの素子等の有無をも考慮の上なされるのは勿論である。
(4)複数のトランジスタからなる特定の専用回路をあたかも1つのトランジスタとして取り扱う機能を有している。またこのため、出力の論理値の変化は、ON/OFFの2段でなく、2入力AND等多段となっている。
【0155】
(5)製造等の都合で、本発明の一の構成(構成要件、構成要件手段、ステップ、発明特定事項)を複数の構成としたり、逆に複数の構成を一体的にしたりしている。
(6)本発明の各種手段と同一の作用効果を得られるが、処理の順番や内容が異なるものを採用している。
例えば消費電力特性の計算において、部分回路入力と電流経路の同一視の手順を逆にして行っている。すなわち、先ず電流経路の同一視を先に行ない、次いで部分回路入力の同一視を行っている。
【0156】
(7)本発明に係る消費電力特性計算手段を他の計算手段と一体的に組み込んでいる。このため、必要に応じて例えば操作者の別途の入力により特に指定された回路は他の方法の計算により消費電力特性の計算がなされ、出力は各種方法の結果が算出される。
具体的には、回路Aは本方法、回路Bは他の方法で計算され、回路Aと回路Bの消費電力の和が出力される等である。
(8)一部の途中計算結果、電流経路や部分回路入力を同一視する前の記憶内容を別途の領域に記憶するようにし、操作者の別途の指示で該別途の記憶内容と出力可能としている。
【0157】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明においては、セルベースライブラリ等、複数の論理ゲートで特性および構成の同じ部分回路を使用していない場合にでも、論理ゲートの消費電力測定時間を短縮することができる。
また、消費電力を測定するための入力論理変化を削減することができる。
また、貫通電流の経路を実際に回路に電流を流さずに高速に検出することができる。
【0158】
また、貫通電流の経路を実際に回路に電流を流さずに高速に検出し、
消費電力を測定するための入力論理変化を削減することができる。
更にまた、回路の消滅、同一視等をなすことにより、消費電力測定時間の短縮消費電力を測定するための入力論理変化の削減、消費電力測定時間の短縮が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の消費電力測定手段の構成図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態の消費電力測定手段の構成図である。
【図3】本発明の実施の形態において取り扱った回路網のデータ例である。
【図4】図3に示す回路網の回路入力例である。
【図5】回路を分割する際の手順を示した図(フローチャート)である。
【図6】図3に示す回路網を図5に示す手順で分割して作製された部分回路の図である。
【図7】図6に示す部分回路接続関係を示す図である。
【図8】図6に示す部分回路入出力関係を算出する際の手順を示した図(フローチャート)である。
【図9】図6に示す部分回路の入出力関係を示す図である。
【図10】図6に示す部分回路の入力を算出する際の手順を示した図(手段のフローチャート)である。
【図11】図6に示す部分回路の入力変化と出力変化の対応関係の例を示した図である。
【図12】図6に示す部分回路入力のデータ例である。
【図13】回路入力対部分回路入力の関係のデータ例である。
【図14】部分回路の消費電力を測定する際の手順を示した図(フローチャート)である。
【図15】部分回路の入力変化対消費電力の関係を示すデータ例の図である。
【図16】回路入力対消費電力の関係を算出する際の手順を示す図(フローチャート)である。
【図17】回路入力対消費電力の関係のデータ例の図である。
【図18】部分回路入力対貫通電流経路の関係を算出する際の手順を示す図(フローチャート)である。
【図19】部分回路入力対貫通電流経路の関係を示す図である。
【図20】部分回路入力を削減する際の手順を示す図(フローチャート)である。
【図21】削減後の部分回路入力変化のデータ例を示す図である。
【図22】削減後の回路入力対部分回路入力の関係のデータ例を示す図である。
【図23】削減後の部分回路入力対消費電力の関係のデータ例を示す図である。
【図24】部分回路の入力を削減する際の手順を示す図(フローチャート)である。
【図25】削減後の部分回路の入力変化のデータ例を示す図である。
【図26】削減後の回路入力対部分回路入力関係のデータ例を示す図である。
【図27】削減後の部分回路入力対消費電力の関係のデータ例である。
【図28】本発明に係る消費電力特性手段の形式的構成(装置としての外観と大まかな機能構成)を示した図である。
【図29】本発明において、同じ内容の処理が対象となる部分回路等に対して順次繰り返しなされる際の原則的な手順を示した図である。
【図30】本発明において、同一か否かの判断が順次なされていく際の処理の流れを示した図である。
【図31】入力された回路網から部分回路が作成されていく際の基本的な処理の流れを示した図である。
【図32】作成されたある一の部分回路が表の形式で記憶されている様子を概念的に示した図である。
【図33】作成された各部分回路相互の接続関係と接続の内容が表の形で記憶されている様子を概念的に示した図である。
【図34】一覧表の形で記憶しているライブラリーの内容を概念的に示した図である。
【符号の説明】
1 本体(含む、CPU、液晶表示部、ハードディスク収納部等)
2 キーボード
3 マウス
4 印刷出力部(プリンター)
5 ハードディスク(プログラム内蔵)
6 ハードディスク(ライブラリ内蔵)
7 大型計算機
8 光学読取機
9 CAD(計算機による設計支援システム)
11 計算機部
12 通信部
23 入力部
44 出力部
55 プログラム記憶部
66 ライブラリ記憶部
71 大型計算機
72 データベース
77 回路網記憶部
88 各種記憶部
101 回路網記憶手段
102 回路入力記憶手段
103 部分回路網記憶手段
104 部分回路接続関係記憶手段
105 部分回路入出力関係記憶手段
106 部分回路入力記憶手段
107 回路入力対部分回路入力関係記憶手段
108 部分回路入力対消費電力関係記憶手段
109 回路入力対消費電力関係記憶手段
110 回路分割手段
111 部分回路入出力関係算出手段
112 部分回路入力算出手段
113 部分回路消費電力測定手段
114 回路入力対消費電力関係算出手段
201 部分回路入力対貫通電流経路算出手段
202 部分回路入力対貫通電流経路関係記憶手段
203 部分回路入力削減手段

Claims (5)

  1. トランジスタと入力配線と出力配線とを有する回路網を記憶する回路網記憶手段と、
    上記回路網の入力配線に与える論理変化である回路入力を記憶する回路入力記憶手段と、 前記回路網記憶手段の記憶する回路網に含まれるトランジスタのゲート端子間の接続関係とゲート端子以外の端子間の接続関係は保持しつつ、ゲート端子とゲート端子以外の端子との接続関係を切り離した部分回路を作成して記憶する部分回路作成記憶手段と、
    前記部分回路作成記憶手段の作用と調整を図りつつ、上記部分回路相互の接続関係である部分回路接続関係を作成して記憶する部分回路接続関係作成記憶手段と、前記部分回路作成記憶手段の記憶内容をもとに、上記部分回路内にその外からの論理値を伝える部分回路入力配線における論理値と、上記部分回路内よりその外へ論理値を伝える部分回路出力配線における論理値との対応関係である部分回路入出力関係を各部分回路毎に算出して記憶する部分回路入出力関係算出記憶手段と、
    前記回路入力記憶手段の記憶内容と前記部分回路接続関係作成記憶手段の記憶内容と前記部分回路入出力関係算出記憶手段の記憶内容とをもとに、上記回路網の入力配線に与える論理変化とこれに対応する各部分回路の入力変化の対応関係を算出して記憶する回路入力対部分回路入力関係算出記憶手段と、
    前記部分回路作成記憶手段の記憶内容と前記部分回路入出力関係算出記憶手段の記憶内容をもとに、所定の手順で上記部分回路の入力論理変化列と各入力論理変化毎の消費電力との対応関係を算出して記憶する部分回路入力対消費電力関係算出記憶手段と、
    前記回路入力対部分回路入力関係算出記憶手段の記憶内容と前記部分回路入力対消費電力関係算出記憶手段の記憶内容とより、回路入力に対応する各部分回路入力の消費電力の総和を回路入力に対応する消費電力とみなして回路の消費電力を算出して記憶する回路消費電力算出記憶手段とを有しており、
    前記部分回路入力対消費電力関係算出記憶手段は、前記部分回路作成記憶手段の記憶内容と前記部分回路入出力関係算出記憶手段の記憶内容を参照して、各部分回路毎に部分回路における上記部分回路入力の変化前の論理値と変化後の論理値のいずれかで駆動されるトランジスタを有することとなる電源配線から接地配線までの経路と上記部分回路における変化後の論理値で駆動されるトランジスタを有することとなる電源配線から出力配線までの経路または出力配線から接地配線までの経路とを重ねあわせた経路である電流経路を作成して記憶する電流経路作成記憶小手段と、
    前記部分回路入出力関係算出記憶手段の記憶内容と前記電流経路作成記憶小手段の作成した電流経路との対応関係を作成して各部分回路毎に部分回路入力対電流経路関係として記憶する部分回路入力対電流経路関係作成記憶小手段と、前記部分回路入力対電流経路関係作成記憶小手段の記憶する電流経路を使用して電流と電圧の関係から各電流経路毎の消費電力を求め、更に部分回路入力対消費電力関係を算出して記憶する部分回路入力対消費電力関係算出記憶小手段とを有している、消費電力特性計算手段。
  2. 前記部分回路入力対消費電力関係算出記憶手段は、前記部分回路入力対消費電力関係算出記憶小手段の作用前に、前記部分回路入出力関係算出記憶手段の記憶内容と前記部分回路入力対電流経路関係作成記憶小手段の記憶内容を調べて、同一の電流経路となる部分回路入力が複数存在するならば、これら複数の部分回路入力を同一とみなして前記部分回路入出力関係算出記憶手段と前記部分回路入力対電流経路関係作成記憶小手段に記憶させ直し、併せて前記部分回路入力対消費電力関係算出記憶小手段に同一の部分回路入力の消費電力の計算を流用させる部分回路入力同一視小手段とを有していることを特徴とする請求項1記載の消費電力特性計算手段。
  3. 前記部分回路入力対消費電力関係算出記憶手段は、前記部分回路入力対消費電力関係算出記憶小手段の作用前に、前記電流経路作成記憶小手段の若しくは部分回路入力対電流経路関係作成記憶小手段の記憶内容を参照して、上記電流経路を構成するトランジスタの数と、出力配線とトランジスタとの間に流れる電流の方向と、全ての順番の等しいトランジスタの電流特性とが等しい複数の電流経路を同一電流経路と見なして、前記電流経路作成小手段若しくは前記部分回路入力対電流経路関係作成記憶小手段に記憶させ直すよう作用する電流経路同一視手段を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の消費電力特性計算手段。
  4. トランジスタと入力配線と出力配線とを有する複数の部分回路を記憶する部分回路記憶手段と、上記部分回路について、その入力配線に与える論理変化である部分回路入力を記憶する部分回路入力記憶手段と、
    前記部分回路記憶手段と部分回路入力記憶手段の記憶内容をもとに、上記部分回路内にその外からの論理値と、上記部分回路内よりその外へ伝える論理値との対応関係である部分回路入出力関係を算出して記憶する部分回路入出力関係算出記憶手段と、
    前記部分回路記憶手段の記憶内容と前記部分回路入出力関係算出記憶手段の記憶内容を参照して、部分回路における上記部分回路入力の変化前の論理値と変化後の論理値のいずれかで駆動されるトランジスタを有することとなる電源配線から接地配線までの経路と上記部分回路における変化後の論理値で駆動されるトランジスタを有することとなる電源配線から出力配線までの経路または出力配線から接地配線までの経路とを重ねあわせた経路である電流経路を作成して記憶する電流経路作成記憶手段と、
    前記部分回路入出力関係算出記憶手段の記憶内容と前記電流経路作成記憶手段の作成した電流経路との対応関係を作成して、部分回路入力対電流経路関係として記憶する部分回路入力対電流経路関係作成記憶手段と、部分回路入力毎の電流経路の算出に先立って、前記部分回路入力対電流経路関係作成記憶手段の記憶内容を調べて、同一の電流経路となる部分回路入力が複数存在するならば、これら複数の部分回路入力を同一とみなして前記部分回路入力対電流経路関係作成記憶手段に記憶させ直す部分回路入力同一視手段と、
    前記部分回路同一視手段の作用後に上記部分回路入力毎の電流経路の消費電力を算出する部分回路消費電力算出手段とを有していることを特徴とする消費電力特性計算手段。
  5. 前記部分回路入力同一視手段の作用に先立って、前記電流経路作成記憶手段の記憶内容をもとに、上記電流経路を構成するトランジスタの数と、出力配線とトランジスタとの間に流れる電流の方向と、全ての順番の等しいトランジスタの電流特性とが等しい複数の電流経路を同一電流経路と見なすよう前記部分回路入力対電流経路関係作成記憶手段に作用する電流経路同一視手段を有していることを特徴とする請求項4記載の消費電力特性計算手段。
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