JP4107763B2 - ミシンの布送り装置 - Google Patents

ミシンの布送り装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4107763B2
JP4107763B2 JP12472599A JP12472599A JP4107763B2 JP 4107763 B2 JP4107763 B2 JP 4107763B2 JP 12472599 A JP12472599 A JP 12472599A JP 12472599 A JP12472599 A JP 12472599A JP 4107763 B2 JP4107763 B2 JP 4107763B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
feed
cam
cloth
switching
cam portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP12472599A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000279668A (ja
Inventor
高志 月岡
隆行 椎名
眞一 坂本
洋 小田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Juki Corp
Original Assignee
Juki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Juki Corp filed Critical Juki Corp
Priority to JP12472599A priority Critical patent/JP4107763B2/ja
Priority to CNB001018051A priority patent/CN1133769C/zh
Priority to TW89101403A priority patent/TW451010B/zh
Publication of JP2000279668A publication Critical patent/JP2000279668A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4107763B2 publication Critical patent/JP4107763B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Sewing Machines And Sewing (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボタン付けミシンを含むミシンの布送り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、先に、ボタン孔に対応して縫い目を移すために、左右送り及び前後送りを行うミシンの布送り装置を開発すると共に、このミシンの布送り装置を特開平10−99571号において開示している。
このミシンの布送り装置は、左右送り用のカム溝(左右送りカム部)及び前後送り用のカム溝(前後送りカム部)の一方を少なくとも複数備えて、それらを選択的に組み合わせることにより、種々の縫い目模様を形成するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のミシンの布送り装置により縫製可能な縫い目模様の組合せは、「前後送り用のカム溝の種類」×「左右送り用のカム溝の種類」であるため、縫い目模様の種類を増やすには、それに応じて左右送り用のカム溝や前後送り用のカム溝の種類を増やす必要があった。
例えば、標準的な4つ穴ボタンの場合、縫い目の方向と、渡り糸の方向の組合せは、図19に示すように、12通りのパターンが考えられる。
上記従来のミシンの布送り装置において、例えば、前後送り用のカム溝を2種類、左右送り用のカム溝を2種類とした場合(4種類のカム溝を用いた場合)、縫製可能な縫い目模様の種類は4種類(図19に示す12通りの縫い目模様の中では、例えば、パターンa、パターンb、パターンcの3種類)であった。また、例えば、前後送り用のカム溝を2種類、左右送り用のカム溝を1種類とした場合(3種類のカム溝を用いた場合)には、縫製可能な縫い目模様は2種類(図19に示す12通りの縫い目模様の中では、例えば、パターンa、パターンbの2種類)であった。
【0004】
本発明は、少ないカム溝(カム部)数で多くの縫い目模様を形成可能なミシンの布送り装置を提供することを目的とする。
【0005】
さらに、本発明は、上記ミシンの布送り装置において、上記複数あるカム溝(カム部)の切換をスムーズに行えるようにすることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、
請求項1記載の発明は、前後送りカム部による前後方向の運動と左右送りカム部による左右方向の運動の合成によって、布送りへと所望の縫い目模様を形成するための送りを付与可能なミシンの布送り装置において、
前記布送りに前後方向の運動を付与可能であると共に、前記布送りに左右方向の運動を付与可能な一つ又は複数の前後−左右送り共用カム部を備える構成とした。
【0007】
この請求項1記載の発明に係るミシンの布送り装置によれば、布送りに前後方向の運動を付与可能であると共に、布送りに左右方向の運動を付与可能な一つ又は複数の前後−左右送り共用カム部を備えたため、布送りに付与可能な運動方向が前後方向又は左右方向の一方に限定されたカム部のみを用いた従来のミシンの布送り装置に比べ、少ないカム部数で多くの縫い目模様を形成することができる。
【0008】
ここで、ミシンとしては、ボタン取付部を左右送り及び前後送りするボタン付けミシンの他、布押さえをX(左右)−Y(前後)送りして1縫製サイクルを行うもの全てが含まれる。カム部は、例えば、円周カムや側面カムに形成される溝又は凸部などである。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のミシンの布送り装置において、
カム部の出力を前記布送りに伝達して、該布送りに前後方向の運動を付与する第1の運動伝達手段と、
カム部の出力を前記布送りに伝達して、該布送りに左右方向の運動を付与する第2の運動伝達手段と、
前記第1の運動伝達手段に接続するカム部を、前記前後送りカム部及び前記前後−左右送り共用カム部の中で選択的に切換可能な第1の切換手段と、
前記第2の運動伝達手段に接続するカム部を、前記左右送りカム部及び前記前後−左右送り共用カム部の中で選択的に切換可能な第2の切換手段と、を備える構成とした。
【0010】
この請求項2記載の発明に係るミシンの布送り装置によれば、第1の運動伝達手段に接続するカム部を前後送りカム部及び前後−左右送り共用カム部の中で選択的に切換可能な第1の切換手段と、第2の運動伝達手段に接続するカム部を左右送りカム部及び前後−左右送り共用カム部の中で選択的に切換可能な第2の切換手段とを備えたため、第1の運動伝達手段及び第2の運動伝達手段に接続するカム部の切換が容易となる。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のミシンの布送り装置において、
前記前後送りカム部である第1のカム部と、
前記左右送りカム部である第2のカム部と、
前記前後−左右送り共用カム部である第3のカム部と、を備え、
上記第1乃至第3のカム部の中、2箇の組み合わせにより、コ字縫い目またはX字縫い目またはZ字縫い目の何れかを選択的に形成するための送りを前記布送りに付与可能なカム部である構成とした。
【0012】
この請求項3記載の発明に係るミシンの布送り装置によれば、3つのカム部でコ字縫い目、X字縫い目及びZ字縫い目を形成することができる。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1記載のミシンの布送り装置において、
前記前後送りカム部である第1のカム部と、
前記左右送りカム部である第2のカム部と、
前記前後−左右送り共用カム部である第3のカム部と、
前記第1のカム部に係合して、該第1のカム部の回転に伴い揺動する第1の揺動部材と、
前記第2のカム部に係合して、該第2のカム部の回転に伴い前記第1の揺動部材と独立に揺動する第2の揺動部材と、
前記第3のカム部に係合して、該第3のカム部の回転に伴い前記第1の揺動部材及び前記第2の揺動部材と独立に揺動する第3の揺動部材と、
前記布送りに付与する前後方向の運動を中継可能であると共に、回動操作可能な第1の送り切換部材と、
前記布送りに付与する左右方向の運動を中継可能であると共に、前記第1の送り切換部材と独立して回動操作可能な第2の送り切換部材と、を備え、
前記第1の揺動部材及び前記第3の揺動部材は、前記第1の送り切換部材にそれぞれ係合し、かつ、この第1の送り切換部材の回動中心を中心とする円弧状のガイド部をそれぞれ有し、
前記第2の揺動部材及び前記第3の揺動部材は、前記第2の送り切換部材にそれぞれ係合し、かつ、この第2の送り切換部材の回動中心を中心とする円弧状のガイド部をそれぞれ有する構成とした。
【0014】
この請求項4記載の発明に係るミシンの布送り装置によれば、第1の揺動部材及び第3の揺動部材が、第1の送り切換部材にそれぞれ係合し、かつ、この第1の送り切換部材の回動中心を中心とする円弧状のガイド部をそれぞれ有し、第2の揺動部材及び第3の揺動部材が、第2の送り切換部材にそれぞれ係合し、かつ、この第2の送り切換部材の回動中心を中心とする円弧状のガイド部をそれぞれ有するため、第1の送り切換部材を回動操作することで第1の送り切換部材に接続する揺動部材を、第1の揺動部材及び第3の揺動部材の中で切り換えることができ、また、第2の送り切換部材を回動操作することで第2の送り切換部材に接続する揺動部材を、第2の揺動部材及び第3の揺動部材の中で切り換えることができる。
即ち、前後−左右送り共用カム部である第3のカム部を、布送りの左右送りと前後送りとに共用することができる。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載のミシンの布送り装置において、前記カム部の出力を反転させて、前記布送りに付与する運動方向を正逆に切換可能な運動方向切換手段を備えることを特徴とする。
【0016】
この請求項5記載の発明に係るミシンの布送り装置によれば、カム部の出力を反転させて、布送りに付与する運動方向を正逆に切換可能な運動方向切換手段を備えたため、布送りに付与する運動方向を正逆に切換不能な従来のミシンの布送り装置に比べ、少ないカム部数で多くの縫い目模様を形成することができる。
【0017】
請求項6記載の発明は、請求項5記載のミシンの布送り装置において、
前記運動方向切換手段が、前記カム部の出力により、固定軸を中心に揺動自在な揺動リンクと、
一端が前記揺動リンクに、他端が前記布送り側にそれぞれ接続されて、前記カム部の出力を前記布送り側へと伝達可能であると共に、前記揺動リンクとの接続位置を前記固定軸を跨いだ両側に切換可能な切換リンクと、を備える構成とした。
【0018】
この請求項6記載の発明に係るミシンの布送り装置によれば、運動方向切換手段が、カム部の出力により固定軸を中心に揺動自在な揺動リンクと、一端が揺動リンクに接続されてカム部の出力を布送り側へと伝達可能であると共に、揺動リンクとの接続位置を固定軸を跨いだ両側に切換可能な切換リンクとを備えたため、切換リンクを移動させるだけで布送りに付与する運動方向を正逆に切り換えることができる。
【0021】
請求項記載の発明は、前後送りカム部による前後方向の運動と左右送りカム部による左右方向の運動の合成によって、布送りへと所望の縫い目模様を形成するための送りを付与可能なミシンの布送り装置において、前記布送りに前後方向の運動を付与可能であると共に、前記布送りに左右方向の運動を付与可能な複数の前後−左右送り共用カム部と、前記複数の前後−左右送り共用カム部の何れか一つからの出力を反転させて、前記布送りに付与する前後方向の運動の運動方向を正逆に切換可能な第1の運動方向切換手段と、前記複数の前後−左右送り共用カム部の何れか一つからの出力を反転させて、前記布送りに付与する左右方向の運動の運動方向を正逆に切換可能な第2の運動方向切換手段と、を備える構成とした。
【0022】
この請求項記載の発明に係るミシンの布送り装置によれば、複数の前後−左右送り共用カム部と、これら前後−左右送り共用カム部の何れか一つからの出力を反転させて、布送りに付与する前後方向の運動及び左右方向の運動の運動方向をそれぞれ正逆に切換可能な第1の運動方向切換手段及び第2の運動方向切換手段とを備えたため、上記のような従来のミシンの布送り装置に比べ、より少ないカム部数で多くの縫い目模様を形成することができる。
【0023】
請求項記載の発明は、請求項7記載のミシンの布送り装置において、前記複数の前後−左右送り共用カム部は、それぞれ異なるパターンを有する第1の前後−左右送り共用カム部、第2の前後−左右送り共用カム部及び第3の前後−左右送り共用カム部により構成され、これら3つの前後−左右送り共用カム部は、その組合せによって、少なくともコ字縫い目、X字縫い目及びZ字縫い目を形成するための送りを前記布送りに付与できるように、それぞれのカム部形状が形成されている構成とした。
【0024】
この請求項記載の発明に係るミシンの布送り装置によれば、3つの前後−左右送り共用カム部で、コ字縫い目、X字縫い目及びZ字縫い目を形成することができる。
【0027】
請求項記載の発明は、請求項4記載のミシンの布送り装置において、前記第1の送り切換部材は、前記第1及び第3の揺動部材にそれぞれ設けられた前記ガイド部に係合可能な駒と、前記第1及び第3の揺動部材にそれぞれ設けられた各ガイド部間且つ前記駒の移動経路上に設けられ、前記第1の送り切換部材による切換途中で前記ガイド部間に位置する前記駒に係合して前記駒の前記ガイド部間での落ち込みを防止する支持手段と、を備える構成とした。
【0028】
この請求項記載の発明によれば、第1の送り切換部材による切換途中においてガイド部間に位置する駒に係合して駒のガイド部間での落ち込みを防止する支持手段を備えたため、各ガイド部間において駒をスムーズに移動させることが可能になる。従って、布送りに所望の縫い目模様を形成するための送りを付与するカム部の切換をスムーズに行うことができる。
【0029】
請求項10記載の発明は、請求項4記載のミシンの布送り装置において、前記第2の送り切換部材は、前記ガイド部に係合可能な駒を前記複数のガイド部に対応して複数備えると共に、複数の前記ガイド部と前記駒との組合せの中から一組の前記ガイド部と前記駒とを選択的に係合可能に構成され、前記第2の送り切換部材の回動操作に際して、前記ガイド部又は前記駒の何れか一方を回動可能とし、該回動可能なガイド部又は駒を、対となる駒又はガイド部と係合し易い方向に向けた状態で保持する方向規定手段備える構成とした。
【0030】
この請求項10記載の発明によれば、ガイド部又は駒の何れか一方を回動可能とし、該回動可能なガイド部又は駒を、対となる駒又はガイド部と係合し易い方向に向けた状態で保持する方向規定手段を備えたため、ガイド部と駒とを係合させるのが容易となる。従って、布送りに所望の縫い目模様を形成するための送りを付与するカム部の切換をスムーズに行うことができる。
【0031】
請求項11記載の発明は、請求項4記載のミシンの布送り装置において、前記第2の送り切換部材は、前記ガイド部に係合可能な駒を前記複数のガイド部に対応して複数備えると共に、複数の前記ガイド部と前記駒との組合せの中から一組の前記ガイド部と前記駒とを選択的に係合可能に構成され、かつ、当該第2の送り切換部材の前後方向への移動を阻止する阻止手段備える構成とした。
【0032】
この請求項11記載の発明によれば、第2の送り切換部材の前後方向への移動を阻止する阻止手段を備えたため、第2の送り切換部材は前後方向に移動することがなくなり、駒のガイド部からの抜け出しを防止して、ガイド部と駒とを安定した状態で係合させることが可能になる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図1〜図18の図面を参照しながら説明する。
【0036】
[第1の実施の形態例]
図1は、本発明を適用した第1の実施の形態例としての布送り装置を構成する機構を示す分解斜視図である。図2は、図1の布送り装置に備わる第1の切換手段の要部を示す平面図、図3は、図1の布送り装置に備わる第2の切換手段の要部を示す平面図である。
【0037】
この実施の形態の布送り装置は、図1に示すように、3種類の形状のカム部としてのカム溝(前後送りカム溝5、左右送りカム溝3及び前後−左右送り共用カム溝37)を有しカム軸2と一体に回転可能なカム体としての前後送りカム6、左右送りカム4及び前後−左右送り共用カム36と、カム溝の出力をボタン取付部(布送り)16に伝達してボタン取付部16に前後方向の運動を付与する第1の運動伝達手段1Aと、カム溝の出力をボタン取付部16に伝達してボタン取付部16に左右方向の運動を付与する第2の運動伝達手段1Bと、第1の運動伝達手段1Aに接続するカム溝を前後送りカム溝5及び前後−左右送り共用カム溝37の中で選択的に切換可能な第1の切換手段7Aと、第2の運動伝達手段1Bに接続するカム溝を左右送りカム溝3及び前後−左右送り共用カム溝37の中で選択的に切換可能な第2の切換手段7Bと、を備えている。
【0038】
前後送りカム溝(第1のカム部)5、左右送りカム溝(第2のカム部)3及び前後−左右送り共用カム溝(第3のカム部)37は、それぞれ平行に配置され、前後送りカム溝5には、第1の揺動腕31のコロ14が、左右送りカム溝3には、第2の揺動腕9のコロ10が、前後−左右送り共用カム溝37には、第3の揺動腕32のコロ38が、それぞれ係合している。
第1の揺動腕(第1の揺動部材)31、第2の揺動腕(第2の揺動部材)9、第3の揺動腕(第3の揺動部材)32は、対応するカム6、4、36の回転に伴いカム溝5、3、37の曲折に沿ってコロ14、10、38が左右に移動することによって、それぞれ固定軸11、8、35を中心に揺動するようになっている。
第1の揺動腕31の上面には、弧状ガイド部33が形成され、第3の揺動腕32の上面には、弧状ガイド部34が形成されている。これら弧状ガイド部33、34は、縫い始めの状態において、図2に示すように、前後送り切換レバー21(後述)の回動中心である移動軸25を中心とした同一円弧上(駒22の回動軌道上)に設けられている。
また、第3の揺動腕32の上面には、弧状ガイド部39が形成され、第2の揺動腕9の上面には、弧状ガイド部66が形成されている。これら弧状ガイド部39、66は、図3に示すように、左右送り切換レバー62(後述)の回動中心である移動軸61を中心とした円弧上(駒40、64の回動軌道上)に設けられている。
【0039】
第1の切換手段7Aは、図1及び図2に示すように、移動軸25を中心に回動自在な前後送り切換レバー(第1の送り切換部材)21と、該前後送り切換レバー21の下面に取り付けられ、下方へ開放する凹状部を有する駒22と、前後送り切換レバー21の回動位置を位置決めして固定するレバー固定部28等により構成されている。
即ち、図2に示すように、前後送り切換レバー21を手で回動操作して、駒22を弧状ガイド部33、34の何れか一方に係合させることによって、前後送り切換レバー21に接続する揺動腕を、第1の揺動腕31と第3の揺動腕32の何れか一方に切り換えられるようになっている。また、前後送り切換レバー21をレバー固定部28のスリット28a,…の1つに係合させることによって、前後送り切換レバー21の回動位置を固定できるようになっている。
【0040】
第2の切換手段7Bは、図1及び図3に示すように、移動軸61を中心に回動自在な左右送り切換レバー(第2の送り切換部材)62と、該左右送り切換レバー62の下面に取り付けられ、下方へ開放する凹状部を有する駒40、64と、左右送り切換レバー62の回動位置を位置決めして固定するレバー固定部(図示省略)等により構成されている。
即ち、図3に示すように、左右送り切換レバー62を手で回動操作して、駒40を弧状ガイド部39に係合させるか又は駒64を弧状ガイド部66に係合させることによって、左右送り切換レバー62に接続する揺動腕を、第2の揺動腕9と第3の揺動腕32の何れか一方に切り換えられるようになっている。また、左右送り切換レバー62をレバー固定部のスリットの1つに係合させることによって、左右送り切換レバー62の回動位置を固定できるようになっている。
【0041】
第1の運動伝達手段1Aは、図1に示すように、第1の揺動腕31、第3の揺動腕32、駒22、前後送り切換レバー21、リンク23、24、駆動体18等により構成されている。これらの中で、駒22、前後送り切換レバー21は、前記第1の切換手段7Aを兼ねている。
即ち、例えば、前述の第1の切換手段7Aにより、前後送り切換レバー21に第1の揺動腕31が接続された状態において、第1の揺動腕31が前後送りカム6の回転に伴い固定軸11を中心に揺動すると、弧状ガイド部33に係合する駒22が前後送り切換レバー21と共にほぼ前後方向に揺動し、移動軸25を介してリンク24が固定軸27を中心にほぼ前後方向に揺動する。同様に、前後送り切換レバー21に第3の揺動腕32が接続された状態において、第3の揺動腕32が前後−左右送り共用カム36の回転に伴い固定軸35を中心に揺動すると、弧状ガイド部34に係合する駒22が前後送り切換レバー21と共にほぼ前後方向に揺動し、移動軸25を介してリンク24が固定軸27を中心にほぼ前後方向に揺動する。
このリンク24は、前後送り切換レバー21の前後運動を直線に近い前後運動になるように矯正し、移動軸25、リンク23及び移動軸26を介して駆動体18が、その長溝17を角駒20aに沿って前後動する。こうして、ボタン取付部16の前後送りが行われる。
【0042】
第2の運動伝達手段1Bは、図1に示すように、第2の揺動腕9、第3の揺動腕32、駒40、64、左右送り切換レバー62、駆動体18等により構成されている。これらの中で、駒40、64、左右送り切換レバー62は、前記第2の切換手段7Bを兼ねている。
即ち、例えば、前述の第2の切換手段7Bにより、左右送り切換レバー62に第2の揺動腕9が接続された状態において、第2の揺動腕9が左右送りカム4の回転に伴い固定軸8を中心に揺動すると、弧状ガイド部66に係合する駒64が左右送り切換レバー62と共に左右方向に揺動する。同様に、左右送り切換レバー62に第3の揺動腕32が接続された状態において、第3の揺動腕32が前後−左右送り共用カム36の回転に伴い固定軸35を中心に揺動すると、弧状ガイド部39に係合する駒40が左右送り切換レバー62と共に左右方向に揺動する。
左右送り切換レバー62が揺動すると、駆動体18の移動軸61が左右方向に揺動し、それに伴い駆動体18が角駒20aを枢支する段ネジ20を中心に揺動する。このとき、駆動体18先端のボタン取付部16は、角駒20aの長溝17内の位置により、移動軸61の揺動量に比例して移動軸61と反対方向に揺動する。こうして、ボタン取付部16の左右送りが行われる。
【0043】
以上のように、ボタン付けミシンの布送り装置において、3種類の形状のカム部としてのカム溝(前後送りカム溝5、左右送りカム溝3及び前後−左右送り共用カム溝37)を備えると共に、上述したように、第1の切換手段7A、第2の切換手段7B、第1の運動伝達手段1A、第2の運動伝達手段1Bを備えたため、ボタン取付部16の左右送りに、左右送りカム溝3及び前後−左右送り共用カム溝37を、ボタン取付部16の前後送りに、前後送りカム溝5及び前後−左右送り共用カム溝37を、それぞれ用いることができる。即ち、前後−左右送り共用カム溝37を、ボタン取付部16の左右送りと、ボタン取付部16の前後送りとに共用することができる。
【0044】
そして、前述したように、第1の切換手段7Aにより、第1の運動伝達手段1Aに接続するカム溝(前後送りカム溝5又は前後−左右送り共用カム溝37)を切り換え、第2の切換手段7Bにより、第2の運動伝達手段1Bに接続するカム溝(左右送りカム溝3又は前後−左右送り共用カム溝37)を切り換えることによって、以下のように、縫い目模様をコ字縫い目、X字縫い目、Z字縫い目の何れかに切り換えることができる。
ここでは、前後送りカム6のカム溝5のパターンをパターンA(図11参照)、左右送りカム4のカム溝3のパターンをパターン3、前後−左右送り共用カム36のカム溝37のパターンをパターンE(パターン5)としている。
【0045】
例えば、前後送り切換レバー21を回動操作して、駒22を弧状ガイド部33に係合させ、また、左右送り切換レバー62を回動操作して、駒64を弧状ガイド部66に係合させた状態では、第1の運動伝達手段1Aに前後送りカム溝5が、第2の運動伝達手段1Bに左右送りカム溝3がそれぞれ接続されて、図4に示すように、4つ孔ボタンに対応してコ字縫い目を形成することができる。
つまり、前記ボタン取付部16に布と共に取り付けられる4つ孔ボタンに対して、図11のパターンA、パターン3に示される1から16の順序に対応して、図4に示した通り、先ず、1の位置で右上のボタン孔に針落ちして、2の位置で左上のボタン孔に移り、3の位置で右上のボタン孔に戻り、4の位置で左上のボタン孔、5の位置で右上のボタン孔、6の位置で左上のボタン孔、7の位置で右上のボタン孔への移動を繰り返して、8の位置で再び右上のボタン孔へ針落ちした後、次の9の位置で今度は右下のボタン孔に移る。そして、10の位置で左下のボタン孔、11の位置で右下のボタン孔、12の位置で左下のボタン孔、13の位置で右下のボタン孔、14の位置で左下のボタン孔、15の位置で右下のボタン孔への移動を繰り返した後、16の位置で再び右下のボタン孔へ針落ちしてボタン付けを終える。こうして、コ字縫い目のボタン付けが行われる。
【0046】
また、前後送り切換レバー21を回動操作して、駒22を弧状ガイド部34に係合させ、また、左右送り切換レバー62を回動操作して、駒64を弧状ガイド部66に係合させた状態では、第1の運動伝達手段1Aに前後−左右送り共用カム溝37が、第2の運動伝達手段1Bに左右送りカム溝3がそれぞれ接続されて、図5に示すように、4つ孔ボタンに対応してX字縫い目を形成することができる。
つまり、前記ボタン取付部16に布と共に取り付けられる4つ孔ボタンに対して、図11のパターンE、パターン3に示される1から16の順序に対応して、図5に示した通り、先ず、1の位置で右下のボタン孔に針落ちして、2の位置で左上のボタン孔に移り、3の位置で右下のボタン孔に戻り、4の位置で左上のボタン孔、5の位置で右下のボタン孔、6の位置で左上のボタン孔、7の位置で右下のボタン孔への移動を繰り返して、8の位置で再び右下のボタン孔へ針落ちした後、次の9の位置で今度は右上のボタン孔に移る。そして、10の位置で左下のボタン孔、11の位置で右上のボタン孔、12の位置で左下のボタン孔、13の位置で右上のボタン孔、14の位置で左下のボタン孔、15の位置で右上のボタン孔への移動を繰り返した後、16の位置で再び右上のボタン孔へ針落ちしてボタン付けを終える。こうして、X字縫い目のボタン付けが行われる。
【0047】
また、前後送り切換レバー21を回動操作して、駒22を弧状ガイド部33に係合させ、また、左右送り切換レバー62を回動操作して、駒40を弧状ガイド部39に係合させた状態では、第1の運動伝達手段1Aに前後送りカム溝5が、第2の運動伝達手段1Bに前後−左右送り共用カム溝37がそれぞれ接続されて、図6に示すように、4つ孔ボタンに対応してZ字縫い目を形成することができる。
つまり、前記ボタン取付部16に布と共に取り付けられる4つ孔ボタンに対して、図11のパターンA、パターン5に示される1から16の順序に対応して、図6に示した通り、先ず、1の位置で右上のボタン孔に針落ちして、2の位置で左上のボタン孔に移り、3の位置で右上のボタン孔に戻り、4の位置で左上のボタン孔、5の位置で右上のボタン孔、6の位置で左上のボタン孔、7の位置で右上のボタン孔への移動を繰り返して、8の位置で再び右上のボタン孔へ針落ちした後、次の9の位置で今度は左下のボタン孔に移る。そして、10の位置で右下のボタン孔、11の位置で左下のボタン孔、12の位置で右下のボタン孔、13の位置で左下のボタン孔、14の位置で右下のボタン孔、15の位置で左下のボタン孔への移動を繰り返した後、16の位置で再び左下のボタン孔へ針落ちしてボタン付けを終える。こうして、Z字縫い目のボタン付けが行われる。
【0048】
このように、前後−左右送り共用カム溝37を、第1の運動伝達手段1Aに接続することによってボタン取付部16に前後方向の運動を付与することができ、一方、第2の運動伝達手段1Bに接続することによってボタン取付部16に左右方向の運動を付与することができるため、上記3種類のカム溝の組合せで、コ字縫い目とX字縫い目だけでなく、Z字縫い目も形成可能となる。
即ち、この実施の形態のミシンの布送り装置によれば、ボタン取付部16に左右方向の運動を付与することが可能であると共にボタン取付部16に前後方向の運動を付与することが可能な前後−左右送り共用カム溝37を備えたので、ボタン取付部16に付与可能な運動方向が前後方向又は左右方向の一方に限定されたカム溝のみを用いた従来のミシンの布送り装置に比べ、少ないカム溝数で多くの縫い目模様を形成することができる。
【0049】
なお、前後送り切換レバー21を回動操作して、駒22を弧状ガイド部34に係合させ、かつ、左右送り切換レバー62を回動操作して、駒40を弧状ガイド部39に係合させることによって、第1の運動伝達手段1Aと第2の運動伝達手段1Bを、両方同時に前後−左右送り共用カム溝37に接続することも可能である。
【0050】
[第2の実施の形態例]
図7及び図8は、本発明を適用した第2の実施の形態例としての布送り装置を構成する機構を示す分解斜視図である。図9は、図7及び図8の布送り装置に備わる第2の運動方向切換手段の要部を示す平面図である。図10は、運動方向切換手段を構成する反転レバーの固定方法を説明する斜視図である。
この第2の実施の形態例特有の部分以外は、前述の第1の実施の形態例におけると同様である。
第2の実施の形態例において、前述の第1の実施の形態例と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0051】
この実施の形態の布送り装置は、図7及び図8に示すように、3種類の形状のカム部としてのカム溝(第1の前後−左右送り共用カム溝121a、第2の前後−左右送り共用カム溝121b、第3の前後−左右送り共用カム溝121c)を有しカム軸2と一体に回転可能なカム体としての第1の前後−左右送り共用カム120a、第2の前後−左右送り共用カム120b及び第3の前後−左右送り共用カム120cと、カム溝の出力をボタン取付部(布送り)16に伝達してボタン取付部16に前後方向の運動を付与する第1の運動伝達手段130Aと、カム溝の出力をボタン取付部16に伝達してボタン取付部16に左右方向の運動を付与する第2の運動伝達手段130Bと、第1の運動伝達手段130Aに接続するカム溝を前記3種類のカム溝121a、121b、121cの中で選択的に切換可能な第1の切換手段140Aと、第2の運動伝達手段130Bに接続するカム溝を前記3種類のカム溝121a、121b、121cの中で選択的に切換可能な第2の切換手段140Bと、第1の運動伝達手段130Aが伝達する運動方向を正逆に切換可能な第1の運動方向切換手段150Aと、第2の運動伝達手段130Bが伝達する運動方向を正逆に切換可能な第2の運動方向切換手段150Bと、を備えている。
【0052】
第1の前後−左右送り共用カム120a、第2の前後−左右送り共用カム120b、第3の前後−左右送り共用カム120cは、図8に示すように、それぞれ平行に配置され、第1の前後−左右送り共用カム120aのカム溝121aには、第1の揺動腕100aのコロ101aが、第2の前後−左右送り共用カム120bのカム溝121bには、第2の揺動腕100bのコロ101bが、第3の前後−左右送り共用カム120cのカム溝121cには、第3の揺動腕100cのコロ101cが、それぞれ係合している。
各揺動腕100a、100b、100cは、対応するカム120a、120b、120cの回転に伴いカム溝121a、121b、121cの曲折に沿ってコロ101a、101b、101cが左右に移動することによって、それぞれ固定軸102a、102b、102cを中心に揺動するようになっている。
【0053】
第1の切換手段140Aは、図8に示すように、板ばね状の切換レバー125a、125b、125cと、これら切換レバーの押し込み又は引き出しによりほぼ前後方向に移動する移動軸124a、124b、124cと、これら移動軸の一端側に取り付けられ、各揺動腕100a、100b、100cの長溝(下側)118a、118b、118cに沿って移動可能な角駒123a、123b、123cと、上記移動軸の他端側に取り付けられ、前後送りリンク109の切欠部109a、109b、109cに嵌入・離脱可能な角駒126a、126b、126c等により構成されている。
即ち、各切換レバー125a、125b、125cを押し込み又は引き出し操作して、角駒126a、126b、126cの何れか1つを前後送りリンク109の切欠部に嵌入させることによって、前後送りリンク109に接続する揺動腕を、揺動腕100a、100b、100cの中で選択的に切り換えられるようになっている。
また、各揺動腕100a、100b、100cの下面には、切換レバー125a、125b、125cの孔128a、128b、128cに係合して、切換レバー125a、125b、125cを押し込んだ状態又は引き出した状態で固定可能な凸状の係止部127a、127b、127cが形成されている。そして、切換レバー125a、125b、125cを弾性変形させて、一方の孔128a、128b、128cと係止部127a、127b、127cとの係合を解除して、切換レバー125a、125b、125cを移動し、他方の孔と係合させることで切換レバー125a、125b、125cを押し込んだ状態又は引き出した状態で固定する。
【0054】
第2の切換手段140Bは、図8に示すように、板ばね状の切換レバー105a、105b、105cと、これら切換レバーの押し込み又は引き出しによりほぼ前後方向に移動する移動軸104a、104b、104cと、これら移動軸の一端側に取り付けられ、各揺動腕100a、100b、100cの長溝(上側)118a、118b、118cに沿って移動可能な角駒103a、103b、103cと、上記移動軸の他端側に取り付けられ、左右送りリンク108の切欠部108a、108b、108cに嵌入・離脱可能な角駒106a、106b、106c等により構成されている。
即ち、各切換レバー105a、105b、105cを押し込み又は引き出し操作して、角駒106a、106b、106cの何れか1つを左右送りリンク108の切欠部に嵌入させることによって、左右送りリンク108に接続する揺動腕を、揺動腕100a、100b、100cの中で選択的に切り換えられるようになっている。
また、各揺動腕100a、100b、100cの上面には、切換レバー105a、105b、105cの孔129a、129b、129cに係合して、切換レバー105a、105b、105cを押し込んだ状態又は引き出した状態で固定可能な凸状の係止部119a、119b、119cが形成されている。そして、切換レバー105a、105b、105cを弾性変形させて、一方の孔129a、129b、129cと係止部119a、119b、119cとの係合を解除して、切換レバー105a、105b、105cを移動し、他方の孔と係合させることで切換レバー105a、105b、105cを押し込んだ状態又は引き出した状態で固定する。
【0055】
第1の運動伝達手段130Aは、図7及び図8に示すように、揺動腕100a、100b、100c、移動軸124a、124b、124c、前後送りリンク109、補助レバー110A、111A、揺動リンク113A、切換リンク116、揺動台12、前後送り切換レバー21、リンク23、24、駆動体18等により構成されている。
即ち、例えば、前述の第1の切換手段140Aにより、前後送りリンク109に揺動腕100a、100b、100cの何れか1つが接続された状態において、その揺動腕が対応するカムの回転に伴いその固定軸(固定軸102a、102b、102cの何れか一つ)を中心に揺動すると、その揺動腕に対応する移動軸(移動軸124a、124b、124cの何れか一つ)を介して前後送りリンク109がほぼ左右方向に揺動し、それに伴い、前後送りリンク109に連結される補助リンク110A、111Aが固定軸135a、136aを中心にほぼ左右方向に揺動する。
補助リンク111Aが揺動すると、角駒112Aを介して補助リンク111Aに連結される揺動リンク113Aが固定軸131Aを中心にほぼ左右方向に揺動し、それに伴い、長溝132Aに沿って移動可能な角駒114Aを介して揺動リンク113Aに接続される切換リンク116がほぼ左右方向に揺動する。
切換リンク116が揺動すると、これに移動軸116aを介して連結される揺動台12が固定軸11を中心に揺動し、それに伴い、弧状ガイド部15に係合する駒22が前後送り切換レバー21と共にほぼ前後方向に揺動し、移動軸25を介してリンク24が固定軸27を中心にほぼ前後方向に揺動する。このリンク24は、前後送り切換レバー21の前後運動を直線に近い前後運動になるように矯正し、移動軸25、リンク23及び移動軸26を介して駆動体18が、その長溝17を角駒20aに沿って前後動する。こうして、ボタン取付部16の前後送りが行われる。
【0056】
第2の運動伝達手段130Bは、図7及び図8に示すように、揺動腕100a、100b、100c、移動軸104a、104b、104c、左右送りリンク108、補助レバー110B、111B、揺動リンク113B、切換リンク117、駆動体18等により構成されている。
即ち、例えば、前述の第2の切換手段140Bにより、左右送りリンク108に揺動腕100a、100b、100cの何れか1つが接続された状態において、その揺動腕が対応するカムの回転に伴いその固定軸(固定軸102a、102b、102cの何れか一つ)を中心に揺動すると、その揺動腕に対応する移動軸(移動軸104a、104b、104cの何れか一つ)を介して左右送りリンク108がほぼ左右方向に揺動し、それに伴い、左右送りリンク108に接続される補助リンク110B、111Bが固定軸135b、136bを中心にほぼ左右方向に揺動する。
補助リンク111Bが揺動すると、角駒112Bを介して補助リンク111Bに連結される揺動リンク113Bが固定軸131Bを中心にほぼ左右方向に揺動し、それに伴い、長溝132Bに沿って移動可能な角駒114Bを介して揺動リンク113Bに連結される切換リンク117がほぼ左右方向に揺動する。
切換リンク117が揺動すると、これに連結される駆動体18の移動軸61が左右方向に揺動し、それに伴い、駆動体18が角駒20aを枢支する段ネジ20を中心に揺動する。このとき、駆動体18先端のボタン取付部16は、角駒20aの長溝17内の位置により、移動軸61の揺動量に比例して移動軸61と反対方向に揺動する。こうして、ボタン取付部16の左右送りが行われる。
【0057】
第1の運動方向切換手段150Aは、図7に示すように、固定軸131Aを中心に揺動自在な揺動リンク113Aと、固定軸131Aを跨いだ両側に移動可能な角駒114Aを介して揺動リンク113Aに連結される切換リンク116と、回動操作により長溝132A内の角駒114Aを移動可能な反転レバー115Aと、この反転レバー115Aの回動位置を位置決めして固定するレバー固定部133A等により構成されている。
即ち、反転レバー115Aを手で回動操作して、角駒114A(切換リンク116と揺動リンク113Aの接続位置)を、固定軸131Aを跨いだ反対側へと移動させることによって、揺動リンク113Aから切換リンク116に伝達される揺動方向を反転できるようになっている。
また、レバー固定部133Aは、図7及び図10に示すように、反転レバー115Aを係止可能な複数のスリット134A,…を備え、その固定位置に対応して、揺動リンク113Aから切換リンク116に伝達される揺動量を調節できるようになっている。
【0058】
第2の運動方向切換手段150Bは、図8及び図9に示すように、固定軸131Bを中心に揺動自在な揺動リンク113Bと、固定軸131Bを跨いだ両側に移動可能な角駒114Bを介して揺動リンク113Bに連結される切換リンク117と、回動操作により長溝132B内の角駒114Bを移動可能な反転レバー115Bと、この反転レバー115Bの回動位置を位置決めして固定するレバー固定部133B等により構成されている。
即ち、反転レバー115Bを手で回動操作して、角駒114B(切換リンク117と揺動リンク113Bの接続位置)を、固定軸131Bを跨いだ反対側へと移動させることによって、図9に示すように、揺動リンク113Bから切換リンク117に伝達される揺動方向を反転できるようになっている。
また、レバー固定部133Bは、図10に示すように、反転レバー115Bを係止可能な複数のスリット134B,…を備え、その固定位置に対応して、揺動リンク113Bから切換リンク117に伝達される揺動量を調節できるようになっている。
【0059】
以上のように、ボタン付けミシンの布送り装置において、3種類の形状のカム部としてのカム溝(第1の前後−左右送り共用カム溝121a、第2の前後−左右送り共用カム溝121b、第3の前後−左右送り共用カム溝121c)を備えると共に、上述したように、第1の切換手段140A、第2の切換手段140B、第1の運動伝達手段130A、第2の運動伝達手段130Bを備えたため、上記3つのカム溝121a、121b、121cをそれぞれ、ボタン取付部16の左右送りと、ボタン取付部16の前後送りとに共用することができる。
即ち、図11において、例えば、カム溝のパターンが、前後送りに用いた場合にパターンAとなるカム溝は、左右送りに用いた場合、パターン1のカム溝となり、同様に、パターンBとなるカム溝はパターン2、パターンCとなるカム溝はパターン3、パターンDとなるカム溝はパターン4、パターンEとなるカム溝はパターン5、パターンFとなるカム溝はパターン6のカム溝となる。
【0060】
また、ボタン付けミシンの布送り装置において、第1の運動方向切換手段150Aと、第2の運動方向切換手段150Bとを備えたため、上記3つのカム溝121a、121b、121cの出力を反転させて、ボタン取付部16に付与する運動方向を正逆に切り換えることができる。
即ち、図11において、例えば、カム溝のパターンが、パターンAのカム溝は、出力を反転させることにより、パターンBのカム溝となり、同様に、パターンCのカム溝はパターンD、パターンEのカム溝はパターンF、パターン1のカム溝はパターン2、パターン3のカム溝はパターン4、パターン5のカム溝はパターン6のカム溝となる。
つまり、例えば、第1の前後−左右送り共用カム120aのカム溝121aのパターンをパターンA、第2の前後−左右送り共用カム120bのカム溝121bのパターンをパターンC、第3の前後−左右送り共用カム120cのカム溝121cのパターンをパターンEとすれば、図11に示す全ての縫い目形状を形成することができる。なお、図11に示す縫い目形状の中には、前述の図19に示した12通りの縫い目形状全てが含まれている。
【0061】
この実施の形態のミシンの布送り装置によれば、カム溝の出力を反転させて、ボタン取付部16に付与する運動方向を正逆に切換可能な第1の運動方向切換手段150A及び第2の運動方向切換手段150Bを備えたため、従来のミシンの布送り装置に比べ、少ないカム溝数でより多くの縫い目模様を形成することができる。
【0062】
[第3の実施の形態例]
図12〜図14は、本発明を適用した第3の実施の形態例としての布送り装置を示す斜視図で、図12は前後送り切換レバーが第1の揺動腕に係合し、左右送り切換レバーが第2の揺動腕に係合している状態、図13は前後送り切換レバーが第1の揺動腕に係合し、左右送り切換レバーが第3の揺動腕に係合している状態、図14は前後送り切換レバーが第3の揺動腕に係合し、左右送り切換レバーが第2の揺動腕に係合している状態、をそれぞれ示している。図15は、前後送り切換レバーの移動経路上に設けられた支持手段としての支持面を示す斜視図である。また、図16は第2の揺動腕及び第3の揺動腕を拡大して示す斜視図、図17は第2の揺動腕(第3の揺動腕)へのガイド部材の取付構造を示す分解斜視図である。図18は、左右送り切換レバーと駆動体の連結構造を示す分解斜視図である。
【0063】
この実施の形態例は、基本的には前述した第1の実施の形態例と同様の布送り装置において、左右送りカム溝と前後−左右送り共用カム溝の配置、及びそれらカム溝に対応する揺動腕の配置をそれぞれ入れ替えると共に、カム溝の切換に関連する機構の一部を変更したものである。
この第3の実施の形態例特有の部分以外は、前述の第1の実施の形態例におけるものと同様である。
第3の実施の形態例において、前述の第1の実施の形態例と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0064】
この実施の形態の布送り装置は、図12〜図14に示すように、基台200の下側に、前述した第1の実施の形態例と同様、カム部としてのカム溝をそれぞれ有する前後送りカム6A、左右送りカム4A及び前後−左右送り共用カム36Aを備え、一方、基台200の上側には、図15に示すように、前後送りカム6Aの回転に伴い固定軸11Aを中心に揺動する第1の揺動腕(第1の揺動部材)31A、左右送りカム4Aの回転に伴い固定軸8Aを中心に揺動する第2の揺動腕(第2の揺動部材)9A、前後−左右送り共用カム36Aの回転に伴い固定軸35Aを中心に揺動する第3の揺動腕(第3の揺動部材)32A、移動軸25を中心に回動自在な切換手段としての前後送り切換レバー21A、移動軸61を中心に回動自在な切換手段としての左右送り切換レバー62Aを備えている。
【0065】
第1の揺動腕31Aの上面には、図12〜図15に示すように、弧状ガイド部(ガイド部)33Aが形成され、第3の揺動腕32Aの上面には、弧状ガイド部(ガイド部)34Aが形成されている。これら弧状ガイド部33A、34Aは、縫い始めの状態において、前後送り切換レバー21Aの回動中心である移動軸25を中心とした同一円弧上に設けられている。
即ち、図12及び図14に示すように、前後送り切換レバー21Aを手で回動操作して、駒22Aを弧状ガイド部33A、34Aの何れか一方に係合させることによって、前後送り切換レバー21Aに接続する揺動腕を、第1の揺動腕31Aと第3の揺動腕32Aの何れか一方に切り換えられるようになっている。
また、第3の揺動腕32A、及び基台200に取り付けられた支持部材202には、図15に示すように、それぞれ、駒22Aの移動経路上において駒22Aの下端部を下方より支持する支持手段としての支持面206、202aがほぼ連続した状態に形成されている。
即ち、弧状ガイド部33Aと弧状ガイド部34Aの互いに対向する端部に跨って駒22Aが位置する状態ではミシンの運転が行えないように規制する規制部材207などを、例えば、図12〜図15に示すように、弧状ガイド部33Aと弧状ガイド部34Aの間に配設する場合、つまり、弧状ガイド部33A、34Aの間に間隙を形成する場合においても、該間隙を駒22Aが通過する際に、駒22Aが落ち込むことがないよう、前記支持面206、202aが駒22Aの下端部に下方より係合して支持するようになっている。
従って、一方の弧状ガイド部からもう一方の弧状ガイド部へと駒22Aをスムーズに移動させることができ、前後送り用のカム溝の切換に際して、前後送り切換レバー21Aをスムーズに回動操作することができる。
【0066】
第3の揺動腕32Aの上面には、図16に示すように、ガイド部としてのガイド部材39Aが取り付けられ、第2の揺動腕9Aの上面には、ガイド部としてのガイド部材66Aが取り付けられている。これらガイド部材39A、66Aは、縫い始めの状態において、左右送り切換レバー62Aの回動中心である移動軸61を中心とした円弧上(駒40A、64Aの回動軌道上)に設けられている。
即ち、図12及び図13に示すように、左右送り切換レバー62Aを手で回動操作して、駒40Aをガイド部材39Aに係合させるか又は駒64Aをガイド部材66Aに係合させることによって、左右送り切換レバー62Aに接続する揺動腕を、第2の揺動腕9Aと第3の揺動腕32Aの何れか一方に切り換えられるようになっている。
ガイド部材39A、66Aは、それぞれ支軸204a、205aを中心に回動可能となっていて、その回動範囲は、図17に示すように、下面に突設されたピン204e、205eが各揺動腕の回動規制穴204f、205fに遊挿されることにより、それぞれ所定範囲に規制されている。
また、図16に示すように、ガイド部材39A、66Aの自由端側に設けられたバネフック204b、205bと基台200に突設されたバネフック204d、205dとの間には、それぞれバネ204c、205cが取り付けられ、該バネ204c、205cにより、ガイド部材39A、66Aが、図16の矢印a1、a2方向にそれぞれ付勢された状態となっている。
そのため、左右送り切換レバー62Aと係合していない状態において、ガイド部材39A、66Aは、ピン204e、205eが回動規制穴204f、205fの縁に当接するところで、その向きが保持されるようになっている。また、そのときのガイド部材39A、66Aの向きは、左右送り切換レバー62Aの駒40A、64Aの凹状部に進入するときの角度(駒40A、64Aと係合しやすい角度)にそれぞれ調整されている。つまり、支軸204a、205a、バネ204c、205c、ピン204e、205e、回動規制穴204f、205f等により方向規定手段が構成されている。
従って、例えば、図16に示すように、左右送り切換レバー62Aの駒40A、64Aの回動半径が短い場合であっても、駒40A、64Aがガイド部材39A、66Aに引っかかったりすることはなく、駒とガイド部材とを簡単に係合させることができ、左右送り用のカム溝の切換に際して、左右送り切換レバー62Aをスムーズに回動操作することができる。
【0067】
さらに、この実施の形態では、左右送り切換レバー62Aの回動中心となる移動軸61が、図16及び図18に示すように、固定軸203を中心に回動自在なリンク201の先端側に取り付けられていて、移動軸61の移動し得る方向がリンク201により、ほぼ左右方向のみに制限されている。即ち、リンク201、移動軸61及び固定軸203により、左右送り切換レバー62Aの前後方向への移動を阻止する阻止手段が構成されている。
また、移動軸61には、図18に示すように、角駒208と長溝209との組合せにより移動軸61に対してほぼ前後方向にのみ移動可能な状態で、駆動体18が取り付けられている。つまり、駆動体18の前後方向の運動の影響を移動軸61が受けないように、且つ移動軸61の左右方向の運動を駆動体18に伝達できるように、移動軸61と駆動体18が連結されている。
従って、駆動体18に付与された前後方向の運動の影響を受けて、移動軸61が前後方向に移動することがなくなり、駒40A、64Aのガイド部材39A、66Aからの抜け出しを防止して、左右送り切換レバー62Aとガイド部材とを安定した状態で係合させることが可能になる。
【0068】
なお、この第3の実施の形態例では、左右送り切換レバーの駒とガイド部材とを係合しやすくするために、ガイド部材を各揺動腕に回動可能な状態で取り付ける構成としたが、例えば、駒を左右送り切換レバー62Aに回動可能な状態で取り付ける構成とすることも可能である。また、バネフック204d、205dを基台200に突設したが、例えば、第3の揺動腕32Aと第2の揺動腕9Aにそれぞれ突設してもよい。
【0069】
また、以上の各実施の形態においては、ボタン付けミシンとしたが、本発明の布送り装置はこれに限定されるものではなく、X−Y送りを行うサイクルミシン全般に適用され得るものである。
また、各実施の形態では、カム部を、円周カムのカム溝としたが、側面カムでもよく、カム部は溝に限らず凸部でもよい。
その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0070】
【発明の効果】
請求項1記載の発明に係るミシンの布送り装置によれば、布送りに前後方向の運動を付与可能であると共に、布送りに左右方向の運動を付与可能な一つ又は複数の前後−左右送り共用カム部を備えたため、布送りに付与可能な運動方向が前後方向又は左右方向の一方に限定されたカム部のみを用いた従来のミシンの布送り装置に比べ、少ないカム部数で多くの縫い目模様を形成することができる。特に、1つのカムに1つのカム部しか形成しないカムを用いる場合、ミシンの小型化に有利である。
【0071】
請求項2記載の発明に係るミシンの布送り装置によれば、第1の運動伝達手段に接続するカム部を前後送りカム部及び前後−左右送り共用カム部の中で選択的に切換可能な第1の切換手段と、第2の運動伝達手段に接続するカム部を左右送りカム部及び前後−左右送り共用カム部の中で選択的に切換可能な第2の切換手段とを備えたため、第1の運動伝達手段及び第2の運動伝達手段に接続するカム部の切換が容易となる。
【0072】
請求項3記載の発明に係るミシンの布送り装置によれば、3つのカム部でコ字縫い目、X字縫い目及びZ字縫い目を形成することができる。
【0073】
請求項4記載の発明に係るミシンの布送り装置によれば、第1の揺動部材及び第3の揺動部材が、第1の送り切換部材にそれぞれ係合し、かつ、この第1の送り切換部材の回動中心を中心とする円弧状のガイド部をそれぞれ有し、第2の揺動部材及び第3の揺動部材が、第2の送り切換部材にそれぞれ係合し、かつ、この第2の送り切換部材の回動中心を中心とする円弧状のガイド部をそれぞれ有するため、第1の送り切換部材を回動操作することで第1の送り切換部材に接続する揺動部材を、第1の揺動部材及び第3の揺動部材の中で切り換えることができ、また、第2の送り切換部材を回動操作することで第2の送り切換部材に接続する揺動部材を、第2の揺動部材及び第3の揺動部材の中で切り換えることができる。
即ち、前後−左右送り共用カム部である第3のカム部を、布送りの左右送りと前後送りとに共用することができる。
【0074】
請求項5記載の発明に係るミシンの布送り装置によれば、カム部の出力を反転させて、布送りに付与する運動方向を正逆に切換可能な運動方向切換手段を備えたため、布送りに付与する運動方向を正逆に切換不能な従来のミシンの布送り装置に比べ、少ないカム部数で多くの縫い目模様を形成することができる。
【0075】
請求項6記載の発明に係るミシンの布送り装置によれば、運動方向切換手段が、カム部の出力により固定軸を中心に揺動自在な揺動リンクと、一端が揺動リンクに接続されてカム部の出力を布送り側へと伝達可能であると共に、揺動リンクとの接続位置を固定軸を跨いだ両側に切換可能な切換リンクとを備えたため、切換リンクを移動させるだけで布送りに付与する運動方向を正逆に切り換えることができる。
【0077】
請求項記載の発明に係るミシンの布送り装置によれば、複数の前後−左右送り共用カム部と、これら前後−左右送り共用カム部の何れか一つからの出力を反転させて、布送りに付与する前後方向の運動及び左右方向の運動の運動方向をそれぞれ正逆に切換可能な第1の運動方向切換手段及び第2の運動方向切換手段とを備えたため、上記のような従来のミシンの布送り装置に比べ、より少ないカム部数で多くの縫い目模様を形成することができる。
【0078】
請求項記載の発明に係るミシンの布送り装置によれば、3つの前後−左右送り共用カム部で、コ字縫い目、X字縫い目及びZ字縫い目を形成することができる。
【0080】
請求項記載の発明によれば、第1の送り切換部材による切換途中においてガイド部間に位置する駒に係合して駒のガイド部間での落ち込みを防止する支持手段を備えたため、各ガイド部間において駒をスムーズに移動させることが可能になる。従って、布送りに所望の縫い目模様を形成するための送りを付与するカム部の切換をスムーズに行うことができる。
【0081】
請求項10記載の発明によれば、ガイド部又は駒の何れか一方を回動可能とし、該回動可能なガイド部又は駒を、対となる駒又はガイド部と係合し易い方向に向けた状態で保持する方向規定手段を備えたため、ガイド部と駒とを係合させるのが容易となる。従って、布送りに所望の縫い目模様を形成するための送りを付与するカム部の切換をスムーズに行うことができる。
【0082】
請求項11記載の発明によれば、第2の送り切換部材の前後方向への移動を阻止する阻止手段を備えたため、第2の送り切換部材は前後方向に移動することがなくなり、駒のガイド部からの抜け出しを防止して、ガイド部と駒とを安定した状態で係合させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1の実施の形態例としての布送り装置を構成する機構を示す分解斜視図である。
【図2】図1の布送り装置に備わる第1の切換手段の要部を示す平面図である。
【図3】図1の布送り装置に備わる第2の切換手段の要部を示す平面図である。
【図4】図1の前後送りカム溝と左右送りカム溝の組み合わせによりコ字縫い目を形成する場合の、縫い目の順序を例示した平面図である。
【図5】図1の前後−左右送りカム溝と左右送り共用カム溝の組み合わせによりX字縫い目を形成する場合の、縫い目の順序を例示した平面図である。
【図6】図1の前後送りカム溝と前後−左右送り共用カム溝の組み合わせによりZ字縫い目を形成する場合の、縫い目の順序を例示した平面図である。
【図7】本発明を適用した第2の実施の形態例としての布送り装置を構成する機構の前側部分を示す分解斜視図である。
【図8】図7の布送り装置を構成する機構の後側部分を示す分解斜視図である。
【図9】図7及び図8の布送り装置に備わる第2の運動方向切換手段の要部を示す平面図である。
【図10】図7及び図8の布送り装置に備わる第1の運動方向切換手段(第2の運動方向切換手段)を構成する反転レバーの固定方法を説明する斜視図である。
【図11】各種パターンを有するカム溝の各組合せにより形成される縫い目模様のパターンを示す平面図である。
【図12】本発明を適用した第3の実施の形態例としての布送り装置を示す斜視図で、前後送り切換レバーが第1の揺動腕に、左右送り切換レバーが第2の揺動腕にそれぞれ係合している状態を示している。
【図13】図12の布送り装置を示す斜視図で、前後送り切換レバーが第1の揺動腕に、左右送り切換レバーが第3の揺動腕にそれぞれ係合している状態を示している。
【図14】図12の布送り装置を示す斜視図で、前後送り切換レバーが第3の揺動腕に、左右送り切換レバーが第2の揺動腕にそれぞれ係合している状態を示している。
【図15】図12の布送り装置を構成する前後送り切換レバーの移動経路上に設けられた支持手段としての支持面を示す斜視図である。
【図16】図12の布送り装置を構成する第2の揺動腕及び第3の揺動腕を拡大して示す斜視図である。
【図17】図16の第2の揺動腕(第3の揺動腕)へのガイド部材の取付構造を示す分解斜視図である。
【図18】図12の布送り装置を構成する左右送り切換レバーと駆動体の連結構造を示す分解斜視図である。
【図19】標準的な4つ穴ボタンの縫い目模様のパターンを示す平面図である。
【符号の説明】
1A 第1の運動伝達手段
1B 第2の運動伝達手段
3 左右送りカム溝(第2のカム部)
4 左右送りカム(カム体)
5 前後送りカム溝(第1のカム部)
6 前後送りカム(カム体)
7A 第1の切換手段
7B 第2の切換手段
8、11、35 固定軸
9 第2の揺動腕(第2の揺動部材)
9A 第2の揺動腕(第2の揺動部材)
10、14、38 コロ
16 ボタン取付部(布送り)
18 駆動体
21 前後送り切換レバー(第1の送り切換部材)
21A 前後送り切換レバー(切換手段)
22、40、64 駒
22A、40A、64A 駒
23、24 リンク
28 レバー固定部
31 第1の揺動腕(第1の揺動部材)
31A 第1の揺動腕(第1の揺動部材)
32 第3の揺動腕(第3の揺動部材)
32A 第3の揺動腕(第3の揺動部材)
33、34、39、66 弧状ガイド部(ガイド部)
33A、34A 弧状ガイド部(ガイド部)
39A、66A ガイド部材(ガイド部)
36 前後−左右送り共用カム(カム体)
37 前後−左右送り共用カム溝(第3のカム部)
61 移動軸(阻止手段)
62 左右送り切換レバー(第2の送り切換部材)
62A 左右送り切換レバー(切換手段)
100a 第1の揺動腕
100b 第2の揺動腕
100c 第3の揺動腕
104a、104b、104c、124a、124b、124c 移動軸
105a、105b、105c、125a、125b、125c 切換レバー
108 左右送りリンク
109 前後送りリンク
113A、113B 揺動リンク
115A、115B 反転レバー
116、117 切換リンク
120a 第1の前後−左右送り共用カム(カム体)
120b 第2の前後−左右送り共用カム(カム体)
120c 第3の前後−左右送り共用カム(カム体)
121a 第1の前後−左右送り共用カム溝
121b 第2の前後−左右送り共用カム溝
121c 第3の前後−左右送り共用カム溝
130A 第1の運動伝達手段
130B 第2の運動伝達手段
131A、131B 固定軸
133A、133B レバー固定部
140A 第1の切換手段
140B 第2の切換手段
150A 第1の運動方向切換手段
150B 第2の運動方向切換手段
201 リンク(阻止手段)
203 固定軸(阻止手段)
202a、206 支持面(支持手段)
204a、205a 支軸(方向規定手段)
204c、205c バネ(方向規定手段)
204e、205e ピン(方向規定手段)
204f、205f 回動規制穴(方向規定手段)
208 角駒
209 長溝

Claims (11)

  1. 前後送りカム部による前後方向の運動と左右送りカム部による左右方向の運動の合成によって、布送りへと所望の縫い目模様を形成するための送りを付与可能なミシンの布送り装置において、
    前記布送りに前後方向の運動を付与可能であると共に、前記布送りに左右方向の運動を付与可能な一つ又は複数の前後−左右送り共用カム部を備えることを特徴とするミシンの布送り装置。
  2. カム部の出力を前記布送りに伝達して、該布送りに前後方向の運動を付与する第1の運動伝達手段と、
    カム部の出力を前記布送りに伝達して、該布送りに左右方向の運動を付与する第2の運動伝達手段と、
    前記第1の運動伝達手段に接続するカム部を、前記前後送りカム部及び前記前後−左右送り共用カム部の中で選択的に切換可能な第1の切換手段と、
    前記第2の運動伝達手段に接続するカム部を、前記左右送りカム部及び前記前後−左右送り共用カム部の中で選択的に切換可能な第2の切換手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載のミシンの布送り装置。
  3. 前記前後送りカム部である第1のカム部と、
    前記左右送りカム部である第2のカム部と、
    前記前後−左右送り共用カム部である第3のカム部と、を備え、
    上記第1乃至第3のカム部の中、2箇の組み合わせにより、コ字縫い目またはX字縫い目またはZ字縫い目の何れかを選択的に形成するための送りを前記布送りに付与可能なカム部であることを特徴とする請求項1記載のミシンの布送り装置。
  4. 前記前後送りカム部である第1のカム部と、
    前記左右送りカム部である第2のカム部と、
    前記前後−左右送り共用カム部である第3のカム部と、
    前記第1のカム部に係合して、該第1のカム部の回転に伴い揺動する第1の揺動部材と、
    前記第2のカム部に係合して、該第2のカム部の回転に伴い前記第1の揺動部材と独立に揺動する第2の揺動部材と、
    前記第3のカム部に係合して、該第3のカム部の回転に伴い前記第1の揺動部材及び前記第2の揺動部材と独立に揺動する第3の揺動部材と、
    前記布送りに付与する前後方向の運動を中継可能であると共に、回動操作可能な第1の送り切換部材と、
    前記布送りに付与する左右方向の運動を中継可能であると共に、前記第1の送り切換部材と独立して回動操作可能な第2の送り切換部材と、を備え、
    前記第1の揺動部材及び前記第3の揺動部材は、前記第1の送り切換部材にそれぞれ係合し、かつ、この第1の送り切換部材の回動中心を中心とする円弧状のガイド部をそれぞれ有し、
    前記第2の揺動部材及び前記第3の揺動部材は、前記第2の送り切換部材にそれぞれ係合し、かつ、この第2の送り切換部材の回動中心を中心とする円弧状のガイド部をそれぞれ有することを特徴とする請求項1記載のミシンの布送り装置。
  5. 前記カム部の出力を反転させて、前記布送りに付与する運動方向を正逆に切換可能な運動方向切換手段を備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のミシンの布送り装置。
  6. 前記運動方向切換手段は、前記カム部の出力により、固定軸を中心に揺動自在な揺動リンクと、一端が前記揺動リンクに、他端が前記布送り側にそれぞれ接続されて、前記カム部の出力を前記布送り側へと伝達可能であると共に、前記揺動リンクとの接続位置を前記固定軸を跨いだ両側に切換可能な切換リンクと、を備えることを特徴とする請求項5記載のミシンの布送り装置。
  7. 前後送りカム部による前後方向の運動と左右送りカム部による左右方向の運動の合成によって、布送りへと所望の縫い目模様を形成するための送りを付与可能なミシンの布送り装置において、
    前記布送りに前後方向の運動を付与可能であると共に、前記布送りに左右方向の運動を付与可能な複数の前後−左右送り共用カム部と、
    前記複数の前後−左右送り共用カム部の何れか一つからの出力を反転させて、前記布送りに付与する前後方向の運動の運動方向を正逆に切換可能な第1の運動方向切換手段と、
    前記複数の前後−左右送り共用カム部の何れか一つからの出力を反転させて、前記布送りに付与する左右方向の運動の運動方向を正逆に切換可能な第2の運動方向切換手段と、
    を備えることを特徴とするミシンの布送り装置。
  8. 前記複数の前後−左右送り共用カム部は、それぞれ異なるパターンを有する第1の前後−左右送り共用カム部、第2の前後−左右送り共用カム部及び第3の前後−左右送り共用カム部により構成され、
    これら3つの前後−左右送り共用カム部は、その組合せによって、少なくともコ字縫い目、X字縫い目及びZ字縫い目を形成するための送りを前記布送りに付与できるように、それぞれのカム部形状が形成されていることを特徴とする請求項記載のミシンの布送り装置。
  9. 前記第1の送り切換部材は、前記第1及び第3の揺動部材にそれぞれ設けられた前記ガイド部に係合可能な駒と、
    前記第1及び第3の揺動部材にそれぞれ設けられた各ガイド部間且つ前記駒の移動経路上に設けられ、前記第1の送り切換部材による切換途中で前記ガイド部間に位置する前記駒に係合して前記駒の前記ガイド部間での落ち込みを防止する支持手段と、
    を備えることを特徴とする請求項4記載のミシンの布送り装置。
  10. 前記第2の送り切換部材は、前記ガイド部に係合可能な駒を前記複数のガイド部に対応して複数備えると共に、複数の前記ガイド部と前記駒との組合せの中から一組の前記ガイド部と前記駒とを選択的に係合可能に構成され、
    前記第2の送り切換部材の回動操作に際して、前記ガイド部又は前記駒の何れか一方を回動可能とし、該回動可能なガイド部又は駒を、対となる駒又はガイド部と係合し易い方向に向けた状態で保持する方向規定手段備えることを特徴とする請求項4記載のミシンの布送り装置。
  11. 前記第2の送り切換部材は、前記ガイド部に係合可能な駒を前記複数のガイド部に対応して複数備えると共に、複数の前記ガイド部と前記駒との組合せの中から一組の前記ガイド部と前記駒とを選択的に係合可能に構成され、かつ、当該第2の送り切換部材の前後方向への移動を阻止する阻止手段備えることを特徴とする請求項4記載のミシンの布送り装置。
JP12472599A 1999-01-27 1999-04-30 ミシンの布送り装置 Expired - Fee Related JP4107763B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12472599A JP4107763B2 (ja) 1999-01-27 1999-04-30 ミシンの布送り装置
CNB001018051A CN1133769C (zh) 1999-01-27 2000-01-27 循环缝纫机的被缝制物输送装置
TW89101403A TW451010B (en) 1999-01-27 2000-01-27 Cloth feeding device for sewing machine

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-18718 1999-01-27
JP1871899 1999-01-27
JP12472599A JP4107763B2 (ja) 1999-01-27 1999-04-30 ミシンの布送り装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000279668A JP2000279668A (ja) 2000-10-10
JP4107763B2 true JP4107763B2 (ja) 2008-06-25

Family

ID=26355444

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12472599A Expired - Fee Related JP4107763B2 (ja) 1999-01-27 1999-04-30 ミシンの布送り装置

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP4107763B2 (ja)
CN (1) CN1133769C (ja)
TW (1) TW451010B (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4942960B2 (ja) * 2005-07-29 2012-05-30 Juki株式会社 布送り装置
JP4823700B2 (ja) * 2006-01-31 2011-11-24 Juki株式会社 ミシン
JP4877627B2 (ja) * 2006-06-27 2012-02-15 ヤマトミシン製造株式会社 ボタン付けミシン
JP2008017923A (ja) * 2006-07-11 2008-01-31 Juki Corp ボタン付けミシン
JP5074074B2 (ja) * 2007-03-30 2012-11-14 Juki株式会社 ボタン付けミシン
JP5110491B2 (ja) * 2010-05-31 2012-12-26 ヤマトミシン製造株式会社 ボタン付け方法及びボタン付けミシン
CN108166164B (zh) * 2017-12-28 2020-08-21 拓卡奔马机电科技有限公司 一种钉扣机及其针距调控机构
JP7262323B2 (ja) * 2019-06-24 2023-04-21 Juki株式会社 ミシン及び調節方法

Also Published As

Publication number Publication date
TW451010B (en) 2001-08-21
JP2000279668A (ja) 2000-10-10
CN1263956A (zh) 2000-08-23
CN1133769C (zh) 2004-01-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3078979B2 (ja) 外科用ミシン
JP4107763B2 (ja) ミシンの布送り装置
KR100876707B1 (ko) 목감기용 보턴다는 재봉틀
JP4261698B2 (ja) ミシンの布送り機構
JPH06262A (ja) ロックミシン
JP3691914B2 (ja) サイクルミシンの送り装置
TWI421386B (zh) Pinning machine
US7568440B2 (en) Threading device of sewing machine
JP3731944B2 (ja) 環縫いの結び目形成方法及び環縫いミシン
JP2722777B2 (ja) 穴かがりミシンの布開き装置
JP2008006253A (ja) ボタン付けミシン
JPH067565A (ja) 穴かがりミシンの布開き装置
JP2005334030A (ja) 刺繍ミシンの刺繍枠装着機構
JP2000167273A (ja) ミシンの送り発生装置
JP3509980B2 (ja) ロックミシンの切り換え装置
US5865132A (en) Looper drive for a buttonhole sewing machine
JPH0662Y2 (ja) 穴かがりミシンの布張り装置
US1370473A (en) Button-sewing machine
CS201643B1 (en) Buttonhole sewing machine
JP2565771Y2 (ja) ロックミシン
JP3793979B2 (ja) ジグザグミシン
JPH038843A (ja) 編機の編糸交換装置
JPH11114254A (ja) 着脱式刺繍装置付きミシンの送り歯作動切換え装置
JPS6214316B2 (ja)
JPH0355576B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060421

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071009

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071207

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080304

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080401

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110411

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130411

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140411

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees