JP4107574B2 - 画像形成装置、プロセスカートリッジ、及び、カバー部材 - Google Patents
画像形成装置、プロセスカートリッジ、及び、カバー部材 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置と、その画像形成装置に着脱自在に設置されるプロセスカートリッジと、そのプロセスカートリッジにおける像担持体の露呈部を覆うカバー部材とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電子写真方式を用いた画像形成装置においては、ユーザによる簡易なメンテナンスを可能にするために、画像形成装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジが用いられている。
【0003】
プロセスカートリッジは、像担持体としての感光体ドラムと、帯電部と、現像部と、クリーニング部とを、一体的にカートリッジ化したものである。これらのプロセスカートリッジを構成する要素部の寿命は、画像形成装置本体の寿命に対して短く、交換サイクルが比較的短いために、ユーザがサービスマンによることなく容易に交換できることが望まれている。
【0004】
このようなプロセスカートリッジの交換の操作性を向上することを目的として、種々の技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
具体的には、画像形成装置本体に、プロセスカートリッジを装着するために設けられた開口部を開閉する蓋部材が設けられている。一方、プロセスカートリッジには、外部に一部が露呈する感光体ドラムを保護する感光体保護部材(カバー部材)が設けられている。そして、装置本体の蓋部材には、開口部を開放した開状態にてプロセスカートリッジを装置本体に挿入するときに、プロセスカートリッジの感光体保護部材と係合してプロセスカートリッジから保護部材を取り外す係止部材(係止部)が設けられている。
【0005】
【特許文献1】
特開平2002−132120号公報(第5−6頁、第5−8図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の画像形成装置においては、プロセスカートリッジを装置本体に設置する際に取り外される感光体保護部材のその後の管理が、ユーザとって煩わしいものとなっていた。
【0007】
詳しくは、プロセスカートリッジを装置本体に装着する場合、まず、開状態の蓋部材までプロセスカートリッジを運ぶ。その後、蓋部材に設けられた係止部材に保護部材を係合させるように、プロセスカートリッジを載置する。そして、プロセスカートリッジを装置本体内に押し込みながら、係止部材に係合した保護部材をプロセスカートリッジから取り外す。
【0008】
このとき、プロセスカートリッジから脱離した後の保護部材は、ユーザ自身が破棄するか、別の場所に保管する必要があった。
特に、装置本体に設置されて使用が開始された後のプロセスカートリッジは、寿命に達する前(交換前)であっても、メンテナンス等により装置外に取り出されることがある。このとき、プロセスカートリッジの露呈する感光体ドラムを保護するため、保護部材が必要となる。
【0009】
したがって、プロセスカートリッジの設置時に保護部材を破棄した場合には、メンテナンス時に新たな保護部材を用意することになる。また、プロセスカートリッジの設置時に保護部材を別の場所に保管した場合には、メンテナンス時にその保護部材を保管場所から装置本体まで運んでくることになる。いずれの場合にも、ユーザにとっては煩わしい作業となる。
【0010】
一方、プロセスカートリッジの設置時に、プロセスカートリッジから脱離したされるカバー部材は、ユーザが手を添えないと、そのまま床面に落下して破損する可能性もあった。したがって、プロセスカートリッジをユーザが一人で設置するには、一方の手でカートリッジを押し込むと同時に、他方の手でカバー部材を支えることになり、その操作は容易ではなかった。
【0011】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、プロセスカートリッジを装置本体に装着する際に取り外されるカバー部材の管理が容易で、操作性の高い画像形成装置、プロセスカートリッジ、及び、カバー部材を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1記載の発明にかかる画像形成装置は、像担持体の露呈部を覆う着脱自在のカバー部材を取り外したプロセスカートリッジを設置するための開口部を有する設置部と、前記カバー部材を保持した状態で前記設置部の前記開口部を開閉可能に形成された蓋部材とを備え、前記蓋部材は、開状態にて前記プロセスカートリッジを前記設置部から脱離する動作に連動して保持状態にある前記カバー部材を前記プロセスカートリッジに装着可能に形成されたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項2記載の発明にかかる画像形成装置は、上記請求項1に記載の発明において、前記蓋部材は、開状態にて前記プロセスカートリッジを前記設置部に挿入する動作に連動して前記カバー部材を前記プロセスカートリッジから取り外す係止部と、前記プロセスカートリッジから取り外した前記カバー部材を保持する保持部とを備えたものである。
【0014】
また、請求項3記載の発明にかかる画像形成装置は、上記請求項2に記載の発明において、前記係止部及び前記保持部の少なくとも1つは、前記蓋部材において前記プロセスカートリッジを前記設置部に挿入する位置を定めるものである。
【0016】
また、請求項4記載の発明にかかる画像形成装置は、上記請求項1乃至3の何れか1に記載の発明において、前記蓋部材は、前記カバー部材を前記プロセスカートリッジに装着する際の当該カバー部材の装着方向の移動を制限するように形成されたことを特徴とする。
【0017】
また、請求項5記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項1乃至請求項4の何れか1に記載の発明において、前記プロセスカートリッジ及び前記カバー部材の少なくとも1つは、前記カバー部材を前記プロセスカートリッジに装着する際の当該プロセスカートリッジに対する当該カバー部材の位置を制限するストッパ部を備えたものである。
【0018】
また、請求項6記載の発明にかかる画像形成装置は、上記請求項1乃至請求項5の何れか1に記載の発明において、前記蓋部材を、外装カバーとしたものである。
【0019】
また、この発明の請求項7記載の発明にかかるプロセスカートリッジは、請求項1乃至請求項6の何れか1に記載の画像形成装置に設置可能に形成されたものである。
【0020】
また、この発明の請求項8記載の発明にかかるカバー部材は、請求項1乃至請求項6の何れか1に記載の画像形成装置に保持可能に形成されたものである。
【0021】
なお、本明細書において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電部と、像担持体に現像剤を供給する現像部と、像担持体をクリーニングするクリーニング部とのうち、少なくとも1つの要素部と、像担持体とが、一体的にカートリッジ化されて、画像形成装置本体に着脱自在に形成された集合体と定義する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0023】
実施の形態.
図1は、実施の形態における画像形成装置を示す構成図である。この画像形成装置は、フルカラー式画像形成装置であって、主として、像担持体としての感光体ドラム7BK、7C、7M、7Y上にトナー像を形成する画像形成部31BK、31C、31M、31Yや、そこで形成されたトナー像が一旦転写される中間転写ベルト4aや、中間転写ベルト4a上に転写されたトナー像を転写紙、OHPシート等の記録媒体2に転写する2次転写ローラ40や、記録媒体2に二次的に転写されたトナー像を記録媒体2に定着する定着部5や、記録媒体2を給紙カセット3aから2次転写ローラ40、定着部5等を介してトレー6へ搬送する給紙・搬送部3等で構成される。
ここで、画像形成部31BK、31C、31M、31Yは、主として、光学走査部1BK、1C、1M、1Yと、プロセスカートリッジBB、BC、BM、BYとで、構成される。
【0024】
以下、図1を用いて、画像形成装置における画像形成プロセスについて説明する。
まず、給紙カセット3aに載置された記録媒体2は、ピックアップローラ3bにより給紙される。そして、給紙ローラ対3cの位置に到達した記録媒体2は、ここで1枚ごとに分離されて、分離された記録媒体2が搬送ローラ3d、3fによってレジストローラ対3gの位置に搬送される。
【0025】
一方、画像形成装置本体14の設置部240には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用のプロセスカートリッジBY、BM、BC、BBが、並設されている。そして、各プロセスカートリッジBY、BM、BC、BBの感光体ドラム7Y、7M、7C、7BKに向けて、光学走査部1Y、1M、1C、1BKより、各色の画像信号に対応した露光がおこなわれる。そして、各プロセスカートリッジBY、BM、BC、BBでは、上述の画像信号に対応したトナー像が形成される。その後、各プロセスカートリッジBY、BM、BC、BBで形成された各トナー像は、転写ローラ4Y、4M、4C、4BKによって、図中の矢印方向に走行する中間転写ベルト4a上に、重ねて転写される。
【0026】
その後、中間転写ベルト4a上に形成されたカラーのトナー像は、2次転写ローラ40によって、所定のタイミングで搬送されてきた記録媒体2上に転写される。そして、トナー像が転写された記録媒体2は、定着部5でトナー像が定着された後に、排出ローラ3h、3iによって、トレー6上に排出される。
【0027】
次に、上述の画像形成装置本体に設置される、プロセスカートリッジの作像プロセスに係わる構成部分について説明する。
なお、プロセスカートリッジBY、BM、BC、BBは、内部に収納するトナーの色が異なるだけで基本的な構成はほぼ同じものであるので、適宜に、各色をあらわす添え字Y、M、C、Bを省略して説明する。
【0028】
図2に示すように、プロセスカートリッジBは、感光体ドラム7と現像部10とを現像フレーム12で一体的に構成した現像ユニットDと、帯電部8、導電性ブラシ11等を帯電フレーム13で一体的に構成した帯電ユニットCとを組み付けたものである。
ここで、現像ユニットDと帯電ユニットCとは、前部カバー16と後部カバー17とに挟まれて固定されている(図3を参照のこと。)。
【0029】
また、現像部10は、主として、マグネット10cと現像スリーブ10dとからなる現像ローラ、現像剤を撹拌する撹拌スクリュ10g、10h、トナーが収納されたトナーホッパ141、現像剤のトナー濃度を検出するセンサ140等から構成される。そして、現像部10のタンク10a内には、磁性キャリアとトナーとからなる2成分現像剤が収納されている。
【0030】
また、帯電部8は、主として、中空構造で図中矢印方向に回転する帯電ローラ8a、帯電ローラ8a内に固定されたマグネット8b等からなる。そして、帯電部8は、感光体ドラム7表面を帯電するとともに、感光体ドラム7上に残留した未転写のトナーを取り込むクリーニング部としても機能する。
【0031】
また、感光体ドラム7は、アルミニウムからなるドラム基体上に有機感光層を形成したものである。そして、感光体ドラム7の周囲には、上述の現像スリーブ10d、帯電ローラ8a、導電性ブラシ11等が配設されている。さらに、感光体ドラム7の一部(感光体ドラム7の下部である。)は、上述の中間転写ベルト4aにトナー像を転写するために、プロセスカートリッジBの外部に露出している。
【0032】
ここで、カバー部材150は、プロセスカートリッジBが画像形成装置に設置されていないときに、プロセスカートリッジBに取り付けられている。このカバー部材150は、プロセスカートリッジBから一部が露呈する感光体ドラム7を、外光や傷から保護する。そして、カバー部材150は、プロセスカートリッジBが画像形成装置に設置される前に、プロセスカートリッジBから取り外される。
【0033】
以下、図2を参照して、カバー部材150が除去されて画像形成装置本体14に設置された後のプロセスカートリッジBの動作について説明する。
感光体ドラム7は、図2の矢印方向に回転する。そして、まず、帯電ローラ8aとの対向位置で、感光体ドラム7の表面が帯電される。その後、感光体ドラム7表面は露光位置に達して、その位置で先に説明した光学走査部1からの露光光を受けて潜像が形成される。そして、潜像が形成された感光体ドラム7表面は、現像スリーブ10dとの対向位置に達して、その位置でトナー像が形成される。
【0034】
その後、トナー像が形成された感光体ドラム7表面は、先に説明した中間転写ベルト4aとの対向位置(感光体ドラム7の露呈部である。)に達して、その位置でトナー像が転写される。このとき中間転写ベルト4aに転写されなかった未転写トナーが残存する感光体ドラム7表面は、導電性ブラシ11の位置に達して、この位置で未転写トナーは除電される。最後に、感光体ドラム7表面は、帯電ローラ8aの位置に達して、ここで未転写トナーが回収され、一連の作像プロセスが完了する。
【0035】
ここで、現像部10では、タンク10a内の現像剤のトナー濃度が所定の濃度となるように、センサ140の検出結果に基づいて、トナーホッパ141からタンク10a内にトナーが適宜補給される。そして、タンク10a内では、撹拌スクリュ10g、10hによって、現像剤が撹拌されながら現像スリーブ10dに向けて搬送される。現像スリーブ10dでは、マグネット10cの磁力によってタンク内の現像剤を汲み上げた後に、ドクターブレード10eで適当な層厚の現像剤に調整される。そして、感光体ドラム7との対向位置で、そこに形成された電界により、現像スリーブ10d上のトナーが感光体ドラム7に供給される。
【0036】
以下、画像形成装置本体14への着脱に係わるプロセスカートリッジBの構成部分について説明する。
図3及び図4を参照して、本実施の形態のプロセスカートリッジBは、その長手方向が装置本体への着脱をおこなう着脱方向となる。詳しくは、プロセスカートリッジBを前部カバー16(又は後部カバー17)側からみて、上部両端部には、それぞれガイド部12a、12b、29a、29bが長手方向に延びるように設けられている。そして、このガイド部12a、12b、29a、29bが、図1の画像形成装置本体14の設置部240に設けられたガイドレール(不図示である。)に係合して、プロセスカートリッジBは装置本体14に設置される。
【0037】
また、上述したように、プロセスカートリッジBの下方には、感光体ドラム7の露呈部を覆うカバー部材150が、挿脱自在に設けられている。
カバー部材150は、図2〜図3を参照して、長手方向と直交する方向の両端部にリブ150cが、長手方向に延びるように設けられている。そして、このリブ150cを、プロセスカートリッジBの前部カバー16に形成したガイド部16a、16bに係合させて、図4の矢印K方向(長手方向である。)にカバー部材150をスライドさせる。その後、スライドしたカバー部材150のリブ150cが、プロセスカートリッジBの後部カバー17に形成したガイド部17a、17bに係合する。さらに、カバー部材150の先端部が、後部カバー17に設けたストッパ部17cに当接して、その位置でカバー部材150のスライド移動は制限される。こうして、カバー部材150の装着が完了する。
【0038】
また、カバー部材150は、図4を参照して、長手方向の後部側に切欠き部150Aが設けられている。さらに、その切欠き部150Aには、長手方向に延設された凸部150eと、その両側の平面部150fと、切欠き部150Aに係わる段差による壁面よりなる当接部150dとが設けられている。
そして、このカバー部材150の切欠き部150Aが、後述する装置本体14の蓋部材に形設された係止部と係合して、プロセスカートリッジBの挿入動作に連動したカバー部材150の取り外しを可能にする。
【0039】
さらに、カバー部材150は、図2〜図4を参照して、長手方向の中央部における側方部に凹部150gが設けられている。
そして、このカバー部材150の凹部150gが、後述する装置本体14の蓋部材に起立して設けられた保持部と係合して、プロセスカートリッジBから脱離した後のカバー部材150が蓋部材に保持されることになる。
【0040】
次に、図5〜図10にて、プロセスカートリッジBの着脱に係わる画像形成装置本体14の構成と動作とについて説明する。
図5に示すように、画像形成装置本体14には、ユーザの主たる操作側に前側板14aが設けられ、その反対側に後側板14bが設けられている。そして、その前側板14aと後側板14bに挟まれるように、プロセスカートリッジBを設置するための設置部240が設けられている。また、設置部240の前側板14a側には、開口部250が設けられており、この開口部250から装置本体14へのプロセスカートリッジBの着脱がおこなわれる。
【0041】
また、設置部240の後側板14b側には、設置されたプロセスカートリッジBを駆動するための駆動ユニット50が設けられている。
また、図示は省略するが、設置部240の前側板14aから後側板14bにかけて、プロセスカートリッジBの着脱を案内するガイドレールが設けられている。
【0042】
また、装置本体14には、前側板14a側に開口部250を開閉するための蓋部材300が設けられている。詳しくは、蓋部材300と前側板14aとの間にはヒンジ400が設けられていて、蓋部材300はヒンジ400を中心に図中の矢印M方向に回動する。そして、プロセスカートリッジBの着脱をおこなうときには、蓋部材300を開いて、開口部250を開放する(図5の状態である。)。これに対して、プロセスカートリッジBの着脱が完了した後は、蓋部材300を閉じて、開口部250を閉鎖する(図9の状態である。)。
【0043】
さらに、蓋部材300と前側板14aとの間には、開状態における蓋部材300の開角度を規制する支持部材500が設けられている。この支持部材500により、開状態における蓋部材300の開角度はほぼ90度に保たれる。すなわち、開状態における蓋部材300の上面は、ほぼ水平に保たれる。
【0044】
また、蓋部材300には、その面上に起立するように保持部300aが設けられている。詳しくは、図10を参照して、プロセスカートリッジBのカバー部材150に設けられた凹部150gに係合するように、凸部300a1を有する保持部300aが蓋部材300に設けられている。なお、図10は、図8におけるX−X断面図であり、視認を容易とするために凸部300a1と凹部150gとの隙間を設けて図示している。
【0045】
ここで、図10を参照して、カバー部材150の凹部150gと、保持部300aの凸部300a1とは、どちらも、プロセスカートリッジの蓋部材300への図中矢印R方向の着脱を容易にするために、適度な曲率の表面形状を有している。また、保持部300aの起立部は、図中の矢印G方向への繰り返しの弾性変形に耐えうる材料と形状とからなる。
なお、カバー部材150が設置されていない状態では、双方の凸部300a1の距離は、双方の凹部150gの距離よりも、やや小さくなるように形成されている。そして、カバー部材150の設置時には、凸部300a1が矢印G方向に変位して凹部150gに係合し、その変位に対する反力がカバー部材150を保持する力となる。
【0046】
これにより、プロセスカートリッジBの蓋部材300への載置に連動して、カバー部材150は保持部300aに容易に係合することになる。また、保持部300aに係合した後のカバー部材150は、保持部300aに保持されることになる。さらに、プロセスカートリッジBを蓋部材300から離脱する動作に連動して、カバー部材150と保持部300aとの係合は容易に解かれることになる。
さらに、カバー部材150の凹部150gが、蓋部材300上の保持部300aに係合することで、プロセスカートリッジBを設置部240に挿入する際の蓋部材300上の姿勢(位置)が定まる。
【0047】
また、図5を参照して、カバー部材150における凹部150gの長手方向の長さQは、蓋部材300における保持部300aの長さPよりもやや大きくなるように設定されている。そして、カバー部材150が保持部300aに係合した後であって、プロセスカートリッジBが開口部250に向けて挿入されるときに、凹部150gの壁面150g1が、凸部300a1と当接することになる(図7を参照のこと。)。また、設置部240に設置されたプロセスカートリッジBを設置部240から取り出すときに、プロセスカートリッジBを引き出す動作に連動してカバー部材150がカートリッジBに取り付けられるが、このとき、凹部150gの壁面150g1が、凸部300a1と当接することになる。
これにより、プロセスカートリッジBの挿脱に係わるカバー部材150のスライド移動が規制されることになる。
【0048】
また、蓋部材300上には、図5等を参照して、プロセスカートリッジBのカバー部材150に係合する係止部200が、開口部240に近い側に設けられている。この係止部200は、図示は省略するが、カバー部材150の凸部150eの形状に対応する凹部を備えている。そして、この係止部200の凹部が、カバー部材150の凸部150eにはまり込んで、プロセスカートリッジBを設置部240に挿入する際の位置が定まる。さらには、プロセスカートリッジBを設置部240に挿入するときに、カバー部材150の挿入方向の移動が規制されることで、プロセスカートリッジBの挿入に連動してカバー部材150がカートリッジBから脱離する。
【0049】
ここで、図5を参照して、プロセスカートリッジB(又はカバー部材150)の長手方向の長さHは、蓋部材300の対応する方向の長さLよりも小さくなるように設定されている。
なお、本実施の形態における蓋部材300は、画像形成装置の外装カバーとしても機能するものである。
【0050】
以上のように構成された画像形成装置において、プロセスカートリッジBは次のように着脱される。
まず、図5に示すように、外装カバーとしての蓋部材300を、図中矢印M方向に回動して、開口部250を開放する。そして、プロセスカートリッジBを、図中の矢印R方向に移動する。
【0051】
次に、図6に示すように、プロセスカートリッジBを蓋部材300上に載置する。このとき、プロセスカートリッジBにおけるカバー部材150の凹部150gが、蓋部材300の保持部300aに係合する。さらに、プロセスカートリッジBにおけるカバー部材150の凸部150eが、蓋部材300の係止部200に係合する。
これによって、蓋部材300上のプロセスカートリッジBの姿勢が定まる。すなわち、蓋部材300上に載置されたプロセスカートリッジBは、そのまま開口部250に向けて押し込むだけで、設置部240へ設置されることになる。
【0052】
次に、図7に示すように、蓋部材300上に載置されたプロセスカートリッジBを、図中の矢印N方向に押し込む。このとき、カバー部材150もプロセスカートリッジBとともに矢印N方向に移動して、その後に、カバー部材150における凹部150gの壁面150g1が、蓋部材300の保持部300aに当接する。さらに、カバー部材150における切欠き部150Aの当接部150dが、蓋部材300の係止部200に当接する。
これによって、カバー部材150の矢印N方向のそれ以上の移動は制限され、その位置で停止する。そして、プロセスカートリッジBの矢印N方向の移動が進むと、カバー部材150は完全にプロセスカートリッジBから離脱することになる。
【0053】
また、プロセスカートリッジBを押し込むと、カートリッジBのガイド部12a、12b、29a、29bが、設置部240に設けられた不図示のガイドレールに係合する。そして、そのガイドレールに案内されながら、プロセスカートリッジBは設置部240内を進むことになる。
【0054】
その後、図8に示すように、プロセスカートリッジBを完全に押し込んで、設置部240への設置が完了する。このとき、後側板14bに設置された駆動ユニット50の駆動カップリング53に、プロセスカートリッジBの図示せぬ従動カップリングが係合する。
これによって、駆動ユニット50を駆動源として、プロセスカートリッジBが稼動して、上述の作像プロセスを達成することになる。
【0055】
最後に、図9に示すように、蓋部材300を図中矢印M方向に回動して、開口部250は閉ざされる。このとき、蓋部材300には、カバー部材150が保持部300aに密着するように、確実に保持されている。そして、蓋部材300は、カバー部材150を保持した状態で、装置本体14の前側板14aに沿うように閉鎖される。
【0056】
これに対して、プロセスカートリッジBを設置部240から抜き出す作業は、上述の工程を逆の手順でおこなうことで達成できる。
ここで、図7を参照して、プロセスカートリッジBを設置部240から抜き出すとき(矢印Nと逆方向の移動である。)、蓋部材300に保持されたカバー部材150は、蓋部材300上での位置がある程度固定された状態で、プロセスカートリッジBに確実に装着されることになる。
【0057】
詳しくは、プロセスカートリッジBの移動にともない、カバー部材150もその移動方向に引きずられる状態で移動するが、その後に、カバー部材150における凹部150gの壁面150g1が、蓋部材300の保持部300aに当接する。これによって、蓋部材300に対するカバー部材150の矢印Nと逆方向の移動は制限される。
さらに、プロセスカートリッジBの移動が進むと、やがて、カートリッジBのストッパ部17cが、カバー部材150の先端部に当接する。これによって、カバー部材150に対するプロセスカートリッジBの矢印Nと逆方向の移動も制限される。
【0058】
以上説明したように、本実施の形態においては、プロセスカートリッジBを画像形成装置に着脱する際に、ユーザは、カバー部材150に触れることなく、プロセスカートリッジBへの着脱を簡単におこなうことができる。さらに、プロセスカートリッジBから取り外されたカバー部材150は、開閉自在の蓋部材300に保持された状態で保管されるために、その管理が容易である。したがって、カートリッジBのメンテナンス時等において、感光体ドラム7を保護するカバー部材150を効率よく確実に用意することができる。
【0059】
なお、本実施の形態では、蓋部材300の大きさを充分に大きくして、蓋部材300を閉鎖した状態で、そこに保持したカバー部材150が外部に露呈しないようにした。
これに対して、蓋部材300に外装カバーとしての機能をもたせない場合には、保持状態のカバー部材150が蓋部材300からはみ出すような構成としてもよい。すなわち、図5において、プロセスカートリッジB(又はカバー部材150)の長手方向の長さHを、蓋部材300の長さLよりも大きく設定することもできる。この場合であっても、本発明の効果を充分に奏することになる。
【0060】
また、上記実施の形態では、複数のプロセスカートリッジBを備えた画像形成装置に本発明を適用したが、当然に、単一のプロセスカートリッジを備えた画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。
【0061】
また、上記実施の形態では、プロセスカートリッジBの画像形成装置に対する着脱方向を、プロセスカートリッジBの長手方向としたが、本発明の適用はこれに限定されることはない。例えば、プロセスカートリッジの画像形成装置に対する着脱方向が、プロセスカートリッジの長手方向と直交する方向(短手方向)であっても、本発明を適用することができる。すなわち、プロセスカートリッジを短手方向に着脱するための開口部を開閉する蓋部材を、カバー部材を保持可能に形成することができる。
【0062】
また、上記実施の形態では、カバー部材150を、プロセスカートリッジBにおける感光体ドラム7の中間転写ベルトに対向する露呈部を覆うものとした。しかし、カバー部材はこれに限定されることなく、例えば、感光体ドラム7の露光光が照射される露呈部を覆うカバー部材を有するプロセスカートリッジに対しても、本発明を適用することができる。
【0063】
また、本実施の形態では、プロセスカートリッジBを図7の矢印N方向に移動して、カバー部材150の壁面150g1を保持部300aに当接すると同時に、カバー部材150の当接部150dを係止部200に当接させて、カバー部材150の脱離をおこなった。すなわち、保持部300aと係止部200との双方を、カバー部材150を取り外す係止部として機能させた。
これに対して、保持部300aと係止部200とのうちいずれか一方のみを、カバー部材150を取り外す係止部として機能させることもできる。
【0064】
また、本実施の形態では、保持部300aと係止部200との双方を、プロセスカートリッジBを設置部240に装着する際の位置を定める部材として機能させた。
これに対して、保持部300aと係止部200とのうちいずれか一方のみを、プロセスカートリッジBを設置部240に装着する際の位置を定める部材として機能させることもできる。
【0065】
また、本実施の形態では、プロセスカートリッジBを設置部250から抜き出す際に、カートリッジBのストッパ部17cがカバー部材150の先端部に当接して、カバー部材150に対するプロセスカートリッジBの矢印Nと逆方向の移動が制限された。
これに対して、カバー部材150側にストッパ部を設けて、カバー部材150に対するプロセスカートリッジBの矢印Nと逆方向の移動が制限することもできる。
【0066】
なお、本発明が上記実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、実施の形態の中で示唆した以外にも、実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【0067】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されているので、プロセスカートリッジを装置本体に装着する際に取り外されるカバー部材の管理が容易で、操作性の高い画像形成装置、プロセスカートリッジ、及び、カバー部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態における画像形成装置を示す構成図である。
【図2】 図1の画像形成装置に設置されるプロセスカートリッジを示す断面図である。
【図3】 図2のプロセスカートリッジを示す斜視図である。
【図4】 図2のプロセスカートリッジにおいてカバー部材が着脱される際の状態を示す裏面側斜視図である。
【図5】 図1の画像形成装置にプロセスカートリッジを設置する工程を示す概略断面図である。
【図6】 図5の続きの工程を示す概略断面図である。
【図7】 図6の続きの工程を示す概略断面図である。
【図8】 図7の続きの工程を示す概略断面図である。
【図9】 図8の続きの工程を示す概略断面図である。
【図10】 図1の画像形成装置に保持されたカバー部材を示す概略断面図である。
【符号の説明】
7 感光体ドラム(像担持体)、
14 画像形成装置本体、
17 後部カバー、 17c ストッパ部、
150 カバー部材(保護部材)、 150g 凹部、
200 係止部、
240 設置部、
250 開口部、
300 蓋部材、 300a 保持部、
500 支持部材、
B、BB、BC、BM、BY プロセスカートリッジ。
Claims (8)
- 像担持体の露呈部を覆う着脱自在のカバー部材を取り外したプロセスカートリッジを設置するための開口部を有する設置部と、
前記カバー部材を保持した状態で前記設置部の前記開口部を開閉可能に形成された蓋部材とを備え、
前記蓋部材は、開状態にて前記プロセスカートリッジを前記設置部から脱離する動作に連動して保持状態にある前記カバー部材を前記プロセスカートリッジに装着可能に形成されたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記蓋部材は、開状態にて前記プロセスカートリッジを前記設置部に挿入する動作に連動して前記カバー部材を前記プロセスカートリッジから取り外す係止部と、
前記プロセスカートリッジから取り外した前記カバー部材を保持する保持部とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記係止部及び前記保持部の少なくとも1つは、前記蓋部材において前記プロセスカートリッジを前記設置部に挿入する位置を定めることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記蓋部材は、前記カバー部材を前記プロセスカートリッジに装着する際の当該カバー部材の装着方向の移動を制限するように形成されたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1に記載の画像形成装置。
- 前記プロセスカートリッジ及び前記カバー部材の少なくとも1つは、前記カバー部材を前記プロセスカートリッジに装着する際の当該プロセスカートリッジに対する当該カバー部材の位置を制限するストッパ部を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1に記載の画像形成装置。
- 前記蓋部材は、外装カバーであることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1に記載の画像形成装置。
- 請求項1乃至請求項6の何れか1に記載の画像形成装置に設置可能に形成されたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1乃至請求項6の何れか1に記載の画像形成装置に保持可能に形成されたことを特徴とするカバー部材。
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