JP4107540B2 - 継式釣竿 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、継式釣竿に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特開平9−248103号公報に開示されている釣竿は、穂先竿の接続部X1を穂持竿に継ぎ合わせて釣りを行う継式釣竿である。継式釣竿では一般に、一方の竿管を雌型とし、他方の竿杆を雄型として継ぎ合わせているため、魚が掛った場合の撓みによって、雄型竿杆はその継合領域後端部が雌型竿管内面に押圧力を集中して作用させることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
継合領域は両竿杆が重なっているため必然的に曲げ剛性が高くなるが、その前後領域は単独の竿杆領域であるため、継合領域の端部において曲げ剛性が急変し、竿の撓みによって応力集中が生じる。この公報の形態の場合は継合領域の先端部位は穂先竿が大径化されているため、応力集中に対して或る程度強いが、継合領域後端部において応力集中によって穂持竿の損傷が生じ易い。
依って本発明は、継式釣竿において、継合領域の後端部における後側竿管への応力集中を緩和防止できる先側竿杆を有する釣竿の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑み、請求項1において、先側竿杆が後側竿杆に対して並継式に継ぎ合わせられる繊維強化樹脂製の中実竿杆であり、中心層とその外側の外側層とを有し、外側層は中心層よりも層材料の剛性特性として曲げ剛性が低くなるように強化繊維を使用しており、中心層の外径は、継合領域の前端部位よりも後端部位が小さく、外側層の肉厚は、継合領域の前端部位よりも後端部位が厚いか同じであることを特徴とする継式釣竿を提供する。外側層は中心層よりも層材料の剛性特性として曲げ剛性が低くなるとは、繊維方向が同じ場合は、弾性率が小さい強化繊維を使用することであり、弾性率が同じ場合や大きい場合は、繊維方向が円周方向に近いこと(円周方向或いは傾斜方向)や繊維密度が小さいこと等であり、これらを組み合わせてもよい。
【0005】
先側竿杆は継合領域の後端部の曲げ剛性を前端部よりも低く形成できる。このため、釣竿に撓みが生じた場合に、先側竿杆の継合領域の後端部による後側竿杆への応力集中を緩和防止できる。即ち、撓み時の先側竿杆の押圧部位を柔軟に構成しているといえる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態例に基づき、更に詳細に説明する。
図1は本発明に係る継式釣竿の要部縦断面図であり、図2は穂先竿12の製造過程を示し、図3は継合領域近くの拡大図である。穂持竿10と穂先竿12とが、継合領域TZにおいて並継式に継合せられている。穂先竿12は中実竿杆であり、コア部14の外周にプリプレグシートP1,P2,P3を巻回し、加熱焼成して形成している。
【0007】
コア部は、ここでは軸長方向に引き揃えたガラス繊維を強化繊維とし、エポキシ樹脂をマトリックスとした繊維強化樹脂製であり、円柱状や先細状に形成し、焼成した後に表面を研削して図2の形態に形成する。即ち、前部は先細状部14Aでありその直ぐ後部は、前太の逆テーパ部14Bであり、その後ろはストレート部14Cであり、後端部は逆テーパ部14Dである。プリプレグP1は、炭素繊維が軸長方向に引き揃えられ、エポキシ樹脂を含浸(他も同様)しており、コア部の前記先細状部14Aを除く領域に巻回する。同様にプリプレグP2も、炭素繊維が軸長方向に引き揃えられており、前記先細状部14Aと逆テーパ部14Bとを除く領域に巻回する。両プリプレグ共に、逆テーパ部14Dとストレート部14Cとの境界近くから先細形状にカットされており、この領域では巻回焼成した状態で図1に示すようにその肉厚が前方に向かって漸減している。
【0008】
最後にプリプレグP3を逆テーパ部14D領域に巻回するが、その強化繊維としての炭素繊維は軸長方向に対して直交する円周方向に指向している。
こうしてコア部に幾つかのプリプレグを巻回したものを加圧焼成した素材の継合領域外周であって、プリプレグP3の巻回層の範囲内における外周を研削し、塗装を施して穂先竿12を完成させる。この穂先竿の継合領域TZを穂持竿10の先部継合領域に挿入して継ぎ合わせると、穂先竿の継合領域を含む外周12Sは前端F近くの部位(以下、前端部位F)と後端R近くの部位(以下、後端部位R)とを除いて穂持竿の継合領域内面に対して隙間を形成している。また、前端F付近から前部所定位置までは前太の逆テーパ部12T’に形成されている。
【0009】
図3を参照して、プリプレグシートP1とP2による層が16Aであり、コア部のガラス繊維方向と同様に炭素繊維の指向方向が軸長方向の層であり、プリプレグP3による層が16Bである。これらの層16A,16Bを合せてプリプレグシート巻回層16として図示している。この例で、請求の範囲に言う中心層はコア部14と層16Aであり、外側層は層16Bである。即ち、該外側層では、炭素繊維の指向方向が円周方向であるため、曲げ剛性には殆ど寄与せず、中心層ではガラス繊維も炭素繊維も軸長方向に指向しているため、外側層の方が層材料の剛性特性として曲げ剛性が低い。継合領域の前端部位Fよりも後端部位Rでは、中心層の外径が小さく、外側層の肉厚が厚い。従って、前端部位よりも後端部位の曲げ剛性が低くなり、この部位での穂持竿に対する応力集中が緩和防止される。
この形態例の変形例として、プリプレグしーとP1の炭素繊維の弾性率がコア部のガラス繊維よりも小さな場合であって、プリプレグシートP2の炭素繊維の指向方向がプリプレグシートP3と同様に円周方向である場合、プリプレグシート巻回層16が外側層となり得る。
【0010】
図4は図2に対応し、参考形態の穂先竿形成過程を示す図であり、図5はこの穂先竿12を穂持竿10に並継式に継合せた状態の断面図である。図2や図3の場合と異なることを主に説明すると、図2の後端部の逆テーパ部14Dに代わって前細テーパ部14D’が形成されたコア部14に、同じ炭素繊維を強化繊維とする3種類のプリプレグシートP1,P2,P3’を巻回する。プリプレグシートP3’もその強化繊維である炭素繊維の指向方向は他のプリプレグシートP1,P2と同様に軸長方向に指向している。加圧焼成後にこのプリプレグP3’による層16Bの外周を研削して継合領域TZを含む外周12Sを形成している。
【0011】
この例で、中心層はコア部14であり、外側層は層16Aと層16Bとを合せたプリプレグシート巻回層16である。即ち、中心層14は強化繊維がガラス繊維であり、外側層16はそれが炭素繊維(弾性率がガラス繊維程度以下の炭素繊維を除く)であって、軸長方向に指向しているため、外側層が層材料の剛性特性として曲げ剛性が高い。継合領域の前端部位Fよりも後端部位Rでは、中心層の外径が大きく、外側層の肉厚が薄い。従って、継合領域の前端部位よりも後端部位の曲げ剛性を低くすることができ、この部位での穂持竿10に対する応力集中が緩和防止できる。
【0012】
図6は他の参考形態例を示す断面図であり、穂先竿12が穂持竿10に対して振出式に継合わせられている。穂先竿12は、炭素繊維を軸長方向に引き揃えたコア部14の後端部が図2と同様に先太の逆テーパ部14Dであり、その外側に炭素繊維が軸長方向に指向するようにプリプレグシートを巻回して層16Aを形成している。更にその外側には、炭素繊維が円周方向に指向するようにプリプレグシートを巻回して層16Bを形成し、外周12Tは研削等によって前細テーパ状に形成されている。
【0013】
この例で、中心層はコア部14と層16Aであり、外側層は層16Bである。即ち、該外側層では、炭素繊維の指向方向が円周方向であるため、曲げ剛性には殆ど寄与せず、中心層では炭素繊維が軸長方向に指向しているため、外側層の方が層材料の剛性特性として曲げ剛性が低い。継合領域TZの前端部位Fよりも後端部位Rでは、中心層の外径が小さく、外側層の肉厚が厚い。従って、前端部位Fよりも後端部位Rの曲げ剛性が低くでき、この部位での穂持竿12に対する応力集中が緩和防止される。
【0014】
図7は他の参考形態例を示す断面図であり、穂先竿12が穂持竿10に対して振出式に継合わせられている。穂先竿12は、ガラス繊維を軸長方向に引き揃えたコア部14の後端部が図4と同様に先細のテーパ部14D’であり、その外側に炭素繊維が軸長方向に指向するように2つのプリプレグシートを巻回して層16Aと層16Bとを形成している。外周12Tは研削せずに前細テーパ状に形成されている。
【0015】
この例で、中心層はコア部14であり、外側層は層16Aと16Bとを合わせたプリプレグ巻回層16である。即ち、該外側層は炭素繊維、中心層はガラス繊維が夫々軸長方向に指向しているため、炭素繊維の弾性率がガラス繊維のそれよりも大きい場合、外側層の方が層材料の剛性特性として曲げ剛性が高い。継合領域TZの前端部位Fよりも後端部位Rでは、中心層の外径が大きく、外側層の肉厚が薄い。従って、前端部位Fよりも後端部位Rの曲げ剛性を低くでき、この部位での穂持竿12に対する応力集中が緩和防止される。
【0016】
以上では、穂先竿と穂持竿の継ぎ合わせであったが、他の竿杆の継ぎ合わせでもよい。また、並継式の場合、後側竿杆は、中実竿杆を基本形状とし、継合部分を中空に形成した竿杆でもよい。
【0017】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば、継合領域の後端部における後側竿管への応力集中の緩和防止ができる先側竿杆を有する継式釣竿が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明に係る継式釣竿の要部縦断面図である。
【図2】 図2は図1の穂先竿の製造図である。
【図3】 図3は図1の要部拡大図である。
【図4】 図4は参考形態例の穂先竿の製造図である。
【図5】 図5は他の参考形態例の継式釣竿要部の縦断面図である。
【図6】 図6は他の参考形態例の継式釣竿要部の縦断面図である。
【図7】 図7は他の参考形態例の継式釣竿要部の縦断面図である。
【符号の説明】
10 穂持竿(後側竿杆)
12 穂先竿(前側竿杆)
14 コア部
Claims (1)
- 先側竿杆が後側竿杆に対して並継式に継ぎ合わせられる繊維強化樹脂製の中実竿杆であり、中心層とその外側の外側層とを有し、外側層は中心層よりも層材料の剛性特性として曲げ剛性が低くなるように強化繊維を使用しており、中心層の外径は、継合領域の前端部位よりも後端部位が小さく、外側層の肉厚は、継合領域の前端部位よりも後端部位が厚いか同じであることを特徴とする継式釣竿。
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