JP4107199B2 - 中実丸ビレットとその製造方法およびマルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管の製造方法 - Google Patents

中実丸ビレットとその製造方法およびマルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、主として石油や天然ガスの生産および輸送の用途に使用されるマルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管を、マンネスマンピアサに代表される穿孔圧延機による穿孔圧延工程を含む熱間圧延製管法により製造する際に好適な中実丸ビレット、特に、傾斜ロール式の穿孔圧延機による穿孔圧延時に高い穿孔効率が得られ、穿孔圧延機のプラグ寿命が長く、しかも内外面疵、特に内面疵の少ない中空素管が容易に得られる中実丸ビレットとその製造方法および高能率なマルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管の製造方法に関する。
近年の油井環境の悪化により、炭酸ガスや硫化水素を含む油井やガス井環境に適した13%Cr鋼に代表されるマルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管油井管の需要が増加している。
これらの継目無鋼管は、通常、マンネスマンピアサに代表される穿孔圧延機を使用して中実丸ビレットから中空素管を製造し、この中空素管をプラグミルやマンドレルミルなどに代表される延伸圧延機により仕上げ用素管に成形し、次いでサイザやストレッチレデュサに代表される定径圧延機により所定の寸法の管製品に仕上げることによって製造される。
しかし、13%Cr鋼に代表されるマルテンサイト系ステンレス鋼では、加熱によりその表面に生成する酸化スケールの硬度が高く、穿孔圧延機による穿孔圧延時に中実丸ビレット(以下、被圧延材ともいう)と穿孔圧延機のロールとの間のすべりが大きい。このため、被圧延材の前進速度が低下し、プラグ先端で穿孔される前に中実丸ビレットの中心部に回転鍛造による穴が明き、これが穿孔圧延後の中空素管に内面疵として残る。また、被圧延材の前進速度の低下により穿孔時間が増加し、プラグ先端が高温になって溶損し、プラグ寿命が短くなるだけでなく、製管能率も悪くなる。
穿孔圧延機のロールと被圧延材とのすべりを防止する方法としては、次のような方法が提案されている。
a)傾斜ロールの改削時にローレット加工やナーリング加工を施し、ロール表面を窪みを有する粗面にする方法(特許文献1)。
b)特許文献1に記載されているのと同じ加工方法で圧延中の傾斜ロールに加工を施し、その表面を窪みを有する粗面にする方法(特許文献2)。
c)傾斜ロールの開度を中実丸ビレットの径に対して特定の範囲に設定する方法(特許文献3)。
d)傾斜ロールの開度に加え、その傾斜角と交叉角、およびプラグリード量などを変化させる方法(特許文献4)。
e)金属粉粒体、金属炭化物、金属酸化物、金属窒化物、金属炭窒化物および珪素化合物のような高硬度の粉粒体と高分子ポリマとの水分散増摩剤を、圧延中の被圧延材と傾斜ロールとの接触部分に噴射供給しながら穿孔圧延をおこなう方法(特許文献5)。
しかし、上記の各方法には次の問題がある。
a)およびb)の方法は、被圧延材の前進速度の向上に寄与する窪みが深すぎて中空素管の外表面にその痕跡が残り、これが外面疵になることがある。また、b)の加工装置は穿孔圧延機内に設置するには大きすぎ、穿孔圧延機の大型化を招いてコスト高につくほか、既存の穿孔圧延機に適用する場合は改造費が嵩むという問題もある。
c)およびd)の方法は、圧延条件を変更するので、所定の寸法の中空素管が得難い。
e)の方法は、特別な増摩剤とこれを安定供給するための特殊な装置が必要なためにコスト高につく。
一方、炭酸ガスや硫化水素を含む油井やガス井環境用の油井管として使用して好適なマルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管を含めたいわゆるステンレス鋼継目無鋼管の傾斜ロール式の穿孔圧延機による製造方法としては、被圧延材表面の酸化スケール厚を10〜100μmにして傾斜ロール式の穿孔圧延機を含めた各圧延機で圧延する方法が提案されている(特許文献6)。
また、炭酸ガスや硫化水素を含む油井やガス井環境用の油井管として使用して好適なマルテンサイト系ステンレス鋼も提案されている(特許文献7〜9)。
しかし、特許文献6に示される方法は、マルテンサイト系ステンレス鋼を含めたいわゆるステンレス鋼に特有の酸化スケール巻き込み起因の外面筋疵をなくすようにした発明でしかなく、傾斜ロール式の穿孔圧延機での被圧延材の前進速度を向上させることは全く意図していない。
また、特許文献7〜9に示されるマルテンサイト系ステンレス鋼は、主として耐硫化物応力腐食割れ性や耐炭酸ガス腐食性などの耐食性を向上させるようにしたものでしかなく、特許文献6の場合と同様に、その鋼からなる中実丸ビレットを傾斜ロール式の穿孔圧延機で穿孔圧延する際の被圧延材の前進速度を向上させることは全く意図しておらず、しかもその手段については一切記載も示唆もしていない。
特開平2−251305号公報 特開平3−77708号公報 特開昭61−180603号公報 特開昭63−49308号公報 特開平5−57307号公報 特開平5−269507号公報 特開平2−247360号公報 特開平3−120337号公報 特開平9−111345号公報
本発明は、マルテンサイト系ステンレス鋼からなる中実丸ビレットを特に傾斜ロール式の穿孔圧延機により穿孔圧延する際に、特別な増摩剤などを使用することなく、被圧延材とロールとのすべりを軽減させ得て被圧延材の前進速度、言い換えれば穿孔効率を向上させること可能で、プラグ先端で穿孔される前の中実丸ビレットの中心部に穴が明くことがなく、これに起因する内面疵は勿論、外面疵も少ない中空素管を得ることができ、しかもプラグ先端の溶損をも防止し得てプラグ寿命の向上が図れる、いわゆる穿孔効率に優れた中実丸ビレットとその製造方法および高能率なマルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の要旨は、下記(1)および(2)の中実丸ビレットと下記(3)および(4)のその製造方法、および下記(5)のマルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管の製造方法にある。
(1)質量%で、C:0.01〜0.08%、Si:0.05〜1.00%、Mn:0.05〜1.50%、Cr:9.0〜15.0%、Mo:0.05〜5.00%、Al:0.0005〜0.05%、N:0.1%以下、Ni:0.3〜4.0%、残部:Feおよび不純物からなるマルテンサイト系ステンレス鋼の中実丸ビレットであって、ビレットの表面に生成した内層と外層とからなる2層構造の酸化スケールのうち、外層スケール層が除去され、かつ残存する内層スケール層に含まれる粒径0.1μm以上のNiの金属粒子の分散密度が1×104〜2×105個/mm2である中実丸ビレット。
(2)質量%で、C:0.01〜0.08%、Si:0.05〜1.00%、Mn:0.05〜1.50%、Cr:9.0〜15.0%、Mo:0.05〜5.00%、Al:0.0005〜0.05%、N:0.1%以下、Ni:0.3〜4.0%、Cu:4.0%以下、残部:Feおよび不純物からなるマルテンサイト系ステンレス鋼の中実丸ビレットであって、ビレットの表面に生成した内層と外層とからなる2層構造の酸化スケールのうち、外層スケール層が除去され、かつ残存する内層スケール層に含まれる粒径0.1μm以上のNiまたはNi−Cu化合物の金属粒子の分散密度が1×104〜2×105個/mm2である中実丸ビレット。
(3)上記(1)または(2)の化学組成を有する中実丸ビレットを、水蒸気濃度が5体積%以上30体積%以下の酸化性雰囲気中にて、1100℃以上1300℃以下で1.5時間以上6.0時間以下加熱した後、外層スケール層を除去することを特徴とする中実丸ビレットの製造方法。
)上記(1)または(2)の中実丸ビレットを、傾斜ロール式の穿孔圧延機を使用して中空素管に穿孔圧延することを特徴とするマルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管の製造方法。
本発明者は、前記の課題を達成するために、マルテンサイト系ステンレス鋼を含めた数多くのステンレス鋼からなる中実丸ビレットを対象に、マンネスマンピアサに代表される穿孔圧延機に対する噛み込み特性と耐すべり特性を調査し、以下のことを知見して上記の本発明を完成させた。
基本成分のC、Si、Mn、Cr、Mo、AlおよびNの含有量が特定の範囲内で、しかも必須成分としてNiまたはNiとCuを含むマルテンサイト系ステンレス鋼からなる中実丸ビレット、中でも、加熱時に生成するステンレス鋼に特有の緻密で母材に対する密着性の良好な内層スケールとポーラスで比較的剥離しやすい外層スケールとの2層構造からなる酸化スケールうちの外層スケール層を除去したものの噛み込み特性と耐すべり特性が、外層スケール層を除去しないものや、その他のステンレス鋼からなる中実丸ビレットよりも良好な傾向を示すことが確認された。
そこで、前記の基本成分の含有量が表1に示す値で、Ni含有量を0%(無添加)、0.7%、1.2%、1.7%、3.0%および6.0%の6通りと、Cu含有量を0%(無添加)、1.0%、2.0%、4.0%および5.0%の5通りとの組み合わせ30種類のうち、Cu含有量が5.0%で、Ni含有量が0%(無添加)、0.7%および6.0%の組み合わせ3種類を除いた27種類のマルテンサイト系ステンレス鋼からなる中実丸ビレットを製作し、加熱後に外層スケール層を除去したこれら中実丸ビレットを表2に示す条件の下で、傾斜ロール式の穿孔圧延機での噛み込み性と穿孔効率(%)を調べる実験をおこなった。
Figure 0004107199
Figure 0004107199
なお、上記の穿孔効率(%)とは、被圧延材の前進速度をVMX、傾斜ロールの周速度の被圧延材前進方向成分をVRXをしたとき、下記の(1)式により定義される値のことであり、この値が大きいほど傾斜ロールと被圧延材とのすべりが小さいことを意味する。
穿孔効率(%)=(VMX/VRX)×100 ・・・・・・・・・・・・(1)
また、表2に記載のプラグ先端ドラフト率(%)とは、中実丸ビレットの横断面積をA、プラグの先端位置における中実丸ビレットの横断面積をBとしたとき、下記の(2)式により定義される値であり、この値が小さいほど中実丸ビレットの軸心部での回転鍛造による内部破壊が抑制され、内面疵(中被れ)の発生が抑えら。
プラグ先端ドラフト率(%)={1−(B/A)}×100 ・・・・(2)
実験の結果は、表3ならびに図1および図2に示すとおりであり、Ni含有量が0.3%以上で、かつCu含有量が0%(無添加)または4%以下の鋼に限って穿孔圧延で必要とされる穿孔効率、すなわち、穿孔効率が60%以上になることが確認された。
Figure 0004107199
そこで、その原因を知るべく、Ni含有量が0.3%以上で、かつCu含有量が0%(無添加)または4%以下の鋼(以下、「鋼1」という)、NiとCuの含有量がいずれも0%(無添加)の鋼(以下、「鋼2」という)、およびNi含有量が0.7%以上で、かつCu含有量が5%の鋼(以下、「鋼3」という)の加熱後の酸化スケール、中でも特に内層スケールを詳細に調べた。
その結果、「鋼1」の内層スケール中には、粒径(円形の場合は直径、非円形の場合は長径と短径の平均径)が0.1μm以上のNiまたはNiとNi−Cu化合物の金属粒子が多く分散しているのに対し、「鋼2」と「鋼3」の内層スケール層には前記の金属粒子が全くないか、あっても極めて少なかった。これから、この金属粒子が傾斜ロールに対するグリップ力を高めて傾斜ロールと被圧延材とのすべりを防止する結果、噛み込み性と穿孔効率が向上することが判明した。
図3は、NiとCuの含有量がいずれも1.0%の「鋼1」と0%(無添加)の「鋼2」の加熱後の2層構造の酸化スケールのうちの内層スケールの一例を示すミクロ写真(1000倍)で、同図(a)は「鋼1」、同図(b)は「鋼2」である。
また、図4は、上記の「鋼1」と「鋼2」の加熱直後の酸化スケールの状態、外層スケールを除去し圧延開示時の内層スケールの状態、および穿孔圧延中の内層スケールの状態を示す模式図で、同図(a)は「鋼1」、同図(b)は「鋼2」である。
しかし、前記の「鋼1」であっても、穿孔効率が60%以上にならない場合があり、この場合の内層スケール層中の金属粒子は少ないことも判明した。
そこで、加熱条件を種々変えて前記の実験をさらにおこなった結果、図5に示す結果が得られた。すなわち、内層スケール中に粒径が1μm以上のNiまたはNiとNi−Cu化合物の金属粒子が1mm2当たり1×104個以上存在している場合には60%以上の穿孔効率が得られるが、その個数が2×105個を超えると焼付きが発生するという事実である。
また、1mm2当たり1×104〜2×105個の金属粒子が存在する内層スケールを有する酸化スケールの合計厚さは、およそ100〜600μmで、このような酸化スケールは、後述する化学組成を有する中実丸ビレットを、水蒸気濃度が5〜30体積%の酸化性雰囲気中にて、1100〜1300℃の温度域に1.5〜6.0時間加熱保持することにより得られることもわかった。
本発明の中実丸ビレットは、穿孔圧延機、特に傾斜ロール式の穿孔圧延機に対する噛み込み性と耐すべり性に優れている。また、その製造方法は所定の化学組成を有するマルテンサイト系ステンレス鋼からなる中実丸ビレットを所定の条件で加熱後、外層スケールを高圧水デスケーリング処理するだけで得られるので安価に製造できる。さらに、本発明の中実丸ビレットを素材とする本発明の製造方法では、プラグ先端ドラフト率を小さくした穿孔圧延が可能であるため、中被れの少ない中空素管を高能率に製造できるだけでなく、プラグ寿命も向上する。
以下、本発明の中実丸ビレットとその製造方法、ならびにマルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管の製造方法について詳細に説明する。
1.化学組成について
C:0.01〜0.08%
Cは高温でのオーステナイト生成元素であり、マルテンサイト系ステンレス鋼の強度を決定する重要な成分で、0.01%未満の含有量では残留オーステナイトの生成量が不十分となり、十分な靭性が得られない。一方、0.08%を超えると強度が高くなりすぎて靭性の低下や耐食性の劣化を招く。
Si:0.05〜1.00%
Siは脱酸剤として必要であり、0.05%未満の含有量では後述するAlの添加量が増えて地疵などが増加し、鋼質の劣化を招く。一方、1.00%を超えると靭性が低下する。
Mn:0.05〜1.50%
Mnは脱酸剤として有効であるとともに、不純物のSを固定して熱間加工性を向上させる。また、Mnは高温でのオーステナイト相を安定にしてマルテンサイト相を形成させやすくする。しかし、その含有量が0.05%未満ではこれらの効果が不十分である。一方、過剰なMnは耐食性の低下を招くので、上限は1.50%とする。
Cr:9.0〜15.0%
Crはマルテンサイト系ステンレス鋼の最も主要な基本成分で、その含有量が9%未満ではステンレス鋼としての耐食性が確保できない。一方、15.0%を超えると、ビレット加熱時にδフェライトが多く生成し、所要の強度が得られない。
Mo:0.05〜5.00%
Moは炭酸ガスを含む環境下での局部腐食を防止する作用を有するが、0.05%未満の含有量ではその効果が十分でない。一方、5.00%を超えるとδフェライトが多く生成して所要の強度が得られない。
Al:0.0005〜0.05%
Alは脱酸剤として添加するが、その含有量が0.0005%未満では脱酸が不十分で鋼の健全性が劣る恐れがある。一方、0.05%を超えると靭性低下を招く。
N:0.1%以下
NはCrが高い場合不可避的に混入する不純物で、オーステナイト領域を拡大させてマルテンサイト相の形成を容易にする効果がある。しかし、過剰なNは耐硫化物応力腐食割れ性を悪くするので、その影響が顕著でない0.1%以下とする。なお、Nの含有量は少なければ少ないほどよい。
Ni:0.3〜4.0%
Niは本発明にとって最も重要な成分の1つであり、内層スケール中に1mm2当たり1×104個以上のNiの金属粒子を分散析出させるためには最低でも0.3%以上の含有量が必要である。一方、4.0%を超えると1mm2当たりのNiの金属粒子の分散析出個数が2×105個を超え、焼付きが発生するので、Ni含有量は0.3〜4.0%とした。
Cu:4.0%以下
Cuは添加しなくてもよい。添加すれば、上記のNiと化合物(Ni−Cu)を形成して内層スケール中に金属粒子として分散析出し、傾斜ロールに対する被圧延材の噛み込み性と耐すべり性を向上さる。その効果は、前述の図1に示す実験結果からもわかるように、不純物量レベルの含有量でも得られる。しかし、4.0%を超えて含有させると、前述の図2に示す実験結果からもわかるように、上記Niの効果を失わせるだけでなく、熱間加工性も低下する。このため、添加する場合のCu含有量は4.0%以下とするのがよい。なお、多量のCu添加が上記Niの効果を失わせる理由の詳細は不明であるが、Ni粒子中のCu量が増大するとともに、金属粒子の融点が低下することにより焼付きが発生するためと推定される。
上記の成分以外は実質的にFe、言い換えれば、残部はFeと上記のN以外の不純物であり、不純物としてのPは0.04%まで、Sは0.03%までであれば特に問題はないが、PとSの含有量はいずれも低いほどよい。
2.金属粒子の分散密度について
本発明になる中実丸ビレットの加熱後の内層スケールは、粒径0.1μm以上のNiまたはNiとNi−Cu化合物の金属粒子の分散密度が1×104〜2×105個/mm2で分散析出しているものである必要がある。その理由は、前述したように、その分散密度が1×104個/mm2未満では、噛み込み性が不十分であるとともに、金属粒子によるグリップ力が不足ですべりが生じて60%以上の穿孔効率は得られず、逆に2×105個/mm2を超えると、噛み込み性は十分であるが、金属粒子によるグリップ力が過大になって焼付きが発生するからである。なお、カウントすべき金属粒子の大きさを粒径で0.1m以上としたのは、これよりも小さい金属粒子は本発明の効果になする影響は小さく、無視可能であるからである。
3.中実丸ビレットの加熱条件について
上記の粒径0.1μm以上のNiまたはNiとNi−Cu化合物の金属粒子が1×104〜2×105個/mm2分散密度で分散析出している内層スケールを有する本発明になる中実丸ビレットを得るためには、前述した化学組成を有する鋼からなる中実丸ビレットを、水蒸気濃度が5〜15体積%の酸化性雰囲気中で、1100〜1300℃の温度域に1.5〜6.0時間加熱保持する必要がある。これは、水蒸気濃度が5体積%未満、加熱温度が1100℃未満、および保持時間が1.5時間未満のいずれかであると、内層スケール中に1×104個/mm2以上のNiまたはNiとNi−Cu化合物の金属粒子が分散析出しないからであり、逆に、水蒸気濃度が30体積%を上回ったり、加熱温度が1300℃を上回ったり、さらには保持時間が6.0時間を上回ったりすると、いずれの場合も、内層スケール中に2×105個/mm2を上回るNiまたはNiとNi−Cu化合物の金属粒子が分散析出するからである。以上のことは、後述する実施例からも明らかである。
4.マルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管の製造方法について
前述した本発明になる加熱後の中実丸ビレットを素材とする本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管の製造方法においては、加熱により生成した2層構造の酸化スケールのうち、少なくとも外層スケールを除去した後に穿孔圧延機によって穿孔圧延する必要がある。これは、次の理由による。
噛み込み性と耐すべり性を向上させる金属粒子は、外層スケール中には存在せず、内層スケール中にのみ存在している。一方、Niを必須成分として含有する本発明の中実丸ビレットの表面に生成する2層構造の酸化スケールは、前述の図1および図2に示したように、NiまたはNiとCuを必須成分として含有しないものに比べ、スケール中にポロシティがほとんど存在しない。このため、その酸化スケールは母材に対する密着性が高いだけでなく、内層スケールと外層スケールとの密着性も高く、Niを必須成分として含有しないものの外層スケールが穿孔圧延前のハンドリング中にほとんど剥離脱落するのに対し、本発明の中実丸ビレットの外層スケールは穿孔圧延前のハンドリング中にはほとんど剥離脱落しないからである。
外層スケールの除去は、加熱後の中実丸ビレットに、例えば、次の条件による高圧水デスケーリング処理を施すことで除去可能である。圧力:490〜1960MPa、流量:30〜60リットル/分、中実丸ビレットの搬送速度:10〜30m/秒。すなわち、圧力が490MPa未満や流量が30リットル/分未満であったり、搬送速度が30m/秒を超えたりすると、外層スケールの除去が不十分になることがある。逆に、圧力が1960MPaを上回ると内層スケールも除去されることがあり、流量が60リットル/分を上回ったり、搬送速度が10m/秒未満であったりすると、中実丸ビレットの温度低下が大きくなって穿孔圧延自体が困難になることがある。しかし、上記の範囲内であれば、外層スケールのみをほぼ確実に安定して除去でき、しかも著しい温度低下も避けられ、穿孔圧延自体が困難になることはない。
上記のような高圧水デスケーリング処理は、この種の穿孔圧延機が通常具備している高圧水デスケーラ装置を構成する機器のうちの加圧ポンプのみの改造で対応可能であるので、設備費が大幅に高くなることもない。
上記のように外層スケールを除去してから穿孔圧延すると、穿孔圧延機に対する中実丸ビレットの噛み込み性が向上するので、前述したプラグ先端ドラフト率をより小さくした穿孔圧延が可能となる。言い換えれば、中実丸ビレットの軸心部に回転鍛造による割れが発生するのに先だってプラグにより穴を穿つ穿孔圧延をおこなうことが可能となるので、中被れ疵の少ない中空素管が得られる。
また、噛み込み後においても内層スケール中の金属粒子のグリップ効果によりすべりが軽減されるので穿孔効率が向上、言い換えれば、穿孔時間が短くなる分だけプラグが高温に曝される時間が短縮され、プラグ寿命も向上する。
表4に示す化学組成を有する4種類のマルテンサイト系ステンレス鋼を溶製した。そして、これらの鋼のうち、鋼BおよびCにかかる、外径191mm、長さ2130mmの中実丸ビレットを対象に、LNGを燃料とする加熱炉を使用し、表5に示す種々の条件で加熱し、その表面に形成された内層スケール中の粒径0.1μm以上のNiとNi−Cu化合物の金属粒子の分散密度を調べるとともに、内外層のスケール厚さを測定した。なお、金属粒子の同定はスケールの断面を500倍の電子顕微鏡およびEDXを用いておこなった。
Figure 0004107199
Figure 0004107199
結果は、表5に併記して示すとおりで、本発明で規定する条件で加熱することにより、内層スケール中に粒径0.1μm以上のNiとNi−Cu化合物の金属粒子が1×104 〜2×10 5 個/mm2範囲内の分散密度で析出する。これに対して、雰囲気中の水蒸気濃度、加熱温度および保持時間のいずれかが本発明で規定する範囲を外れる場合には、内層スケール中に存在する粒径0.1μm以上のNiとNi−Cu化合物の金属粒子が1×104〜2×105個/mm2の範囲内にならないことがわかる。
前記の表4に示す4種類の鋼からなる外径191mm、長さ2130mmの中実丸ビレットを、表6に示す条件で加熱した。加熱後のビレットは、その表面に生成している酸化スケールのうち、圧力980MPa、流量45リットル/分、搬送速度22m/秒の条件による高圧水デスケーリング処理を施して外層スケールのみを除去した。
次いで、これらの中実丸ビレットを、0.5%Cr−0.5%Mn−1.0%Ni−Feのプラグを具備する傾斜ロール式の穿孔圧延機に供し、表6に示す穿孔段取りで穿孔圧延をおこない、穿孔効率、中被れ不良率(本数比率)およびプラグ寿命(パス本数/個)を調査した。
なお、加熱後のビレット表面に生成している内層スケール中の粒径0.1μm以上のNiとNi−Cu化合物の金属粒子の分散密度(個/mm2)は、符号Aのものは3000〜4000個、符号Bのものは50000〜60000個、符号Cのものは100000〜150000個、符号Dのものは250000〜300000個であった。
Figure 0004107199
以上の調査結果を、表7にまとめて示すとともに、図6に各鋼毎のプラグ先端ドラフト率と穿孔効率との関係、図7に各鋼毎のプラグ先端ドラフト率と中被れ不良率との関係、図8に各鋼毎のプラグ先端ドラフト率とプラグ寿命との関係を示した。
Figure 0004107199
表7および図6〜図8に示す結果からわかるように、NiまたはNiとCuの含有量が本発明で規定する範囲内で、かつ内層スケール中の粒径0.1μm以上のNiとNi−Cu化合物の金属粒子の分散密度が本発明で規定する範囲内である符号BとCの鋼からなる中実丸ビレットでは、いずれのプラグ先端ドラフト率においても60%以上の穿孔効率が得られており、中被れ不良率も4%以下と低く、プラグ寿命も平均で3.3パス/個以上と長い。
これに対して、Niの含有量が本発明で規定する下限値よりも少なく、かつ内層スケール中の粒径0.1μm以上のNiの金属粒子の分散密度が本発明で規定する下限値よりも少ない符号Aの鋼からなる中実丸ビレットでは、プラグ先端ドラフト率を高くしないと60%以上の穿孔効率は得られず、この場合には中被れ不良率が約10%と極めて高くなるだけでなく、プラグ寿命も平均で2.5パス/個以上と短い。また、中被れ不良率を少なくし、かつプラグ寿命を長くすべくプラグ先端ドラフト率を小さくすると、60%以上の穿孔効率は得られない。
また、Ni含有量が多すぎる符号Dの鋼からなる中実丸ビレットでは、穿孔効率、中被れ不良率およびプラグ寿命ともに良好であるが、内層スケール中の金属粒子が多すぎるために、焼付きが多発したとともに、傾斜ロールの摩耗が著しかった。
本発明の中実丸ビレットは、素材のビレットが、原則、中実角ビレットであるプレスピアシングミルの穿孔圧延機にも適用可能である。
予めおこなった実験結果を示す図で、Ni含有量とCu含有量が穿孔効率に及ぼす影響をNi含有量で整理して示す図である。 予めおこなった実験結果を示す図で、Ni含有量とCu含有量が穿孔効率に及ぼす影響をCu含有量で整理して示す図である。 予めおこなった実験結果を示す図で、NiとCuの含有量がいずれも1.0%の「鋼1」と0%(無添加)の「鋼2」の加熱後の酸化スケールの一例を示すミクロ写真であり、同図(a)は「鋼1」、同図(b)は「鋼2」の場合である。 上記の「鋼1」と「鋼2」の加熱直後の酸化スケールの状態、外層スケールを除去し穿孔開始時の内層スケールの状態、および穿孔圧延中の内層スケールの状態を示す模式図で、同図(a)は「鋼1」、同図(b)は「鋼2」の場合の図である。 予めおこなった実験結果を示す図で、内層スケール中に存在する粒径が0.1μm以上のNiまたはNiとNi−Cu化合物の金属粒子の分散密度と穿孔効率との関係を示す図である。 実施例の結果を示す図で、使用した各鋼毎のプラグ先端ドラフト率と穿孔効率との関係を示す図である。 実施例の結果を示す図で、使用した各鋼毎のプラグ先端ドラフト率と中被れ不良率との関係を示す図である。 実施例の結果を示す図で、使用した各鋼毎のプラグ先端ドラフト率とプラグ寿命との関係を示す図である。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.01〜0.08%、Si:0.05〜1.00%、Mn:0.05〜1.50%、Cr:9.0〜15.0%、Mo:0.05〜5.00%、Al:0.0005〜0.05%、N:0.1%以下、Ni:0.3〜4.0%、残部:Feおよび不純物からなるマルテンサイト系ステンレス鋼の中実丸ビレットであって、ビレット表面に生成した内層と外層とからなる2層構造の酸化スケールのうち、外層スケール層が除去され、かつ残存する内層スケール層に含まれる粒径0.1μm以上のNiの金属粒子の分散密度が1×104〜2×105個/mm2であることを特徴とする中実丸ビレット。
  2. 質量%で、C:0.01〜0.08%、Si:0.05〜1.00%、Mn:0.05〜1.50%、Cr:9.0〜15.0%、Mo:0.05〜5.00%、Al:0.0005〜0.05%、N:0.1%以下、Ni:0.3〜4.0%、Cu:4.0%以下、残部:Feおよび不純物からなるマルテンサイト系ステンレス鋼の中実丸ビレットであって、ビレット表面に生成した内層と外層とからなる2層構造の酸化スケールのうち、外層スケール層が除去され、かつ残存する内層スケール層に含まれる粒径0.1μm以上のNiまたはNi−Cu化合物の金属粒子の分散密度が1×104〜2×105個/mm2であることを特徴とする中実丸ビレット。
  3. 請求項1または2に記載の化学組成を有する中実丸ビレットを、水蒸気濃度が5体積%以上30体積%以下の酸化性雰囲気中にて、1100℃以上1300℃以下で1.5時間以上6.0時間以下加熱した後、外層スケール層を除去することを特徴とする中実丸ビレットの製造方法。
  4. 請求項1または2に記載の中実丸ビレットを、傾斜ロール式の穿孔圧延機を使用して中空素管に穿孔圧延することを特徴とするマルテンサイト系ステンレス鋼継目無鋼管の製造方法。
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