JP4104436B2 - クッション芯材およびクッション材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車椅子、安楽椅子等のクッション材に使用されるクッション芯材であり、特に車椅子の座部に乗せて使用するクッション芯材および該クッション芯材を使用するクッション材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車椅子や安楽椅子等の座部に使用されるクッション材の芯材としては、例えば、ポリウレタンフォーム等の発泡素材や、流動性を有する熱可塑性樹脂やゲル状物を被覆材で被覆した素材等の柔軟性素材が使用されていた(例えば、特許文献1参照。)。
上記素材を使用したクッション材は体圧の分散性に優れるので、該クッション材に長時間座り続けても、臀部や大腿部に局所的に圧力が加わることが防止され、床ずれを防止することが出来る。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−70077号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のクッション材は、柔軟性素材を使用しているので体圧分散性に優れるが長時間座り続けると臀部が前方へ移動し(前ずれ)易く、姿勢が崩れ易いという問題があった。また長時間座り続けるとクッション材の臀部におけるクッション性が失われ、臀部が座部に直に接する(底付き)場合があり問題であった。
また従来のクッション材は、設置場所の椅子の座部が平面である場合には優れた体圧分散性を発揮するが、該設置場所が車椅子等の座部のように常に平面でない場合にあっては、クッション材が変形してしまい体圧分散性が損なわれるという問題があった。
本発明の課題は、体圧分散性に優れ、かつ臀部の前ずれを防止されるクッション芯材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するための手段として高分子ゲル状物からなる上層部(2) と、該上層部(2) の下側前部に配置される高硬度低反発性ポリウレタンフォームからなる前中間層部(6) と、該上層部(2) の下側後部に配置される低硬度低反発性ポリウレタンフォームからなる後中間層部(7) と、更に該前中間層部(6) と後中間層部(7) の下側に配置される通常ポリウレタンフォームからなる下中間層部(8) とからなるクッション芯材(1) を提供する。
【0006】
また本発明は、上記クッション芯材(1) の下側前部に更に半硬質プラスチックフォームからなる下層部(9) を配置したするクッション芯材(1A)を提供する。
【0007】
また更に本発明は、上記クッション芯材(1,1A)を柔軟プラスチックフィルムで被覆したクッション芯材を提供する。
更に本発明は上記クッション芯材(1,1A)をカバーで被覆したクッション材(11,11A)を提供する。
本発明を以下、詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のクッション芯材(1) は、例えば図1に示されるように、上層部(2) と、該上層部(2) の下側前部に配置される前中間層部(6) と、該上層部(2) の下側後部に配置される後中間層部(7) と、該前中間層部(6) と後中間層部(7) の下側に配置される下中間層部(8) とからなる。
【0009】
上層部(2) に使用される素材は、高分子ゲル状物である。該高分子ゲル状物とは、高分子からなるゲル状物である。該高分子としては、例えば、スチレン系エラストマー、高吸水性高分子、AKTONドライポリマー、ポリウレタン、シリコン等がある。
該高級水性高分子として、例えば、アミロース、セルロースおよびこれらの変性物等の多糖類にアクリロニトリル、アクリルアミド、アクリル酸メチル、アクリル酸等の水溶性モノマーをグラフト重合したグラフト重合体のけん化物、酢酸ビニル−アクリル酸メチル共重合体のけん化物、アクリルアミドとメチレンビスアクリルアミドの共重合体の部分けん化物、ポリアクリル酸−ジアクリレート共重合体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールの架橋物等の公知の高分子が使用される。
本発明で使用されるスチレン系エラストマーとしては、例えば、スチレン−イソプレンゴム(SIR)、スチレン−エチレン共重合体、ポリ(α−メチルスチレン)−ポリブタジエン−ポリ(α−メチルスチレン)共重合体(α−MeS−B−α−MeS)、ポリ(α−メチルスチレン)−ポリイソプレン−ポリ(α−メチルスチレン)共重合体、ブタジエン−スチレン共重合体(BS)、スチレン−クロロプレン共重合体(SCR)、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)、スチレン−水素添加ポリオレフィン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ゴム中間ブロック−スチレン共重合体、エポキシ基含有スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、マレイン酸変性SEBS等がある。本発明では、特にスチレン系エラストマーとして、両末端にスチレンブロックを有するトリブロック型SEBS、および片末端のみにスチレンブロックを有するジブロック型SEBSを使用することが望ましい。
上記スチレン系エラストマーは単独でまたは2種以上組合わせて使用されるが、本発明では特にスチレン系エラストマーとして、トリブロック型SEBSとジブロック型SEBSと併用することが望ましい。
なおトリブロック型SEBSとジブロック型SEBSとを併用する際の質量比は、通常、20:80〜80:20の範囲であり、望ましくは30:70〜70:30の範囲である。
本発明において使用されるトリブロック型SEBSの望ましい数平均分子量は150,000〜200,000であり、ジブロック型SEBSの望ましい数平均分子量は100,000〜140,000である。
【0010】
また本発明のスチレン系エラストマーのゲル状物には、上記スチレン系エラストマー以外にその他の樹脂が添加されても良い。該樹脂としては、例えば、ロジン誘導体、石油樹脂若しくは石油樹脂水添物(水添石油樹脂)、クマロン樹脂等のタッキファイヤー、パラフィンワックス等がある。これらの樹脂の添加量は、上記スチレン系エラストマー100質量部に対して、通常、10質量部〜100質量部、望ましくは30質量部〜80質量部の割合で添加される。
【0011】
更に本発明のスチレン系エラストマーのゲル状物には、軟化剤が添加される。該軟化剤としては、例えば、アロマティック系、ナフテン系、パラフィン系(パラフィン系プロセス油を含む)等の鉱物油、ひまし油、綿実油、あまに油、菜種油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、木ろう、パインオイル、オリーブ油等の植物油、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェイト等の可塑剤等が使用される。上記軟化剤の添加量は、スチレン系エラストマー100質量部に対して、500質量部〜1500質量部である。
【0012】
また更に本発明のスチレン系エラストマーのゲル状物には、ゲル状物を製造する際の軟化剤の酸化を防止するための酸化防止剤を添加することが望ましい。該酸化防止剤としては、芳香族アミン誘導体、フェノール誘導体等が使用されるが、望ましい酸化防止剤としてはペンタエリスリトール型ホスファイトである。酸化防止剤の添加量は、スチレン系エラストマー100質量部に対して、1〜8質量部である。
【0013】
更にスチレン系エラストマーのゲル状物には、所望により、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、アルミナ、シリカ、珪藻土、ドロマイト、石膏、タルク、クレー、アスベスト、マイカ、ガラス繊維、ケイ酸カルシウム、ベントナイト、ホワイトカーボン、カーボンブラック、鉄粉、アルミニウム粉、石粉、高炉スラグ、フライアッシュ、セメント、ジルコニア粉等の無機充填材、木材、麻、羊毛等の天然繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ビスコース繊維、アセテート繊維、塩化ビニル繊維、塩化ビニリデン繊維等の有機合成繊維、アスベスト繊維、セラミック繊維、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維、ウィスカー等の無機繊維、リンター、リネン、サイザル、木粉等の有機充填材等の第三成分が添加されてもよい。
【0014】
上記スチレン系エラストマー、その他の樹脂、軟化剤、酸化防止剤からなる組成物を、所定時間加熱、攪拌して膨潤せしめてスチレン系エラストマーのゲル状物が得られる。該ゲル状物を所定形状を有する成形型に入れ、冷却することによって本発明の上層部(2) が製造される。
【0015】
なお上層部(2) は、通常、ウレタンフィルム等の柔軟プラスチックフィルムによって被覆される。上記成形型内に該フィルムを敷き詰め、その後成形型内にスチレン系エラストマーのゲル状物を注入することによって、該フィルムで被覆された上層部(2) が得られる。
【0016】
本発明のクッション芯材(1) の上層部(2) は、着座の際に臀部等に加わる衝撃を緩衝する働き(緩衝性)を有する。
クッション芯材(1) の上層部(2) の上面は山谷構造を有している。例えば図2および図4に示されるように、表面に半球形状の複数の凸部(3) および曲面形状の凹部(4) (山谷構造)を有するものがある。
なお上層部(2) の有する緩衝性および体圧分散性を有効に発揮させるためには、山(凸部(3) )の高さH1 および谷(凹部(4) )の深さH2 を通常3mm〜10mmの範囲とすることが望ましい。凸部(3) の高さH1 が3mmよりも低くなると、クッション芯材の体圧分散性が有効に発揮されず、また該凸部(3) の高さH1 が10mmよりも高くなると、山谷構造の山部のフィルムが薄くなり破れやすくなる。
また凸部(3) および凹部(4) の幅(L1 およびL2 )は、20mm〜35mmの範囲であることが望ましい。該凸部(3) および凹部(4) の幅(L1 およびL2 )が20mmよりも小さいと、上層部(2) の発揮する緩衝性および体圧分散性が、凹凸の無い場合と変わらない。また該凸部(3) および凹部(4) の幅(L1 およびL2 )が35mmよりも大きいと、所定のフィルムを上層部(2) の山谷構造に密着して被覆することが出来なくなる。なお該フィルムの伸縮性は上層部(2) のゲル状物の伸縮性よりも少ないため、上層部(2) の上面を山谷構造とすることによって該フィルムの伸縮性が補われる。
本発明の上層部(2) の山谷構造は、着座時に臀部が山に接触し、山が押しつぶされ山谷の高低差が小さくなるので、着座時の臀部に対する衝撃を和らげる働きをする。該上層部(2) はスチレン系エラストマー等のゲル状物からなるので、該上層部(2) は該ゲル状物の有する体圧分散性および山谷構造に由来する緩衝作用を有するので、本発明のクッション芯材(1) は快適な座り心地を提供することが出来る。
なお該上層部(2) の山谷構造の山(凸部(3) )の形状は、半球形状に限られるものではなく、例えば、図3および図5に示すような角柱形状の凸部(3A)等であっても良く、また谷(凹部(4) の形状は角柱形状の凸部(3A)を囲む連続した溝形状(4A)であっても良い。
【0017】
スチレン系エラストマーのゲル状物から得られる上層部(2) の硬度は、アスカーF硬度で10〜50である。
【0018】
また所望により本発明の上層部(2) に、上記スチレン系エラストマーのゲル状物に発泡剤として熱膨張型マイクロカプセルを添加することにより独立発泡構造を形成してもよい。
該熱膨張型マイクロカプセルとしては、例えば、イソブタン(沸点−12℃)、ノルマルブタン(沸点−5℃)、エチルメチルエーテル(沸点7℃)、イソペンタン(沸点27.85℃)等の沸点が−15℃〜30℃の範囲である液状の低沸点溶剤を熱可塑性樹脂のカプセル中に充填したものがある。
該熱可塑性樹脂としては、上記溶剤に難溶または不溶のものが望ましく、また軟化点は200℃以下のものが望ましい。該熱可塑性樹脂を上記溶剤に難溶または不溶にするには、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル系ビニル単量体を共重合させる。望ましい熱可塑性樹脂としては、例えばメチルメタクリレート−アクリロニトリル共重合体、メチルメタクリレート−アクリロニトリル−メタクリロニトリル共重合体等がある。
上記マイクロカプセルの粒径は通常約10μmとされ加熱により約30μm〜120μmに膨張する。
熱膨張型マイクロカプセルは未膨張状態、加熱膨張状態、あるいは未膨張状態のものと加熱膨張状態のものとを混合して上記スチレン系エラストマーのゲル状物に添加される。該熱膨張型マイクロカプセルは上記スチレン系エラストマーのゲル状物100質量部に対して、5〜40質量部添加される。
なお独立発泡構造を形成させるための発泡剤としては、上記熱膨張型マイクロカプセルに限られず、例えば、熱膨張によらないマイクロカプセル(例えば、エラストマーあるいは合成ゴム等の軟質樹脂からなるカプセル)を使用してもよい。
【0019】
本発明のクッション芯材(1) において、上記上層部(2) の下側には中間層部(5) が配置される。例えば、図6示されるように該中間層部(5) は、上層部(2) の下側前部に配置される前中間層部(6) と、該上層部(2) の下側後部に配置される後中間層部(7) と、該前中間層部(6) および後中間層部(7) の下側に配置される下中間層部(8) からなる。
【0020】
前中間層部(6) および後中間層部(7) に使用される素材としては、低反発性ポリウレタンフォーム等の低反発性素材を用いる。
該低反発性素材として、例えば低反発性ポリウレタンフォームは、ソフラン夢柔力フォーム(東洋ゴム株式会社製)、リバウンドレスピーチウレタン(日清紡株式会社製)、マザータッチ(クラボウ株式会社製)、クッション用ポリウレタンフォームEGRシリーズ(株式会社イノアックコーポレーション製)等が市販され、容易に購入することが可能である。
【0021】
本発明で使用される低反発性素材の硬度は、5kg/314mm2 〜20kg/314mm2 の範囲であることが望ましい。なお該硬度の測定は、JIS K−6400のA法により行ったものである(以下に示す硬度について同様)。
【0022】
本発明の中間層部(5) において、前中間層部(6) の硬度は、後中間層部(7) の硬度よりも高く設定されている。前中間層部(6) と後中間層部(7) との間の硬度差は、2kg/314mm2 〜8kg/314mm2 であることが望ましい。
前中間層部(6) の硬度を後中間層部(7) の硬度よりも高く設定することによって、臀部を後中間層部(7) に留めることができ、臀部の前ずれを抑制することが出来る。
特に、前中間層部(6) の硬度の範囲は、10kg/314mm2 〜20kg/314mm2 であることが望ましく、後中間層部(7) の硬度の範囲は、5kg/314mm2 〜10kg/314mm2 であることが望ましい。
【0023】
上記したように、前中間層部(6) の硬度は後中間層部(7) の硬度よりも高い。即ち、前中間層部(6) に使用される素材の硬度は、後中間層部(7) に使用される素材の硬度よりも高い。そこで本発明において、前中間層部(6) に使用される低反発性素材を、特に高硬度低反発性素材と称し、後中間層部(7) に使用される低反発性素材を低硬度低反発性素材と称する。例えば、低反発性素材として低反発性ポリウレタンフォームを使用した場合、前中間層部(6) に使用される素材は、高硬度低反発性ポリウレタンフォームであり、後中間層部(7) に使用される素材は、低硬度低反発性ポリウレタンフォームである。
【0024】
前中間層部(6) は、体圧、特に大腿部による圧力を分散させる効果を有し、かつ大腿部をクッション芯材上に安定に保持する効果を有する。一方、後中間層部(7) は、体圧、特に臀部の圧力を分散させる効果を有し、かつ臀部を所定位置に留め、出臀部の前ずれを防止する効果を有する。
【0025】
前中間層部(6) と後中間層部(7) の大きさは、共に同じ大きさであっても良いし、異なる大きさであっても良いが、臀部の前ずれの抑制効果を有効に発揮させるためには、前中間層部(6) の大きさが中間層部(5) 全体の40〜60%に設定することが望ましい(図7参照)。
【0026】
前中間層部(6) の硬度に比べて後中間層部(7) の硬度が低いため臀部の乗っている後中間層部(7) が、大腿部の乗っている前中間層部(6) より大きく沈み、前中間層部(6) と後中間層部(7) の接触面付近で段差が出来る。
前中間層部(6) の一端と後中間層部(7) の一端との接触面Aは、図6に示されるように上層部(2) の面に対して垂直である。該接触面Aが垂直であると、臀部の前ずれの抑制効果を最も有効に発揮することが出来るが、所望により前中間層部(6) および後中間層部(7) の各一端に勾配を形成し、勾配を有する接触面としてもよい。
【0027】
なお上記前中間層部(6) および後中間層部(7) は、公知の製造方法によって得られる低反発性ウレタンフォーム等の低反発性素材から、公知の製造方法により所定形状に成形加工され、得られる。
【0028】
上記前中間層部(6) および後中間層部(7) の下側に更に配置される下中間層部(8) (図8参照)の素材としては、例えば、ポリスチレンフォーム、エチレン酢酸ビニル共重合体フォーム、ポリオレフィンフォーム、ポリ塩化ビニルフォーム、ポリウレタンフォーム等の発泡素材が使用される。
【0029】
下中間層部(8) は、前中間層部(6) および後中間層部(7) の下に配置されることによって、臀部がクッション芯材(1) の中間層部(5) 、特に後中間層部(7) 、を貫通して椅子の座面に接触すること(臀部の底付き)を防止する働きを有する。また下中間層部(8) は、着座によるたわみ変形を抑え、体圧分散性を損なわないようにする働きも有する。
【0030】
下中間層部(8) の硬度は、前中間層部(6) および後中間層部(7) の硬度よりも高く設定される。下中間層部(8) の硬度は20kg/314mm2 以上であることが望ましい。該下中間層部(8) の硬度を20kg/314mm2 よりも低く設定すると、臀部の底付き防止効果を有効に発揮出来ない。
【0031】
なお上記下中間層部(8) の密度は15kg/m3 〜40kg/m3 の範囲である。
【0032】
なお上記下中間層部(8) は、公知の製造方法によって得られるウレタンフォーム等の発泡素材から、公知の製造方法により所定形状に成形加工され、得られる。
【0033】
上記した上層部(2) および中間層部(5) (前中間層部(6) 、後中間層部(7) および下中間層部(8) )からなるクッション芯材(1) は、ウレタン等の柔軟プラスチックフィルムで被覆され、一体とされてもよい。なお上層部(2) と中間層部(5) との接触面、各中間層部(6,7,8) 同士の接触面は、接着剤等の固定手段により固定されていなくてもよいが、所望により、各接触面を該固定手段によって固定しても良い。
なお中間層部(5) (前中間層部(6) 、後中間層部(7) および下中間層部(8) )のみを、上記柔軟プラスチックフィルムで被覆して、一体としてもよい。
【0034】
また上記クッション芯材(1) の下側前部、即ち下中間層部(8) の下側前部に更に下層部(9) を配置して、本発明のクッション芯材(1A)としても良い。
該下層部(9) に使用される素材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンエチレン−ポリプロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の発泡体(半硬質プラスチックフォーム)がある。
【0035】
本発明で使用される半硬質プラスチックフォームの圧縮硬さ(25%)は、通常、40kPa 〜120kPa の範囲であり、密度は、通常、35kg/m3 〜90kg/m3 の範囲であり、また発泡倍率は、通常、10〜30の範囲である。なお圧縮硬さおよび密度の測定は、JISK−6767による。
【0036】
下層部(9) の形状は、図11に示されるような板状体であっても良く、また図12に示されるように上面が曲面形状である下層部(9A)であってもく、また更に、図13に示されるように、姿勢を保持するための姿勢保持部(12)を有する下層部(9B)であっても良い。該下層部(9B)は臀部を後中間層部(7) の所定位置に留めることが出来るので、姿勢を安定に保持することが出来る。
下層部(9) の大きさは、下中間層部(8) よりも小さく設定され、該下中間層部(8) の大きさに対して、通常、50%〜75%の大きさとされる。
【0037】
下層部(9) は、下中間層部(8) の下側前面に設置されることによって、クッション芯材に適度な勾配を与え、中間層部(5) の発揮する臀部の前ずれ抑制効果を、更に効果的なものとする。また更に、車椅子特有である生地を張った座部分のたるみを補正し、クッション材の体圧分散性を有効に発揮することが出来る。
【0038】
なお下層部(9) は、公知の製造方法によって得られるポリエチレンフォーム等の半硬質プラスチックフォームから、公知の製造方法により所定形状に成形加工され、得られる。
【0039】
下層部(9) は、接着剤、面ファスナー等の適当な固定手段によって固定されてもよい。
該下層部(9) は、上層部(2) および中間層部(5) と上記ウレタン等の柔軟プラスチックフィルムで被覆して、一体とされる。
また上層部(2) および中間層部(5) をウレタン等の柔軟プラスチックフィルムで被服したものを布製の袋に入れ、かつ下層部(9) の下面に面ファスナーを設け、布製の袋の内側下面前方に面ファスナーを取付け、該面ファスナーにより下層部(9) を固定して、上層部(2) 、中間層部(5) および下層部(9) を一体化しても良い。
【0040】
本発明のクッション芯材(1) の硬度は、上層部(2) から中間層部(5) 、さらに下層部(9) にかけて漸次高くなっているので、クッション芯材(1) は身体の姿勢を安定に保つことができる。
【0041】
本発明のクッション芯材(1) は、例えば、ポリエステル、ポリウレタン等からなる伸縮性を有する素材からなるカバー(10)で被覆してクッション材(11)として使用される(図9参照)。
【0042】
以下、本発明を実施例によって、説明する。但し、本発明の範囲は、以下に示される実施例に限られるものではない。
【0043】
〔実施例1〕
図10に示されるような、上層部(2) と、前中間層部(6) 、後中間層部(7) 、下中間層部(8) および下層部(9) とからなるクッション芯材(1A)を製造した。
該上層部(2) は以下に示す方法によって製造した。パラフィン系プロセス油700質量部中に酸化防止剤であるペンタエリスリトール型ホスファイト3質量部添加し、更にトリブロック型SEBS30質量部(数平均分子量180,000)、ジブロック型SEBS70質量部(数平均分子量120,000)および水添石油樹脂50質量部を該パラフィン系プロセス油中に投入して組成物とし、該組成物を180℃で15分間加熱し、攪拌して膨潤せしめた。組成物を膨潤せしめて得られたゲル状物を、所定形状を有する金型内に入れ、冷却することによって、図2に示される板状の上層部(2) を得た。該上層部(2) の大きさは、縦400mm、横400mm、高さ15mmである。該上層部(2) の上面には半球形状の複数の凸部(3) が形成されており、該凸部(2) の大きさは、直径25mm、高さ5mmである。前中間層部(6) は、硬度15kg/314mm2 、密度70kg/m3 である高硬度低反発性ポリウレタンフォームから製造した。該前中間層部(6) の大きさは、縦235mm、横400mm、高さ30mmである。後中間層部(7) は、硬度8kg/314mm2 、密度55kg/m3 低硬度低反発性ポリウレタンフォームから製造した。該後中間層部(7) の大きさは、縦165mm、横400mm、高さ30mmである。下中間層部(8) は、硬度25kg/314mm2 、密度30kg/m3 であるポリウレタンフォームから製造した。該下中間層部(8) の大きさは、縦400mm、横400mm、高さ10mmである。下層部(9) は、圧縮硬さ(25%)55kPa、密度45kg/m3 、発泡倍率20倍であるポリエチレンフォームから製造した。該下層部(9) の大きさは、縦240mm、横390mm、高さ(最高値)20mmである。
上記中間層部(5) を重ねて一体とし、更に該中間層部(5) と上層部(2) をポリウレタンフィルムで被覆して一体とした。一体とされた上層部(2) および中間層部(5) に、さらに面ファスナーによって下層部(9) を固定して本実施例のクッション芯材(1A)を得た。さらに該クッション芯材(1A)をウレタンラミネートしたポリエステル生地を縫製したカバー(10A) で被覆してクッション材(11 A)を得た(図14参照)。
【0044】
上記クッション芯材(1A)を使用して体圧分散性試験を行った。該体圧分散性試験は、上記クッション芯材(1A)を使用して、ニッタ(株)製タクタイルセンサBIG−MATシステムを使用し、着座姿勢での座部体圧分散を測定することによって行った。測定結果は図15に示した。
図15は体圧分散の状況を示すものであるが、図15が示す通り、圧力が局所的に集中している個所は無く、体圧が良好に分散していることが確認された。
【0045】
カバー(10A) で被覆されたクッション芯材(1A)からなるクッション材(11A) を車椅子(13)に設置した。該クッション材(11A) の底面には、オレフィン樹脂で滑り止め加工した生地が使用されているので、該クッション材(11A) は車椅子(13)の座部(14)に静止される。その様子を図17に示した。
【0046】
〔実施例2〕
図3に示されるような形状の上層部(2A)を製造し、該上層部(2A)以外は上記実施例と同一条件でクッション芯材(1B)を製造した(図16参照)。なお該上層部(2A)の素材は、上記実施例1の素材と同一である。また該上層部(2A)の大きさは、縦400mm、横400mm、高さ15mmである。該上層部(2A)の上面には複数の凸部(3A)が形成されており、該凸部(3A)の大きさは、縦20mm、横20mm、高さ10mmである。
【0047】
【発明の効果】
本発明のクッション芯材および該クッション芯材を使用するクッション材は、優れた体圧分散性を有し、かつ臀部の前ずれを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クッション芯材の斜視図
【図2】上層部の斜視図
【図3】他の上層部の斜視図
【図4】図2に示される上層部の部分断面図
【図5】図3に示される上層部の部分断面図
【図6】中間層部の斜視図
【図7】前中間層部および後中間層部の斜視図
【図8】下中間層部の斜視図
【図9】カバーで被覆されたクッション芯材の斜視図
【図10】下層部を有するクッション芯材の斜視図
【図11】下層部の斜視図
【図12】他の下層部の斜視図
【図13】更に他の下層部の斜視図
【図14】カバーで被覆されたクッション芯材の斜視図
【図15】体圧分散性試験の結果の説明図
【図16】他のクッション芯材の斜視図
【図17】クッション材を設置した車椅子の側面図
【符号の説明】
1,1A,1B クッション芯材
2,2A 上層部
3,3A 凸部(山)
4 凹部(谷)
5 中間層部
6 前中間層部
7 後中間層部
8 下中間層部
9,9A 下層部
10,10A カバー
11,11A クッション材

Claims (4)

  1. 高分子ゲル状物からなる上層部と、該上層部の下側前部に配置される高硬度低反発性ポリウレタンフォームからなる前中間層部と、該上層部の下側後部に配置される低硬度低反発性ポリウレタンフォームからなる後中間層部と、更に該前中間層部と後中間層部の下側に配置される通常ポリウレタンフォームからなる下中間層部とからなることを特徴とするクッション芯材
  2. 請求項1に記載のクッション芯材の下側前部には更に半硬質プラスチックフォームからなる下層部が配置されていることを特徴とするクッション芯材
  3. 請求項1または請求項2に記載のクッション芯材を柔軟プラスチックフィルムで被覆したことを特徴とするクッション芯材
  4. 請求項1〜請求項3に記載のクッション芯材をカバーで被覆したことを特徴とするクッション材
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