JP4103573B2 - Surface protective adhesive film and surface protective adhesive film substrate - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面保護用粘着フィルムおよび表面保護用粘着フィルム基材に関する。本発明の表面保護用粘着フィルムは、各種物質の表面保護用途に適用できる。特に、ステンレス板、アルミニウム板、鋼板等の金属板の表面保護用粘着フィルムとして有用であり、金属板の曲げ、ロールフォーミング、絞り加工時の表面の保護に好適である。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、ステンレス板、アルミニウム板、鋼板等の金属板を加工、運搬等する際には、金属板の表面に傷等がつかないように、表面保護フィルムを仮貼付して金属板の表面の保護を図っている。このような金属板の表面保護フィルムとしては、基材フィルムの片面に粘着剤層を設けた粘着フィルムが用いられている。かかる粘着フィルムの基材としては、例えばポリエチレンとポリプロピレンとを混合してなるフィルム（特許文献１参照。）や、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体のうち２種類以上を特定の混合率で混合してなるフィルム（特許文献２参照。）が用いられている。
【０００３】
しかしながら、金属板に深絞りや曲げ等の加工を行う場合には、上記表面保護用粘着フィルムは金属板の塑性変形に追従できず、その一部が剥がれたり、裂けたりすることがあった。特に、流し台のシンク部（流し槽）等といった一度の深絞りで作製できないような底の深いものの製造においては、最初の深絞り後、更に再絞りを行う必要がある。この場合、最初の深絞りで表面保護用粘着フィルムが剥がれたり、裂けたりすると、次の再絞りで金属板表面に打痕をつけてしまい、商品価値を損なうという問題がある。
【０００４】
上記表面保護用粘着フィルムはその粘着力を強めれば、当該粘着フィルムの剥がれや裂けを解消することはできる。しかし、粘着力が強くなると表面保護用粘着フィルムの剥離作業が困難になるという問題が生じてしまう。従って、粘着力を強めることなく表面保護フィルムの剥がれや裂けを解消する必要がある。
【０００５】
上記問題に対して、表面保護用粘着フィルムの基材フィルムとして、両最外層が結晶性ポリオレフィン層、両最外層に挟まれた中間層に非晶質ポリオレフィン層を積層した積層フィルムを用いたものが提案されている（特許文献３参照。）。かかる積層フィルムを用いた表面保護用粘着フィルムは、加工時に剥がれたり、裂けたりすることはない。しかし、中間層に用いる非晶質ポリオレフィンには樹脂ゲルが多く含まれているため、成膜フィルム（積層フィルム）にも樹脂ゲルが混入してしまう。積層フィルムにその樹脂ゲルが存在する状態で、金属板に貼合せプレスすると前記同様、金属板表面に打痕をつけてしまう。
【０００６】
【特許文献１】
特公昭５９−２７７８２号公報
【０００７】
【特許文献２】
特公昭５０−１４６６７号公報
【０００８】
【特許文献３】
特開平１０−１１０１４５号公報
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、金属板の表面保護用粘着フィルムとして用いた場合にも、加工性が良好であり、加工時における裂け、剥がれ、打痕の発生を抑えることができ、かつ剥離作業性の良好な表面保護用粘着フィルムを提供することを目的とする。さらには本発明は当該表面保護用粘着フィルムに用いられる表面保護用粘着フィルム基材を提供することを目的とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下の表面保護用粘着フィルムおよび表面保護用粘着フィルム基材により上記目的を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
【００１１】
すなわち本発明は、基材フィルムの片面に粘着剤層を有する表面保護用粘着フィルムであって、
前記基材フィルムは、少なくとも３層のポリオレフィン層が積層されている積層フィルムであり、
積層フィルムの両最外層は結晶性ポリオレフィン層（ａ１）であり、かつ両最外層に挟まれた中間層はハードセグメントとソフトセグメントを含有するポリオレフィン層（ａ２）を少なくとも１層有し、
ポリオレフィン層（ａ２）は、ハードセグメントとしてポリプロピレンを含有し、ソフトセグメントとしてプロピレンとエチレンとのコポリマー（１）、プロピレンと式：ＣＨ₂ ＝ＣＨＲ（ただし、Ｒは炭素数２〜８の脂肪族基または芳香族基を示す）で表されるα−オレフィンとのコポリマー（２）およびプロピレンとジエン化合物とのコポリマー（３）から選ばれる少なくとも１種を含有することを特徴とする表面保護用粘着フィルム、に関する。
【００１２】
上記本発明では、表面保護用粘着フィルムの基材フィルムとして、両最外層に結晶性ポリオレフィン層（ａ１）を有し、その内側に中間層として上記ポリオレフィン層（ａ２）を積層した積層フィルムを用いている。ポリオレフィン層（ａ２）は、ソフトセグメントとしてゴム弾性を有するエラストマー成分を有しており、変形したときの残留応力を小さく抑えることができる。また、前記ポリオレフィン層（ａ２）は、樹脂ゲルが少なく、打痕の発生が抑制されるため、不良品の発生が抑制される。そのため、粘着剤層の粘着力を大きくしなくても、金属板の加工時において粘着フィルムの剥がれ、裂け等を抑えることができ加工性がよい。さらには粘着力を大きくしなくてもよいため、剥離作業性も良好である。
【００１３】
上記表面保護用粘着フィルムにおいて、ポリオレフィン層（ａ２）は、ハードセグメント１００重量部に対し、ソフトセグメント３０〜３００重量部を含有していることが好ましい。ソフトセグメントの含有量は、ハードセグメント１００重量部に対し４０〜２００重量部がさらに好ましい。ソフトセグメントが３０重量部以上の場合に、特に加工性や裂け性が良好である。一方、ソフトセグメントが３００重量部以下の場合に、ソフトセグメントによるゴム弾性の影響が過大とならず、加工性や剥離時の作業性が良好となる。
【００１４】
前記表面保護用粘着フィルムは、変形量が１０％である場合の残留応力が、６Ｎ／ｍｍ² 以下となるものであることが好ましい。前記残留応力は好ましくは ４．５Ｎ／ｍｍ² 以下である。なお、前記残留応力の測定は詳しくは実施例に記載の方法による。
【００１５】
また本発明は、少なくとも３層のポリオレフィン層が積層されている積層フィルムであって、
積層フィルムの両最外層は結晶性ポリオレフィン層（ａ１）であり、かつ両最外層に挟まれた中間層はハードセグメントとソフトセグメントを含有するポリオレフィン層（ａ２）を少なくとも１層有し、
ポリオレフィン層（ａ２）は、ハードセグメントとしてポリプロピレンを含有し、ソフトセグメントとしてプロピレンとエチレンとのコポリマー（１）、プロピレンと式：ＣＨ₂ ＝ＣＨＲ（ただし、Ｒは炭素数２〜８の脂肪族基または芳香族基を示す）で表されるα−オレフィンとのコポリマー（２）およびプロピレンとジエン化合物とのコポリマー（３）から選ばれる少なくとも１種を含有することを特徴とする前記表面保護用粘着フィルムに用いられる表面保護用粘着フィルム基材、に関する。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下本発明の表面保護用粘着フィルムを図面を参照しながら説明する。本発明の表面保護用粘着フィルムは図１に示すように、基材フィルム（Ａ）の片面に粘着剤層（Ｂ）を有する。基材フィルム（Ａ）は、少なくとも３層のポリオレフィン層が積層されている積層フィルムである。積層フィルムの両最外層は結晶性ポリオレフィン層（ａ１）であり、かつ両最外層に挟まれた中間層にはハードセグメントとソフトセグメントを含有するポリオレフィン層（ａ２）を少なくとも１層有する。図１は、中間層としてポリオレフィン層（ａ２）が１層設けられている場合の例である。中間層は前記ポリオレフィン層（ａ２）を少なくとも１層有していればよい。したがって、たとえば、中間層は、ポリオレフィン層（ａ２）の複数層でもよく、ポリオレフィン層（ａ２）と結晶性ポリオレフィン層（ａ１）等との複数層でもあってもよい。なお、表面保護用粘着フィルムはシート状、テープ状等で用いることができる。
【００１７】
基材フィルム（Ａ）において、最外層の結晶性ポリオレフィン樹脂層（ａ１）を形成する樹脂は、少なくとも結晶性を示す箇所を有するポリオレフィンであり、たとえば、結晶性のポリプロピレン、ポリエチレン等が例示される。結晶性ポリオレフィンとしてシンジオタチック構造、アイソタチック構造等を有するものがあげられる。ポリエチレンは、通常、結晶性を示すため、ポリエチレンの種類は特に制限されないが、低圧法ポリエチレン等が好ましい。これら結晶性ポリオレフィンは１種または２種以上を用いることができる。結晶性ポリオレフィンとしては、中間層のポリオレフィン層（ａ２）との密着性が良好なことから、結晶性ポリプロピレンを含有するものが好適である。なお、結晶性ポリプロピレンと他の結晶性ポリオレフィンを併用する場合には、ポリオレフィン層（ａ２）中において、結晶性ポリプロピレンの含有量は３０重量％以上、好ましくは５０重量％以上であることが望ましい。ポリプロピレンの含有量が３０重量％以上であれば、最外層と中間層の密着性が良好となって各層間における層間剥離が生じ難い。
【００１８】
中間層に用いられるポリオレフィン層（ａ２）は、ハードセグメントとソフトセグメントを含有する。ハードセグメントとしては、ポリプロピレンが用いられる。当該ポリプロピレンは結晶性、非晶性のいずれであってもよい。なお、ハードセグメントとしての機能を十分に満足させる点からは、ハードセグメントに用いるポリプロピレンは結晶性であるのが好ましい。
【００１９】
一方、ソフトセグメントとしては、プロピレンとエチレンとのコポリマー（１）、プロピレンと式：ＣＨ₂ ＝ＣＨＲ（ただし、Ｒは炭素数２〜８の脂肪族基または芳香族基を示す）で表されるα−オレフィンとのコポリマー（２）およびプロピレンとジエン化合物とのコポリマー（３）より選ばれる少なくとも１種を含有する。
【００２０】
前記コポリマー（２）におけるα−オレフィンとしては、ブテン−１、ペンテン−１，４−メチルペンテン−１、ヘキセン−１、オクテン−１、スチレン等が好適なものとして例示される。また、前記コポリマー（３）におけるジエン化合物としては、ブタジエン、１，４−へキサジエン、１，５−へキサジエン、エチリデン、ノルボルネンジエン等が好適なものとして例示される。
【００２１】
前記コポリマー（１）、（２）、（３）はいずれもプロピレンを含有するエラストマ成分である。かかるコポリマー中のプロピレンの割合は特に制限されないが、通常、コポリマーの構成モノマーの１０〜９０重量％程度、さらには２０〜６０重量％であるのが好ましい。
【００２２】
前記ハードセグメントとソフトセグメントとは、ポリオレフィン層（ａ２）中において、相溶性が良好な状態で存在していることが好ましい。良好な相溶性により、基材フィルムの裂け性や応力緩和性が良好となり、加工性や剥離性の点で好ましい。相溶性が良好な状態としては、ハードセグメントとソフトセグメントとがブロック共重合で結合して同一分子中に存在している状態や、ＩＰＮ（相互侵入網目；ｉｎｔｅｒｐｅｎｅｔｒａｒｉｎｇ ｐｏｌｙｍｅｒ ｎｅｔｗｏｒｋ）のような構造で存在している状態等が例示される。
【００２３】
さらには、ハードセグメントを構成するポリプロピレン、ソフトセグメントを構成するコポリマーを多段の重合リアクターを用いて重合することで得られるポリマーをポリオレフィン層（ａ２）の成分として使用することができる。
【００２４】
このような重合方法は、「キャタロイプロセス」と称されており、このプロセスで得られたポリマーは、ハードセグメントとソフトセグメントとがアロイ化された状態で最終製品が得られる。具体的には、サンアロマ−株式会社から販売されている、商品名「ＫＳ−３５３Ｐ」、「ＫＳ−０２１Ｐ」、「ＫＳ−０８１Ｐ」、「ＫＳ−２２１Ｐ」、「Ｃ２００Ｆ」等の樹脂をポリオレフィン層（ａ２）の成分として使用することができる。
【００２５】
なお、ポリオレフィン層（ａ２）中における、ハードセグメントとソフトセグメントの割合は、前述の通り、ハードセグメント１００重量部に対し、ソフトセグメント３０〜３００重量部であるのが好ましい。
【００２６】
なお、上記中間層に用いられるポリオレフィン層（ａ２）中のハードセグメントおよびソフトセグメントならびに最外層の結晶性ポリオレフィン樹脂層（ａ１）を構成する材料として用いることのできるポリプロピレンは、ホモポリマー、ブロックコポリマーまたはランダムコポリマーが例示される。
【００２７】
上記最外層の結晶性ポリオレフィン樹脂層（ａ１）、中間層に用いられるポリオレフィン層（ａ２）等の基材フィルム（Ａ）の形成材料には、必要に応じて、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム等の無機質充填剤、アミン系、キノリン系、ヒドロキノン系、フェノール系、亜リン酸エステル系等の老化防止剤や酸化防止剤、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系等の紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤等の１種または２種以上を本発明の目的を損なわない範囲で配合してもよい。
【００２８】
基材フィルム（Ａ）は、両最外層に結晶性ポリオレフィン層（ａ１）を有し、その両最外層に挟まれた構造の中間層を有する。両最外層を形成する結晶性ポリオレフィン層（ａ１）の材料は、両者が同一でも異なっていてもよいが、同一の材料で構成されていることが望ましい。また、両最外層の結晶性ポリオレフィン層（ａ１）の厚さは同一でも異なっていてもよいが、同一の厚さで構成されていることが望ましい。表面保護用粘着フィルムにおいて、表面側となる最外層と粘着剤層（Ｂ）側となる最外層の厚さが異なると、当該粘着フィルムにカールが発生しやすく、金属板との貼合せ作業性を低下させる場合がある。
【００２９】
基材フィルム（Ａ）の厚さは、加工性の点から通常３０〜２００μｍ程度とすることが好ましい。すなわち、表面保護用粘着フィルムが加工時に適度な強度を維持するには厚さ３０μｍ以上程度であることが適当であり、また残留応力を適度なものとするには厚さ２００μｍ以下程度であることが適当である。
【００３０】
中間層の厚さは基材フィルムの厚さの５０〜９８％、好ましくは６０〜９０％である。中間層の厚さを前記範囲に制御することで、基材フィルム（Ａ）の加工性を良好な程度に維持することができる。なお、中間層が複数層により形成される場合にも、中間層の厚さは前記範囲で調整されるが、中間層が複数層よりなる場合であっても、ポリオレフィン層（ａ２）は、基材フィルムの厚さの少なくとも５０％以上を有することが好ましい。
【００３１】
上記ポリオレフィン層（ａ２）を有する中間層および結晶性ポリオレフィン樹脂層（ａ１）である最外層を有する基材フィルム（Ａ）の製造方法は、特に制限されず各種の方法を採用できる。たとえば、各層を構成する樹脂材料を溶融共押出しして積層物に成形する方法、各層を押出し等により別個にフィルム状に成形し、これらを粘着剤等により接着する方法等が例示される。これらの方法のなかでも、各層間の密着性が良好であり、また工程を簡略にする上から、溶融共押出しによる方法が好適である。
【００３２】
上記基材フィルム（Ａ）には粘着剤層（Ｂ）を有する。粘着剤層（Ｂ）を構成する粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等の当該表面保護用粘着フィルムの分野で用いられる各種粘着剤が使用できる。上記粘着剤層の厚さは、通常、１〜１００μｍ程度が好ましく、さらには１〜２０μｍ程度が好ましい。また、該粘着剤層の粘着力は、０．２〜３. ０Ｎ／２０ｍｍ程度が適当である。なお、粘着剤層の粘着力は、温度２３℃、引張速度３００ｍｍ／ｍｉｎ、１８０°剥離の条件で測定して得られたものである。
【００３３】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明をより具体的に説明する。なお、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【００３４】
実施例１
中間層を構成する樹脂として、ポリプロピレンよりなるハードセグメント１００重量部と、エチレン−プロピレンゴムよりなるソフトセグメント８０重量部とを有する樹脂（商品名：ＫＳ−０２１Ｐ；サンアロマー社製）を用いた。最外層を構成する樹脂として、ホモポリプロピレン（結晶性，商品名 Ｆ−７０４ＮＰ，出光石油化学社製）を用いた。これらの樹脂材料を溶融共押出しにより成膜して、最外層／中間層／最外層が、それぞれ７μｍ／２６μｍ／７μｍの厚さを有する３層の積層フィルムを得た。この積層フィルムの表面（最外層）には、コロナ処理を施した。次いで、この積層フィルムを基材フィルムとし、その最外層に、乾燥厚さ５μｍのアクリル系粘着剤層を設けて、表面保護用粘着フィルムを得た。
【００３５】
実施例２
実施例１において、中間層を構成する樹脂として、ポリプロピレンよりなるハードセグメント１００重量部と、エチレン−プロピレンゴムよりなるソフトセグメント６０重量部とを有する樹脂（商品名：ＴＰＯ Ｅ−９４０；出光石油化学社製）を用いたこと以外は実施例１と同様にして基材フィルムを作製した。また実施例１と同様にして表面保護用粘着フィルムを作製した。
【００３６】
実施例３
実施例１において、中間層を構成する樹脂として、ポリプロピレンよりなるハードセグメント１００重量部と、エチレン−プロピレンゴムよりなるソフトセグメント１３０重量部とを有する樹脂（商品名：ＣＡ−２２Ａ；サンアロマー社製）を用いたこと以外は実施例１と同様にして基材フィルムを作製した。また実施例１と同様にして表面保護用粘着フィルムを作製した。
【００３７】
比較例１
実施例１において、基材フィルムとして低密度ポリエチレンを溶融して押し出し成形して得られたものを用いたこと、粘着剤層の乾燥厚さを７μｍとしたこと以外は実施例１と同様にして表面保護用粘着フィルムを作製した。
【００３８】
比較例２
実施例１において、基材フィルムとして、粒状のポリプロピレン８０重量部と粒状のポリエチレン２０重量部とを混合したものを溶融して押し出し成形して得られたものを用いたこと、粘着剤層の乾燥厚さを７μｍとしたこと以外は実施例１と同様にして表面保護用粘着フィルムを作製した。
【００３９】
比較例３
非晶質のポリオレフィン層（中間層）の両面に結晶性ポリオレフィンの層（最外層）を積層してなる３層構造の積層フィルムを溶融共押出し法により作製した。非晶質のポリオレフィンとしては結晶性ポリプロピレンの製造時に副生したアタクチックポリプロピレンを用い、結晶性ポリオレフィンとしてはポリプロピレン（商品名：Ｆ−７０４ＮＰ；出光石油化学社製）を用いた。積層フィルムの各層の厚さは、最外層／中間層／最外層がそれぞれ５μｍ／３０μｍ／５μｍとなるようにした。この積層フィルムの表面（最外層）には、コロナ処理を施した。次いで、この積層フィルムを基材フィルムとし、その最外層に、乾燥厚さ５μｍのアクリル系粘着剤層を設けて、表面保護用粘着フィルムを得た。
【００４０】
比較例４
実施例１と同様の中間層樹脂材料、最外層樹脂材料を用い、これらの樹脂材料を溶融共押出しにより成膜して、最外層／中間層が、それぞれ７μｍ／２６μｍ厚さを有する２層の積層フィルムを得た。この積層フィルムの表面（最外層）に実施例１と同様にして粘着剤層を設けて、表面保護用粘着フィルムを得た。
【００４１】
実施例および比較例で得られた表面保護用粘着フィルムについて下記評価を行った。結果を表１に示す。
【００４２】
（残留応力の測定）
残留応力を測定するために、表面保護用粘着フィルムから試験片（幅２０ｍｍ，長さ１００ｍｍ）を作成した。これをチャック間５０ｍｍで設置し、該試験片の変形量が１０％となるまで速度３００ｍｍ／ｍｉｎで延伸し、その後、５分間放置して試験片に発生している応力を測定することにより行った。測定雰囲気温度は２３℃とした。
【００４３】
（加工性の評価）
表面保護用粘着フィルムから試験片（１００ｍｍφ）を作成した。これをステンレス板（ＳＵＳ３０４ＢＡ，０．４ｍｍ厚）に貼付して、プレス機（ＡＩＤＡ社製６０ｔプレス機）を用いて、４０ｍｍ角筒絞り、絞り深２０ｍｍの絞り加工を行った。その際、フィルムの破れ、浮き（剥がれ）の発生、打痕の発生の有無を調べた。これらの発生しなかったものを「○」、発生したものを「×」とした。
【００４４】
（剥離作業性の評価）
上記の加工終了後に表面保護用粘着フィルムをステンレス板から剥離して、剥離作業性についての評価を行った。なお、剥離作業性の評価は剥離時に粘着フィルムが裂けたりしないか（裂け性）、またフィルムが必要以上に伸びてしまし、作業が困難とならないか（作業性）の２項目について行った。これが原因で剥離作業性が低下しなければ「○」、剥離作業性が低下すれば「×」とした。
【００４５】
（貼合せ作業性）
表面保護用粘着フィルムを、ステンレス板（ＳＵＳ３０４ＢＡ，０．４ｍｍ厚）にハンドローラで貼合わせる際に、当該フィルムにカールが発生するか否かについて評価した。カールが発生しなければ「○」、カールが発生しすれば「×」とした。
【００４６】
【表１】

表１からも分かるように、実施例１〜３で作製した表面保護用粘着フィルムは、残留応力が小さく、また加工性、剥離作業性、貼合せ作業性についても良好であることが認められる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の、表面保護用粘着フィルムの断面図の一例である。
【符号の説明】
Ａ：基材フィルム
Ｂ：粘着剤層
ａ１：最外層の結晶性ポリオレフィン層
ａ２：中間層のポリオレフィン層[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a surface protecting adhesive film and a surface protecting adhesive film substrate. The pressure-sensitive adhesive film for surface protection of the present invention can be applied for surface protection of various substances. In particular, it is useful as an adhesive film for protecting the surface of a metal plate such as a stainless steel plate, an aluminum plate, or a steel plate, and is suitable for protecting the surface during bending, roll forming, or drawing of the metal plate.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, when processing or transporting a metal plate such as a stainless steel plate, an aluminum plate, or a steel plate, a surface protective film is temporarily attached to prevent the surface of the metal plate from being scratched. We are trying to protect it. As a surface protective film for such a metal plate, an adhesive film having an adhesive layer provided on one side of a base film is used. As a base material of such an adhesive film, for example, two or more of a film formed by mixing polyethylene and polypropylene (see Patent Document 1), polyethylene, polypropylene, and ethylene-propylene copolymer at a specific mixing ratio. A mixed film (see Patent Document 2) is used.
[0003]
However, when the metal plate is processed such as deep drawing or bending, the surface-protective adhesive film cannot follow the plastic deformation of the metal plate, and a part thereof may be peeled off or torn. In particular, in the manufacture of a deep bottom that cannot be produced by a single deep drawing, such as a sink part (a sink tank) of a sink, it is necessary to perform further redrawing after the first deep drawing. In this case, if the surface protective adhesive film is peeled off or torn at the first deep drawing, there is a problem that the next redrawing makes a dent on the surface of the metal plate and impairs the commercial value.
[0004]
If the pressure-sensitive adhesive film for surface protection is strengthened, the peeling and tearing of the pressure-sensitive adhesive film can be eliminated. However, when the adhesive strength is increased, there arises a problem that it is difficult to remove the adhesive film for surface protection. Therefore, it is necessary to eliminate the peeling and tearing of the surface protective film without increasing the adhesive strength.
[0005]
For the above problem, as the base film of the adhesive film for surface protection, a laminated film in which both outermost layers are crystalline polyolefin layers and an amorphous polyolefin layer is laminated on an intermediate layer sandwiched between both outermost layers Has been proposed (see Patent Document 3). The adhesive film for surface protection using such a laminated film does not peel off or tear during processing. However, since the amorphous polyolefin used for the intermediate layer contains a large amount of resin gel, the resin gel is also mixed into the deposited film (laminated film). In the state where the resin gel is present in the laminated film, when the metal plate is laminated and pressed, a dent is made on the surface of the metal plate as described above.
[0006]
[Patent Document 1]
Japanese Examined Patent Publication No. 59-27782 [0007]
[Patent Document 2]
Japanese Patent Publication No. 50-14667 [0008]
[Patent Document 3]
Japanese Patent Laid-Open No. 10-110145
[Problems to be solved by the invention]
The present invention, when used as an adhesive film for protecting the surface of a metal plate, has good workability, can suppress the occurrence of tearing, peeling, and dents during processing, and has good peeling workability. It aims at providing the adhesive film for surface protection. Furthermore, this invention aims at providing the adhesive film base material for surface protection used for the said adhesive film for surface protection.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above problems, the present inventor has found that the above object can be achieved by the following surface protective adhesive film and surface protective adhesive film substrate, and has completed the present invention.
[0011]
That is, the present invention is a pressure-sensitive adhesive film for surface protection having a pressure-sensitive adhesive layer on one side of a base film,
The base film is a laminated film in which at least three polyolefin layers are laminated,
Both outermost layers of the laminated film are crystalline polyolefin layers (a1), and an intermediate layer sandwiched between both outermost layers has at least one polyolefin layer (a2) containing a hard segment and a soft segment,
The polyolefin layer (a2) contains polypropylene as a hard segment, a copolymer (1) of propylene and ethylene as a soft segment, propylene and the formula: CH ₂ = CHR (where R is an aliphatic group having 2 to 8 carbon atoms) Or at least one selected from a copolymer (2) with an α-olefin and a copolymer (3) of propylene and a diene compound represented by the formula (1) showing an aromatic group) , Regarding.
[0012]
In the present invention, as the base film of the adhesive film for surface protection, a laminated film having a crystalline polyolefin layer (a1) in both outermost layers and the polyolefin layer (a2) laminated as an intermediate layer inside is used. ing. The polyolefin layer (a2) has an elastomer component having rubber elasticity as a soft segment, and can reduce the residual stress when deformed. Moreover, since the polyolefin layer (a2) has few resin gels and the occurrence of dents is suppressed, the generation of defective products is suppressed. Therefore, without increasing the adhesive strength of the pressure-sensitive adhesive layer, peeling and tearing of the pressure-sensitive adhesive film can be suppressed during processing of the metal plate, and the workability is good. Furthermore, since it is not necessary to increase the adhesive strength, the peeling workability is also good.
[0013]
In the adhesive film for surface protection, the polyolefin layer (a2) preferably contains 30 to 300 parts by weight of the soft segment with respect to 100 parts by weight of the hard segment. The content of the soft segment is more preferably 40 to 200 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the hard segment. When the soft segment is 30 parts by weight or more, workability and tearability are particularly good. On the other hand, when the soft segment is 300 parts by weight or less, the influence of rubber elasticity by the soft segment is not excessive, and the workability and workability at the time of peeling are improved.
[0014]
The surface protective adhesive film preferably has a residual stress of 6 N / mm ² or less when the deformation is 10%. The residual stress is preferably 4.5 N / mm ² or less. The measurement of the residual stress is based on the method described in the examples in detail.
[0015]
The present invention is a laminated film in which at least three polyolefin layers are laminated,
Both outermost layers of the laminated film are crystalline polyolefin layers (a1), and an intermediate layer sandwiched between both outermost layers has at least one polyolefin layer (a2) containing a hard segment and a soft segment,
The polyolefin layer (a2) contains polypropylene as a hard segment, a copolymer (1) of propylene and ethylene as a soft segment, propylene and the formula: CH ₂ = CHR (where R is an aliphatic group having 2 to 8 carbon atoms) Or at least one selected from a copolymer (2) with an α-olefin and a copolymer (3) of propylene and a diene compound represented by The present invention relates to an adhesive film substrate for surface protection used for a film.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the adhesive film for surface protection of the present invention will be described with reference to the drawings. As shown in FIG. 1, the pressure-sensitive adhesive film for surface protection of the present invention has a pressure-sensitive adhesive layer (B) on one side of the base film (A). The base film (A) is a laminated film in which at least three polyolefin layers are laminated. Both outermost layers of the laminated film are crystalline polyolefin layers (a1), and an intermediate layer sandwiched between both outermost layers has at least one polyolefin layer (a2) containing hard segments and soft segments. FIG. 1 shows an example in which one polyolefin layer (a2) is provided as an intermediate layer. The intermediate layer may have at least one polyolefin layer (a2). Therefore, for example, the intermediate layer may be a plurality of layers of the polyolefin layer (a2), or may be a plurality of layers of the polyolefin layer (a2) and the crystalline polyolefin layer (a1). In addition, the adhesive film for surface protection can be used in a sheet form, a tape form, or the like.
[0017]
In the base film (A), the resin that forms the outermost crystalline polyolefin resin layer (a1) is a polyolefin having at least a portion exhibiting crystallinity, and examples thereof include crystalline polypropylene and polyethylene. . Examples of the crystalline polyolefin include those having a syndiotactic structure, an isotactic structure, and the like. Since polyethylene usually exhibits crystallinity, the type of polyethylene is not particularly limited, but low-pressure polyethylene is preferred. These crystalline polyolefins can be used alone or in combination of two or more. As the crystalline polyolefin, those containing crystalline polypropylene are preferable because of their good adhesion to the polyolefin layer (a2) of the intermediate layer. In the case where crystalline polypropylene and other crystalline polyolefin are used in combination, the content of crystalline polypropylene in the polyolefin layer (a2) is 30% by weight or more, preferably 50% by weight or more. When the content of polypropylene is 30% by weight or more, the adhesion between the outermost layer and the intermediate layer is good, and delamination between layers is unlikely to occur.
[0018]
The polyolefin layer (a2) used for the intermediate layer contains a hard segment and a soft segment. Polypropylene is used as the hard segment. The polypropylene may be crystalline or amorphous. In addition, it is preferable that the polypropylene used for a hard segment is crystalline from the point which fully satisfies the function as a hard segment.
[0019]
On the other hand, the soft segment is represented by a copolymer of propylene and ethylene (1), propylene and the formula: CH ₂ = CHR (wherein R represents an aliphatic group or an aromatic group having 2 to 8 carbon atoms). It contains at least one selected from a copolymer (2) with an α-olefin and a copolymer (3) of propylene and a diene compound.
[0020]
Preferred examples of the α-olefin in the copolymer (2) include butene-1, pentene-1,4-methylpentene-1, hexene-1, octene-1, and styrene. Examples of the diene compound in the copolymer (3) include butadiene, 1,4-hexadiene, 1,5-hexadiene, ethylidene, norbornene diene and the like.
[0021]
The copolymers (1), (2) and (3) are all elastomer components containing propylene. The proportion of propylene in such a copolymer is not particularly limited, but it is usually preferably about 10 to 90% by weight, more preferably 20 to 60% by weight of the constituent monomer of the copolymer.
[0022]
The hard segment and the soft segment are preferably present in a state of good compatibility in the polyolefin layer (a2). Due to the good compatibility, the tearability and stress relaxation properties of the base film become good, which is preferable in terms of workability and peelability. Good compatibility states exist when hard segments and soft segments are combined by block copolymerization and exist in the same molecule, or in a structure such as IPN (interpenetrating polymer network). The state etc. which are doing are illustrated.
[0023]
Furthermore, a polymer obtained by polymerizing a polypropylene constituting a hard segment and a copolymer constituting a soft segment using a multistage polymerization reactor can be used as a component of the polyolefin layer (a2).
[0024]
Such a polymerization method is referred to as a “Cataloy process”, and a polymer obtained by this process can obtain a final product in which a hard segment and a soft segment are alloyed. Specifically, resins such as trade names “KS-353P”, “KS-021P”, “KS-081P”, “KS-221P”, “C200F” and the like sold by Sun Aroma Co., Ltd. are polyolefins. It can be used as a component of the layer (a2).
[0025]
In addition, as above-mentioned, it is preferable that the ratio of a hard segment and a soft segment in a polyolefin layer (a2) is 30-300 weight part of soft segments with respect to 100 weight part of hard segments.
[0026]
The polypropylene that can be used as a material constituting the hard and soft segments in the polyolefin layer (a2) used for the intermediate layer and the outermost crystalline polyolefin resin layer (a1) is a homopolymer, block copolymer or Examples are random copolymers.
[0027]
The material for forming the base film (A) such as the outermost crystalline polyolefin resin layer (a1) and the polyolefin layer (a2) used for the intermediate layer may be titanium oxide, zinc oxide, calcium carbonate, if necessary. Inorganic fillers such as amine, quinoline, hydroquinone, phenol, phosphite, etc. anti-oxidants and antioxidants, salicylic acid derivatives, benzophenone, benzotriazole, hindered amines, etc. Further, one or more of lubricants, plasticizers and the like may be blended within a range that does not impair the object of the present invention.
[0028]
The base film (A) has a crystalline polyolefin layer (a1) in both outermost layers and an intermediate layer having a structure sandwiched between both outermost layers. The materials of the crystalline polyolefin layer (a1) forming both outermost layers may be the same or different, but are preferably composed of the same material. Moreover, although the thickness of the crystalline polyolefin layer (a1) of both outermost layers may be the same or different, it is desirable to be comprised by the same thickness. In the surface protective adhesive film, if the thickness of the outermost layer on the surface side and the outermost layer on the adhesive layer (B) side is different, curling of the adhesive film is likely to occur, and workability for bonding to a metal plate May be reduced.
[0029]
The thickness of the base film (A) is usually preferably about 30 to 200 μm from the viewpoint of processability. That is, it is appropriate that the surface protective adhesive film has a thickness of about 30 μm or more in order to maintain an appropriate strength during processing, and a thickness of about 200 μm or less in order to make the residual stress appropriate. Is appropriate.
[0030]
The thickness of the intermediate layer is 50 to 98%, preferably 60 to 90% of the thickness of the base film. By controlling the thickness of the intermediate layer within the above range, the workability of the base film (A) can be maintained at a good level. Even when the intermediate layer is formed of a plurality of layers, the thickness of the intermediate layer is adjusted within the above range. However, even when the intermediate layer is formed of a plurality of layers, the polyolefin layer (a2) It is preferable to have at least 50% of the thickness of the material film.
[0031]
The production method of the base film (A) having the intermediate layer having the polyolefin layer (a2) and the outermost layer being the crystalline polyolefin resin layer (a1) is not particularly limited, and various methods can be adopted. For example, a method of melt-coextrusion of the resin material constituting each layer to form into a laminate, a method of individually forming each layer into a film by extrusion or the like, and bonding them with an adhesive or the like are exemplified. Among these methods, a method by melt coextrusion is preferable from the viewpoint of good adhesion between the respective layers and simplifying the process.
[0032]
The base film (A) has an adhesive layer (B). As the pressure-sensitive adhesive constituting the pressure-sensitive adhesive layer (B), various pressure-sensitive adhesives used in the field of the surface protective pressure-sensitive adhesive film such as an acrylic pressure-sensitive adhesive and a rubber-based pressure-sensitive adhesive can be used. The thickness of the pressure-sensitive adhesive layer is usually preferably about 1 to 100 μm, more preferably about 1 to 20 μm. The adhesive strength of the pressure-sensitive adhesive layer is suitably about 0.2 to 3.0 N / 20 mm. The adhesive strength of the pressure-sensitive adhesive layer was obtained by measurement under conditions of a temperature of 23 ° C., a tensile speed of 300 mm / min, and 180 ° peeling.
[0033]
【Example】
The present invention will be described more specifically with reference to the following examples. The present invention is not limited to these examples.
[0034]
Example 1
As a resin constituting the intermediate layer, a resin (trade name: KS-021P; manufactured by Sun Allomer Co., Ltd.) having 100 parts by weight of a hard segment made of polypropylene and 80 parts by weight of a soft segment made of ethylene-propylene rubber was used. As a resin constituting the outermost layer, homopolypropylene (crystalline, trade name F-704NP, manufactured by Idemitsu Petrochemical Co., Ltd.) was used. These resin materials were formed into a film by melt coextrusion to obtain a three-layer laminated film in which the outermost layer / intermediate layer / outermost layer had thicknesses of 7 μm / 26 μm / 7 μm, respectively. The surface (outermost layer) of this laminated film was subjected to corona treatment. Next, this laminated film was used as a base film, and an acrylic pressure-sensitive adhesive layer having a dry thickness of 5 μm was provided on the outermost layer to obtain a pressure-sensitive adhesive film for surface protection.
[0035]
Example 2
In Example 1, as a resin constituting the intermediate layer, a resin having 100 parts by weight of a hard segment made of polypropylene and 60 parts by weight of a soft segment made of ethylene-propylene rubber (trade name: TPO E-940; Idemitsu Petrochemical Co., Ltd.) A base film was prepared in the same manner as in Example 1 except that the product manufactured by Kogyo Co., Ltd. was used. Further, a surface protecting adhesive film was prepared in the same manner as in Example 1.
[0036]
Example 3
In Example 1, as a resin constituting the intermediate layer, a resin having 100 parts by weight of a hard segment made of polypropylene and 130 parts by weight of a soft segment made of ethylene-propylene rubber (trade name: CA-22A; manufactured by Sun Allomer) A base film was produced in the same manner as in Example 1 except that was used. Further, a surface protecting adhesive film was prepared in the same manner as in Example 1.
[0037]
Comparative Example 1
In Example 1, the same procedure as in Example 1 was used except that the base film used was obtained by melting and extruding low density polyethylene and the dry thickness of the pressure-sensitive adhesive layer was 7 μm. A pressure-sensitive adhesive film for surface protection was produced.
[0038]
Comparative Example 2
In Example 1, the base film used was obtained by melting and extruding a mixture of 80 parts by weight of granular polypropylene and 20 parts by weight of granular polyethylene, and drying the pressure-sensitive adhesive layer. A surface protecting adhesive film was prepared in the same manner as in Example 1 except that the thickness was 7 μm.
[0039]
Comparative Example 3
A laminated film having a three-layer structure in which a crystalline polyolefin layer (outermost layer) was laminated on both sides of an amorphous polyolefin layer (intermediate layer) was produced by a melt coextrusion method. As the amorphous polyolefin, atactic polypropylene produced as a by-product during the production of crystalline polypropylene was used, and as the crystalline polyolefin, polypropylene (trade name: F-704NP; manufactured by Idemitsu Petrochemical Co., Ltd.) was used. The thickness of each layer of the laminated film was such that the outermost layer / intermediate layer / outermost layer was 5 μm / 30 μm / 5 μm, respectively. The surface (outermost layer) of this laminated film was subjected to corona treatment. Next, this laminated film was used as a base film, and an acrylic pressure-sensitive adhesive layer having a dry thickness of 5 μm was provided on the outermost layer to obtain a pressure-sensitive adhesive film for surface protection.
[0040]
Comparative Example 4
The same intermediate layer resin material and outermost layer resin material as in Example 1 were used, and these resin materials were formed by melt coextrusion, and the outermost layer / intermediate layer was composed of two layers each having a thickness of 7 μm / 26 μm. A laminated film was obtained. A pressure-sensitive adhesive layer was provided on the surface (outermost layer) of this laminated film in the same manner as in Example 1 to obtain a surface-protective pressure-sensitive adhesive film.
[0041]
The following evaluation was performed about the adhesive film for surface protection obtained by the Example and the comparative example. The results are shown in Table 1.
[0042]
(Measurement of residual stress)
In order to measure the residual stress, a test piece (width 20 mm, length 100 mm) was prepared from the surface protective adhesive film. This is done by setting the chuck between 50 mm, stretching at a speed of 300 mm / min until the deformation amount of the test piece becomes 10%, and then leaving it for 5 minutes to measure the stress generated on the test piece. It was. The measurement ambient temperature was 23 ° C.
[0043]
(Processability evaluation)
A test piece (100 mmφ) was prepared from the adhesive film for surface protection. This was affixed to a stainless steel plate (SUS304BA, 0.4 mm thickness), and a 40 mm square cylinder drawing and a drawing depth of 20 mm were drawn using a press machine (60 t press machine manufactured by AIDA). At that time, the occurrence of tearing, floating (peeling), and dents in the film was examined. Those that did not occur were indicated as “◯”, and those that occurred were indicated as “X”.
[0044]
(Evaluation of peeling workability)
After completion of the above processing, the surface protecting adhesive film was peeled off from the stainless steel plate, and the peeling workability was evaluated. The evaluation of peeling workability was carried out for two items: whether the adhesive film was not torn at the time of peeling (tearability), and whether the film was stretched more than necessary and the work became difficult (workability). If the peeling workability did not decrease due to this, “◯” was indicated.
[0045]
(Lamination workability)
When the adhesive film for surface protection was bonded to a stainless steel plate (SUS304BA, 0.4 mm thickness) with a hand roller, it was evaluated whether or not the film was curled. When curling did not occur, “◯” was indicated, and when curling occurred, “×” was indicated.
[0046]
[Table 1]

As can be seen from Table 1, it can be seen that the surface protective adhesive films produced in Examples 1 to 3 have small residual stress and good workability, peeling workability, and bonding workability.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an example of a cross-sectional view of a pressure-sensitive adhesive film for surface protection according to the present invention.
[Explanation of symbols]
A: base film B: pressure-sensitive adhesive layer a1: outermost crystalline polyolefin layer a2: intermediate polyolefin layer

Claims (4)

基材フィルムの片面に粘着剤層を有する表面保護用粘着フィルムであって、
前記基材フィルムは、少なくとも３層のポリオレフィン層が積層されている積層フィルムであり、
積層フィルムの両最外層は結晶性ポリオレフィン層（ａ１）であり、かつ両最外層に挟まれた中間層はハードセグメントとソフトセグメントを含有するポリオレフィン層（ａ２）を少なくとも１層有し、
ポリオレフィン層（ａ２）は、ハードセグメントとしてポリプロピレンを含有し、ソフトセグメントとしてプロピレンとエチレンとのコポリマー（１）、（プロピレンと式：ＣＨ₂ ＝ＣＨＲ（ただし、Ｒは炭素数２〜８の脂肪族基または芳香族基を示す）で表されるα−オレフィンとのコポリマー（２）およびプロピレンとジエン化合物とのコポリマー（３）から選ばれる少なくとも１種を含有することを特徴とする表面保護用粘着フィルム。A pressure-sensitive adhesive film for surface protection having a pressure-sensitive adhesive layer on one side of a base film,
The base film is a laminated film in which at least three polyolefin layers are laminated,
Both outermost layers of the laminated film are crystalline polyolefin layers (a1), and an intermediate layer sandwiched between both outermost layers has at least one polyolefin layer (a2) containing a hard segment and a soft segment,
The polyolefin layer (a2) contains polypropylene as a hard segment, and a copolymer (1) of propylene and ethylene as a soft segment (propylene and formula: CH ₂ = CHR (where R is an aliphatic having 2 to 8 carbon atoms) A surface-protective pressure-sensitive adhesive comprising at least one selected from a copolymer (2) with an α-olefin represented by a group or an aromatic group and a copolymer (3) of propylene and a diene compound the film. ポリオレフィン層（ａ２）は、ハードセグメント１００重量部に対し、ソフトセグメント３０〜３００重量部を含有していることを特徴とする請求項１記載の表面保護用粘着フィルム。The surface-sensitive adhesive film according to claim 1, wherein the polyolefin layer (a2) contains 30 to 300 parts by weight of a soft segment with respect to 100 parts by weight of the hard segment. 表面保護用粘着フィルムは、変形量が１０％である場合の残留応力が、６Ｎ／ｍｍ² 以下となるものであることを特徴とする請求項１または２記載の表面保護用粘着フィルム。The pressure-sensitive adhesive film for surface protection according to claim 1 or 2, wherein the surface-protective pressure-sensitive adhesive film has a residual stress of 6 N / mm ² or less when the deformation amount is 10%. 少なくとも３層のポリオレフィン層が積層されている積層フィルムであって、
積層フィルムの両最外層は結晶性ポリオレフィン層（ａ１）であり、かつ両最外層に挟まれた中間層はハードセグメントとソフトセグメントを含有するポリオレフィン層（ａ２）を少なくとも１層有し、
ポリオレフィン層（ａ２）は、ハードセグメントとしてポリプロピレンを含有し、ソフトセグメントとしてプロピレンとエチレンとのコポリマー（１）、（プロピレンと式：ＣＨ₂ ＝ＣＨＲ（ただし、Ｒは炭素数２〜８の脂肪族基または芳香族基を示す）で表されるα−オレフィンとのコポリマー（２）およびプロピレンとジエン化合物とのコポリマー（３）から選ばれる少なくとも１種を含有することを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載の表面保護用粘着フィルムに用いられる表面保護用粘着フィルム基材。A laminated film in which at least three polyolefin layers are laminated,
Both outermost layers of the laminated film are crystalline polyolefin layers (a1), and an intermediate layer sandwiched between both outermost layers has at least one polyolefin layer (a2) containing a hard segment and a soft segment,
The polyolefin layer (a2) contains polypropylene as a hard segment, and a copolymer (1) of propylene and ethylene as a soft segment (propylene and formula: CH ₂ = CHR (where R is an aliphatic having 2 to 8 carbon atoms) And a copolymer (2) with an α-olefin represented by the formula (1) or a copolymer (3) with propylene and a diene compound. 4. A surface protecting adhesive film substrate used for the surface protecting adhesive film according to any one of 3 above.

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