JP4102161B2 - コンクリートスラブ上にレール軌道を敷設する方法およびその方法に使用する仮タイプレート - Google Patents
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Description
【０００１】
本発明は、レール軌道を敷設する方法に関し、より詳細には、コンクリートスラブが、レール軌道のレールを支持するタイプレートを固定するためのアンカー部材の周囲に流し込まれる、コンクリートスラブ上にレール軌道を敷設する方法に関する。本発明は、また、本発明による方法に使用される仮タイプレートに関する。
【０００２】
【従来の技術】
軌道を敷設すべき場所に、前もって製造されたレールをタイプレート上に直接に配置することによって、地下鉄または路面電車のレール軌道をコンクリートスラブ上に敷設する場合、レールが、締結具によってレールに固定されたタイプレートとともに、ガントリーによってレールの最終的な位置に吊り下げられることが、現在、この分野において知られている。その後、コンクリートスラブが、タイプレートの高さにまでレールの下に流し込まれ、そのコンクリートスラブは、タイプレートを貫通しかつコンクリートスラブに埋め込まれた基部を有するねじ付きロッドからなるアンカー部材を支持する。コンクリートが固まると、タイプレートは、ねじ付きロッドに取り付けられたナットを締め付けることによってコンクリートスラブ上に永続的に固定され、そのナットが、タイプレートの上面を押さえつける。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような種類のレール軌道を敷設する方法は、コンクリートを流し込む時にタイプレートの下に気泡を形成するという欠点を有し、その欠点は、タイプレートの下に適度に平らなコンクリート支持面を形成するのを妨げる。したがって、コンクリートが固まった後に、ナットをねじ付きロッドに締め付けてタイプレートを固定する時、その不完全な支持面のために、タイプレートが移動することがよくある。したがって、タイプレートを正しく配置するためには、そのタイプレートを取り外し、人手によって支持面を良好なものにしなければならない。この欠陥のある支持面の再作業には、時間と費用がかかり、かつ、レール軌道敷設作業を大幅に遅延させる。
【０００４】
さらに、本発明の目的の１つは、レール軌道を敷設するための簡単かつ経済的な方法を提案することであり、その方法は、大きな欠陥をともなうことなく、レールを支持するタイプレートが配置される支持面を形成する。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
このために、本発明は、コンクリートスラブが、レール軌道のレールを支持するタイプレートを固定するためのアンカー部材の周囲に流し込まれる、前記コンクリートスラブ上にレール軌道を敷設する方法を提供し、この方法は、以下の段階を含む。
【０００６】
仮タイプレートが、コンクリートの中に部分的に埋め込まれるようになされたアンカー部材を支持し、かつ、コンクリートスラブを流し込む時に仮タイプレートの裏面の下に閉じ込められた空気を抜くためのベントを含み、レール軌道を支持するタイプレートが配置されるべき位置に、仮タイプレートを吊り下げる段階と、
仮タイプレートの高さにまでコンクリートスラブを流し込む段階と、
コンクリートスラブが固まった後、仮タイプレートを取り除く段階と、
レールを支持するタイプレートを、それらの最終的な位置に正確に配置し、そのタイプレートをアンカー部材に固定する段階と、
を含む。
【０００７】
本発明の別の特徴によれば、レールが、ガントリーによって、コンクリートスラブが流し込まれるべき場所の上方に吊り下げられ、レールが、それらのレールに予め取り付けられた永続的なタイプレートを有し、仮タイプレートが、そのタイプレートの下に配置され、その後、ガントリーによって、望みの位置に移動させられる。
【０００８】
本発明のさらなる特徴によれば、仮タイプレートを取り除く段階の後、かつ、永続的なタイプレートを配置する段階の前に、コンクリートがベントから盛り上がることによってコンクリートスラブ表面上に形成されたあらゆるバリが削り取られる。
【０００９】
さらに、本発明は、上述したレール軌道を敷設する方法で使用される仮タイプレートを提供し、その仮タイプレートは、本体を含み、コンクリートスラブを流し込んだ時にコンクリートが接触する本体の裏面が、ベントを含む。
【００１０】
特定の実施形態においては、本発明による仮タイプレートは、単独でまたは技術的に実現可能なあらゆる組み合わせで以下のいずれかの特徴を有してもよい。すなわち、
仮タイプレートの本体が、多数の貫通孔を備えたプレートからなる。
【００１１】
プレートの外周が、段を含み、その段が、プレートの裏面をなす平面に対して傾斜した上縁を有し、コンクリート表面が排水のための斜面を備えなければならない場合、軌道スラブのコンクリート表面を形成する時の基準を提供する。
【００１２】
仮タイプレートの本体が、ベントよりも大きな径を備えた開口を含み、これによりアンカー手段をその開口に通すことができる。
【００１３】
添付された図面を参照して以下で説明される本発明の特定の、かつ限定するものではない一実施形態から本発明の目的、態様、および、利点をより良く理解することができる。
【００１４】
図面をわかりやすくするために、本発明を理解するのに必要な構成要素しか図示しない。全図面を通して、同じ構成要素は、同じ符号を有する。
【００１５】
【発明の実施の形態】
図１および図２は、本発明による仮タイプレート１の特定の一実施形態を示す。これらの図面に示されるように、仮タイプレート１は、多数のベント１０を有する長方形の金属プレートから形成された本体１１を含み、ベント１０は、金属プレート１１の上面および下面に通じている。ベント１０は、孔の形態を有し、いくつかは、図４で詳細に示されるように、わずかながら次第に細くなる円形の断面を有し、これらの孔１０の径は、例えば、プレート１１の裏面においては７ｍｍであり、上面においては５ｍｍである。
【００１６】
また、プレート１１は、プレート１１の対角線の両側端部に２つの開口１２を含む。開口１２は、ガイドピン１３を収容し、そのガイドピン１３は、開口１２の直径に合致する外径と、図１および図２には図示しないぴったりと合ったねじ付きロッド４を収容するようになされた内腔とを有する。
【００１７】
図３に示されるように、ガイドブッシュ１３は、それらの下部に、肩を有し、その肩は、ガイドブッシュ１３が仮タイプレート１の裏面から開口１２の中へ挿入される時に、プレート１１の裏面にある嵌合凹部内に嵌め込まれる。
【００１８】
円筒形のワッシャーからなるスプレッダ１４が、ガイドブッシュ１３を取り囲んでプレート１１の上面に配置され、ガイドブッシュ１３の外径よりもわずかに大きい内腔を含む。
【００１９】
プレート１１の外周は、段１５を有し、その段１５の端部は、プレート１１の裏面へ向かって斜めに切断されており、プレート１１の長手方向側面にある段１５の上縁は、プレート１１の裏面をなす平面に対して傾斜している。
【００２０】
また、仮タイプレート１は、抜き取りハンドル１６を含み、仮タイプレート１を掴むのを容易にする。
【００２１】
次に、図５、図６、および、図７を参照して、上述した仮タイプレート１の使用方法および本発明による敷設方法を説明する。
【００２２】
図５に示されるように、ガントリー６が、コンクリートスラブ３が流し込まれるべき部分の上方に２つのレール２を吊り下げる。２つのレール２は、電動式ビーム６２に結合されたクランプ６１によって吊り下げられ、その電動式ビーム６２は、ガントリー６上を垂直方向に滑り動き、２つのレール２を望みの位置まで正確に移動させる。図６、図７、および、図８からより詳細にわかるように、２つのレール２は、締結具９によってタイプレート５に結合され、タイプレート５は、一般的には、弾性材料であり、かつ、有利には、電気絶縁材料から製造された図８に示されるベースプレート２０のような中間物を介してコンクリートスラブ３を押さえつけるようになされた実質的に一枚板の金属プレートからなるベース５１を含む。
【００２３】
上述したような仮タイプレート１が、それぞれのタイプレート５の下に配置され、それによって、仮タイプレート１によって支持されるガイドブッシュ１３は、ベース５１にある嵌合開口５２内に係合し、ベース５１の裏面は、仮タイプレート１によって支持されるスプレッダ１４の上部を押さえつけ、それによって、空間が、ベース５１の裏面と仮タイプレート１のプレート１１の上面との間に形成される。仮タイプレート１は、タイプレート５をコンクリートスラブ３にアンカー固定する部材によって、タイプレート５の下のこの位置に保持され、ここでは、その部材は、ガイドブッシュ１３内に挿入されたねじ付きロッド４からなり、上部に止めナット１８を受け、そのねじ付きロッド４は、部分的なくびれ４１を有し、そのくびれ４１上には、ガイドブッシュ１３の底面を押さえつけるワッシャー１７が配置される。このように配置されたねじ付きロッド４は、仮タイプレート１の裏面から長く突き出た部分を有し、その長く突き出た部分は、コンクリートの中に埋め込まれることを意図したものである。
【００２４】
コンクリートスラブ３を流し込む前に、仮タイプレート１の裏面は、型枠剥離オイルを塗られ、そして、敷設すべき軌道のレール２を支持するタイプレート５の支持面の予定された位置へ仮タイプレート１の裏面を移動させるために、ガントリー６のビーム６２が、動かされる。
【００２５】
その後、図５に鎖線で輪郭が示されるコンクリートスラブ３が、仮タイプレート１の高さにまで、プレート１１の底面から突き出たねじ付きロッド４の部分を取り囲んで流し込まれる。その後、コンクリート３の上面が、平らにされ、それによって、コンクリート表面が、仮タイプレート１の縁部にある段１５の斜面につながり、その斜面は、表面水を適切に排水するのに必要な水平面に対するコンクリートスラブ３の勾配が存在することを意味する。
【００２６】
コンクリートスラブ３を固まらせるための乾燥時間が経過すると、ねじ付きロッド４に取り付けられたナット１８が、取り外され、そして、それらのタイプレート５に予め取り付けられていたレール２が、ガントリー６によって持ち上げられる。その後、仮タイプレート１が、ガイドブッシュ１３およびスプレッダ１４とともに取り除かれ、ハンドル１６は、仮タイプレート１を除去するのを容易にする。
【００２７】
その後、コンクリートが仮タイプレート１のベント１０から盛り上がることによってコンクリートスラブ３の表面上に形成されたあらゆるバリが、ただ単に削り取ってその表面から吹き飛ばすことによって、容易に除去される。
【００２８】
その後、図８に示される電気絶縁スペーサ１９が、タイプレート５の開口５２内に配置され、その絶縁スペーサ１９は、開口５２内に挿入される円筒形の部分を備えた本体を有し、その円筒形部分の内径および外径は、ガイドブッシュ１３の内径および外径と同じであり、すなわち、円筒形部分の内径および外径は、それぞれ、開口５２およびねじ付きロッド４の径にぴったりと合う。さらに、スペーサ１９は、締付ナット１８が押さえつけるフランジをそれらの上部に有し、オプションとして、図示しないばねが、ナットとスペーサ１９のフランジとの間に挿入され、スペーサ１９の高さは、そのスペーサ１９が、開口５２内に挿入された時、そのスペーサ１９が、タイプレート５の裏面から突き出ないような高さである。
【００２９】
その後、弾性材料ベースプレート２０をベース５１の裏面の下に挿入した後、それらのタイプレート５上に予め取り付けられたレール２が、再度、降ろされ、そのベースプレート２０は、ねじ付きロッド４と同軸の孔を有する。有利には、電気絶縁体でありさえすればよい補足のベースプレート２１が、上述したベースプレート２０の下に配置され、それらを組み合わせたものが、図８に示されるように、コンクリートスラブ３から突き出たねじ付きロッド４をベースプレート２０、２１およびタイプレート５の開口５２内に配置された絶縁スペーサ１９の内腔に挿入することによって、コンクリートスラブ３と接触した状態にされる。この操作の間、ガイドブッシュ１３の半径寸法とほぼ同じ半径寸法を有する絶縁スペーサ１９が存在するために、タイプレート５は、それらの最終的な位置に自動的にかつ正確に配置される。
【００３０】
その後、タイプレート５が、一般的なやり方で、ねじ付きロッド４にねじ込まれたナット１８によって固定され、ナット１８は、中間物である絶縁スペーサ１９のフランジを介して、タイプレート５の上面を押さえつける。
【００３１】
本発明による仮タイプレートを使用した上述したような種類の敷設方法は、タイプレートのための均質な支持面を容易にかつ迅速に提供し、ナットを締め付ける時に、タイプレートが移動するのを防止し、そして、タイプレートの位置が時間と共に安定することを保証する。コンクリートスラブの流し込みについては、スプレッダのためにタイプレートによって塞がれることのない仮タイプレートの多数のベントのために、気泡が仮タイプレートの下に発生する虞なしに実行できるという利点を有する。
【００３２】
当然ながら、本発明は、ただ単に例として説明および図示した実施形態に決して限定されるものではなく、とりわけ、様々な構成要素の配置について、あるいは、技術的に同等なものと置き換えることによって、本発明の権利範囲を逸脱することなく変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による仮タイプレートの特定の一実施形態の上面図である。
【図２】図１に示される仮タイプレートの側面図である。
【図３】図１の線ＩＩＩ−ＩＩＩに沿った仮タイプレートの詳細断面図である。
【図４】図１の線ＩＶ−ＩＶに沿った仮タイプレートの詳細断面図である。
【図５】本発明による敷設方法を実施する装置の全体図である。
【図６】図５に示されるレールの一方の拡大図であり、本発明による敷設方法の特定の一実施形態に基づいた仮タイプレートを備える。
【図７】仮タイプレートをレールを支持するための永続的なタイプレートに結合する手段の図３に類似した詳細断面図である。
【図８】永続的なタイプレートをコンクリートスラブ上に取り付けた後のその永続的なタイプレートの部分断面側面図である。
【符号の説明】
１ 仮タイプレート
２ レール
３ コンクリートスラブ
４ アンカー部材
５ タイプレート
６ ガントリー
９ 締結具
１０ ベント
１１ 金属プレート
１１ 本体
１２ 開口
１３ ガイドブッシュ
１４ スプレッダ
１５ 段
１６ 抜き取りハンドル
１７ ワッシャー
１８ ナット
１９ 電気絶縁スペーサ
２０、２１ ベースプレート
４１ くびれ
５１ ベース
５２ 嵌合開口
６１ クランプ
６２ 電動式ビーム
本発明は、レール軌道を敷設する方法に関し、より詳細には、コンクリートスラブが、レール軌道のレールを支持するタイプレートを固定するためのアンカー部材の周囲に流し込まれる、コンクリートスラブ上にレール軌道を敷設する方法に関する。本発明は、また、本発明による方法に使用される仮タイプレートに関する。
【０００２】
【従来の技術】
軌道を敷設すべき場所に、前もって製造されたレールをタイプレート上に直接に配置することによって、地下鉄または路面電車のレール軌道をコンクリートスラブ上に敷設する場合、レールが、締結具によってレールに固定されたタイプレートとともに、ガントリーによってレールの最終的な位置に吊り下げられることが、現在、この分野において知られている。その後、コンクリートスラブが、タイプレートの高さにまでレールの下に流し込まれ、そのコンクリートスラブは、タイプレートを貫通しかつコンクリートスラブに埋め込まれた基部を有するねじ付きロッドからなるアンカー部材を支持する。コンクリートが固まると、タイプレートは、ねじ付きロッドに取り付けられたナットを締め付けることによってコンクリートスラブ上に永続的に固定され、そのナットが、タイプレートの上面を押さえつける。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような種類のレール軌道を敷設する方法は、コンクリートを流し込む時にタイプレートの下に気泡を形成するという欠点を有し、その欠点は、タイプレートの下に適度に平らなコンクリート支持面を形成するのを妨げる。したがって、コンクリートが固まった後に、ナットをねじ付きロッドに締め付けてタイプレートを固定する時、その不完全な支持面のために、タイプレートが移動することがよくある。したがって、タイプレートを正しく配置するためには、そのタイプレートを取り外し、人手によって支持面を良好なものにしなければならない。この欠陥のある支持面の再作業には、時間と費用がかかり、かつ、レール軌道敷設作業を大幅に遅延させる。
【０００４】
さらに、本発明の目的の１つは、レール軌道を敷設するための簡単かつ経済的な方法を提案することであり、その方法は、大きな欠陥をともなうことなく、レールを支持するタイプレートが配置される支持面を形成する。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
このために、本発明は、コンクリートスラブが、レール軌道のレールを支持するタイプレートを固定するためのアンカー部材の周囲に流し込まれる、前記コンクリートスラブ上にレール軌道を敷設する方法を提供し、この方法は、以下の段階を含む。
【０００６】
仮タイプレートが、コンクリートの中に部分的に埋め込まれるようになされたアンカー部材を支持し、かつ、コンクリートスラブを流し込む時に仮タイプレートの裏面の下に閉じ込められた空気を抜くためのベントを含み、レール軌道を支持するタイプレートが配置されるべき位置に、仮タイプレートを吊り下げる段階と、
仮タイプレートの高さにまでコンクリートスラブを流し込む段階と、
コンクリートスラブが固まった後、仮タイプレートを取り除く段階と、
レールを支持するタイプレートを、それらの最終的な位置に正確に配置し、そのタイプレートをアンカー部材に固定する段階と、
を含む。
【０００７】
本発明の別の特徴によれば、レールが、ガントリーによって、コンクリートスラブが流し込まれるべき場所の上方に吊り下げられ、レールが、それらのレールに予め取り付けられた永続的なタイプレートを有し、仮タイプレートが、そのタイプレートの下に配置され、その後、ガントリーによって、望みの位置に移動させられる。
【０００８】
本発明のさらなる特徴によれば、仮タイプレートを取り除く段階の後、かつ、永続的なタイプレートを配置する段階の前に、コンクリートがベントから盛り上がることによってコンクリートスラブ表面上に形成されたあらゆるバリが削り取られる。
【０００９】
さらに、本発明は、上述したレール軌道を敷設する方法で使用される仮タイプレートを提供し、その仮タイプレートは、本体を含み、コンクリートスラブを流し込んだ時にコンクリートが接触する本体の裏面が、ベントを含む。
【００１０】
特定の実施形態においては、本発明による仮タイプレートは、単独でまたは技術的に実現可能なあらゆる組み合わせで以下のいずれかの特徴を有してもよい。すなわち、
仮タイプレートの本体が、多数の貫通孔を備えたプレートからなる。
【００１１】
プレートの外周が、段を含み、その段が、プレートの裏面をなす平面に対して傾斜した上縁を有し、コンクリート表面が排水のための斜面を備えなければならない場合、軌道スラブのコンクリート表面を形成する時の基準を提供する。
【００１２】
仮タイプレートの本体が、ベントよりも大きな径を備えた開口を含み、これによりアンカー手段をその開口に通すことができる。
【００１３】
添付された図面を参照して以下で説明される本発明の特定の、かつ限定するものではない一実施形態から本発明の目的、態様、および、利点をより良く理解することができる。
【００１４】
図面をわかりやすくするために、本発明を理解するのに必要な構成要素しか図示しない。全図面を通して、同じ構成要素は、同じ符号を有する。
【００１５】
【発明の実施の形態】
図１および図２は、本発明による仮タイプレート１の特定の一実施形態を示す。これらの図面に示されるように、仮タイプレート１は、多数のベント１０を有する長方形の金属プレートから形成された本体１１を含み、ベント１０は、金属プレート１１の上面および下面に通じている。ベント１０は、孔の形態を有し、いくつかは、図４で詳細に示されるように、わずかながら次第に細くなる円形の断面を有し、これらの孔１０の径は、例えば、プレート１１の裏面においては７ｍｍであり、上面においては５ｍｍである。
【００１６】
また、プレート１１は、プレート１１の対角線の両側端部に２つの開口１２を含む。開口１２は、ガイドピン１３を収容し、そのガイドピン１３は、開口１２の直径に合致する外径と、図１および図２には図示しないぴったりと合ったねじ付きロッド４を収容するようになされた内腔とを有する。
【００１７】
図３に示されるように、ガイドブッシュ１３は、それらの下部に、肩を有し、その肩は、ガイドブッシュ１３が仮タイプレート１の裏面から開口１２の中へ挿入される時に、プレート１１の裏面にある嵌合凹部内に嵌め込まれる。
【００１８】
円筒形のワッシャーからなるスプレッダ１４が、ガイドブッシュ１３を取り囲んでプレート１１の上面に配置され、ガイドブッシュ１３の外径よりもわずかに大きい内腔を含む。
【００１９】
プレート１１の外周は、段１５を有し、その段１５の端部は、プレート１１の裏面へ向かって斜めに切断されており、プレート１１の長手方向側面にある段１５の上縁は、プレート１１の裏面をなす平面に対して傾斜している。
【００２０】
また、仮タイプレート１は、抜き取りハンドル１６を含み、仮タイプレート１を掴むのを容易にする。
【００２１】
次に、図５、図６、および、図７を参照して、上述した仮タイプレート１の使用方法および本発明による敷設方法を説明する。
【００２２】
図５に示されるように、ガントリー６が、コンクリートスラブ３が流し込まれるべき部分の上方に２つのレール２を吊り下げる。２つのレール２は、電動式ビーム６２に結合されたクランプ６１によって吊り下げられ、その電動式ビーム６２は、ガントリー６上を垂直方向に滑り動き、２つのレール２を望みの位置まで正確に移動させる。図６、図７、および、図８からより詳細にわかるように、２つのレール２は、締結具９によってタイプレート５に結合され、タイプレート５は、一般的には、弾性材料であり、かつ、有利には、電気絶縁材料から製造された図８に示されるベースプレート２０のような中間物を介してコンクリートスラブ３を押さえつけるようになされた実質的に一枚板の金属プレートからなるベース５１を含む。
【００２３】
上述したような仮タイプレート１が、それぞれのタイプレート５の下に配置され、それによって、仮タイプレート１によって支持されるガイドブッシュ１３は、ベース５１にある嵌合開口５２内に係合し、ベース５１の裏面は、仮タイプレート１によって支持されるスプレッダ１４の上部を押さえつけ、それによって、空間が、ベース５１の裏面と仮タイプレート１のプレート１１の上面との間に形成される。仮タイプレート１は、タイプレート５をコンクリートスラブ３にアンカー固定する部材によって、タイプレート５の下のこの位置に保持され、ここでは、その部材は、ガイドブッシュ１３内に挿入されたねじ付きロッド４からなり、上部に止めナット１８を受け、そのねじ付きロッド４は、部分的なくびれ４１を有し、そのくびれ４１上には、ガイドブッシュ１３の底面を押さえつけるワッシャー１７が配置される。このように配置されたねじ付きロッド４は、仮タイプレート１の裏面から長く突き出た部分を有し、その長く突き出た部分は、コンクリートの中に埋め込まれることを意図したものである。
【００２４】
コンクリートスラブ３を流し込む前に、仮タイプレート１の裏面は、型枠剥離オイルを塗られ、そして、敷設すべき軌道のレール２を支持するタイプレート５の支持面の予定された位置へ仮タイプレート１の裏面を移動させるために、ガントリー６のビーム６２が、動かされる。
【００２５】
その後、図５に鎖線で輪郭が示されるコンクリートスラブ３が、仮タイプレート１の高さにまで、プレート１１の底面から突き出たねじ付きロッド４の部分を取り囲んで流し込まれる。その後、コンクリート３の上面が、平らにされ、それによって、コンクリート表面が、仮タイプレート１の縁部にある段１５の斜面につながり、その斜面は、表面水を適切に排水するのに必要な水平面に対するコンクリートスラブ３の勾配が存在することを意味する。
【００２６】
コンクリートスラブ３を固まらせるための乾燥時間が経過すると、ねじ付きロッド４に取り付けられたナット１８が、取り外され、そして、それらのタイプレート５に予め取り付けられていたレール２が、ガントリー６によって持ち上げられる。その後、仮タイプレート１が、ガイドブッシュ１３およびスプレッダ１４とともに取り除かれ、ハンドル１６は、仮タイプレート１を除去するのを容易にする。
【００２７】
その後、コンクリートが仮タイプレート１のベント１０から盛り上がることによってコンクリートスラブ３の表面上に形成されたあらゆるバリが、ただ単に削り取ってその表面から吹き飛ばすことによって、容易に除去される。
【００２８】
その後、図８に示される電気絶縁スペーサ１９が、タイプレート５の開口５２内に配置され、その絶縁スペーサ１９は、開口５２内に挿入される円筒形の部分を備えた本体を有し、その円筒形部分の内径および外径は、ガイドブッシュ１３の内径および外径と同じであり、すなわち、円筒形部分の内径および外径は、それぞれ、開口５２およびねじ付きロッド４の径にぴったりと合う。さらに、スペーサ１９は、締付ナット１８が押さえつけるフランジをそれらの上部に有し、オプションとして、図示しないばねが、ナットとスペーサ１９のフランジとの間に挿入され、スペーサ１９の高さは、そのスペーサ１９が、開口５２内に挿入された時、そのスペーサ１９が、タイプレート５の裏面から突き出ないような高さである。
【００２９】
その後、弾性材料ベースプレート２０をベース５１の裏面の下に挿入した後、それらのタイプレート５上に予め取り付けられたレール２が、再度、降ろされ、そのベースプレート２０は、ねじ付きロッド４と同軸の孔を有する。有利には、電気絶縁体でありさえすればよい補足のベースプレート２１が、上述したベースプレート２０の下に配置され、それらを組み合わせたものが、図８に示されるように、コンクリートスラブ３から突き出たねじ付きロッド４をベースプレート２０、２１およびタイプレート５の開口５２内に配置された絶縁スペーサ１９の内腔に挿入することによって、コンクリートスラブ３と接触した状態にされる。この操作の間、ガイドブッシュ１３の半径寸法とほぼ同じ半径寸法を有する絶縁スペーサ１９が存在するために、タイプレート５は、それらの最終的な位置に自動的にかつ正確に配置される。
【００３０】
その後、タイプレート５が、一般的なやり方で、ねじ付きロッド４にねじ込まれたナット１８によって固定され、ナット１８は、中間物である絶縁スペーサ１９のフランジを介して、タイプレート５の上面を押さえつける。
【００３１】
本発明による仮タイプレートを使用した上述したような種類の敷設方法は、タイプレートのための均質な支持面を容易にかつ迅速に提供し、ナットを締め付ける時に、タイプレートが移動するのを防止し、そして、タイプレートの位置が時間と共に安定することを保証する。コンクリートスラブの流し込みについては、スプレッダのためにタイプレートによって塞がれることのない仮タイプレートの多数のベントのために、気泡が仮タイプレートの下に発生する虞なしに実行できるという利点を有する。
【００３２】
当然ながら、本発明は、ただ単に例として説明および図示した実施形態に決して限定されるものではなく、とりわけ、様々な構成要素の配置について、あるいは、技術的に同等なものと置き換えることによって、本発明の権利範囲を逸脱することなく変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による仮タイプレートの特定の一実施形態の上面図である。
【図２】図１に示される仮タイプレートの側面図である。
【図３】図１の線ＩＩＩ−ＩＩＩに沿った仮タイプレートの詳細断面図である。
【図４】図１の線ＩＶ−ＩＶに沿った仮タイプレートの詳細断面図である。
【図５】本発明による敷設方法を実施する装置の全体図である。
【図６】図５に示されるレールの一方の拡大図であり、本発明による敷設方法の特定の一実施形態に基づいた仮タイプレートを備える。
【図７】仮タイプレートをレールを支持するための永続的なタイプレートに結合する手段の図３に類似した詳細断面図である。
【図８】永続的なタイプレートをコンクリートスラブ上に取り付けた後のその永続的なタイプレートの部分断面側面図である。
【符号の説明】
１ 仮タイプレート
２ レール
３ コンクリートスラブ
４ アンカー部材
５ タイプレート
６ ガントリー
９ 締結具
１０ ベント
１１ 金属プレート
１１ 本体
１２ 開口
１３ ガイドブッシュ
１４ スプレッダ
１５ 段
１６ 抜き取りハンドル
１７ ワッシャー
１８ ナット
１９ 電気絶縁スペーサ
２０、２１ ベースプレート
４１ くびれ
５１ ベース
５２ 嵌合開口
６１ クランプ
６２ 電動式ビーム
Claims (6)
- コンクリートスラブが、レール軌道のレールを支持するタイプレートを固定するためのアンカー部材の周囲に流し込まれる、前記コンクリートスラブ上に前記レール軌道を敷設する方法であって、前記方法は、
仮タイプレートが、前記コンクリートの中に部分的に埋め込まれるようになされたアンカー部材を支持し、かつ、前記コンクリートスラブを流し込む時に前記仮タイプレートの裏面の下に閉じ込められた空気を抜くためのベントを含み、前記レール軌道を支持する前記タイプレートが配置されるべき位置に、前記仮タイプレートを吊り下げる段階と、
前記仮タイプレートの高さにまでコンクリートスラブを流し込む段階と、
前記コンクリートスラブが乾燥した後、前記仮タイプレートを取り除く段階と、
前記レールを支持する前記タイプレートを、それらの最終的な位置に正確に配置し、前記タイプレートを前記アンカー部材に固定する段階と、
を含む、レール軌道を敷設する方法。 - 前記レールが、ガントリーによって、前記コンクリートスラブが流し込まれるべき場所の上方に吊り下げられ、前記レールが、前記レールに予め取り付けられたタイプレートを有し、前記仮タイプレートが、前記タイプレートの下に配置され、その後、前記ガントリーによって、望みの位置に移動させられる、請求項１に記載のレール軌道を敷設する方法。
- 前記仮タイプレートを取り除く前記段階の後、かつ、前記タイプレートを配置する前記段階の前に、コンクリートが前記ベントから盛り上がることによって前記コンクリートスラブ表面上に形成されたあらゆるバリが削り取られる、請求項１に記載のレール軌道を敷設する方法。
- 請求項１から３のいずれか一項に記載のレール軌道を敷設する方法で使用される仮タイプレートであって、前記仮タイプレートが、本体を含み、前記コンクリートスラブを流し込んだ時に前記コンクリートが接触する前記本体の裏面が、ベントを含み、前記本体が、多数の貫通孔を備えたプレートからなり、前記プレートが、抜き取りハンドルを含む仮タイプレート。
- 前記プレートの外周が、段を含み、前記段が、前記プレートの裏面をなす平面に対して傾斜した上縁を有する、請求項４に記載の仮タイプレート。
- 前記本体が、前記ベントよりも大きな径を備えた開口を含み、これによりアンカー手段を前記開口に通すことのできる、請求項４に記載の仮タイプレート。
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