JP4102119B2 - 歩幅測定装置及び歩幅測定方法 - Google Patents
歩幅測定装置及び歩幅測定方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4102119B2 JP4102119B2 JP2002181826A JP2002181826A JP4102119B2 JP 4102119 B2 JP4102119 B2 JP 4102119B2 JP 2002181826 A JP2002181826 A JP 2002181826A JP 2002181826 A JP2002181826 A JP 2002181826A JP 4102119 B2 JP4102119 B2 JP 4102119B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- foot
- stride
- subject
- image
- running surface
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Image Processing (AREA)
- Image Analysis (AREA)
- Measurement Of Distances Traversed On The Ground (AREA)
- Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
- Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トレッドミル等の走行面上を歩行又は走行する被験者の歩幅を測定する歩幅測定装置及び歩幅測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、スポーツクラブ等において、適切な速度で駆動されるベルトの走行面上を被験者が走行(以下、単に「走行」という場合は歩行を含む)してトレーニング等を行うための、いわゆるトレッドミルが普及している。そして、このトレッドミルの走行面上を走行する被験者の歩幅は、被験者の走行姿勢等を評価する指標として重要視されている。このような被験者の歩幅を測定する装置としては、例えば、実公平7−45239号公報に記載のものが知られている。この公報に記載の装置は、ベルトの駆動速度と足が走行面上に着地する時間間隔との関係から歩幅を取得するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載の装置にあっては、ベルトの駆動速度の測定や走行面上への足の着地を検知するためのセンサ等をトレッドミルに設ける必要があるため、構成が複雑化し高コストとなる。また、ベルトの駆動速度と着地の時間間隔とに基づいて歩幅を算出することになるため、測定される歩幅の精度が低下するおそれがある。
【0004】
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、簡易な構成でありながら歩幅を高精度に測定することのできる歩幅測定装置及び歩幅測定方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る歩幅測定装置は、所定の速度で駆動されるベルトの走行面上を走行又は歩行する被験者の歩幅を測定する歩幅測定装置であって、被験者の足を含む画像を撮影する撮影手段と、走行面上に着地した一方の足の位置を画像に基づいて取得し、一方の足に続いて走行面上に着地した他方の足の位置を画像に基づいて取得し、一方の足の位置の時間変化に基づいて他方の足の位置に対する一方の足の位置を算出し、他方の足の位置と算出した一方の足の位置との相対距離を歩幅として算出する歩幅算出手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明に係る歩幅測定装置によれば、被験者の足を含む画像を撮影し、この画像に基づいて走行面上に順次着地した一方の足の位置と他方の足の位置とを取得し、一方の足の位置の時間変化に基づいて他方の足の位置に対する一方の足の位置を算出することによって、他方の足の位置と算出した一方の足の位置との相対距離を歩幅として算出することができる。したがって、ベルトの駆動速度の測定や走行面上への足の着地を検知するためのセンサ等を用いずに、簡易な構成によって歩幅を高精度に測定することが可能になる。
【0007】
本発明に係る歩幅測定装置において、歩幅算出手段は、画像に基づいて被験者の足の所定部の位置を取得し、所定部の位置の時間変化に基づいて被験者の足が走行面上に着地しているか否かを判断することが好ましい。被験者の足が走行面上に着地している間は、例えば、被験者の足の所定部である爪先の位置については、走行面に対して直角な方向における変位が極めて少ない。したがって、走行面上への足の着地を検知するためのセンサ等を用いなくても、足の所定部の位置の時間変化に基づいて走行面上への足の着地を検知することができる。
【0008】
また、本発明に係る歩幅測定装置は、走行面に対して所定の角度で設けられ走行面の傾きの変化に追従する位置較正マークを備え、歩幅算出手段は、位置較正マークに基づいて画像における座標を実空間における座標に座標変換することが好ましい。被験者の走行その他の理由によって走行面が上下動したり傾いたりした場合にも、走行面に対する位置較正マークの設置角度は一定に維持される。したがって、位置較正マークに基づいて画像における座標を実空間における座標に座標変換すれば、高精度な座標変換が可能になる。
【0009】
更に、本発明に係る歩幅測定装置は、被験者の走行姿勢又は歩行姿勢を被験者の正面又は側面の少なくとも一方向から撮影する姿勢撮影手段を備えることが好ましい。これにより、歩幅と同時に被験者の歩行姿勢又は走行姿勢を確認・評価することができ、歩行姿勢又は走行姿勢の改造等を効率良く行うことが可能になる。
【0010】
ところで、上記目的を達成するために、本発明は歩幅測定方法にも係り、所定の速度で駆動されるベルトの走行面上を走行又は歩行する被験者の歩幅を測定する歩幅測定方法であって、被験者の足を含む画像を撮影する撮影工程と、走行面上に着地した一方の足の位置を画像に基づいて取得し、一方の足に続いて走行面上に着地した他方の足の位置を画像に基づいて取得し、一方の足の位置の時間変化に基づいて他方の足の位置に対する一方の足の位置を算出し、他方の足の位置と算出した一方の足の位置との相対距離を歩幅として算出する歩幅算出工程とを備えることを特徴とする。
【0011】
なお、歩幅算出工程においては、画像に基づいて被験者の足の所定部の位置を取得し、所定部の位置の時間変化に基づいて被験者の足が走行面上に着地しているか否かを判断することが好ましい。
【0012】
また、歩幅算出工程においては、走行面に対して所定の角度で設けられ走行面の傾きの変化に追従する位置較正マークに基づいて、画像における座標を実空間における座標に座標変換することが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る歩幅測定装置の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
歩幅測定装置10の構成ついて説明する。図1に示すように、歩幅測定装置10は、トレッドミル100の走行面102上を走行する被験者Sの歩幅を測定する装置であって、位置較正マーク12,14、歩幅用ビデオカメラ(撮影手段)16、コンピュータ(歩幅算出手段)18及び表示部20を備えて構成されている。なお、トレッドミル100は、箱状のカバー104を有しており、このカバー104の上面には、矩形状の開口部が設けられている。カバー104内には、一対のローラ106,108が平行に配置され、このローラ106,108には、無端ベルトであるベルト110が掛け渡されている。ベルト110の上面は、カバー104の開口部から外部に臨んで走行面102を形成している。ローラ106は、駆動装置(図示しない)により回転駆動され、これにより、ベルト110は、所定の速度で矢印A方向に駆動される。
【0015】
位置較正マーク12,14は、トレッドミル100のカバー104の上面に設けられている。位置較正マーク12は、走行面102の手前側のカバー104上面に設けられ、矢印A方向に沿って所定の距離をとって設置された位置較正マーク12aと位置較正マーク12bとにより構成されている。また、位置較正マーク14は、走行面102の奥側のカバー104上面に設けられ、矢印A方向に沿って所定の距離をとって設置された位置較正マーク14aと位置較正マーク14bとにより構成されている。
【0016】
歩幅用ビデオカメラ16は、その撮影方向が矢印A方向と直角になるようにトレッドミル100の手前側に設置され、画像の水平方向が位置較正マーク12,14と平行になるように調整される。これは、撮影された画像に基づくコンピュータ18の演算処理を容易にするためである。そして、歩幅用ビデオカメラ16は、図2に示すように、トレッドミル100の走行面102上を走行する被験者Sの足F、及び位置較正マーク12,14を含む画像を撮影する。なお、歩幅用ビデオカメラ16の撮影方向が矢印A方向に対して直角以外の所定の角度で設置された場合は、当該所定の角度に基づいて座標変換処理を行えばよい。
【0017】
コンピュータ18は、歩幅用ビデオカメラ16により撮影された画像をフィールド単位で演算処理し(毎秒60コマ)、被験者Sの歩幅を算出する。表示部20は、LCDやCRT等の表示装置を備えて構成され、コンピュータ18による演算処理結果等を表示する。
【0018】
上述のコンピュータ18の構成について説明する。図3に示すように、コンピュータ18は、前足検出部22、前足位置算出部24、着地判定部26、後足位置算出部28、歩幅算出部30、各種データ算出部32、個人データ格納部34及びデータ比較部36を備えて構成されている。
【0019】
前足検出部22は、歩幅用ビデオカメラ16により撮影された画像に基づいて、左右交互に前方に振り出される被験者Sの足Fのうち前側に位置する足(以下「前足」という)の爪先Tfの座標を検出する(図2参照)。この爪先Tfの座標は、画像における座標(以下「画像座標」という)としてフィールド毎に検出される。ここで、前足検出部22による爪先Tfの画像座標の検出処理について、図4のフローチャートに従って具体的に説明する。
【0020】
まず、m番目のフィールド(以下「mフィールド」という)における画像を取得し、図2に示すように、当該画像から前足検出領域D1を抽出する(S402)。この前足検出領域D1は、トレッドミル100のベルト110上において前足の爪先Tfが存在すると想定される領域である。S402に続いて、図5(a)に示すように、前足検出領域D1における所定の画素列を被験者Sの前側から水平方向にスキャンし、ベルト110と異なる輝度値を有する画素(すなわち、足Fの像に相当する画素)を探索する(S404)。
【0021】
そして、ベルト110と異なる輝度値を有する画素が有ったか否かを判断し(S406)、無かった場合は、S404に戻り他の画素列についてS406までの処理を同様に行う。なお、S404においては、図5(a)に示すように、最初に前足検出領域D1における中心の画素列をスキャンし、続いて、図5(b)に示すように、上下の領域における中心の画素列を順次スキャンしていくというようにすると、ベルト110と異なる輝度値を有する画素を効率良く見つけ出すことができる。
【0022】
一方、S406の判断の結果、ベルト110と異なる輝度値を有する画素が有った場合は、図5(c)に示すように、更に上下の画素列をスキャンすることにより、足Fの像において前方に凸となっている前側のエッジE1を取得する(S408)。そして、前側のエッジE1において最も前方に位置する点の画像座標を、mフィールドにおける前足の爪先Tfの画像座標として検出する(S410)。
【0023】
なお、前足検出部22による爪先Tfの画像座標の検出処理は、上述のものに限らない。例えば、前足検出領域D1内においてベルト110と異なる輝度値を有する画素を水平方向に画素積算し、そのプロファイルに基づいて爪先Tfが存在する画素列を推定する。そして、推定した画素列においてベルト110と異なる輝度値を有する画素のうち最も前方に位置する画素を検出することによって、前足の爪先Tfの画像座標を検出してもよい。
【0024】
前足位置算出部24は、位置較正マーク12,14に基づいて、前足検出部22により検出された爪先Tfの画像座標を実空間における座標(以下「実空間座標」という)に座標変換し、前足の爪先Tfの実空間における位置(以下「実空間位置」という)を算出する。ここで、前足位置算出部24による爪先Tfの実空間位置の算出処理について具体的に説明する。なお、図6においては、位置較正マーク12aの位置を原点として位置較正マーク12a及び12b上にX軸を設定し、その直角方向にY軸を設定した。
【0025】
まず、図6に示すように、爪先Tfから走行面102上に垂線を下ろした際の走行面102との交点に相当する点P1の画像座標を取得する。それには、点P1のY座標を取得すればよい(点P1のX座標は、爪先TfのX座標に等しい)。そこで、図7に示すように、爪先Tfを基準として抽出された足底検出領域D2(足底が存在すると想定される領域であり、ここでは、爪先Tfを一頂点とする長方形領域)において、Y軸方向に画素列を順次スキャンして足底のエッジE2を取得し、このエッジE2の最頻値を点P1のY座標として取得する。
【0026】
なお、点P1のY座標は足底のY座標となるため、足Fが走行面102上に着地していない場合は、点P1のY座標の精度が低下することになる。しかし、歩幅の算出においては、着地判定部26により着地判定が行われ、着地している場合のデータのみが用いられることになるため、着地していない場合の精度の低いデータを無視することができる。
【0027】
点P1の画像座標を取得した後、図6に示すように、位置較正マーク12a及び14a上を通る直線と位置較正マーク12b及び14b上を通る直線との交点である点Pcの画像座標を算出し、この点Pc及び点P1を通る直線とX軸との交点である点P2の画像座標を算出する。そして、位置較正マーク12aから位置較正マーク12bまでの実空間における距離と画像における距離との比に基づいて、点P2のX座標を画像座標から実空間座標に座標変換し、前足の爪先Tfの実空間位置を算出する。すなわち、前足の爪先Tfの実空間位置は、図2の矢印A方向に沿っての位置較正マーク12aから前足の爪先Tfまでの距離となる。
【0028】
そして、前足位置算出部24は、前足の爪先Tfの実空間位置をフィールド毎に算出し、新たに算出を行ったフィールドから過去4秒間分のフィールドについて爪先Tfの実空間位置を記憶する。これは、n歩目の歩幅を算出する際に、一歩前、すなわちn−1歩目の爪先Tfの実空間位置を用いるからであり、ストライド時間(一歩に要する時間)として長めの2秒を想定し、その倍の過去4秒間分のフィールドについて爪先Tfの実空間位置を記憶するものである。
【0029】
このように、前足位置算出部24による爪先Tfの実空間位置の算出処理は、位置較正マーク12,14を基準として設定された画像座標系に基づいて行われる。そして、位置較正マーク12,14は、トレッドミル100の走行面102に対して平行に設けられ、且つ走行面102の傾きの変化に追従するため、図8に示すように、走行面102の傾きを変更可能なトレッドミル100において走行面102の傾きを変えた場合や、被験者Sの走行による振動によって走行面102が上下動した場合にも、位置較正マーク12,14は走行面102に対して平行に維持される。したがって、位置較正マーク12,14に基づいて爪先Tfの画像座標を実空間座標に座標変換すれば、高精度な座標変換が可能になる。
【0030】
なお、トレッドミル100の近くに歩幅用ビデオカメラ16を設置しなければならない場合に、通常のレンズでは撮影範囲が不十分になるおそれがある。そのような場合は、広角のレンズを用いて十分な撮影範囲を確保し、取得した爪先Tfの画像座標に対して歪曲収差の補正を行い、その後、実空間座標への座標変換を行えばよい。
【0031】
着地判定部26は、被験者Sの前足が走行面102上に着地しているか否かをフィールド毎に判定する。例えば、mフィールドについて着地判定を行う場合は、mフィールドにおいて取得した爪先Tfの画像座標と、m−1フィールド及びm−2フィールドにおいてそれぞれ取得した爪先Tfの画像座標とを比較する。そして、爪先TfのX座標が単調増加し、且つ爪先TfのY座標が一定である場合に、mフィールドにおける被験者Sの前足は走行面102上に着地していると判定する。この着地判定部26により着地判定されたmフィールドにおける爪先Tfの実空間位置をmフィールドにおける前足の着地位置とする。
【0032】
このように、走行面102上への足の着地を検知するためのセンサ等を用いなくても、爪先Tfの画像座標の時間変化に基づいて、被験者Sの前足の走行面102上への着地を検知することができる。なお、爪先TfのX座標が単調増加するという条件のみに基づいて、被験者Sの前足が走行面102上に着地しているか否かを判定することも可能である。ただし、トレッドミル100のベルト110の駆動速度が極端に遅い場合は、爪先TfのY座標が一定であるという条件を加えて判定することが望ましい。
【0033】
後足位置算出部28は、n−1歩目についての各フィールドにおける前足の着地位置の時間変化に基づいて、n歩目の前足の着地位置に対する後側に位置する足(以下「後足」という)の着地位置を算出する。このn歩目の後足はn−1歩目の前足であり、n歩目の後足の着地位置は、n歩目の前足が着地しているときに後足が実際に着地しているか否かとは無関係である。図9に、爪先Tfの実空間位置の時間変化グラフを示す。ここでは、トレッドミル100のベルト110の駆動速度が一定であることから、n−1歩目の前足の着地位置の時間変化Rを最小誤差2乗法で直線近似することによって、n歩目の前足が走行面102に着地した時点における後足の着地位置Lbを算出する。そして、n歩目が着地した時点における測定開始からの経過時間、前足の着地位置Lf及び後足の着地位置Lbを記憶する。
【0034】
歩幅算出部30は、後足位置算出部28により記憶されたn歩目が着地した時点における前足の着地位置Lfと後足の着地位置Lbとの差をとることによって、n歩目の歩幅を算出する。そして、n歩目が着地した時点における経過時間及びn歩目の歩幅を示すデータを被験者Sに対応付けて個人データ格納部34に記憶すると共に、必要に応じて表示部20に表示させる。
【0035】
各種データ算出部32は、n歩目が着地した時点における経過時間とn−1歩目が着地した時点における経過時間との差をとることによってn歩目のストライド時間を算出したり、単位時間をストライド時間で割ることによって単位時間当たりのピッチ数を算出したりする。そして、算出した各種データを被験者Sに対応付けて個人データ格納部34に記憶すると共に、必要に応じて表示部20に表示させる。
【0036】
個人データ格納部37は、歩幅算出部30や各種データ算出部32により算出された各種データを個人毎に記憶・保存する。また、データ比較部36は、被験者S自身の過去のデータ、他人のデータ又は標準データ等を個人データ格納部37から読み出し、現在測定を行っている被験者Sのデータと比較してその比較結果を表示部20に表示させる。
【0037】
次に、歩幅測定装置10の処理手順について、図10のフローチャートに従って説明する。
【0038】
歩幅用ビデオカメラ16が、トレッドミル100の走行面102上を走行する被験者Sの足F及び位置較正マーク12,14を含む画像の撮影を開始すると、コンピュータ18が、撮影された画像をフィールド単位で取得する(S1002)。そして、コンピュータ18においては、取得した画像、例えばmフィールドにおける画像に基づいて、前足検出部22が、被験者Sの前足の爪先Tfの画像座標を検出する(S1004)。続いて、前足位置算出部24が、位置較正マーク12,14に基づいて、前足検出部22により検出された爪先Tfの画像座標を実空間座標に座標変換し、爪先Tfの実空間位置を算出する(S1006)。
【0039】
そして、着地判定部26が、mフィールドにおける被験者Sの前足が走行面102上に着地しているか否かを判定し(S1008)、着地していると判定した場合は、着地していると確定した後(S1009)、S1002に戻りm+1フィールドについてS1008までの処理を同様に行う。一方、S1008の判定において、着地していないと判定した場合は、前回、すなわちm−1フィールドにおいて被験者Sの前足が走行面102上に着地していたか否かを判定する(S1010)。その結果、着地していなかった場合は、S1002に戻りm+1フィールドについてS1010までの処理を同様に行う。
【0040】
このS1010の判定において着地していたと判定されるまでは、S1002〜S1010までの処理をフィールド毎に繰り返し、これにより、n−1歩目及びn歩目についての各フィールドにおける前足の着地位置が取得される。そして、後足位置算出部28が、n−1歩目についての各フィールドにおける前足の着地位置の時間変化に基づいて、n歩目の前足が走行面102上に着地した時点における後足の着地位置を算出する(S1012)。続いて、歩幅算出部30が、後足位置算出部28により算出されたn歩目が着地した時点における前足の着地位置と後足の着地位置との差をとることによって、n歩目の歩幅を算出する(S1014)。更に、各種データ算出部32が、n歩目が着地した時点における経過時間とn−1歩目が着地した時点における経過時間との差をとることによってn歩目のストライド時間を算出したり、単位時間をストライド時間で割ることによって単位時間当たりのピッチ数を算出したりする(S1016)。
【0041】
そして、表示部20が、歩幅算出部30や各種データ算出部32により算出された各種データをディスプレイ上に表示する(S1018)。図11に、表示部20によるディスプレイ上の表示例を示す。この表示例は、トレッドミル100のベルト110の駆動速度を時速4kmから時速17kmまで徐々に加速し、その後再び時速4kmまで徐々に減速した際のデータである。上のグラフは、横軸に歩幅、縦軸にストライド時間を設定したものであり、駆動速度が遅いときはグラフの左上の領域にデータがプロットされ、加速するに従ってグラフの右下の領域にプロットが移動する様子が表されている。また、下のグラフは、各歩数における歩幅を示している。なお、ディスプレイ右上の各数値は、上のグラフの所定のプロットにおける各種データを示している。上下のグラフに基づいて、被験者Sの歩幅やストライド時間がベルト110の駆動速度に応じてどのように変化するのかを正確に把握することができる。
【0042】
以上説明したように、歩幅測定装置10によれば、被験者Sの足Fを含む画像を撮影し、この画像に基づいて、トレッドミル100の走行面102上に順次着地したn−1歩目及びn歩目についての各フィールドにおける前足の着地位置を取得し、n−1歩目についての各フィールドにおける前足の着地位置の時間変化に基づいて、n歩目の前足の着地位置に対する後足の着地位置を算出することによって、n歩目の前足の着地位置と後足の着地位置との相対距離を歩幅として算出することができる。したがって、トレッドミル100のベルト110の駆動速度の測定や走行面102上への足Fの着地を検知するためのセンサ等を用いずに、簡易な構成によって歩幅を高精度に測定することができる。
【0043】
また、歩幅測定装置10によれば、被験者Sの歩幅、ストライド時間、ピッチ数及び走行速度等を歩数毎に算出することができるため、被験者Sのバランス変動やペース配分の変動等を把握し、被験者Sの競技力向上等に役立てることが可能になる。しかも、被験者S自身の過去のデータ、他人のデータ又は標準データ等と現在測定を行っている被験者Sのデータとを比較してその比較結果を表示部20のディスプレイ上に表示させることができるため、被験者Sが比較結果を確認しながらトレーニングを行い、その場で自己の歩幅等を修正することが可能になる。なお、トレーニング中の被験者Sに対しては、ピッチ数等の比較データを音や光等によって知らせてもよい。
【0044】
更に、被験者Sに装着したマークを検知するセンサをトレッドミル100に設け、被験者Sの走行に伴う上下動をリアルタイム計測すれば、この時間波形に基づいて、被験者Sの足Fが走行面102に着地した時間及び走行面102から離れた時間を推定することができ、これにより、ストライド時間、滞空時間及び着地時間等を算出することも可能である。
【0045】
なお、図1に示すように、姿勢用ビデオカメラ(姿勢撮影手段)38を設置し、被験者Sの走行姿勢を正面、側面又は背面等から撮影し、撮影した画像を表示部20のディスプレイに同時に表示してもよい。これにより、歩幅と同時に被験者の歩行姿勢を確認・評価することができ、歩行姿勢の改造等を効率良く行うことが可能になる。
【0046】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態において、前足位置算出部24による爪先Tfの実空間位置の算出処理は、位置較正マーク12,14を基準として設定された画像座標系に基づいて行われた。しかし、位置較正マーク12,14を用いなくても、歩幅用ビデオカメラ16による撮影距離や撮影倍率等の条件を予め記憶しておけば、爪先Tfの画像座標から爪先Tfの実空間位置を算出することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る歩幅測定装置は、所定の速度で駆動されるベルトの走行面上を走行又は歩行する被験者の歩幅を測定する歩幅測定装置であって、被験者の足を含む画像を撮影する撮影手段と、走行面上に着地した一方の足の位置を画像に基づいて取得し、一方の足に続いて走行面上に着地した他方の足の位置を画像に基づいて取得し、一方の足の位置の時間変化に基づいて他方の足の位置に対する一方の足の位置を算出し、他方の足の位置と算出した一方の足の位置との相対距離を歩幅として算出する歩幅算出手段とを備えることによって、簡易な構成でありながら歩幅を高精度に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る歩幅測定装置の一実施形態を示す図である。
【図2】図1に示す歩幅測定装置の歩幅用ビデオカメラにより撮影された画像を示す図である。
【図3】図1に示す歩幅測定装置のコンピュータの機能的構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示す歩幅測定装置の前足検出部による爪先の画像座標の検出処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】図1に示す歩幅測定装置の前足検出部による爪先の画像座標の検出処理を説明するための図であり、(a)は、前足検出領域において所定の画素列を水平方向にスキャンする場合を示す概念図、(b)は、前足検出領域において(a)に続き他の画素列を水平方向にスキャンする場合を示す概念図、(c)は、足の像において前方に凸となっている前側のエッジを取得する場合を示す概念図である。
【図6】図1に示す歩幅測定装置の前足位置算出部による爪先の実空間位置の算出処理を説明するための図である。
【図7】図1に示す歩幅測定装置の前足位置算出部による足底のエッジの取得処理を説明するための図である。
【図8】図1に示す歩幅測定装置の前足位置算出部による位置較正マークに基づく画像座標系の設定処理を説明するための図である。
【図9】図1に示す歩幅測定装置の後足位置算出部による後足の着地位置の算出処理を説明するための図である。
【図10】図1に示す歩幅測定装置の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図11】図1に示す歩幅測定装置の表示部によるディスプレイ上の表示例を示す図である。
【符号の説明】
10…歩幅測定装置、12,12a,12b,14,14a,14b…位置較正マーク、16…歩幅用ビデオカメラ(撮影手段)、18…コンピュータ(歩幅算出手段)、20…表示部、22…前足検出部、24…前足位置算出部、26…着地判定部、28…後足位置算出部、30…歩幅算出部、38…姿勢用ビデオカメラ(姿勢撮影手段)、S…被験者、F…足、Tf…前足の爪先、Lf…前足の着地位置、Lb…後足の着地位置。
Claims (7)
- 所定の速度で駆動されるベルトの走行面上を走行又は歩行する被験者の歩幅を測定する歩幅測定装置であって、
前記被験者の足を含む画像を撮影する撮影手段と、
前記走行面上に着地した一方の足の位置を前記画像に基づいて取得し、前記一方の足に続いて前記走行面上に着地した他方の足の位置を前記画像に基づいて取得し、前記一方の足の位置の時間変化に基づいて前記他方の足の位置に対する前記一方の足の位置を算出し、前記他方の足の位置と算出した前記一方の足の位置との相対距離を歩幅として算出する歩幅算出手段とを備えることを特徴とする歩幅測定装置。 - 前記歩幅算出手段は、前記画像に基づいて前記被験者の足の所定部の位置を取得し、前記所定部の位置の時間変化に基づいて前記被験者の足が前記走行面上に着地しているか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の歩幅測定装置。
- 前記走行面に対して所定の角度で設けられ前記走行面の傾きの変化に追従する位置較正マークを備え、
前記歩幅算出手段は、前記位置較正マークに基づいて前記画像における座標を実空間における座標に座標変換することを特徴とする請求項1又は2に記載の歩幅測定装置。 - 前記被験者の走行姿勢又は歩行姿勢を前記被験者の正面又は側面の少なくとも一方向から撮影する姿勢撮影手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の歩幅測定装置。
- 所定の速度で駆動されるベルトの走行面上を走行又は歩行する被験者の歩幅を測定する歩幅測定方法であって、
前記被験者の足を含む画像を撮影する撮影工程と、
前記走行面上に着地した一方の足の位置を前記画像に基づいて取得し、前記一方の足に続いて前記走行面上に着地した他方の足の位置を前記画像に基づいて取得し、前記一方の足の位置の時間変化に基づいて前記他方の足の位置に対する前記一方の足の位置を算出し、前記他方の足の位置と算出した前記一方の足の位置との相対距離を歩幅として算出する歩幅算出工程とを備えることを特徴とする歩幅測定方法。 - 前記歩幅算出工程においては、前記画像に基づいて前記被験者の足の所定部の位置を取得し、前記所定部の位置の時間変化に基づいて前記被験者の足が前記走行面上に着地しているか否かを判断することを特徴とする請求項5に記載の歩幅測定方法。
- 前記歩幅算出工程においては、前記走行面に対して所定の角度で設けられ前記走行面の傾きの変化に追従する位置較正マークに基づいて、前記画像における座標を実空間における座標に座標変換することを特徴とする請求項5又は6に記載の歩幅測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002181826A JP4102119B2 (ja) | 2002-06-21 | 2002-06-21 | 歩幅測定装置及び歩幅測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002181826A JP4102119B2 (ja) | 2002-06-21 | 2002-06-21 | 歩幅測定装置及び歩幅測定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004028635A JP2004028635A (ja) | 2004-01-29 |
JP4102119B2 true JP4102119B2 (ja) | 2008-06-18 |
Family
ID=31178564
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002181826A Expired - Fee Related JP4102119B2 (ja) | 2002-06-21 | 2002-06-21 | 歩幅測定装置及び歩幅測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4102119B2 (ja) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7231834B2 (en) | 2003-07-28 | 2007-06-19 | Hamamatsu Photonics K. K. | Stride measuring apparatus |
JP2011019627A (ja) * | 2009-07-14 | 2011-02-03 | Yasuhiro Shitan | トレーニングマシン、方法、および、プログラム |
JP6413299B2 (ja) * | 2014-03-31 | 2018-10-31 | カシオ計算機株式会社 | 画像解析装置、画像解析方法、およびプログラム |
JP6075365B2 (ja) * | 2014-12-09 | 2017-02-08 | トヨタ自動車株式会社 | 歩行訓練システム |
JP6350268B2 (ja) * | 2014-12-22 | 2018-07-04 | 株式会社Jvcケンウッド | 接地検出装置、接地検出方法およびプログラム |
EP3438601B1 (en) * | 2016-03-28 | 2023-05-03 | NEC Solution Innovators, Ltd. | Measurement device, measurement method, and computer program |
JP6934154B2 (ja) * | 2017-01-20 | 2021-09-15 | 学校法人立命館 | 評価用測定装置、コンピュータプログラム、及び、評価方法 |
CN111265218A (zh) * | 2018-12-05 | 2020-06-12 | 阿里巴巴集团控股有限公司 | 运动姿态数据处理方法、装置和电子设备 |
CN114534201B (zh) * | 2020-11-26 | 2023-05-30 | 广州源动智慧体育科技有限公司 | 基于跑步机的步幅监测方法、装置、存储介质和智能设备 |
CN116465546B (zh) * | 2023-04-20 | 2024-02-13 | 苏州芯思微半导体技术有限公司 | 一种高精度气压传感器的批量标定测量装置 |
-
2002
- 2002-06-21 JP JP2002181826A patent/JP4102119B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004028635A (ja) | 2004-01-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4424869B2 (ja) | 歩幅測定装置 | |
US11033826B2 (en) | Methods and systems for sports simulation | |
US20130171601A1 (en) | Exercise assisting system | |
US9202386B2 (en) | Center of gravity shifting training system | |
WO2018158552A1 (en) | System, method and markers for assessing athletic performance | |
JP4102119B2 (ja) | 歩幅測定装置及び歩幅測定方法 | |
JP2012065723A (ja) | 歩行状態表示システム等 | |
KR101495961B1 (ko) | 골프 자세 교정 시스템 및 방법 | |
WO2013065563A1 (ja) | 歩行特性取得装置 | |
JP5572853B2 (ja) | 運動するオブジェクトに対するセンシング装置、センシング処理方法及びそれを用いた仮想ゴルフシミュレーション装置 | |
KR101019829B1 (ko) | 운동하는 볼에 대한 센싱처리장치, 센싱처리방법 및 이를 이용한 가상 골프 시뮬레이션 장치 | |
KR101837142B1 (ko) | 사용자와의 인터렉션을 이용한 트레드밀 콘텐츠 제공 장치 및 그 방법 | |
JP6123520B2 (ja) | 下肢形状変化測定装置、方法及びプログラム | |
KR102268954B1 (ko) | 골프 공 타격을 감지하는 방법 및 이를 이용한 골프 스윙 모션 분석 장치 | |
KR101019902B1 (ko) | 운동하는 볼에 대한 센싱처리장치, 센싱처리방법 및 이를 이용한 가상 골프 시뮬레이션 장치 | |
KR101019782B1 (ko) | 운동하는 볼에 대한 센싱처리장치, 센싱처리방법 및 이를 이용한 가상 골프 시뮬레이션 장치 | |
JP7148192B1 (ja) | 表示制御装置および方法並びにプログラム | |
JP4118118B2 (ja) | 試打マークのプロット方法、飛距離チャート及び飛距離チャートを利用したゴルフクラブ選択支援装置 | |
TWI736148B (zh) | 姿態檢測系統與方法 | |
JP2004167002A (ja) | 歩幅測定装置及び歩幅測定方法 | |
KR101019798B1 (ko) | 오브젝트 운동 센싱장치 및 센싱방법과, 이를 이용한 가상 골프 시뮬레이션 장치 | |
KR101019824B1 (ko) | 오브젝트 운동 센싱장치 및 센싱방법과, 이를 이용한 가상 골프 시뮬레이션 장치 | |
JP6710961B2 (ja) | ゴルフスイングの解析方法 | |
JPH0741088B2 (ja) | ゴルフスイング診断機 | |
JP2740088B2 (ja) | 打球動作練習機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050401 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080318 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080321 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110328 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110328 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120328 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130328 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130328 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |