JP4100670B2 - 回路基板支持装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回路基板を裏面側から支持する装置に関するものであり、特に、既に電子回路部品が装着されるなどして裏面に凹凸を有する回路基板の支持に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
回路基板支持装置には、複数の支持部材が支持台により長手方向に移動可能に保持され、回路基板の裏面の凹凸にならって回路基板を裏面側から支持する装置がある。この支持装置においては、例えば、支持部材の一種である複数の支持ピンが支持台に長手方向に移動可能に嵌合されるとともに、スプリングにより支持台から突出する向きに付勢されている。スプリングの付勢による支持ピンの移動限度は、支持ピンに設けられたストッパが支持台に設けられた下向きの面に当接することにより規制され、複数の支持ピンの各上端に形成された支持面が水平な一平面内に位置する状態に保たれ、各支持ピンに支持台に向かって押し戻す向きの力が加えられた場合には、スプリングの圧縮により、支持ピンの支持台側への後退が許容される。これら複数の支持ピンの支持台に対する長手方向の移動は、移動阻止装置により阻止される。移動阻止装置は、クランププレートおよびクランププレート移動装置を備えている。クランププレートは、その板面が、支持ピンの長手方向と直交する平面内において移動可能に配設され、厚さ方向に貫通して複数の大径穴が形成されるとともに、各大径穴内にそれぞれ高摩擦係数の環状ゴムが配設されている。環状ゴムの内径は支持ピンの外径より大きくされており、複数の支持ピンはそれぞれ、環状ゴム内に半径方向に隙間を有して嵌合されている。
【0003】
複数の支持ピンは、その長手方向の移動が許容され、各々の支持面が水平な一平面内に位置する状態で回路基板に裏面側から接近させられる。回路基板の裏面に電子回路部品が既に装着されていれば、複数の支持ピンのうち、回路基板の裏面の電子回路部品に対応する支持ピンが電子回路部品に当接し、回路基板を支持して上昇させられ、基板押さえ板に当接させる。その状態から更に支持台が回路基板に接近させられるのであるが、その際、電子回路部品に当接した支持ピンは、スプリングの付勢力に抗して支持台内に後退させられ、回路基板の電子回路部品が装着されていない部分に対応する支持ピンが回路基板の裏面に当接することを許容する。このように電子回路部品に対応する支持ピンがスプリングの付勢力に抗して支持台内に後退することにより、複数の支持ピンが回路基板の裏面に、その凹凸にならって下方から接触する状態となる。この状態でクランププレートが移動させられて支持ピンの移動が阻止される。クランププレートの移動により環状ゴムを介して支持ピンが押されて、支持台の支持ピンが嵌合された貫通穴の内周面に押し付けられ、その内周面との間に生ずる摩擦力および環状ゴムとの間に生ずる摩擦力によって支持ピンの移動が阻止されて、プリント配線板を強固に支持するようにされるのである。このように支持台に対して長手方向に移動可能な支持ピンを用いれば、回路基板の種類が変わり、裏面の凹凸の状態が変わっても、それに合わせて支持ピンを付け替えることなく、プリント配線板を支持させることができ、段取替えに要する時間が短縮される。また、環状ゴムを用いれば、その弾性変形により、支持ピンや支持台の貫通穴,クランププレートの大径穴の寸法誤差等が吸収されるため、これらの加工精度を高める必要がなく、安価でしかも安定して支持ピンの移動を強固に阻止することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特許第2889012号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】
しかしながら、クランププレートによる支持ピンの移動の阻止が繰り返し行われ、環状ゴムが繰り返し支持ピンに接触,離間させられれば、環状ゴムが劣化しあるいは摩耗し、支持ピンの貫通穴の内周面への押付けが不足して移動が良好に阻止されなくなる。また、支持ピンの移動を阻止するために、複数の大径穴および環状ゴムを備えたクランププレートおよびクランププレート移動装置が必要であり、移動阻止装置の構造が複雑になる問題もあった。
【0006】
本発明は、以上の事情を背景とし、複数の支持部材が支持台に対して長手方向に移動して回路基板を裏面側から支持する回路基板支持装置において、移動阻止装置の寿命を向上させるとともに、構造を簡易にすることを課題としてなされたものであり、本発明によって、下記各態様の回路基板支持装置が得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。また、一つの項に複数の事項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわけではない。一部の事項のみを選択して採用することも可能なのである。
【0007】
なお、以下の各項において、(1)項,(2)項および(4)項を合わせたものが請求項1に相当し、その請求項1に(3)項の特徴を追加したものが請求項2に、(5)項の特徴を追加したものが請求項3に、それぞれ相当する。そして、請求項3に段落〔0053〕に記載の事項を追加したものが請求項4であり、請求項1または2に(5)項の説明部分に記載の特徴を追加したものが請求項5である。
【0008】
(1)支持台と、
その支持台から上方へ突出し、かつ、支持台により長手方向に移動可能に保持された複数の支持部材と、
それら支持部材を、各支持部材の上端に形成された支持面が予め定められた面内に位置する状態に保つとともに、各支持部材に前記支持台に向かって押し戻す向きの力が加えられた場合には支持部材の支持台側への後退を許容する保持装置と、
前記支持部材の各々の前記支持台に対する長手方向の相対移動を阻止する移動阻止装置と
を含み、回路基板を裏面側から支持する回路基板支持装置において、
前記移動阻止装置を、
前記支持台に、前記複数の支持部材の各々にそれぞれ接触可能に保持された複数の拘束体と、
それら拘束体が前記複数の支持部材の各々に強く接触し、各支持部材の前記長手方向の移動を拘束する拘束状態と、各支持部材に接触しないか弱い力で接触し、支持部材の前記長手方向の移動を許容する非拘束状態とを選択的に実現する拘束・非拘束状態実現装置と
を含むものとした回路基板支持装置。
回路基板には、例えば、絶縁基板に設けられたプリント配線の全部に電子回路部品が搭載されていないプリント配線板、プリント配線の一部に既に電子回路部品が搭載されたプリント配線板、両面の一方のプリント配線に電子回路部品が搭載されるとともに、半田付け接合が行われているプリント回路板等が該当する。電子回路部品は回路基板に装着されて電子回路を構成する。
支持部材は、回路基板を負圧により吸着しない非吸着型支持部材としてもよく、回路基板を負圧により吸着して保持する吸着型支持部材である保持部材としてもよい。
拘束体としては種々の形状のものが採用可能である。例えば、球形でもよく、正多面体でもよく、形状が一定しない不定形でもよい。また、横断面形状が円形である支持部材を取り囲むように、中空円筒体や中空テーパ筒体が軸方向に複数に分割された形状の拘束体が配設されてもよい。複数の拘束体は、全部が形状,寸法が同じでもよく、少なくとも一部について、形状,寸法の少なくとも一方が2種類以上に異なっていてもよい。
「移動阻止」は、支持部材に普通に作用する力、例えば、装着装置による回路基板への電子回路部品の装着時や、高粘性流体塗布装置によるクリーム状半田,接着剤等の高粘性流体の回路基板への塗布時に回路基板を介して支持部材に加えられる力や、保持装置が支持部材に加える力であって、支持部材を支持台から押し出す向きに作用する力によっては支持部材が長手方向に移動しないようにすることを意味し、支持部材の移動を絶対的に阻止するという意味ではない。
「予め定められた面」とは、一平面、2段以上の段付面あるいは曲面等である。回路基板の被支持面たる裏面が段付面や曲面である場合には、支持部材が位置する面を、それら段付面の高さの差に等しい差を有する2段以上の平面や、回路基板の曲面に対応する曲面にすれば、支持部材の支持台内への後退量が、裏面の高さの差に関係なく、電子回路部品の突出量等によって決まるようにすることができるのである。ただし、支持部材が位置する面を回路基板の裏面と同じ形状の面とすることは不可欠ではない。
【0009】
回路基板支持装置が回路基板を支持する際には、回路基板と複数の支持部材とが互いに接近させられる。この際、拘束・非拘束状態実現装置は、非拘束状態を実現し、支持部材は支持台に対して長手方向に移動可能とされる。そのため、回路基板の裏面に、例えば、既に電子回路部品が装着されていて凹凸があれば、複数の支持部材のうち電子回路部品に対応するものが電子回路部品に当接し、その状態から更に支持部材と回路基板とが互いに接近させられるとき、電子回路部品に対応する支持部材に、支持台に向かって押し戻す向きの力が加えられる。その結果、その支持部材が支持台側へ後退し、電子回路部品に対応しない支持部材が回路基板の裏面に接触することを許容する。そして、複数の支持部材が回路基板の裏面の凹凸にならって接触した状態において拘束・非拘束状態実現装置が拘束状態を実現し、それにより支持部材の長手方向の移動が阻止され、支持部材が回路基板を裏面側から強固に支持する状態となり、回路基板への電子回路部品の装着等の作業時等に回路基板が撓むことがなく、作業が良好に行われる。
このように本項の回路基板支持装置によれば、ゴムを用いることなく、支持部材の移動を阻止することができ、移動阻止装置の寿命の長い回路基板支持装置が得られる。また、複数の拘束体の支持部材への接触強度を変えることにより、支持部材の移動を阻止し、あるいは移動を許容することができ、移動阻止装置の構成が簡易な回路基板支持装置が得られる。
【0010】
(2)前記支持台が内部に拘束体収容室を備え、前記複数の支持部材の各々がその拘束体収容室を貫通する状態で支持台に嵌合され、かつ、前記複数の拘束体が、前記拘束体収容室内に、前記支持部材に接触するとともに互いにも接触する状態で収容され、前記拘束状態では、互いに相対移動不能に拘束し合うとともに前記支持部材の長手方向の移動も拘束する (1)項に記載の回路基板支持装置。
拘束・非拘束状態実現装置が拘束状態を実現すれば、複数の拘束体は、互いに拘束し合うとともに、支持部材に強く接触してその長手方向の移動を阻止する。
【0011】
(3)前記複数の拘束体の各々が球形である (2)項に記載の回路基板支持装置。
(4)前記球形の拘束体が前記拘束体収容室に、2層以上に重なり合った状態で収容された (3)項に記載の回路基板支持装置。
本項の回路基板支持装置によれば、複数の拘束体が、支持部材の長手方向において並び、重なった状態で支持部材に接触することとなり、支持部材の拘束体との接触面積が大きく、その移動をより確実に阻止することができる。
(5)前記複数の拘束体が磁性材料により形成されるとともに、前記拘束・非拘束状態実現装置が前記拘束体を磁化する磁化装置を含む (2)項ないし (4)項のいずれかに記載の回路基板支持装置。
拘束体が磁化されれば、複数の拘束体が磁力によって互いに接触し、相対移動不能に拘束し合うとともに、支持部材に強く接触してその移動を阻止する。
支持部材は、少なくとも支持面近傍部が非磁性材料により作られ、磁力が直接電子回路部品に作用しないようにすることが望ましい。
拘束・非拘束状態実現装置は、拘束体を支持部材に押し付ける押付力を生じさせる装置であればよく、磁化装置の他、例えば、可撓性材料から成り、前記複数の拘束体を内包する気密な袋状体と、その袋状体の内部を負圧状態と負圧解除状態(大気圧状態または正圧状態)とに変更する圧力変更装置とを含むものとすることができる。
【0012】
(6)前記支持部材の少なくとも前記支持面近傍部が静電防止材型柔軟物質製とされている (1)項ないし (5)項のいずれかに記載の回路基板支持装置。
本項によれば、支持部材が回路基板の裏面に装着された電子回路部品に当接する際、柔らかく、衝撃少なく当接し、電子回路部品を損傷したりする恐れがない。また、例えば、回路基板の裏面にクリーム状半田によって仮止めされた電子回路部品が静電気によって支持部材にくっついて回路基板から離れ、脱落することが回避される。また、静電気によって支持面に埃等が付着し、支持面が汚れることが防止される。さらに、支持部材の少なくとも支持面近傍部が帯電し、回路基板の裏面に装着された電子回路部品内の回路や、回路基板に設けられた回路や集積回路等に内部破損が生ずることが防止される。回路基板の表面に電子回路部品が装着される場合、その電子回路部品内の回路の内部破損も防止される。また、回路基板の表面に電子回路部品が装着される際に回路基板の振動が防止され、表面に既に搭載されている電子回路部品のずれが防止される。さらに、電子回路部品が回路基板に当接させられる際の衝撃が緩和され、装着される電子回路部品および回路基板の裏面に装着されて支持部材が当接している電子回路部品の割れが防止される。支持部材の少なくとも支持面近傍部がクッションおよび制振部材としても機能するのである。
【0013】
(7)前記支持部材の前記支持面を前記回路基板の裏面に接触させる際に、回路基板を表面側から押さえる基板押さえ部材を含む (1)項ないし (6)項のいずれかに記載の回路基板支持装置。
基板押さえ部材は、回路基板の表面の大半に接触する平板状の部材でもよく、回路基板の一部を連続して押さえる枠状の部材でもよく、回路基板の複数箇所をそれぞれスポット状に押さえる部材でもよい。
基板押さえ部材により回路基板を押さえれば、例えば、回路基板が可撓性に富んだものであっても、支持部材が回路基板にその裏面側から接触して支持する際に回路基板が上方へ反ることが防止され、あるいは回路基板にもともと上方あるいは下方への反りがある場合にも、平らに矯正される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を回路基板の配線パターンにクリーム状半田(以下、半田と略称する)を塗布するスクリーン印刷機における回路基板の支持に適用した場合の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、スクリーン印刷機自体は、回路基板支持装置を除いて特公平2−13475号公報等において既に知られたものであり、簡単に説明する。
【0015】
本実施形態のスクリーン印刷機は、図1に概略的に示すように、本体たるベッド10上に設けられた基板搬送装置としての基板コンベヤ12(図2参照),基板支持装置16,スクリーン位置決め支持装置(図示省略),スキージ装置18を備えている。
【0016】
基板コンベヤ12は、図2に示すように、一対のレール26(図2には一方のレールのみ図示されている)を備えている。これらレール26の互いに対向する面にはそれぞれベルトコンベヤ28が設けられ、回路基板としてのプリント回路板30(図1,図3参照)を搬送するようにされている。ベルトコンベヤ28は、巻掛部材たる無端のベルト32およびベルト32を周回させる巻掛部材駆動装置たるベルト駆動装置34を備えており、プリント回路板30はベルト32上に載置され、裏面36側からベルト32により支持されて、ベルト32の移動により搬送される。一対のレール26の互いに対向する面にはそれぞれ、垂直な案内面がレール26の長手方向に平行に設けられており、それら1対の案内面がプリント回路板30の幅方向の両側から、プリント回路板30の両側面の各々を案内し、プリント回路板30をレール26の長手方向に案内する。
【0017】
スクリーン位置決め支持装置は、スクリーン40(図1参照)を位置決めし、固定装置(図示省略)によりスクリーン支持台42に固定する。スキージ装置18は、図1に示すように、2個のスキージ44,46を備えており、これらスキージ44,46が昇降装置48,50によって択一的に下降させられ、スクリーン40に接触させられた状態でスキージ移動装置52によって移動させられることにより、プリント回路板30の配線パターンにクリーム状半田が塗布される。本実施形態では、クリーム状半田の塗布時にスキージ44,46は、プリント回路板30の搬送方向と平行な方向に移動させられる。
【0018】
基板支持装置16を説明する。
基板支持装置16は、本実施形態においては、図2に示すように、基板昇降装置60および支持ピン装置62を備えている。基板昇降装置60は、基板リフタ68を有している。基板リフタ68の下面からは一対のガイドロッド70が延び出させられ、基台72に固定の案内筒74に昇降可能に嵌合されている。基板リフタ68の下面にはまた、ねじ軸76が固定され、基台72に垂直軸線まわりに回転可能かつ軸方向に移動不能に取り付けられたナット78に螺合されており、ナット78が駆動源たる駆動モータ(図示省略)によって回転させられることによりねじ軸76が上下方向に移動し、基板リフタ68が昇降させられる。
【0019】
支持ピン装置62は、図2に示すように、基板リフタ68上に設けられており、基板リフタ68の昇降により昇降させられる。支持ピン装置62は、図3に示すように、支持部材としての複数の支持ピン90および支持台92を備えている。支持台92は、本実施形態においては、製造の都合上、複数の部材が互いに組み付けられ、固定されてなり、組付け後は一体の支持台92として機能する。本実施形態において支持台92は、ベース96,正圧供給路形成部材98,負圧供給路形成部材100,スペーサ102および収容部材104を含み、基板リフタ68に位置決めされて着脱可能に固定されている。これらベース96等は板状を成し、互いに重ねられ、組み付けられた状態では、ベース96を厚さ方向に貫通して形成された複数のシリンダボア110と、負圧供給路形成部材100を厚さ方向に貫通して形成された複数の貫通穴112と、収容部材104に厚さ方向に形成された複数ずつの嵌合穴114,115とが互いに同心となる。
【0020】
スペーサ102は、負圧供給路形成部材100と収容部材104との間に挟まれている。スペーサ102には、貫通穴112に対応する部分に開口116が形成されており、その開口116が負圧供給路形成部材100と収容部材104とに塞がれて負圧供給路118が形成されている。負圧供給路118は、負圧供給路形成部材100等内に形成された通路(図示省略)および継手装置120等を介して図示しない負圧源に接続されている。
【0021】
正圧供給路形成部材98には凹部122が設けられており、この凹部122の開口がベース96によって塞がれることにより、正圧供給路124が形成されており、ベース96に設けられた複数のシリンダボア110は、正圧供給路124に開口させられている。正圧供給路124は、正圧供給路形成部材98等内に形成された通路(図示省略)および継手装置126等を介して図示しない正圧源に接続されている。前記継手装置120,126と負圧源,正圧源との間にはそれぞれ、電磁制御弁たる電磁方向切換弁(図示省略)が設けられ、負圧供給路118,正圧供給路124への負圧,正圧の供給をそれぞれ許容,遮断するようにされている。
【0022】
上記収容部材104の内部には、拘束体収容室としての球収容室128が形成され、前記複数ずつの嵌合穴114,115はそれぞれ、収容部材104の上面,下面に開口させられるとともに、球収容室128に開口させられている。前記複数の支持ピン90の各々は、球収容室128を貫通する状態で嵌合穴114,115および貫通穴112に長手方向に移動可能に嵌合され、その上端部は支持台92から上方へ突出し、かつ、支持台92により長手方向に移動可能に保持されている。
【0023】
支持ピン90は、本実施形態においては中空ピンであり、全体が非磁性材料の一種であるアルミニウムにより形成されている。支持ピン90の後端部ないし下端部には、支持ピン90より大径のピストン130が同心に設けられるとともに、前記シリンダボア110に気密にかつ軸方向に移動可能に嵌合されている。それによりシリンダボア110内には、負圧供給路形成部材100側に大気圧室132が形成され、正圧供給路形成部材98側に正圧室134が形成されている。大気圧室132は通路136によって大気に解放され、正圧室134は前記正圧供給路124に連通させられている。ピストン130も、本実施形態では、非磁性材料の一種であるアルミニウムにより形成されている。
【0024】
なお、負圧供給路形成部材100に形成された貫通穴112は寸法精度良く形成され、支持ピン90が精度良く嵌合されて、支持ピン90と負圧供給路形成部材100との間からの負圧の漏れが防止されるようにされている。
【0025】
支持ピン90の先端ないし上端には、支持ピン90の中心線に直角で一平面状を成す支持面140が形成されている。前記正圧室134に圧縮エアが供給された状態では、支持ピン90が上方へ移動する向きに付勢されるが、この付勢による支持ピン90の移動限度は、ピストン130が負圧供給路形成部材100の下面に当接することにより規定され、複数の支持ピン90が上昇端位置に位置させられるとともに、各支持面140が予め定められた面であって、水平な一平面内に位置する状態に保たれる。支持ピン90に支持台92に向かって押し戻す向きの力が加えられた場合には、ピストン130は正圧室134内のエアを圧縮して支持ピン90の支持台92側への後退を許容する。本実施形態においては、ピストン130がストッパを構成し、付勢手段を構成する正圧室134と共に保持装置138を構成している。
【0026】
支持ピン90の先端部には、吸着部材142が取り付けられている。吸着部材142はリング状を成し、ゴムまたはその類似物により作られている。吸着部材142は、本実施形態においては、例えば、静電防止対策が講じられたブチルゴムにより作られており、支持ピン90の支持面140の近傍部が静電防止型柔軟物質製とされている。支持ピン90の先端部にはまた、その側壁を半径方向に貫通する複数の通路144が形成されている。この通路144は、ピストン130が負圧供給路形成部材100の下面に当接する上昇端位置と、その上昇端位置より僅かに下方の位置との間に位置するとき、収容部材104と負圧供給路形成部材100との間に形成された前記負圧供給路118に連通する状態となる位置に形成されている。通路144が負圧供給路118に連通する状態では、支持ピン90内に負圧が供給され、支持ピン90が吸着部材142において負圧によりプリント回路板30を吸着する。本実施形態においては、支持ピン90は吸着型支持部材であって、保持部材たる保持ピンなのである。
【0027】
上記収容部材104は、本実施形態においては、磁性材料の一種である鋼により形成されており、その内部に形成された前記球収容室128内には、拘束体としての複数の球152が収容されている。拘束体は本実施形態においては球形を成すのであり、球152は、本実施形態においては、磁性材料の一種である鉄により形成されている。球152は鋼製としてもよい。これら球152は、球収容室152内に、支持ピン92に接触するとともに互いにも接触する状態であって、2層以上に重なり合った状態で収容されている。
【0028】
収容部材104は、一体の部材の内部に球収容室128および球収容室128を外部に開口させる入口(図示省略)を設け、支持ピン90を支持台92に嵌合した状態で、入口から球152を球収容室128に収容させ、収容後、入口を塞いでもよく、あるいは収容部材104を複数の部材が組み付けられて成るものとし、凹部が形成された部材と、凹部の開口を塞ぐ閉塞部材とを含み、凹部の開口を塞ぐことにより球収容室128が形成されるようにしてもよい。この場合、凹部を有する部材の底壁に支持ピン90を長手方向に移動可能に嵌合し、凹部に球152を収容した後、閉塞部材により凹部の開口を塞ぐ。閉塞部材には、複数の支持ピン90がそれぞれ長手方向に移動可能に嵌合される複数の貫通穴を設ける。なお、収容部材104の支持ピン90が嵌合される一方の嵌合穴114は寸法精度良く形成され、他方の嵌合穴115は支持ピン90が半径方向に僅かに隙間を有して嵌合される大きさとされており、支持ピン90の長手方向の移動は、前記負圧供給路形成部材100と、収容部材104の嵌合穴114が設けられた部分とによって案内される。
【0029】
前記スペーサ102および負圧供給路形成部材100は、磁性材料の一種である鋼により形成され、負圧供給路形成部材100内には電磁石154が複数埋設されている。また、前記ベース96および正圧供給路形成部材98は、非磁性材料の一種であるアルミニウムにより形成されている。したがって、電磁石154への通電により、負圧供給路形成部材100,スペーサ102および収容部材104が磁化されるとともに球152が磁化され、複数の球152が磁力により互いに強く引き付け合い、互いに相対移動不能に拘束し合うとともに、支持ピン90に強く接触してその長手方向の移動を拘束する。拘束状態が実現されるのであるのであり、支持ピン90の支持台92に対する長手方向の移動が阻止される。また、電磁石154への通電が断たれれば、磁力が消滅し、複数の球152は支持ピン90にも互いにも接触はするが力は弱く、支持ピン90の長手方向の移動を許容する非拘束状態が実現される。本実施形態においては、磁性材料製の負圧供給路形成部材100,スペーサ102,収容部材104および電磁石154等が磁化装置156を構成し、球152と共に移動阻止装置158を構成している。
【0030】
上記のように構成された支持ピン装置62の上方には、図3に示すように基板押さえ板160が設けられ、プリント回路板30を表面162側から押さえるようにされている。基板押さえ板160は、板面が水平にかつ、本実施形態においては、基板コンベヤ12によるプリント回路板30の搬送方向と平行な方向に移動可能に設けられ、図示を省略する移動装置により基板搬送方向に平行な方向に移動させられ、基板支持装置16の真上に位置する押さえ位置と、基板支持装置16上から退避した退避位置とに移動させられる。
【0031】
本スクリーン印刷機は、図1に示す制御装置200により制御される。制御装置200はコンピュータを主体とし、前記基板コンベヤ12等を制御するとともに、電源(図示省略)から前記電磁石154への電流の供給,遮断等を制御する。
【0032】
以上のように構成されたスクリーン印刷機により、図3に示すプリント回路板30の表面162にクリーム状半田を塗布する場合を説明する。このプリント回路板30の裏面36には、既に電子回路部品Cが装着され、接着または半田付けにより固定されていて凹凸がある。スクリーン印刷時には、プリント回路板30の種類に応じたスクリーン40がスクリーン支持台42に固定される。そして、プリント回路板30は搬送コンベヤ12により搬送され、図示を省略するストッパ装置により、予め定められた印刷位置であって、基板支持装置16の上方で停止させられる。プリント回路板30の搬入時には支持ピン装置62は下降端位置にあり、基板押さえ板160は押さえ位置に位置し、プリント回路板30は基板支持装置16と基板押さえ板160との間に進入させられる。
【0033】
プリント回路板30の搬入後、基板リフタ68が上昇させられ、支持ピン装置62が上昇させられてプリント回路板30を基板コンベヤ12から持ち上げ、基板押さえ板160に押し付けた状態とするのであるが、このときレール26に設けられた位置決めピン(図示省略)がプリント回路板30の位置決め穴に嵌入し、プリント回路板30を正確に位置決めする。
【0034】
支持ピン装置62の上昇時には、電磁石154への電流の供給は断たれ、移動阻止装置158においては非拘束状態が実現され、複数の支持ピン90はいずれも長手方向の移動を許容されている。そして、支持台92の正圧室134に圧縮エアが供給されており、ピストン130が負圧供給路形成部材100の下面に当接して支持ピン90は上昇端位置にあり、複数の支持ピン90の各支持面140は水平な同一平面内に位置する。そのため、基板リフタ68が上昇させられることにより、まず、多数の支持ピン90のうち電子回路部品Cに対応する支持ピン90が電子回路部品Cに当接し、ベルト32から持ち上げて基板押さえ板160に押し付け、基板押さえ板160がプリント回路板30を表面162側から押さえる。電子回路部品Cは裏面36に固定されているため、支持ピン90が当接しても電子回路部品Cがずれる恐れはない。また、支持ピン90の先端部には吸着部材142が設けられているため、プリント回路板30や電子回路部品Cに柔らかく接触する。
【0035】
この状態から更に基板リフタ68が上昇させられることにより、電子回路部品Cに当接した支持ピン90には、支持台92に向かって押し戻す向きの力が加えられ、支持ピン90は、正圧室134の正圧に基づいて支持ピン90を上方へ付勢する力に抗して支持台92側へ後退するとともに、プリント回路板30の裏面36の電子回路部品Cがない部分に対応する支持ピン90がプリント回路板30に当接する。
【0036】
このように支持ピン90が上方への付勢力に抗して支持台92側へ後退することにより、支持ピン90はプリント回路板30の凹凸に倣って下方から接触する状態となる。この際、正圧室134の正圧に基づいて、プリント回路板30には上方に付勢する力が加えられるが、プリント回路板30は基板押さえ板160に押し付けられているため上方へ反ることはなく、平らに保たれる。また、プリント回路板30にもともと上方あるいは下方への反りがある場合にも、平らな基板押さえ板160への押付けにより平らに矯正される。正圧室134の圧力は、電子回路部品Cに接触した支持ピン90が支持台92側へ後退することを許容する大きさであって、支持ピン90を、移動阻止装置158によって移動を阻止されるまで、電子回路部品Cあるいは裏面36に接触した状態に保つのに足る大きさに設定されている。
【0037】
支持ピン90がプリント回路板30に当接させられた後、支持ピン90内に負圧が供給されてプリント回路板30を吸着する。プリント回路板30の電子回路部品Cがない部分を支持する支持ピン90は、ピストン130が負圧供給路形成部材100に当接する上昇端位置より僅かに下方にあって、通路144が負圧供給路118に連通する状態にあり、負圧が供給され、プリント回路板30を供給するのに対し、電子回路部品Cに当接した支持ピン90は支持台92側への後退により通路144が負圧供給路118との連通を遮断された状態にあり、負圧が供給されない。したがって、電子回路部品Cに当接した支持ピン90は、吸着部材142がプリント回路板30に密着せず、電子回路部品Cの横断面積が吸着部材142の開口の横断面積より大きければ、吸着部材142の開口が電子回路部品Cによって塞がれることもあるが、吸着部材142は、その開口の少なくとも一部が電子回路部品Cから外れた状態で電子回路部品Cに当接することもあり、負圧が供給されれば漏れることとなるのであるが、この支持ピン90には負圧が供給されないため、負圧の漏れがなく、プリント回路板30に当接した支持ピン90によるプリント回路板30の吸着力が低下する恐れがない。
【0038】
このように支持ピン90に負圧が供給され、プリント回路板30を吸着すれば、プリント回路板30は基板押さえ板160に押し付けられた平らな状態で、支持ピン90により下方から支持されるとともに、吸着によって下方へ引き付けられた状態となる。この状態で電磁石154に電流が供給されて拘束状態が実現される。それにより、球152が磁化されて互いに相対移動不能に拘束し合うとともに、支持ピン90の球収容室128内に位置する部分に強く接触し、その長手方向の移動を阻止する。そのため、支持ピン90は、プリント回路板30の裏面36の凹凸にならってプリント回路板30を支持する状態に保たれ、プリント回路板30は下から強固に支持されるとともに、負圧による吸着によって浮き上がりも防止された状態となる。
【0039】
本実施形態においては、電子回路部品Cはプリント回路板30の裏面36に接着または半田付けによって固定されており、静電気により支持ピン90に付着してプリント回路板30から脱落することはなく、静電防止ゴム製の吸着部材142によって覆われた支持面140は、電子回路部品C等に柔らかく接触するとともに、静電気によって埃等が付着して汚れることが防止される。支持面140の帯電が防止され、電子回路部品C内の回路等が破損することも防止される。吸着部材142は、クッションでもあり、帯電防止部材でもある。
【0040】
支持ピン90の移動が阻止され、支持台92に固定された後、正圧室134が大気に解放され、エアの供給が遮断される。その後、基板押さえ板160がプリント回路板30上から退避させられる。この際、支持ピン装置62は小距離下降させられて、プリント回路板30が基板押さえ板160から離間させられる。基板押さえ板160の退避によってプリント回路板30は支持ピン90から浮き上がって上方へ反ることが可能となるが、吸着部材142によって支持ピン90側へ引き付けられているため反ることはない。また、正圧室134へのエアの供給が遮断されるため、支持ピン90が正圧に基づく付勢力によって動く恐れがなく、プリント回路板30を押したりする恐れがない。
【0041】
基板押さえ板160の退避後、基板リフタ68が更に上昇させられてプリント回路板30がスクリーン40の下面に接触させられる。そして、スキージ44あるいは46の移動によりプリント回路板30にクリーム状半田が印刷される。プリント回路板30は基板支持装置16によって下方から強固に支持されるとともに、吸着されて保持されており、プリント回路板30が撓んだり、スクリーン40に対してずれたりすることがなく、精度良く印刷が行われる。
【0042】
印刷後、支持ピン装置62が下降させられ、プリント回路板30が下降させられる。この際、負圧供給路118への負圧の供給が断たれ、吸着部材142によるプリント回路板30の吸着が解除され、支持ピン90がプリント回路板30から離間可能とされる。支持ピン装置62は、プリント回路板30が基板コンベヤ12により下方から支持される状態となってから更に下降させられ、プリント回路板30はベルト32により下方から支持され、基板コンベヤ12により搬出される。基板昇降装置60は、支持部材と回路基板とを、回路基板の板面に対して直角な方向に相対移動ないし接近,離間させる相対移動装置ないし接近・離間装置の一種であり、支持部材昇降装置でもある。
【0043】
プリント回路板30の搬出後、次にクリーム状半田が塗布されるプリント回路板30が搬入される。基板支持装置16においては、支持ピン90への負圧の供給は断たれるが、電磁石154への通電は続けられ、支持ピン90の移動が阻止され、プリント回路板30の裏面36の凹凸にならった状態のままである。したがって、次のプリント回路板30が種類が同じプリント回路板30であれば、複数の支持ピン90はそのままの状態でプリント回路板30を支持することができる。プリント回路板30は、一対のレール26の各垂直な案内面により両側面の各々を案内され、ストッパ装置によって予め定められた印刷位置において停止させられるとともに、基板支持装置16によって支持される際には位置決めピンにより位置決めされるため、同種のプリント回路板30と基板支持装置16との間には、同じ相対位置が得られ、支持ピン90は前のプリント回路板30と同様に次のプリント回路板30を支持することができる。
【0044】
種類が同じである複数のプリント回路板30に連続してクリーム状半田が印刷される場合、1枚目のプリント回路板30へのクリーム状半田の印刷時に、複数の支持ピン90にプリント回路板30の裏面36の凹凸をならわせることにより、その裏面36の状態が複数の支持ピン90によりコピーされ、支持ピン90の移動が阻止されることにより裏面36の状態が記憶されることとなる。そのため、2枚目以降のプリント回路板30については、複数の支持ピン90を移動可能な状態としてプリント回路板30の裏面36の凹凸をならわせなくても、支持ピン装置62を所定の位置へ上昇させれば、複数の支持ピン90がプリント回路板30を裏面36側からその凹凸に沿って強固に支持する状態が得られる。なお、2枚目以降のプリント回路板30の支持時にも、基板押さえ板160は用いられ、支持ピン90が裏面36に当接した状態において負圧が供給され、プリント回路板30を吸着する。
【0045】
クリーム状半田が印刷されるプリント回路板30の種類が変わり、裏面36の凹凸の状態が変わる場合には、基板支持装置16においては、電磁石154が消磁され、球152が支持ピン90の長手方向の移動を許容する状態とされる。そのため、支持ピン90は次にクリーム状半田が印刷されるプリント回路板30の裏面36の凹凸に沿ってプリント回路板30を支持することができる。本基板支持装置16によれば、例えば、配線パターンにまだ電子回路部品が装着されていないプリント配線板や、回路基板の裏面に電子回路部品の固定以外にも突部が設けられたプリント回路板や、裏面の凹凸が電子回路部品以外の突部のみによって形成されたプリント配線板等も支持することができる。
【0046】
上記実施形態において拘束・非拘束状態実現装置は磁化装置を含んで構成されていたが、袋状体および圧力変更装置を含んで構成してもよい。また、保持装置は、付勢手段としての弾性部材の一種であるスプリングにより構成してもよく、さらに、支持部材は回路基板を吸着しない非吸着型としてもよい。それらの実施形態を図4に基づいて説明する。
【0047】
本実施形態の基板支持装置250の支持ピン装置252において複数の支持ピン254(図4には1つのみ代表的に図示されている)はそれぞれ、上端に支持面256を備えており、支持面256はクッション257によって覆われている。クッション257は、ゴムまたはその類似物製であり、本実施形態においては静電防止対策が講じられている。クッション257は、例えば、前記吸着部材142と同様に、静電防止ゴム製、例えば、静電防止対策が講じられたブチルゴム製とすることができ、支持ピン254の回路基板や電子回路部品への接触を柔らかくし、また、支持面256への埃等の付着,回路の破損等が防止される。クッション258は帯電防止部材でもある。支持ピン254を保持する支持台258は、一体に図示されているが、実際には複数の部材が組み付けられて成る。支持台258内には、球収容室260が設けられており、複数の支持ピン254は、球収容室260を貫通する状態で、支持台258に設けられた嵌合穴264,貫通穴266に長手方向に移動可能に嵌合され、その上端部は支持台258から上方へ突出させられている。
【0048】
支持ピン254は、嵌合穴264内に配設された弾性部材の一種である圧縮コイルスプリング(以後、スプリングと略称する)268により、支持台258から上方へ突出する向きに付勢されている。スプリング268の付勢による支持ピン254の移動限度は、支持ピン254に設けられたストッパとしてのストッパプレート270が、嵌合穴264の肩面272に当接することにより規定される。この状態で複数の支持ピン254は上昇端位置に位置し、スプリング268の付勢により、各支持面256は水平な一平面内に位置する状態に保たれる。スプリング268のばね定数および予荷重は小さく、電子回路部品Cに接触した支持ピン254が支持台258側へ後退することを許容する大きさであって、支持ピン254を、移動阻止装置によって移動を阻止されるまで、電子回路部品Cあるいは裏面36に接触した状態に保つのに足る大きさに設定されている。本実施形態においては、スプリング268およびストッパプレート270が保持装置274を構成している。また、嵌合穴264は通路276によって大気に解放されている。
【0049】
複数の支持ピン254のそれぞれ、球収容室260内に位置する部分には、可撓性材料から成る袋状体280の一端部が気密に固着されている。袋状体280の他端部はベース260に気密に固着されており、この袋状体280内に拘束体としての複数の球282が収容されている。複数の球282は、支持ピン254に弱い力で接触させられ、互いにも接触させられるとともに、2層以上に重なり合った状態で収容されている。袋状体280内の空間は、ベース260に形成された負圧供給路284等によって図示を省略する負圧源に接続されている。
【0050】
したがって、袋状体280内に負圧が供給されて、その内部が負圧状態とされれば、袋状体280が吸引され、しぼまされて球282を締め付け、互いに相対移動不能に拘束し合わせるとともに、支持ピン254に強く接触させ、その長手方向の移動を拘束させる。拘束状態が実現されるのである。また、袋状体280への負圧の供給が断たれ、大気に解放されて内部が負圧解除状態とされれば、球282は互いに接触し、支持ピン254にも接触するが、その力は弱い状態となり、支持ピン254を拘束せず、その長手方向の移動を許容する。非拘束状態が実現されるのである。本実施形態においては、電磁制御弁(図示省略)および図示を省略する制御装置の、電磁制御弁を制御し、袋状体280への負圧の供給,遮断を制御する部分が圧力変更装置を構成し、袋状体280と共に拘束・非拘束状態実現装置を構成し、球282と共に移動阻止装置286を構成している。
【0051】
基板支持装置250がプリント回路板を支持する際には、非拘束状態が実現され、支持ピン254が長手方向に移動可能な状態にある。そして、支持ピン装置252が上昇させられ、まず、複数の支持ピン254のうち、プリント回路板の裏面に固定された電子回路部品に対応する支持ピン254が電子回路部品に当接してプリント回路板を持ち上げ、図示を省略する回路板押さえ板に押し付ける。支持ピン装置252が更に上昇させられるとき、裏面36に当接した支持ピン254はスプリング266を圧縮して支持台258側へ後退し、プリント回路板の裏面の電子回路部品がない部分に対応する支持ピン254がプリント回路板に当接する。
【0052】
複数の支持ピン254がプリント回路板の裏面にならい、プリント回路板を下方から支持する状態とされたならば、袋状体280内に負圧が供給されて支持ピン254が球282により拘束され、長手方向の移動を阻止されて、プリント回路板が支持ピン254によって裏面側から強固に支持される。なお、必要であれば、プリント回路板30を基板支持装置240にクランプするクランプ装置を設ける。プリント回路板の種類が変わる等により、支持ピン254にプリント回路板を支持し直させる場合には、袋状体280内への負圧の供給が断たれ、支持ピン254の長手方向における移動が許容される。
なお、袋状体は、複数の支持ピンに共用としてもよい。
【0053】
前記実施形態において支持ピン90は非磁性材料製とされていたが、磁性材料製とすることが望ましい。球152が磁化されるとき、支持ピン90も磁化されて球152を引き付け、球152がより強い力で支持ピン90に接触させられて、支持ピン90の長手方向の移動がより強固に阻止されるからである。この場合、支持面140の近傍部は非磁性材料製とし、磁力が電子回路部品に直接作用しないようにすることが望ましい。
【0054】
また、基板支持装置が種類が同じ回路基板を連続して支持する場合でも、回路基板1枚毎に移動阻止装置による支持部材の移動阻止を解除して、支持部材に回路基板を支持させるようにしてもよく、あるいは設定枚数毎に支持部材の移動阻止を解除して、回路基板を支持し直させてもよい。
【0055】
さらに、上記実施形態においてプリント回路板30は、基板押さえ板160に当接させられ、水平な姿勢で支持ピン90,254により支持されるようになっており、プリント回路板30の被印刷面が精度良く一平面とされ、スクリーン印刷を精度良く行うことができる。しかし、回路基板をそれほど精度良く一平面とする必要がない場合や、回路基板の剛性が高く、反りが生じないものである場合には基板押さえ部材を設けることは不可欠ではなく、省略してもよい。
【0056】
また、上記各実施形態においては、裏面に電子回路部品が固定されたプリント回路板を支持する場合を説明したが、回路基板の裏面に電子回路部品が固定されていることは不可欠ではなく、回路基板支持装置に、電子回路部品が裏面に接着剤やクリーム状半田によって仮止めされているのみの回路基板を裏面側から支持させてもよい。この場合、支持面近傍部を構成する静電防止対策が施された吸着部材142およびクッション257は、静電気によって電子回路部品が支持部材に付着し、回路基板から脱落することを防止する役割も果たす。
【0057】
さらに、上記実施形態においては支持ピン90がプリント回路板30に対して昇降させられ、これを支持するようにされていたが、回路基板を支持部材に接近,離間する方向に移動させて支持部材に支持させるようにしてもよい。
また、支持ピン90とプリント回路板30とは、上下方向に相対移動させられるようになっていたが、それらを上下方向に対して傾斜させられた方向において相対移動させて支持部材に回路基板を支持させる場合にも本発明を適用することができる。
【0058】
また、図1ないし図3に示す実施形態において球収容室は、複数の支持ピンの各々について別個に設け、各球収容室に球を収容してもよい。
【0059】
さらに、本発明は、上記各実施形態の各特徴を組み合わせた態様で実施することができる。例えば、非吸着型の支持部材の移動を移動阻止装置158によって阻止し、吸着型の支持部材の移動を移動阻止装置286によって阻止する。
【0060】
また、回路基板の両縁部を、側部拘束装置によって少なくとも上方へ移動不能に拘束してもよい。
【0061】
さらに、本発明は、回路基板にクリーム状半田を印刷する場合の回路基板の支持に限らず、ディスペンサによって接着剤を回路基板に塗布する装置,電子回路部品を回路基板に装着する装置等の作業装置により回路基板の板面について何らかの作業を行う場合や、回路検査装置により、回路基板に形成された回路を検査する場合等に回路基板を支持する装置に適用することができる。
【0062】
その他、特許請求の範囲を逸脱することなく、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である基板支持装置を備えたスクリーン印刷機を概略的に示す正面図である。
【図2】上記基板支持装置を示す正面図(一部断面図)である。
【図3】上記基板支持装置の支持ピン装置の要部を拡大して示す正面図(一部断面)である。
【図4】本発明の別の実施形態である基板支持装置の要部を拡大して示す正面図(一部断面)である。
【符号の説明】
16:基板支持装置 30:プリント回路板 60:回路板昇降装置 62:支持ピン装置 90:支持ピン 92:支持台 130:ピストン134:正圧室 138:保持装置 140:支持面 152:球 160:回路板押さえ板 200:制御装置 250:基板支持装置 254:支持ピン 256:支持面 258:支持台 260:球収容室268:スプリング 270:ストッパプレート 274:保持装置 280:袋状体 282:球 286:移動阻止装置

Claims (5)

  1. 内部に拘束体収容室を備えた支持台と、
    前記拘束体収容室を貫通して前記支持台の上方および下方へ突出し、かつ、支持台に長手方向に移動可能に嵌合された複数の支持部材と、
    それら支持部材を、各支持部材の上端に形成された支持面が予め定められた面内に位置する状態に保つとともに、各支持部材に下方へ押し戻す向きの力が加えられた場合には支持部材の下方への後退を許容する保持装置と、
    前記支持部材の各々の前記支持台に対する長手方向の相対移動を阻止する移動阻止装置と
    を含み、回路基板を裏面側から支持する回路基板支持装置において、
    前記移動阻止装置を、
    前記拘束体収容室内に前記複数の支持部材の各々に接触するとともに互いにも接触する状態で2層以上に重なり合って収容された多数の拘束体と、
    それら拘束体が前記複数の支持部材の各々に強く接触するとともに互いにも強く接触し、互いに相対移動不能に拘束し合うとともに各支持部材の前記長手方向の移動を拘束する拘束状態と、各支持部材に弱い力で接触するとともに互いにも弱い力で接触し、支持部材の前記長手方向の移動を許容する非拘束状態とを選択的に実現する拘束・非拘束状態実現装置と
    を含むものとしたことを特徴とする回路基板支持装置。
  2. 前記複数の拘束体の各々が球形である請求項1に記載の回路基板支持装置。
  3. 前記複数の拘束体の各々が磁性材料から成り、かつ、前記拘束・非拘束状態実現装置が、前記拘束体を磁化する磁化装置を含む請求項1または2に記載の回路基板支持装置。
  4. 前記支持部材の先端部が非磁性材料から成り、前記拘束体収容室を貫通する部分が磁性材料から成る請求項3に記載の回路基板支持装置。
  5. 前記拘束・非拘束状態実現装置が、前記多数の拘束体を気密に内包する袋状体と、その袋状体の内部を負圧状態と負圧解除状態とに変更する圧力変更装置とを含む請求項1または2に記載の回路基板支持装置。
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