JP4097933B2 - 皮革様シート基材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮革様シート基材およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、充実感(腰感)が良好な繊維絡合不織布と高分子弾性体からなる皮革様シート基材およびその製造方法に関する。
【0002】
現在、最も高級な人工皮革は単繊維が0.1デシテックス以下の極細繊維、とりわけ0.01デシテックス以下の極細繊維を使用して製造されており、天然皮革に匹敵する風合いを呈し、軽量、耐水性などの面では天然皮革よりも優れている。これらの高級な人工皮革は紳士靴、スポーツシューズ、鞄、衣料、インテリア素材、カーシートなどのさまざまな用途に使用されている。従って、このような高級な人工皮革はその高級な風合いを発現するために0.1デシテックス以下の繊度である極細繊維あるいは潜在的にそのような極細繊維に加工されるような繊維からなる繊維絡合不織布が使用されている。このような繊維絡合不織布を構成する極細繊維は直接紡糸によって得ることもでき、これを抄いてシート化し、重ねて編織物へ水流絡合によって一体化する、いわゆる抄紙法(水流絡合法)によって得ることもできるが、直接紡糸では糸切れが起こりやすくなるために細さに限界があり、さらに、とりわけスポーツシューズ用途などに要求される厚みおよび機械物性を満足することは困難であって、用途的な制限が大きい。このため、厚みがあり、機械物性の優れた皮革様シート基材に使用される繊維絡合不織布を製造するにはカード・ニードル法が採用されており、これに使用する繊維を製造するためには海島型断面構造を有する繊維を混合紡糸法や複合紡糸法により製造し、これより海成分を抽出除去することにより極細繊維からなる繊維質基材を製造する方法がもっぱら採用されている。
【0003】
ところが近年、あらゆる工業分野で環境にやさしい製造方法の開発が要求され、開発が進められているが、上記の混合紡糸方法や複合紡糸方法では0.01デシテックス(以下dtexと略すこともある)以下の極細繊維を得ることができる反面、極細繊維化のためには海成分を除去せねばならず、さらに除去するために、例えば海成分がポリエチレンやポリスチレンなどの場合にはトルエンやパークレンなどの有機溶剤を使用する必要があり、アルカリ易溶性の変性ポリエチレンテレフタレートなどの場合には高濃度のアルカリ液を使用する必要があるため環境面から、このような有機溶剤の使用や高濃度アルカリ液およびその中和廃液などの削減および除去される再利用しにくいポリエチレンやポリスチレンに代表される海成分由来の廃棄物の削減が求められている。
【0004】
このため、皮革様シートの製造分野では、海島型繊維を用いずに極細繊維を得る方法としてその断面において2成分が高度に分割相互配列した潜在分割性を有する接合型(多層張り合わせ型や花弁型など)ステープル繊維を分割処理することによって極細繊維からなる皮革様シート基材を製造する試みが増加してきている。そして、このような接合型の複合繊維においてはその成分相互の剥離によって鋭い縁のある繊維や、極細繊維が形成され、その剥離方法または分割方法には、特開昭54−96181号公報に見られるように、▲1▼ベンジルアルコールのような薬液の入った液で1成分を膨潤させて、その力で相互に分離させるとか、特公昭53−10170号公報、特開平2−169722号公報、さらに特開平9−217233号公報に見られるように、▲2▼物理的な力、すなわち、擦過したり、もんだり、バフィング等で表面を処理したり、ウォータージェット流を噴射するなどして、強制的に分離させる方法、▲3▼低濃度のアルカリ液で、少し溶かして相互に分離する方法を挙げることができる。
また、高分子弾性体の付与も環境にやさしい方法としては、従来から採用されているような高分子弾性体として、ポリウレタンをジメチルホルムアミド(以下DMFと略すこともある)溶液の状態で、水などの凝固液中で凝固して付与する、いわゆる湿式凝固法ではなく、水系ポリウレタン系エマルジョンや水系アクリル系エマルジョンによって付与されることが好ましい。このため、高分子弾性体の付与についても水系エマルジョンへの切替えに関する検討が数多くなされてきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、環境に負荷を掛けない製造方法の研究は、近年非常に盛んであって、上述のような潜在分割性ステープル繊維からなる繊維絡合不織布とエマルジョンにより付与される樹脂から皮革様シート基材を製造する場合、割繊処理は繊維絡合不織布を製造した後、または繊維絡合不織布を製造し高分子弾性体を付与した後に行って皮革様シート基材を得ることができる。しかし、現在までスポーツシューズなどに適応可能な厚み、機械物性と腰感を主体とする風合いを満足する皮革様シート基材が得られていないのが実状である。
【0006】
この原因として、繊維絡合不織布の物性と腰感(ボリューム感)の両立が困難であることを挙げることができる。すなわち一般には皮革様シート基材の腰感を発現するために繊維絡合不織布を構成するポリエステル成分などを熱水収縮させて、不織布密度を挙げる方法が採用されているが、このためには熱水収縮前に製造する繊維絡合不織布を構成するポリエステル成分の結晶化度は低くなるように設定せねばならない。このため、紡糸繊維を延伸する際の延伸倍率を低く設定して、結晶化度を低くして、熱水収縮能を残しておくなどの工夫が必要になる。しかし、この方法では繊維絡合不織布を形成する糸の物性は十分に延伸処理をした場合に比べて著しく劣り、とりわけ本発明において使用する潜在分割性ステープル繊維などは単独使用のポリマーからなる繊維に比較して糸物性は劣る。この原因は潜在分割性ステープル繊維においては、2種以上のポリマーが1本の繊維を形成するため、その物性は糸物性の弱い成分につられて低下するだけでなく、糸物性に大きく関わる結晶性なども互いに抑制することが原因であると考えられる。例えば熱水収縮性を有するポリエチレンテレフタレート(以下PETと表記することもある)単独繊維の糸強度が(4.0〜7.0)cN/dtexであり、ナイロン6単独繊維の糸強度が(4.0〜7.0)cN/dtexであるような2種のポリマーから繊維絡合不織布の90℃熱水での熱水収縮率が20%以上あるような5層以上の潜在分割性ステープル繊維を製造した場合、その糸強度は1.5〜2.4cN/dtexとなってしまう。そして、このような繊維からなる繊維絡合不織布から皮革様シート基材を製造しても、その機械物性、とりわけ引張強力、剥離強力、破裂強力などが不足してしまう。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の潜在分割性ステープル繊維よりなる繊維絡合不織布から構成された皮革様シート基材の機械物性と腰感、ボリューム感を両立することを課題とし、鋭意検討した結果、従来用いられているような、繊維絡合不織布を熱水収縮する方法ではなく、選択する繊維、使用油剤、ニードル種などを制御することにより、ニードルパンチ処理により繊維絡合不織布を収縮させることによって、繊維絡合不織布密度、腰感、ボリューム感をアップすることで、環境への負荷が少ない水性エマルジョンによる樹脂付与によっても十分な腰感、ボリューム感を有し、かつ機械物性にも優れた皮革様シート基材を製造することができることを見出した。さらに詳しくは、少なくとも2種の重合体成分からなり5層以上に分割可能な潜在分割性ステープル繊維、または該潜在型分割性ステープル繊維が分割した分割ステープル繊維束からなる繊維絡合不織布と高分子弾性体からなる皮革様シート基材を製造するに際して、繊維絡合不織布が、繊度2.0デシテックス以上であり、かつその動摩擦係数が0.32以下の潜在分割性ステープル繊維からなり、かつカード・ニードル法により作製される繊維絡合不織布であって、該繊維絡合不織布を製造するためカード紡出されたフリースを重ねて25〜150パンチ/cmの初期絡合を行った際の初期繊維絡合不織布面積(S1)に対して、さらにニードルパンチ処理を実施して皮革様シート基材用繊維絡合不織布とした時の最終の繊維絡合不織布面積(S2)が下記の式1を満たすことを特徴とする皮革様シート基材の製造方法が、上記の課題を満足することを見出した。
0.80≦ S2/S1 ≦0.95 …(1)
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる潜在分割性ステープル繊維は5層以上に分割可能である2種以上の重合体からなる繊維である必要があり、その断面形状からは多層張り合わせ型潜在分割性繊維、中空多層張り合わせ型潜在分割性繊維、花弁断面型潜在分割性繊維、中空花弁断面型潜在分割性繊維などが知られている。2種の成分をそれぞれ成分A、成分Bとした場合、本発明におけるステープル繊維に用いることができる成分A、成分Bの両重合体としては、SP(溶解度パラメーター)値、溶融粘度のバランスを考慮して組み合わせれば、その用途、性能に応じて任意に選ぶことができる。その例としては、ポリエチレンテレフタレート系やポリトリメチレンテレフタレート系、ポリブチレンテレフタレート系などのポリエステル系重合体、ポリエチレンやポリプロピレンで代表されるポリオレフィン系重合体、ナイロン6やナイロン66で代表されるポリアミド系重合体、その他にポリスチレン系重合体、ポリビニルアルコール系重合体、ビニルアルコール−エチレン共重合体などを挙げることができ、各成分には1種、または2種以上が用いられる。この中でも得られる皮革様シートの風合いが優れることから成分Aがポリエチレンテレフタレート系重合体、成分Bがポリアミド系重合体である組み合せなどを好適に使用することができる。
【0009】
上記、ポリエステル系重合体には、必要に応じて他のジカルボン酸成分、オキシカルボン酸成分、他のジオール成分の1種または2種以上を共重合単位として有していてもよい。その場合に、他のジカルボン酸成分としては、ジフェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸またはそれらのエステル形成性誘導体;5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)などの金属スルホネート基含有芳香族カルボン酸またはその誘導体;シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を挙げることができる。また、オキシカルボン酸成分の例としては、p−オキシ安息香酸、p−β−オキシエトキシ安息香酸またはそれらのエステル形成性誘導体などを挙げることができる。ジオール成分としては、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジオール;1,4−ビス(β−オキシエトキシ)ベンゼン、ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコールなどを挙げることができる。
【0010】
上記、ポリアミド系重合体は公知のポリアミド系化合物であるナイロン4、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン7、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタンと1、10−デカメチレンジカルボン酸からのポリアミド、1,9−ノナメチレンジカルボン酸からのポリアミドを挙げることができ、さらにこれらポリアミド成分と他成分を本発明の効果を損なわない範囲内で共重合したもの、これらポリアミド成分と他成分を本発明の効果を損なわない範囲内で混合したものを挙げることができる。これらのポリアミド化合物の中でも得られる皮革様シートの風合いが優れることからナイロン6、ナイロン66が好適に使用できる。
【0011】
また、成分Aと成分Bの重量比は目的とする断面構造が形成される限り問題はないが、好ましくは90/10〜10/90の範囲にあり、さらに好ましくは80/20〜20/80の範囲である。A、B両重合体の重量比の一方が10%未満の場合には、口金より吐出する前に重合体Aと重合体Bとを交互に配列する際に、一方の重合体の量が少ないために目的とする断面を形成することが難しくなる傾向がある。
【0012】
本発明においては、潜在分割性のステープル繊維の分割可能な層の数は5層以上である必要がある。層の数が4層以下では割繊処理後も繊度は大きく、得られる皮革様シート基材の風合いが劣る。そして、好ましい層の数は7以上である。断面構造としては多層張り合わせ型、花弁型、中空花弁型などが公知であるが、カード・ニードル工程の通過性は多層張り合わせ型が最も良いため、好適に使用される。花弁型の場合は中心部分へ向かうにつれて2成分間の間隔が狭くなり、さらに中心部分では実質的に1成分が繋がっているため、見かけの層の数まで完全に割繊することは多層張り合わせ型に比べて困難である。また、中空花弁型においては、割繊性は良好だが繊維の物理的な力に対して多層張り合わせ型に比べ劣り、カード、ニードル工程で割れを生じてしまう場合がある。また、層の数の上限としては、多分割になりすぎると潜在分割数よりも実際に分割する数が少なくなってしまう傾向にあり、200分割以下が好ましい。
【0013】
本発明における潜在分割性ステープル繊維を製造するには、成分Aと成分Bとを溶融状態とし、これを常法により交互に配列させた状態で口金ノズル孔に導き、該ノズル孔より吐出させることで製造することができる。また潜在分割性ステープル繊維のカード工程の通過性をよくする目的で、成分A、Bの両重合体を交互に配列させ、口金の内部にて細孔から吐出するまでの間に、成分Bと口金の金属と接触する部分において、成分Bの表面張力により端部が丸みをおび、そこのすきまへ成分Aが流れ込んでくるように制御することにより、成分Aによって断面の外周全体を被覆された被膜を有する繊維を得ることもできる。被膜厚みは使用する成分AおよびBのSP値や紡糸時の粘度により制御することができる。例えば、SP値の高い場合には、重合体の極性基がお互いの距離をできるだけ離れるように位置しようとするために表面張力によって端部が丸くなりやすい。そこで、重合体BのSP値が重合体AのSP値より高い方が、その端部がより丸くなり、口金との隙間にA重合体が流れ込みやすく繊維の断面の周囲全体を覆う厚い被膜を形成しやすくなる。
【0014】
該潜在分割性ステープル繊維の分割前の繊度は、2.0デシテックス以上である必要があるが、これは潜在分割性繊維のカード処理においてカード装置内に詰まって紡出できなかったり、不必要に長く滞留しないで通過できる繊度であり、かつ、これに続くニードルパンチ処理において、本発明において重要なニードルパンチ処理による幅の制御が可能となる繊度である。すなわち、繊度が2.0デシテックス未満である場合はカード処理工程でカード装置に繊維が詰まったり、不必要に長く滞留して、潜在分割性ステープル繊維が繊維絡合不織布製造工程の段階で割れが進行して、不良な繊維絡合不織布しか製造できないなどの問題を生じる。また繊度の上限としては、得られる皮革様シート基材の風合いから9.0デシテックス未満が好ましい。また、用いられる繊維のカット長はカード通過性が良好となる25mm〜100mm程度で、より好ましくは30〜70mmである。また、カード前の捲縮数としてはカード通過性が良好となる1インチ当たり5〜40山が好ましい。
【0015】
本発明においては、繊維絡合不織布を製造するためカード紡出されたフリースを重ねて25〜150パンチ/cmの初期絡合を行った際の初期繊維絡合不織布面積(S1)に対して、ニードルパンチを進行させて最終繊維絡合不織布面積(S2)となる過程での繊維絡合不織布の締まり挙動による腰感の向上発現を目的とするため、これを構成する潜在分割性ステープル繊維の動摩擦係数が重要になってくる。すなわち、動摩擦係数が0.32以下の場合は繊維絡合不織布製造工程で糸がスムースに動くため、目的とする腰感を呈する繊維絡合不織布を得ることができる。逆に動摩擦係数が0.32よりも大きいと繊維が幅方向へ締まりにくいため腰感の向上は達成されないばかりか、糸切れを起こす場合もある。また、一般的にパンチ数を上げることにより少しずつ幅方向へは締まってゆくが、パンチ数を増やしすぎると徐々に潜在分割性ステープル繊維の割繊が進行して、逆に幅が広がる挙動を示すようになる。このような状態で形成された繊維絡合不織布より製造される皮革様シート基材の腰感は不良であり、かつ前述の要求される機械物性を満足できないものとなる。また、動摩擦係数が低すぎると製造される繊維絡合不織布から繊維が素抜けて絡合が固定できないようになるため、好ましくは0.05〜0.30の範囲である。なお、ここで言う動摩擦係数はJIS−L1015(7.13)におけるレーダー法によって得られる値である。
【0016】
このため、本発明において、使用する潜在分割性ステープル繊維の動摩擦係数を要求される範囲内にするには、紡糸・延伸時あるいは捲縮・カット時あるいはカード処理前、カード処理中あるいはニードル処理前あるいはニードル処理中に繊維状態あるいはシート状態でどのような繊維表面活性剤を処理するかが重要である。繊維表面活性剤は上記の要件を満たすものであればいずれの公知の化合物でも良いが、例えば、このような繊維表面活性剤としてはシリコーン系、エチレンオキサイド系、シュガージエステル塩系、ビグアニド型カチオン系、フッ素系などの各種の平滑油剤があり、これらの1種を使用してもよいし、または2種以上を併用してもよい。平滑油剤は水溶系、水分散系いずれでもよいが、汎用面から水分散系が好適に使用される。また、これらの油剤の繊維への付与は、紡糸・延伸時あるいは捲縮・カット時あるいはカード処理前、カード処理中あるいはニードル処理前あるいはニードル処理中のいずれの段階で行ってもよいが、均一に付与できるため、紡糸・延伸工程で紡糸油剤として付与することが好ましい。付与方法は油剤浴へ通してもよいし、スプレー方式で付与する方法を用いてもよい。繊維に対する付着量は上記の条件を発現するならば特に制限されるものではないが、一般には繊維重量の0.01重量%〜0.5重量%程度であり、できるだけ少ないほうがコスト面から好ましい。
【0017】
潜在分割性ステープル繊維には、必要に応じて各種添加剤を配合し使用することができる。例えば、触媒、着色防止剤、耐熱剤、難燃剤、蛍光増白剤、艶消剤、着色剤、光沢改良剤、制電剤、芳香剤、消臭剤、抗菌剤、防ダニ剤、無機微粒子などが含まれてもよい。また、添加剤の配合は潜在分割性繊維を構成する重合体の成分のいずれか一つでも良いし、または2成分以上であっても良い。
【0018】
本発明においては上記のようにして製造される繊維をカード紡出してなるフリースを重ねて25〜150パンチ/cmの初期絡合を行った際の初期繊維絡合不織布面積(S1)に対して、さらにニードルパンチ処理を実施して皮革様シート基材用繊維絡合不織布とした時の最終繊維絡合不織布面積(S2)が下記の式1を満たすことが重要である。一般にニードルパンチ工程は複数の機台を用いて行われており、1号機または1号機と2号機によって初期の絡合が達成されるが、そのパンチ数は1号機または1号機と2号機の合計で25〜150パンチ/cmである。すなわち本発明においてはこのような初期絡合をへた繊維絡合不織布の初期繊維絡合不織布面積(S1)に対して、ニードルパンチを進行させて最終繊維絡合不織布面積(S2)となる過程での繊維絡合不織布の締まり挙動による腰感の向上発現が重要な構成要件であり、この方法により、過去に検討された熱水収縮性を有する潜在分割性ステープル繊維の使用などでは満足できなかった機械物性と腰感を主体とする風合いの両立が可能となる。ただし使用する設備によって初期絡合のパンチ数は当然異なるため、初期パンチ数が25〜50パンチ/cmと少ない場合は、繊維絡合不織布の締まる量が大きくなるため下記の値は小さい値となる傾向があり、初期パンチ数が100〜150パンチ/cmと多い場合は、繊維絡合不織布の締まる量が見掛け小さくなるため下記の値は大きい値となる傾向があるが25〜150パンチ/cmのいずれの条件で初期絡合を行っても下記式1を満足する必要がある。
0.80≦ S2/S1 ≦0.95 …(1)
【0019】
S2/S1の値が0.95より大きい場合は得られる皮革様シートは充実感や腰感といった風合いが劣るものとなるし、0.80より小さい場合は得られる皮革様シートは硬くなり、ゴワゴワした風合いが不良なものとなる。注意しなければならないのは、特に繊維絡合不織布の捲取方向のテンションが高い場合に顕著であるが、繊維絡合不織布の縦伸びが大きくなると見掛け横幅が短くなるという挙動が起こる。これはニードルパンチによる繊維絡合不織布の締まり挙動による腰感の向上という本発明の主旨とは異なるため注意が必要であり、最終状態までの縦伸び率(%)は横幅の収縮率(%)よりも低いことが好ましいのは当然であるが、その初期絡合後の長さをマーキングしておき、これをL1として、最終の絡合状態での長さがL2まで変化した場合の比はL2/L1<1.5、より好ましくはL2/L1<1.3となるような張力で処理することが好ましい。
【0020】
面積変化は、例えば、初期の25〜150パンチ/cmのパンチ処理段階で繊維絡合不織布の中央部分に縦×横に50cm×50cmのマーキングをしておいて、2500cmを初期面積(S1)とし、面積比としてパンチング処理最終の時点で、縦がL3cm、横がL4cmとなった場合には面積比S2/S1=(L3×L4)/2500で計算することで得られる。
またトータルのパンチ数としては目的とする皮革様シート基材の要求性能、物性に応じて適宜決定すればよいが、500〜4000パンチ/cmの範囲が物性面や工程性の面から好適である。パンチ数が500パンチ/cm未満では機械物性が低い傾向があるし、4000パンチ/cmより多くなると潜在分割性ステープル繊維が繊維絡合不織布製造工程で割れ易くなる傾向があるなど不具合を生じやすい。
【0021】
本発明に使用する繊維絡合不織布を製造するために使用するニードル針は1バーブのタイプが好適に使用される。一般に効率よく絡合を進めるために3バーブ以上、特に9バーブの針が使用されているが、糸切れが起こりやすく良好な繊維絡合不織布が得られない場合があり、また、針スジが目立つなど得られる皮革様シート基材の外観や風合い面で劣り用途が限定される場合がある。針の溝の深さは0.02〜0.06mmが好ましい。0.02mm未満では絡合が進みにくいし、0.06mm以上では糸切れが発生しやすくなる。
【0022】
繊維絡合不織布の見掛密度は、柔軟な風合いを有する皮革様シートを得るためには0.10〜0.60g/cmであることが好ましく、0.15〜0.50g/cmであることがより好ましい。見掛密度が0.60g/cmより大きくなると、ニードルパンチ処理の際に針折れが発生しやすくなり、工程上支障をきたす傾向がある。一方、見掛密度が0.10g/cmより小さくなると、反発性および腰感が劣り、天然皮革のような風合いが損なわれる傾向がある。
【0023】
本発明により得られる繊維絡合不織布は、上記の潜在分割性ステープル繊維からなる適度の厚みと充実感を有し、かつ柔軟な風合いを有するものでよく、繊維絡合不織布の厚みは得られる皮革様シートの用途などによって任意に選択でき、特に制限されるものではないが、0.3〜3.0mm程度であることが好ましく、0.5〜2.5mm程度であることがより好ましい。また、この繊維絡合不織布には平滑油剤以外にも、撥水剤、柔軟剤、帯電防止剤や耐光安定剤、紫外線吸収剤などの公知の化合物を付着させるなどの処理を行うことができる。該繊維絡合不織布には、前記した潜在分割性ステープル繊維の他に他の繊維が加えられていてもよい。
【0024】
本発明方法に用いられる高分子弾性体は、従来から皮革様シートを製造する際に使用されている高分子弾性体であればよい。このような高分子弾性体として、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミドエラストマーで代表されるポリアミド系樹脂、ポリエステルエラストマーで代表されるポリエステル系樹脂、弾性を有するポリスチレン系樹脂、弾性を有するポリオレフィン系樹脂などがあるが、この中でも得られる皮革様シート基材に優れた風合いを与えることから、ポリウレタン系樹脂やアクリル系樹脂が好適に使用される。また、樹脂の付与方法としてはポリウレタンなどのジメチルホルムアミド溶液を繊維絡合不織布に含浸し、水中で湿式凝固、脱洗する、いわゆる湿式凝固法と、エマルジョンを含浸して熱風、スチーム、マイクロ波、熱水浴などのいずれかの方法により樹脂の固化またはゲル化および乾燥を行うエマルジョン法を好適例として挙げることができるが、本発明においては環境にやさしい皮革様シート基材を製造するために、ポリウレタン系エマルジョン、アクリル系エマルジョンのようなエマルジョン、とりわけ水のみで分散された水性エマルジョンを使用ことが好ましい。また、これらのエマルジョンが感熱ゲル化性を有している場合、エマルジョン粒子がマイグレーションを引き起こすことなく感熱ゲル化させ均一に付与することができる。エマルジョンは乳化する界面活性剤としてHLBの低いノニオン性界面活性剤で乳化したり、いわゆるマイグレーション防止剤と称する物質を感熱ゲル化剤としてエマルジョン中に添加することにより感熱ゲル化性が得られる。添加する感熱ゲル化剤としては、例えば、塩化カルシウムなどの無機塩類とポリエチレングリコール型ノニオン性界面活性剤、ポリビニルメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、シリコーンポリエーテル共重合体、ポリシロキサン等を挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
【0025】
皮革様シート基材に付与される樹脂量は用途によって適宜選択することができるが、一般に繊維絡合不織布の重量に対して5〜150重量%であることが好ましく、15〜120重量%であることがより好ましく、30〜100重量%であることがさらに好ましい。樹脂付着量が5重量%未満では得られるシートの充実感が不足し、得られるシートの風合いが悪くなる傾向がある。一方、150重量%を越えると、得られるシートは硬くなり、風合いが悪くなる傾向がある。
【0026】
繊維絡合不織布と高分子弾性体からなる皮革様シート基材は、例えば、下記の工程(1)→(2)→(3)または(1)→(3)→(2)の順で製造することができる。特に(1)→(2)→(3)の順序で実施すれば、繊維絡合不織布に高分子弾性体が付与された後に潜在分割性ステープル繊維の割繊が行われ、柔軟化されて優れた風合いの皮革様シート基材が得られるため好ましい。また、工程(1)または工程(2)の後に熱ロールなどを用いて、所望の密度にしたり、平滑な表面を形成させることなどができる。
(1)繊度2.0デシテックス以上であり、かつ動摩擦係数が0.32以下の成分A、Bの2種の重合体成分からなる5層以上の潜在分割性ステープル繊維をカード紡出して製造されるフリースを重ね、25〜150パンチ/cmのニードルパンチを行った時の初期繊維絡合不織布面積(S1)に対して、さらにニードルパンチ処理を実施して皮革様シート基材用繊維絡合不織布とした時の最終繊維絡合不織布面積(S2)が下記の式1を満たすように繊維絡合不織布を製造する工程
0.80≦ S2/S1 ≦0.95 …(1)
(2)繊維絡合不織布に高分子弾性体を付与する工程、
(3)成分AとBからなる潜在分割性ステープル繊維を割繊する工程
【0027】
上記の工程(3)において、繊維絡合不織布化処理を行った後に、物理的処理や化学的処理などで容易に部分的な割繊を起こすことができる。潜在分割性ステープル繊維を割繊させる方法に関しては、バフィングなどの機械的応力で基体表面の接合型複合繊維を割繊する方法や、浸透剤や膨潤剤、離型剤などの各種添加剤を潜在分割性ステープル繊維中に添加したり含浸やグラビア法等で基体に付与する、或いはサーキュラーなどの揉み処理を施すなどで、基体表面あるいは基体表面と基体内部を割繊する方法などを任意に選ぶことができる。また、基体表面に存在する潜在分割性ステープル繊維の分割割合と基体内部に存在する潜在分割性ステープル繊維の分割割合も任意に選ぶことができるが、表面繊維の素抜けが起こりにくく耐ピリング性などの表面摩耗性に優れることから、基体表面の分割割合を基体内部の分割割合より大きくすることが好ましい。そして、具体的に潜在分割性ステープル繊維を割繊する方法としては、成分の1つがポリエステル系重合体であれば、30〜80℃程度のアルカリ性水溶液で一部を溶解したりすることで効率的に割繊することができるし、また100〜160℃の熱水により割繊処理すれば、アルカリ液を使用することがないため、環境面からは好ましい。また、例えばポリエチレングリコール系化合物等の添加剤をこれに併用して本発明で使用される成分AとBの膨潤性が異なるようにするなどの方法をとることも好ましい。
また、割繊の程度は、全ての潜在分割性ステープル繊維が5層以上に割繊している必要はなく、本発明の効果を損なわない程度に一部未割繊あるいは全て未割繊の潜在分割性ステープル繊維が存在していてもかまわない。
【0028】
また、このようにして得られた皮革様シート基材を染色および少なくとも片面にエメリーペーパーなどで バフィング処理することでスエード調人工皮革を製造することができる。この場合、染色処理と同時に上記の繊維の割繊処理を行うことは効率面から好適に採用される。
【0029】
また、このようにして得られた皮革様シート基材の少なくとも片面に顔料を分散したポリウレタンフィルムを張り合わせること、好ましくはポリウレタン樹脂水性分散体から形成されたポリウレタンフィルムを水性接着剤を介して張り合わせることで環境に負荷をかけない方法で銀付き調人工皮革を製造することができる。
【0030】
本発明方法により得られる皮革様シート基材は、適度な柔軟性と充実感を有し、マットレス、鞄内張り材料、衣料芯地、靴用芯材、クッション材、自動車内装材、壁材、カーペットなどに好適に使用することができる。さらに片面にポリウレタン等を既知の方法により付与することによりスポーツシューズ、紳士靴、鞄などに用いられる銀付き人工皮革としても好適に使用することができる。また、表面をエメリーペーパーなどでバフィングすることによりスエード調の人工皮革とすることもできる。
【0031】
【実施例】
以下に実施例によって本発明方法を具体的に説明するが、本発明はそれによって何ら限定されるものではない。
また、以下の例において、潜在分割性ステープル繊維のカード通過性、初期繊維絡合不織布面積(S1)と最終繊維絡合不織布面積(S2)の比(S2/S1)、皮革様シート基材の風合い、皮革様シート基材の引張強力、剥離強力の評価は以下の方法により行った。また、繊維の動摩擦係数はJIS−L1015(7.13)によるレーダー式摩擦試験機により測定した。
【0032】
[潜在分割性ステープル繊維のカード通過性]
50g/mのフリース目付重量になるようにカードを通してウエッブを作製した際の工程通過性を下記の4段階で評価した。
◎ :工程通過性は良好で、カードのロールへの巻付き滞留がなく、かつネップは50gのフリース中に認められない
○ :工程通過性は良好で、カードのロールへの巻付き滞留がなく、かつネップは50gのフリース中10ケ以内である。
△ :工程通過性に支障はきたさず、カードのロールへの巻付き滞留はないが、ネップは50ケ以上発生する
× :工程通過性が不良であり、カードのロールへの巻付きが発生し、良好なフリースを製造することができない。
【0033】
[初期繊維絡合不織布面積(S1)と最終繊維絡合不織布面積(S2)の比(S2/S1)]
初期の25〜150パンチ/cmのパンチ処理後、繊維絡合不織布の中央部分に縦×横に50cm×50cmのマーキングをしておいて、2500cmを初期面積(S1)とし、パンチング処理最終の時点での繊維絡合不織布のマーキング長の縦をL3cm、横をL4cmとして、面積比S2/S1=(L3×L4)/2500で計算した。
【0034】
[皮革様シート基材の風合い]
作製したシート基材の風合いを無作為に抽出した10人のパネラーに下記の4段階で評価させて、最も多い評価をそのシート基材の風合いとした。
○ :適度な充実感と柔軟性を有し、皮革様の風合いを呈するもの
△1 :柔軟性は有するが充実感が不足し、皮革様の風合いがやや劣るもの
△2 :充実感は有するが柔軟性が不足し、皮革様の風合いがやや劣るもの
× :皮革様の風合いを呈さないもの
【0035】
[皮革様シート基材の引張強力]
作製したシート基材から縦12cm×横2.5cmの試験片を作製し、定速伸長型引張試験機(島津製作所製オートグラフIM−100型、ロードセルCAP100kg)を用いて、ツカミ間隔50mm、引張速度25mm/minで試料片が切断する強さ(kg/2.5cm)を、4回の平均値で評価した。
【0036】
[皮革様シート基材の剥離強力]
作製したシート基材から縦25cm×横2.5cmの試験片を作製し、ゴム板に接着剤で張り合わせ、1昼夜静置した後に、定速伸長型引張試験機(島津製作所製オートグラフIM−100型、ロードセルCAP100kg)を用いて、ツカミ間隔100mmで180度剥離状態にセットして、引張速度50mm/minで試料片が剥離する強さ(kg/2.5cm)を試料5cm剥離した間の最小値の4回の平均値で評価した。
【0037】
実施例1
重合体成分Aとしてポリエチレンテレフタレート、重合体成分Bとしてナイロン6を用いて、重量比を66/34の割合で、11層に交互に配列させた後に口金より吐出させて、紡糸油剤としてKMT−506(松本油脂製薬製ポリエチレングリコール系紡糸油剤)を0.25%付着させて紡糸した。紡糸後、70℃熱水中で3.0倍に延伸し、機械捲縮を付与した。繊度は3.3デシテックスで繊維強度は3.2cN/dtexであった。また、レーダー法による繊維の動摩擦係数は0.15であった。その後51mmにカットし、図1のタイプの断面形状の繊維を得た。この潜在分割性ステープル繊維を用い、カード処理を行なってウエッブを作製したところ、カード処理通過性は「◎」であった。形態を固定するため1バーブの針での初期パンチを110パンチ/cm打った後、初期絡合不織布の中央部に50cm×50cmのマークを付けた。さらに、1670パンチ/cmまでニードルパンチ処理を行った結果、得られた繊維絡合不織布のマークは縦51.7cm、横42.2cmなった(S2/S1=0.873)。繊維絡合不織布の厚みが4.8mmで目付けは600g/m、密度は0.13で、充実感、腰感に優れていた。以後、この繊維絡合不織布を繊維絡合不織布1と称する。このようにして得られた繊維絡合不織布1へ水性ポリウレタンエマルジョンボンディック1310NSA(大日本インキ化学工業製ポリウレタンエマルジョン)を乾燥後の固形分重量で繊維絡合不織布の80重量%となるように含浸して、乾燥した後に165℃熱プレスで表面の平滑化と密度合わせを実施し、厚さ2.6mm、目付け1020g/m、密度0.39とし、厚み方向の中央から2枚にスライスした。以後、このスライス後のエマルジョンを含浸した繊維絡合不織布をエマルジョン含浸繊維絡合不織布1と称する。さらに、このエマルジョン含浸繊維絡合不織布1を、サーキュラー染色機を用いて、120℃の熱水中で40分間の繊維の割繊処理とリラックス処理を同時に行い、乾燥を経て皮革様シート基材を得た。得られた皮革様シート基材は、基材内部に極僅か未割繊の潜在型ステープル繊維が見られるものの表面部分は11層に分割された繊維束が支配的な状態であり、風合い評価で「○」となる優れた皮革様シートであった。さらにこの皮革様シート基材の機械物性を測定したところ、引張強力は31.0kg/2.5cmであり、剥離強力は7.5kg/2.5cmであった。以後、この皮革様シート基材を皮革様シート基材1と称する。
【0038】
[スエード調人工皮革の製造]
得られたエマルジョン含浸繊維絡合不織布1をサーキュラー染色機130℃中で分散染料Resolin Blue 2BRSの2%owfの濃度で染色するとともにリラックス処理をし、乾燥後にエメリーバフ機で両表面を立毛させてスエード調人工皮革を得た。得られたスエード調人工皮革の風合いは、充実感と柔軟性が両立された良好な風合い呈するものであった。
【0039】
[銀付き調人工皮革の製造]
得られた皮革様シート基材1の一面へ離型紙造面により白顔料で着色した厚み50ミクロンのポリウレタンフィルムを、水性ポリウレタン系接着剤を使用して張り合わせて銀付き調人工皮革を得た。得られた銀付き調人工皮革は柔軟で風合いに優れていた。
【0040】
実施例2
形態を固定するため1バーブの針での初期パンチを25パンチ/cm打った後に初期絡合不織布の中央部に50cm×50cmのマークを付け、さらに、1670パンチ/cmまでニードルパンチ処理を行う以外は実施例1と全く同様にして繊維絡合不織布を製造した。得られた繊維絡合不織布のマークは縦57.7cm、横40.8cmとなり(S2/S1=0.942)、目付け600g/m、厚み4.8mm、密度0.13で充実感、腰感に優れていた。また、得られた皮革様シート基材は、基材内部に極僅か未割繊の潜在型ステープル繊維が見られるものの表面部分は11層に分割された繊維束が支配的な状態であり、風合い評価で「○」となる優れたものであった。さらにこの皮革様シート基材の機械物性を測定したところ、引張強力は30.5kg/2.5cmであり、剥離強力は7.4kg/2.5cmとなった。
【0041】
実施例3
形態を固定するため1バーブの針での初期パンチを150パンチ/cm打った後に初期絡合不織布の中央部に50cm×50cmのマークを付け、さらに、1670パンチ/cmまでニードルパンチ処理を行う以外は実施例1と全く同様にして繊維絡合不織布を製造した。得られた繊維絡合不織布のマークは縦50.9cm、横42.6cmとなり(S2/S1=0.867)、目付け580g/m、厚み4.7mm、密度0.12で充実感、腰感に優れていた。また、得られた皮革様シート基材は、基材内部に極僅か未割繊の潜在型ステープル繊維が見られるものの表面部分は11層に分割された繊維束が支配的な状態であり、風合い評価で「○」となる優れたものであった。さらにこの皮革様シート基材の機械物性を測定したところ、引張強力は31.5kg/2.5cmであり、剥離強力は7.5kg/2.5cmとなった。
【0042】
比較例1
重合体成分Aとしてポリエチレンテレフタレート、重合体成分Bとしてナイロン6を用いて、重量比を66/34の割合で、11層に交互に配列させた後に口金より吐出させて、紡糸油剤としてKMT−506(松本油脂製薬製のポリエチレングリコール系紡糸油剤)を0.25%付着させて実施例1よりも高速で巻き取るようにして紡糸した。紡糸後、70℃熱水中で3.0倍に延伸し、機械捲縮を付与した。繊度は1.8デシテックスで繊維強度は3.5cN/dtexであった。また、レーダー法による繊維の動摩擦係数は0.12であった。その後51mmにカットし、図1のタイプの断面形状を呈する繊維を得た。この潜在分割性ステープル繊維を用い、カード処理を行なってウエッブを作製したところ、カード中に繊維が滞留して良好なフリースを取ることができず、カード処理通過性は「×」となった。
【0043】
比較例2
重合体成分Aとしてポリエチレンテレフタレート、重合体成分Bとしてナイロン6を用いて、重量比を66/34の割合で、11層に交互に配列させた後に口金より吐出させて、紡糸油剤としてウーポールS(松本油脂製薬製のアニオン系コロイド化合物油剤)を0.25%付着させて紡糸した。紡糸後、70℃熱水中で3.0倍に延伸し、機械捲縮を付与した。繊度は3.3デシテックスで繊維強度は3.2cN/dtexであった。また、レーダー法による繊維の動摩擦係数は0.37であった。その後51mmにカットし、図1のタイプの断面形状の繊維を得た。この潜在分割性ステープル繊維を用い、カード処理を行なってウエッブを作製したところ、カード処理通過性は「○」であった。形態を固定するため1バーブの針での初期パンチを110パンチ/cm打った後、初期絡合不織布の中央部に50cm×50cmのマークを付けた。さらに、1670パンチ/cmまでニードルパンチ処理を行った結果、得られた繊維絡合不織布のマークは縦53.5cm、横48.5cmなった(S2/S1=1.04)。繊維絡合不織布は目付け560g/m、厚さ4.3mm、密度0.13で、腰感は実施例1で得られた繊維絡合不織布1に比べて明らかに劣っていた。このようにして得られた繊維絡合不織布へ水性ポリウレタンエマルジョンボンディック1310NSA(大日本インキ化学工業製ポリウレタンエマルジョン)を乾燥後の固形分重量で繊維絡合不織布の80重量%となるように含浸して、乾燥した後に165℃熱プレスで表面の平滑化と密度合わせを実施し目付け1000g/m、厚さ2.6mm、密度0.38とした後に中央から2枚にスライスした。さらに、このエマルジョン含浸繊維絡合不織布をサーキュラー染色機を用いて、120℃の熱水中で40分間の繊維の割繊処理とリラックス処理を同時に行い、乾燥を経て皮革様シート基材を得た。得られた皮革様シート基材は、基材内部に極僅か未割繊の潜在型ステープル繊維が見られるものの表面部分は11層に分割された繊維束が支配的な状態であったが、風合い評価で「△1」となる実施例1で得られた皮革様シート基材1に比べて風合いの劣るものであった。さらにこの皮革様シート基材の機械物性を測定したところ、引張強力は28.5kg/2.5cmであり、剥離強力は7.2kg/2.5cmであった。
【0044】
比較例3
重合体成分Aとしてポリエチレンテレフタレート、重合体成分Bとしてナイロン6を用いて、重量比を66/34の割合で、11層に交互に配列させた後に口金より吐出させて、紡糸油剤としてKMT−506(松本油脂製薬製のポリエチレングリコール系紡糸油剤)を0.25%付着させて紡糸した。紡糸後、70℃熱水中で2.0倍に延伸し、機械捲縮を付与した。繊度は4.3デシテックスで繊維強度は2.2cN/dtexであった。また、レーダー法による繊維の動摩擦係数は0.14であった。その後51mmにカットし、図1のタイプの繊維を得た。この複合ステープル繊維を用い、カード処理を行なってウエッブを作製したところ、カード処理通過性は「◎」であった。形態を固定するため1バーブの針での初期パンチを110パンチ/cm打った後に初期絡合不織布の中央部に50cm×50cmのマークをつけた。これに360パンチ/cmまでニードルパンチ処理を行い、得られた繊維絡合不織布のマークは縦55.2cm、横44.5となった(S2/S1=0.983)。さらに70℃の熱水収縮処理を行い繊維絡合不織布の目付けを585g/m、厚さ5.0mm、密度0.12とした、腰感は実施例1で得られた繊維絡合不織布1に比べてやや劣っていた。このようにして得られた繊維絡合不織布へ水性ポリウレタンエマルジョンボンディック1310NSA(大日本インキ化学工業製ポリウレタンエマルジョン)を乾燥後の固形分重量で繊維絡合不織布の80重量%となるように含浸して、乾燥した後に165℃熱プレスで表面の平滑化と密度合わせを実施し、目付け1030g/m、厚さ2.6mm、密度0.40とした後に2枚にスライスした。さらに、このエマルジョン含浸繊維絡合不織布をサーキュラー染色機を用いて、120℃の熱水中で40分間の繊維の割繊処理とリラックス処理を同時に行い、乾燥を経て皮革様シート基材を得た。得られた皮革様シート基材は、基材内部に極僅か未割繊の潜在型ステープル繊維が見られるものの表面部分は11層に分割された繊維束が支配的な状態であり、風合い評価で「○」となった。さらにこの皮革様シート基材の機械物性を測定したところ、引張強力は18.2kg/2.5cmであり、剥離強力は4.2kg/2.5cmとなって皮革様シート基材1に比べ劣るものであった。
【0045】
実施例4
重合体成分Aとしてポリエチレンテレフタレート、重合体成分Bとしてポリプロピレンを用いて、重量比を50/50の割合で、花弁型8層の口金より吐出させて、紡糸油剤としてSH−7036(東レシリコーン社製のシリコーン系紡糸油剤)を0.15%付着させて紡糸した。紡糸後、70℃熱水中で3.0倍に延伸し、機械捲縮を付与した。繊度は2.8デシテックスで繊維強度は2.7cN/dtexであった。また、レーダー法による繊維の動摩擦係数は0.28であった。その後51mmにカットし、図2のタイプの断面形状を呈する複合ステープル繊維を得た。この複合ステープル繊維を用い、カード処理を行なってウエッブを作製したところ、カード処理通過性は「○」であった。形態を固定するため1バーブの針での初期パンチを50パンチ/cm打った後に初期絡合不織布の中央部に50cm×50cmのマーキングをし、さらに、3100パンチ/cmまでニードルパンチ処理を行った結果、得られた繊維絡合不織布のマークは縦52.0cm、横40.0cmとなった(S2/S1=0.832)。繊維絡合不織布は目付けが300g/m、厚み2.4mm、密度0.13で、腰感に優れていた。以後、この繊維絡合不織布を繊維絡合不織布2と称する。このようにして得られた繊維絡合不織布2へ水性アクリルエマルジョンモビニール963A(クラリアント社製アクリルエマルジョン)を乾燥後の固形分重量で繊維絡合不織布の100重量%となるように含浸して、乾燥した後に165℃熱プレスで表面の平滑化と密度合わせを実施し、目付け590g/m、厚み1.51mm、密度0.39とした。以後、このエマルジョンを含浸した繊維絡合不織布をエマルジョン含浸繊維絡合不織布2と称する。さらに、このエマルジョン含浸繊維絡合不織布をサーキュラー染色機を用いて、120℃の熱水中で40分間の繊維の割繊処理とリラックス処理を同時に行い、乾燥を経て皮革様シート基材を得た。得られた皮革様シート基材は風合い評価で「○」となる優れた皮革様シートであった。さらにこの皮革様シート基材の機械物性を測定したところ、引張強力は28.8kg/2.5cmであり、剥離強力は8.1kg/2.5cmであった。以後、この皮革様シート基材を皮革様シート基材2と称する。
【0046】
比較例4
実施例4で用いたのと全く同様にして作製した図2のタイプの断面形状の51mmにカットされた複合ステープル繊維を用い、カード処理を行なってウエッブを作製した。フリースを積層して形態を固定するため1バーブの針での初期パンチを50パンチ/cm打った後に初期絡合不織布の中央部に50cm×50cmのマーキングをし、さらに、725パンチ/cmまでニードルパンチ処理を行った結果、得られた繊維絡合不織布のマークは縦54.3cm、横44.2cmとなった(S2/S1=0.960)。繊維絡合不織布は300g/m、厚み2.4mm、密度0.13で、腰感は繊維絡合不織布2に比べ劣るものであった。このようにして得られた繊維絡合不織布へ水性アクリルエマルジョンモビニール963A(クラリアント社製アクリルエマルジョン)を乾燥後の固形分重量で繊維絡合不織布の100重量%となるように含浸して、乾燥した後に165℃熱プレスで表面の平滑化と密度合わせを実施し、目付け585g/m、厚み1.50mm、密度0.39とした。さらに、このエマルジョン含浸繊維絡合不織布をサーキュラー染色機を用いて、120℃の熱水中で40分間の繊維の割繊処理とリラックス処理を同時に行い、乾燥を経て皮革様シート基材を得た。得られたシート基材は風合い評価で「△1」となった。この皮革様シート基材の機械物性を測定したところ、引張強力は26.0kg/2.5cmであり、剥離強力は6.6kg/2.5cmであった。
【0047】
比較例5
実施例4で用いたのと全く同様にして作製した図2のタイプの断面形状の51mmにカットされた複合ステープル繊維を用い、カード処理を行なってウエッブを作製した。カードを積層して形態を固定するため1バーブの針での初期パンチを50パンチ/cm打った後に初期絡合不織布の中央部に50cm×50cmのマーキングをし、さらに、4200パンチ/cmまでニードルパンチ処理を行った結果、得られた繊維絡合不織布のマークは縦51.5cm、横37.6cmとなった(S2/S1=0.775)。繊維絡合不織布は目付けが315g/m、厚さ2.45mm、密度0.13で、実施例4で得られた繊維絡合不織布に比べて、やや硬い風合いの繊維絡合不織布となった。このようにして得られた繊維絡合不織布へ水性アクリルエマルジョンモビニール963A(クラリアント社製アクリルエマルジョン)を乾燥後の固形分重量で繊維絡合不織布の100重量%となるように含浸して、乾燥した後に165℃熱プレスで表面の平滑化と密度合わせを実施し、目付け610g/m、厚み1.48mm、密度0.41とした。このエマルジョン含浸繊維絡合不織布をサーキュラー染色機を用いて、120℃の熱水中で40分間の繊維の割繊処理とリラックス処理を同時に行い、乾燥を経て皮革様シート基材を得た。得られたシート基材は風合い評価で「△2」となる風合いの硬い皮革様シート基材となった。さらにこの皮革様シート基材の機械物性を測定したところ、引張強力は31.8kg/2.5cmであり、剥離強力は8.4kg/2.5cmであった。
【0048】
【発明の効果】
本発明方法により、従来の環境対応型の皮革様シート基材では発現できなかった優れた風合いと機械物性を両立できる潜在分割性ステープル繊維からなる繊維絡合不織布と高分子弾性体からなる皮革様シート基材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に用いられる潜在分割性ステープル繊維の断面の一例を示す図である。
【図2】本発明方法に用いられる潜在分割性ステープル繊維の断面の他の一例を示す図である。
【符号の説明】
1:成分A
2:成分B

Claims (7)

  1. 少なくとも2種の重合体成分からなり5層以上に分割可能な潜在分割性ステープル繊維、または該潜在型分割性ステープル繊維が分割した分割ステープル繊維束からなる繊維絡合不織布と高分子弾性体からなる皮革様シート基材を製造するに際して、繊維絡合不織布が、繊度2.0デシテックス以上であり、かつその動摩擦係数が0.32以下の潜在分割性ステープル繊維からなり、かつカード・ニードル法により作製される繊維絡合不織布であって、該繊維絡合不織布を製造するためカード紡出されたフリースを重ねて25〜150パンチ/cmの初期絡合を行った際の初期繊維絡合不織布面積(S1)に対して、さらにニードルパンチ処理を実施して皮革様シート基材用繊維絡合不織布とした時の最終の繊維絡合不織布面積(S2)が下記の式1を満たすことを特徴とする皮革様シート基材の製造方法。
    0.80≦ S2/S1 ≦0.95 …(1)
  2. ニードルパンチ処理に使用するニードル針が1バーブタイプである請求項1に記載の皮革様シート基材の製造方法。
  3. 高分子弾性体が水性ポリウレタン系エマルジョンおよび/または水性アクリル系エマルジョンを含浸することによって繊維絡合不織布に付与される請求項1または2に記載の皮革様シート基材の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の方法によって製造される皮革様シート基材の少なくとも片面をバフィング処理するスエード調人工皮革の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の方法によって製造される皮革様シート基材の少なくとも片面にポリウレタンフィルムを張り合わせる銀付き調人工皮革の製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の方法によって得られる皮革様シート基材。
  7. 請求項4または5に記載の方法によって得られる人工皮革。
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