JP4097908B2 - 電波透過性波長選択膜の製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明基板、特に建造物、自動車などの窓ガラスに到来する電波、および可視光線を効率よく透過させることができるとともに、太陽の熱線を反射して充分な断熱性を発揮できる電波透過波長選択膜に関する。
【従来の技術】
近年、日射を遮蔽することを目的として、導電性薄膜を被覆したり、または導電性薄膜を含むフィルムを貼り付けた窓ガラスが普及し始めた。このような窓ガラスを高層ビルに施工するとTV周波数帯域の電波を反射して、TV画面にゴーストを発生させる原因となるとともに室内アンテナで衛星放送を受信し難くなる。また、住宅用窓ガラス或いは自動車用窓ガラスとして用いた場合には、携帯電話が通じ難くなる可能性があったり、ガラスアンテナの利得が悪化したりする原因となり得る。
【0003】
このような事情から現状では、ガラス基板に電気抵抗の比較的高い透明な熱線反射膜を被覆して、可視光線の透過を一部させるとともに、電波の反射を低減させて電波障害を防止することが行なわれている。また、導電性膜付きガラスの場合には、ガラス基板に被覆させた導電性膜を、入射電波の電界方向に平行な導電性膜の長さを電波の波長の1/20倍以下になるように分割し、電波障害を防止することが特許第2620456号公報に示されている。
【0004】
しかしながら、前記の電気抵抗の比較的高い透明な熱線反射膜を被覆する方法は、電波の反射を低減して電波障害を防止することは出来るが、熱線遮蔽性能が十分ではなく、生活の快適性において問題があった。また、特許第2620456号公報に示された導電性膜を分割する方法は、分割する長さが太陽光の大部分を占める可視光、近赤外光の波長より非常に大きいので、これらの光は全て反射してしまい、電波障害を防止し充分な日射遮蔽性能を有する電波透過性波長選択スクリーンガラスは得られるが、可視光の透過性が確保できないという問題がある。さらに、開口部のサイズが2m×3mのように大きな窓では、例えば、衛星放送波を透過させるためには、衛星放送の波長約25mmの1/20、少なくとも導電膜を1.25mm平方に、好ましくは0.5mm平方に切断しなければならない。大面積の導電性膜をこのような小さいセグメントに、例えば、イットリウム−アルミニウム−ガーネットレーザで切断するには、長時間を要し現実的でない等の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明者等は、特開2000−281388号公報に記載するように、ガラス基板表面、またはガラス基板上にAlN(窒化アルミ層)を被覆した表面に、スパッタリング法により連続層よりなるAg層を成膜させたのち、熱処理することにより粒状のAgに変化生成させたAg層を積層させた電波透過性波長選択ガラスについて出願した。さらに、特開2000−344547公報に記載するように、加熱したガラス基板表面、またはガラス基板上にAlN(窒化アルミ層)を被覆した表面に、Agを成膜することにより粒状のAgに変化生成させた電波透過性波長選択ガラスについて開発した。
【0006】
ところが、更に研究を進めた結果、前記のガラス基板上にAlNを被覆した表面に、Agを成膜することにより粒状のAgに変化生成させる方法は、成膜の工程数が多いという不具合があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、このような事情に鑑みて鋭意研究した結果、窒化物とAgを混合した混合層を成膜したのち熱処理し、粒状のAg層に変化生成させても良好な電波透過性波長選択膜が得られることが判明し、本発明をなすに至った。
【0008】
すなわち、本発明の電波透過性波長選択膜は、透明基板上に形成された金属窒化物とAgの混合分散層と、その表面に生成された粒状のAgからなる複合層を少なくとも有することを特徴とする。
また、本発明の電波透過性波長選択膜は、混合分散層中のAgの濃度は、該混合分散層の表層側が大きいことを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明の電波透過性波長選択膜は、粒状のAgは、平均粒径が100nm〜0.5mm、混合分散層の表面における占有面積率が0.2〜0.8の範囲であることを特徴とする。
【0010】
さらにまた、本発明の電波透過性波長選択膜は、前記電波透過性波長選択膜の光線反射率は、波長が600nm〜1500nmの範囲において最大値を有することを特徴とする。
【0011】
またさらに、本発明の電波透過性波長選択膜は、前記複合層の下層および/または上層に誘電体層を設けたことを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明の電波透過性波長選択膜は、式(1)で定義する近赤外域の遮蔽率(Es)が0.3以上であることを特徴とする。
【0013】
式2
Figure 0004097908
【0014】
ここで、λ : 透明基板(膜面側)に入射する電磁波の波長
Rdp: 波長λにおける透明基板(膜面側)の反射率
Isr: 波長λにおけるエアーマス1.0における太陽の放射強度
さらに、本発明の電波透過性波長選択膜は、混合分散層の空孔率が0.01〜0.5であることを特徴とする。
【0015】
本発明の透明基板上に形成された金属窒化物とAgの混合分散層と、その表面に生成された粒状のAgからなる複合層を少なくとも有する電波透過性波長選択膜の製法は、透明基板上に金属窒化物とAgとが混合されてなる混合層を成膜したのち、該膜を熱処理をすることにより、金属窒化物とAgの混合分散層と、その表面に生成された粒状のAgからなる複合層を形成してなることを特徴とする。
【0016】
さらに、本発明の電波透過性波長選択膜の製法は、式(2)で定義する前記混合層におけるAgの体積含有量(Vag)は、0.5以下であることを特徴とする。
【0017】
式3
Figure 0004097908
【0018】
ここで、Wag: 透明基板1m2 当たりに積層されたAgの重量
Wn : 透明基板1m2 当たりに積層された金属窒化物の重量
ρag: Agバルクの密度 (単位:kg/m3
ρn : 金属窒化物バルクの密度(単位:kg/m3
さらにまた、本発明の電波透過性波長選択膜の製法は、前記混合層を成膜した後の熱処理における加熱方法は、抵抗加熱、ガス燃焼加熱、レーザまたは電子線などのビームの照射、または誘導加熱の内の少なくとも1種を用いることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の電波透過性波長選択膜は、透明基板上に形成された金属窒化物とAgの混合分散層と、その表面に生成された粒状のAgからなる複合層を少なくとも有することを特徴とする。
【0021】
本発明の金属窒化物層は、Al、Si、Ti、Taの金属の内の少なくとも1種よりなる窒化物が好ましく、これらの窒化物とAgを混合した混合層を成膜したのち、熱処理することにより、金属窒化物とAgの混合分散層と、その表面に生成された粒状のAgからなる複合層を形成させることができる。
【0022】
本発明の電波透過性波長選択膜は、前記複合層の下層及び/または上層に誘電体層を設けることが好ましい。この誘電体層としては、Al、Si、Ti、Ta、Ge、In、W、V、Mn、Cr、Ni、ステンレスのいずれかの窒化物、Al、Si、Zn、Sn、Ti、Ta、Ge、In、W、V、Mn、Cr、Ni、ステンレスのいずれかの酸化物、およびこれらを多層に積層したもの等を用いることができる。特に、Al、Siの窒化物、Al、Si、Zn、Sn、Ti、Ta、Inの酸化物は無色透明であるので、可視光透過率の高い電波透過性波長選択膜を必要とする建築用、車輌用窓ガラスに適している。なお、粒状のAgを表面に生成させた複合層上に、さらに誘電体層を被覆すると、透明基板上に成膜した誘電体層との相互作用によって可視光透過率を高められるとともに複合層の保護膜として作用するので好ましい。この場合には、誘電体層としてAl、Siの窒化物、Al、Si、Zn、Sn、Ti、Ta、Inの酸化物または、これらを多層に積層したものが望ましい。
【0023】
また、本発明の電波透過性波長選択膜は、式(1)で定義した近赤外域の遮蔽率(Es)が0.3以上であることが好ましく、この特性を有する電波透過性波長選択膜を得るには、選択膜の反射率が600nm〜1500nmの波長範囲で最大となるように混合分散層の表面に生成する粒状のAgの粒径を制御する必要がある。この目的に適合する粒状のAgの平均粒径は100nm以上、占有面積率は0.2以上であることが好ましい。なお、粒状のAgの占有面積率とは、Ag微粒子の外部形態を法線方向から電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)で観察した像をAg微粒子とそうでない背景部とに2値化して、Ag微粒子の総面積を求め、SEM画像全体の面積で除した値を示す。ここでいう2値化は、Ag微粒子を白色、マトリックスを黒色に塗り分けて画像処理を行なう。
【0024】
粒状のAgの占有面積率が0.2以下になると、粒状Ag間の平均距離が粒径の2倍以上になり、粒子間の相互干渉が小さくなり、単独で粒子が存在している状態に近づく。そのため、光線反射率は占有面積率程度となり、反射率がたとえ600nm〜1500nmの波長範囲で最大となっても、目標の近赤外線遮蔽率が得られない。粒状のAgの平均粒径が100nm以下であると、いかなる占有面積率に対しても反射率が最大となる波長は600nm以下となる。
【0025】
一方、銀粒子の粒径は0.5mm以下が望ましい。その理由は、本発明者等が出願した特開2000−281388号公報に記したように、粒径が0.5mm以上になると現在使用されている放送波の内、最も波長の短い衛星放送波の波長の1/20以上になり、電波障害が問題となる(特許登録番号2620456参照)。
【0026】
さらに、式(2)で定義した窒化物とAgを混合したAgの体積含有量(Vag)は、0.5以下であることが好ましい。この値が大きいほど平均粒径は大きくなるが、0.5を越えると粒状のAgが生成し難くなる。粒子の生成過程を知るために、Ag体積含有量0.25の試料について日本電子製JAMP−30型オージェ電子分光法で膜表面から内部方向のAg元素の分布を測定した。その結果、熱処理前の試料ではAgの濃度は深さ方向にほぼ一定で、均質であったが、熱処理後の試料ではAgの濃度は、混合分散層の表層側が大きく表面で極大となった。また、熱処理前の試料の比抵抗はAgの100倍以上であった。これらのことから、混合層中におけるAgは、金属窒化物の三次元骨格で遮られて連続膜ではなく、クラスター状に存在している。このAgが金属窒化物の三次元骨格の隙間を拡散して、表層でAg微粒子を生成したものと推定できる。
【0027】
したがって、特開2000−281388号公報に記載したAg単層膜(連続膜)を熱処理して粒状Agを生成させる方法に比べて本発明の窒化物とAgを混合した連続層を熱処理して粒状Agを生成させる方法は少ないエネルギーで同様の構造の電波透過性波長選択膜を作製することができる。混合層におけるAgの一部が連続膜を形成するようなAg体積含有量0.5以上では、熱処理後に粒状のAgが生成し難くなることが上記の実験結果から明らかである。
なお、1m2 当たりに最低必要なAg量は、30mg/m2〜500mg/m2の範囲とすることが好ましい。
【0028】
金属窒化物とAgの混合分散層とその表面に生成された粒状のAgからなる窒化物と銀の複合層は、透明基板表面に直接被覆しても構わないし、透明基板の表面に誘電体層を被覆させた表面に該複合層を積層することもできる。なお、透明基板としては、ガラス基板、透明セラミック基板、耐熱性透明プラスチック等を用いることができ、目的に応じて適宜選択し得る。
【0029】
得られた波長選択膜は、TV放送、衛星放送、携帯電話それぞれの周波数帯域の電波に対して反射率を低減させて、電波障害を防止するとともに、充分な日射遮蔽性能と可視光線透過性を有する電波透過性波長選択膜であり、前記基板表面に被覆することで、建築用窓ガラス、自動車用窓ガラス用等に用いることができる。
【0030】
金属窒化物とAgの混合層、誘電体層を成膜する方法については、特に限定するものではなく、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、イオンプレーティング等の成膜法を用いて、金属窒化物の膜を常法で形成する際にAgをターゲット材として付加するなどの手段により成膜することが可能であるが、特に、DCマグネトロンスパッタリング法は生成する層の均一性、生産性の点より好ましい。
【0031】
また、成膜したのち熱処理を行うことにより、混合層中のAgは、窒化物層の表層に粒子状のAgを生成する。この粒径は、前記した0.5mmより小さく、また、Ag膜の厚み、熱処理条件などを制御することにより、近赤外線を選択的に反射する膜が得られる。なお、熱処理を行う加熱方法としては、抵抗加熱、ガス燃焼加熱、レーザまたは電子線などのビームの照射、または誘導加熱等を適宜用いることが可能である。そのうち、前記混合層には吸収されるが、基板とは相互作用のないレーザビームを短時間照射して熱処理を行うと、基板はほとんど加熱されないので、耐熱性透明プラスチックを基板とする系に対しては特に適している。また、導電性物質のみを選択的に加熱できる誘導加熱も同様である。
【0032】
なお、熱処理条件については、熱処理温度は150℃以上で、抵抗加熱、ガス燃焼加熱の場合、透明基板が劣化しない温度以下とすることが好ましい。また、レーザまたは電子線などのビームの照射、または誘導加熱の場合の熱処理温度の上限は、Agの沸点2212℃である。また、熱処理時間は、抵抗加熱、ガス燃焼加熱の場合、数秒から数時間、レーザまたは電子線などのビームの照射、または誘導加熱の場合、マイクロ秒から数秒とすることが好ましい。
【0033】
また、Agは紫外線領域にプラズマ振動数が存在し、さらに、この周波数の低周波数側に「銀の窓」と呼ばれるAgの消衰係数が無限小になる領域があるので、Ag粒子の厚みと誘電体層膜の膜厚を制御すれば、可視光の透過性が確保できる。
【0034】
【実施例】
以下、本発明の実施例を述べる。但し、本発明は、これに限定するものではない。
【0035】
実施例1
本発明の電波透過性波長選択膜付きガラスは次に示す手順で製造した。
(1)洗浄した厚さ3mmのフロートガラス板をDCマグネトロンスパッタリング装置内に入れ、槽内の真空度が2〜4×10-4Paに達するまで排気した。なお、ターゲット−ガラス基板間の距離は90mmに固定した。
(2)純Alターゲット(直径129mm、厚み10mm)のエロージョン域にAgチップ(10mm×10mm×1mmの直方体)4個を等間隔に載置した。このターゲットにDC200Wを印加して放電させ、反応性スパッタで膜厚200nmのAlN−Ag混合層を作製した。なお、異常放電を防止するために、周波数10kHzの矩形パルス波をカソードに印加した。スパッタリング中、N2/Ar混合ガスのガス流量比を20/7に、圧力を1Paに制御した。
(3)混合層を被覆した試料を雰囲気温度500℃の恒温炉で5分間加熱し、金属窒化物とAgの混合分散層と、その表面に生成された粒状のAgからなる複合層を有する電波透過性波長選択膜付きガラスを作製した。
【0036】
このようにして得られた電波透過性波長選択膜付きガラスの反射率を日立製作所製U−4000型自記分光光度計を用いて波長300〜2500nmの範囲で測定したところ、900nmで最大となった。測定値を式(1)に代入して算出した近赤外域の遮蔽率は0.57となり、高い波長選択性を有するものが得られた。
【0037】
生成したAg微粒子の外部形態をFE−SEM(日立製作所製S−4500)で法線方向から観察し、画像処理によって求めたAg占有面積率、平均粒径は、それぞれ0.51、243nmであった。また、(2)の工程で得られた膜に含まれる金属Ag、Alの重量を原子吸光法で求め、測定値を式(2)に代入してAg体積含有量を求めたところ、0.35であった。
【0038】
実施例2
実施例1と同様にしてAlN−Ag混合層を作製した。なお、純Alターゲットのエロージョン域に載置したAgチップの形状は8.7mm×8.7mm×1mmの直方体で、載置数は実施例1と同様4個である。実施例1と同一の条件で混合層を熱処理して金属窒化物とAgの混合分散層と、その表面に生成された粒状のAgからなる複合層を有する電波透過性波長選択膜付きガラスを作製した。
【0039】
このようにして得られた電波透過性波長選択膜付きガラスの反射率を波長300〜2500nmの範囲で測定したところ、690nmで最大となった。近赤外域の遮蔽率は0.40、Ag占有面積率は0.51、平均粒径は206nmであった。また、(2)の工程で得られた層のAg体積含有量率は0.25であった。
【0040】
実施例3
実施例1と同一条件で成膜したAlN−Ag混合層にYAGレーザを照射して熱処理を行ったところ、窒化物層の表層に、ほぼ真円で、粒径の揃った粒状のAgが生成した複合層を有する電波透過性波長選択膜付きガラスが得られた。この膜の反射率は730nmで最大となり、分光曲線は上に凸のシャープな形となった。遮蔽率は0.51、Ag占有面積率は0.52、面積平均粒径は274nmであった。なお、レーザ照射方法と条件を以下に示す。(1)混合膜を積層した基板をX−Yテーブルに固定し、レーザ照射中、テーブルを200mm/秒の速度でX軸方向で往復させ、Y軸方向のピッチを10mmに設定した。(2)東芝製YAGレーザ(LAY−616C)で発振した波長1.06μmのレーザビームをコリメータなどの光学系で10mm程度に広げて、垂直(法線)方向から試料に照射した。
【0041】
比較例1
Alターゲットのエロージョン域に載置するAgチップの数を調整してAg体積含有量が0.6の混合膜を作製し、恒温炉で加熱したところ、遮蔽率0.03であった。
【0042】
遮蔽率が低くなる原因は、熱処理過程でAlNが三次元マトリックスを形成できなかったため、Agが表層に拡散して微粒子を生成するのを阻害したと考えられる。
【0043】
【発明の効果】
本発明により得られた電波透過性波長選択膜は、TV放送、衛星放送、携帯電話それぞれの周波数帯域の電波に対して反射率を低減させるとともに、充分な日射遮蔽性能と可視光線透過性を有するので、TV画面にゴーストを発生させたり、携帯電話が通じなくなったり、或いはガラスアンテナの利得が悪くなったり等の電波障害がなく、且つ日射を充分に遮蔽される等快適な生活環境を提供することが可能である等の著効を有するので、特に自動車用窓ガラス、建築用窓ガラスとして好適である。

Claims (3)

  1. 透明基板上に形成された金属窒化物とAgの混合分散層と、その表面に生成された粒状のAgからなる複合層を少なくとも有する電波透過性波長選択膜の製法において、透明基板上に金属窒化物とAgとが混合されてなる混合層を成膜したのち、該膜を熱処理をすることにより、金属窒化物とAgの混合分散層と、その表面に生成された粒状のAgからなる複合層を形成してなることを特徴とする電波透過性波長選択膜の製法。
  2. 式(2)で定義する前記混合層における熱処理前のAgの体積含有量(Vag)は、0.5以下であることを特徴とする請求項記載の電波透過性波長選択膜の製法。
    【式1】
    Figure 0004097908
    ここで、Wag: 透明基板1m2 当たりに積層されたAgの重量
    Wn : 透明基板1m2 当たりに積層された金属窒化物の重量
    ρag: Agバルクの密度 (単位:kg/m3
    ρn : 金属窒化物バルクの密度(単位:kg/m3
  3. 前記混合層を成膜した後の熱処理における加熱方法は、抵抗加熱、ガス燃焼加熱、レーザまたは電子線などのビームの照射、または誘導加熱の内の少なくとも1種を用いることを特徴とする請求項または記載の電波透過性波長選択膜の製法。
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