JP4096549B2 - シフト触媒およびシフト触媒の製造方法 - Google Patents

シフト触媒およびシフト触媒の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水と一酸化炭素から水素と二酸化炭素を生成するシフト反応を促進する活性を有するシフト触媒、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、このようなシフト触媒は、例えば、燃料電池に供給する燃料ガス中の一酸化炭素濃度を低減するために用いられてきた。燃料電池に供給する燃料ガスを生成するための方法として、炭化水素やアルコールなどの原燃料を改質して水素リッチガスと成す方法が知られているが、改質反応によって生成される水素リッチガスは、通常は、所定量の一酸化炭素を含有している。一酸化炭素は、燃料電池の電極触媒を被毒する性質を有しているため、上記水素リッチガスを燃料ガスとして燃料電池に供給する際には、シフト触媒などを利用して水素リッチガス中の一酸化炭素濃度の低減が図られてきた。
【0003】
シフト触媒としては、Cu/Zn系触媒、Cu/Zn/Al系触媒、Cu/Cr系触媒(以下、Cu系触媒と呼ぶ)が知られている。シフト触媒の性能は、CO低減率(%)、すなわち、反応によってCO2 となったCOと、反応前のCOとのモル比によって表わすことができるが、上記Cu系触媒を用いる場合には、反応温度を300℃程度に維持することによって、充分に高いCO低減率を実現することが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記Cu系触媒は、空間速度SV(Space Velocity)が増大するのに伴って、上記CO低減率が急激に低下するという特性を有している。したがって、Cu系触媒を用いてより多くのCOを処理するためには、触媒体積の増大、すなわち反応器の大型化が必要となる。
【0005】
さらに、Cu系触媒は、耐熱温度が400℃程度であり、この温度を超えるとシンタリングと呼ばれる現象が起こり、触媒活性の著しい低下が引き起こされてしまう。したがって、Cu系触媒を用いて水素リッチガス中の一酸化炭素濃度を低減するときには、触媒温度が上記耐熱温度を超えてしまわないよう、充分な温度管理を行なう必要があった。
【0006】
また、シフト触媒としては、上記Cu系触媒の他に、Pt/Al23などの貴金属系触媒が知られている。この貴金属系触媒は、上記Cu系触媒に比べて耐熱温度が高く、また、空間速度SVが増大したときにも、CO低減率の低下は少ない。しかしながら、貴金属系触媒は、CO低減率そのものが不十分であるという問題がある。例えば、上記Cu系触媒が充分なCO低減率を示す様な低SV環境下において、貴金属系触媒はCu系触媒の1/3程度のCO低減率しか達成することができない。
【0007】
本発明のシフト触媒およびその製造方法は、こうした問題を解決し、より充分な触媒活性を有するシフト触媒を提供することを目的としてなされ、次の構成を採った。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明の第1のシフト触媒は、水と一酸化炭素から水素と二酸化炭素を生成するシフト反応を促進する活性を有するシフト触媒であって、
第1の酸化物多孔体に、白金(Pt)と、該白金と共存することによって該白金と一酸化炭素とが結合する力を弱める働きを有する所定の物質とを担持させて成り、
前記第1の酸化物多孔体は、酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(CeO2)のうちの少なくとも一種によって構成される酸化物多孔体であることを要旨とする。
【0009】
このような構成とすれば、白金と一酸化炭素とが結合する力が弱まることにより、白金が一酸化炭素被毒を受けにくくなり、CO低減率を向上させることができる。また、このような構成とすることで、より低い温度条件下において充分なCO低減率を確保することが可能となる。
【0010】
本発明の第2のシフト触媒は、水と一酸化炭素から水素と二酸化炭素を生成するシフト反応を促進する活性を有するシフト触媒であって、
第1の酸化物多孔体に、白金(Pt)と、該白金と共存することによって該白金における電子の結合エネルギを増大させる働きを有する所定の物質とを担持させて成り、
前記第1の酸化物多孔体は、酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(CeO2)のうちの少なくとも一種によって構成される酸化物多孔体であることを要旨とする。
【0011】
このような構成とすれば、白金における電子の結合エネルギが増大することによって、白金の電子密度が低下する。したがって、白金と一酸化炭素とが結合する力が弱まることとなり、上記本発明の第1のシフト触媒と同様の効果を奏することができる。
【0012】
本発明の第3のシフト触媒は、水と一酸化炭素から水素と二酸化炭素を生成するシフト反応を促進する活性を有するシフト触媒であって、
第2の酸化物多孔体に白金(Pt)を担持させて成り、
前記第2の酸化物多孔体は、酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(CeO2)のうちの少なくとも一種によって構成されると共に、少なくともその表面部には、白金と共存することによって該白金と一酸化炭素とが結合する力を弱める働きを有する所定の物質が混在していることを要旨とする。
【0013】
このような構成とすれば、本発明の第1および第2のシフト触媒と同様に、CO低減率を向上させる高い効果を得ることができる。また、上記所定の物質が第2の酸化物多孔体中に混在しているため、上記所定の物質は、充分な効果が得られる程度に充分に白金の近くに存在し得ると共に、白金を覆ってシフト反応の進行を阻害することがないため、CO低減率を向上させる効果をさらに高めることができる。
【0014】
本発明の第4のシフト触媒は、水と一酸化炭素から水素と二酸化炭素を生成するシフト反応を促進する活性を有するシフト触媒であって、
第2の酸化物多孔体に白金(Pt)を担持させて成り、
前記第2の酸化物多孔体は、酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(CeO2)のうちの少なくとも一種によって構成されると共に、少なくともその表面部には、白金と共存することによって該白金における電子の結合エネルギを増大させる働きを有する所定の物質が混在していることを要旨とする。
【0015】
このような構成とすれば、白金における電子の結合エネルギが増大することによって、白金の電子密度が低下する。したがって、白金と一酸化炭素とが結合する力が弱まることとなり、上記本発明の第1ないし第3のシフト触媒と同様の効果を奏することができる。また、上記所定の物質が第2の酸化物多孔体中に混在しているため、本発明の第3のシフト触媒と同様に、CO低減率を向上させる効果をさらに高めることができる。
【0016】
本発明の第1ないし第4いずれかのシフト触媒において、前記所定の物質は、モリブデン(Mo)とレニウム(Re)とニオブ(Nb)とのうちの少なくともいずれか一種を備えることとしても良い。
【0017】
また、本発明の第1または第2のシフト触媒において、
前記所定の物質はモリブデンであり、
前記酸化物多孔体に担持させる前記白金の量に対して、0.1〜5のモル比で、前記モリブデンを前記酸化物多孔体に担持させて成ることとしてもよい。このようなシフト触媒によれば、CO低減率を向上させる効果を充分に得ることができる。
【0018】
さらに、このようなシフト触媒において、前記酸化物多孔体に担持させる前記白金の量に対して、0.3〜3のモル比で、前記モリブデンを前記酸化物多孔体に担持させることとしてもよい。このような構成とすれば、CO低減率を向上させる効果をより高めることができる。
【0019】
また、本発明の第1または第2のシフト触媒において、
前記所定の物質はレニウムであり、
前記酸化物多孔体に担持させる前記白金の量に対して、0.1〜5のモル比で、前記レニウムを前記酸化物多孔体に担持させて成ることとしても良い。このようなシフト触媒によれば、CO低減率を向上させる効果を充分に得ることができる。
【0020】
さらに、このようなシフト触媒において、前記酸化物多孔体に担持させる前記白金の量に対して、0.3〜3のモル比で、前記レニウムを前記酸化物多孔体に担持させることとしても良い。このような構成とすれば、CO低減率を向上させる効果をより高めることができる。
【0021】
また、本発明の第1または第2のシフト触媒において、
前記所定の物質はニオブであり、
前記酸化物多孔体に担持させる前記白金の量に対して、0.05〜10のモル比で、前記ニオブを前記酸化物多孔体に担持させて成ることとしても良い。このようなシフト触媒によれば、CO低減率を向上させる効果を充分に得ることができる。
【0022】
さらに、このようなシフト触媒において、前記酸化物多孔体に担持させる前記白金の量に対して、0.1〜5のモル比で、前記ニオブを前記酸化物多孔体に担持させることとしても良い。このような構成とすれば、CO低減率を向上させる効果をより高めることができる。
【0023】
本発明の第5のシフト触媒は、水と一酸化炭素から水素と二酸化炭素を生成するシフト反応を促進する活性を有するシフト触媒であって、
ハニカム担体上に、酸化セリウム(CeO2 )ゾルを用いて第1の酸化物多孔体を担持させた多孔体層を備え、
前記多孔体層上に、さらに、白金(Pt)と、該白金と共存することによって該白金と一酸化炭素とが結合する力を弱める働きを有する所定の物質とを担持しており、
前記第1の酸化物多孔体は、酸化チタン(TiO2 )、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(CeO2 )のうちの少なくとも一種によって構成される酸化物多孔体であることを要旨とする。
【0024】
また、本発明の第6のシフト触媒は、水と一酸化炭素から水素と二酸化炭素を生成するシフト反応を促進する活性を有するシフト触媒であって、
ハニカム担体上に、酸化セリウム(CeO2 )ゾルを用いて第1の酸化物多孔体を担持させた多孔体層を備え、
前記多孔体層上に、さらに、白金(Pt)と、該白金と共存することによって該白金における電子の結合エネルギを増大させる働きを有する所定の物質とを担持しており、
前記第1の酸化物多孔体は、酸化チタン(TiO2 )、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(CeO2 )のうちの少なくとも一種によって構成される酸化物多孔体であることを要旨とする。
【0025】
本発明の第5または第6のシフト触媒において、前記所定の物質は、モリブデン(Mo)とレニウム(Re)とニオブ(Nb)のうちの少なくともいずれか一種を備えることとしても良い。
【0026】
また、本発明の第7のシフト触媒は、水と一酸化炭素から水素と二酸化炭素を生成するシフト反応を促進する活性を有するシフト触媒であって、
ハニカム担体上に、酸化セリウム(CeO2 )ゾルを用いて第1の酸化物多孔体を担持させた多孔体層を備え、
前記多孔体層上に、さらに、白金(Pt)を担持し、
前記第1の酸化物多孔体は、酸化チタン(TiO2 )、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(CeO2 )のうちの少なくとも一種によって構成される酸化物多孔体であることを要旨とする。
【0027】
以上のように構成された本発明の第5および第6のシフト触媒によれば、より低い温度条件下において充分なCO低減率を確保することが可能となる。また、本発明の第5ないし第7いずれかのシフト触媒によれば酸化セリウムゾルを用いて、ハニカム担体上に第1の酸化物多孔体を担持させているため、ハニカム触媒におけるシフト反応を促進する活性がより高くなる。
【0028】
本発明の第1のシフト触媒の製造方法は、水と一酸化炭素から水素と二酸化炭素を生成するシフト反応を促進する活性を有するシフト触媒の製造方法であって、
(a)酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(CeO2)のうちの少なくとも一種によって構成される第1の酸化物多孔体を用意する工程と、
(b)前記第1の酸化物多孔体上に白金を担持させる工程と、
(c)前記第1の酸化物多孔体上に、白金と共存することによって該白金と一酸化炭素とが結合する力を弱める働きを有する所定の物質を担持させる工程と
を備えることを要旨とする。
【0029】
本発明の第2のシフト触媒の製造方法は、水と一酸化炭素から水素と二酸化炭素を生成するシフト反応を促進する活性を有するシフト触媒の製造方法であって、
(a)酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(CeO2)のうちの少なくとも一種によって構成される第1の酸化物多孔体を用意する工程と、
(b)前記第1の酸化物多孔体上に白金を担持させる工程と、
(c)前記第1の酸化物多孔体上に、白金と共存することによって該白金における電子の結合エネルギを増大させる働きを有する所定の物質を担持させる工程と
を備えることを要旨とする。
【0030】
以上のように構成された本発明の第1または第2のシフト触媒の製造方法に従って製造されたシフト触媒を用いることで、より高いCO低減率を実現することが可能となる。
【0031】
本発明の第1または第2のシフト触媒の製造方法において、前記(c)工程は、前記(b)工程で白金を担持させた前記第1の酸化物多孔体上に、前記所定の物質を担持させることとしても良い。このような構成とすれば、より高いCO低減率を実現可能なシフト触媒を製造することができる。
【0032】
本発明の第3のシフト触媒の製造方法は、水と一酸化炭素から水素と二酸化炭素を生成するシフト反応を促進する活性を有するシフト触媒の製造方法であって、
(a)酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(CeO2)のうちの少なくとも一種によって構成されると共に、少なくともその表面部には、白金と共存することによって該白金と一酸化炭素とが結合する力を弱める働きを有する所定の物質が混在している第2の酸化物多孔体を用意する工程と、
(b)前記第2の酸化物多孔体上に、白金を担持させる工程と
を備えることを要旨とする。
【0033】
本発明の第4のシフト触媒の製造方法は、水と一酸化炭素から水素と二酸化炭素を生成するシフト反応を促進する活性を有するシフト触媒の製造方法であって、
(a)酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(CeO2)のうちの少なくとも一種によって構成されると共に、少なくともその表面部には、白金と共存することによって該白金における電子の結合エネルギを増大させる働きを有する所定の物質が混在している第2の酸化物多孔体を用意する工程と、
(b)前記第2の酸化物多孔体上に、白金を担持させる工程と
を備えることを要旨とする。
【0034】
以上のように構成された本発明の第3あるいは第4のシフト触媒の製造方法によれば、上記所定の物質が白金を覆ってシフト反応の進行を妨げることがない。したがって、より高いCO低減率を実現可能なシフト触媒を製造することができる。
【0035】
本発明の第5のシフト触媒の製造方法は、水と一酸化炭素から水素と二酸化炭素を生成するシフト反応を促進する活性を有するシフト触媒の製造方法であって、
(a)酸化チタン(TiO2 )、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(CeO2)のうちの少なくとも一種によって構成される第1の酸化物多孔体を用意する工程と、
(b)前記第1の酸化物多孔体を、酸化セリウム(CeO2 )ゾルを用いてハニカム担体上に担持させ、多孔層を形成する工程と、
(c)前記多孔層上に、白金を担持させる工程と、
(d)前記多孔層上に、白金と共存することによって該白金と一酸化炭素とが結合する力を弱める働きを有する所定の物質を担持させる工程と
を備えることを要旨とする。
【0036】
本発明の第6のシフト触媒の製造方法は、水と一酸化炭素から水素と二酸化炭素を生成するシフト反応を促進する活性を有するシフト触媒の製造方法であって、
(a)酸化チタン(TiO2 )、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(CeO2)のうちの少なくとも一種によって構成される第1の酸化物多孔体を用意する工程と、
(b)前記第1の酸化物多孔体を、酸化セリウム(CeO2 )ゾルを用いてハニカム担体上に担持させ、多孔層を形成する工程と、
(c)前記多孔層上に、白金を担持させる工程と、
(d)前記多孔層上に、白金と共存することによって該白金における電子の結合エネルギを増大させる働きを有する所定の物質を担持させる工程と
を備えることを要旨とする。
【0037】
本発明の第7のシフト触媒の製造方法は、水と一酸化炭素から水素と二酸化炭素を生成するシフト反応を促進する活性を有するシフト触媒の製造方法であって、
(a)酸化チタン(TiO2 )、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(CeO2 )のうちの少なくとも一種によって構成される第1の酸化物多孔体を用意する工程と、
(b)前記第1の酸化物多孔体を、酸化セリウム(CeO2 )ゾルを用いてハニカム担体上に担持させ、多孔層を形成する工程と、
(c)前記多孔層上に、白金を担持させる工程と
を備えることを要旨とする
【0038】
以上のように構成された本発明の第5ないし第7いずれか記載のシフト触媒の製造方法に従って製造されたシフト触媒を用いることで、より高いCO低減率を実現することが可能となる。
【0039】
本発明の第1ないし第6いずれか記載のシフト触媒の製造方法において、前記所定の物質は、モリブデン(Mo)とレニウム(Re)とニオブ(Nb)のうちの少なくともいずれか一種を備えることとしても良い。
【0040】
本発明の第5および第6のシフト触媒の製造方法において、
前記第1の酸化物多孔体は、酸化チタン(TiO2 )であり、
前記(b)工程で用いる前記第1の酸化物多孔体および前記酸化セリウム(CeO2 )ゾルの量は、前記シフト触媒において、酸化セリウム(CeO2 )ゾルに由来する酸化セリウム量が、前記多孔層全体に対して1〜30重量%の割合となる量であることとしても良い。
【0041】
このような本発明の第5および第6のシフト触媒の製造方法において、
前記(b)工程で用いる前記第1の酸化物多孔体および前記酸化セリウム(CeO2 )ゾルの量は、前記シフト触媒において、酸化セリウム(CeO2 )ゾルに由来する酸化セリウム量が、前記多孔層全体に対して3〜10重量%の割合となる量であることとしても良い。
【0042】
本発明の燃料改質装置は、改質反応を利用して炭化水素系燃料から水素を生成する燃料改質装置であって、
前記改質反応を促進する改質触媒を備え、前記炭化水素系燃料の供給を受けて前記改質反応を進行し、水素リッチガスを生成する改質器と、
請求項1ないし14いずれか記載のシフト触媒を備えるシフト部とを備え、
前記シフト部は、前記改質器から前記水素リッチガスの供給を受け、前記シフト反応を進行することで、前記水素リッチガス中の一酸化炭素濃度を低減することを要旨とする。
【0043】
このような燃料改質装置によれば、シフト部が備えるシフト触媒が高いCO低減率を示すため、シフト部をより小型化することが可能となる。また、シフト触媒が、より低温でも充分なCO低減率を実現可能であるため、燃料改質装置の始動時に、より早くシフト部が定常状態で運転可能となり、暖機時間を短縮することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、本発明の実施の形態を、実施例に基づき以下の順序で説明する。
A.モリブデン添加による影響
B.添加するモリブデンのモル比による影響
C.モリブデンの担持順序による影響
D.Mo高分散担体
E.レニウム添加によるCO低減率への影響
F.ニオブ添加による影響
G.ハニカム触媒への適用
H.効果およびシステムへの適用例
【0045】
(A)モリブデン添加による影響:
以下、担体である酸化物多孔体上に、白金(Pt)と共にモリブデン(Mo)を担持してなるシフト触媒について説明する。図1は、Ptと共にMoを担持してなるシフト触媒の触媒性能を、Moの添加を行なわないシフト触媒の触媒性能と比較した結果を表わす図である。図1で触媒性能の比較に用いた各触媒を、図2にまとめて示す。
【0046】
ここでは、Moを添加した実施例のシフト触媒として、以下に(1)〜(5)として示す5種類の触媒を用いた。
触媒(1)SiO2を6%含有するTiO2を担体とする触媒(Pt/Mo/SiO2(6wt%)-TiO2);
触媒(2)ZrO2を担体とする触媒(Pt/Mo/ZrO2);
触媒(3)Al23を担体とする触媒(Pt/Mo/Al2O3);
触媒(4)MgOを担体とする触媒(Pt/Mo/MgO);
触媒(5)CeO2 を担体とする触媒(Pt/Mo/CeO2);
【0047】
上記5種のシフト触媒は、いずれも、担体重量の1%の割合でPtを担持している。また、上記5種のシフト触媒は、Moをさらに担持しているが、Moの担持量は、Ptの担持量に対するモル比が値0.5となる量である。
【0048】
また、上記5種類のシフト触媒に対して、Moを添加していない比較例の触媒として、以下に(c1)〜(c5)として示す5種類の触媒を用いた。
触媒(c1)SiO2を6%含有するTiO2を担体とする触媒(Pt/SiO2(6wt%)-TiO2);
触媒(c2)ZrO2を担体とする触媒(Pt/ZrO2);
触媒(c3)Al23を担体とする触媒(Pt/Al2O3);
触媒(c4)MgOを担体とする触媒(Pt/MgO);
触媒(c5)CeO2 を担体とする触媒(Pt/Ce2);
【0049】
比較例の触媒である上記5種のシフト触媒は、いずれも、担体重量の1%の割合でPtを担持している。上記触媒(1)〜(5)および触媒(c1)〜(c5)は、いずれもペレット状に形成されており、それぞれのペレットを所定の大きさの反応器内に充填して、CO低減率を調べた。
【0050】
(A−1)触媒の製造方法:
上記触媒(1)の製造方法について以下に説明する。まず、6重量%の酸化ケイ素(SiO2 )を含有する酸化チタン(TiO2 )からなるペレットを用意する。このようなペレットは、例えば、TiO2 の調製過程で、水酸化チタン(TiOH)のゲルにケイ素(Si)を含むゲル状の水酸化物を混合し、これを焼成・成形することで得られる。
【0051】
次に、このペレットに、ヘキサアンミン白金塩溶液を用いて、Pt換算で1wt%となるように、蒸発乾固によってPtを担持させた。その後、空気中で、120℃で2時間以上乾燥させ、350℃で2時間焼成して、Pt担持ペレットと成した。さらに、このPt担持ペレットに、7‐モリブデン酸アンモニウム塩溶液を用いて、PtとMoとのモル比がPt:Mo=1:0.5となるように、蒸発乾固によってMoを担持させた。その後、空気中で、120℃で5時間以上乾燥させ、350℃で2時間焼成して、触媒(1)を得た。
【0052】
他の触媒も同様にして製造した。触媒(2)〜(5)は、上記SiO2 を含有するTiO2 から成るペレットに代えて、それぞれ、酸化ジルコニウム(ZrO2 )から成るペレット、酸化アルミニウム(Al23)から成るペレット、酸化マグネシウム(MgO)から成るペレット、酸化セリウム(CeO2 )から成るペレットをそれぞれ用いて製造した。また、触媒(c1)〜(c5)は、上記それぞれの担体を構成する酸化物から成るペレットを用いて、上記触媒(1)と同様の方法で触媒を製造する際に、Moを担持させる工程を行なうことなく、Ptだけをペレット上に担持させることによって製造した。
【0053】
(A−2)CO低減率の比較:
このようにして得られた各触媒に対し、次の条件下でCO低減率を計測した結果を示すのが図1である。
試験ガスの組成(ドライ状態)…N2=34.7%、H2=46.8%、CO=6.27%、CO2=11.9%;
水蒸気量(モル比)…H2O/CO=6.3;
空間速度SV(ドライ状態)=24,000/h;
入りガス温度(各触媒を充填した反応槽に供給する試験ガスの温度)…250℃;
【0054】
図1に示す通り、本実施例の触媒(1)〜(5)は、Moをさらに担持することによって、比較例の触媒(c1)〜(c5)に比べて優れたCO低減率を達成することが確認された。このように酸化物多孔体から成る担体上にPtを担持させて成る触媒において、Moをさらに担持させることで触媒性能が向上する理由は、必ずしも明らかにはなっていないが、Moの添加によって、Ptの電子状態が変化し、電子密度が低下することが一因と推察される。図3は、本実施例の触媒(1)、(2)と、比較例の触媒(c1)、(c2)について、各触媒が備えるPtにおける4f軌道の電子の結合エネルギ(Binding Energy)を測定した結果を示す。結合エネルギの測定は、X線光電子分光法(XPS)と呼ばれる方法を利用して行なった。図3の縦軸に示した電子の結合エネルギの値が大きい(高エネルギ側にシフトしている)ほど、Ptの電子密度が低下していることを示しており、図3に示した結果より、Moをさらに担持させることでPtの電子密度が低下することが分かる。
【0055】
Ptを備えるシフト触媒においては、触媒の性能が低下する要因の一つとして、PtがCOによって被毒することが挙げられる。PtがCO被毒を受ける(COがPtに吸着する)程度は、PtとCOの間の結合の強さの影響を受けるが、上記のようにPtの電子密度が低下すると、これに伴ってPtとCOとの結合は弱まる。したがって、Moを添加することによって触媒性能が向上する理由の一つとして、PtとCOとの結合が弱まってPtのCO被毒が抑制されることが挙げられると推察される。なお、図3では、Ptにおける4f軌道の電子の結合エネルギを測定したが、他の軌道関数に着目して電子の結合エネルギを測定しても良く、この場合にも同様の結果を得ることができる。
【0056】
(B)添加するモリブデンのモル比による影響:
Ptに加えてさらにMoを備えるシフト触媒において、加えるMoの量が触媒性能に与える影響を調べた結果を以下に示す。図4は、Moを加える量を異ならせた種々のシフト触媒について、CO低減率を調べた結果を表わす。図4に結果を示した実験で用いたシフト触媒はいずれも、担体としてAl23を4%含有するTiO2 を用いた触媒であり(Pt/Mo/Al2O3(4wt%)-TiO2)、既述した実施例の触媒と同様の方法によって製造した。また、シフト触媒におけるPt担持量としては、担体重量の5%の割合でPtを担持するものと、担体重量の1%の割合でPtを担持するものという、2通りのPt担持量に関して調べた。なお、ここでは、既述した実施例の触媒についてCO低減率を測定したときと同様の条件(試験ガス組成、水蒸気量、空間速度SV、入りガス温度)を用いて、CO低減率の測定を行なった。
【0057】
図4に示すように、加えるMoの量(MoとPtとのモル比)とCO低減率との関係は、Pt担持量を変えても同様の傾向を示した。ここで、シフト触媒にMoを加えることがCO低減率に与える影響としては、CO低減率を向上させるように働くプラスの影響と、CO低減率を低下させるように働くマイナスの影響との2つの相反するものがあると考えられる。既述したように、Moを加えることによるプラスの影響の要因の少なくとも一つは、Ptの電子密度が低下してPtとCOとの結合が弱まり、PtのCO被毒が抑えられることであると考えられる。図5は、加えるMoの量(MoとPtとのモル比)と、Ptにおける4f軌道の電子の結合エネルギの大きさとの関係を、図3と同様の方法により測定した結果を示す図である。ここでは、図4と同様に、担体としてAl23を4%含有するTiO2 を用い、各触媒のPt担持量は、いずれも担体重量の1%の割合とした。図5に示すように、上記電子の結合エネルギの値は、MoとPtとのモル比が所定量(略3)のときにピークを示し、このときPtのCO被毒を抑える効果は最も高くなると考えられる。
【0058】
これに対して、Moを加えることによるマイナスの影響の要因の少なくとも一つとしては、担体上に担持されるPtの表面がMoに覆われてしまい、Ptがシフト反応を促進させる働きが抑えられてしまうことが考えられる。ここで、Ptがシフト触媒として働く際には、反応物質であるCOおよび水素と一旦結合する(COとの間は、被毒が起こらない程度に結合する)必要があるため、触媒が備えるPtにおいてCOと結合可能なサイトの数を測定することで、Mo担持量の変化に伴ってPt表面がMoに覆われる程度が変化する様子を調べた。図6は、触媒上に担持されるPtにおいてこのような触媒作用に関わるサイトの数と、シフト触媒に加えるMoの量(MoとPtとのモル比)との関係を調べた結果を表わす。用いた触媒は、上記図5に示した結果を得るために用いたものと同様の構成を有している。Ptが備える上記サイトの数は、COパルス吸着法と呼ばれる方法を用いて調べた。
【0059】
COパルス吸着法とは、Pt上にCOを吸着させ、吸着したCO量を測定する方法である。一般的に、触媒上のPtとCOとは1対1の関係で結合するといわれているので、結合したCOの数が、触媒表面で反応に寄与するPtの数であると推定する。具体的には、まず、粉末状のシフト触媒に対してパルス的にCOを一定流量打ち込む。このとき、触媒に結合しなかったCOの量をTCD(熱伝導度検出器)で検出し、触媒に打ち込んだCO量と触媒に結合せずに出てきたCO量との差分として、吸着したCOの量を求めた。図6に示すように、加えるMo量(MoとPtとのモル比)を増やすにしたがって、Ptにおける上記サイトの数は減少した。
【0060】
上記したように、Moを加えることで、Pt触媒のCO低減率は、プラスの影響とマイナスの影響との両方を受けるため、両者の兼ね合いにより、MoとPtとのモル比の最適値が定まると考えられる。図4より、CO低減率がより高くなる望ましいモル比としては、Mo/Pt=0.1〜5,さらに望ましくはMo/Pt=0.3〜3であるということができる。なお、図4では、Pt担持量は担体重量の1%および5%について示したが、さらにPt担持量を変化させた触媒においても、同様のモル比の範囲において、より高いCO低減率を示した(図示せず)。
【0061】
(C)モリブデンの担持順序による影響:
図4ないし図6に基づいて、MoとPtとのモル比がCO低減率に与える影響について説明したが、以下、シフト触媒を製造する際にMo担持を行なう順序がCO低減率に与える影響について説明する。図7は、Mo担持を行なう順序を変えてシフト触媒を製造し、CO低減率を比較した結果を表わす説明図である。図7においてCO低減率の比較に用いた各触媒を、図8にまとめて示す。ここでは、Moを添加して成る実施例のシフト触媒(6)として、
触媒(6)SiO2 を6%含有するTiO2 を担体とする触媒(Pt/Mo/SiO2(6wt%)-TiO2 )であって、担体重量の1%の割合でPtを担持しており、Ptの担持量に対するモル比が値0.3(Pt:Mo=1:0.3)となる量のMoをPt担持後にさらに担持させた(Mo後担持)触媒;
を用いた。
【0062】
また、上記触媒(6)に対して、比較例の触媒として、以下に(c61)〜(c63)として示す3種類の触媒を用いた。
触媒(c61)SiO2を6%含有するTiO2を担体とする触媒(Pt/SiO2(6wt%)-TiO2)であって、Moなし;
触媒(c62)SiO2を6%含有するTiO2を担体とする触媒(Pt/SiO2(6wt%)-TiO2)であって、Pt:Mo=1:0.3、Pt・Moは同時に担持;
触媒(c63)SiO2を6%含有するTiO2を担体とする触媒(Pt/SiO2(6wt%)-TiO2)であって、Pt:Mo=1:0.3、Moは先担持;
【0063】
なお、これらの比較例の触媒(c61)〜(c63)は、いずれも、担体重量の1%の割合でPtを担持している。また、上記触媒(6)および比較例の触媒(c61)〜(c63)は、いずれも、既述した実施例の触媒と同様の方法によって製造しており、PtおよびMoの担持の順序に応じて、Ptおよび/またはMoを含有する化合物を用い、既述した蒸発乾固と乾燥・焼成を行なって製造した。上記(6)および(c61)〜(c63)の触媒は、いずれもペレット状に形成されており、それぞれのペレットを所定の大きさの反応器内に充填して、次の条件下でCO低減率を調べた。
【0064】
試験ガスの組成(ドライ状態)…N2=34.7%、H2=46.8%、CO=6.27%、CO2=11.9%;
水蒸気量(モル比)…H2O/CO=6.3;
空間速度SV(ドライ状態)=24,000/h;
入りガス温度(各触媒を充填した反応槽に供給する試験ガスの温度)…200℃および250℃;
【0065】
図7に示す通り、Moを後担持して成る本実施例の触媒(6)は、Moなし(比較例の触媒(c61))、Pt・Mo同時担持(比較例の触媒(c62))、Mo先担持(比較例の触媒(c63))に比べて優れたCO低減率を達成することが確認された。特に、入りガス温度が200℃のときには、入りガス温度がより高い250℃のときよりも、Mo後担持にすることでCO低減率が向上する効果がより顕著となった。
【0066】
さらに異なる種類の酸化物多孔体を担体として用いた触媒について、Mo後担持で製造する場合とMo前担持で製造する場合とで、CO低減率を比較した結果を図9に示す。図9においてCO低減率の比較に用いた各触媒を、図10にまとめて示す。ここでは、Mo後担持で製造したシフト触媒として、以下に(7)〜(9)として示す3種類の触媒を用いた。
触媒(7)CeO2 を担体とする触媒(Pt/Mo/CeO2);
触媒(8)ZrO2を担体とする触媒(Pt/Mo/ZrO2);
触媒(9)Al23を担体とする触媒(Pt/Mo/Al2O3);
【0067】
上記3種のシフト触媒は、いずれも、担体重量の1%の割合でPtを担持している。また、Moの担持量は、Ptの担持量に対するモル比が値0.3(Pt:Mo=1:0.3)となる量である。
【0068】
上記実施例の触媒(7)〜(9)のそれぞれに対して、担体および担体上の担持物の組成は同様であって、PtとMoの担持順序だけが異なる(Mo先担持とした)比較例の触媒(c7)〜(c9)を用意した。ペレット状に形成した各触媒を所定の反応器に充填して、既述した実施例と同様の条件下でCO低減率を調べた結果が図9に示されている。なお、ここでは、入りガス温度は250℃とした。
【0069】
図9に示すように、担体として用いる酸化物多孔体の種類を変えた場合にも、Mo後担持で製造したシフト触媒は、Mo先担持で製造したシフト触媒よりも、優れたCO低減率を示す。なお、図9では、Mo後担持とMo先担持の比較のみを行なったが、これら種々の酸化物多孔体を担体として用いた場合にも、図7の結果と同様に、Moをさらに加えることで、Moの担持順序に関わらずCO低減率を向上させる所定の効果を得ることができる。また、これら種々の担体を用いる場合にも、Moの担持量とCO低減率との関係は、図4で示した結果と同様の傾向を示す(図示せず)。
【0070】
(D)Mo高分散担体:
既述した各実施例では、シフト触媒は、酸化物多孔体からなる担体上にPtおよびMoを担持する構成としたが、予めMoを充分に拡散した状態で備える酸化物多孔体(Mo高分散担体)を用いて、このMo高分散担体上にPtを担持させることとしても良い。このような構成の触媒性能を調べた結果を以下に示す。
【0071】
図11は、Mo高分散担体上にPtを担持させた実施例の触媒(10)と、触媒(10)と同様の組成の触媒であってMo後担持によって製造した比較例の触媒(c10)とについて、CO低減率を調べた結果を表わす。ここでは、触媒(10)として、
触媒(10)Al23を4%含有するTiO2を担体とする触媒(Pt/Mo/Al2O3(4wt%)-TiO2)であって、担体重量の1%の割合でPtを担持しており、Ptの担持量に対するモル比が値3(Pt:Mo=1:3)となる量のMoを予め上記担体中に分散させて成る触媒;
を用いた(図12参照)。また、比較例の触媒(c10)としては、
触媒(c10)Al23を4%含有するTiO2を担体とする触媒(Pt/Mo/Al2O3(4wt%)-TiO2)であって、担体重量の1%の割合でPtを担持しており、Ptの担持量に対するモル比が値3(Pt:Mo=1:3)となる量のMoをPt担持後にさらに担持させた(Mo後担持)触媒;
を用いた(図12参照)。この比較例の触媒(c10)は、既述した実施例と同様の方法で製造した。
【0072】
触媒(10)を製造する際には、上記Mo高分散担体は、ゾルゲル法を用いて製造した。ゾルゲル法とは、含水酸化物ゾルを脱水処理してゲルとし、このゲルを加熱して無機酸化物を調製する周知の方法である。具体的には、まず、担体の原料であるチタン酸イソプロポキシドおよびアセチルアセトンモリブデニルを、有機溶媒(例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、アセチルアセトン等)に溶解させて混合した。原料を混合した後に水を添加すると、上記原料は加水分解を起こしてゲル状(水酸化モリブデンと水酸化チタンが均一に混ざったゲル)になる。このゲルを酸素中で焼成すると、上記水酸化物が酸化物に変わって、Moが均一に混合された酸化物からなる担体(Mo高分散担体)ができる。このMo高分散担体上に、既述した実施例と同様の方法によってPtを担持させて、触媒(10)を得た。
【0073】
図11に示すように、触媒(10)は、比較例の触媒(c10)に比べて優れたCO低減率を示した。ここで、Mo高分散担体上にPtを担持させた触媒(10)が、Mo後担持の比較例の触媒(c10)に比べてCO低減率が優れるのは、Mo高分散担体を用いる場合には、MoによってPtが覆われないため、シフト反応の際にPtとCOとが結合するのが妨げられなくなることが一因と考えられる。
【0074】
図13は、上記触媒(10)および比較例の触媒(c10)と、Moを含有しない触媒とについて、図5と同様に、Ptにおける4f軌道の電子の結合エネルギの大きさを測定した結果を表わす。なお、図13に示したMoを含有しない触媒とは、比較例の触媒(c10)と同様に、Al23を4%含有するTiO2 を担体とする触媒(Pt/Mo/Al2O3(4wt%)-TiO2)であって、担体重量の1%の割合でPtを担持しており、Moは備えていない触媒である。図13に示すように、Mo高分散担体を用いた触媒(10)は、Mo後担持の比較例の触媒(c10)と同様に、Moなしの触媒に比べて上記結合エネルギが大きかった。これによって、CO被毒が抑えられて触媒性能が向上すると考えられる。
【0075】
図14は、上記触媒(10)および比較例の触媒(c10)と、Moを含有しない触媒とについて、図6と同様に、シフト反応進行時にCOとの結合に関わるPtサイトの数を測定した結果を表わす。図14に示すように、触媒(10)は、Mo後担持を行なった比較例の触媒(c10)とは異なり、Moを含有しない触媒と同程度の上記Ptサイト数を有していた。したがって、Mo高分散担体上にPtを担持させて成る触媒(10)は、Moを備えることでPtとCOとの結合が弱まってCO被毒が抑えられる効果が得られると共に、触媒上においてPtがMoに覆われて反応が阻害されることがないため、優れた触媒活性を示すと考えられる。
【0076】
なお、上記実施例の触媒(10)では、Mo高分散担体を製造するためにゾルゲル法を用いたが、少なくともその表面において充分に均一に、TiO2などの酸化物とMoとが混合された担体を製造可能であるならば、他の方法を用いることとしても良い。たとえば、ゾルゲル法に代えて共沈法によって上記Mo高分散担体を製造しても良い。また、Mo高分散担体を構成する酸化物は、上記実施例の触媒(10)で用いたもの以外に、既述した触媒(1)〜(5)で担体に用いたような他種の酸化物を用いることとしても良い。
【0077】
なお、実施例の触媒(10)のようにMo高分散担体を用いる場合には、加えるMoの量(MoとPtとのモル比)とCO低減率との関係は、Moを担体上に担持させた構成に対応する図4に示した結果に比べて、CO低減率が最も高くなるときの上記モル比がより大きな値となることが実験的に確かめられた(図示せず)。すなわち、上記モル比である「Mo/Pt」の値が、略1のときに、CO低減率が最も高くなるという結果が得られた。このような結果が得られる理由の一つとして、Mo高分散担体を用いる場合には、Moは、担体においてその表面だけでなく内部も含めて広く分散して担持されることが挙げられ、そのためにPtに所定の効果を与えるMoの量がより多くなると考えられる。
【0078】
(E)レニウム添加によるCO低減率への影響:
既述した実施例では、酸化物多孔体を担体とする触媒であって、Ptと共にMoを備える触媒について説明したが、PtとCOとの結合力を弱める働きを有する物質(Ptにおける電子の結合エネルギを増大させる働きを有する物質)であれば、上記Moの代わりに用いてシフト触媒の性能を高めることが可能となる。以下に、Moに代えてレニウム(Re)を用いたシフト触媒について説明する。
【0079】
図15は、種々の酸化物多孔体を担体として用いる触媒であって、Ptと共にReを担持する触媒と、Ptのみを担持する触媒とについて、CO低減率を比較した結果を表わす。図15においてCO低減率の比較に用いた各触媒を、図16にまとめて示す。ここでは、Reを備える実施例のシフト触媒として、以下に触媒(11)〜(14)として示す4種類の触媒を用いた。
触媒(11)SiO2 を6%含有するTiO2 を担体とする触媒(Pt/Re/SiO2(6wt%)-TiO2);
触媒(12)Al23を担体とする触媒(Pt/Re/Al2O3);
触媒(13)CeO2 を担体とする触媒(Pt/Re/CeO2);
触媒(14)ZrO2 を担体とする触媒(Pt/Re/ZrO2);
【0080】
上記4種のシフト触媒は、いずれも、担体重量の1%の割合でPtを担持している。また、上記4種のシフト触媒は、Reをさらに担持しているが、Reの担持量は、Ptの担持量に対するモル比が値0.3となる量であって、上記各担体上にPtを担持させた後にReをさらに担持させた(Re後担持)。
【0081】
また、上記4種類のシフト触媒に対して、Reを添加していない比較例として、以下に触媒(c11)〜(c14)として示す4種類の触媒を用いた。
触媒(c11)SiO2を6%含有するTiO2を担体とする触媒(Pt/SiO2(6wt%)-TiO2);
触媒(c12)Al23を担体とする触媒(Pt/Al2O3);
触媒(c13)CeO2を担体とする触媒(Pt/CeO2);
触媒(c14)ZrO2を担体とする触媒(Pt/ZrO2);
【0082】
比較例として用いた上記4種のシフト触媒は、いずれも、担体重量の1%の割合でPtを担持している。これら触媒(11)〜(14)および触媒(c11)〜(c14)の各々は、ペレット状に形成されている。それぞれのペレットを所定の大きさの反応器内に充填して、既述した実施例の場合と同様の条件下でCO低減率を調べた結果が図15である。なお、ここでは、入りガス温度は250℃とした。図15に示すように、いずれの酸化物多孔体を担体として用いる場合にも、触媒金属であるPtに加えてさらにReを担持させることによって、CO低減率を向上させる効果を示した。
【0083】
ここで、Reをさらに担持させることによって、Ptにおける電子の結合エネルギが受ける影響を調べた結果を、図17に示す。図17は、既述した実施例と同様に、Ptにおける4f軌道の電子の結合エネルギを測定した結果を表わす。なお、ここでは、上記触媒(11)と同様の構成((Pt/Re/SiO2(6wt%)-TiO2)、Pt担持量1wt%、Pt/Re=0.3)であって、Re担持後にPt担持を行なった(Re先担持)触媒と、上記比較例の触媒(c11)(Ptのみ)とについて、電子の結合エネルギを比較している。
【0084】
図17に示すように、さらにReを担持させることで、Ptにおける電子の結合エネルギを大きくする(高エネルギ側にシフトさせる)ことができた。したがって、さらにMoを担持させる場合と同様に、Reを担持させることによって、PtとCOとの結合を弱めてCO被毒を低減し、CO低減率を向上させることができると考えられる。なお、図17では1例(Re先担持との比較)のみを示したが、Re後担持、あるいはPt・Re同時担持として製造したシフト触媒を用いる場合や、図15に示した他種の担体を用いたシフト触媒を用いる場合にも、Reをさらに備えることで、同様にPtにおける電子の結合エネルギを高める効果を得ることができる(図示せず)。
【0085】
シフト触媒を製造する際のRe担持の順序による効果を調べた結果を図18に示す。図18は、上記触媒(11)と同様の組成(Pt/Re/SiO2(6wt%)-TiO2)を有する触媒であって、触媒を製造する際に、Reを先に担持したものと、PtとReとを同時に担持したものと、Reを後に担持したものと、上記比較例の触媒(c11)(Ptのみ)とについて、CO低減率を調べた結果を表わす。ここでは、既述した実施例と同様の条件下で、入りガス温度は250℃として測定を行なった。
【0086】
図18に示すように、担持の順序に関わらず、Reを添加することによって、Ptのみを担持する触媒に比べてCO低減率を向上させる効果が確認された。また、Moをさらに担持させた既述した実施例と同様に、Re後担持の触媒は、Re先担持およびPt・Re同時担持の触媒に比べて、CO低減率が優れるという結果が得られた。
【0087】
さらに、Reの担持量とCO低減率との関係を調べた結果を図19に示す。ここでは、上記触媒(11)と同様((Pt/Re/SiO2(6wt%)-TiO2)、Pt担持量1wt%)の触媒であって、Pt担持量に対するRe担持量の比が異なる種々の触媒について、既述した実施例と同様の条件下で(入りガス温度は250℃)CO低減率を測定した。
【0088】
Reを担持させることによってPtにおける電子の結合エネルギが高まる効果を、図17に示したが、Reを担持させることで、Moを担持させる場合と同様に、上記プラスの影響と共にマイナスの影響(PtをReが被覆すること等に起因する)が生じ、両者の兼ね合いによりReとPtとのモル比の最適値が定まると考えられる。図18に示すように、担持させるRe量が異なる触媒間でCO低減率を比較すると、図4に示したMoを担持させた場合と同様に、CO低減率がより高くなる望ましいモル比としては、Re/Pt=0.1〜5,さらに望ましくはRe/Pt=0.3〜3であった。
【0089】
このように、酸化物多孔体によって構成される担体上にPtを担持して成る触媒にさらにReを備えさせる構成において、実施例(10)の触媒と同様に、予めReを充分に拡散した状態で備える酸化物多孔体(Re高分散担体)を用いて、このRe高分散担体上にPtを担持させる構成としても良い。このような構成とすれば、Ptと共にReを用いることでCO低減率を向上させる既述した効果と共に、ReがPtを覆うことでシフト反応の活性が抑えられるのを防止する効果を得ることができる(図示せず)。
【0090】
(F)ニオブ添加による影響:
既述したMoおよびReの他に、PtとCOとの結合力を弱める働きを有する物質(Ptにおける電子の結合エネルギを増大させる働きを有する物質)として、ニオブ(Nb)を用いた例を以下に示す。
【0091】
図20は、種々の酸化物多孔体を担体として用いる触媒であって、Ptと共にNbを担持する触媒と、Ptのみを担持する触媒とについて、CO低減率を比較した結果を表わす。図20でCO低減率の比較に用いた各触媒を、図21にまとめて示す。ここでは、Nbを備える実施例のシフト触媒として、以下に触媒(15)〜(18)として示す4種類の触媒を用いた。
触媒(15)SiO2 を6%含有するTiO2 を担体とする触媒(Pt/Nb/SiO2(6wt%)-TiO2);
触媒(16)ZrO2 を担体とする触媒(Pt/Nb/ZrO2);
触媒(17)Al23を担体とする触媒(Pt/Nb/Al2O3);
触媒(18)MgOを担体とする触媒(Pt/Nb/MgO);
【0092】
上記4種のシフト触媒は、いずれも、担体重量の1%の割合でPtを担持している。また、上記4種のシフト触媒は、Ptの担持量に対するNb担持量のモル比が値0.3(Pt:Nb=1:0.3)となるように、Nbをさらに担持している。このNbの担持は、上記各担体上にPtを担持させた後に行なった(Nb後担持)。
【0093】
上記4種類のシフト触媒に対して、Nbを添加しない比較例として、以下に触媒(c15)〜(c18)として示す4種類の触媒を用いた。
触媒(c15)SiO2 を6%含有するTiO2 を担体とする触媒(Pt/SiO2(6wt%)-TiO2);
触媒(c16)ZrO2 を担体とする触媒(Pt/ZrO2);
触媒(c17)Al23を担体とする触媒(Pt/Al2O3);
触媒(c18)MgOを担体とする触媒(Pt/MgO);
【0094】
比較例として用いた上記4種のシフト触媒は、いずれも、担体重量の1%の割合でPtを担持している。これら触媒(15)〜(18)および触媒(c15)〜(c18)の各々は、ペレット状に形成されている。それぞれのペレットを所定の大きさの反応器内に充填して、既述した実施例の場合と同様の条件下でCO低減率を調べた結果が図20である。なお、ここでは、入りガス温度は250℃とした。図20に示すように、いずれの酸化物多孔体を担体として用いる場合にも、触媒金属であるPtに加えてさらにNbを担持させることによって、CO低減率を向上させる効果を示した。
【0095】
図22は、本実施例の触媒(15)、(16)と、比較例の触媒(c15)、(c16)について、各触媒が備えるPtにおける4f軌道の電子の結合エネルギ(Binding Energy)を測定した結果を示す。図22に示すように、さらにNbを担持させることで、Ptにおける電子の結合エネルギを大きくする(高エネルギ側にシフトさせる)ことができた。したがって、さらにMoあるいはReを担持させる場合と同様に、Nbを担持させることによって、PtとCOとの結合を弱めてCO被毒を低減し、CO低減率を向上させることができると考えられる。
【0096】
Ptに加えてさらにNbを備えるシフト触媒において、加えるNbの量が触媒性能に与える影響を調べた結果を以下に示す。図23は、Nbを加える量を異ならせた種々のシフト触媒について、CO低減率を調べた結果を表わす。図23に結果を示した実験で用いたシフト触媒はいずれも、担体としてSiO2 を6%含有するTiO2 を用いた触媒であり(Pt/Nb/SiO2(6wt%)-TiO2 )、既述した実施例の触媒と同様の方法によって製造した。ここで、Ptの担持量は、担体重量の1%とした。なお、ここでは、既述した実施例の触媒についてCO低減率を測定したときと同様の条件(試験ガス組成、水蒸気量、空間速度SV、入りガス温度)を用いて、CO低減率の測定を行なった。図23に示すように、担持させるNb量が異なる触媒間でCO低減率を比較すると、CO低減率がより高くなる望ましいモル比としては、Nb/Pt=0.05〜10、さらに望ましくはNb/Pt=0.1〜5となった。
【0097】
このような、より高いCO低減率を示すNbのモル比の最適値は、既述したMoやReと同様に、Nbを担持させることによるプラスの影響とマイナスの影響との兼ね合いにより定まると考えられる。図24は、加えるNbの量(NbとPtとのモル比)と、Ptにおける4f軌道の電子の結合エネルギの大きさとの関係を、図22と同様の方法により測定した結果を示す。ここでは、図23と同様に、担体としてSiO2 を6%含有するTiO2 を用い、各触媒のPt担持量は、いずれも担体重量の1%の割合とした。この結合エネルギが大きいほど、PtとCOとの結合が弱まり,Ptの被毒が抑えられることを示す。図24に示すように、上記電子の結合エネルギの値は、NbとPtとのモル比が略3のときにピークを示した。図25は、触媒上に担持されるPtにおいて、触媒作用に関わるサイトの数と、シフト触媒に加えるNbの量(NbとPtとのモル比)との関係を調べた結果を表わす。用いた触媒は、上記図24に示した結果を得るために用いたものと同様の触媒である。Ptが備える上記サイトの数は、図6と同様に、COパルス吸着法と呼ばれる方法を用いて調べた。このサイトの数が少ないほど、シフト反応を促進する活性が抑えられることを示す。図25に示すように、加えるNb量(NbとPtとのモル比)を増やすにしたがって、Ptにおける上記サイトの数は減少した。
【0098】
シフト触媒を製造する際のNb担持の順序による効果を調べた結果を図26に示す。図26は、上記触媒(15)と同様の組成(Pt/Nb/SiO2(6wt%)-TiO2、Pt担持量1wt%、Pt:Nb=1:3)を有する触媒であって、触媒を製造する際に、Nbを先に担持したものと、PtとNbとを同時に担持したものと、Nbを後に担持したものと、上記比較例の触媒(c15)(Ptのみ)とについて、CO低減率を調べた結果を表わす。ここでは、既述した実施例と同様の条件下で、入りガス温度は250℃として測定を行なった。
【0099】
図26に示すように、担持の順序に関わらず、Nbを添加することによって、Ptのみを担持する触媒に比べてCO低減率を向上させる効果が確認された。また、MoやReを備える既述した実施例と同様に、Nbを後担持した触媒は、Nb先担持およびPt・Nb同時担持の触媒に比べて、CO低減率が優れるという結果が得られた。
【0100】
図27は、Nb高分散担体上にPtを担持させた以下に示す実施例の触媒(19)と、触媒(19)と同様の組成の触媒であってNb後担持によって製造した比較例の触媒(c19)と、上記比較例の触媒(c15)(Ptのみ)とについて、CO低減率を調べた結果を表わす。以下の触媒(19)および触媒(c19)を、図28にまとめて示す。
触媒(19)SiO2 を6%含有するTiO2 を担体とする触媒(Pt/Nb/SiO2(6wt%)-TiO2)であって、担体重量の10%となる量のNbを予め上記担体中に分散。Pt担持量は担体重量の1%;
触媒(c19)SiO2 を6%含有するTiO2 を担体とする触媒(Pt/Nb/SiO2(6wt%)-TiO2)であって、担体重量の、1%のPtと10%のNbを上記担体上に担持(Nb後担持);
【0101】
触媒(19)は、既述した触媒(10)と同様の方法によって製造した。すなわち、ゾルゲル法を用いる際に、アセチルアセトンモリブデニルに代えて、ニオブエトキシドを用いることによって、Nbが均一に混合された酸化物からなる担体(Nb高分散担体)を作製した。このNb高分散担体上に、既述した実施例と同様の方法によってPtを担持させて触媒(19)を製造した。触媒(c19)は、既述した触媒(15)と同様に、Ptの後にNbを担持させて製造したが、Nbの担持量を、触媒(19)に合わせた。このようにして製造したペレット状の各触媒を所定の反応器に充填して、既述した実施例と同様の条件下でCO低減率を測定した。
【0102】
図27に示すように、触媒(19)は、比較例の触媒(c19)および(c15)に比べて、高いCO低減率を示した。図29は、上記触媒(19)と、比較例の触媒(c19)および(c15)について、Ptにおける4f軌道の電子の結合エネルギの大きさを測定した結果を表わす。図29に示すように、Nb高分散担体を用いた触媒(19)は、Nb後担持の比較例の触媒(c19)と同様に、Nbを有しない比較例の触媒(c15)に比べて上記結合エネルギが大きく、CO被毒が抑えられることが示された。
【0103】
図30は、上記触媒(19)と、比較例の触媒(c19)および(c15)について図6と同様に、シフト反応進行時にCOとの結合に関わるPtサイトの数を測定した結果を表わす。図30に示すように、触媒(19)は、Nb後担持を行なった比較例の触媒(c19)とは異なり、Nbを有しない触媒と同程度の上記Ptサイト数を有している。このように、触媒(19)は、Nbを備えることでPtとCOとの結合が弱まってCO被毒が抑えられる効果が得られると共に、触媒上においてPtがNbに覆われて反応が阻害されることがなく、優れた触媒活性を有することが示された。
【0104】
(G)ハニカム触媒への適用:
以下に、ハニカム状に成形されたモノリス基材を担体として用いたシフト触媒について説明する。活性種である金属を酸化物多孔体上に備える触媒を、ハニカム状に形成された担体上に担持させる際には、通常、酸化物多孔体の粉末を、所定のバインダを用いて担体上に担持させる。図31は、本発明の実施の形態としてのモノリス基材を用いた触媒の製造工程を表わす説明図である。
【0105】
このような触媒を製造する際には、まず、モノリス基材を用意する(ステップS100)。モノリス基材としては、本実施例では、ハニカム状に成形されたコージェライト製のモノリスを用いた。なお、本実施例では、ハニカム状の担体として、コージェライトなどのセラミックス製のモノリス基材を用いているが、ステンレス鋼等の金属製のハニカムチューブを同様に用いることが可能である。
【0106】
次に、酸化物多孔体粉末と、酸化セリウム(CeO2 )ゾルとを混合してスラリを作製する(ステップS110)。酸化物多孔体粉末としては、既述した酸化チタン(TiO2 )、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(CeO2 )のうちの少なくとも一種からなる粉末を用いる。また、これらの酸化物多孔体粉末は、さらに、アルミニウム(Al)やケイ素(Si)等の元素を1〜10%程度含むものであっても良い。これらの元素をさらに含有することで、触媒の耐熱性を向上させることができる。また、酸化物多孔体粉末としてTiO2 を用いる場合には、ルチル型、アナターゼ型のいずれのTiO2 を用いることとしても良い。CeO2 ゾルは、CeO2 粉末を、酢酸あるいは硝酸と混合してゾル化することによって得られる。
【0107】
ステップS100で用意したモノリス基材を、ステップS110で作製したスラリでコーティングし(ステップS120)、さらに、乾燥・焼成を行なう(ステップS130)。このように、酸化物多孔体でコーティングしたモノリス上に、さらに、Ptと、Ptと共存することでPtとCOとが結合する力を弱める所定の物質とを担持させる(ステップS140)。あるいは、このステップS140においては、Ptと、Ptと共存することによってPtにおける電子の結合エネルギを増大させる働きを有する所定の物質とを担持させることとしても良い。このような所定の物質としては、既述したMoあるいはReが挙げられる。また、ステップS140においてPtと上記所定の物質とを担持させるときには、既述したように、Ptを先に、所定の物質を後に担持させることが望ましい。Ptおよび上記所定の物質を担持後、乾燥・焼成を行ない(ステップS150)、シフト触媒を完成する。
【0108】
CeO2 ゾルのような金属酸化物のゾルを用いると、有機物のバインダを用いる場合よりも触媒の耐熱性をより充分に確保することが可能となる。しかしながら、このようなバインダの添加は、触媒活性の低下を引き起こすおそれがある。本実施例では、金属酸化物ゾルの中でもCeO2 ゾルをバインダとして用いることで、バインダを添加することに起因する触媒活性の低下を抑え、充分に活性が高いシフト触媒を製造することを可能としている。
【0109】
なお、モノリス基材を酸化物多孔体でコーティングする際にバインダとして用いるCeO2 の量が、少なすぎる場合には、酸化物多孔体を保持する作用が弱くなり、多すぎる場合には、上記したように触媒活性の低下が引き起こされる。したがって、CeO2 の量は、上記スラリ中の酸化物多孔体量とゾル由来CeO2 量との合計量に対するゾル由来CeO2 量の割合(重量比)が、1〜30%とすることが好ましく、3〜10%とすることがさらに好ましい。
【0110】
実際にモノリス基材を担体として用いた触媒を製造して触媒性能を調べた結果を図32に示す。図32で触媒性能を調べるために用いた実施例の触媒(20)と、比較例の触媒(C20−1)〜(C20−4)を、図33にまとめて示した。
触媒(20)バインダとしてCeO2 ゾルを用いた触媒;
触媒(C20−1)バインダとしてZrO2 ゾルを用いた触媒;
触媒(C20−2)バインダとしてSiO2 ゾルを用いた触媒;
触媒(C20−3)バインダとしてTiO2 ゾルを用いた触媒;
触媒(C20−4)バインダとしてAl23ゾルを用いた触媒;
【0111】
上記した実施例および比較例の各触媒は、図31に示した製造工程に従って製造した。バインダとして用いた酸化物ゾルの種類が異なる以外は、各触媒とも同様に製造した。いずれの触媒も、ステップS100で用意するモノリス基材として、コージェライト製で、1平方インチ当たり400セルが形成され、壁厚が4ミリインチであるモノリス基材を用いた。ステップS110では、各触媒とも、酸化物多孔体粉末としてTiO2 粉末を用いた。また、ステップS110では、スラリ中のTiO2 量とゾル由来酸化物との合計量に対するゾル由来酸化物量の割合が、10%となるようにスラリを調製した。ステップS120では、このスラリを、モノリスの容積1リットル当たり120gの割合で、モノリス基材上にコーティングした。ステップS130に対応する工程として、120℃で5時間乾燥を行ない、350℃で2時間焼成を行なった。
【0112】
各触媒とも、Ptと共に担持する上記所定の物質としてMoを用いた。ステップS140では、まず、ヘキサアンミン白金塩溶液を用いて、イオン交換法によって、Ptの担持を行なった。Ptの担持量は、モノリス容積1リットル当たり1.2gとした。その後さらに、吸水法によってMoをモノリス上に担持させた。吸水法とは、基材として用いる多孔体の吸水量(多孔体を溶液に浸漬したときに多孔体が吸水する量)を予め調べておき、この所定の吸水量中に所望量のMoが含まれるように調製したMo塩溶液中に、多孔体を浸漬させる方法である。ここでは、Mo塩溶液として7−モリブデン酸アンモニウム塩溶液を用い、Moの担持量が、モノリス溶液1リットル当たり0.18gとなるように担持を行なった。ステップS150において、120℃で5時間乾燥を行ない、350℃で2時間焼成を行なって、各触媒を完成した。
【0113】
上記各触媒を用いたCO低減率の測定は、以下の条件で行なった。
試験ガスの組成(ドライ状態)…N2=34.7%、H2=46.8%、CO=6.27%、CO2=11.9%;
水蒸気量(モル比)…H2O/CO=6.3;
空間速度SV(ドライ状態)=3,600/h;
入りガス温度(各モノリス触媒に供給する試験ガスの温度)…300℃;
【0114】
図32に示すように、バインダとしてCeO2 ゾルを用いて製造した実施例の触媒(20)は、他種の酸化物ゾルをバインダとして用いた比較例の触媒に比べて、高いCO低減率を示した。
【0115】
図34は、上記実施例の触媒(20)と同様にバインダとしてCeO2 ゾルを用いる触媒を、加えるCeO2 ゾルの量を変えて製造し、それぞれについてCO低減率を調べた結果を示す説明図である。ここで用いた触媒は、酸化物多孔体としてはTiO2 を用い、Ptと共に担持させる上記所定の物質としてはMoを用いた。また、Ptの担持量、Moの担持量、およびモノリス基材上をコーティングするのに用いたスラリ量は、上記実施例の触媒(20)と同様とした。また、CO低減率を測定する際に用いた試験ガスの組成、水蒸気量および入りガス温度は、図32に結果を示した測定時の条件と同じとした。図34に示すように、スラリ中のTiO2 量とCeO2 量との合計量に対するCeO2 量の割合を、1〜30%とすると、充分に高いCO低減率を示した。特に、上記CeO2 量の割合を3〜10%とすると、特に高いCO低減率を示した。
【0116】
図35は、スラリ中のTiO2 量とCeO2 量の合計量に対するCeO2 量の割合を変えて製造した触媒のそれぞれに関して、比表面積と触媒の剥離率とを測定した結果を表わす説明図である。ここで測定した触媒の比表面積は、気体吸着法によって測定したBet比表面積といわれる値である。気体吸着法とは、窒素ガスのように試料と反応を起こしにくいガスを試料表面に吸着させて、吸着したガス量を測定し、「Betの式」として知られる理論を用いて測定値を解析することにより、試料の表面積を測定する周知の方法である。
【0117】
また、剥離率は、CeO2 ゾル量の異なる上記各触媒を水中に浸しつつ、同じ条件で超音波処理を施して、モノリス基材から脱落した物質の重量を測定することにより求めた。この剥離率は、モノリス基材上に担持した上記物質の合計量に対する脱落した物質の量の割合として算出した。
【0118】
図35に示すように、CeO2 ゾル量を増やした触媒ほど、比表面積は小さくなった。また、CeO2 ゾル量を増やした触媒ほど、剥離率が低下した。比表面積の減少は、触媒表面においてシフト反応が進行する場が少なくなっていることを示すと考えられ、剥離率の低下は、触媒の耐久性の向上を示すと考えられる。図34に基づいて示されるCeO2 量の望ましい割合は、シフト反応が進行する場と、触媒の耐久性との両方が、充分に確保される値であると考えられる。
【0119】
なお、担体であるハニカム上に触媒を担持させる際に用いるバインダとして、CeO2 ゾルは、極めて優れた性質を有している。上記実施例では、酸化物多孔体上に、Ptと共に、Ptと共存することによってPt−CO結合の力を弱める働きを有する所定の物質や、Ptと共存することによってPtにおける電子の結合エネルギを増大させる働きを有する所定の物質を担持させて、触媒活性の向上を図っている。しかしながら、CeO2 ゾルがバインダとして優れているという性質は、酸化物多孔体上にPtを担持したハニカム触媒を製造する際に、上記所定の物質の有無に関わらず、認められる性質である。
【0120】
図36は、モノリス基材上に触媒を担持する際に、バインダとしてCeO2 を用いることによる効果を調べた結果を示す図である。実施例の触媒である触媒(21)と、比較例の触媒である触媒(C21)とは、以下に示す触媒である(図37参照)。
触媒(21)バインダとしてCeO2 ゾルを用い、Moを有しない触媒;
触媒(C21)バインダとしてAl23ゾルを用い、Moを有しない触媒;
【0121】
上記した実施例および比較例の各触媒は、図31に示した製造工程と同様の製造工程に従って製造した。ただし、ステップS140に対応する工程では、Ptのみをモノリス基材上に担持し、Mo等の所定の物質の担持は行なっていない。使用したモノリス基材や酸化物多孔体粉末、あるいは用いた酸化物ゾルの量やスラリをコーティングした量、乾燥・焼成の条件などは、既述した触媒(20)を製造したときのものと同様である。
【0122】
上記各触媒を用いたCO低減率の測定は、以下の条件で行なった。
試験ガスの組成(ドライ状態)…N2=34.7%、H2=46.8%、CO=6.27%、CO2=11.9%;
水蒸気量(モル比)…H2O/CO=6.3;
空間速度SV(ドライ状態)=3,600/h;
入りガス温度(各モノリス触媒に供給する試験ガスの温度)…300℃;
【0123】
図36に示すように、バインダとしてCeO2 ゾルを用いて製造した実施例の触媒(21)は、他種の酸化物ゾルをバインダとして用いた比較例の触媒に比べて、高いCO低減率を示した。
【0124】
(H)効果およびシステムへの適用例:
以上説明した各実施例のシフト触媒によれば、Ptを担持する貴金属系の触媒にさらにMoあるいはReを備えさせることによって、より高いCO低減率を実現することができる。また、このようなシフト触媒は、従来知られる貴金属系触媒と同様に、Cu系触媒に比べて優れた耐熱性を有すると共に、空間速度SVが増大したときにもCO低減率の低下が少ないという優れた特性を有している。
【0125】
さらに、上記実施例のシフト触媒によれば、MoのようにPtとCOとが結合する力を弱める物質をさらに担持させることによって(特に、この物質を後担持として触媒を製造することによって)、図7に示したように、より低温の条件下においてCO低減率を向上させることができる。より低温の条件下で高いCO低減率を実現可能であることにより、シフト反応の効率を向上させる効果を得ることができる。以下に、シフト触媒が促進するシフト反応を式(1)として示す。
【0126】
CO + H2O → H2 + CO2 …(1)
【0127】
上記シフト反応は、この反応と逆向きの反応である逆シフト反応と所定の平衡状態を保つように進行する。上記(1)式とは逆向きの逆シフト反応は、高温の条件下ほど活発に進行する様になり、低温になるほど逆シフト反応は抑えられる。上記実施例のシフト触媒のように、より低温の条件下で高い活性を有する場合には、逆シフト反応の活性がより低い温度でシフト反応を進行させることができるため、シフト反応を進行する際の効率を向上させることができる。シフト反応の効率を向上させることができることで、シフト触媒を備える装置をより小型化することが可能となる。
【0128】
また、CeO2 ゾルをバインダとして用いて、酸化物多孔体とPtとを、モノリス基材等のハニカム上に担持させることで、より高い一酸化炭素低減率を示すシフト触媒を得ることができる。
【0129】
以下に、このようなシフト触媒を備える装置の例として、燃料電池に燃料ガスを供給する燃料改質装置の構成を示す。図38は、燃料改質装置の構成の概略を表わす説明図である。この装置は、燃料電池18と、それに供給する燃料ガスを生成する燃料改質装置とを備えている。燃料改質装置は、所定の原燃料を改質することによって水素を生成する装置であり、改質部10、冷却器12、シフト部14、CO酸化部16を主な構成要素とする。原燃料としては、天然ガス、ガソリンなどの炭化水素、メタノールなどのアルコール、あるいはエーテルやアルデヒドなど、改質反応によって水素を生成可能なものの中から適宜選択すればよい。
【0130】
これらの原燃料は、改質部10において、水蒸気や空気と共に、水蒸気改質反応、あるいは部分酸化反応と呼ばれる反応に供されて、COを含有する水素リッチガスを生成する。生成された水素リッチガスは、シフト部14およびCO酸化部16に供給されて、一酸化炭素濃度の低減が図られる。ここで、改質部10、シフト部14、CO酸化部16は、それぞれ内部で進行する反応を促進する触媒を備えており、触媒に応じた反応温度となるように内部温度が制御される。例えば、上記原燃料としてガソリンなどを用いる場合には、改質反応は900℃程度の温度条件で行なわれるが、シフト触媒が促進するシフト反応は、200〜300℃程度の温度条件で行なわれるため、本実施例では、改質部10で生成された水素リッチガスは、シフト部14に供給するのに先立って、冷却器12において冷却することとした。
【0131】
シフト部14は、既述した実施例のシフト触媒を内部に備えており、冷却器12から水素リッチガスの供給を受けてシフト反応を進行させ、水素リッチガス中の一酸化炭素濃度を低減する。ここで、シフト部14が備えるシフト触媒は、既述したように、ペレット状に形成してシフト部14内に充填することとしても良いし、ハニカムチューブ上をコーティングした状態でシフト部14内に収容することとしても良い。
【0132】
シフト部14で一酸化炭素濃度を低減した水素リッチガスは、CO酸化部16に供給されて、さらなる一酸化炭素濃度の低減が図られる。CO酸化部16では、より多く存在する水素に優先して一酸化炭素を酸化する一酸化炭素選択酸化反応が行なわれる。このようにして一酸化炭素濃度が充分に低減された水素リッチガスは、燃料ガスとして燃料電池18のアノード側に供給され、電気化学反応に供される。なお、燃料電池18のカソード側には、酸化ガスとして空気が供給される。
【0133】
このような燃料電池装置は、シフト部14が上記実施例のシフト触媒を備えており、シフト反応の活性を充分に高く確保することができるため、シフト部14をより小型化することが可能であって、装置全体をより小さくすることができる。また、逆シフト反応の活性が充分に低い温度条件下(例えば200〜250℃)においてもシフト反応の活性を充分に高く確保することができるため、燃料改質装置が原燃料から水素を生成する効率全体をより高くすることが可能となる。
【0134】
さらに、本実施例のシフト触媒が、より低い温度で充分な活性を示すことにより、燃料電池装置の始動時に、シフト部14の暖機時間をより短くすることができるという効果を奏する。燃料電池装置の始動時には、各部を充分に昇温させて、各部における望ましい運転温度にいち早く達することが重要である。このような始動時には、シフト部14は、通常は上流側から供給される高温の気体によって暖められるが、シフト触媒がより低い温度条件下でもシフト反応を促進可能であるため、より低い温度条件下でシフト反応、すなわち発熱反応がシフト部14内で進行するようになり、始動時間をより短縮することが可能となる。
【0135】
上記実施例のシフト触媒では、酸化物多孔体上にPtを担持する触媒において、さらにMoあるいはReを備えることとしたが、異なる構成とすることも可能である。MoあるいはReのように、シフト触媒に加えることによってPtとCOとが結合する力を弱める働きを有する物質であれば、同様の効果を得ることが可能である。
【0136】
また、用いる酸化物多孔体も、既述した実施例で示したものに限るものではなく、酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(CeO2)のうちの少なくとも一種によって構成される酸化物多孔体の中から、適宜選択可能である。なお、このような多孔質体を担体として用いることにより、その上にPtを担持させる際に、充分にPtが分散した状態で担持させることができ、シフト反応を促進する活性を充分に確保することが可能となる。
【0137】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる様態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】モリブデンを備えるシフト触媒の触媒性能を、モリブデンを備えないシフト触媒の触媒性能と比較した結果を表わす図である。
【図2】図1で触媒性能の比較に用いた各触媒をまとめて示す図である。
【図3】各触媒が備えるPtにおける電子の結合エネルギを測定した結果を示す説明図である。
【図4】Moを加える量とCO低減率との関係を調べた結果を表わす説明図である。
【図5】Moを加える量と、Ptの電子の結合エネルギとの関係を調べた結果を示す図である。
【図6】触媒作用に関わるPtサイト数と、加えるMoの量との関係を調べた結果を表わす図である。
【図7】Mo担持を行なう順序とCO低減率との関係を調べた結果を表わす説明図である。
【図8】図7でCO低減率の比較に用いた各触媒をまとめて示す図である。
【図9】他種の担体を用いて、Mo担持を行なう順序とCO低減率との関係を調べた結果を表わす説明図である。
【図10】図9でCO低減率の比較に用いた各触媒をまとめて示す図である。
【図11】Mo高分散担体を用いた触媒と、Mo後担持の触媒とについて、CO低減率を比較した結果を表わす図である。
【図12】図11でCO低減率の比較に用いた各触媒をまとめて示す図である。
【図13】Mo高分散担体を用いた触媒と、Mo後担持の触媒と、Moを含有しない触媒とについて、Ptの電子の結合エネルギを測定した結果を表わす図である。
【図14】Mo高分散担体を用いた触媒と、Mo後担持の触媒と、Moを含有しない触媒とについて、触媒作用に関わるPtサイト数を測定した結果を表わす図である。
【図15】レニウムを備えるシフト触媒の触媒性能を、レニウムを備えないシフト触媒の触媒性能と比較した結果を表わす図である。
【図16】図15でCO低減率の比較に用いた各触媒をまとめて示す図である。
【図17】Reの有無と、Ptの電子の結合エネルギとの関係を調べた結果を示す図である。
【図18】シフト触媒を製造する際のRe担持の順序による効果を調べた結果を表わす図である。
【図19】Reの担持量とCO低減率との関係を調べた結果をあらわす図である。
【図20】ニオブを備えるシフト触媒の触媒性能を、ニオブを備えないシフト触媒の触媒性能と比較した結果を表わす図である。
【図21】図20でCO低減率の比較に用いた各触媒をまとめて示す図である。
【図22】Nbの有無と、Ptの電子の結合エネルギとの関係を調べた結果を示す図である。
【図23】Nbを加える量とCO低減率との関係を調べた結果を表わす説明図である。
【図24】Nbを加える量と、Ptの電子の結合エネルギとの関係を調べた結果を示す図である。
【図25】触媒作用に関わるPtサイト数と、加えるNbの量との関係を調べた結果を表わす図である。
【図26】Nb担持を行なう順序とCO低減率との関係を調べた結果を表わす説明図である。
【図27】Nb高分散担体を用いた触媒と、Nb後担持の触媒と、Nbを含有しない触媒とについて、CO低減率を比較した結果を表わす図である。
【図28】図27でCO低減率の比較に用いた触媒をまとめて示す図である。
【図29】Nb高分散担体を用いた触媒と、Nb後担持の触媒と、Nbを含有しない触媒とについて、Ptの電子の結合エネルギを測定した結果を表わす図である。
【図30】Nb高分散担体を用いた触媒と、Nb後担持の触媒と、Nbを含有しない触媒とについて、触媒作用に関わるPtサイト数を測定した結果を表わす図である。
【図31】モノリス基材を用いた触媒の製造工程を表わす説明図である。
【図32】モノリス基材を用いた触媒のCO低減率を調べた結果を示す説明図である。
【図33】図32で触媒性能を調べるために用いた各触媒をまとめて示す図である。
【図34】バインダとして用いるCeO2 ゾル量とCO低減率との関係を調べた結果を示す説明図である。
【図35】バインダとして用いるCeO2 ゾル量と、触媒の比表面積および剥離率の関係を調べた結果を示す説明図である。
【図36】バインダとして用いるCeO2 ゾルの効果を調べた結果を示す図である。
【図37】図36でCO低減率の比較に用いた各触媒をまとめて示す図である。
【図38】燃料電池装置の構成を表わす説明図である。
【符号の説明】
10…改質部
12…冷却器
14…シフト部
16…CO酸化部
18…燃料電池

Claims (15)

  1. 水と一酸化炭素から水素と二酸化炭素を生成するシフト反応を促進する活性を有するシフト触媒であって、
    第1の酸化物多孔体に、白金(Pt)と、モリブデン(Mo)から成る添加元素と、を担持させて成り、
    前記第1の酸化物多孔体は、少なくともアナターゼ型の酸化チタン(TiO2 )によって構成され、
    前記添加元素は、前記酸化物多孔体に担持させる前記白金の量に対して、0.1〜5のモル比で前記酸化物多孔体に担持されることを特徴とするシフト触媒。
  2. 前記酸化物多孔体に担持させる前記白金の量に対して、0.3〜3のモル比で、前記添加元素を前記酸化物多孔体に担持させて成ることを特徴とする
    請求項1記載のシフト触媒。
  3. 水と一酸化炭素から水素と二酸化炭素を生成するシフト反応を促進する活性を有するシフト触媒であって、
    第1の酸化物多孔体に、白金(Pt)と、ニオブ(Nb)から成る添加元素と、を担持させて成り、
    前記第1の酸化物多孔体は、酸化チタン(TiO2 )、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(CeO2 )のうちの少なくとも一種によって構成され、
    前記添加元素は、前記酸化物多孔体に担持させる前記白金の量に対して、0.05〜10のモル比で前記酸化物多孔体に担持されることを特徴とするシフト触媒。
  4. 前記酸化物多孔体に担持させる前記白金の量に対して、0.1〜5のモル比で、前記ニオブを前記酸化物多孔体に担持させて成ることを特徴とする
    請求項3記載のシフト触媒。
  5. 水と一酸化炭素から水素と二酸化炭素を生成するシフト反応を促進する活性を有するシフト触媒であって、
    第2の酸化物多孔体に白金(Pt)を担持させて成り、
    前記第2の酸化物多孔体は、少なくともアナターゼ型の酸化チタン(TiO2 )によって構成されると共に、少なくともその表面部には、モリブデン(Mo)が混在していることを特徴とする
    シフト触媒。
  6. 水と一酸化炭素から水素と二酸化炭素を生成するシフト反応を促進する活性を有するシフト触媒の製造方法であって、
    (a)少なくともアナターゼ型の酸化チタン(TiO2 )によって構成される第1の酸化物多孔体を用意する工程と、
    (b)前記第1の酸化物多孔体上に白金を担持させる工程と、
    (c)前記第1の酸化物多孔体上に、モリブデン(Mo)から成る添加元素を、前記酸化物多孔体に担持させる前記白金の量に対して、0.1〜5のモル比で担持させる工程と
    を備えることを特徴とするシフト触媒の製造方法。
  7. 前記(c)工程は、前記第1の酸化物多孔体上に、前記添加元素を、前記酸化物多孔体に担持させる前記白金の量に対して、0.3〜3のモル比で担持させる工程である
    請求項6記載のシフト触媒の製造方法。
  8. 水と一酸化炭素から水素と二酸化炭素を生成するシフト反応を促進する活性を有するシフト触媒の製造方法であって、
    (a)酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(CeO2)のうちの少なくとも一種によって構成される第1の酸化物多孔体を用意する工程と、
    (b)前記第1の酸化物多孔体上に白金を担持させる工程と、
    (c)前記第1の酸化物多孔体上に、ニオブ(Nb)から成る添加元素を、前記酸化物多孔体に担持させる前記白金の量に対して、0.05〜10のモル比で担持させる工程と
    を備えることを特徴とするシフト触媒の製造方法。
  9. 前記(c)工程は、前記第1の酸化物多孔体上に、前記ニオブを、前記酸化物多孔体に担持させる前記白金の量に対して、0.1〜5のモル比で担持させる工程である
    請求項8記載のシフト触媒の製造方法。
  10. 前記(c)工程は、前記(b)工程で白金を担持させた前記第1の酸化物多孔体上に、前記添加元素を担持させることを特徴とする
    請求項6ないし9いずれか記載のシフト触媒の製造方法。
  11. 水と一酸化炭素から水素と二酸化炭素を生成するシフト反応を促進する活性を有するシフト触媒の製造方法であって、
    (a)少なくともアナターゼ型の酸化チタン(TiO2 )によって構成されると共に、少なくともその表面部には、モリブデン(Mo)が混在している第2の酸化物多孔体を用意する工程と、
    (b)前記第2の酸化物多孔体上に、白金を担持させる工程と
    を備えることを特徴とするシフト触媒の製造方法。
  12. 水と一酸化炭素から水素と二酸化炭素を生成するシフト反応を促進する活性を有するシフト触媒の製造方法であって、
    (a)酸化チタン(TiO2 )、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(CeO2)のうちの少なくとも一種によって構成される第1の酸化物多孔体を用意する工程と、
    (b)前記第1の酸化物多孔体を、酸化セリウム(CeO2 )ゾルを用いてハニカム担体上に担持させ、多孔層を形成する工程と、
    (c)前記多孔層上に、白金を担持させる工程と、
    (d)前記多孔層上に、モリブデン(Mo)とレニウム(Re)とニオブ(Nb)のうちの少なくともいずれか一種を担持させる工程と
    を備えることを特徴とするシフト触媒の製造方法。
  13. 請求項12記載のシフト触媒の製造方法であって、
    前記第1の酸化物多孔体は、酸化チタン(TiO2 )であり、
    前記(b)工程で用いる前記第1の酸化物多孔体および前記酸化セリウム(CeO2 )ゾルの量は、前記シフト触媒において、酸化セリウム(CeO2 )ゾルに由来する酸化セリウム量が、前記多孔層全体に対して1〜30重量%の割合となる量である
    シフト触媒の製造方法。
  14. 請求項13記載のシフト触媒の製造方法であって、
    前記(b)工程で用いる前記第1の酸化物多孔体および前記酸化セリウム(CeO2 )ゾルの量は、前記シフト触媒において、酸化セリウム(CeO2 )ゾルに由来する酸化セリウム量が、前記多孔層全体に対して3〜10重量%の割合となる量である
    シフト触媒の製造方法。
  15. 改質反応を利用して炭化水素系燃料から水素を生成する燃料改質装置であって、
    前記改質反応を促進する改質触媒を備え、前記炭化水素系燃料の供給を受けて前記改質反応を進行し、水素リッチガスを生成する改質器と、
    請求項1ないし5いずれか記載のシフト触媒を備えるシフト部とを備え、
    前記シフト部は、前記改質器から前記水素リッチガスの供給を受け、前記シフト反応を進行することで、前記水素リッチガス中の一酸化炭素濃度を低減することを特徴とする燃料改質装置。
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