JP2006341206A - 一酸化炭素選択酸化触媒およびその製造方法 - Google Patents

一酸化炭素選択酸化触媒およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 白金成分を含有するCO選択酸化触媒において、低温活性化成分の作用効果を充分に発揮させ、低温条件下におけるCO選択酸化活性をより一層向上させうる手段を提供する。
【解決手段】 白金原子を含む白金成分が無機担体に担持されてなるCO選択酸化触媒において、酸化第一銅をさらに含有させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、一酸化炭素(以下、「CO」とも称する)を選択的に酸化するための、CO選択酸化触媒に関する。詳細には、本発明は、低温においても高いCO選択酸化活性を示すCO選択酸化触媒に関する。
近年、種々の水素−酸素燃料電池が開発されており、中でも、低温(通常100℃以下)で作動可能な固体高分子型燃料電池が注目を集め、自動車用低公害動力源としての実用化が検討されている。
固体高分子型燃料電池は、純粋な水素を燃料源として用いることがエネルギー効率の観点からは好ましいが、安全性やインフラの普及等を考慮すると、アルコール、ガソリン、軽油等の液体を燃料源として用い、これらを改質装置において水素リッチな改質ガスに転換する方法も有望な候補である。
炭化水素系液体燃料を燃料源として用いて改質ガスに転換すると、改質ガス中にはある程度の量のCOが残存する。ところが、このCOは、燃料電池の電極に用いられている白金系触媒に対し、触媒毒として作用する。このため、このCOを例えばCOに転化するなどして除去し、白金系電極触媒に対する被毒を防止する必要がある。具体的には、まずシフト反応(CO+HO→CO+H)を利用し、改質ガス中に含まれるCO濃度を1体積%程度にまで低減する。そして、貴金属等が無機担体に担持されてなるCO選択酸化触媒を用い、COを酸化除去(COに転化)する方法が提案されている。
この場合、CO選択酸化触媒においては、酸化反応の進行に伴い触媒温度が上昇する。その結果、逆シフト反応(CO+H→CO+HO)によるCO濃度の増加や、メタン化反応(CO+3H→CH+HO、CO+4H→CH+2HO)による水素の消費、といった問題が生じる。このため、熱交換器などを用いてCO選択酸化触媒の温度を比較的低い温度範囲に維持し、上記の好ましくない反応を抑制する工夫が施されるのが一般的である。
上記の好ましくない反応は、低温条件ほど効果的に抑制されうる。このため、低温活性に優れる触媒が望まれている。また、自動車に搭載する改質装置を考えると、頻繁な起動停止や激しい負荷変動があることから、雰囲気変動に強い触媒が望まれる。以上の観点からは、貴金属系、とりわけ白金系の触媒が有望である。反面、白金系触媒の欠点として、低温条件下では白金原子にCOが強く吸着するという吸着被毒現象により、COの除去効率が低下するという問題がある。
かような問題に鑑み、白金原子の他に、銅原子や鉄原子などの遷移金属原子を低温活性化成分としてさらに添加して、低温領域におけるCO選択酸化活性を向上させる試みがなされている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2001−149781号公報
ここで、前記文献1には、含浸や蒸発乾固といった手段を用いてコバルト原子や銅原子などの低温活性化成分と白金成分とを担体に同時に担持させることにより、CO選択酸化触媒を調製することが好ましい旨が記載されている。
しかしながら、かような手法により触媒を調製すると、必ずしも充分な活性向上効果が得られるとは限らないという問題がある。すなわち、低温活性化成分と白金成分との作用温度領域が分離している場合があったり、または、触媒成分が担持されている無機担体の表面上にて、一方の成分が他方の成分により被覆されるために充分に作用を発揮できなかったりするのである。
そこで本発明は、白金成分を含有するCO選択酸化触媒において、低温活性化成分の作用効果を充分に発揮させ、低温条件下におけるCO選択酸化活性をより一層向上させうる手段を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行い、その過程において、低温活性化成分として好ましい成分を探索した。その結果、1価の銅原子を含む酸化第一銅(CuO)を低温活性化成分として採用すると、低温条件下におけるCO選択酸化活性を向上させうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、白金原子を含む白金成分が無機担体に担持されてなる一酸化炭素選択酸化触媒であって、酸化第一銅をさらに含有することを特徴とする、一酸化炭素選択酸化触媒である。
また本発明は、酸化第一銅を含有する無機担体を準備する工程と、白金原子を含む白金成分を前記無機担体に担持させる工程と、を有する、一酸化炭素選択酸化触媒の製造方法である。
本発明のCO選択酸化触媒によれば、白金成分に加えて添加された酸化第一銅が低温活性化成分として充分に機能しうる。よって本発明によれば、低温条件下におけるCO選択酸化活性に優れるCO選択酸化触媒が提供されうる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
上述したように、従来、貴金属原子である白金原子を含有するCO選択酸化触媒において、鉄原子などの遷移金属原子をさらに添加すると、低温領域におけるCO選択酸化活性が向上することが知られている。本発明者は、これらの遷移金属原子のなかでも銅原子に着目し、CO選択酸化触媒の触媒活性のさらなる向上を図るべく、鋭意研究を行った。その結果、銅原子を酸化第一銅の形態で含有させると、低温条件下におけるCO選択酸化活性を向上させうることを見出した。
なお、1価の銅原子を含む酸化第一銅(CuO)の添加によりCO選択酸化活性が向上するメカニズムはいまだ明らかとはなっていない。ただし、酸化第一銅が存在することで、反応ガス中の酸素や水などが活性化されて何らかの活性種が生成し、この活性種がCOのCOへの酸化に何らかの関与をしているものと推測される。また、銅原子の存在によって白金原子から銅原子へと電子が吸引され、これにより白金原子のCO吸着力が低下し、COがCOへと酸化されやすくなるというメカニズムも推定されている。ただし、その他のメカニズムが関与していたとしても、本発明の技術的範囲は何ら影響を受けない。
ここで、前記文献1に好ましい調製方法として記載されているように、白金成分と銅成分とを同時に無機担体に担持させることによって、白金原子および銅原子を含有するCO選択酸化触媒を製造する場合を考えてみる。かような調製方法によれば、白金原子は、白金金属の粒子または白金酸化物の粒子として無機担体の表面に担持される。一方、銅原子も同様に、銅原子の金属粒子または酸化物(例えば、酸化銅など)の粒子として無機担体の表面に担持される。この際、無機担体の1個の粒子に着目すると、この無機担体粒子の表面には、白金成分と銅成分とが共存している。多くの場合には、白金金属の粒子と、酸化銅とが、無機担体粒子の表面に同時に存在していると考えられる。
従って、場合によっては、無機担体に担持された白金成分が酸化銅などの銅成分により被覆されてしまう虞がある。あるいは逆に、無機担体に担持された銅成分が白金成分により被覆されてしまう虞もある。その結果、被覆された成分が活性を充分に発揮できず、最終的なCO選択酸化活性が低下してしまうという問題がある。
本発明者は、CO選択酸化触媒の触媒活性を向上させるためのアプローチとして、白金成分および銅成分の無機担体表面における存在状態を制御することを試みた。具体的には、銅原子を酸化第一銅(CuO)の形態で含有させることで、白金成分と銅成分とが無機担体上に同時に担持されることを防止し、上述した被覆による問題の解決を図った。
すなわち、本発明の第1は、白金原子を含む白金成分が無機担体に担持されてなる一酸化炭素選択酸化触媒であって、酸化第一銅をさらに含有することを特徴とする、一酸化炭素選択酸化触媒である。なお、本願において「CO選択酸化触媒」とは、少なくともCOおよびOを含有するガスに接触することにより、前記ガス中のCOのCOへの酸化反応を選択的に促進する触媒をいう。また、本願において「低温」とは、例えば、200℃程度以下の温度を指し、より詳細には、100〜180℃程度の温度を指す。
本発明のCO選択酸化触媒は、白金原子を含有する。そして、銅原子が酸化第一銅(CuO)の形態で含有される点に特徴を有する。以下、図面を参照しながら、本発明のCO選択酸化触媒の好ましい形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、以下に記載する形態のみには制限されない。
(第1形態)
[構成]
図1は、本発明のCO選択酸化触媒の好ましい一形態(本明細書中、「第1形態」とも称する)を示す模式断面図である。
図1に示すように、第1形態のCO選択酸化触媒10は、無機担体20の表面に白金成分30が担持された構成を有する。前記無機担体20は、アルミナ22を主成分として含む。さらに、無機担体20は、その表層に、酸化第一銅(CuO)からなる酸化第一銅(CuO)層24を有する。なお、説明の便宜上、図1に示すCO選択酸化触媒の各構成成分の寸法比率は誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。また、多くの場合、無機担体20の表面には多数の微細孔が形成されているが、この微細孔は図1においては省略されている。
白金成分30は、白金原子のみからなる触媒成分である。ただし、白金成分30は白金原子のみからなる成分に限られず、例えば、白金酸化物(一酸化白金(PtO)、二酸化白金(PtO)など)からなる成分、白金と白金酸化物との混合物からなる成分、白金合金からなる成分などであってもよい。白金合金としては、後述する他の貴金属原子や遷移金属原子と白金との合金が例示される。
白金成分の形状は特に制限されず、球状、針状、立方体状、不定形状などのいずれの形状であってもよいが、好ましくは白金成分は球状である。
第1形態において、無機担体20は、上述したように主成分がアルミナ22であり、その表層に酸化第一銅(CuO)層24を有する。無機担体20の主成分としてアルミナ22を用いると、触媒活性が向上し、原料の入手、担体の製造および取扱いが容易であるため、好ましい。
「酸化第一銅(CuO)」とは、1価の銅を含む銅の酸化物である。なお、触媒中の酸化第一銅(CuO)の存在は、X線回折法により確認されうる。
図1に示す形態においては、無機担体20の表層の全面に酸化第一銅(CuO)層24が形成されているが、かような形態のみには制限されない。例えば、無機担体20の表層の一部に酸化第一銅(CuO)層24が形成され、アルミナ22の表面の一部が露出する形態もまた、採用されうる。
アルミナ22の種類は特に制限されず、触媒用の無機担体として従来公知のものが用いられうる。アルミナ22としては、例えば、αアルミナ、θアルミナ、γアルミナ、δアルミナ、βアルミナが例示される。なお、これらは1種のみが単独で用いられてもよく、これらの混合物が用いられてもよい。ここで、アルミナの混合物には、2種以上のアルミナが物理的に混合された形態のほか、結晶構造のある部分と他の部分とで結晶性の異なるアルミナも含まれる。かような形態としては、例えば、ある部分がα型で他の部分がθ型のアルミナが挙げられる。
無機担体20の比表面積についても特に制限はないが、好ましくは35〜120m/g、より好ましくは50〜110m/gである。無機担体20の比表面積が小さすぎると、触媒を製造する際の白金成分30および酸化第一銅(CuO)の分散性が悪化し、触媒活性が低下する虞がある。一方、無機担体20の比表面積が大きすぎると、場合によっては無機担体20の表層に存在する酸化第一銅(CuO)層24上に白金成分30が充分に担持されず、同じく触媒活性が低下する虞がある。なお、本明細書に記載の「比表面積」は、例えば、窒素吸着によるBET比表面積を測定することにより算出されうる。
無機担体20の平均粒子径も特に制限されない。ただし、好ましくは0.8〜5μm程度であり、より好ましくは1.0〜3.5μmであり、さらに好ましくは1.5〜2.5μmである。無機担体20の平均粒子径が小さすぎると、飛散性が上昇して取扱いが煩雑となる虞がある。一方、無機担体20の平均粒子径が大きすぎると、触媒の成形性が悪化し、例えばハニカム担体に塗布した場合に剥離しやすくなる虞がある。また、触媒の比表面積が相対的に減少し、触媒性能が低下する虞がある。
無機担体20の表層に形成される酸化第一銅(CuO)層24の厚さは、特に制限されない。ただし、酸化第一銅(CuO)層24の厚さは、好ましくは数nm〜0.5μm程度と薄いことが好ましい。酸化第一銅(CuO)層24の厚さは、銅原子の含有量や触媒調製時の銅溶液中の銅濃度や当該溶液のpHなどを調節することにより、適宜制御されうる。
図1に示す形態においては、無機担体20の表層にのみ酸化第一銅(CuO)が存在している。しかしながら、かような形態のみには制限されず、場合によっては、無機担体20の内部のアルミナ22中に酸化第一銅(CuO)が存在してもよい。
無機担体20の表面積に占める、酸化第一銅(CuO)層24が形成された部位の面積比は、例えば50〜100%と高いほど好ましい。なお、図1に示す形態(第1形態)においては無機担体20の全表面に酸化第一銅(CuO)層24が形成されていることから、この面積比は100%となる。ここで、この面積比が小さすぎると、銅原子を含有させたことによる効果が充分に得られない虞がある。
以上、無機担体20の主成分がアルミナ22である場合を例に挙げて説明したが、表面に酸化第一銅(CuO)層24を形成することが可能であれば、アルミナ以外の化合物が無機担体20の主成分として用いられてもよい。無機担体20として用いられうるアルミナ以外の成分としては、例えば、チタニア、シリカ、シリカアルミナ、ジルコニア、マグネシア、ゼオライトなどの金属酸化物が例示される。これらは1種のみが単独で用いられてもよく、これらの混合物が用いられてもよい。さらに、これらの金属酸化物とアルミナとの混合物が用いられても、勿論よい。なお、アルミナ以外の金属酸化物が無機担体20の主成分として用いられる場合であっても、無機担体20の比表面積や平均粒子径その他の好ましい形態としては、アルミナを例に挙げて上述した形態が同様に採用されうる。
本発明のCO選択酸化触媒は、COを吸着するための白金成分と、白金原子上に吸着されたCOのCOへの酸化を促進する銅成分とを含有しており、この両成分の含有量のバランスが良好に保たれると、触媒のCO選択酸化活性の向上に寄与しうる。かような観点から、本発明のCO選択酸化触媒において、白金原子と酸化第一銅中の1価の銅原子との合計量に対する、前記1価の銅原子の質量比は、好ましくは50質量%超100質量%未満であり、より好ましくは80〜90質量%であり、さらに好ましくは80〜85質量%である。また、別の表現を用いれば、本発明のCO選択酸化触媒において、白金原子の含有量に対する、酸化第一銅中の1価の銅原子の含有量のモル比(Cu/Pt)は、好ましくは3〜65であり、より好ましくは11〜20である。これらの値が上記の範囲内であると、白金原子によるCO吸着効果と1価の銅原子によるCO酸化促進効果とのバランスが良好に保たれ、その結果、触媒のCO除去性能が向上しうる。また、従来のCO選択酸化触媒よりも白金原子の含有量が比較的少ないため、コストの面でも有利である。
本発明のCO選択酸化触媒における白金原子および1価の銅原子のそれぞれの含有量についても、上記と同様に特に制限はないが、白金原子の含有量は、触媒の全量に対して、好ましくは0.2〜3.0質量%程度、より好ましくは0.4〜2.0質量%である。同様に、1価の銅原子の含有量は、触媒の全量に対して、好ましくは0.6〜12質量%程度、より好ましくは1.5〜10質量%である。これらの原子の含有量が少なすぎると、触媒活性が充分に得られない虞がある。一方、これらの原子の含有量が多すぎると、含有量の増加に見合った触媒活性が得られなくなり、触媒の製造コストが高騰する虞がある。
ここで、本発明のCO選択酸化触媒が用いられる際の空間速度条件に応じて、必要とされる白金原子および銅原子の含有量は変動しうる。上記の含有量の好ましい値には一定の幅があるが、例えば、自動車に搭載される場合のように100000h−1を超えるような高空間速度条件下において用いられる場合の好ましい含有量は、触媒の全量に対して白金原子が0.4〜2.0質量%程度、1価の銅原子が1.5〜10.0質量%程度である。これに対し、民生用機器に用いられる場合のように10000h−1を下回るようなそれほど高くない空間速度条件下で用いられる場合の好ましい含有量は、触媒の全量に対して白金原子が0.08〜1.0質量%程度、1価の銅原子が0.5〜5.0質量%程度あれば充分である。なお、本願において白金原子および銅原子の含有量とは、特に断りのない限り、金属原子に換算した量をいう。なお、白金および銅の含有量に関連する上述した種々の値は、触媒を製造する際に用いられる白金原料および銅原料の量から算出され、これらの原料の量を調節することにより制御されうる。
ここで、本発明の作用および効果が損なわれないのであれば、白金原子およびコバルト原子以外の金属原子が触媒金属として含有されてもよい。例えば、白金原子以外にも、ルテニウム、ロジウム、パラジウムなどの他の貴金属原子が含有されうる。これらの貴金属原子は、図1に示す白金成分30と同様の粒子、または白金との合金の粒子として、無機担体20に担持されうる。さらに、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジムなどの希土類原子や、コバルト、マンガン、ニッケル、鉄などの遷移金属原子が含有されてもよい。本発明の作用効果を損なわないのであれば、場合によっては、2価の銅原子が含有されていても構わない。これらの原子は、白金成分30を被覆しない形態で含有されることが好ましい。さらには、例えば、白金との合金の粒子として無機担体20に担持されてもよく、あるいはまた、ペロブスカイト型酸化物などの複合酸化物の形態で含有されてもよい。なお、白金原子および1価の銅原子以外の金属原子の無機担体20への担持量は、特に制限されないが、金属原子換算で0.05〜3.0質量%程度が適当である。
[作用および効果]
図1に示す第1形態のCO選択酸化触媒においては、上述したように、無機担体20の表層に形成された酸化第一銅(CuO)層24上に、白金成分30が担持されている。かような構成によれば、白金成分30が他の成分によって被覆されてしまうことがない。このため、白金成分30がCOを充分に吸着しうる。また、銅原子は、酸化第一銅(CuO)層24を構成する酸化第一銅(CuO)として、無機担体20の表面に存在している。このため、白金原子に吸着されたCOのCOへの酸化を充分に促進しうる。
従って、第1形態のCO選択酸化触媒によれば、白金原子によるCOの吸着と、1価の銅原子によるCO酸化の促進との双方の機構が効率よく進行しうる。その結果、触媒活性に優れるCO選択酸化触媒が提供されうる。
[製造方法]
本発明の第2は、CO選択酸化触媒の製造方法に関する。具体的には、本発明の第2は、酸化第一銅を含有する無機担体を準備する工程(無機担体準備工程)と、白金原子を含む白金成分を前記無機担体に担持させる工程(担持工程)と、を有する、一酸化炭素選択酸化触媒の製造方法である。図1に示す形態(第1形態)のCO選択酸化触媒は、この製造方法によって製造可能である。以下、工程順に説明する。
[無機担体準備工程]
まず、酸化第一銅(CuO)を含有する無機担体を準備する。この工程において準備される無機担体の好ましい形態については、既に説明した通りであるため、ここでは説明を省略する。
酸化第一銅(CuO)を含有する無機担体としては、自ら調製したものを用いてもよいし、商品が市販されている場合には、その商品を購入して用いてもよい。
酸化第一銅(CuO)を含有する無機担体を自ら調製する場合には、例えば、無機担体原料(例えば、アルミナ原料)に銅原子を担持させ、焼成することにより、表面に酸化第一銅(CuO)が生成した無機担体(例えば、アルミナ)を得るとよい。以下、無機担体の主成分がアルミナである場合を例に挙げて、かような手法により無機担体を調製する具体的な方法を説明する。ただし、その他の手法により無機担体を調製しても、勿論よい。
まず、銅原子を担持させるためのアルミナ原料を準備する。アルミナ原料は、焼成によりアルミナとなりうる原料であれば特に制限されない。アルミナ原料としては、例えば、ベーマイトアルミナ、ギブサイトなどの水酸化アルミニウムのほか、γアルミナなどが挙げられる。新たに開発された材料がアルミナ原料として用いられてもよい。
続いて、銅イオンが溶解した溶液(以下、単に「銅溶液」とも称する)を調製する。この銅溶液は、銅原子を上記で準備したアルミナ原料に担持させる目的で、後述する担持工程において用いられる。
この銅溶液を調製する工程では、まず、銅原料である銅化合物を準備する。さらに、この銅化合物を溶解させるための溶媒を準備する。その後、準備した溶媒に銅原料である銅化合物を添加し、必要に応じて撹拌して、銅溶液を調製する。
銅原料である銅化合物としては、金属塩の形態の化合物が挙げられ、例えば、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩、アンモニウム塩、塩化物等の形態の化合物が挙げられる。これらの化合物は、入手が容易で触媒調製時の原料として広く用いられており、アルミナ原料へ担持する際の取扱いも簡便である。
銅溶液の調製に用いられる溶媒としては、水やエタノール等が例示されるが、これらに制限されることはない。
銅溶液中の銅の濃度は特に制限されず、上記で準備したアルミナ原料の量や得られる触媒における銅原子の所望の含有量、担持方法などを考慮して、適宜調節されうる。
得られる触媒において、銅原子以外の金属原子を無機担体中に含有させたい場合には、本工程において、銅溶液中に所望の成分を所望の量だけ添加するとよい。この際、所望の成分は、やはり金属塩の形態で溶媒中に添加し、必要に応じて撹拌して、溶解させるとよい。
その後、上記で調製した銅溶液に溶解している銅原子を、上記で準備したアルミナ原料に担持させる。
担持させるための具体的な手法としては、例えば、含浸法、共沈法、競争吸着法などの触媒調製分野において従来公知の手法が採用されうる。処理条件は、採用される手法に応じて適宜選択されうるが、通常は、常温〜80℃にて0.5〜8時間程度、アルミナ原料と銅溶液とを接触させればよい。
アルミナ原料に銅原子を担持させた後、必要に応じてこれを乾燥させる。乾燥させるための具体的な手法としては、例えば、自然乾燥、蒸発乾固のほか、ロータリーエバポレータや送風乾燥機等を用いた乾燥などが採用されうる。乾燥時間は、採用される手法に応じて適宜設定されうる。場合によっては、この乾燥段階を省略し、後述する焼成工程において乾燥させることとしてもよい。
続いて、銅原子が担持されたアルミナ原料を焼成する。これにより、酸化第一銅(CuO)を含有する無機担体、具体的には、表面に酸化第一銅(CuO)が生成したアルミナが得られる。
焼成の具体的な手法や焼成条件については特に制限はなく、触媒調製分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。焼成条件について一例を挙げると、焼成温度は、好ましくは700〜900℃、より好ましくは750〜800℃である。かような比較的高温の条件下にて焼成させることにより、酸化第二銅(CuO)の生成を最小限に抑制しつつ酸化第一銅(CuO)を生成させることが可能となる。焼成時間は、好ましくは1〜6時間、より好ましくは2〜4時間である。場合によっては、異なる温度で2回以上焼成を行ってもよい。焼成雰囲気についても特に制限はなく、例えば、空気雰囲気や窒素雰囲気の下で焼成が行われうる。焼成条件を調節することによって、得られる無機担体の比表面積や結晶状態を制御可能である。例えば、焼成温度を低くするか、または焼成時間を短くすることによって、比表面積が比較的大きい無機担体が得られる。一方、焼成温度を高くするか、または焼成時間を長くすることによって、比表面積が比較的小さい無機担体が得られる。
必要であれば、焼成後に、得られた無機担体を粉砕し、篩分けすることで、所望の粒子径を有する無機担体のみを選別してもよい。
[白金担持工程]
次に、上述した無機担体準備工程において準備した無機担体に、白金成分を担持させる。これにより、図1に示す本発明の第1形態のCO選択酸化触媒が得られる。
まず、白金イオンが溶解した溶液(以下、単に「白金溶液」とも称する)を調製する。この白金溶液は、白金成分を無機担体に担持させる目的で、後述する担持工程において用いられる。
この白金溶液を調製する工程では、まず、白金原料である白金化合物を準備する。さらに、この白金化合物を溶解させるための溶媒を準備する。その後、準備した溶媒に白金原料である白金化合物を添加し、必要に応じて撹拌して、白金溶液を調製する。
白金原料である白金化合物としては、金属塩の形態の化合物が挙げられ、例えば、ジニトロジアンミン白金、塩化白金酸などが挙げられる。これらの化合物は、入手が容易で触媒調製時の原料として広く用いられており、無機担体へ担持する際の取扱いも簡便である。
白金溶液の調製に用いられる溶媒としては、水やエタノール等が例示されるが、これらに制限されることはない。
白金溶液中の白金の濃度は特に制限されず、上記で準備した無機担体の量や得られる触媒における所望の含有量、担持方法などを考慮して、適宜調節されうる。
得られる触媒において、白金原子以外の金属原子(特に、貴金属原子)を無機担体に担持させたい場合には、本工程において、白金溶液中に所望の成分を所望の量だけ添加するとよい。この際、所望の成分は、やはり金属塩の形態で溶媒中に添加し、必要に応じて撹拌して、溶解させるとよい。
その後、上記で調製した白金溶液に溶解している白金原子を、上記で準備した無機担体に担持させる。担持の具体的な手法や担持条件については、アルミナ原料への銅原子の担持について上述した形態が同様に採用されうる。また、この際に用いられる白金溶液および無機担体の量は、得られる触媒中の白金原子および銅原子の最終的な含有量を考慮することにより、適宜調節されうる。
無機担体に白金原子を担持させた後、必要に応じてこれを乾燥させる。乾燥の具体的な手法についても、上述した形態が同様に採用されうる。
続いて、白金原子が担持された無機担体を焼成する。これにより、無機担体の表面において白金成分が成長し、本発明の第1形態のCO選択酸化触媒が完成する。
焼成の具体的な手法や焼成条件については特に制限はなく、触媒調製分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。焼成条件について一例を挙げると、焼成温度は、好ましくは400〜600℃、より好ましくは450〜550℃であり、焼成時間は、好ましくは0.5〜4時間、より好ましくは1〜3時間である。場合によっては、異なる温度で2回以上焼成を行ってもよい。焼成雰囲気についても特に制限はなく、例えば、空気雰囲気や窒素雰囲気の下で焼成が行われうる。
必要であれば、焼成後に、得られた触媒粉末を粉砕し、篩分けすることで、所望の粒子径を有する触媒粉末のみを選別してもよい。
以上、図1に示す形態(第1形態)のCO選択酸化触媒の好ましい形態について説明したが、以下に示すその他の形態もまた、採用されうる。
(第2形態)
[構成]
図2は、本発明のCO選択酸化触媒の他の好ましい形態(本明細書中、「第2形態」とも称する)を示す模式断面図である。第2形態は、上記の第1形態と比較して、白金成分および銅成分(酸化第一銅(CuO))の含有形態が異なる。
図2に示すように、第2形態のCO選択酸化触媒10は、無機担体20の表面に酸化第一銅(CuO)成分40が担持され、さらに、前記酸化第一銅成分40の表面に白金成分30が担持された構成を有する。なお、説明の便宜上、図2に示すCO選択酸化触媒の各構成成分の寸法比率は誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。また、多くの場合、無機担体20の表面には多数の微細孔が形成されているが、この微細孔は図2においては省略されている。さらに、上記の第1形態の説明の欄において記載した形態と同様の形態が採用される場合には、重複する説明を省略する。
本発明の第2形態における白金成分30の好ましい形態は、上記の第1形態の説明の欄において記載した形態と同様である。
上述したように、第2形態において、白金成分30は、酸化第一銅(CuO)成分40の表面に担持されている。この酸化第一銅(CuO)成分40は、酸化第一銅(CuO)からなる。ただし、場合によっては、酸化コバルト(Co)などの他の物質が、1〜10質量%程度、酸化第一銅(CuO)成分40中に含まれてもよい。
酸化第一銅(CuO)成分の形状は特に制限されず、球状、針状、立方体状、不定形状などのいずれの形状であってもよいが、好ましくは球状である。球状である場合、酸化第一銅(CuO)成分40の平均粒子径については、特に制限はない。ただし、通常は0.5〜3.0μm程度であり、好ましくは0.3〜2.0μmであり、さらに好ましくは0.1〜1.0μmである。酸化第一銅(CuO)成分40の平均粒子径が小さすぎると、凝集しやすくなり、最終的に白金の分散性を悪化させてしまう虞がある。一方、酸化第一銅(CuO)成分40の平均粒子径が大きすぎると、分散性が悪く、白金の凝集を招き、充分な触媒性能が得られない虞がある。
第2形態においても、無機担体20の形態は特に制限されず、触媒調製分野において従来公知の無機担体が好ましく用いられる。無機担体20としては、例えば、上述した種々のアルミナのほか、チタニア、シリカ、シリカアルミナ、ジルコニア、マグネシア、ゼオライトなどの金属酸化物が例示される。これらは1種のみが単独で用いられてもよく、これらの混合物が用いられてもよい。なかでも、触媒活性や原料の入手、担体の製造および取扱いの容易さの観点からは、無機担体20の主成分はアルミナであることが好ましい。なお、無機担体20の比表面積や平均粒子径その他の好ましい形態は、上記の第1形態の説明の欄において記載した形態と同様である。
白金成分および酸化第一銅(CuO)成分のそれぞれの含有量、およびこれらの含有量の比の好ましい形態は、上記の第1形態の説明の欄において記載した形態と同様である。
第2形態においても、第1形態と同様に、白金成分および酸化第一銅(CuO)成分以外の金属原子が触媒金属として含有されうる。白金成分および酸化第一銅(CuO)成分に加えて含有される金属原子の種類や量についても、上記の第1形態の説明の欄において記載した形態と同様である。これらの金属原子は、白金との合金の形態で酸化第一銅(CuO)成分40に担持されてもよく、酸化第一銅(CuO)成分40に含まれてもよい。
なお、場合によっては、白金担持酸化第一銅(CuO)成分を、無機担体に担持させずにそのままCO選択酸化触媒として用いてもよい。
[作用および効果]
図2に示す第2形態のCO選択酸化触媒においては、上述したように、無機担体20の表面に担持された酸化第一銅(CuO)成分40上に、白金成分30がさらに担持されている。かような構成により、白金成分30が他の成分によって被覆されてしまうことがない。このため、白金成分30がCOを充分に吸着しうる。また、銅原子は、酸化第一銅(CuO)成分40として、無機担体20の表面に存在している。このため、白金原子に吸着されたCOのCOへの酸化を充分に促進しうる。
従って、第2形態のCO選択酸化触媒によっても、白金原子によるCOの吸着と、1価の銅原子によるCO酸化の促進との双方の機構が効率よく進行しうる。その結果、触媒活性に優れるCO選択酸化触媒が提供されうる。
[製造方法]
第2形態のCO選択酸化触媒は、例えば、酸化第一銅(CuO)成分の表面に白金成分を担持させ、得られた白金担持酸化第一銅(CuO)成分を無機担体の表面に分散させることにより、製造されうる。以下、かような製造方法につき、工程順に説明する。
[酸化第一銅(CuO)成分準備工程]
まず、酸化第一銅(CuO)成分を準備する。この工程において準備される酸化第一銅(CuO)成分の好ましい形態については、既に説明した通りであるため、ここでは説明を省略する。
酸化第一銅(CuO)成分としては、自ら調製したものを用いてもよいし、商品が市販されている場合には、その商品を購入して用いてもよい。
酸化第一銅(CuO)成分を自ら調製する場合には、例えば、共沈法が用いられうる。以下、共沈法により酸化第一銅(CuO)成分を調製する具体的な方法を説明する(後述する実施例2も参照)。ただし、その他の手法により酸化第一銅(CuO)成分を調製しても、勿論よい。
まず、銅原料である銅化合物を準備する。さらに、銅化合物を溶解させるための溶媒を準備する。その後、準備した溶媒に前記銅化合物を添加し、必要に応じて撹拌して、銅溶液を調製する。
銅原料である銅化合物としては、酸化第一銅(CuO)を含有する無機担体の調製の欄において上述した化合物が同様に用いられうる。
銅溶液の調製に用いられる溶媒としては、水やエタノール等が例示されるが、これらに制限されることはない。
銅溶液中の銅の濃度は特に制限されないが、触媒の調製に用いられる無機担体や白金成分の量、担持方法を勘案することにより、適宜調節されうる。なお、
ここで、銅原子以外の金属原子を酸化第一銅(CuO)成分中に含有させたい場合には、本工程において、銅溶液中に所望の成分を所望の量だけ添加するとよい。この際、所望の成分は、やはり金属塩の形態で溶媒中に添加するとよい。
次いで、上記で調製した銅溶液に適当な沈殿剤を添加し、水酸化銅を含む沈殿物を得る。
沈殿剤としては、例えば、塩基性化合物が挙げられる。塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、尿素、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウムなどが例示される。これらは1種のみが単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
沈殿剤は粒状や粉末状の固体の形態で銅溶液に添加されてもよいが、水溶液の形態で添加すると、操作が簡便である。沈殿剤が水溶液の形態で添加される場合、沈殿剤水溶液中の上記の塩基性化合物の濃度は特に制限されない。また、銅溶液への沈殿剤の添加量についても特に制限はなく、所望の沈殿物の量に応じて、適宜調節されうる。必要であれば、上記の沈殿物を濾過し、洗浄することにより、精製してもよい。またさらに、必要に応じて、得られた沈殿物を乾燥させてもよい。乾燥の具体的な手法としては、上述した形態が同様に採用されうる。
その後、上記で得られた沈殿物を焼成する。これにより、酸化第一銅(CuO)粉末が得られる。
焼成の具体的な手法や焼成条件については特に制限はなく、従来公知の知見が適宜参照されうる。焼成条件について一例を挙げると、焼成温度は、好ましくは700〜900℃、より好ましくは750〜800℃であり、焼成時間は、好ましくは1〜6時間、より好ましくは2〜4時間である。場合によっては、異なる温度で2回以上焼成を行ってもよい。焼成雰囲気についても特に制限はなく、例えば、空気雰囲気や窒素雰囲気の下で焼成が行われうる。
必要であれば、焼成後に、得られた酸化第一銅(CuO)を粉砕し、篩分けすることで、所望の粒子径を有する粒子のみを選別してもよい。
[白金担持工程]
次に、上記の[酸化第一銅(CuO)成分準備工程]において準備した酸化第一銅(CuO)成分の表面に、白金成分を担持させる。これにより、酸化第一銅(CuO)成分の表面に白金成分が担持された白金担持酸化第一銅(CuO)成分が得られる。
本工程の詳細については、無機担体に代えて上記で準備した酸化第一銅(CuO)成分が用いられること以外は、本発明の第1形態のCO選択酸化触媒の製造方法の[白金担持工程]の欄で説明した形態と同様である。
[白金担持酸化第一銅(CuO)成分分散工程]
続いて、上記の[白金担持工程]で得られた白金担持酸化第一銅(CuO)成分を、無機担体の表面に分散させる。これにより、本発明の第2形態のCO選択酸化触媒が完成する。
本工程においては、上記で得られた白金担持酸化第一銅(CuO)成分および無機担体を準備する。準備される無機担体の好ましい形態については、既に説明した通りであるため、ここでは説明を省略する。
分散の具体的な手法は特に制限されず、従来公知の手法が適宜採用されうる。この際、用いられる白金担持酸化第一銅(CuO)成分および無機担体の量は、得られる触媒中の白金成分および酸化第一銅(CuO)成分の最終的な含有量を考慮することにより、適宜調節されうる。以下、分散の手法の一例について説明する。例えば、白金担持酸化第一銅(CuO)成分と無機担体とを混合し、乾式または湿式(例えば、水を添加)にて直径5mm程度のアルミナボールとともにポットミル容器内に仕込み、加振して粉砕混合するという手法が例示される。
(第3形態)
[構成]
図3は、本発明のCO選択酸化触媒のさらに他の好ましい形態(本明細書中、「第3形態」とも称する)を示す模式断面図である。第3形態もまた、上記の第1形態および第2形態と比較して、白金成分および酸化第一銅(CuO)成分の含有形態が異なる。
図3に示すように、第3形態のCO選択酸化触媒10は、無機担体20の表面に白金成分30が担持された白金触媒成分50と、酸化第一銅(CuO)成分40とが混合された構成を有する。なお、説明の便宜上、図3に示すCO選択酸化触媒の各構成成分の寸法比率は誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。また、多くの場合、無機担体20の表面には多数の微細孔が形成されているが、この微細孔は図3においては省略されている。さらに、上記の第1形態および第2形態の説明の欄において記載した形態と同様の形態が採用される場合には、重複する説明を省略する。
本発明の第3形態における白金成分30の好ましい形態も、上記の第1形態の説明の欄において記載した形態と同様である。
図3に示すように、第3形態において、白金成分30は、無機担体20の表面に担持されて、白金触媒成分50を構成している。白金成分30が担持される無機担体20の好ましい形態は、上記の第2形態の説明の欄において記載した形態と同様である。ただし、第3形態において、無機担体20の平均粒子径は、好ましくは1.0〜4.0μm、より好ましくは2.0〜3.0μmである。
なお、場合によっては、上記の第1形態の説明の欄において記載したような表層に酸化第一銅(CuO)層を有する無機担体が、第3形態の無機担体20として用いられてもよい。かような形態は、換言すれば、本発明の第1形態のCO選択酸化触媒が、さらに酸化第一銅(CuO)成分と混合された形態であるといえる。
第3形態において、白金触媒成分50と混合される酸化第一銅(CuO)成分40の好ましい形態は、上記の第2形態の説明の欄において記載した形態と同様である。ここで、第3形態において、白金触媒成分50と酸化第一銅(CuO)成分40との混合性を考慮すると、第2形態と比較して酸化第一銅(CuO)成分40の平均粒子径を若干小さくするとよく、好ましくは0.5〜1.5μm、より好ましくは0.1〜1.0μmである。ただし、かような粒子径を有する形態のみに本発明の技術的範囲が限定されるわけではない。
白金成分および酸化第一銅(CuO)成分のそれぞれの含有量、およびこれらの含有量の比の好ましい形態は、上記の第1形態の説明の欄において記載した形態と同様である。
第3形態においても、第1形態と同様に、白金成分および酸化第一銅(CuO)成分以外の金属原子が含有されうる。白金成分および酸化第一銅(CuO)成分に加えて含有される金属原子の種類や量についても、上記の第1形態の説明の欄において記載した形態と同様である。これらの金属原子は、白金との合金の形態で無機担体20に担持されてもよく、酸化第一銅(CuO)成分40に含まれてもよい。
[作用および効果]
図3に示す第3形態のCO選択酸化触媒において、白金成分30は、上述したように、酸化第一銅(CuO)成分とは別に無機担体20の表面に担持されて、白金触媒成分50を構成している。かような構成により、白金成分30が他の成分によって被覆されてしまうことがない。このため、白金成分30がCOを充分に吸着しうる。また、銅成分も、酸化第一銅(CuO)成分40の形態で、白金触媒成分50とは別に存在している。このため、白金原子に吸着されたCOのCOへの酸化を充分に促進しうる。
従って、第3形態のCO選択酸化触媒によっても、白金成分によるCOの吸着と、1価の銅原子によるCO酸化の促進との双方の機構が効率よく進行しうる。その結果、触媒活性に優れるCO選択酸化触媒が提供されうる。
[製造方法]
第3形態のCO選択酸化触媒は、例えば、無機担体の表面に白金成分を担持させて白金触媒成分の粉末を調製し、得られた白金触媒成分の粉末と酸化第一銅(CuO)成分の粉末とを混合することにより、製造されうる。以下、かような製造方法につき、工程順に説明する。
[白金担持工程]
まず、無機担体の表面に白金成分を担持させる。これにより、白金触媒成分の粉末が調製される。
本工程の詳細については、無機担体として、上記の[構成]の欄において説明したものが用いられること以外は、本発明の第1形態のCO選択酸化触媒の製造方法の[白金担持工程]の欄で説明した形態と同様である。
[混合工程]
続いて、上記で調製した白金触媒成分と、酸化第一銅(CuO)成分とを混合する。これにより、本発明の第3形態のCO選択酸化触媒が完成する。
本工程においては、まず、上記で調製した白金触媒成分と、酸化第一銅(CuO)成分とを準備する。
本工程において準備される酸化第一銅(CuO)成分の好ましい形態は、上記の本発明の第2形態の[製造方法]の[酸化第一銅(CuO)成分準備工程]において説明した形態と同様である。
混合の具体的な手法は特に制限されず、粉末成分の混合について従来公知の知見が適宜参照されうる。この際、混合される白金触媒成分および酸化第一銅(CuO)成分の量は、得られる触媒中の白金成分および酸化第一銅(CuO)成分の最終的な含有量を考慮することにより、適宜調節されうる。なお、混合の手法については特に制限はなく、上記の第2形態の[製造方法]の[白金担持酸化第一銅(CuO)成分分散工程]と同様の手法が採用されうる。
(CO濃度低減装置)
本発明のCO選択酸化触媒は、例えば、CO濃度低減装置に配置される。本発明のCO選択酸化触媒が配置されたCO濃度低減装置は、例えば、固体高分子型燃料電池に供給される水素リッチガス中のCOを選択的に酸化除去するために用いられうる。よって、本願では、上記で説明した本発明のCO選択酸化触媒が配置されてなる、固体高分子型燃料電池用CO濃度低減装置が提供される。なお、本発明のCO選択酸化触媒がCO濃度低減装置に配置される際の形態は特に制限されず、従来公知の技術やその改良技術が適宜採用されうる。例えば、本発明のCO選択酸化触媒を含むスラリーを調製し、このスラリーを例えばハニカム担体に塗布して得られる形態が例示される。ハニカム担体の具体的な形態は特に制限されず、従来公知の形態が採用されうる。一例を挙げると、セラミックハニカム、メタルハニカム、セラミックフォーム、メタルフォームなどが採用されうる。また、例えばCO濃度低減装置が熱交換器と一体化しているような場合には、当該熱交換器のフィンに本発明のCO選択酸化触媒を塗布してもよい。
以下、本発明のCO濃度低減装置について、図面を用いて詳細に説明する。図4は、本発明のCO選択酸化触媒が配置されたCO濃度低減装置が用いられている燃料電池システム100の概略図である。
まず、改質装置110に炭化水素などの燃料を供給する。改質装置110においては、通常は水蒸気を用いた水蒸気改質によって、燃料は水素リッチな改質ガスへと改質される。また、水蒸気に加えて、酸素を含むガスを同時に供給し、部分酸化反応を併発させたオートサーマル改質によっても、水素リッチな改質ガスが得られる。
次いで、改質装置110において得られた改質ガスをシフト反応装置120に送り、改質ガス中のCO濃度を1体積%程度にまで低減させる。CO濃度が1体積%程度にまで低減された改質ガスは、続いて本発明のCO選択酸化触媒10が配置された、本発明の固体高分子型燃料電池用CO濃度低減装置130に送られ、CO濃度がppmオーダーにまで低減される。
CO濃度低減装置130においてCO濃度がppmオーダーにまで低減された改質ガスと、酸化剤(通常は空気)とを用いて、固体高分子型燃料電池140において発電反応が進行する。固体高分子型燃料電池140からは使用済み燃料および酸化剤が排出される。燃焼装置150を設けてこの使用済み燃料および酸化剤を燃焼させ、蒸発装置160においてその燃焼熱を利用して水を蒸発させ、改質装置110において用いられる水蒸気を発生させることによって、系全体のエネルギー効率を向上させうる。燃焼装置150および蒸発装置160には、必要に応じて炭化水素などを供給してもよい。
上述したように、本発明のCO選択酸化触媒は、低温領域においても優れたCO除去性能を示す。このような触媒を用いて改質ガス中の微量のCOを酸化除去することによって、燃料電池に供給される燃料ガス中のCO濃度が効率的に低減されうる。その結果、燃料電池に用いられる白金電極の寿命を延ばすことが可能となり、燃料電池自動車の実用化に大きく寄与しうる。
以上、本発明のCO選択酸化触媒の好ましい用途として、固体高分子型燃料電池用CO濃度低減装置に配置されて燃料電池システムに用いられる場合を例に挙げて説明したが、本発明のCO選択酸化触媒の用途はこれに制限されず、微量のCOを酸化除去するためのあらゆる用途に適用されうる。本発明のCO選択酸化触媒についての上記以外の用途としては、例えば、トンネルのような密閉空間内におけるCO除去、エンジンや燃焼器からの排気中のCO除去等が挙げられる。
以下、実施例を用いて本発明の実施の形態をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は下記の実施例によって何ら制限されない。
(実施例1:第1形態)
以下の手法により、図1に示す形態(第1形態)のCO選択酸化触媒を調製した。
[無機担体準備工程]
アルミナ原料として、ベーマイトアルミナの未焼成粉末を準備した。また、銅原料である硝酸銅の所定量を溶媒である蒸留水に添加し、撹拌して、銅溶液を調製した。次いで、準備したベーマイトアルミナの粉末を、前記銅溶液に含浸させて、ベーマイトアルミナに銅原子を担持させた。さらに、銅原子を担持させたベーマイトアルミナを120℃にて24時間以上乾燥させた後、電気炉中で800℃にて5時間焼成し、無機担体(表面に酸化第一銅(CuO)が生成したアルミナ)を調製した。なお、得られた無機担体の平均粒子径は約5μmであった。また、酸化第一銅(CuO)の生成は、得られた無機担体の表面がライトブルーの色調を呈していることにより確認した。
[白金担持工程]
白金原料として、ジニトロジアンミン白金を準備し、その所定量を溶媒である蒸留水に添加し、撹拌して、白金溶液を調製した。次いで、上記で調製した無機担体の粉末を、前記白金溶液に含浸させて、無機担体に白金原子を担持させた。さらに、白金原子を担持させた無機担体を120℃にて24時間以上乾燥させた後、電気炉中で460℃にて2時間焼成し、無機担体の表面に白金粒子を成長させて、本発明の第1形態のCO選択酸化触媒を得た。なお、白金原料および銅原料の量を調節することにより、得られる触媒の全量に対する白金原子および1価の銅原子の含有量を制御した。また、得られた触媒についてBET法により比表面積の測定を行った。
上記の白金原子および1価の銅原子の含有量の値とともに、上記で測定した触媒の比表面積の値を、下記の表1に示す。また、これらの値から算出される、白金原子と1価の銅原子との合計量に対する、1価の銅原子の質量比(Cu/Pt+Cu)の値、および、白金原子の含有量に対する、1価の銅原子の含有量のモル比(Cu/Pt)の値についても、同様に下記の表1に示す。
(実施例2:第2形態)
以下の手法により、図2に示す形態(第2形態)のCO選択酸化触媒を調製した。
[酸化第一銅(CuO)成分準備工程]
共沈法により、酸化第一銅(CuO)を調製した。まず、銅原料である硝酸銅を準備した。そしてこの所定量を溶媒である蒸留水に添加し、撹拌して、硝酸銅溶液を調製した。次いで、この硝酸銅溶液に2.5%アンモニア水溶液を徐々に滴下し、水酸化銅の沈殿物を生成させた。得られた沈殿物を濾過し、蒸留水で洗浄した。この沈殿物を120℃にて24時間以上乾燥させた後、電気炉中で780℃にて5時間焼成し、ライトブルーの色調を呈する酸化第一銅(CuO)成分の粉末を調製した。なお、得られた酸化第一銅(CuO)の平均粒子径は2.3μmであった。
[白金担持工程]
実施例1と同様に白金溶液を調製した。次いで、上記で調製した酸化第一銅(CuO)成分の粉末を、前記白金溶液に含浸させて、酸化第一銅(CuO)成分の粉末に白金原子を担持させた。さらに、白金原子を担持させた酸化第一銅(CuO)を120℃にて8時間乾燥させた後、電気炉中で460℃にて2時間焼成し、酸化第一銅(CuO)の表面に白金成分を成長させて、白金担持酸化第一銅(CuO)を得た。
[白金担持酸化第一銅(CuO)成分分散工程]
無機担体原料として、実施例1と同様のベーマイトアルミナの未焼成粉末を準備した。この無機担体原料を、銅原子を担持させないこと以外は実施例1と同様の手法により焼成し、無機担体(アルミナ)を調製した。なお、得られた無機担体の平均粒子径は4.4μmであった。
上記で調製した白金担持酸化第一銅(CuO)を、同じく上記で調製した無機担体の表面に分散させて、CO選択酸化触媒を調製した。具体的には、5mmのアルミナボールを用いた湿式粉砕混合により分散させて、本発明の第2形態のCO選択酸化触媒を得た。なお、白金原料および銅原料の量を調節することにより、得られる触媒の全量に対する白金原子および1価の銅原子の含有量を制御した。また、得られた触媒についてBET法により比表面積の測定を行った。これらの値とともに、実施例1と同様に算出されるパラメータを、下記の表1に示す。
(実施例3〜7:第1形態)
無機担体を調製する際の焼成温度、並びに白金原子および1価の銅原子の含有量を、下記の表1に示す値としたこと以外は、実施例1と同様の手法を用いて、本発明の第1形態のCO選択酸化触媒を調製した。また、実施例1と同様に、BET法による比表面積の測定を行った。なお、これらの値とともに、実施例1と同様に算出されるパラメータを、下記の表1に示す。
(比較例1)
銅原子および白金原子を逐次含浸法によって無機担体に担持させることにより、CO選択酸化触媒を調製した。
具体的には、まず、アルミナ原料であるベーマイトアルミナを、実施例1と同様の銅溶液に含浸させ、120℃にて24時間以上乾燥させて、ベーマイトアルミナに銅原子を担持させた。次いで、得られた銅担持ベーマイトアルミナを、実施例1と同様の白金溶液に含浸させ、120℃にて24時間以上乾燥させて、銅担持ベーマイトアルミナに白金原子をさらに担持させた。その後、電気炉中で500℃にて2時間焼成し、CO選択酸化触媒を得た。なお、得られた触媒はライトブルーの色調を呈さなかったことから、本比較例においては酸化第一銅(CuO)が生成していないことを確認した。また、白金原料および銅原料の量を調節することにより、得られる触媒の全量に対する白金および銅の含有量を制御した。さらに、得られた触媒についてBET法により比表面積の測定を行った。これらの値とともに、実施例1と同様に算出されるパラメータを、下記の表1に示す。
(比較例2)
[酸化第一銅(CuO)成分準備工程]において、水酸化銅の沈殿物の焼成条件を500℃にて2時間としたこと以外は、上記の実施例2と同様の手法により、CO選択酸化触媒を得た。なお、得られた触媒はライトブルーの色調を呈さなかったことから、本比較例においては酸化第一銅(CuO)が生成していないことを確認した。また、白金原料および銅原料の量を調節することにより、得られる触媒の全量に対する白金および銅の含有量を制御した。さらに、得られた触媒についてBET法により比表面積の測定を行った。これらの値とともに、実施例1と同様に算出されるパラメータを、下記の表1に示す。
Figure 2006341206
(試験例)
前記実施例1において調製したCO選択酸化触媒の粉末を、30〜45ASTMメッシュを用いて篩分けし、その0.04gを秤量した。一方、ケイ砂を18〜35ASTMメッシュを用いて篩分けし、その0.21gを秤量した。
上記で篩分けおよび秤量した触媒粉末およびケイ砂を混合し、石英反応管(30mL;内径:4mm)に充填して、触媒サンプルとした。
上記で得られた触媒サンプルに対し、モデルガス(H:38体積%、CO:16体積%、HO:23体積%、CO:0.6体積%、O:0.9体積%、N:残り)をガス空間速度(ガスの総流量(cm/h)/触媒サンプル体積(cm))が100000h−1となるように供給し、CO除去試験を行った。反応温度は170℃に維持し、触媒サンプルの出口ガス中のCO濃度を測定した。それをもとに、下記数式1により、CO転化率を算出した。
Figure 2006341206
すなわち、CO転化率が高いほど、CO除去性能に優れる触媒であるといえる。
なお、本実施例においては、触媒粉末による反応管中での目詰まりを防止する目的で、触媒粉末をケイ砂で希釈している。
上記の実施例2〜7、並びに比較例1および2において調製したCO選択酸化触媒についても、上記と同様に触媒サンプルを調製し、CO除去試験を行って、CO転化率を算出した。各実施例および各比較例について算出されたCO転化率の値を、下記の表2に示す。
Figure 2006341206
表2の結果から、白金原子に加えて、銅原子を酸化第一銅(CuO)の形態で添加することで、CO転化率が向上しうることが示される。また、図1に示す第1形態、および図2に示す第2形態のいずれの形態のCO選択酸化触媒によっても、優れたCO転化率が発現しうることがわかる。
本発明のCO選択酸化触媒の好ましい一形態(第1形態)を示す模式断面図である。 本発明のCO選択酸化触媒の他の好ましい一形態(第2形態)を示す模式断面図である。 本発明のCO選択酸化触媒のさらに他の好ましい一形態(第3形態)を示す模式断面図である。 本発明のCO選択酸化触媒が配置されたCO濃度低減装置が用いられている燃料電池システムの概略図である。
符号の説明
10 CO選択酸化触媒、
20 無機担体、
22 アルミナ、
24 酸化第一銅(CuO)層、
30 白金成分、
40 酸化第一銅(CuO)成分、
50 白金触媒成分、
100 燃料電池システム、
110 改質装置、
120 シフト反応装置、
130 固体高分子型燃料電池用CO濃度低減装置、
140 固体高分子型燃料電池、
150 燃焼装置、
160 蒸発装置。

Claims (8)

  1. 白金原子を含む白金成分が無機担体に担持されてなる一酸化炭素選択酸化触媒であって、
    酸化第一銅をさらに含有することを特徴とする、一酸化炭素選択酸化触媒。
  2. 前記酸化第一銅が、前記無機担体に含有される、請求項1に記載の一酸化炭素選択酸化触媒。
  3. 前記白金原子と前記酸化第一銅中の1価の銅原子との合計量に対する、前記1価の銅原子の質量比が50質量%超100質量%未満である、請求項1または2に記載の一酸化炭素選択酸化触媒。
  4. 前記白金原子の含有量に対する、前記酸化第一銅中の1価の銅原子の含有量のモル比が3〜65である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の一酸化炭素選択酸化触媒。
  5. 触媒の全量に対する、前記白金原子の含有量が、0.2〜3.0質量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の一酸化炭素選択酸化触媒。
  6. 触媒の全量に対する、前記酸化第一銅に含まれる1価の銅原子の含有量が、0.6〜12質量%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の一酸化炭素選択酸化触媒。
  7. 酸化第一銅を含有する無機担体を準備する工程と、
    白金原子を含む白金成分を前記無機担体に担持させる工程と、
    を有する、一酸化炭素選択酸化触媒の製造方法。
  8. 前記酸化第一銅を含有する無機担体を準備する工程が、
    無機担体原料に銅原子を担持させる工程と、
    前記銅原子が担持された前記無機担体原料を焼成することにより、表面に第一酸化銅が生成した無機担体を得る工程と、
    を有する、請求項7に記載の製造方法。
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