JP4095340B2 - アスファルト面取装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はアスファルト舗装する場合に、アスファルト舗装の垂直切断面をテーパー状に研磨するアスファルト面取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、アスファルト舗装面を修復する場合、アスファルトカッターで、補修面との境界を切断し、補修面側のアスファルト舗装を剥がして、コンクリート面や砂利面を露出させた後、この上に、新たなアスファルトを敷き詰めて、転圧して修復している。
【0003】
一般に、アスファルト舗装面を修復する場合、先ずアスファルトカッターで、補修面との境界を切断している。従来のアスファルトカッター1は図11(A)に示すように、走行装置2に取付けたエンジン3からの回転駆動力を伝達した回転軸4に、円板状の回転カッター5を垂直に取付け、水を噴射しながら、回転カッター5でアスファルト舗装面6を垂直に切断している。この後、図8(B)に示すように、垂直切断面7の片側のアスファルト舗装面6を剥離した後、図8(C)に示すように、新たなアスファルト8を敷き詰めて、転圧して修復している。
【0004】
このアスファルトカッター1で切断した補修面9との境界は、垂直な切断面7となっているので、新たなアスファルト8を敷き詰めた場合、6カ月から1年程度経過すると、このつないだ境界部分から剥離する問題があった。
【0005】
このため図9(A)に示すように、円板状の回転カッター5を傾斜して走行装置2に取付け、アスファルト舗装面6を傾斜して切断する斜め切りアスファルトカッター1Aが開発されている。これはテーパー状に切断した後、図9(B)に示すように、この片側のアスファルト舗装面6を剥離し、この後、図9(C)に示すように、新たなアスファルト8を敷き詰めることにより、接合面が重なるって、剥離を防止するようにしたものである。
【0006】
しかしながら、この斜め切りアスファルトカッター1Aは、アスファルト舗装面6に凹凸があると、回転カッター5がアスファルト8に深く食い込んで側面に加わる負荷が大きくなり、回転が停止してしまうことが頻繁に起こる問題があり、普及していなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題を改善し、アスファルト舗装面を垂直に切断した切断面をテーパー状に研磨して、アスファルト接続面での剥離を長期間にわたって防止したアスファルト面取装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のアスファルト面取装置は、走行装置の前方に、水平方向に回転自在のヒンジを介してガイド枠を取付けると共に、走行装置に取付けたシリンダーの先端を前記ヒンジに接続して、シリンダーの伸縮によりガイド枠を左右に回動自在に取付け、このガイド枠に、枠状の可動ブロックを左右に移動自在に支持すると共に、この枠状の可動ブロックの内側に、昇降ブロックを上下動自在に取付け、この昇降ブロックに回転駆動源を取付け、切頭円錐状をなす回転体の外周面に、複数個の切削ビットを突設して切頭円錐状グラインダーを形成し、この切頭円錐状グラインダーを、その小径側を下方に向けて、前記回転駆動源の出力軸の下部に水平方向に回転自在に取付け、アスファルト舗装の垂直切断面に沿って切頭円錐状グラインダーに突設した前記切削ビットを水平に回転させて垂直切断面をテーパー状に研磨するようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1ないし図7は本発明の実施の一形態態を示すもので、図1において10Aアスファルト面取装置を示すもので、これはクローラー24で走行するクローラー走行装置2に切頭円錐状グラインダー11を取付けたものである。このアスファルト面取装置10Aは、車体の前方にヒンジ25を介してガイド枠26が左右に回動自在に支持されている。ガイド枠26は図2に示すように、横長のフレーム27の上下にガイドパイプ28、28が水平に取付けられ、ここに枠状の可動ブロック29が左右に移動自在に支持されている。
【0010】
更にこの可動ブロック29の横には、油圧モータ30が取付けられ、この出力軸にピニオン歯車31が取付けられ、横長のフレーム27の中間に水平に設けたラック32と噛合して、油圧モータ30の回転により、可動ブロック29をガイドパイプ28に沿って左右に水平移動するようになっている。
【0011】
また枠状の可動ブロック29の内側には、間隔をおいて2本のガイドパイプ34、34が間隔をおいて上下方向に取付けられ、ここにガイドされて昇降ブロック35が上下動自在に支持されている。昇降ブロック35の上部にはシリンダー36が接続され、この上端は前記可動ブロック29の上部に立設したブラケット37に連結されて、シリンダー36の伸縮により昇降ブロック35が上下動するようになっている。
【0012】
また昇降ブロック35の前側の上部には油圧モータ38が取付けられ、この出力軸の下部に前記切頭円錐状グラインダー11が取付けられている。
前記切頭円錐状グラインダー11は、図4に示すように切頭円錐状の回転体20の外周面に、複数個の切削ビット21が突設されている。この切削ビット21は、先端を尖らせた三角形状の切削ビット21aと、先端が平滑な直方体状の切削ビット21bとを間隔をおいて切頭円錐状の回転体20の外周面に突設されている。
【0013】
更に図3に示すように、走行装置2の前方のガイド枠26を左右に回動自在に支持するヒンジ25にはシリンダー40が取り付けられ、シリンダー40の伸縮によりガイド枠26を左右に回動させるようになっている。
【0014】
上記構成のアスファルト面取装置10Aは、先ず図8(A)に示すように、走行装置2に円板状の回転カッター5を垂直に取付けたアスファルトカッター1でアスファルト舗装面6を垂直に切断する。この後、図8(B)に示すように、垂直切断面7の片側のアスファルト舗装面6を剥離する。次に本発明のアスファルト面取装置10Aを、図10に示すようにアスファルト舗装面6を剥離した部分に走行させて、ガイド枠26を垂直切断面7と直交するように近付ける。
【0015】
次に図2に示す油圧モータ30を駆動させてピニオン歯車31を回転させると、これに噛合するラック32に沿って可動ブロック29が、ガイドパイプ28、28にガイドされながら左右に移動する。垂直切断面7の上に来たら、シリンダー36を伸出させると、昇降ブロック35が可動ブロック29内に設けたガイドパイプ34、34にガイドされて下降する。
【0016】
昇降ブロック35に取付けた切頭円錐状グラインダー11を、その側面が図4に示すように、垂直切断面7に接触する位置で停止させる。この後、油圧モータ38を駆動させると、この出力軸に取付けた切頭円錐状グラインダー11が回転し、垂直切断面7をテーパー状に研磨する。このようにクローラー走行装置2で自走しながら、直線的に研磨していく。
【0017】
切頭円錐状グラインダー11が水平方向に回転するとこの外周面に突設した切削ビット21が垂直切断面7を斜めにテーパー状に研磨していく。切削ビット21は、先端を尖らせた三角形状の切削ビット21aと、先端が平滑な直方体状の切削ビット21bとを間隔をおいて切頭円錐状の回転体20の外周面に取付けられているので、図5(A)に示すように、三角形状の切削ビット21aで深く切削すると共に、平板状の切削ビット21bで角部を削り取りながら、先端平面でテーパー面の表面を平滑化して、図5(B)に示すようにV溝と平滑面を組合せたテーパー状研磨面22を形成される。この結果、新たに敷き詰めたアスファルト8の食い込みが良く、接着性を向上させることができる。この場合、三角形状の切削ビット21aだけでは、深い溝が形成されアスファルト8が十分に食い込まず接着性が低下してしまう。
【0018】
このようにして図6に示すように、アスファルト面取装置10Aがコーナー部まで来たら、油圧モータ30を駆動させてピニオン歯車31を回転させ、ラック32に沿って水平に移動させながら、切頭円錐状グラインダー11で横方向に連続的に研磨する。
【0019】
切頭円錐状グラインダー11がガイド枠26の端部まで来たら回転を停止し、アスファルト面取装置10Aの向きを90度変えてから、図3に示すようにシリンダー40進出させて、ヒンジ25で連結されたガイド枠26を90度回転させる。この後、油圧モータ30とシリンダー36を駆動させて切頭円錐状グラインダー11が垂直切断面7に接触するように調整してから、垂直切断面7に沿って走行しながら連続的に研磨していく。
【0020】
従って上記装置では、切頭円錐状グラインダー11の位置を任意に調整することができ。またクローラー24を用いた自走式であるので、作業性を大幅に向上させることができると共に、アスファルト舗装面6を剥がした凹凸路面も走行できるので安定して作業することができる。またコーナー部では切頭円錐状グラインダー11の半径のアールでそのまま連続して研磨することができる。
【0021】
この結果、垂直切断面7は、切頭円錐状グラインダー11の切削ビット21で研磨されてテーパー状研磨面22が形成されていく。この後、新たなアスファルト8を敷き詰めて転圧すると図7に示すように、アスファルト8がテーパー状研磨面22の上に重なった状態で補修面9が形成される。
【0022】
更にテーパー状研磨面22は切削ビット21で掻き取られて表面が凹凸状になっているため、新たなアスファルト8との密着性が良く、長期間にわたって、接続面での剥離を防止することができる。また垂直切断面7のコーナー部では図5に示すように、切頭円錐状グラインダー11の半径のアールでそのまま連続して研磨できるので、従来の円板状の回転カッター5を用いた場合のようにコーナー部を十字状に余分に切る必要がない。
【0023】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明に係る請求項1記載のアスファルト面取装置によれば、切頭円錐状の回転体の外周面に、複数個の切削ビットを突設した切頭円錐状グラインダーを水平方向に回転させながら垂直切断面に接触させてテーパー状に研磨していくので、切削ビットで掻き取られて表面が凹凸状になり、新たなアスファルを重ねた場合の密着性が良く、長期間にわたって接続面での剥離を防止することができる。またコーナー部では、切頭円錐状グラインダーの半径のアールでそのまま連続して研磨することができる。
【0024】
また走行装置にガイド枠を取付け、このガイド枠に切頭円錐状グラインダーを上下左右に移動するグラインダー移動機構を取付けたので、切頭円錐状グラインダーの位置調整が容易で、精度良く研磨することができる。
【0025】
更に切頭円錐状グラインダーを支持するガイド枠が走行装置の前方に、左右に回動自在に支持されているので、コーナー部や角度が変わる部分での研磨が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態によるクローラー式のアスファルト面取装置を示す側面図である。
【図2】図1に示すアスファルト面取装置の正面図である。
【図3】ガイド枠を90度回転させた状態を示すアスファルト面取装置の平面図である。
【図4】切頭円錐状グラインダーで切断面を研磨している状態を示す説明図である。
【図5】(A)は切頭円錐状グラインダーで切断面を研磨している状態を拡大して示す説明図、(B)は研磨後のテーパー状研磨面を拡大して示す説明図である。
【図6】切断面に沿ってアスファルト面取装置が移動しながら研磨している状態を示す説明図である。
【図7】テーパー状研磨面に新たなアスファルトを敷き詰めた状態を示すアスファルト舗装面の断面図である。
【図8】(A)は円板状の回転カッターを垂直に取付けた、従来のアスファルトカッターでアスファルト舗装面を垂直に切断している状態を示す正面図、(B)は垂直切断面の片側のアスファルト舗装面を剥がした状態を示す断面図、(C)は新たなアスファルトを敷き詰めた状態を示すアスファルト舗装面の断面図である。
【図9】(A)は回転カッターを傾斜して取付けた、従来の斜め切りアスファルトカッターでアスファルト舗装面をテーパー状に切断している状態を示す正面図、(B)はテーパー状切断面の片側のアスファルト舗装面を剥がした状態を示す断面図、(C)は新たなアスファルトを敷き詰めた状態を示すアスファルト舗装面の断面図である。
【符号の説明】
1 アスファルトカッター
1A 斜め切りアスファルトカッター
2 走行装置
3 エンジン
5 円板状の回転カッター
6 アスファルト舗装面
7 垂直切断面
7a テーパー状切断面
8 アスファルト
9 補修面
10A アスファルト面取装置
11 切頭円錐状グラインダー
20 切頭円錐状の回転体
21 切削ビット
22 テーパー状研磨面
24 クローラー
26 ガイド枠
29 可動ブロック
31 ピニオン歯車
32 ラック
35 昇降ブロック
38 油圧モータ
40 シリンダー
Claims (1)
- 走行装置の前方に、水平方向に回転自在のヒンジを介してガイド枠を取付けると共に、走行装置に取付けたシリンダーの先端を前記ヒンジに接続して、シリンダーの伸縮によりガイド枠を左右に回動自在に取付け、このガイド枠に、枠状の可動ブロックを左右に移動自在に支持すると共に、この枠状の可動ブロックの内側に、昇降ブロックを上下動自在に取付け、この昇降ブロックに回転駆動源を取付け、切頭円錐状をなす回転体の外周面に、複数個の切削ビットを突設して切頭円錐状グラインダーを形成し、この切頭円錐状グラインダーを、その小径側を下方に向けて、前記回転駆動源の出力軸の下部に水平方向に回転自在に取付け、アスファルト舗装の垂直切断面に沿って切頭円錐状グラインダーに突設した前記切削ビットを水平に回転させて垂直切断面をテーパー状に研磨するようにしたことを特徴とするアスファルト面取装置。
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