JP4093045B2 - 車両の油圧制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の油圧制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両において、近年は原動機から車輪への回転伝達経路上にベルト式無段変速機と、原動機から同変速機への回転伝達を断接する前後進切換装置とを設けたものが実用化されている。ベルト式無段変速機、及び前後進切換装置に対しては、それらを油圧駆動するためのオイルが油路を通じて供給される。
【0003】
ベルト式無段変速機は、原動機側に連結されるプライマリプーリと、車輪側に連結されるセカンダリプーリと、それらプーリに巻き掛けられたベルトとを備えている。ベルト式無段変速機においては、油路を通じてのオイル供給に基づく油圧駆動により、プライマリプーリを可動させてプーリの回転中心からベルトまでの距離が変更されるとともに、ベルトと各プーリとの間に滑りが生じないようセカンダリプーリのベルト挟圧力が調整される。
【0004】
また、前後進切換装置は、ベルト式無段変速機の入力回転を正回転と逆回転との間で反転させたり、同変速機への回転入力を遮断したりすべく、係合・解放される前進クラッチ及び後進ブレーキといった摩擦係合装置を備えている。これら前進クラッチ及び後進ブレーキは、油路を通じてのオイル供給に基づき油圧駆動されるピストンを備え、同ピストンの動作に基づき係合・解放されるものである。そして、両者を共に解放することによってベルト式無段変速機への回転入力が遮断され、両者のうちの一方を係合することにより同変速機の入力回転が正回転又は逆回転となって車両が前進又は後進する。
【0005】
ベルト式無段変速機への回転入力が遮断された状態(以下、ニュートラル状態という)から前進クラッチに油路を通じてオイルが供給されると、前進クラッチが係合して原動機の回転が例えば正回転としてベルト式無段変速機に入力され、車両が前進させられる。なお、車両の前進を可能とすべく前進クラッチを係合させる過程においては、その係合を滑らかに行うために同クラッチに作用する油圧が例えば特許文献1に示されるように上昇させられる。一方、ニュートラル状態から後進ブレーキに油路を通じてオイルが供給されると、後進ブレーキが係合して原動機の回転が例えば逆回転としてベルト式無断変速機に入力され、車両の後進が可能となる。
【0006】
ここで、ニュートラル状態から車両を前後進可能な状態に切り換える際、前進クラッチ又は後進ブレーキに作用する油圧を制御するためのオイルの供給構造の一例について説明する。
【0007】
ベルト式無段変速機、並びに、前進クラッチ及び後進ブレーキにオイルを供給する油路において、前進クラッチ及び後進ブレーキに繋がる部分には、制御バルブによってオイル流通量が可変とされる第1経路と、制御バルブを迂回してオイルを供給する第2経路とが設けられる。更に、前進クラッチ及び後進ブレーキにオイルを供給する経路として第1経路と第2経路とのいずれかが選択されるよう切り換えられる切換バルブが設けられる。
【0008】
そして、ニュートラル状態から車両の前進状態又は後進状態に切り換えられると、第1経路が選択されるよう切換バルブが切り換えられ、制御バルブを制御することにより第1経路を通じて前進クラッチ又は後進ブレーキに供給されるオイルの量が制御される。即ち、制御バルブは前進クラッチ又は後進ブレーキに作用する油圧が徐々に上昇するよう制御され、これにより前進クラッチ又は後進ブレーキが滑らかに係合させられるようになる。
【0009】
前進クラッチ又は後進ブレーキが係合すると、前進クラッチ又は後進ブレーキにオイルを供給する経路として第2経路が選択されるよう切換バルブが切り換えられ、第2経路を通じて前進クラッチ又は後進ブレーキにオイルが供給されるようになる。このオイル供給に基づく油圧が前進クラッチ又は後進ブレーキに作用することで、前進クラッチ又は後進ブレーキが係合状態に保持される。即ち、このときに前進クラッチ又は後進ブレーキに対し、係合状態に保持するのに必要な油圧が作用するよう予め設定されている。
【0010】
【特許文献1】
特開平9−144868号公報(図5)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前進クラッチや後進ブレーキにおいては、ピストンの動きに対する緩衝を目的としてクッションプレート等が設けられており、係合後にもクッションプレートの変形分及びピストンの撓み分に対応した量のオイルが受け入れられる。従って、上記のように前進クラッチ又は後進ブレーキが係合した後、それらに対し係合状態を保持するための油圧を作用させるべく第2経路が選択されるよう切換バルブが切り換えられると、第2経路から前進クラッチ又は後進ブレーキへと多くのオイルが流れ込む。
【0012】
このように前進クラッチ又は後進ブレーキに多くのオイルが流れ込むことによって、ベルト式無段変速機、並びに、前進クラッチ及び後進ブレーキにオイルを供給する油路において、ベルト式無段変速機に繋がる部分の圧力が低下する。その結果、油圧駆動されるベルト式無段変速機のベルト挟圧力が低下し、プーリとベルトとの間に滑りが生じるおそれがある。
【0013】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、摩擦係合装置が解放状態から係合状態に切り換えられる際、摩擦係合装置が係合した後に、ベルト式無段変速機のベルトがプーリに対し滑るのを抑制することのできる車両の油圧制御装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、車両に搭載される原動機に連結されて油圧駆動によりベルト挟圧力が制御されるベルト式無段変速機と、同変速機と原動機との間の回転伝達を断接すべく油圧駆動されて係合・解放させられる摩擦係合装置と、前記ベルト式無段変速機及び前記摩擦係合装置の両者に対し油圧駆動のためのオイルを供給する油路とを備える車両の油圧制御装置において、前記油路の前記摩擦係合装置に繋がる部分には、同装置に作用する油圧を制御すべく同装置にオイルを供給する第1経路と、同装置に対し係合状態を保持する油圧が作用するよう同装置にオイルを供給する第2経路とが設けられ、前記摩擦係合装置にオイルを供給する経路として前記第1経路と前記第2経路とのいずれかが選択されるよう切り換えられる切換バルブと、前記摩擦係合装置を解放状態から係合状態に切り換えるとき、摩擦係合装置に作用する油圧を上昇させて係合状態を得るべく前記切換バルブの制御を通じて前記第1経路を選択し、前記摩擦係合装置の解放状態から係合状態への切り換えが完了してから所定時間が経過するまでの間、前記切換バルブの制御を通じて引き続き前記第1経路を選択し、前記所定時間が経過した後、前記切換バルブの制御を通じて前記第2経路を選択する切換制御手段とを備えることをその要旨としている。
【0015】
上記発明によれば、摩擦係合装置が解放状態から係合状態に切り換えられるときには、同装置にオイルを供給する経路として第1経路が選択され、同装置が係合状態に切り換えられるように同装置に作用する油圧が上昇側に制御される。摩擦係合装置が係合状態に切り換えられた後に所定時間が経過するまでは、摩擦係合装置にオイルを供給する経路として第1経路が選択された状態が維持され、同装置において係合完了後にオイルが流れ込んでいない部分に第1経路を通じてオイルが供給される。そして、摩擦係合装置が係合状態に切り換えられてから所定時間が経過すると、同装置にオイルを供給する経路として第2経路が選択されるよう切換バルブが作動させられる。このとき、摩擦係合装置において上記オイルが流れ込んでいない部分に、同装置を係合状態に保持する油圧を作用させるためのオイル供給が第2経路を通じて行われる。また、その部分には切換バルブの切り換え前に第1経路を通じてオイルが供給されているため、第2経路を通じてのオイルの供給量が過度に多くなることはない。従って、摩擦係合装置に対するオイル供給量が多くなることに伴い、油路においてベルト式無段変速機に繋がる部分の圧力が低下し、同変速機のベルト挟圧力が低下してプーリとベルトとの間に滑りが生じることを抑制することができる。
【0016】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記所定時間は、前記第2経路が選択されるよう前記切換制御手段により前記切換バルブが作動させられたときに前記ベルト式無段変速機のベルト挟圧力が許容値未満に低下することのない油圧のレベルを基準レベルとして、前記摩擦係合装置の係合状態への切り換えが完了した後に前記摩擦係合装置に作用する油圧が前記基準レベルまで上昇するために必要な時間とされることを要旨とした。
【0017】
上記発明によれば、摩擦係合装置が解放状態から係合状態に切り換えられる際、同装置が係合状態に切り換えられてから所定時間が経過すると、摩擦係合装置にオイルを供給する経路として第2経路が選択される。そして、このときにベルト式無段変速機のベルト挟圧力が許容値未満に低下することはなくなる。従って、ベルト挟圧力が許容値未満になってプーリとベルトとの間に滑るが生じることを的確に抑制することができる。
【0018】
請求項3記載の発明では、車両に搭載される原動機に連結されて油圧駆動によりベルト挟圧力が制御されるベルト式無段変速機と、同変速機と原動機との間の回転伝達を断接すべく油圧駆動されて係合・解放させられる摩擦係合装置と、前記ベルト式無段変速機及び前記摩擦係合装置の両者に対し油圧駆動のためのオイルを供給する油路とを備える車両の油圧制御装置において、前記油路の前記摩擦係合装置に繋がる部分には、同装置に作用する油圧を制御すべく同装置にオイルを供給する第1経路と、同装置に対し係合状態を保持する油圧が作用するよう同装置にオイルを供給する第2経路とが設けられ、前記摩擦係合装置にオイルを供給する経路として前記第1経路と前記第2経路とのいずれかが選択されるよう切り換えられる切換バルブと、前記摩擦係合装置を解放状態から係合状態に切り換えるとき、摩擦係合装置に作用する油圧を上昇させて係合状態を得るべく前記切換バルブの制御を通じて前記第1経路を選択し、前記摩擦係合装置の解放状態から係合状態への切り換えが完了してから摩擦係合装置に作用する油圧が前記第1経路を通じてのオイルの供給により上昇する過程を経て所定レベルに達するまでの間、前記切換バルブの制御を通じて引き続き前記第1経路を選択し、摩擦係合装置に作用する油圧が前記所定レベルに達したとき、前記切換バルブの制御を通じて前記第2経路を選択する切換制御手段とを備えることをその要旨としている。
【0019】
上記発明によれば、摩擦係合装置が解放状態から係合状態に切り換えられるときには、同装置にオイルを供給する経路として第1経路が選択され、同装置が係合状態に切り換えられるように同装置に作用する油圧が上昇側に制御される。摩擦係合装置が係合状態に切り換えられた後において同装置に作用する油圧が所定レベル未満であれば、摩擦係合装置にオイルを供給する経路として第1経路が選択された状態が維持され、同装置において係合完了後にオイルが流れ込んでいない部分に第1経路を通じてオイルが供給される。そして、摩擦係合装置に作用する油圧が所定レベル以上になると、摩擦係合装置にオイルを供給する経路として第2経路が選択されるよう切換バルブが作動させられる。このとき、摩擦係合装置において上記オイルが流れ込んでいない部分に、同装置を係合状態に保持する油圧を作用させるためのオイル供給が第2経路を通じて行われる。また、その部分には切換バルブの切り換え前に第1経路を通じてオイルが供給されているため、第2経路を通じてのオイルの供給量が過度に多くなることはない。従って、摩擦係合装置に対するオイル供給量が多くなることに伴い、油路においてベルト式無段変速機に繋がる部分の圧力が低下し、同変速機のベルト挟圧力が低下してプーリとベルトとの間に滑りが生じることを抑制することができる。
【0020】
請求項4記載の発明では、車両に搭載される原動機に連結されて油圧駆動によりベルト挟圧力が制御されるとともに、このベルト挟圧力の制御として、出力軸に設けられる出力側プーリに作用する油圧の調整が行われるベルト式無段変速機と、同変速機と原動機との間の回転伝達を断接すべく油圧駆動されて係合・解放させられる摩擦係合装置と、前記ベルト式無段変速機及び前記摩擦係合装置の両者に対し油圧駆動のためのオイルを供給する油路とを備える車両の油圧制御装置において、前記油路の前記摩擦係合装置に繋がる部分には、同装置に作用する油圧を制御すべく同装置にオイルを供給する第1経路と、同装置に対し係合状態を保持する油圧が作用するよう同装置にオイルを供給する第2経路とが設けられ、前記摩擦係合装置にオイルを供給する経路として前記第1経路と前記第2経路とのいずれかが選択されるよう切り換えられる切換バルブと、前記摩擦係合装置を解放状態から係合状態に切り換えるとき、摩擦係合装置に作用する油圧を上昇させて係合状態を得るべく前記切換バルブの制御を通じて前記第1経路を選択し、前記摩擦係合装置の解放状態から係合状態への切り換えが完了してからベルト式無段変速機の出力側プーリに作用する油圧が所定レベルに達するまでの間、前記切換バルブの制御を通じて引き続き前記第1経路を選択し、ベルト式無段変速機の出力側プーリに作用する油圧が前記所定レベルに達したとき、前記切換バルブの制御を通じて前記第2経路を選択する切換制御手段とを備えることをその要旨としている。
【0021】
上記発明によれば、摩擦係合装置が解放状態から係合状態に切り換えられるときには、同装置にオイルを供給する経路として第1経路が選択され、同装置が係合状態に切り換えられるように同装置に作用する油圧が上昇側に制御される。摩擦係合装置が係合した後においてベルト式無段変速機に作用する油圧が所定レベル未満であれば、摩擦係合装置にオイルを供給する経路として第1経路が選択された状態が維持され、同装置において係合完了後にオイルが流れ込んでいない部分に第1経路を通じてオイルが供給される。そして、ベルト式無段変速機の出力側プーリに作用する油圧が所定レベル以上になると、摩擦係合装置にオイルを供給する経路として第2経路が選択されるよう切換バルブが作動させられる。このとき、摩擦係合装置において上記オイルが流れ込んでいない部分に、同装置を係合状態に保持する油圧を作用させるためのオイル供給が第2経路を通じて行われる。また、その部分には切換バルブの切り換え前に第1経路を通じてオイルが供給されているため、第2経路を通じてのオイルの供給量が過度に多くなることはない。従って、摩擦係合装置に対するオイル供給量が多くなることに伴い、油路においてベルト式無段変速機に繋がる部分の圧力が低下し、同変速機のベルト挟圧力が低下してプーリとベルトとの間に滑りが生じることを抑制することができる。
【0022】
請求項5記載の発明では、請求項3又は4記載の発明において、前記所定レベルは、前記第2経路が選択されるよう前記切換制御手段により前記切換バルブが作動させられたとき同第2経路を通じて前記摩擦係合装置にオイルが流れ込んでも前記ベルト式無段変速機のベルト挟圧力が許容値未満に低下することのないレベルであることを要旨とした。
【0023】
上記発明によれば、摩擦係合装置が解放状態から係合状態に切り換えられる際、摩擦係合装置が係合状態に切り換えられた後に、摩擦係合装置に作用する油圧やベルト式無段変速機に作用する油圧が所定レベル以上になると、摩擦係合装置にオイルを供給する経路として第2経路が選択される。そして、このときベルト式無段変速機のベルト挟圧力が許容値未満に低下することはなくなる。従って、ベルト挟圧力が許容値未満になってプーリとベルトとの間に滑るが生じることを的確に抑制することができる。
【0024】
請求項6記載の発明では、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記摩擦係合装置が係合状態にあるとともに前記切換バルブによって前記第1経路が選択されているとき、同第1経路から前記摩擦係合装置へのオイル供給によって同装置に作用する油圧を制御する油圧制御手段を備え、この油圧制御手段は、時間経過とともに徐々に大きくなる目標油圧に基づき前記摩擦係合装置に作用する油圧を制御すること要旨とした。
【0025】
上記発明によれば、摩擦係合装置が解放状態から係合状態に切り換えられる際、摩擦係合装置が係合状態に切り換えられた後に、ベルト式無段変速機にオイルを供給する経路として第1経路が選択されているとき、油圧制御手段によって摩擦係合装置に対し同装置に作用する油圧が時間経過に伴い大きくなるようオイルが供給される。このため、摩擦係合装置においてオイルが流れ込んでいない部分に的確にオイルが供給されるようになる。従って、摩擦係合装置が係合状態に切り換えられた後に同装置にオイルを供給する経路として第2経路が選択されたとき、第2経路を通じて摩擦係合装置に供給されるオイルの量が多くなってベルト式無段変速機のベルト挟圧力が低下することを抑制することができる。
【0026】
請求項7記載の発明では、請求項6記載の発明において、前記油圧制御手段は、前記時間経過とともに徐々に大きくなる前記目標油圧と、前記摩擦係合装置の係合状態を保持するために必要な油圧として前記原動機の運転状態に基づいて設定される別の目標油圧とを比較し、それらの目標油圧のうち大きい方の目標油圧に基づき前記摩擦係合装置に作用する油圧を制御することを要旨とした。
【0027】
摩擦係合装置が解放状態から係合状態に切り換えられ後に、ベルト式無段変速機にオイルを供給する経路として第1経路が選択されているとき、同装置を係合状態に保持すべく同装置に作用させる必要のある油圧は原動機の運転状態に応じて異なる。例えば、原動機の出力が高いときほど摩擦係合装置を係合状態に保持すべく同装置に作用させる必要のある油圧は高くなる。そして、上記発明のように、時間経過とともに徐々に大きくなる目標油圧と原動機の運転状態に基づき設定される別の目標油圧とのうち大きい方の目標油圧に基づき摩擦係合装置に作用する油圧を制御することで、同装置に作用する油圧を的確に上記係合状態を保持するのに必要な値以上に制御することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を自動車の油圧制御装置に具体化した一実施形態を図1〜図6に従って説明する。
【0029】
図1は自動車の駆動系を示す概略図である。この自動車に原動機として搭載されたエンジン1の回転は、トルクコンバータ2、前後進切換装置3、及びベルト式無段変速機4等を介して自動車の車輪に伝達される。なお、エンジン1としては例えばガソリンエンジンが採用される。
【0030】
エンジン1においては、その吸気通路5に設けられたスロットルバルブ6の開度(スロットル開度)が、自動車の運転者によって操作されるアクセルペダル7の踏み込み量(アクセル踏込量)など、運転者のエンジン1に対する出力要求に応じて制御される。そして、このスロットル開度制御によってエンジン1の吸入空気量が調整されるとともに、同吸入空気量に対応した量の燃料噴射が行われる。従って、アクセル踏込量に基づきエンジン1の燃焼室内に充填される燃料と空気とからなる混合気の量が調整され、エンジン1に対する出力要求に対応した値へとエンジン出力が変化する。
【0031】
トルクコンバータ2は、エンジン1の出力軸であるクランクシャフト1aに連結されたポンプ翼車8と、前後進切換装置3にタービンシャフト9を介して連結されたタービン翼車10とを備え、流体を介してポンプ翼車8とタービン翼車10との間の回転伝達を行うようになっている。ポンプ翼車8にはオイルポンプ11が連結されている。このオイルポンプ11は、ポンプ翼車8の回転(エンジン回転)に基づき駆動され、ベルト式無段変速機4を油圧駆動したり前後進切換装置3を作動させたりするためのオイルを吐出する。なお、オイルポンプ11のオイル吐出圧についてはエンジン回転速度が大となるほど高くなる。
【0032】
前後進切換装置3及びベルト式無段変速機4は、それらに作用する油圧をオイルポンプ11のオイル吐出圧を元に油圧制御回路21を通じて制御することによって油圧駆動される。前後進切換装置3は、油圧駆動によりベルト式無段変速機4の入力回転を正転と逆転との間で反転させたり、同変速機4への回転入力を遮断したりする。また、ベルト式無段変速機4は、油圧駆動により変速比を変更したりベルト挟圧力を調整したりする。
【0033】
前後進切換装置3は、上記タービンシャフト9に一体回転可能に連結されたサンギヤ12と、サンギヤ12と同心上で回転可能に支持されたリングギヤ13と、サンギヤ12及びリングギヤ13に噛み合ってその間で回転する複数のプラネタリギヤ14とを備えている。各プラネタリギヤ14は、ベルト式無段変速機4の入力軸4aと連結されるキャリア15によって互いに繋がっており、サンギヤ12の外周及びリングギヤ13の内周に沿って一体回転する。
【0034】
また、前後進切換装置3には、タービンシャフト9とキャリア15(入力軸4a)との間を断接すべく係合・解放される前進クラッチ16と、リングギヤ13の回転を許可又は禁止すべく係合・解放される後進ブレーキ17とが設けられている。これら前進クラッチ16及び後進ブレーキ17は、自動車の運転者によるシフトレバー28の操作に基づき駆動されて係合・解放されるようになる。なお、シフトレバー28は、駐車用の「P」ポジション、後進走行用の「R」ポジション、エンジン側から車輪側への回転伝達を遮断する「N」ポジション、並びに、前進走行用の「D」ポジション及び「L」ポジションのいずれかに操作される。
【0035】
シフトレバー28が「P」ポジション又は「N」ポジションに操作されると、前進クラッチ16及び後進ブレーキ17が共に解放される。この場合、サンギヤ12の回転が各プラネタリギヤ14を介してリングギヤ13の回転として伝達されるため、キャリア15が回転することはなくなり、ベルト式無段変速機4の入力軸4aがエンジン回転の伝達によって回転することはない。なお、この状態のことを以後ニュートラル状態という。
【0036】
シフトレバー28が「D」ポジション又は「L」ポジションに操作されると、前進クラッチ16が係合されてタービンシャフト9とキャリア15とが直結されるとともに、後進ブレーキ17が解放されてリングギヤ13の回転が許可される。この場合、サンギヤ12の回転に伴い各プラネタリギヤ14(キャリア15)がサンギヤ12と同方向に回転し、ベルト式無段変速機4の入力軸4aが正回転方向に回転する。
【0037】
シフトレバー28が「R」ポジションに操作されると、前進クラッチ16が解放されてタービンシャフト9とキャリア15との直結が解除されるとともに、後進ブレーキ17が係合されてリングギヤ13の回転が禁止される。この場合、サンギヤ12の回転に伴い各プラネタリギヤ14(キャリア15)がサンギヤ12とは逆方向に回転し、ベルト式無段変速機4の入力軸4aが逆回転方向に回転する。
【0038】
ベルト式無段変速機4は、入力軸4aに設けられたプライマリプーリ18と、出力軸4bに設けられたセカンダリプーリ19と、それらプーリ18,19に巻き掛けられたベルト20とを備えている。プライマリプーリ18は、その回転中心からベルト20までの距離を変更してベルト式無段変速機4の変速比を変更すべく、入力軸4aの軸方向に所定の可動力でもって変位させられる。また、セカンダリプーリ19は、プーリ18,19に対するベルト20の滑りが生じないようベルト挟圧力を調整すべく出力軸4bの軸方向に変位させられる。
【0039】
次に、本実施形態における自動車の油圧制御装置の電気的構成について説明する。
この油圧制御装置は、エンジン1の運転制御を行うエンジンコントロールコンピュータ25と、前後進切換装置3及びベルト式無段変速機4を駆動制御するトランスミッションコントロールコンピュータ26とを備えている。これらエンジンコントロールコンピュータ25とトランスミッションコントロールコンピュータ26とは、互いに通信可能に接続されている。
【0040】
エンジンコントロールコンピュータ25には、アクセルペダル7の踏み込み量(アクセル踏込量)を検出するアクセルポジションセンサ27からの検出信号が入力される。エンジンコントロールコンピュータ25は、アクセル踏込量等に基づきスロットルバルブ6を開度制御することによってエンジン1の吸入空気量を調整するとともに、吸入空気量に対応した量の燃料が噴射されるよう燃料噴射量制御を行う。
【0041】
一方、トランスミッションコントロールコンピュータ26には、シフトレバー28の操作位置に対応した位置情報や、タービンシャフト9の回転速度を検出するタービン回転速度センサ29、及びベルト式無段変速機4の入力軸4aの回転速度を検出する入力回転速度センサ30からの検出信号が入力される。トランスミッションコントロールコンピュータ26は、前後進切換装置3及びベルト式無段変速機4を油圧駆動するための油圧制御回路21を制御する。
【0042】
ここで、油圧制御回路21について図2を参照して詳しく説明する。
油圧制御回路21の油路31は、前後進切換装置3の前進クラッチ16及び後進ブレーキ17に対しそれらを油圧により係合・解放させるためのオイルを供給するとともに、ベルト式無段変速機4のセカンダリプーリ19に対し油圧を作用させてベルト挟圧力を調整するためのオイルを供給する。油路31を介して前進クラッチ16、後進ブレーキ17、及びセカンダリプーリ19に供給されるオイルはオイルポンプ11から吐出される。
【0043】
油圧制御回路21には、オイルポンプ11のオイル吐出圧をベルト式無段変速機4の油圧駆動等に用いられる油圧であるライン圧に調圧するプライマリレギュレータバルブ32と、このライン圧を元にしてセカンダリプーリ19に作用する油圧を調圧するプーリコントロールバルブ33とが設けられている。これらプライマリレギュレータバルブ32及びプーリコントロールバルブ33は、リニアソレノイドバルブ34により油圧を利用して駆動制御される。なお、リニアソレノイドバルブ34の駆動制御はトランスミッションコントロールコンピュータ26によって行われる。トランスミッションコントロールコンピュータ26は、セカンダリプーリ19によるベルト挟圧力がベルト20とプーリ18,19との間に滑りが生じることのない値となるよう、セカンダリプーリ19に作用する油圧を調整すべくリニアソレノイドバルブ34を駆動制御する。
【0044】
油圧制御回路21の油路31において、前進クラッチ16及び後進ブレーキ17に繋がる部分には、ライン圧を前進クラッチ16及び後進ブレーキ17を駆動したり係合状態に保持したりするための油圧であるモジュレータ圧に調圧するモジュレータバルブ35が設けられている。
【0045】
油路31において前進クラッチ16及び後進ブレーキ17に繋がる部分には、前進クラッチ16及び後進ブレーキ17に作用する油圧を制御すべく、それらに矢印Aで示されるようにオイルを供給する第1経路36が設けられている。また、上記部分には、前進クラッチ16及び後進ブレーキ17に対し係合状態を保持する油圧が作用するよう、それらに矢印Bで示されるようにオイルを供給する第2経路37が設けられている。
【0046】
そして、第1経路36と第2経路37との合流部分には、前進クラッチ16及び後進ブレーキ17にオイルを供給する経路として、第1経路36と第2経路37とのいずれかが選択されるよう切り換えられるガレージシフトバルブ38が設けられている。このガレージシフトバルブ38の切換動作は、トランスミッションコントロールコンピュータ26によって制御される。
【0047】
ニュートラル状態からの自動車の発進時に前進クラッチ16又は後進ブレーキ17を係合させるときには、それらにオイルを供給する経路として第1経路36が選択され、前進クラッチ16又は後進ブレーキ17が滑らかに係合するよう、それらに作用する油圧が制御される。そして、前進クラッチ16及び後進ブレーキ17が係合すると、それらにオイルを供給する経路として第2経路37が選択され、前進クラッチ16又は後進ブレーキ17に対し係合状態を保持するための油圧が作用する。
【0048】
第1経路36には、モジュレータ圧を元に前進クラッチ16及び後進ブレーキ17に作用する油圧を調整するガレージシフトコントロールバルブ39が設けられている。このガレージシフトコントロールバルブ39は、リニアソレノイドバルブ34により油圧を利用して駆動制御される。トランスミッションコントロールコンピュータ26は、自動車の発進時に前進クラッチ16又は後進ブレーキ17が係合する過程においては、その係合が滑らかに行われるようリニアソレノイドバルブ34を駆動制御する。
【0049】
油路31の前進クラッチ16及び後進ブレーキ17に繋がる部分において、それらとガレージシフトバルブ38との間には、前進クラッチ16及び後進ブレーキ17へのオイルの供給態様を切り換えるためのマニュアルバルブ40が設けられている。このマニュアルバルブ40は、シフトレバー28と連結されており同レバー28の操作に基づいて切り換え動作する。
【0050】
シフトレバー28が「P」ポジション又は「N」ポジションに操作されると、マニュアルバルブ40の切り換えによって前進クラッチ16及び後進ブレーキ17からオイルが排出される。これにより、前進クラッチ16及び後進ブレーキ17に作用する油圧が除去され、それらが共に解放されてエンジン1側からベルト式無段変速機4の入力軸4aへの回転伝達が遮断される。
【0051】
シフトレバー28が「D」ポジション又は「L」ポジションに操作されると、マニュアルバルブ40の切り換えにより、前進クラッチ16にオイルが供給されるとともに後進ブレーキ17からオイルが排出される。これにより、前進クラッチ16が係合するとともに後進ブレーキ17が解放され、エンジン1側の回転がベルト式無段変速機4の入力軸4aに正方向への回転として伝達される。
【0052】
シフトレバー28が「R」ポジションに操作されると、マニュアルバルブ40の切り換えにより、前進クラッチ16からオイルが排出されるとともに後進ブレーキ17にオイルが供給される。これにより、前進クラッチ16が解放するとともに後進ブレーキ17が係合され、エンジン1側の回転がベルト式無段変速機4の入力軸4aに逆方向への回転として伝達される。
【0053】
前進クラッチ16や後進ブレーキ17が上記のようなオイル供給によって係合する際、その係合は前進クラッチ16や後進ブレーキ17に設けられたピストンがオイル供給に基づき油圧駆動されることによって実現される。そして、上記オイル供給の調整によってピストンに作用する油圧を制御することで、係合過程でのピストンの動作速度を調節し、前進クラッチ16や後進ブレーキ17の係合を滑らかなものとすることができる。
【0054】
次に、ニュートラル状態からの自動車の前方や後方への発進時に前進クラッチ16や後進ブレーキ17を滑らかに係合させるためのガレージ制御について、ガレージ制御ルーチンを示す図3のフローチャートを参照して説明する。このガレージ制御ルーチンは、トランスミッションコントロールコンピュータ26を通じて実行される。
【0055】
ガレージ制御ルーチンにおいては、まずガレージ制御中であるか否かを判断するためのガレージ制御フラグFが「0(非制御中)」であるか否かが判断される(S101)。このガレージ制御フラグFは、シフトレバー28が「N」ポジションから、「D」ポジション、「L」ポジション、又は「R」ポジションのいずれかに切り換え操作され、それに基づき自動車の発進が指示されたとき(S102:YES)、「1(制御中)」に設定されるものである(S103)。
【0056】
ガレージ制御フラグFが「1」に設定されている間は、ガレージ制御が実行される(S104)。即ち、前進クラッチ16及び後進ブレーキ17にオイルを供給する経路として第1経路36が選択されるよう、ガレージシフトバルブ38が切り換えられる。この状態で、前進クラッチ16又は後進ブレーキ17に作用する油圧の目標値である目標油圧が図5に実線で示されるように時間経過に応じて設定され、その目標油圧に基づきガレージシフトコントロールバルブ39(リニアソレノイドバルブ34)が駆動制御される。その結果、前進の場合には前進クラッチ16に作用する油圧が、また後進の場合には後進ブレーキ17に作用する油圧が図5に破線で示されるように徐々に上昇する。このように前進クラッチ16又は後進ブレーキ17に作用する油圧を徐々に上昇させることで、それらの係合が滑らかに行われるようになる。
【0057】
図3のガレージ制御ルーチンにおけるステップS105では、前進クラッチ16又は後進ブレーキ17の係合が完了したか否かが判断され、ここで肯定判定であれば、ガレージ制御終了としてガレージ制御フラグFが「0(非制御中)」に設定される(S106)。なお、前進クラッチ16又は後進ブレーキ17の係合が完了したか否かは、例えばタービンシャフト9の回転速度(タービン回転速度)と、ベルト式無段変速機4の入力軸4aの回転速度(入力回転速度)との差が所定値未満であるか否かに基づき判断される。
【0058】
前進クラッチ16又は後進ブレーキ17の係合が完了した後にはステップS107に進み、前進クラッチ16又は後進ブレーキ17にオイルを供給する経路として第1経路36が選択されていれば、それを第2経路37に切り換えるための切換処理が実行される(S108)。こうした切り換えは、第2経路37を介して前進クラッチ16又は後進ブレーキ17にオイルを供給することで、それらに対し係合状態を保持する油圧(モジュレータ圧)を作用させるために行われるものである。
【0059】
上記切り換えを前進クラッチ16又は後進ブレーキ17が係合したときに直ちに行った場合、前進クラッチ16又は後進ブレーキ17に作用する実際の油圧、同油圧の制御に用いられる目標油圧、及びセカンダリプーリ19に作用する油圧がどのように推移するかを図4に示す。
【0060】
同図に示されるように、ガレージ制御中は実線で示される目標油圧に基づき第1経路36から前進クラッチ16又は後進ブレーキ17へのオイル供給が制御され、それらに作用する実際の油圧が破線で示されるように推移する。このとき、上記オイル供給の制御のためにリニアソレノイドバルブ34を駆動制御すると、それに伴うプライマリレギュレータバルブ32及びプーリコントロールバルブ33の駆動によって、ベルト式無段変速機4のセカンダリプーリ19に作用する油圧も一点鎖線で示されるように徐々に上昇してゆく。
【0061】
そして、前進クラッチ16又は後進ブレーキ17が係合したとき(タイミングT1)、それらに対し第2経路37からオイルが供給されて係合状態に保持する油圧(モジュレータ圧)が作用するようになる。前進クラッチ16又は後進ブレーキ17においては、係合時のピストンの動きに対する緩衝を目的としてクッションプレート等が設けられており、係合後にもクッションプレートの変形分及びピストンの撓み分に対応した量のオイルが受け入れられることになる。
【0062】
従って、係合時に同係合状態を保持する油圧(モジュレータ圧)を作用させるべく、直ちに第2経路37から前進クラッチ16又は後進ブレーキ17にオイルが供給されると、それらに上記クッションプレートの変形分及びピストンの撓み分に対応した量のオイルが一気に流れ込む。その結果、前進クラッチ16及び後進ブレーキ17の油圧駆動だけでなく、ベルト式無段変速機4の油圧駆動にも用いられるライン圧が低下し、セカンダリプーリ19に作用する油圧が一点鎖線で示されるように低下する。このようにセカンダリプーリ19に作用する油圧が低下すると、同プーリ19によるベルト挟圧力が許容値未満に低下し、ベルト20とプーリ18,19との間に滑りが生じるおそれがある。
【0063】
こうした実情から、本実施形態では、前進クラッチ16又は後進ブレーキ17の係合後に所定時間tが経過してから、それらに第2経路37を介してオイルが供給されるようガレージシフトバルブ38を切り換える。更に、係合後に所定時間tが経過する前までは、第1経路36を介してのオイル供給に基づき前進クラッチ16又は後進ブレーキ17に作用する油圧が、時間経過に伴って大きくなる目標油圧に基づきガレージシフトコントロールバルブ39の駆動によって制御される。
【0064】
以上のようにガレージシフトバルブ38の切り換え、及びガレージシフトコントロールバルブ39の駆動を行った場合、前進クラッチ16又は後進ブレーキ17に作用する実際の油圧、同油圧の制御に用いられる目標油圧、及びセカンダリプーリ19に作用する油圧がどのように推移するかを図5に示す。
【0065】
同図に示されるように、ガレージ制御によって前進クラッチ16又は後進ブレーキ17が係合すると(タイミングT1)、その後において所定時間tが経過するまでの間は、前進クラッチ16又は後進ブレーキ17に対する第1経路36からのオイル供給が継続される。更に、このときには目標油圧が例えば実線で示されるように大きくされ、当該目標油圧に基づきガレージシフトコントロールバルブ39が駆動される。これにより、前進クラッチ16又は後進ブレーキ17に作用する油圧が実線で示されるように徐々に大きくされる。即ち、同油圧が徐々に大きくなるよう、第2経路37を通じて前進クラッチ16又は後進ブレーキ17にオイルが供給されるよう、ガレージシフトコントロールバルブ39が駆動される。
【0066】
所定時間tが経過するまでの間は、前進クラッチ16又は後進ブレーキ17において係合後にオイルが流れ込んでいない部分、即ちクッションプレートの変形分及びピストンの撓み分に対応した部分に第1経路36を通じてオイルが供給される。そして、所定時間tが経過すると(タイミングT2)、前進クラッチ16又は後進ブレーキ17に対し係合状態に保持する油圧(モジュレータ圧)を作用させるべく、それらに対し第2経路37を通じてオイルが供給されるよう、ガレージシフトバルブ38が切り換えられる。前進クラッチ16又は後進ブレーキ17の係合時にオイルが流れ込んでいない部分には、上記切り換え前に第1経路36を介してオイルが供給されているため、同切り換え後の第2経路37を通じての前進クラッチ16又は後進ブレーキ17へのオイル供給量が過度に多くなることはない。
【0067】
従って、上記切り換え時にライン油圧が低下することはなく、セカンダリプーリ19に作用する油圧が一点鎖線で示されるように推移し、図4に一点鎖線で示されるように低下することは抑制される。このようにセカンダリプーリ19に作用する油圧の低下が抑制されるため、同油圧の低下に伴い同プーリ19によるベルト挟圧力が許容値未満に低下し、ベルト20とプーリ18,19との間に滑りが生じるのを抑制することができる。なお、上記所定時間tは、例えば、上記切り換え時にベルト挟圧力が許容値未満に低下することのないレベルまで前進クラッチ16又は後進ブレーキ17に作用する油圧が上昇するのに必要な時間とされる。
【0068】
次に、前進クラッチ16又は後進ブレーキ17にオイルを供給する経路を、第1経路36から第2経路37に切り換える図3のステップS108の切換処理について、切換制御ルーチンを示す図6のフローチャートを参照して詳しく説明する。この切換制御ルーチンは、図3のガレージ制御ルーチンにおけるステップS108に進んだときにトランスミッションコントロールコンピュータ26を通じて実行される。
【0069】
切換制御ルーチンは、ガレージ制御の終了後であって、且つ第1経路36から前進クラッチ16又は後進ブレーキ17にオイルが供給されているときに実行される。同ルーチンにおいて、上記所定時間tが経過していない間は(S201:NO)、ガレージ制御終了時からの経過時間に基づき第1の目標油圧が算出されるとともに(S203)、アクセル踏込量等のエンジン運転状態に基づき第2の目標油圧が算出される(S204)。
【0070】
第1の目標油圧はガレージ制御終了からの時間が経過するほど高い値として算出され、第2の目標油圧は例えばアクセル踏込量が大となるほど高い値として算出される。そして、第1の目標油圧と第2の目標油圧との高い方が目標油圧として設定され、同目標油圧に基づきガレージシフトコントロールバルブ39が駆動される(S205)。これにより、前進クラッチ16又は後進ブレーキ17に作用する油圧が上昇させられる。
【0071】
そして、上記所定時間tが経過すると(S201:YES)、前進クラッチ16又は後進ブレーキ17にオイルを供給する経路として、第2経路37が選択されるようにガレージシフトバルブ38が切り換えられる(S202)。この切り換え時にライン圧が過度に低下してセカンダリプーリ19によるベルト挟圧力が許容値未満に低下することはなく、ベルト20とプーリ18,19との間で滑りが生じることは抑制される。
【0072】
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)自動車の発進時には、第1経路36から前進クラッチ16又は後進ブレーキ17にオイルが供給される。そして、第1経路36のガレージシフトコントロールバルブ39を駆動制御することにより、前進クラッチ16又は後進ブレーキ17が滑らかに係合するよう、それに作用する油圧の制御が行われる。前進クラッチ16又は後進ブレーキ17が係合した後、所定時間tが経過するまでは第1経路36を通じてのオイル供給が継続される。これにより、前進クラッチ16又は後進ブレーキ17のオイルが流れ込んでいない部分、即ちクッションプレートの変形分及びピストンの撓み分に対応した部分に第1経路36を通じてオイルが供給される。そして、上記所定時間tが経過すると、ガレージシフトバルブ38の切り換えにより、前進クラッチ16又は後進ブレーキ17に対し係合状態を保持する油圧(モジュレータ圧)を作用させるべく、第2経路37を通じて前進クラッチ16又は後進ブレーキ17にオイルが供給される。このオイルは前進クラッチ16又は後進ブレーキ17における上述したオイルが流れ込んでいない部分に流れ込む。しかし、この部分には上記ガレージシフトコントロールバルブ39の切り換え前に第1経路36を通じてオイルが供給されているため、同バルブ39の切り換え後に第2経路37を通じて前進クラッチ16又は後進ブレーキ17に過度に多くのオイルが流れ込むことはない。従って、そのオイルの流れ込む量が多くなることに伴い、ライン圧が低下してセカンダリプーリ19に作用する油圧が低下することは抑制される。このようにセカンダリプーリ19に作用する油圧の低下が抑制されるため、同油圧の低下に伴い同プーリ19によるベルト挟圧力が許容値未満に低下し、ベルト20とプーリ18,19との間に滑りが生じるのを抑制することができる。
【0073】
(2)上記所定時間tは、ガレージシフトコントロールバルブ39の切り換え時にベルト挟圧力が許容値未満に低下することのないレベルまで前進クラッチ16又は後進ブレーキ17に作用する油圧が上昇するのに必要な時間とされる。従って、所定時間tが経過して第2経路37から前進クラッチ16又は後進ブレーキ17にオイルが供給されるよう、ガレージシフトコントロールバルブ39が切り換えられたとき、ベルト挟圧力が許容値未満に低下してベルト20とプーリ18,19との間に滑りが生じるのを的確に抑制することができる。
【0074】
(3)自動車の発進時に前進クラッチ16又は後進ブレーキ17が係合した後に所定時間tが経過するまでは、それらに作用する油圧が第1経路36からのオイル供給を通じて、時間経過に伴い大きくなる値に設定される目標油圧に基づき制御されている。こうした油圧制御により、前進クラッチ16又は後進ブレーキ17においてクッションプレートの変形分及びピストンの撓み分に対応した部分に、第1経路36を通じて的確にオイルを供給することができる。従って、所定時間tが経過した後に第2経路37を通じて前進クラッチ16又は後進ブレーキ17にオイルが供給されるようになったとき、そのオイル供給量が多くなってセカンダリプーリ19によるベルト挟圧力が低下するのを抑制することができる。
【0075】
(4)上記目標油圧としては、時間経過に伴い徐々に大きくなる第1の目標油圧と、アクセル踏込量が大となるほど大きくなる第2の目標油圧との大きい方が用いられる。所定時間tの経過前においては、前進クラッチ16又は後進ブレーキ17に対し係合状態を保持するために作用させる必要のある油圧は、アクセル踏込量などエンジン運転状態に応じて異なるものとなる。例えば、アクセル踏込量が大きくエンジン出力が高いときほど、前進クラッチ16又は後進ブレーキ17に対し係合状態を保持するために作用させる必要のある油圧が高くなる。しかし、上記のように前進クラッチ16又は後進ブレーキ17に作用する油圧を制御することで、それらに作用する油圧を的確に係合を保持するのに必要な値以上に制御することができる。
【0076】
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・自動車の発進時に前進クラッチ16又は後進ブレーキ17が係合した後に所定時間tが経過してから、前進クラッチ16又は後進ブレーキ17にオイルを供給する経路を第1経路36から第2経路37に切り換えたが、本発明はこれに限定されない。例えば、その切り換えを前進クラッチ16又は後進ブレーキ17の係合後において、それらに作用する油圧が図5に示される所定レベルL1に達したことを条件に行ってもよい。前進クラッチ16又は後進ブレーキ17に作用する油圧が所定レベルL1に達したか否かは、例えば目標油圧(第1の目標油圧と第2の目標油圧との大きい方)が所定レベルL1に対応する値に達したか否かに基づき判断することができる。
【0077】
この場合、切換制御ルーチンとして図7に示されるものが実行される。この切換制御ルーチンにおいては、図6の切換制御ルーチンにおけるステップS201に相当する処理(S301)のみが異なっている。そして、このステップS301で前進クラッチ16又は後進ブレーキ17に作用する油圧が上昇して所定レベルL1に達した旨判断されると、前進クラッチ16又は後進ブレーキ17にオイルを供給する経路として第2経路37が選択されるよう、ガレージシフトバルブ38が切り換えられる(S302)。この場合も、上記(1)に示される効果と同様の効果を得ることができる。
【0078】
更に、上記所定レベルL1としては、例えば、ガレージシフトバルブ38が切り換えられたとき、第2経路37を通じて前進クラッチ16及び後進ブレーキ17にオイルが流れ込んでも、セカンダリプーリ19によるベルト挟圧力が許容値未満にならないレベルに設定することが好ましい。このように所定レベルL1を設定することで、上記ガレージシフトバルブ38の切り換え時にセカンダリプーリ19によるベルト挟圧力が許容値未満に低下することはなくなり、ベルト20とプーリ18,19との間に滑りが生じるのを的確に抑制することができる。
【0079】
・また、自動車の発進時に前進クラッチ16又は後進ブレーキ17が係合した後、セカンダリプーリ19に作用する油圧が上昇して図5に示される所定レベルL2に達したことを条件に、第2経路37を選択するためのガレージシフトバルブ38の切り換えを行ってもよい。セカンダリプーリ19に作用する油圧が所定レベルL2に達したか否かは、例えば当該油圧を検出する油圧センサを設け、同センサによって検出される油圧が所定レベルL2に達しているか否かによって判断することができる。
【0080】
この場合、切換制御ルーチンとして図8に示されるものが実行される。この切換制御ルーチンにおいては、図6の切換制御ルーチンにおけるステップS201に相当する処理(S401)のみが異なっている。そして、このステップS401でセカンダリプーリ19に作用する油圧が上昇して所定レベルL2に達した旨判断されると、前進クラッチ16又は後進ブレーキ17にオイルを供給する経路として第2経路37が選択されるよう、ガレージシフトバルブ38が切り換えられる(S402)。この場合も、上記(1)に示される効果と同様の効果を得ることができる。
【0081】
更に、上記所定レベルL2としては、例えば、ガレージシフトバルブ38が切り換えられたとき、第2経路37を通じて前進クラッチ16及び後進ブレーキ17にオイルが流れ込んでも、セカンダリプーリ19によるベルト挟圧力が許容値未満にならないレベルに設定することが好ましい。このように所定レベルL2を設定することで、上記ガレージシフトバルブ38の切り換え時にセカンダリプーリ19によるベルト挟圧力が許容値未満に低下することはなくなり、ベルト20とプーリ18,19との間に滑りが生じるのを的確に抑制することができる。
【0082】
・自動車の発進時に前進クラッチ16又は後進ブレーキ17が係合した後、それらに対し第1経路36を通じてのオイル供給が行われている間は、目標油圧に基づき前進クラッチ16又は後進ブレーキ17に作用する油圧が制御されるが、この油圧の制御の仕方を変更してもよい。例えば、第1の目標油圧のみに基づき上記油圧を制御したり、第2の目標油圧のみに基づき上記油圧を制御したりしてもよい。
【0083】
・自動車に搭載される原動機としてエンジン1を用いる代わりにモータ等を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の自動車の駆動系を示す略図。
【図2】前後進切換装置の前進クラッチ及び後進ブレーキ、並びにベルト式無段変速機を油圧駆動する油圧制御回路を示す回路図。
【図3】ガレージ制御の実行手順を示すフローチャート。
【図4】ガレージ制御中、及びその後において、前進クラッチ又は後進ブレーキに作用する実際の油圧、同油圧の制御に用いられる目標油圧、及びセカンダリプーリに作用する油圧がどのように推移するかを示すタイムチャート。
【図5】ガレージ制御中、及びその後において、前進クラッチ又は後進ブレーキに作用する実際の油圧、同油圧の制御に用いられる目標油圧、及びセカンダリプーリに作用する油圧がどのように推移するかを示すタイムチャート。
【図6】ガレージシフトバルブの切換制御手順を示すフローチャート。
【図7】ガレージシフトバルブの切換制御手順の他の例を示すフローチャート。
【図8】ガレージシフトバルブの切換制御手順の他の例を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…エンジン、1a…クランクシャフト、3…前後進切換装置、4…ベルト式無段変速機、4a…入力軸、4b…出力軸、7…アクセルペダル、9…タービンシャフト、12…サンギヤ、13…リングギヤ、14…プラネタリギヤ、15…キャリア、16…前進クラッチ(摩擦係合装置)、17…後進ブレーキ(摩擦係合装置)、18…プライマリプーリ、19…セカンダリプーリ、20…ベルト、21…油圧制御回路、25…エンジンコントロールコンピュータ、26…トランスミッションコントロールコンピュータ(切換制御手段、油圧制御手段)、27…アクセルポジションセンサ、28…シフトレバー、29…タービン回転速度センサ、30…入力回転速度センサ、31…油路、32…プライマリレギュレータバルブ、33…プーリコントロールバルブ、34…リニアソレノイドバルブ、35…モジュレータバルブ、36…第1経路、37…第2経路、38…ガレージシフトバルブ、39…ガレージシフトコントロールバルブ、40…マニュアルバルブ。

Claims (7)

  1. 車両に搭載される原動機に連結されて油圧駆動によりベルト挟圧力が制御されるベルト式無段変速機と、同変速機と原動機との間の回転伝達を断接すべく油圧駆動されて係合・解放させられる摩擦係合装置と、前記ベルト式無段変速機及び前記摩擦係合装置の両者に対し油圧駆動のためのオイルを供給する油路とを備える車両の油圧制御装置において、
    前記油路の前記摩擦係合装置に繋がる部分には、同装置に作用する油圧を制御すべく同装置にオイルを供給する第1経路と、同装置に対し係合状態を保持する油圧が作用するよう同装置にオイルを供給する第2経路とが設けられ、
    前記摩擦係合装置にオイルを供給する経路として前記第1経路と前記第2経路とのいずれかが選択されるよう切り換えられる切換バルブと、
    前記摩擦係合装置を解放状態から係合状態に切り換えるとき、摩擦係合装置に作用する油圧を上昇させて係合状態を得るべく前記切換バルブの制御を通じて前記第1経路を選択し、前記摩擦係合装置の解放状態から係合状態への切り換えが完了してから所定時間が経過するまでの間、前記切換バルブの制御を通じて引き続き前記第1経路を選択し、前記所定時間が経過した後、前記切換バルブの制御を通じて前記第2経路を選択する切換制御手段とを備える
    とを特徴とする車両の油圧制御装置。
  2. 請求項1記載の車両の油圧制御装置において、
    前記所定時間は、前記第2経路が選択されるよう前記切換制御手段により前記切換バルブが作動させられたときに前記ベルト式無段変速機のベルト挟圧力が許容値未満に低下することのない油圧のレベルを基準レベルとして、前記摩擦係合装置の係合状態への切り換えが完了した後に前記摩擦係合装置に作用する油圧が前記基準レベルまで上昇するために必要な時間とされる
    ことを特徴とする車両の油圧制御装置。
  3. 車両に搭載される原動機に連結されて油圧駆動によりベルト挟圧力が制御されるベルト式無段変速機と、同変速機と原動機との間の回転伝達を断接すべく油圧駆動されて係合・解放させられる摩擦係合装置と、前記ベルト式無段変速機及び前記摩擦係合装置の両者に対し油圧駆動のためのオイルを供給する油路とを備える車両の油圧制御装置において、
    前記油路の前記摩擦係合装置に繋がる部分には、同装置に作用する油圧を制御すべく同装置にオイルを供給する第1経路と、同装置に対し係合状態を保持する油圧が作用するよう同装置にオイルを供給する第2経路とが設けられ、
    前記摩擦係合装置にオイルを供給する経路として前記第1経路と前記第2経路とのいずれかが選択されるよう切り換えられる切換バルブと、
    前記摩擦係合装置を解放状態から係合状態に切り換えるとき、摩擦係合装置に作用する油圧を上昇させて係合状態を得るべく前記切換バルブの制御を通じて前記第1経路を選択し、前記摩擦係合装置の解放状態から係合状態への切り換えが完了してから摩擦係合装置に作用する油圧が前記第1経路を通じてのオイルの供給により上昇する過程を経て所定レベルに達するまでの間、前記切換バルブの制御を通じて引き続き前記第1経路を選択し、摩擦係合装置に作用する油圧が前記所定レベルに達したとき、前記切換バルブの制御を通じて前記第2経路を選択する切換制御手段とを備える
    とを特徴とする車両の油圧制御装置。
  4. 車両に搭載される原動機に連結されて油圧駆動によりベルト挟圧力が制御されるとともに、このベルト挟圧力の制御として、出力軸に設けられる出力側プーリに作用する油圧の調整が行われるベルト式無段変速機と、同変速機と原動機との間の回転伝達を断接すべく油圧駆動されて係合・解放させられる摩擦係合装置と、前記ベルト式無段変速機及び前記摩擦係合装置の両者に対し油圧駆動のためのオイルを供給する油路とを備える車両の油圧制御装置において、
    前記油路の前記摩擦係合装置に繋がる部分には、同装置に作用する油圧を制御すべく同装置にオイルを供給する第1経路と、同装置に対し係合状態を保持する油圧が作用するよう同装置にオイルを供給する第2経路とが設けられ、
    前記摩擦係合装置にオイルを供給する経路として前記第1経路と前記第2経路とのいずれかが選択されるよう切り換えられる切換バルブと、
    前記摩擦係合装置を解放状態から係合状態に切り換えるとき、摩擦係合装置に作用する油圧を上昇させて係合状態を得るべく前記切換バルブの制御を通じて前記第1経路を選択し、前記摩擦係合装置の解放状態から係合状態への切り換えが完了してからベルト式無段変速機の出力側プーリに作用する油圧が所定レベルに達するまでの間、前記切換バルブの制御を通じて引き続き前記第1経路を選択し、ベルト式無段変速機の出力側プーリに作用する油圧が前記所定レベルに達したとき、前記切換バルブの制御を通じて前記第2経路を選択する切換制御手段とを備える
    とを特徴とする車両の油圧制御装置。
  5. 請求項3または4記載の車両の油圧制御装置において、
    前記所定レベルは、前記第2経路が選択されるよう前記切換制御手段により前記切換バルブが作動させられたときに同第2経路を通じて前記摩擦係合装置にオイルが流れ込んでも前記ベルト式無段変速機のベルト挟圧力が許容値未満に低下することのないレベルである
    ことを特徴とする車両の油圧制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の車両の油圧制御装置において、
    前記摩擦係合装置が係合状態にあるとともに前記切換バルブによって前記第1経路が選択されているとき、同第1経路から前記摩擦係合装置へのオイル供給によって同装置に作用する油圧を制御する油圧制御手段を備え、この油圧制御手段は、時間経過とともに徐々に大きくなる目標油圧に基づき前記摩擦係合装置に作用する油圧を制御する
    ことを特徴とする車両の油圧制御装置。
  7. 請求項6記載の車両の油圧制御装置において、
    前記油圧制御手段は、前記時間経過とともに徐々に大きくなる前記目標油圧と、前記摩擦係合装置の係合状態を保持するために必要な油圧として前記原動機の運転状態に基づいて設定される別の目標油圧とを比較し、それらの目標油圧のうち大きい方の目標油圧に基づき前記摩擦係合装置に作用する油圧を制御する
    ことを特徴とする車両の油圧制御装置。
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