JP4092265B2 - トンネル施工方法及びトンネル掘削機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、共同溝や地下収納施設などとして利用される互いに交差するトンネルを施工するためのトンネル施工方法、並びにトンネル掘削機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ガス配管や電気配線などを収容する共同溝では、本線の親トンネルにほぼ直交して分岐する子トンネルが必要となる。このようなトンネルを一台のトンネル掘削機により掘削するものとして、例えば、下記特許文献1に記載された技術が提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−226294号公報
【0004】
この特許文献1に記載された「親子トンネル掘削機及びその掘削工法」は、内外の掘削盤を有する親トンネル掘削機の内部に回転収納体を設け、この回転収納体に内側掘削盤及び子トンネル掘削機を収納可能としたものである。従って、親トンネル掘削機により親トンネルを掘削し、所定の位置で親トンネル掘削機を停止し、内側掘削盤及び子トンネル掘削機を回転収納体に収納して90度回転し、子トンネル掘削機を発進して子トンネルを掘削することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の「親子トンネル掘削機及びその掘削工法」にあっては、親トンネル掘削機の側部から子トンネル掘削機を発進する場合、回転収納体を90度回転することで親トンネル掘削機の側部が開口し、推進ジャッキを作動して子トンネルを発進させている。ところが、子トンネル掘削機が親トンネル掘削機から発進する場合、子トンネル掘削機は実際に地盤を掘削することから、排土機構やシール機構などが必要となり、各種の設備を事前に搭載する必要がある。ところが、親トンネル掘削機内は内部に回転収納体や子トンネル掘削機を収納するために機内が狭く、子トンネル掘削機の後部に排土機構やシール機構などを装着作業が困難となり、作業者にかかる負担が大きいと共に、作業時間が長くなってしまうという問題がある。
【0006】
本発明はこのような問題点を解決するものであって、収納したトンネル掘削機の発進を迅速に行うことで作業効率の向上を図ったトンネル施工方法及びトンネル掘削機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための請求項1の発明のトンネル施工方法は、トンネル掘削機によるトンネルの掘削時に、該トンネルから分岐する分岐トンネルの起点部を掘削して空間部を形成し、前記トンネル掘削機に収納した分岐トンネル掘削機が前記起点部に位置したとき、該分岐トンネル掘削機を前記空間部に押し出してから分岐トンネルを掘削することを特徴とするものである。
【0008】
請求項2の発明のトンネル施工方法は、トンネル掘削機によるトンネルの掘削時に、該トンネルから分岐する分岐トンネルの起点部を所定範囲にわたって掘削しつつ該トンネル掘削機を前進せしめ、前記親トンネル掘削機に収納した分岐トンネル掘削機をトンネル分岐方向に回転してヘッド部を前記所定範囲にわたって掘削した空間部に挿入し、前記分岐トンネルを掘削することを特徴とするものである。
【0009】
請求項3の発明のトンネル施工方法では、前記トンネル掘削機による前記起点部の掘削時に、前記空間部に壁面の崩壊を防止する置換材を注入することを特徴としている。
【0010】
請求項4の発明のトンネル施工方法では、前記トンネル掘削機から前記分岐トンネル掘削機の先端部を前記空間部に押し出した後、該分岐トンネル掘削機の後端部にテール部を接続することを特徴としている。
【0011】
また、請求項5の発明のトンネル掘削機は、外周部に開口部を有する親トンネル掘削機と、該親トンネル掘削機内に収納されて前記開口部から外部に突出して掘進可能な子トンネル掘削機と、前記親トンネル掘削機の開口部の外側を掘削可能な掘削手段と、前記親トンネル掘削機に設けられて前記掘削手段により掘削した空間部に対して壁面の崩壊を防止する置換材を注入する注入手段とを具えたことを特徴とするものである。
【0012】
請求項6の発明のトンネル掘削機は、本体外周部に子トンネル掘削機の搬出口及びヘッド部から外周方向に所定長さ伸長する掘削手段を有する親トンネル掘削機と、該親トンネル掘削機内に収納されて前記搬出口から外部に突出して掘進する子トンネル掘削機と、前記親トンネル掘削機に設けられて前記掘削手段により掘削した空間部に対して壁面の崩壊を防止する置換材を注入する注入手段とを具えたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項7の発明のトンネル掘削機では、前記掘削手段は、前記親トンネル掘削機のカッタヘッドに装着されたコピーカッタであることを特徴としている。
【0014】
請求項8の発明のトンネル掘削機では、前記親トンネル掘削機に、前記開口部または搬出口を開閉するゲートが設けられたことを特徴としている。
【0016】
請求項9の発明のトンネル掘削機では、前記親トンネル掘削機に、前記開口部または搬出口を閉止すると共にカッタにより破砕可能な土留壁が設けられたことを特徴としている。
【0017】
請求項10の発明のトンネル掘削機では、前記親トンネル掘削機に前記開口部または搬出口に嵌合して軸方向に移動可能なスライド筒が設けられ、該スライド筒内に前記子トンネル掘削機が収容されると共に、該スライド筒の前端部に前記土留壁が形成されたことを特徴としている。
【0018】
請求項11の発明のトンネル掘削機では、前記トンネル掘削機内に、カッタヘッドが該親トンネル掘削機の内周曲面に沿って後方に傾斜した子トンネル掘削機を、前記開口部または搬出口から外方に向けて掘進可能に収納したことを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
図1に本発明の第1実施形態に係るトンネル掘削機の縦断面、図2に第1実施形態のトンネル掘削機の正面視、図3に図1のIII−III断面、図4に親トンネル掘削作業を表す第1実施形態のトンネル掘削機の概略、図5乃至図7に子トンネル掘削作業を表す第1実施形態のトンネル掘削機の概略を示す。
【0021】
第1実施形態のトンネル掘削機10は、図1乃至図3に示すように、親トンネル掘削機11内に子トンネル掘削機51をほぼ直交する方向に収納しており、親トンネル掘削機11による親トンネルT1の掘削時に、この親トンネルT1から分岐する子トンネルT2 の起点部を所定範囲にわたって掘削することで空間部T3を形成し、子トンネル掘削機51がこの起点部に位置したとき、親トンネル掘削機11から子トンネル掘削機51のヘッド部を空間部T3に押し出してから、この子トンネル掘削機51により子トンネルT2を掘削し、親トンネルT1からほぼ直交して分岐する子トンネルT2を掘削することができる。
【0022】
即ち、親トンネル掘削機11にて、掘削機本体12は円筒形状をなす前胴13と後胴14とが球面軸受15により屈曲自在に連結され、中折ジャッキ16により屈曲可能となっている。この前胴13は、駆動部を有する第1筒部13aと、子トンネル掘削機51を収納する第2筒部13bと、後胴14と連結する第3筒部13cとが一体にフランジ接合されて構成されている。そして、前胴13の前部(第1筒部13a)に軸受17により回転リング18が回転自在に支持され、この回転リング18に連結ビーム19を介してカッタヘッド20が連結されている。このカッタヘッド20は中心部21から4つのスポーク22が放射状に連結されると共に、各スポーク22間に面板23が取付けられることで、全体が円板形状をなしている。
【0023】
そして、このカッタヘッド20にて、各スポーク22の前面に多数の先行ビット24が固定されると共に、その両側に多数のカッタビット25が装着されており、少なくとも2つのスポーク22の先端部に第1コピーカッタ26が装着されている。また、面板23には各スポーク22の両側に位置して土砂取込開口27が形成されている。更に、一つのスポーク22にはその長手方向に直交する方向に沿って油圧ジャッキ28が装着され、この油圧ジャッキ28により第2コピーカッタ29(掘削手段)が外方に出没可能となっている。従って、油圧ジャッキ28によりこの第2コピーカッタ29をカッタヘッド20の所定の回転角度位置で外方に突出することで、子トンネルT2の起点部を掘削することができる。
【0024】
このカッタヘッド20の後部にはリングギア30が固定される一方、掘削機本体12には複数のカッタ旋回モータ31が取付けられ、各旋回モータ31の駆動ギア32がこのリングギア30に噛み合っている。従って、旋回モータ31を駆動して駆動ギア32を回転駆動すると、リングギア30を介してカッタヘッド20を回転することができる。
【0025】
また、前胴13の前部にはカッタヘッド20の後方に位置してバルクヘッド33が設けられており、カッタヘッド20とこのバルクヘッド33との間にチャンバ34が設けられている。そして、このチャンバ34には一端がトンネル掘削機の外部に延設された送泥管35及び排泥管36の他端が開口している。
【0026】
一方、後胴14の前部にはリング状の支持壁37が形成され、この支持壁37に複数のシールドジャッキ38が周方向に沿って並設されており、このシールドジャッキ38のスプレッダ39を掘進方向後方に伸長して既設セグメントS1に押し付けることで、その反力により掘削機本体11を前進することができる。また、後胴14には旋回リング40が駆動モータ41により旋回可能に支持されており、この旋回リング40にセグメントS1を組立てるエレクタ装置42が装着されている。
【0027】
そして、前胴13の中間部(第2筒部13b)には、その一側部に子トンネル掘削機51を外部に突出して掘進可能な開口部(搬出口)43が形成されている。そして、この開口部43の周囲にはガイド部材44が装着され、このガイド部材44により前胴13とほぼ同心円状に湾曲したゲート45が前胴13の内側で周方向に沿って移動自在に支持されている。一方、前胴13内の他側部にはウインチ46が装着されており、このウインチ46から繰出されたケーブル47がプーリ48を介して端部がゲート45の上端部に連結されている。なお、ガイド部材44には全周にシール部材が装着され、ゲート45との嵌合面からの止水を行っている。従って、このウインチ46を駆動することで、ケーブル47を介してゲート45を上下動して開口部43を開閉することができる。
【0028】
前胴13内には、この開口部43に対応して前胴13の軸心に直交する水平方向に沿って支持筒49が固定されると共に、開口部43の反対側に位置して支持台50が固定されており、この支持筒49及び支持台50により前述した子トンネル掘削機51が支持されることで、親トンネル掘削機11とほぼ直交する方向に収納されている。
【0029】
即ち、子トンネル掘削機51にて、掘削機本体52は円筒形状をなす前胴53と後胴54とが球面軸受55により屈曲自在に連結され、中折ジャッキ56により屈曲可能となっている。そして、前胴53の前部にバルクヘッド57が固定されており、このバルクヘッド57に図示しない軸受により回転軸58が回転自在に支持され、この回転軸58にカッタヘッド(ヘッド部)59が連結されている。このカッタヘッド59は中心部60から4つのスポーク61が放射状に連結されると共に、各スポーク61間に面板(図示略)が取付けられることで、全体が円板形状をなしている。また、このカッタヘッド59は親トンネル掘削機11の掘削機本体12の曲面に沿うようにスポーク61及び面板が後方に所定角度だけ傾斜しており、子トンネル掘削機51が親トンネル掘削機11内に効率よく収納できるようになっている。そして、このカッタヘッド59には多数の先行ビット(図示略)、多数のカッタビット62、コピーカッタ63、土砂取込開口(図示略)が設けられている。
【0030】
このカッタヘッド59の後部にはリングギア64が固定される一方、掘削機本体52には複数のカッタ旋回モータ65が取付けられ、各旋回モータ65の駆動ギア66がこのリングギア64に噛み合っている。従って、旋回モータ65を駆動して駆動ギア66を回転駆動すると、リングギア64を介してカッタヘッド59を回転することができる。
【0031】
また、前胴53の前部にはカッタヘッド59とバルクヘッド57との間にチャンバ67が設けられている。そして、このチャンバ67に送泥管68及び排泥管69の他端が開口している。
【0032】
一方、後胴54にはリング状の支持壁70が形成され、この支持壁70に複数のシールドジャッキ71が周方向に沿って並設されており、このシールドジャッキ71のスプレッダ72を掘進方向後方に伸長して既設セグメントS2に押し付けることで、その反力により掘削機本体52を前進することができる。また、後胴54には旋回リング73が駆動モータ74により旋回可能に支持されており、この旋回リング73にセグメントS2を組立てるエレクタ装置75(図7参照)が着脱自在となっている。
【0033】
このように構成された子トンネル掘削機51は、前部が支持筒49にシール部材を介して嵌合する一方、後部が支持台50に載置されることで適正に支持されており、支持台50には子トンネル掘削機51を発進するための反力縦壁80がシールドジャッキ71に対向して設けられている。
【0034】
また、親トンネル掘削機11の前胴13には開口部43の上方に位置して第2コピーカッタ29が掘削形成した空間部T3に対して、その壁面の崩壊を防止する置換材を注入する注入管(注入手段)81が設けられる一方、開口部43の下方に位置して空間部T3内の置換材を前胴13内に吸入する吸入管82が設けられている。
【0035】
ここで、このように構成された第1実施形態のトンネル掘削機10によるトンネルT1,T2 の掘削工法について説明する。
【0036】
まず、各トンネルT1,T2を掘削するとき、図示しない発進立坑から親トンネル掘削機11を投入して掘削作業を開始するが、親トンネルT1を掘削する場合には子トンネル掘削機51は不要であるため、図4に示すように、親トンネル掘削機11の前胴13を第1筒部13aと第3筒部13cとから構成して親トンネルT1の掘削を開始する。即ち、旋回モータ31によりカッタヘッド20を回転させながら、複数のシールドジャッキ38を伸長して既設セグメントS1へ押し付け、その反力によって掘削機本体12を前進させる。すると、カッタヘッド20が前方の地盤を掘削して親トンネルT1を掘削する。このときに発生した掘削土砂はチャンバ34内に取り込まれ、送泥管35から供給された送水と混合され、排泥管36によって外部に排出される。一方、エレクタ装置42は、親トンネルT1内に搬入されたセグメントS1をトンネル内壁面に沿ってリング状に組み立てて親トンネルT1を構築する。
【0037】
この親トンネル掘削機11によるトンネル掘削作業により、親トンネルT1を図示しない中継立坑の位置まで掘削すると、この中継立坑から子トンネル掘削機51を収納した第2筒部13bを投入し、図1及び図3に示すように、これを親トンネル掘削機11に組み付ける。そして、子トンネル掘削機51を収納した状態で親トンネル掘削機11によるトンネル掘削作業を継続する。
【0038】
そして、親トンネル掘削機11が予め設定された親トンネルT1から分岐する子トンネルT2のトンネル分岐位置(起点部)に到達すると、図2、図3及び図5に示すように、油圧ジャッキ28により第2コピーカッタ29を伸縮、つまり、開口部43の外側の周辺部だけを掘削できるように所定の回転角度位置で突出することで、子トンネルT2の起点部を掘削し、空間部T3を形成する。このとき、第2コピーカッタ29による掘削作業に伴って掘削形成した空間部T3に、注入管81から置換材を注入することで、空間部T3の壁面の崩壊を防止する。
【0039】
この第2コピーカッタ29により子トンネルT2の起点部に所定の大きさの空間部T3が形成されると、第2コピーカッタ29により掘削作業を停止し、親トンネル掘削機11による親トンネルT1の掘削作業を継続する。そして、親トンネル掘削機11の開口部43が空間部T3に到達すると、親トンネル掘削機11による掘削作業を停止する。ここで、ウインチ46を駆動してケーブル47を巻き取ることで、ゲート45を上方に移動して開口部43を開放していく。このとき、子トンネル掘削機51におけるカッタヘッド59の前方やチャンバ67に置換材(あるいは泥水)を注入して内外の圧力差を無くしておくことが望ましい。
【0040】
親トンネル掘削機11の開口部43が開放されて子トンネル掘削機51の前方に空間部T3が露出すると、図6に示すように、カッタヘッド59を回転させずに、複数のシールドジャッキ71を伸長して反力縦壁80から延設した反力ロッド83へ押し付け、その反力によって掘削機本体52を前進させる。このとき、掘削機本体52の前進動作に伴って空間部T3内の置換材を吸入管82から吸入する。そして、子トンネル掘削機51が所定距離前進してカッタヘッド59が空間部T3の壁面に対向する位置までくると、ここで、図7に示すように、子トンネル掘削機51の後端部にテール部を接続する。即ち、後胴54の後端部にテールシール84を有するテール胴85を接合し、旋回リング73にエレクタ装置75を装着し、また、送泥管68及び排泥管69を延長して外部まで延設する。
【0041】
そして、子トンネル掘削機51が掘進可能に装備されると、旋回モータ65によりカッタヘッド59を回転させながら、複数のシールドジャッキ71を伸長して掘削機本体52を前進させ、カッタヘッド59が空間部T3の壁面を掘削して子トンネルT2を掘削する。このときに発生した掘削土砂はチャンバ67内に取り込まれ、送泥管68から供給された送水と混合され、排泥管69によって外部に排出される。一方、エレクタ装置75は、セグメントS2をトンネル内壁面に沿ってリング状に組み立てて子トンネルT2を構築する。
【0042】
その後、子トンネル掘削機51が子トンネルT2の掘削を継続して親トンネル掘削機11から完全に離脱すると、親トンネルT1と子トンネルT2との分岐部分、つまり、空間部T3の外方の地盤に薬液を注入して固化し、親トンネルT1と子トンネルT2とを接合してトンネルT1,T2を完成させる。
【0043】
このように第1実施形態のトンネル掘削機10にあっては、親トンネル掘削機11内に子トンネル掘削機51をほぼ直交する方向に収納し、親トンネル掘削機11の側部に子トンネル掘削機51が発進可能な開口部43を形成すると共にゲート45により開閉可能とし、親トンネル掘削機11のカッタヘッド20に子トンネルT2の起点部を掘削する第2コピーカッタ29を装着している。
【0044】
従って、親トンネル掘削機11による親トンネルT1の掘削時に、この親トンネル11から分岐する子トンネルT2の起点部を第2コピーカッタ29により掘削し、子トンネル掘削機51がこの起点部に位置したとき、親トンネル掘削機11から子トンネル掘削機51の前部を空間部T3に押し出してから、この子トンネル掘削機51を掘進して子トンネルT2を掘削し、親トンネルT1からほぼ直交する子トンネルT2を分岐して掘削することができ、子トンネル掘削機51の発進時における土砂掘削作業が不要となり、子トンネル掘削機51の前部を空間部T3に押し出すことで、拡大された子トンネル掘削機51の後方空間部で子トンネル掘削機51へのテール部の装着作業を行うことができ、子トンネル掘削機51の発進を迅速に行うことで作業効率の向上を図ることができる。
【0045】
また、親トンネル掘削機11に第2コピーカッタ29が掘削形成した空間部T3に置換材を注入する注入管81を設けると共に、この空間部T3内の置換材を吸入する吸入管82を設けている。従って、第2コピーカッタ29による掘削作業時に、周辺地盤の土圧と空間部T3の置換材の注入圧が対抗することで、空間部T3の壁面の崩壊が防止され、子トンネル掘削機51をこの空間部T3に適正に押し出すことができる。
【0046】
更に、子トンネル掘削機51のカッタヘッド59を、収納する親トンネル掘削機11の曲面に沿うように所定角度だけ後方に傾斜させている。従って、子トンネル掘削機51の前端部を親トンネル掘削機11の壁面に接近して収納することができ、所定長さを子トンネル掘削機51が親トンネル掘削機11内に効率よく収納することができる。
【0047】
図8に本発明の第2実施形態に係るトンネル掘削機の断面、図9及び図10に子トンネル掘削作業を表す第2実施形態のトンネル掘削機の概略を示す。なお、前述した実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0048】
第2実施形態のトンネル掘削機110は、図8に示すように、親トンネル掘削機111内に子トンネル掘削機151をほぼ直交する方向に収納しており、親トンネル掘削機111による親トンネルT1の掘削時に、この親トンネルT1から分岐する子トンネルT2の起点部を掘削し、子トンネル掘削機151がこの分岐する起点部に位置したとき、親トンネル掘削機111から子トンネル掘削機151を空間部T3に押し出してから、この子トンネル掘削機151により子トンネルT2を掘削し、親トンネルT1からほぼ直交する子トンネルT2を分岐して掘削することができる。
【0049】
親トンネル掘削機111は、前述した親トンネル掘削機11とほぼ同様の構成をなしている。即ち、図1に示すように、掘削機本体12は前胴13と後胴14とが屈曲自在に連結されてなり、前胴13の前部にカッタヘッド20が回転自在に装着され、複数のカッタ旋回モータ31により駆動回転可能となっている。そして、このカッタヘッド20に油圧ジャッキ28により第2コピーカッタ(掘削手段)29が外方に出没可能に装着されている。また、後胴14に複数のシールドジャッキ38が装着されると共に、エレクタ装置42が装着されている。
【0050】
そして、図8に示すように、前胴13の中間部(第2筒部13b)に、その一側部に子トンネル掘削機151を外部に突出して掘進可能な開口部(搬出口)112が形成されている。そして、この開口部112に対応して前胴13の軸心に直交する水平方向に沿って支持筒113が固定されると共に、開口部112の反対側に位置して支持台114が固定されている。この支持筒113の内周面にはスライド筒115が軸方向に沿って移動自在に嵌合し、スライド筒115の前端部に前胴13とほぼ同心円状に湾曲したモルタル壁(土留壁)116が形成されている。また、スライド筒115と支持台114との間には複数のスライドジャッキ117が架設されている。
【0051】
そして、子トンネル掘削機151の先端部がこのスライド筒115の内周部に移動自在に嵌合し、後端部が支持台114に載置されることで、子トンネル掘削機151が親トンネル掘削機111内にほぼ直交する方向に収納されることとなる。また、親トンネル掘削機111には開口部112の上方に位置して置換材注入管81が設けられる一方、開口部112の下方に位置して置換材吸入管82が設けられている。
【0052】
この子トンネル掘削機151も前述した子トンネル掘削機51とほぼ同様の構成をなしている。即ち、掘削機本体52は前胴53と後胴54とが屈曲自在に連結されてなり、前胴53の前部にカッタヘッド59が回転自在に装着され、カッタ旋回モータ65により駆動回転可能となっている。そして、後胴54に複数のシールドジャッキ71が装着されると共に、エレクタ装置75が装着可能となっている。
【0053】
このように構成された第2実施形態のトンネル掘削機110により各トンネルT1,T2を掘削するには、親トンネル掘削機111に子トンネル掘削機151を収納していない状態で、カッタヘッド20を回転させながら、シールドジャッキ38を伸長することで掘削機本体12を前進させ、カッタヘッド20により前方の地盤を掘削して親トンネルT1を掘削する。そして、中継立坑の位置で親トンネル掘削機111内に子トンネル掘削機151を収納し、図8に示すように、この状態で親トンネル掘削機111によるトンネル掘削作業を継続する。
【0054】
そして、親トンネル掘削機111が予め設定された子トンネルT2とのトンネル分岐位置に到達すると、第2コピーカッタ29を所定の回転角度位置で突出することで、子トンネルT2が分岐する起点部を掘削して空間部T3を形成する。このとき、第2コピーカッタ29による掘削作業に伴って掘削形成した空間部T3に、注入管81から置換材を注入することで、空間部T3の壁面の崩壊を防止する。
【0055】
この第2コピーカッタ29により子トンネルT2が分岐する起点部に所定の大きさの空間部T3が形成され、親トンネル掘削機111の開口部112が空間部T3に到達すると、親トンネル掘削機111による掘削作業を停止する。ここで、図9に示すように、複数のスライドジャッキ117を伸長してスライド筒115を前進、つまり、ヘッド部を空間部T3に押し出す。このとき、掘削機本体52の前進動作に伴って空間部T3内の置換材を吸入管82から吸入する。そして、スライド筒115及び子トンネル掘削機151が所定距離前進してモルタル壁116が空間部T3の壁面に対向する位置までくると、ここで、図10に示すように、子トンネル掘削機151の後端部にテール部、即ち、後胴54の後端部にテールシール84を有するテール胴85を接合し、旋回リング73にエレクタ装置75を装着し、また、送泥管68及び排泥管69を延長して外部まで延設する。
【0056】
そして、子トンネル掘削機151が掘進可能に装備されると、旋回モータ65によりカッタヘッド59を回転させながら、複数のシールドジャッキ71を伸長して掘削機本体52を前進させる。すると、カッタヘッド59がまず、スライド筒115のモルタル壁116を破砕し、続いて空間部T3の壁面を掘削して子トンネルT2を掘削する。このときに発生したモルタル壁116を破砕部材や掘削土砂はチャンバ67内に取り込まれ、送泥管68から供給された送水と混合され、排泥管69によって外部に排出される。一方、エレクタ装置75は、セグメントS2をトンネル内壁面に沿ってリング状に組み立てて子トンネルT2を構築する。
【0057】
その後、子トンネル掘削機151が子トンネルT2の掘削を継続して親トンネル掘削機111から完全に離脱すると、親トンネルT1と子トンネルT2との分岐部分、つまり、空間部T3の外方の地盤に薬液を注入して固化し、親トンネルT1と子トンネルT2とを接合して各トンネルT1,T2を完成させる。
【0058】
このように第2実施形態のトンネル掘削機110にあっては、親トンネル掘削機111内に子トンネル掘削機151をほぼ直交する方向に収納し、親トンネル掘削機111の側部に子トンネル掘削機151が発進可能な開口部112を形成し、前端部に子トンネル掘削機151により破砕可能なモルタル壁116を有するスライド筒115を装着し、親トンネル掘削機111のカッタヘッド20に子トンネルT2が分岐する起点部を掘削する第2コピーカッタ29を装着している。
【0059】
従って、親トンネル掘削機111による親トンネルT1の掘削時に、この親トンネル111から分岐する子トンネルT2の起点部を第2コピーカッタ29により掘削し、子トンネル掘削機151がこの起点部に位置したとき、親トンネル掘削機111から子トンネル掘削機151を空間部T3に押し出してから、この子トンネル掘削機151がモルタル壁116を破砕しながら掘進して子トンネルT2を掘削し、親トンネルT1からほぼ直交する子トンネルT2を分岐して掘削することができ、子トンネル掘削機151の発進時における土砂掘削作業が不要となり、子トンネル掘削機151の前部を空間部T3に押し出すことで、拡大された子トンネル掘削機151の後方空間部で子トンネル掘削機151へのテール部の装着作業を行うことができ、子トンネル掘削機151の発進を迅速に行うことで作業効率の向上を図ることができる。
【0060】
また、親トンネル掘削機111の側部に形成した開口部43をモルタル壁116により閉止しており、子トンネル掘削機151がモルタル壁116を破砕して発進するようにしており、開口部43を開閉するゲートやその開閉機構等が不要となり、構造を簡素化することができる。
【0061】
図11に本発明の第3実施形態に係るトンネル掘削機の一部切欠平面視を示す。なお、前述した実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0062】
第3実施形態のトンネル掘削機210は、図11に示すように、親トンネル掘削機211内に子トンネル掘削機251をほぼ平行となるよう同方向を向いて収納しており、親トンネル掘削機211による親トンネルT1の掘削時に、この親トンネルT1から分岐する子トンネルT2の起点部を所定範囲内にわたって掘削しつつ親トンネル掘削機211を前進せしめ、子トンネル掘削機251がこの分岐する起点部に位置したとき、親トンネル掘削機211内で子トンネル掘削機251を分岐する起点部の方向に回転することで、ヘッド部を空間部T3に挿入してから、この子トンネル掘削機251により子トンネルT2を掘削し、親トンネルT1からほぼ直交する子トンネルT2を分岐して掘削することができる。
【0063】
親トンネル掘削機211は、前述した親トンネル掘削機11,111とほぼ同様の構成をなしており、掘削機本体12は前胴13と後胴14とが屈曲自在に連結されてなり、前部にカッタヘッド20が回転自在に装着され、複数のカッタ旋回モータにより駆動回転可能となっている。そして、このカッタヘッド20に油圧ジャッキ28により第2コピーカッタ(掘削手段)29が外方に出没可能に装着されている。また、後胴14に複数のシールドジャッキ38が装着されると共に、エレクタ装置が装着されている。
【0064】
そして、前胴13の中間部の一側部に子トンネル掘削機251を外部に突出して掘進可能な開口部(搬出口)212が形成されており、この開口部212は前胴13とほぼ同心円状に湾曲したゲート213により開閉自在となっている。一方、前胴13内には、この開口部212より若干後方に位置して子トンネル掘削機251が配設され、図示しない支持部材により支持されることで、親トンネル掘削機211内の中心位置に同方向を向いて収納されている。
【0065】
この子トンネル掘削機251も前述した子トンネル掘削機51,151とほぼ同様の構成をなしており、掘削機本体252が前胴と後胴とが屈曲自在に連結されてなり、前部にカッタヘッド253が駆動回転可能に装着され、後胴にシールドジャッキやエレクタ装置が装着可能となっている。
【0066】
このように構成された第3実施形態のトンネル掘削機210により各トンネルT1,T2を掘削するには、親トンネル掘削機211に子トンネル掘削機121を収納した状態で、親トンネル掘削機211を掘進して親トンネルT1掘削し、この親トンネル掘削機211が予め設定された子トンネルT2とのトンネル分岐位置に到達すると、第2コピーカッタ29を所定の回転角度位置で突出し、子トンネルT2が分岐する起点部を掘削して空間部T3を形成する。
【0067】
この第2コピーカッタ29により子トンネルT2が分岐する起点部に所定の大きさの空間部T3が形成され、親トンネル掘削機211の開口部212が空間部T3に到達すると、親トンネル掘削機211による掘削作業を停止する。ここで、ゲート213を移動して開口部212を開放し、親トンネル掘削機211内の子トンネル掘削機251をほぼ90度回転してヘッド部を空間部T3に挿入する。
【0068】
即ち、まず、親トンネル掘削機211内で支持されている子トンネル掘削機251の支持状態を解除し、親トンネル掘削機211と子トンネル掘削機251の後部であって開口部212とは反対側との間に押出ジャッキ261を架設する。そして、この状態で押出ジャッキ261を伸長し、子トンネル掘削機251を前進させずに開口部212側に所定角度傾ける。このとき、子トンネル掘削機251が前方に移動しないように拘束して移動を円滑にすることが望ましい。次に、親トンネル掘削機211の右内壁と子トンネル掘削機251の右外壁とを連結リンク262及び連結軸263によって連結すると共に、押出ジャッキ261の装着位置を変更する。この状態で押出ジャッキ261を伸長し、子トンネル掘削機251を連結リンク262の連結軸263を支点として回転する。
【0069】
そして、この押出ジャッキ261の装着位置の変更と、押出ジャッキ261の伸長による子トンネル掘削機251の所定角度の回転を交互に行うことで、図11に二点鎖線で示すように、子トンネル掘削機251をほぼ90度回転し、カッタヘッド253が空間部T3内に位置して親トンネル掘削機211と直行するように、つまり、この子トンネル掘削機251が子トンネルT2を掘削する方向を向くように移動する。
【0070】
このように子トンネル掘削機251が移動してカッタヘッド253が空間部T3の壁面に対向する位置までくると、ここで、子トンネル掘削機251から連結リンク262及び連結軸263を取り外して拘束を解除すると共に、この子トンネル掘削機251の後端部にテール部(テールシールなど)を接合し、エレクタ装置や送泥管、排泥管を延長して外部まで延設する。
【0071】
そして、子トンネル掘削機251が掘進可能に装備されると、カッタヘッド253を回転させながら、複数のシールドジャッキを伸長して親トンネル掘削機211から反力をとって前進させ、空間部T3の壁面を掘削して子トンネルT2を掘削する。その後、子トンネル掘削機251が子トンネルT2の掘削を継続して親トンネル掘削機211から完全に離脱すると、親トンネルT1と子トンネルT2との分岐部分、つまり、空間部T3の外方の地盤に薬液を注入して固化し、親トンネルT1と子トンネルT2とを接合して各トンネルT1,T2を完成させる。
【0072】
このように第3実施形態のトンネル掘削機210にあっては、親トンネル掘削機211内に子トンネル掘削機251を同方向に沿って収納し、親トンネル掘削機211の側部に子トンネル掘削機251が発進可能な開口部212を形成してゲート213により開閉自在とすると共に、親トンネル掘削機211のカッタヘッド20に子トンネルT2が分岐する起点部を掘削する第2コピーカッタ29を装着している。
【0073】
従って、親トンネル掘削機211による親トンネルT1の掘削時に、この親トンネル211から分岐する子トンネルT2の起点部を第2コピーカッタ29により掘削して空間部T3を形成し、子トンネル掘削機251がこの起点部に位置したとき、空間部T3を用いて回転しながら親トンネル掘削機211から空間部T3に押し出し、この子トンネル掘削機251を掘進して子トンネルT2を掘削することができ、子トンネル掘削機251の発進時における土砂掘削作業が不要となり、子トンネル掘削機251の後方空間部でテール部などの装着作業を容易に行うことができ、子トンネル掘削機251の発進を迅速に行うことで作業効率の向上を図ることができる。
【0074】
また、親トンネル掘削機211内に子トンネル掘削機251を同方向に収納し、親トンネル掘削機211が掘削した空間部T3を用いて子トンネル掘削機251をこの空間部T3に押し出して分岐する子トンネルT2を掘削可能としたことで、親トンネル掘削機211内に子トンネル掘削機251を効率的に収納することで、親トンネルT1から分岐する子トンネルT2の径を大きくすることができる。
【0075】
なお、上述の実施形態では、親トンネル掘削機内に収納した子トンネル掘削機の方向を直行方向あるいは平行方向としたが、これに限るものではない。また、親トンネルT1から分岐する子トンネルT2の掘削方向も直行方向に限らず、斜め前方や後方、あるいは上下方向に掘削することもできる。
【0076】
【発明の効果】
以上、実施形態において詳細に説明したように本発明のトンネル施工方法によれば、トンネル掘削機によるトンネルの掘削時に、このトンネルから分岐する分岐トンネルの起点部を掘削して空間部を形成し、トンネル掘削機に収納した分岐トンネル掘削機が起点部に位置したとき、分岐トンネル掘削機を空間部に押し出してから分岐トンネルを掘削するようにしたので、分岐トンネル掘削機の発進時における土砂掘削作業が不要となり、分岐トンネル掘削機の前部を空間部に押し出すことで、拡大された分岐トンネル掘削機の後方空間部で分岐トンネル掘削機へのテール部の装着作業を行うことができ、分岐トンネル掘削機の発進を迅速に行うことで作業効率の向上を図ることができる。
【0077】
本発明のトンネル施工方法によれば、トンネル掘削機によるトンネルの掘削時に、このトンネルから分岐する分岐トンネルの起点部を所定範囲にわたって掘削しつつトンネル掘削機を前進せしめ、トンネル掘削機に収納した分岐トンネル掘削機をトンネル分岐方向に回転してヘッド部を所定範囲にわたって掘削した空間部に挿入し、分岐トンネルを掘削するようにしたので、分岐トンネル掘削機の発進時における土砂掘削作業が不要となり、空間部を利用して分岐トンネル掘削機を回転して空間部に押し出すことで、拡大された分岐トンネル掘削機の後方空間部で分岐トンネル掘削機へのテール部の装着作業を行うことができ、分岐トンネル掘削機の発進を迅速に行うことで作業効率の向上を図ることができる。
【0078】
本発明のトンネル施工方法によれば、トンネル掘削機による起点部の掘削時に、この空間部に壁面の崩壊を防止する置換材を注入するようにしたので、起点部の掘削作業時に、周辺地盤の土圧と空間部の置換材の注入圧が対抗することで、この空間部の壁面の崩壊が防止され、分岐トンネル掘削機を空間部に適正に押し出すことができる。
【0079】
本発明のトンネル施工方法によれば、トンネル掘削機から分岐トンネル掘削機の先端部を空間部に押し出した後、分岐トンネル掘削機の後端部にテール部を接続するようにしたので、トンネル掘削機に収納した分岐トンネル掘削機の全長を短く設定することができ、分岐トンネル掘削機を効率よく収納することができる。
【0080】
また、本発明のトンネル掘削機によれば、外周部に開口部を有する親トンネル掘削機と、この親トンネル掘削機内に収納されて開口部から外部に突出して掘進可能な子トンネル掘削機と、親トンネル掘削機の開口部の外側を掘削可能な掘削手段とを設けたので、親トンネル掘削機による親トンネルの掘削時に、親トンネルから分岐する子トンネルの起点部を掘削手段により掘削して空間部を形成し、子トンネル掘削機がこの分起点に位置したとき、親トンネル掘削機から子トンネル掘削機を空間部に押し出してから、この子トンネル掘削機を掘進して子トンネルを掘削し、親トンネルからほぼ直交する子トンネルを分岐して掘削することができ、子トンネル掘削機の発進時における土砂掘削作業が不要となり、子トンネル掘削機の前部を空間部に押し出すことで、拡大された子トンネル掘削機の後方空間部で子トンネル掘削機へのテール部の装着作業を行うことができ、子トンネル掘削機の発進を迅速に行うことで作業効率の向上を図ることができる。
【0081】
また、本発明のトンネル掘削機によれば、本体外周部に子トンネル掘削機の搬出口及びヘッド部から外周方向に所定長さ伸長する掘削手段を有する親トンネル掘削機と、親トンネル掘削機内に収納されて搬出口から外部に突出して掘進する子トンネル掘削機とを設けたので、親トンネル掘削機による親トンネルの掘削時に、親トンネルから分岐する子トンネルの起点部を掘削手段により掘削して空間部を形成し、子トンネル掘削機がこの分起点に位置したとき、親トンネル掘削機から子トンネル掘削機を空間部に押し出してから、この子トンネル掘削機を掘進して子トンネルを掘削し、親トンネルからほぼ直交する子トンネルを分岐して掘削することができ、子トンネル掘削機の発進時における土砂掘削作業が不要となり、子トンネル掘削機の前部を空間部に押し出すことで、拡大された子トンネル掘削機の後方空間部で子トンネル掘削機へのテール部の装着作業を行うことができ、子トンネル掘削機の発進を迅速に行うことで作業効率の向上を図ることができる。
【0082】
本発明のトンネル掘削機によれば、掘削手段を親トンネル掘削機のカッタヘッドに装着されたコピーカッタとしたので、簡単な構成により確実に空間部を掘削することができる。
【0083】
本発明のトンネル掘削機によれば、親トンネル掘削機に開口部または搬出口を開閉するゲートを設けたので、簡単な構成により子トンネル掘削機を発進する開口部または搬出口を開閉することができる。
【0084】
本発明のトンネル掘削機によれば、親トンネル掘削機に掘削手段により掘削した空間部に対して壁面の崩壊を防止する置換材を注入する注入手段を設けたので、起点部の掘削作業時に、周辺地盤の土圧と空間部の置換材の注入圧が対抗することで、空間部の壁面の崩壊が防止され、子トンネル掘削機をこの空間部に適正に押し出すことができる。
【0085】
本発明のトンネル掘削機によれば、親トンネル掘削機に開口部または搬出口を閉止すると共にカッタにより破砕可能な土留壁を設けたので、子トンネル掘削機が土留壁を破砕して発進すればよく、開口部または搬出口を開閉するゲートやその開閉機構等が不要となり、構造を簡素化することができる。
【0086】
本発明のトンネル掘削機によれば、親トンネル掘削機に開口部または搬出口に嵌合して軸方向に移動可能なスライド筒を設け、このスライド筒内に子トンネル掘削機を収容すると共に、スライド筒の前端部に土留壁を形成したので、確実に子トンネル掘削機を空間部に押し出すことができる。
【0087】
本発明のトンネル掘削機によれば、親トンネル掘削機内に、カッタヘッドが親トンネル掘削機の内周曲面に沿って後方に傾斜した子トンネル掘削機を、開口部または搬出口から外方に向けて掘進可能に収納したので、子トンネル掘削機の前端部を親トンネル掘削機の壁面に接近して収納することができ、所定長さを子トンネル掘削機が親トンネル掘削機内に効率よく収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るトンネル掘削機の縦断面図である。
【図2】第1実施形態のトンネル掘削機の正面図である。
【図3】図1のIII−III断面図である。
【図4】親トンネル掘削作業を表す第1実施形態のトンネル掘削機の概略図である。
【図5】子トンネル掘削作業を表す第1実施形態のトンネル掘削機の概略図である。
【図6】子トンネル掘削作業を表す第1実施形態のトンネル掘削機の概略図である。
【図7】子トンネル掘削作業を表す第1実施形態のトンネル掘削機の概略図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るトンネル掘削機の断面図である。
【図9】子トンネル掘削作業を表す第2実施形態のトンネル掘削機の概略図である。
【図10】子トンネル掘削作業を表す第2実施形態のトンネル掘削機の概略図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係るトンネル掘削機の一部切欠平面図である。
【符号の説明】
10 トンネル掘削機
11 親トンネル掘削機
20 カッタヘッド
28 油圧ジャッキ
29 第2コピーカッタ(掘削手段)
31 カッタ旋回モータ
38 シールドジャッキ
42 エレクタ装置
43 開口部(搬出口)
45 ゲート
46 ウインチ
47 ケーブル
51 子トンネル掘削機(分岐トンネル掘削機)
59 カッタヘッド(ヘッド部)
65 カッタ旋回モータ
71 シールドジャッキ
75 エレクタ装置
110 トンネル掘削機
111 親トンネル掘削機
112 開口部(搬出口)
115 スライド筒
116 モルタル壁(土留壁)
117 スライドジャッキ
151 子トンネル掘削機(分岐トンネル掘削機)
210 トンネル掘削機
211 親トンネル掘削機
212 開口部(搬出口)
213 ゲート
251 子トンネル掘削機(分岐トンネル掘削機)
253 カッタヘッド(ヘッド部)
261 押出ジャッキ
262 連結リンク
263 連結軸
1,S2 セグメント
1 親トンネル
2 子トンネル(分岐トンネル)
3 空間部

Claims (11)

  1. トンネル掘削機によるトンネルの掘削時に、該トンネルから分岐する分岐トンネルの起点部を掘削して空間部を形成し、前記トンネル掘削機に収納した分岐トンネル掘削機が前記起点部に位置したとき、該分岐トンネル掘削機を前記空間部に押し出してから分岐トンネルを掘削する
    ことを特徴とするトンネル施工方法。
  2. トンネル掘削機によるトンネルの掘削時に、該トンネルから分岐する分岐トンネルの起点部を所定範囲にわたって掘削しつつ該トンネル掘削機を前進せしめ、前記親トンネル掘削機に収納した分岐トンネル掘削機をトンネル分岐方向に回転してヘッド部を前記所定範囲にわたって掘削した空間部に挿入し、前記分岐トンネルを掘削する
    ことを特徴とするトンネル施工方法。
  3. 請求項1または2記載のトンネル施工方法において、
    前記トンネル掘削機による前記起点部の掘削時に、前記空間部に壁面の崩壊を防止する置換材を注入する
    ことを特徴とするトンネル施工方法。
  4. 請求項1または2記載のトンネル施工方法において、
    前記トンネル掘削機から前記分岐トンネル掘削機の先端部を前記空間部に押し出した後、該分岐トンネル掘削機の後端部にテール部を接続する
    ことを特徴とするトンネル施工方法。
  5. 外周部に開口部を有する親トンネル掘削機と、
    該親トンネル掘削機内に収納されて前記開口部から外部に突出して掘進可能な子トンネル掘削機と、
    前記親トンネル掘削機の開口部の外側を掘削可能な掘削手段と
    前記親トンネル掘削機に設けられて前記掘削手段により掘削した空間部に対して壁面の崩壊を防止する置換材を注入する注入手段とを具えた
    ことを特徴とするトンネル掘削機。
  6. 本体外周部に子トンネル掘削機の搬出口及びヘッド部から外周方向に所定長さ伸長する掘削手段を有する親トンネル掘削機と、
    該親トンネル掘削機内に収納されて前記搬出口から外部に突出して掘進する子トンネル掘削機と
    前記親トンネル掘削機に設けられて前記掘削手段により掘削した空間部に対して壁面の崩壊を防止する置換材を注入する注入手段とを具えた
    ことを特徴とするトンネル掘削機。
  7. 請求項5または6記載のトンネル掘削機において、
    前記掘削手段は、前記親トンネル掘削機のカッタヘッドに装着されたコピーカッタである
    ことを特徴とするトンネル掘削機。
  8. 請求項5または6記載のトンネル掘削機において、
    前記親トンネル掘削機に、前記開口部または搬出口を開閉するゲートが設けられた
    ことを特徴とするトンネル掘削機。
  9. 請求項5または6記載のトンネル掘削機において、
    前記親トンネル掘削機に、前記開口部または搬出口を閉止すると共にカッタにより破砕可能な土留壁が設けられた
    ことを特徴とするトンネル掘削機。
  10. 請求項9のトンネル掘削機において、
    前記親トンネル掘削機に前記開口部または搬出口に嵌合して軸方向に移動可能なスライド筒が設けられ、該スライド筒内に前記子トンネル掘削機が収容されると共に、該スライド筒の前端部に前記土留壁が形成された
    ことを特徴とするトンネル掘削機。
  11. 請求項5または6記載のトンネル掘削機において、
    前記親トンネル掘削機内に、カッタヘッドが該親トンネル掘削機の内周曲面に沿って後方に傾斜した子トンネル掘削機を、前記開口部または搬出口から外方に向けて掘進可能に収納した
    ことを特徴とするトンネル掘削機。
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