JP4092141B2 - 核酸抽出同時精製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、核酸を用いて各種の操作を行う場合の試料となる核酸を得るための核酸調製法に関し、より詳しくは、精製が困難とされる糞便などの生物試料中から、抽出が困難とされるマイコバクテリウム属の細菌などの核酸を得るための核酸調製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、目的試料から核酸を調製する場合、試料の特性に応じて、以下に挙げる方法などから適切な抽出法と精製法を選択し、抽出、精製の2つの工程を順に行うことが一般的である。
【0003】
(抽出法)
ウイルス、細菌、真菌、原虫、植物、動物などの生物材料から核酸を抽出する一般的な方法として、リゾチームなどの酵素により細胞壁を分解し、溶液中に抽出する方法や、プロテネースなどの酵素によりタンパク質を分解し細胞を破壊し、溶液中に抽出する方法などが用いられている。
【0004】
しかし、これら酵素処理による核酸抽出は、熟練した技術が要求されるものであり、また、時間もかかるため処理効率が悪いという問題がある。特に、この抽出方法を、マイコバクテリウム属の細菌や真菌類であるカビの胞子などの細胞壁が堅いものに適用した場合は、菌体が壊れないために、核酸の抽出効率が極端に悪い。たとえば、菌体の破壊が難しいマイコバクテリウム属の細菌から核酸を抽出するために、Varyらの論文(J.Clin.Microbiol.,28(5),933-937,(1990))に記載された方法では、3種類の酵素で計48時間におよぶ処理を行っている。
【0005】
そこで、細胞壁が堅く、菌体破壊が難しいという問題を克服するために、フェノールと微粒子を用いて激しく撹拌する方法が知られている。例えば、Giessenらの論文(J.Med.Microbiol.,36(1992),255-263)では、マイコバクテリウム属の細菌を含む検体を、TE Buffer(10mM Tris−HCl、1mM EDTA)及びフェノール中で酸化ジルコニウムの微粒子と共に激しく攪拌することで菌体を破壊するという工夫をしている。また、アメリカ特許4,918,178号明細書にも同様の記載がある。
【0006】
しかし、この抽出法では核酸抽出の効率は良くなる反面、フェノールという非常に有害性の高い試薬を用いることや、攪拌操作中にフェノールが実験室環境を汚染するという問題などがあり、実用性は低い。
【0007】
(精製法)
核酸抽出液から核酸を精製するには、核酸抽出液中の蛋白質や脂溶性の夾雑物成分を取り除かなければならない。一般的には、フェノール・クロロホルムを用いて、蛋白質や脂溶性の夾雑物成分を取り除く方法が知られている。また、ガラスビーズ等に核酸を吸着させ、核酸以外の成分を取り除く方法や、フィルター等を用いて夾雑物を濾別する方法なども知られている。
【0008】
しかし、生物試料が特に糞便などである場合には、上記の精製法では次のような問題が起こる。例えばフェノール・クロロホルムを用いる方法では、糞便中に存在する脂溶性以外の夾雑物成分を取り除くことができない。また、ガラスビーズを用いる方法では、糞便中の夾雑物が核酸のガラスビーズへの吸着を阻害する。フィルターを用いる方法では、糞便中の夾雑物によりフィルターの目詰まりが起こり濾過できない。従ってこれらの精製法では、糞便から純度の高い核酸を得ることはできない。
【0009】
実際に糞便を試料としてプロテネースによる酵素処理とフェノール・クロロホルムにより核酸の精製操作を行った後、エタノール沈殿法により核酸の沈殿を得ると、その沈殿は黄色ないし褐色に着色したものであった。これは糞便中の夾雑物が除去されずに、高純度に核酸の精製が行われていないことを示している。
【0010】
そこで本発明者は、特に精製が難しい糞便から純度の高い核酸を得るため、第四級アンモニウム塩を用いる核酸精製法を開発した(特開2002−37798A号公報)。この方法では、糞便に由来する核酸以外の夾雑物を高効率で除去することができる。
【0011】
しかし前述のように、簡単かつ効率の良い抽出法は未だ開発されておらず、また、本発明者による優れた核酸精製法は提案されていても、核酸調製のためには抽出及び精製の2つの工程を順次行わなければならない。そこで、多数検体の処理を迅速に行うために、容易にかつ効率の良い抽出ができると同時に精製もできる核酸調製法が望まれていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、生物材料から核酸の抽出と精製とを同時に行う簡便な方法を提供することにある。特に本発明の目的は、細胞を破壊することが難しく、核酸を抽出するために特別の操作が必要であった生物材料、特にマイコバクテリウム属の細菌が、糞便等の精製が難しいとされていた生物試料中に存在する場合に、有害性の高い試薬を用いずに抽出と精製とを同時に行う簡便な方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討した結果、生物材料を、キレート試薬及び第四級アンモニウム塩を含む水溶液と、有機溶媒と、微粒子と共に攪拌することで、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0014】
すなわち本発明は、核酸を抽出及び精製すべき生物材料を、キレート試薬及び第四級アンモニウム塩を含む水溶液と、有機溶媒と、微粒子と共に攪拌し、核酸の抽出と精製を同時に行う核酸抽出同時精製法であって、前記キレート試薬の濃度が、前記水溶液を基準として5mM〜500mMであることを特徴とする核酸抽出同時精製法である。
【0015】
本発明は、前記キレート試薬は、ポリアミノカルボン酸及びその塩からなる群から選ばれる、前記の核酸抽出同時精製法である。
【0016】
本発明は、前記キレート試薬は、EDTA及びEDTAに類似の試薬からなる群から選ばれる、前記の核酸抽出同時精製法である。
【0017】
本発明は、前記キレート試薬は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、O,O’−ビス(2−アミノフェニルエチレングリコール)エチレンジアミン四酢酸(BAPTA)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)、トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン−エチレンジアミン四酢酸(CyDTA)、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン−エチレンジアミン四酢酸(DPTA−OH)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、エチレンジアミン二プロパン酸塩酸塩(EDDP)、エチレンジアミン二メチレンホスホン酸1水和物(EDDPO)、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(EDTA−OH)、エチレンジアミン四メチレンホスホン酸(EDTPO)、O,O’−ビス(2−アミノエチル)エチレングリコール四酢酸(EGTA)、N,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン二酢酸(HBED)、1,6−ヘキサメチレンジアミン四酢酸(HDTA)、N−(2−ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸(HIDA)、イミノ二酢酸(IDA)、1,2−ジアミノプロパン四酢酸(Methyl−EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ニトリロ三プロパン酸(NTP)、ニトリロ三メチレンホスホン酸三ナトリウム塩(NTPO)、エチレンジアミン四(2−ピリジルメチル)(TPEN)及びトリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA)からなる群から選ばれる、前記の核酸抽出同時精製法である。
【0019】
本発明は、前記第四級アンモニウム塩が、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルピリジニウムクロリド、ヘキサジメチリンブロミド、ヘキサフルオレニウムブロミド及びメチルチアゾリウムブロミドからなる群から選ばれる、前記の核酸抽出同時精製法である。
本発明は、前記第四級アンモニウム塩の濃度が、前記水溶液を基準として0.001〜20重量%である、前記の核酸抽出同時精製法である。
【0020】
本発明は、前記有機溶媒がクロロホルム、四塩化炭素、アルコール類、芳香族炭化水素、エーテル類及びケトン類からなる群から選ばれる、前記の核酸抽出同時精製法である。
本発明は、前記有機溶媒として、複数の有機溶媒を任意の割合で混合して用いる、前記の核酸抽出同時精製法である。
本発明は、前記有機溶媒として、クロロホルム及びアルコール類を任意の割合で混合して用いる、前記の核酸抽出同時精製法である。
本発明は、前記クロロホルム及びアルコール類は、容量比でクロロホルム:ブタノール=7:3〜9:1の割合である、前記の核酸抽出同時精製法である。
【0021】
本発明は、前記有機溶媒の量が、前記水溶液を基準として5〜95容量%である、前記の核酸抽出同時精製法である。
【0022】
本発明は、前記微粒子の直径が0.05〜0.5mmである、前記の核酸抽出同時精製法である。
本発明は、前記微粒子として、直径が0.05〜0.5mmの微粒子を用い、さらに直径が0.5mmよりも大きい粒子を任意の割合で混合して用いる、前記の核酸抽出同時精製法である。
【0023】
本発明は、フェノールを用いないことを特徴とする、前記の核酸抽出同時精製法である。
【0024】
本発明は、前記生物材料が、ウイルス、細菌、真菌、原虫、植物又は動物である、前記の核酸抽出同時精製法である。
本発明は、前記細菌がマイコバクテリウム属に属するものである、前記の核酸抽出同時精製法である。
本発明は、前記マイコバクテリウム属の細菌が、結核菌、非定型抗酸菌、癩菌、ヨーネ菌又はクローン病菌である、前記の核酸抽出同時精製法である。
【0025】
本発明は、前記生物材料は、生物の組織、体液、分泌物、***物などの生物試料又は土、水、空気などの環境試料に含まれる、前記の核酸抽出同時精製法である。
本発明は、前記生物試料が動物の糞便、痰又は血液である、前記の核酸抽出同時精製法である。
本発明は、前記糞便が人又は家畜に由来するものである、前記の核酸抽出同時精製法である。
本発明は、前記家畜が牛、ヤギ又は羊である、前記の核酸抽出同時精製法である。
【0026】
本発明において核酸とは、DNA、RNAの両方を意味する。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の方法では、例えばチューブ内において、生物材料を、キレート試薬及び第四級アンモニウム塩を含む水溶液と、有機溶媒と、微粒子と共に攪拌する。
【0028】
本発明において使用する生物材料は、ウイルス、細菌、真菌、原虫、植物、動物などが挙げられるが、これらに限定されない。本発明は、特に細胞の破壊が難しい真菌、マイコバクテリウム属の細菌などの生物材料に有用である。マイコバクテリウム属の細菌としては、結核菌、非定型抗酸菌、癩菌、ヨーネ菌(Micobacterium paratuberculosis)、クローン菌などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
これらの生物材料は、生物の組織、体液、分泌物、***物などの生物試料や、土、水、空気、などの環境試料に含まれるが、これらに限定されない。生物試料としては、動物の糞便、痰、血液などが挙げられるが、これらに限定されない。本発明は、前記糞便として特に、家畜や人の糞便に有用であるが、これらに限定されない。さらに、前記家畜としては、牛、ヤギ、羊などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
本発明で用いる水溶液としては、例えばリン酸緩衝液、トリス緩衝液、酢酸緩衝液などのpH緩衝溶液を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0031】
本発明において用いるキレート試薬は、EDTA又はEDTAに類似したポリアミノカルボン酸を用いると良い。具体的には、エチレンジアミン四酢酸(ethylenediamnie-N,N,N',N'-tetraacetic acid;EDTA)、O,O’−ビス(2−アミノフェニルエチレングリコール)エチレンジアミン四酢酸(O,O'-Bis(2-aminophenyl)ethyleneglycol-N,N,N',N'-tetraacetic acid;BAPTA)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(N,N-Bis(2-hydroxyethyl)glycine;Bicine)、トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン−エチレンジアミン四酢酸(trans-1,2-Diaminocyclohexane-N,N,N',N'-tetraacetic acid;CyDTA)、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン−エチレンジアミン四酢酸(1,3-Diamino-2-hydroxypropane-N,N,N',N'-tetraacetic acid;DPTA−OH)、ジエチレントリアミン五酢酸(Diethylenetriamine-N,N,N',N",N"-pentaacetic acid;DTPA)、エチレンジアミン二プロパン酸塩酸塩(Ethylenediamine-N,N'-dipropionic acid,dihydrochloride;EDDP)、エチレンジアミン二メチレンホスホン酸1水和物(Ethylenediamine-N,N'-bis(methylenephosphonic scid),hemihydrate;EDDPO)、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(N-(2-Hydroxyethyl)ethylenediamine-N,N',N''-triacetic acid;EDTA−OH)、エチレンジアミン四メチレンホスホン酸(Ethylenediamine-N,N,N',N'-tetrakis(methylenephosphonic acid);EDTPO)、O,O’−ビス(2−アミノエチル)エチレングリコール四酢酸(O,O'-Bis(2-aminoethyl)ethyleneglycol-N,N,N',N'-tetraacetic acid;EGTA)、N,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン二酢酸(N,N'-Bis(2-hydroxybenzyl)ethylenediamine-N,N'-diacetic acid;HBED)、1,6−ヘキサメチレンジアミン四酢酸(1,6-Hexamethylenediamine-N,N,N',N'-tetraacetic acid;HDTA)、N−(2−ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸(N-(2-Hydroxyethyl)iminodiacetic acid;HIDA)、イミノ二酢酸(Iminodiacetic acid;IDA)、1,2−ジアミノプロパン四酢酸(1,2-Diaminopropane-N,N,N',N'-tetraacetic acid;Methyl−EDTA)、ニトリロ三酢酸(Nitrilotriacetic acid;NTA)、ニトリロ三プロパン酸(Nitrilotripropionic acid;NTP)、ニトリロ三メチレンホスホン酸三ナトリウム塩(Nitrilotris(methylenephosphonic acid),trisodium salt;NTPO)、エチレンジアミン四(2−ピリジルメチル)(N,N,N',N'-Tetrakis(2-pyridylmethyl)ethylenediamine;TPEN)、トリエチレンテトラアミン六酢酸(Triethylenetetramine-N,N,N',N'',N''',N'''-hexaacetic acid;TTHA)などが挙げられる。これらのキレート試薬は、単独で用いても2種以上を併用しても良い。
【0032】
細胞壁がその構造を維持する要因のひとつとして、カルシウムイオンの存在がある。これらキレート試薬はカルシウムイオンに配位しやすいものである。これらキレート試薬は、細胞壁のカルシウムイオンに配位し、細胞壁の構造を変成させることによりその構造を維持できない状態にし、細胞壁を破壊しやすくすると考えられる。
【0033】
本発明においてキレート試薬は、前記水溶液を基準として5mM〜500mM、好ましくは10mM〜250mMの濃度で用いる。キレート試薬の濃度が5mM未満では細胞の破壊効率が低くなる傾向にあり、500mMより濃度が高いと、細胞破壊後の核酸精製も同時に行う本発明の方法において、付加的な処理が必要になる場合がある。
【0034】
本発明は、上記濃度のキレート試薬を用いて、細胞を破壊するために従来のフェノールなどの他の変成剤を用いなくとも良いのが特徴であり、このことがより簡便で安全な核酸抽出を可能としている。
【0035】
本発明で使用する第四級アンモニウム塩は、カチオン化された窒素原子N+を含むオニウム塩であり、好ましくは界面活性を有するものである。第四級アンモニウム塩としては、具体的に、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(Hexadecyltrimethylammonium Bromide)、ヘキサデシルピリジニウムクロリド(Hexadecylpyridinium Chloride)、ヘキサジメチリンブロミド(Hexadimethrine Bromide)、ヘキサフルオレニウムブロミド(Hexafluorenium Bromide)、メチルチアゾリウムブロミド(methylthiazolium bromide)などが挙げられるがこれらに限定されない。例えば、疎水基を適宜調整すると良い。これらの第四級アンモニウム塩は、単独で用いても2種以上を併用しても良い。
【0036】
第四級アンモニウム塩は、前記水溶液を基準として0.001〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%の濃度で用いると良い。0.001重量%より少ないと精製効果が少なく、20重量%を超えると第四級アンモニウム塩自身が析出しやすい。
【0037】
本発明で用いる有機溶媒は、クロロホルム、四塩化炭素、アルコール類、ベンゼンなどの芳香族炭化水素、エーテル類、ケトン類などを挙げることができるがこれらに限定されない。芳香族炭化水素においては、有害性の高いフェノールを使用しないほうが好ましい。またこれら有機溶媒は、水と任意の割合で混ざり合わないものが好ましい。またこれら有機溶媒は、単独で用いても2種以上を併用しても良く、クロロホルムとアルコールとの組み合わせが好ましく、クロロホルムとブタノールとの組み合わせがより好ましい。クロロホルムとブタノールは、容量比で7:3〜9:1の割合で組み合わせることが好ましい。特に本発明においては、クロロホルム:ブタノール=8:2(容量比)の混合液が有用である。
【0038】
対象となる生物材料の種類にも依るが、有機溶媒の量は、前記水溶液を基準として5〜95容量%で用いると良い。
【0039】
このような有機溶媒を用いることにより、生物材料の夾雑物が有機溶媒中に取り込まれやすく、効率の良い精製ができる。
【0040】
また本発明においては、生物材料を微粒子の存在下で、キレート試薬及び第四級アンモニウム塩を含む水溶液と、有機溶媒と共に激しく攪拌する。微粒子を加えることにより細胞が微粒子と衝突し、細胞の破壊がより効率的に行われる。この時に用いる微粒子は、通常、細胞懸濁液に対し生物学的に関与しないガラスビーズや酸化ジルコニウムの微粒子などが用いられる。通常、微粒子としては比重が2.0以上、例えば2.3〜6.3で、直径が0.05mm〜0.5mmのものが用いられるが、これに限定されない。直径1mm以上だと、細胞の破壊効率が悪くなる傾向にある。
【0041】
また、撹拌効率をより高め、細胞の破壊効率をより上げるために、上記範囲の直径を有する微粒子に加え、補助的に、0.5mmよりも大きい直径を有する粒子、例えば直径が1.0mm〜2.0mmのものを用いても良い。0.5mmよりも大きい直径を有するこれら粒子は、前述の0.05〜0.5mmの直径を有する微粒子と任意の重量割合で混合して使用することができる。このように、異なった大きさの粒子を用いることにより、撹拌効率をより高め、細胞と粒子の衝突がより高い頻度で起こると考えられる。
【0042】
本発明において、上記の生物材料、キレート試薬、第四級アンモニウム塩、有機溶媒及び微粒子を添加する手順は限定されず、撹拌時に全てのものがチューブ内に存在していれば良い。例えば、先ずpH緩衝溶液にキレート試薬及び第4級アンモニウム塩を溶解させた水溶液を調製し、生物材料が入ったチューブに前記水溶液を加えて懸濁させ、次にこの懸濁液へ有機溶媒及び微粒子を加えて撹拌する。これら手順においては、当業者が添加時期を適宜調整することができる。
【0043】
このようにして、目的とする核酸を高純度で得ることができる。本発明の方法では、5mM〜500mMのキレート試薬と微粒子とにより細胞壁が破壊され核酸が周辺の水中に抽出され、さらに第四級アンモニウム塩と有機溶媒とにより、前記核酸が精製されると考えられる。
【0044】
なお、本発明において、核酸とはDNA、RNAの両方を意味し、動物の糞便中に存在する細菌、ウィルス及び原虫の核酸、より詳しくは動物の糞便中に存在する感染症の原因となる細菌、ウィルス及び原虫の核酸や、動物の糞便中に存在する腫瘍細胞等の異形細胞の核酸を得る。
【0045】
【実施例】
以下に実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0046】
[実験例]
本実験例では、生物材料として、マイコバクテリア属の菌であり、ヨーネ病の原因菌であるMicobacterium paratuberculosis(以下ヨーネ菌と略す)を含むヨーネ病に感染した牛に由来する糞便を用いた。
まず、ヨーネ菌感染牛に由来の糞便1gを蒸留水10mLに懸濁し、5分放置した後、上清5mLを回収し遠心してヨーネ菌を含む糞便ペレットを得た。
【0047】
次に、組成が10mM Tris−HCl、100mM EDTA、1重量%ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、700mM NaClである水溶液を調製し、糞便ペレットが入ったチューブに、前記水溶液を1ml、クロロホルムとブタノールとの混合液[クロロホルム:ブタノール=8:2(容量比)]を2ml加えた。さらに微粒子として直径0.1mm(比重2.5)、直径1.0mm及び直径2.0mmのガラスビーズをそれぞれ3.0gずつ加え、ボルテックスミキサーで攪拌(2,500rpm、60min)した。攪拌した試料を遠心(遠心力;10,000G、5min)し、その上清500μLを回収し、エタノール沈殿法により核酸ペレットを得た。
【0048】
得られた核酸ペレットを蒸留水50μLに溶解し、更に蒸留水を用いてペレット溶解液の2倍段階稀釈系列を調製した。得られた核酸の稀釈系列にヨーネ菌に特異的な遺伝子であるIS900の一部の領域を増幅するためのプライマー[塩基配列がGATCGGAACGTCGGCTGGTCAGGのもの(配列番号1)及びACGACGACGCGCAGCGATTGCTCTのもの(配列番号2)]、Taqポリメラーゼ酵素、dNTP及び緩衝溶液を添加し、97℃−30秒、65℃−30秒、72℃−30秒、40サイクルの温度条件でPCR反応を行った。PCR反応の後、アガロースゲル電気泳動、エチジウム染色、トランスイルミネータによる写真撮影の手順で反応産物を検出した。
【0049】
ボルテックスミキサーによる攪拌前におけるチューブ内の試料の写真を図1に、ボルテックスミキサーによる攪拌と遠心操作後におけるチューブ内の試料の写真を図2に示した。図1では水層(上層)が糞便成分により着色していた。図2では糞便の色素成分が有機層(下層)に移行しており、精製がなされていることが解った。
【0050】
PCR反応産物の検出結果を図3に示す。この実験で使用したPCRプライマーでは、IS900遺伝子が存在すれば362塩基対(bp)の反応産物が得られる。レーン1(左端)は核酸ペレット溶解液50μLの内の25μLを、レーン2は12.5μL、レーン3は6.3μL、レーン4は3.1μL、レーン5は1.6μL、レーン6は0.8μL、レーン7は0.4μL、レーン8は0.2μL含んでいる。なお、レーンMは分子量マーカでΦx174 DNAを制限酵素HincIIを用いて消化したものである。
【0051】
レーン1からレーン5までとレーン8に、362bpの産物が検出できた。これは糞便中のヨーネ菌から核酸抽出が行われ、かつ、PCR反応が可能となる程度に精製も同時に行われたことを示すものである。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、生物材料から核酸の抽出と精製とを同時に行う簡便な方法を提供することができる。特に、細胞を破壊することが難しく、核酸を抽出するために特別の操作が必要であった生物材料、特にマイコバクテリウム属の細菌が、糞便等の精製が難しいとされていた生物試料中に存在する場合に、有害性の高い試薬を用いずに抽出と精製とを同時に行う簡便な方法を提供することができる。
【配列表】
<110>shimadzu corp.
<120>method for simultaneously extracting and purifying nucleic acids
<130>K1020288
<160>2
<210>1
<211>23
<212>DNA
<213>Artificial Sequence
<400>1
gatcggaacgtcggctggtcagg
<210>2
<211>24
<212>DNA
<213>Artificial Sequence
<400>2
acgacgacgcgcagcgattgctct
【図面の簡単な説明】
【図1】 ボルテックスミキサーによる攪拌前におけるチューブ内の試料の写真である。
【図2】 ボルテックスミキサーによる攪拌と遠心操作を行った後におけるチューブ内の試料の写真である。
【図3】 PCR反応産物のアガロースゲル電気泳動による検出結果である。

Claims (21)

  1. 核酸を抽出及び精製すべき生物材料を、キレート試薬及び第四級アンモニウム塩を含む水溶液と、有機溶媒と、微粒子と共に攪拌し、核酸の抽出と精製を同時に行う核酸抽出同時精製法であって、前記キレート試薬の濃度が、前記水溶液を基準として5mM〜500mMであることを特徴とする核酸抽出同時精製法。
  2. 前記キレート試薬は、ポリアミノカルボン酸及びその塩からなる群から選ばれる、請求項1に記載の核酸抽出同時精製法。
  3. 前記キレート試薬は、EDTA及びEDTAに類似の試薬からなる群から選ばれる、請求項1に記載の核酸抽出同時精製法。
  4. 前記キレート試薬は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、O,O’−ビス(2−アミノフェニルエチレングリコール)エチレンジアミン四酢酸(BAPTA)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)、トランスー1,2−ジアミノシクロヘキサン−エチレンジアミン四酢酸(CyDTA)、1,3−ジアミノー2−ヒドロキシプロパン−エチレンジアミン四酢酸(DPTA−OH)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、エチレンジアミン二プロパン酸塩酸塩(EDDP)、エチレンジアミン二メチレンホスホン酸1水和物(EDDPO)、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(EDTA−OH)、エチレンジアミン四メチレンホスホン酸(EDTPO)、O,O’−ビス(2−アミノエチル)エチレングリコール四酢酸(EGTA)、N,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン二酢酸(HBED)、1,6−ヘキサメチレンジアミン四酢酸(HDTA)、N−(2−ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸(HIDA)、イミノ二酢酸(IDA)、1,2−ジアミノプロパン四酢酸(Methyl−EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ニトリロ三プロパン酸(NTP)、ニトリロ三メチレンホスホン酸三ナトリウム塩(NTPO)、エチレンジアミン四(2−ピリジルメチル)(TPEN)及びトリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA)からなる群から選ばれる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の核酸抽出同時精製法。
  5. 前記第四級アンモニウム塩が、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルピリジニウムクロリド、ヘキサジメチリンブロミド、ヘキサフルオレニウムブロミド及びメチルチアゾリウムブロミドからなる群から選ばれる、請求項1〜のいずれか1項に記載の核酸抽出同時精製法。
  6. 前記第四級アンモニウム塩の濃度が、前記水溶液を基準として0.001〜20重量%である、請求項1〜のいずれか1項に記載の核酸抽出同時精製法。
  7. 前記有機溶媒が、クロロホルム、四塩化炭素、アルコール類、芳香族炭化水素、エーテル類及びケトン類からなる群から選ばれる、請求項1〜のいずれか1項に記載の核酸抽出同時精製法。
  8. 前記有機溶媒として、複数の有機溶媒を任意の割合で混合して用いる、請求項1〜のいずれか1項に記載の核酸抽出同時精製法。
  9. 前記有機溶媒として、クロロホルム及びアルコール類を任意の割合で混合して用いる、請求項1〜のいずれか1項に記載の核酸抽出同時精製法。
  10. 前記有機溶媒が、容量比でクロロホルム:ブタノール=7:3〜9:1の割合の混合液である、請求項1〜のいずれか1項に記載の核酸抽出同時精製法。
  11. 前記有機溶媒の量が、前記水溶液を基準として5〜95容量%である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の核酸抽出同時精製法。
  12. 前記微粒子の直径が0.05〜0.5mmである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の核酸抽出同時精製法。
  13. 前記微粒子として、直径が0.05〜0.5mmの微粒子を用い、さらに直径が0.5mmよりも大きい粒子を任意の割合で混合して用いる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の核酸抽出同時精製法。
  14. フェノールを用いないことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の核酸抽出同時精製法。
  15. 前記生物材料が、ウイルス、細菌、真菌、原虫、植物又は動物である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の核酸抽出同時精製法。
  16. 前記細菌がマイコバクテリウム属に属するものである、請求項15に記載の核酸抽出同時精製法。
  17. 前記マイコバクテリウム属の細菌が、結核菌、非定型抗酸菌、癩菌、ヨーネ菌又はクローン病菌である、請求項16に記載の核酸抽出同時精製法。
  18. 前記生物材料は、生物の組織、体液、分泌物、***物などの生物試料又は土、水、空気などの環境試料に含まれる、請求項1〜17のいずれか1項に記載の核酸抽出同時精製法。
  19. 前記生物試料が動物の糞便、痰又は血液である、請求項18に記載の核酸抽出同時精製法。
  20. 前記糞便が人又は家畜に由来するものである、請求項19に記載の核酸抽出同時精製法。
  21. 前記家畜が牛、ヤギ又は羊である、請求項20に記載の核酸抽出同時精製法。
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