JP4091384B2 - 小型水上艇 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウォータジェット推進機の後方に備えたステアリングノズルを左右方向及び上下方向にスイング可能に構成した小型水上艇に関する。
【0002】
【従来の技術】
海面や湖面を滑走する小型艇として小型水上艇が知られている。(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9―281132号公報(第2頁、図1)
【0004】
以上の特許文献1に示す小型水上艇の一例を以下に説明する。
この小型水上艇は、艇体内にエンジンとエンジンで駆動するジェット推進機とを備え、ジェット推進機の後端にステアリングノズルを備える。小型水上艇によれば、エンジンでジェット推進機を駆動することにより、ウォータジェット推進機のインペラを回転し、インペラの回転で艇底の吸込口から水を吸い込む。
この吸い込んだ水をステアリングノズルの後端から後方に向けてジェット水として噴射することにより、ジェット水の噴射力で小型水上艇を滑走させることができる。
【0005】
小型水上艇は、滑走中に艇体を左右方向に操舵させるために、ステアリングノズルを左右方向にスイング可能に構成している。さらに、小型水上艇の滑走姿勢を好適に保つためにステアリングノズルを上下方向にスイング可能に構成したものがある。
【0006】
このように、ステアリングノズルを左右方向及び上下方向にスイング可能に構成するために、ジェット推進機の後端に環状のリングを被せ、このリングの左・右側部を左右の支軸でジェット推進機の後端に回転自在に連結し、リングにステアリングノズルの前端部を被せ、このステアリングノズルの上下端部を上・下の支軸でリングに回転自在に連結する。
【0007】
ここで、左右の支軸や上下の支軸としては、一般にボルトが使用される。これらのボルトを取り付ける際には、ボルトの頭を外側にして組み付ける。すなわち、左・右のボルトをリングの外側から左・右開口に差し込み、差し込んだボルトをジェット推進機のねじ孔にねじ結合することにより、ジェット推進機に対してリングを上下方向にスイング自在に取り付けることができる。
【0008】
さらに、上・下のボルトをステアリングノズルの外側から上下開口に差し込むとともに、リングの上・下開口に差し込むことにより、上下のボルト先端をリングの上・下開口から突出させ、突出させた上・下のボルト先端にナットをねじ結合することにより、リングに対してステアリングノズルを左右方向にスイング自在に取り付けることができる。
これにより、ジェット推進機に対してステアリングノズルを左右方向及び上下方向にスイング可能に取り付けることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、あってはならないことあるが、例えば小型水上艇を長期間使用した場合に、下ボルト先端にねじ結合したナットが緩んで下ボルトから外れることが考えられる。このようにナットが緩むことにより、下ボルトがステアリングノズルから脱落することが考えられる。
このため、万が一ナットが緩んでもステアリングノズルから下ボルトが脱落しないように構成したステアリングノズル取付構造の実用化が望まれていた。
【0010】
一方、ステアリングノズルを上下にスイングさせるために、通常操作ケーブルをジョイントでステアリングノズルの上部に連結している。ジョイントで、操作ケーブルをステアリングノズルに連結する際には、先ず、操作ケーブルに対してジョイントの突出量が適正になるように調整する。
【0011】
次に、ジョイントの取付孔をステアリングノズルの取付ボルトに嵌め込み、ジョイントから突出した取付ボルトの先端にナットをねじ結合して取付ボルトに操作ケーブルを連結する。
取付ボルトに操作ケーブルを連結した後、ステアリングノズルが正規の角度に取り付いているか否かを確認する。
【0012】
ステアリングノズルが正規の方向を向いていない場合には、取付ボルトからナットを外して、ステアリングノズルからジョイントを外す。
続いて、ステアリングノズルから外したジョイントを操作ケーブルに対して回転することにより、操作ケーブルに対するジョイントの突出量を再度調整する。
【0013】
再調整が完了した後、取付ボルトにジョイントの貫通孔を再度嵌め込み、ジョイントから突出した取付ボルトの先端にナットをねじ結合して、取付ボルトに操作ケーブルを再度連結する。
この状態で、ステアリングノズルが正規の角度に取り付いているか否かを再度確認する。ステアリングノズルが正規の角度に取り付いている場合にはステアリングノズルに操作ケーブルを連結する作業を完了する。
【0014】
このように、ステアリングノズルの角度を正規の状態に再調整するためには、取付ボルトに一旦ねじ結合したナットを、取付ボルトから外す必要がある。このため、ステアリングノズルの向きを正規の角度に調整する作業に手間がかかる。
【0015】
そこで、本発明の目的は、万が一ナットが緩んでもステアリングノズルからボルトが脱落しないように組付け可能で、かつ組付けの際にステアリングノズルの向きを正規の角度に手間をかけないで調整することができる小型水上艇を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、艇体内にエンジンとこのエンジンで駆動されるジェット推進機とをこの順で配置し、前記ジェット推進機の後方にジェット水を後方へ噴射するジェットノズルを備え、このジェットノズルの後部に環状のトリムリングを左右の支軸で上下方向にスイング可能に取り付け、このトリムリングにステアリングノズルを上下の支軸で左右方向にスイング可能に取り付けることで、前記ジェットノズルにステアリングノズルを上下方向及び左右方向にスイング可能に取り付けた小型水上艇であって、前記上下の支軸をそれぞれ上下のボルトとし、上下のボルトの頭を前記ジェットノズルに向くように取り付けるとともに、前記上下のボルトの長さを、前記上下のボルトが緩んで前記ジェットノズルに当たったとき、上下のボルトをステアリングノズルに係止可能に設定したことを特徴とする。
【0017】
トリムリングとステアリングノズルとをスイング可能に取り付ける上下の支軸をボルトで構成した。加えて、上下のボルトの頭をジェットノズルに向くように取り付けた。
加えて、上下のボルトが緩んでジェットノズルに当たったときに、上下のボルトをステアリングノズルに係止可能に上下のボルト長さを決めた。
よって、万が一上下のボルトが緩んでも、上下のボルトの頭がトリムリングから外側に抜け出さないようにでき、上下のボルトがステアリングノズルから外側に脱落することを防ぐことができる。
【0020】
請求項2は、請求項1に加えるに、前記ステアリングノズルを上下にスイングさせる操作ケーブルを設け、この操作ケーブルの連結部を、前記トリムリングに立てた上支軸に抜き差し自在に取り付けたことを特徴とする。
【0021】
トリムリングに立てた上支軸に連結部を抜き差し自在に取り付け可能に構成することで、上支軸に連結部を差し込むだけで、上支軸に操作ケーブルを仮止めすることができる。
これにより、上支軸に連結部を差し込むだけの仮止めの状態で、操作ケーブルの長さが正規であるか否かを確認することができる。
このため、操作ケーブルの長さを再調整する必要がある場合でも、連結部を上支軸から簡単に外すことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。ここで、「前」、「後」、「左」、「右」は運転者から見た方向に従う。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る小型水上艇を示す側面図である。
小型水上艇10は、艇体11の前部12に燃料タンク13を設け、この燃料タンク13の後方にエンジン14を設け、このエンジン14の後方の艇尾15にジェット推進機室16を設け、このジェット推進機室16にウォータジェット推進機(ジェット推進機)17を設け、このウォータジェット推進機17の後方にステアリングノズル18を設け、ステアリングノズル18を左右にスイングする操舵ハンドル19を燃料タンク13の上方に設け、ステアリングノズル18を上下にスイングするトリム操作レバー20を操舵ハンドル19に設け、ステアリングノズル18の後方にリバースバケット21を設け、このリバースバケット21を上下にスイングするリバース操作レバー22を操舵ハンドル19後方に設け、このリバース操作レバー22の後方に前後に延びるシート23を設け、このシート23の後方の艇尾15の底面にライドプレート24を設けたものである。
【0023】
図2は本発明に係る小型水上艇の要部を示す断面図であり、リバースバケット21をステアリングノズル18の後方位置、すなわちリバース位置に配置した状態を示す。
ウォータジェット推進機17は、艇体11の艇底28に吸込口29を形成し、この吸込口29をウォータジェット推進機室16まで延ばし、ジェット推進機室16の壁部30に円筒状のステータ31を設け、このステータ31内にインペラ32を回転自在に配置し、このインペラ32のシャフト33に駆動シャフト34(図1参照)を連結したものである。
【0024】
このウォータジェット推進機17は、その軸線35(ジェットノズルの軸線)を、滑走中における水平線と平行な基準線36に対して艇体11の後方に向けて角度θ1(図1も参照)の下り勾配に設定したものである。
駆動シャフト34は、前端をエンジン14に連結することでエンジン14の駆動力を出力する軸である。
【0025】
小型水上艇10によれば、図1に示すエンジン14で駆動シャフト34を回転することによりインペラ32を回転することができる。インペラ32が回転することにより、吸込口29から水を吸い込んで、ステータ31内に導くことができる。
導いた水をステータ31の後端からステアリングノズル18を経て水ジェットとして後方に向けて噴射することにより、小型水上艇10を滑走させることができる。
【0026】
ここで、ウォータジェット推進機17の軸線35を、滑走中における水平線と平行な基準線36に対して艇体11の後方に向けてθ1の傾斜角で下り勾配に設定した理由を図1に戻って説明する。
ウォータジェット推進機17は、吸込口29から吸い込んだ水を効率よく取り込む必要や、取り込んだ水を効率よくジェット水として噴射させる必要がある。このため、ウォータジェット推進機17後部のジェットノズル37や、ジェットノズル37に取り付けたステアリングノズル18を艇底28に近づけた位置、すなわち艇体11の低位置に配置することが好ましい。
【0027】
一方、エンジン14は、ウォータジェット推進機17の駆動に必要な出力を確保するために、ある程度の大きさが要求される。このため、エンジン14のクランクシャフト軸(すなわち、エンジン14の駆動シャフト34)は艇底28から、ある程度高い位置Hに配置することになる。
【0028】
そこで、ジェットノズル37やステアリングノズル18を高い位置Hより下方に下げることが必要になり、ウォータジェット推進機17の軸線35を、滑走中における水平線と平行な基準線36に対して艇体11の後方に向けて角度θ1の下り勾配に設定するようにした。
【0029】
ここで、ステアリングノズル18を上下方向にスイング自在に構成することで、ステアリングノズル18の軸線68をウォータジェット推進機17の軸線35に合わせることができる。
これにより、ステアリングノズル18からジェット水を下向きに噴射することができる。なお、ステアリングノズル18からジェット水を下向きに噴射することによる利点については、図14(a)で詳しく説明する。
【0030】
図2に戻って、ウォータジェット推進機17は、ステータ31後端のジェットノズル37にトリムリング40を左右の支軸(ボルト)41,41(右側は図4に図示する)で上下方向にスイング自在に取り付け、トリムリング40にステアリングノズル18を上下の支軸(ボルト)42,43で左右方向にスイング自在に取付ける。
【0031】
このステアリングノズル18に上ボルト42を介してトリム操作ケーブル(操作ケーブル)44を連結し、トリム操作ケーブル44を操舵ハンドル19のトリム操作レバー20(図4参照)に連結する。
これにより、トリム操作レバー20でトリム操作ケーブル44を操作してステアリングノズル18を左右のボルト41,41を中心にして上下方向にスイングすることができる。
このように、ステアリングノズル18を左右のボルト41,41を中心にして上下方向にスイングすることで、小型水上艇10の滑走中に艇体11の滑走姿勢を好適に保つことができる。
【0032】
また、この小型水上艇10は、艇尾15の底面のうち、ウォータジェット推進機17の下方部分を、艇体11から取外し可能なライドプレート24で構成したものである。
ライドプレート24はボルト(図示せず)で艇体11に固定したものである。このライドプレート24の底面(艇尾の底面)25を、滑走中における水平線と平行な基準線36に対して、艇体11の後方へ向けて角度θ2の上り勾配になるように設定した。
なお、ライドプレート24の底面25を、滑走中における水平線と平行な基準線36に対して、艇体11の後方へ向けて角度θ2の上り勾配に設定した利点については、図14(b)で詳しく説明する。
【0033】
図3は本発明に係る小型水上艇の要部を示す分解斜視図である。
小型水上艇10を構成するステアリングノズル取付構造38は、ジェットノズル37の後部に左右の支軸(ボルト)41,41でトリムリング40を左・右のボルト41,41廻りに上下方向にスイング可能に取り付け、このトリムリング40に上・下の支軸(ボルト)42,43でステアリングノズル18を上・下のボルト42,43廻りにスイング可能に取り付けることで、ステアリングノズル18を上・下及び左・右にスイング可能にジェットノズル37に取り付けたものである。
【0034】
トリムリング40は環状の部材であり、トリムリング40の左右側部にそれぞれ左右の側部取付孔45,45を設け、トリムリング40の上部に軸部46を備え、この軸部46に貫通する上部取付孔47を形成し、下部に下部取付孔48を形成したものである。
【0035】
トリムリング40の上部の軸部46をステアリングノズル18上部取付孔49に差し込み、上部取付孔49と軸部46との間の空間にカラー50を差し込む。上部取付孔47に上ボルト42をトリムリング40の内側から差し込み、ステアリングノズル37の上部から突出した上ボルト42にナット51を締め付け、ナット51から突出した上ボルト42にスペーサ52を嵌め込む。
スパーサ52から突出した上ボルト42にトリムジョイント(連結部)53の取付孔55を嵌め込み、トリムジョイント53から突出した上ボルト42にナット56をねじ結合する。
【0036】
なお、トリムリング40とステアリングノズル18との間にワッシャ57を配置し、ステアリングノズル18の上端18aとナット51との間にワッシャ58を配置する。さらに、トリムジョイント53とナット56との間にワッシャ59を配置する。
【0037】
また、トリムリング40の下部取付孔48及びステアリングノズル18の下部取付孔39(図4参照)に下ボルト43を内側から差し込み、この下ボルト43にステアリングノズル18の外側からナット60をねじ結合する。
よって、トリムリング40に対して上下のボルト42,43を軸にステアリングノズル18を左右方向にスイング自在に取り付けることができる。
【0038】
トリムリング40の左右の側部取付孔45,45にはそれぞれ左右のカラー61,61を嵌め込み、左右のカラー61,61にそれぞれ左右のボルト41,41を差し込み、それぞれのボルト41,41の先端をジェットノズル37の左右のねじ孔62(右側のねじ孔は図示しない)にねじ結合する。
よって、ジェットノズル37に対してトリムリング40を左右のボルト41,41を軸に上下方向にスイング自在に取り付けることができる。
【0039】
このように、ジェットノズル37に対してトリムリング40を上下方向にスイング自在に取り付けるとともに、トリムリング40に対してステアリングノズル18を左右方向にスイング自在に取り付けることで、ジェットノズル37に対してステアリングノズル118を上下方向及び左右方向にスイング自在に取り付けることができる。
【0040】
ここで、トリムジョイント53にトリム操作ケーブル44を連結し、トリム操作ケーブル44を操舵ハンドル19のトリム操作レバー20に連結することにより、トリム操作レバー20でトリム操作ケーブル44を操作してステアリングノズル18を左右のボルト41,41を中心にして上下方向にスイングすることができる。
【0041】
また、ジェットノズル37に位置決め用の凹部(以下、「位置決め凹部」という)64を形成するとともに、トリムリング40に位置決め用の貫通孔65(以下、「位置決め孔」という)を形成し、ステアリングノズル18の上端に差込溝66を形成する。
【0042】
差込溝66から位置決め孔65に位置決めピン67を差し込み、位置決め孔65から突出した位置決めピン67の先端を位置決め凹部64に差し込むことにより、ステアリングノズル18の軸線68をジェットノズル37の軸線、すなわちジェット推進機17の軸線35に一致させることができる。
【0043】
図4は本発明に係る小型水上艇の要部を拡大して示す断面図である。
トリムリング40の上部の軸部46をステアリングノズル18上部の上部取付孔49に差し込み、上部取付孔49と軸部46との間の空間にカラー50を差し込み、トリムリング40の上部取付孔47に上ボルト42をトリムリング40の内側から差し込み、ステアリングノズル18上部から突出した上ボルト42にナット51をねじ結合することにより、上ボルト42をトリムリング40及びステアリングノズル18に取り付ける。
【0044】
トリムリング40及びステアリングノズル18に上ボルト42を取り付けた後、ナット51から突出した上ボルト42にスペーサ52を嵌め込む。スパーサ52から突出した上ボルト42にトリムジョイント53の取付孔55を嵌め込み、トリムジョイント53から突出した上ボルト42にナット56をねじ結合する。
【0045】
これにより、上ボルト42の頭(以下、「上ボルト頭」という)42aをジェットノズル37に向くように配置することができる。
加えて、上ボルト42の長さ(上ボルト長さ)L1を、上ボルト42が緩んで上ボルト頭42aがジェットノズル37に当たったときに、上ボルト42がステアリングノズル18から外れぬように、すなわち上ボルト42がステアリングノズル18に係止した状態を保つように設定した。
よって、万が一上ボルト42が緩んだ場合でも、上ボルト42が上部取付孔47から抜け出すことを防いで、上ボルト42の落下を防止することができる。
【0046】
また、トリムリング40の下部取付孔48及びステアリングノズル18の下部取付孔39に下ボルト43を内側から差し込み、この下ボルト43にステアリングノズル18の外側からナット60をねじ結合する。
ナット60の軸部60aをステアリングノズル18の下部取付孔39に差し込むことができる。
【0047】
トリムリング40の内側から下ボルト43を差し込むことにより、下ボルト43の頭(以下、「下ボルト頭」という)43aがジェットノズル37に向くように配置することができる。
加えて、下ボルト43の長さ(下ボルト長さ)L2を、下ボルト43が緩んで下ボルト頭43aがジェットノズル37に当たったときに、下ボルト43がステアリングノズル18から外れぬように、すなわち下ボルト43がステアリングノズル18に係止した状態を保つように設定した。
よって、万が一下ボルト43が緩んだ場合でも、下ボルト43の落下を防止することができる。
【0048】
なお、下ボルト43は、下ボルト頭43aが上方に位置しているので、下ボルト43の長さ(下ボルト長さ)L2を、下ボルト43が緩んで下ボルト頭43aがジェットノズル37に当たったときに、下ボルト43がステアリングノズル18から外れぬように、すなわち下ボルト43がステアリングノズル18に係止した状態を保つように設定しなくても、下ボルト43の落下を防止することは可能である。
【0049】
また、ジェットノズル37にトリムリング40及びステアリングノズル18を取り付ける際に、特にトリム操作ケーブル44の長さを調整する際に、差込溝66から位置決め孔65に位置決めピン67を差し込み、位置決め孔65から突出した位置決めピン67の先端を位置決め凹部64に差し込む。
【0050】
これにより、ステアリングノズル18の軸線68をジェットノズル37の軸線、すなわちウォータジェット推進機17の軸線35に一致させることができる。よって、ステアリングノズル18の向きを基準の位置に固定することができる。
この状態で、トリム操作ケーブル44の長さを調整し、トリム操作ケーブル44の長さの調整が完了した後、位置決めピン67を位置決め孔65及び位置決め凹部64から抜き出す。
【0051】
図5は図4の5部拡大図である。
上部取付孔47に上ボルト42をトリムリング40の内側から差し込み、ステアリングノズル18上部から突出した上ボルト42にワッシャ58を嵌め込み、ワッシャ58の上からナット51を締め付けることで、上ボルト42をトリムリング40及びステアリングノズル18に固定することができる。
【0052】
この上ボルト42に取り付けたトリムジョイント53は、ヘッド部53aに球体54を回動自在に備え、この球体54の取付孔55を上ボルト42に嵌め込むことにより球体54を上ボルト42に取り付けることができる。
これにより、ネック部53bを球体54に対して任意の方向にスイングさせることができる。
【0053】
ネック部53bに形成したねじ孔71に、トリム操作ケーブル44の後端72のねじ部をねじ結合する。すなわち、トリム操作ケーブル44は後端部にロッド部73を備え、ロッド部73の後端72に形成したねじ部をネック部53bのねじ孔71にねじ結合するとともにロックナット70で締め付ける。これにより、上ボルト42にトリム操作ケーブル44を連結することができる。
このように、トリム操作ケーブル44を上ボルト42を利用して連結させることで、構造を簡単にすることができる。
【0054】
このロッド部73の途中にジョイント手段74を備えることで、ロッド部73を前ロッド73aと後ロッド73bに分ける。ジョイント手段74は、前ジョイント部75の後端に突起を介してフランジ76を形成し、このフランジ76に後ジョイント部77を回転自在に連結したものである。
【0055】
前ジョイント部75のねじ孔78に前ロッド73aの後端ねじをねじ結合するとともに、ロックナット79で締め付け、後ジョイント部77のねじ孔80に後ロッド73bの前端ねじをねじ結合するとともに、ロックナット81で締め付ける。これにより、前・後のロッド73a,73bをジョイント手段74で連結することができる。
【0056】
トリムリング40及びステアリングノズル18に上ボルト42を固定し、この上ボルト42にトリムジョイント53を連結するので、トリムジョイント53を一旦上ボルト42に嵌め込んだ後、トリム操作ケーブル44の長さを再調整する場合には、トリムジョイント53を上ボルト42から抜き出して、ロックナット70をゆるめ、ロッド73を構成する前ロッド73aのねじ部73cをネック部53bのねじ孔71との結合長さを調整する。
これにより、いわゆるトリム操作ケーブル44の長さを調整することができる。
【0057】
このように、トリムリング40に立てた上ボルト42にトリムジョイント53を抜き差し自在に構成することで、トリムジョイント53を上ボルト42に差し込むだけで、上ボルト42にトリム操作ケーブル44を仮止めすることができる。
これにより、上ボルト42にトリムジョイント53を差し込むだけの仮止めの状態で、トリム操作ケーブル44の長さが正規であるか否かを確認することができる。
【0058】
このため、トリム操作ケーブル44の長さを再調整する必要がある場合でも、トリムジョイント53を上ボルト42から簡単に外すことができる。
よって、トリムジョイント53を上ボルト42から抜き出してトリム操作ケーブル44の長さを簡単に再調整することができる。
【0059】
加えて、ロッド部73の途中にジョイント手段74を介在させることで、トリムジョイント53を任意に回転させることができる。よって、トリムジョイント53のロックナット70を緩めてトリムジョイント53を回転することにより、トリムジョイント53の突出量を変えてトリム操作ケーブル44の長さを調整した際に、例えばトリムジョイント53の球体54の取付孔55が上ボルト42の軸線からずれてしまう場合がある。
この場合、ジョイント手段74の後ジョイント部77を回転することで、球体54の取付孔55を上ボルト42の軸線に合わせることができる。
【0060】
次に、リバースバケット21(図1、図2参照)について説明する。
図6は本発明に係る小型水上艇の要部を示す側面図である。
ライドプレート24の左右側にそれぞれ左右の支持ブラケット90,91(右支持ブラケットは図7も参照)を設け、これら左右の支持ブラケット90,91にリバースバケット21を上下方向にスイング自在に取り付ける。
【0061】
左支持ブラケット90とステアリングノズル18との間の間隔92(図7参照)に中間レバー93を配置し、この中間レバー93を左支持ブラケット90にスイング自在に取け付ける。この中間レバー93を介してリバースバケット21にリバース操作ケーブル94を連結し、このリバース操作ケーブル94をリバース操作レバー22に取け付ける。
【0062】
リバース操作レバー22を支軸22aを中心にして上下方向にスイング移動することにより、リバース操作ケーブル94を操作して中間レバー93を支持ボルト95を軸にスイング移動させる。
中間レバー93がスイング移動することで、リバースバケット21を左右の支持ボルト96,96(右支持ボルト96は図7も参照)を軸に上下方向にスイングさせることができる。
これにより、リバースバケット21をステアリングノズル18の上方の前進位置P1と、ステアリングノズル18の後方のリバース位置P2(図示の位置)とに移動することができる。
【0063】
図7は本発明に係る小型水上艇の要部を示す平面図である。
ライドプレート24の左右側、すなわちステアリングノズル18の左右側に、左右の支持ブラケット90,91を設け、左右の支持ブラケット90,91にリバースバケット21を左右の支持ボルト96,96及びナット98,98で上下にスイング自在に備え、リバースバケット21の左端部に収納ポケット99を形成し、この収納ポケット99に中間レバー93の上端部93aを差し込み、差し込んだ中間レバー93を取付ボルト100及びナット101でリバースバケット21に取り付ける。
【0064】
ここで、中間レバー93の上端部93aを取付ボルト100及びナット101でリバースバケット21の収納ポケット99に取り付ける際に、収納ポケット99のボス102にワッシャクリップ103(図8も参照)を嵌め込む。
このワッシャクリップ103は、略コ字形に形成し、かつ互いに対向する2片104,104にそれぞれ貫通孔104a,104aを形成した部材である。
【0065】
リバースバケット21のボス102にワッシャクリップ103を嵌め込んで、ワッシャクリップ103のそれぞれの貫通孔104a,104aをボス102の取付孔102aに合わせる。
中間レバー93のガイド溝105(図6も参照)に、スライド部材106の突起106aをスライド自在に嵌入する。スライド部材106の取付孔107を収納ポケット99の取付孔102a,102bに合わせる。
【0066】
取付ボルト100を取付孔102a,107,102bに差し込み、取付ボルト100の先端部にナット101をねじ結合する。
中間レバー93を取付ボルト100で収納ポケット99の取付孔102a,102bに取り付けることができる。
【0067】
このように、リバースバケット21のボス102にワッシャクリップ103を嵌め込むことで、組付けの際に、通常のワッシャを手で押さえる作業を不要にできる。
よって、組付け作業の簡素化を図ることができ、中間レバー93の組付けを時間をかけないで簡単におこなうことができる。
【0068】
このように、左支持ブラケット90とステアリングノズル18との間に中間レバー93を配置した後、中間レバー93を支持ボルト95で左支持ブラケット90にスイング自在に取り付ける。
そして、中間レバー93の下端部93bにリバース操作ケーブル94を連結することで、リバース操作ケーブル94をステータ31の左側壁に沿わせて配置する。
このリバース操作ケーブル94をリバース操作レバー22(図6参照)で操作し、リバースバケット21を左右の支持ボルト96,96を軸にして上下方向にスイングさせることができる。
【0069】
リバースバケット21は、左右の側壁110,111に渡って湾曲状の後壁112を連結し、左右の側壁110,111にそれぞれ左右の噴射口113,114を形成し、左右の側壁110,111に左右の支持ブラケット90,91に取り付けるための取付孔110a,111aを設け、収納ポケット99に中間レバー93を取り付ける取付孔102a,102bを設けたものである。
【0070】
ここで、小型水上艇10(図1参照)は、ステアリングノズル18を左右のボルト41,41(図3参照)を軸にして上下方向にスイングさせるために、ステアリングノズル18の上端部に上ボルト42を取り付け、上ボルト42にトリムジョイント53を介してトリム操作ケーブル44をステータ31の上部に沿わせて配置している。
【0071】
これら上ボルト42、トリムジョイント53及びトリム操作ケーブル44の部材の後方には、リバースバケット21の略中央が位置する。
このため、リバースバケット21を前進位置P1(図6参照)に上昇させる際に、リバースバケット21の後壁112の中央部が、これらの部材(上ボルト42、トリムジョイント53やトリム操作ケーブル44)と干渉することが考えられる。
【0072】
そこで、リバースバケット21の後壁112の上部112aに、これらの部材(上ボルト42、トリムジョイント53やトリム操作ケーブル44)との当たりを回避するための連結部収納凹部115を設けるように構成した。
この連結部収納凹部115は、後壁112の中央部112aから上端112bに向けて漸次後壁112から後方に張り出す収納溝115aを略湾曲状に形成するとともに、後壁112の折曲部116の中央、すなわち収納溝115に対応する位置に形成した切欠115bを備える。
【0073】
なお、ステアリングノズル18の右側壁からアーム107を外側に延ばし、アーム107にステアリング操作ケーブル108をステータ31の右側壁に沿わせて配置する。
このステアリング操作ケーブル108を操舵ハンドル19(図1参照)で操作することにより、ステアリングノズル18を上下のボルト42,43(下ボルト43は図4参照)を軸にして左右方向にスイングさせることができる。
【0074】
図8は本発明に係る小型水上艇のリバースバケットを示す斜視図である。この図で連結部収納凹部115について詳細に説明する。
連結部収納凹部115は、後壁112に収納溝115aを形成し、この収納溝115aの上端に切欠115bを形成することで、収納溝115aの上端を開口させたものである。
収納溝115aは、後壁112の左右方向の中央で、かつ後壁112の上下方向の略中央112aから後壁112の上端112bに向けて溝深さが漸次深くなるように略鉛直状に延ばした溝である。
【0075】
また、切欠115bは、後壁112の上端に形成した折曲部116の中央、すなわち収納溝115aに対応する位置に形成したものである。
このように、折曲部116の中央に切欠115bを形成することで、収納溝115aの上端を開口させることができる。
【0076】
次に、小型水上艇のステアリングノズルを組み付ける工程を図9〜図12に基づいて説明する。
図9(a),(b)は本発明に係る小型水上艇のステアリングノズルをジェットノズルに組み付ける工程を説明する第1組付け工程図である。
(a)において、トリムリング40上端の軸部46にワッシャ57を嵌め込み、トリムリング40の下端にワッシャ63をセットする。この状態で、トリムリング40の軸部46をステアリングノズル18の上部取付孔49に差し込む。
【0077】
(b)において、トリムリング40の軸部46をステアリングノズル18の上部取付孔49に差し込む。次に、トリムリング40の軸部46とステアリングノズル18との間の隙間にカラー50を嵌め込む。
これで、トリムリング40をステアリングノズル18の前端に納めることができる。
【0078】
図10(a),(b)は本発明に係る小型水上艇のステアリングノズルをジェットノズルに組み付ける工程を説明する第2組付け工程図である。
(a)において、トリムリング40上端の上部取付孔47に上ボルト42をトリムリングの内側から矢印▲1▼の如く差し込む。次に、トリムリング下端の下部取付孔及びステアリングノズル18下部の下部取付孔39に下ボルト43をトリムリングの内側から矢印▲2▼の如く差し込む。
【0079】
(b)において、ステアリングノズル18の上端から突出した上ボルト42にワッシャ58を矢印▲3▼の如く嵌め込み、その上からナット51をねじ結合する。これにより、上ボルト42でトリムリング40の上端とステアリングノズル18の上端とを上ボルト42で連結することができる。
上ボルト42にナット51をねじ結合した後、ナットから突出した上ボルト42にスペーサ52を嵌め込む。
【0080】
次に、下ボルト43にナット60を矢印▲4▼の如くねじ結合することにより、下ボルト43でトリムリング40の下端とステアリングノズル18の下端とを下ボルト43で連結することができる。
これにより、ステアリングノズル18にトリムリング40を上ボルト42及び下ボルト43で連結することができる。
続いて、トリムリング40の左右の側部取付孔45,45(手前側は図示せず)にそれぞれカラー61,61をトリムリング40の内側から矢印▲5▼の如く差し込む。
【0081】
図11(a),(b)は本発明に係る小型水上艇のステアリングノズルをジェットノズルに組み付ける工程を説明する第3組付け工程図である。
(a)において、ステアリングノズル18にトリムリング40を上ボルト42及び下ボルト43で連結した状態で、トリムリング40をジェットノズル37の後端に矢印▲6▼の如く被せる。
(b)において、左右のボルト41,41をそれぞれ左右のカラー61,61に矢印▲7▼の如く差し込む。
【0082】
図12(a),(b)は本発明に係る小型水上艇のステアリングノズルをジェットノズルに組み付ける工程を説明する第4組付け工程図である。
(a)において、差込溝66から位置決め孔65に位置決めピン67を差し込み、位置決め孔65から突出した位置決めピン67の先端を位置決め凹部64に差し込む。
これにより、ステアリングノズル18の軸線68をジェットノズル37の軸線、すなわちウォータジェット推進機17の軸線35に一致させることができ、ステアリングノズル18の向きを基準の位置に固定することができる。
【0083】
このように、位置決め孔65と位置決め凹部64とに位置決めピン67を差し込むだけの簡単な作業で、ステアリングノズル18の向きを基準の位置に固定することができる。よって、ステアリングノズル18の向きを正規の角度に手間をかけないで調整することができる。
【0084】
位置決め孔65と位置決め凹部64とに位置決めピン67を差し込んでステアリングノズル18の向きを基準の位置に固定した後、トリムジョイント53を上ボルト42に嵌め込む。この場合、トリム操作ケーブル44の長さを予め調整しておいても、ケーブル長さを再調整する必要がある。
【0085】
その場合には、上ボルト42に一旦嵌め込んだトリムジョイント53を、上ボルト42から抜き出して矢印の如く回転させて、トリムジョイント53の突出量を調整する。これにより、トリム操作ケーブル44の長さを調整することができる。
【0086】
ここで、トリムジョイント53を回転してトリム操作ケーブル44の長さを調整した際に、例えばトリムジョイント53の球体54の取付孔55が上ボルト42の軸線からずれてしまう場合がある。
この場合には、ロッド部73の途中に介在させたジョイント手段74でトリムジョイント53を任意に回転させることができる。すなわち、ジョイント手段74の後ジョイント部77を回転することで、球体54の取付孔55を上ボルト42の軸線に簡単に合わせることができる。
【0087】
(b)において、トリム操作ケーブル44の長さを調整した後、トリムジョイント53を上ボルト42に嵌め込む。次に、トリムジョイント53から上方に突出した上ボルト42にナット42をねじ結合して、トリムジョイント53を上ボルト42に固定する。これにより、トリム操作ケーブル44の長さ調整が完了する。
そして、トリム操作ケーブル44をの長さの調整が完了した後、位置決めピン67を位置決め孔65及び位置決め凹部64から抜き出し、ステアリングノズル18を組み付け工程が完了する。
【0088】
図13は本発明に係る小型水上艇の上ボルト及びトリム操作ケーブルとリバースバケットとの関係を説明する図である。
リバース操作レバー22を支軸22aを中心にして、図6の状態から下方に押し戻すことにより、リバースバケット21をリバース位置P2から前進位置P1まで上昇させる。
【0089】
ここで、小型水上艇10は、ステアリングノズル18を左右のボルト41,41を軸にして矢印の如く上下方向にスイングさせる構成である。
このため、ステアリングノズル18の上端部に上ボルト42を取り付け、上ボルト42にトリムジョイント53を介してトリム操作ケーブル44をステータ31の上部に沿わせて配置している。
よって、リバースバケット21を前進位置P1に上昇させる際に、リバースバケット21の後壁112が、これらの部材(上ボルト42、トリムジョイント53やトリム操作ケーブル44)と干渉することが考えられる。
【0090】
そこで、リバースバケット21の後壁112に、これらの部材(上ボルト42、トリムジョイント53やトリム操作ケーブル44)との当たりを回避するための連結部収納凹部115を設けるように構成した。
これにより、リバースバケット21を前進位置P1に上昇させたときに、リバースバケット21の後壁112が上ボルト42、トリムジョイント53と干渉することを防止することができる。
【0091】
図14(a)〜(c)は本発明に係る小型水上艇の推進状態を説明する図である。
一般に、小型水上艇は発進の際に、艇体11の前部12が浮き上がる傾向にある。このため、艇体11の前部12(すなわち、艇首)が浮き上がらないように、小型水上艇10を好適に発進させることができる小型水上艇の実用化が望まれていた。
そこで、滑走中における水平線と平行な基準線36に対して、ウォータジェット推進機17の軸線35を艇体11の後方に向けて角度θ1の下り勾配に設定した。これにより、(a)に示すような効果を得る。
【0092】
(a)において、小型水上艇10の発進の際に、トリム操作レバー20(図1も参照)を握ることにより、ウォータジェット推進機17の軸線35に対してステアリングノズル18を下向きに下げる。
これにより、ジェット水119は水面109に対して下向きにステアリングノズル18から噴射する。
このため、艇体11の艇尾15を浮かせる力が作用するので、艇体11の前部12を矢印▲9▼の如く下げようとする。
よって、小型水上艇10の発進の際に、艇体11の前部12が浮き上がらないように、小型水上艇10を好適に発進させることができる。
【0093】
(b)において、ジェット水119の噴射力を増すことにより、小型水上艇10は滑走状態になる。小型水上艇10が滑走状態になると、艇体11の前部12が水面から離れて浮き上がる傾向がなくなるので、トリム操作レバー20(図1も参照)を離して、ステアリングノズル18を、ウォータジェット推進機17の軸線35と同軸にする。
これにより、艇体11の艇尾15を浮かせる力を減少させることができる。
【0094】
ここで、(c)に示すように、小型水上艇10は、(a)に示すようにライドプレート24の底面25を、滑走中における水平線と平行な基準線36に対して、艇体11の後方へ向けて角度θ2の上り勾配になるように設定している。
ライドプレート24の底面25を角度θ2の上り勾配にすることで、通常のライドプレートと比較して体積(///で示す部位)Vを減らすことができる。よって、体積Vに相当する浮力を減らすことができる。
このため、艇体11の艇尾15の浮力を、通常の艇体の浮力と比較して小さくすることができるので、艇尾15が矢印方向に沈みやすくなる。
【0095】
(b)に戻って、ジェット水119の噴射力を増して小型水上艇10を滑走状態にすることで、小型水上艇10の速度が増し、艇体11が水面109から浮き上がる傾向になる。
このとき、ステアリングノズル18はウォータジェット推進機17の軸線35と一致しており水平線36(図2参照)に対してθ1の傾斜角で下り勾配である。このため、艇尾15を持ち上げる力が発生する。
ここで、ライドプレート24の底面25を角度θ2の上り勾配にすることで、艇尾15を下方に下げやすくしている。このため、艇体11の前後が水面109から良好に浮き上がり、小型水上艇10を好適な姿勢で滑走することができる。
【0096】
次に、第2実施形態について説明する。
図15は本発明に係る小型水上艇の第2実施形態を示す要部拡大図である。なお、第2実施形態において第1実施形態と同一部材については同一符号を付して説明を省略する。
トリムリング40及びステアリングノズル18に上ボルト42をナット51で取り付け、ナット51にスペーサ52を載せる。この状態で、スペーサ52から突出した上ボルト42にトリムジョイント(連結部)120を取り付ける。
【0097】
このトリムジョイント120は、ネック部121にフランジ123を介してヘッド部122を回転自在に連結したものである。ヘッド部122に備えた球体124の取付孔125を上ボルト42に嵌め込み、ヘッド部122の上からナット56を上ボルト42にねじ結合することで、トリムジョイント120を上ボルト42に取り付ける。
【0098】
ネック部121のねじ孔126に、トリム操作ケーブル128の先端129をねじ結合した後、ロックナット127を締め付けることで、トリムジョイント120にトリム操作ケーブル128を連結する。
【0099】
トリム操作ケーブル128の長さを再調整する場合には、先ず上ボルト42に一旦嵌め込んだトリムジョイント120を、上ボルト42から抜き出す。次に、ロックナット127を緩めた後、ネック部121を回転させてトリムジョイント120の突出量を変えて、トリム操作ケーブル128の長さを調整する。
【0100】
ここで、トリムジョイント120を回転してトリム操作ケーブル128の長さを調整した際に、例えばトリムジョイント120の球体124の取付孔125が上ボルト42の軸線からずれてしまう場合がある。
この場合には、ネック部121を静止させた状態でヘッド部122のみを任意に回転させることで、球体124の取付孔125を上ボルト42の軸線に簡単に合わせれ、取付孔125を上ボルト42に嵌め込むことができる。
このように、第2実施形態のトリムジョイント120によれば、第1実施形態のトリムジョイント53と同様の効果を得ることができる。
【0101】
なお、前記実施形態では、トリムリング40にステアリングノズル18を左右方向にスイング自在に取り付ける上下の支軸として上下のボルト42,43を使用する例について説明したが、上下の支軸はボルト42,43に限らないでその他の部材を使用することも可能である。
【0102】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、トリムリングとステアリングノズルとをスイング可能に取り付ける上下の支軸をそれぞれ上下のボルトで構成した。そして、上下のボルトの頭をジェットノズルに向くように取り付けた。加えて、上下のボルトが緩んでジェットノズルに当たったときに、上下のボルトをステアリングノズルに係止可能に上下のボルト長さを決めた。
【0103】
よって、万が一上下のボルトが緩んでも、上下のボルトの頭がトリムリングから外側に抜け出さないようにできる。これにより、上下のボルトがステアリングノズルから外側に脱落することを防止できるので、ステアリングノズルをトリムリングに連結させておくことができる。
【0105】
請求項2は、トリムリングに立てた上支軸に連結部を抜き差し自在に取り付け可能に構成することで、上支軸に連結部を差し込むだけで、上支軸に操作ケーブルを仮止めすることができる。
これにより、上支軸に連結部を差し込むだけの仮止めの状態で、操作ケーブルの長さが正規であるか否かを確認することができる。
このため、操作ケーブルの長さを再調整する必要がある場合でも、連結部を上支軸から簡単に外すことができる。従って、操作ケーブルの長さの調整を手間をかけないで簡単におこなうことができる。
加えて、操作ケーブルを上支軸を利用して連結させることで、構造を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る小型水上艇を示す側面図
【図2】本発明に係る小型水上艇の要部を示す断面図
【図3】本発明に係る小型水上艇の要部を示す分解斜視図
【図4】本発明に係る小型水上艇の要部を拡大して示す断面図
【図5】図4の5部拡大図
【図6】本発明に係る小型水上艇の要部を示す側面図
【図7】本発明に係る小型水上艇の要部を示す平面図
【図8】本発明に係る小型水上艇のリバースバケットを示す斜視図
【図9】本発明に係る小型水上艇のステアリングノズルをジェットノズルに組み付ける工程を説明する第1組付け工程図
【図10】本発明に係る小型水上艇のステアリングノズルをジェットノズルに組み付ける工程を説明する第2組付け工程図
【図11】本発明に係る小型水上艇のステアリングノズルをジェットノズルに組み付ける工程を説明する第3組付け工程図
【図12】本発明に係る小型水上艇のステアリングノズルをジェットノズルに組み付ける工程を説明する第4組付け工程図
【図13】本発明に係る小型水上艇の上ボルト及びトリム操作ケーブルとリバースバケットとの関係を説明する図
【図14】本発明に係る小型水上艇の推進状態を説明する図
【図15】本発明に係る小型水上艇の第2実施形態を示す要部拡大図
【符号の説明】
10…小型水上艇、11…艇体、14…エンジン、17…ウォータジェット推進機(ジェット推進機)、18…ステアリングノズル、35…ウォータジェット推進機の軸線(ジェットノズルの軸線)、37…ジェットノズル、40…トリムリング、41…左右のボルト(左右の支軸)、42…上ボルト(上支軸)42a…上ボルト頭(上ボルトの頭)、43…下ボルト(下支軸)43a…下ボルト頭(下ボルトの頭)、44…トリム操作ケーブル、53…トリムジョイント(連結部)、64…位置決め凹部(位置決め用の凹部)、65…位置決め孔(位置決め用の貫通孔)、67…位置決めピン、68…ステアリングノズルの軸線、L1…上ボルトの長さ(上ボルト長さ)、L2…下ボルトの長さ(下ボルト長さ)。
Claims (2)
- 艇体内にエンジンとこのエンジンで駆動されるジェット推進機とをこの順で配置し、前記ジェット推進機の後方にジェット水を後方へ噴射するジェットノズルを備え、このジェットノズルの後部に環状のトリムリングを左右の支軸で上下方向にスイング可能に取り付け、このトリムリングにステアリングノズルを上下の支軸で左右方向にスイング可能に取り付けることで、前記ジェットノズルにステアリングノズルを上下方向及び左右方向にスイング可能に取り付けた小型水上艇であって、
前記上下の支軸をそれぞれ上下のボルトとし、上下のボルトの頭を前記ジェットノズルに向くように取り付けるとともに、
前記上下のボルトの長さを、前記上下のボルトが緩んで前記ジェットノズルに当たったとき、上下のボルトをステアリングノズルに係止可能に設定した、
ことを特徴とする小型水上艇。 - 前記ステアリングノズルを上下にスイングさせる操作ケーブルを設け、この操作ケーブルの連結部を、前記トリムリングに立てた上支軸に抜き差し自在に取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の小型水上艇。
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