JP4090283B2 - 反射体及びそれを用いたサイドライト型バックライト装置 - Google Patents

反射体及びそれを用いたサイドライト型バックライト装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射率、輝度が高く輝度ムラの少ない反射体、さらにはこれを用いた液晶表示装置などに適用されるサイドライト型のバックライト装置および液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイはこれまでのCRTディスプレイに比べ、薄型であり省スペース化できること、また、消費電力が少なく省エネルギー化できるなどの特徴から、中小型機器のディスプレイを中心に広く用いられている。
【0003】
現在広く使用されている液晶ディスプレイは、光源にバックライトを用いる透過型液晶ディスプレイである。この液晶ディスプレイにおける表示の見やすさは、液晶自身の性能もさることながら、バックライトの性能によるところも大きくなっている。バックライトの方式は近年の液晶ディスプレイのさらなる軽量、薄型化が必須事項となっていることや、輝度の均一性や、光源からの熱が液晶パネルに伝達しにくいなどの理由より、光源の前方に反射板を置く直下型ではなく、導光板を用い、その一端に配置された光源からの光を多重反射させることで面光源化するサイドライト式バックライトが多く用いられている。
【0004】
導光板の下には、白色PETフィルム等からなる乱反射部材が配設されている場合が多く、この反射体により光を拡散させることにより、均一な輝度を得ることが出来きる。しかしながら、これらの乱反射部材では、正反射成分が殆どないため、全体としては均一ではあるが十分な輝度は得ることができないという問題がある。また、透明PETフィルム上にアルミニウムを蒸着したシートを用いると、白色PETに比べ輝度は向上するものの、拡散反射成分が無いため、シートの僅かな歪みが輝度むらに大きく影響してしまい、美しい画像を得ることができない。この問題を解決するため、表面を粗面化したフィルムに金属を蒸着したシートが開発されたが、用いる金属にアルミニウムを使うと、耐久性は優れるがそれ程高い輝度が得られない。また、可視光域で最も反射率の高い銀を使うと、十分な輝度がえられるものの、銀は耐久性が乏しくすぐに劣化して、輝度が低下してしまうという問題があった。
【0005】
これらの問題を解決するため、本発明者らは、ある程度の大きさの粒子を高分子フィルム上に塗布する事で、反射体が設置される導光板の下面に、導光板と反射体の間に緩衝材としての空間を設けることで解決することを見出した。しかしながら、この際、反射層の下地となるコーティング層が柔らかいため、製造工程、加工工程において傷が入りやすく製品歩留まりが上がらないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高輝度で耐久性に優れた反射体及び、該反射体をサイドライト型バックライト装置に組み込むまでの各工程において、不良となる傷の発生が起こりにくく、生産性、取り扱い性に優れた反射体を供給することで、従来よりも明るく、また生産性の優れたサイドライト型バックライト装置を供給することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討した結果、反射体の傷の発生をなくす方法として、反射体のベースとなるフィルム上へのコーティング材に、乾燥時にある硬度以上になるものを使用することで、解決することを見出した。
【0008】
すなわち本発明は、
(1)少なくとも基板と凹凸層及び反射層からなる反射体であって、平均粒子径5μm以上50μm以下の粒子及びガラス転移温度が40℃以上であるバインダー樹脂を含有してなる塗工液を前記基板に塗布することにより形成された凹凸層が最大幅10μm〜50μm、高さ5μm〜45μmの突起物を1mm当たり2個以上100個以下有し
ダイナミック微小硬度計で9.8mNの負荷を5秒加えた時の反射体表面のへこみ量に対する除荷後5秒後のへこみ量の割合が、0.7以下であり、
反射面表面のJIS K5400のえんぴつ引っかき試験での値がHB以上であり
全反射率に対する拡散反射率の割合(拡散率)が1%〜50%であることを特徴とする反射体、
(2)前記基板の反射層を形成していない側の面は、易滑処理がされていることを特徴とする前記(1)に記載の反射体、
(3)前記(1)または(2)のいずれかに記載の反射体を、側面に設置された光源から入射される光を上面に出射する導光板の下面に配設したことを特徴とするサイドライト型バックライト装置、
(4)反射層が導光板側になるように反射体を配設したことを特徴とする(3)に記載のサイドライト型バックライト装置、
(5)前記(4)記載のサイドライト型バックライト装置を備えることを特徴とする液晶表示装置、
に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の反射体の基板に用いられるものは、物理的、化学的に安定なガラス板、セラミック板等の板状、シート状の無機材料、高分子シート、高分子フィルム等の有機材料等が適宜用いられる。これらの中でも、形状の自由度が高く、作成する際にロールツーロールプロセスが適用できる高分子フィルムが望ましい。高分子フィルムは、例えばポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレート、溶融状態で液晶構造をとる液晶ポリエステルなどのポリエステル類、ビスフェノールA系ポリカーボネートなどのポリカーボネート類、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、セルローストリアセテートなどのセルロース誘導体類、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、ポリイミド類、ポリアミド類、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、フッ素系樹脂など各種プラスチックからなるフィルムが挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではなく、ある程度ガラス転移点が高く、平滑な表面をもつものであれば使用できる。なかでもポリエチレンテレフタラートが好ましい。
【0010】
使用される高分子フィルムの厚みは、ある程度シートにコシが必要であり、通常は100〜200μm程度であることが望ましい。
高分子フィルム上のA面に形成する突起物は、種々の方法により形成されるが、中でも表面状態の調整が比較的容易な、粒子を塗布させることにより形成するのが好ましい。塗布される粒子としては、例えば、アクリル、ポリスチレン、ビニルベンゼン、スチレンメタクリレート、スチレンアクリレート、スチレンブタジエン等の高分子(有機)粒子をはじめ、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化鉛(鉛白)、酸化亜鉛(亜鉛華)、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、チタン酸カリウム、ケイ酸ソーダなどからなる無機微粒子や、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモンなどの導電性透明微粒子なども用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。なかでもアクリル樹脂或いはシリカが好ましい。
【0011】
本発明においては、平均粒子径10μm以上50μm以下の粒子を使用することが好ましい。前記粒子は、通常、バインダーなる樹脂中に分散させた状態で塗布される。バインダー樹脂のガラス転移温度は40℃以上であることが好ましく更に好ましくは50℃以上が好ましい。バインダー樹脂は通常主剤と硬化剤で構成される。主剤として用いるものとしては、例えばポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリメタアクリルニトリル樹脂、エチルシリケートより得られる重合体などの珪素樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂や、これらの混合物などが挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない。硬化剤として用いられるものとしては、メラミン樹脂、イソシアネートプレポリマー、エポキシ樹脂、アルコキシシランなどが用いられる。本発明においては、上記主剤、硬化剤のなかから、硬化後の樹脂のガラス転移温度が40℃以上となるものを選んで使用する。中でも、アクリル樹脂と、イソシアネートプレポリマーの組み合わせが好ましく、通常、塗工後、130℃〜180℃の温度で1分〜5分乾燥させることで、硬化する。硬化が進みにくい場合については、適宜、触媒を添加し、調整することができる。
【0012】
また通常、粒子をバインダー樹脂に分散させるためには溶媒を用いる。溶媒としては、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、イソプロピルアルコールなどが好ましく用いられる。これらは塗布作業時に一般的に用いられる溶媒であり、これら以外でも基材高分子フィルムや粒子に影響を与えない溶媒であれば、問題なく使用できる。また、必要に応じてぬれ剤や増粘剤、分散剤、消泡剤などの添加剤も加えられることもある。
【0013】
粒子の配合率は、粒子がバインダー樹脂に対して0.1wt%以上10wt%以下であることが好ましい。配合率が、0.1wt%より小さい場合、必要な拡散特性が得られないため好ましくなく、10wt%に対し、あまりにも大きい場合は、光の拡散性が強くなりすぎるため好ましくない場合がある。
【0014】
塗工液は、固形分が5wt%以上50wt%以下になるように調合することが好ましい。固形分が5wt%より少ないと、液の粘度が小さくなりすぎ、粒子がフィルム上に乗らない場合が有り、所望の粒子量を得ることが出来ず好ましくなく、また、固形分が50wt%より大きくなると、塗工層厚みが大きくなり、突起物としての高さを十分に得られない場合がある。
【0015】
塗工液は、高分子フィルム上にwet状態で塗工量10g/m2以上、40g/m2で塗布することが好ましい。粒子の配合率は、反射体表面の粒子密度に反映され、反射体の拡散率に影響を及ぼす。また塗布量は、高分子フィルム上のバインダー層の厚みに反映され、粒子の頂上との高さの差つまり、導光板と接触時のスペーサーのサイズに影響を及ぼす。塗布液量を10g/m2より小さくすると、塗布液中に含まれる粒子の量が不足し、必要な拡散性能が得られない場合があり好ましくない。また、塗布液量が40g/m2より大きいと、粒子がバインダー樹脂に埋もれてしまい、必要な突起高さが得られない場合があり好ましくない。つまり、上述範囲での粒子配合量と塗布液の塗布量を調整することで、高分子フィルム上に1mm2当たり、2個以上100個以下の突起物を得ることができる。また、バインダー表面から粒子頂部までの突起高さは、触診粗さ計や表面形状測定装置などにより容易に測定することができる。
【0016】
上記の粒子とバインダー樹脂を含む混合液を高分子フィルムに塗布する方法としては、広い粘度範囲にわたって塗布が可能であり、走行中にも塗膜厚さを調整でき、また塗膜厚さを大幅に変えることが出来るなどの特徴をもつ、ロールコータ法、リバースロールコータ法、比較的運転技術を要さず、幅広でも塗工厚さが均一で、薄膜コーティング出来るなどの特徴をもつクラビアコータ法、高速塗工、高生産性、塗工厚さの均一性、広範囲に塗装が出来るなどの特徴をもつダイコート(押出)法などが挙げられるが、どの方法においても特に問題無く塗布できる。
本発明の反射体は、例えば上記のような方法により作製した突起物上に反射層を形成することにより得られる。反射層は高分子フィルム側から順に、下地層(a)、銀を主体とする金属層(b)、透明酸化物層(c)であることが好ましい。
【0017】
下地層(a)には、金、銅、ニッケル、鉄、コバルト、タングステン、モリブデン、タンタル、クロム、インジウム、マンガン、チタン、ネオジウム、パラジウムなどの金属単体、もしくは2種以上からなる合金、または、酸化アルミニウムが5重量%以下ドープされた酸化亜鉛、ガリウムが10重量%以下ドープされた酸化亜鉛、インジウムとスズの酸化物(ITO)または二酸化珪素などの透明酸化物が好ましく用いられる。
【0018】
銀を主体とする金属層(b)には、銀単体或いは、銀を主体とした、金、銅、パラジウム、ネオジウム或いは白金等の合金が好ましく用いられる。また、これら銀、銀を主体とした合金の純度は100%であることが好ましいが、その性能に害を及ぼさない程度の、金、銅、ニッケル、鉄、コバルト、タングステン、モリブデン、タンタル、クロム、インジウム、マンガン、チタン、パラジウムなどを不純物として少量含有してもよい。
【0019】
透明酸化物層(c)には、酸化アルミニウムが5重量%以下ドープされた酸化亜鉛、ガリウムが10重量%以下ドープされた酸化亜鉛、インジウムとスズの酸化物(ITO)、二酸化珪素などの透明酸化物が好ましく用いられる。
【0020】
金属薄膜層の形成法は、湿式法及び乾式法がある。湿式法とはメッキ法の総称であり、溶液から金属を析出させ膜を形成する方法である。具体例をあげるとすれば、銀鏡反応などがある。一方、乾式法とは、真空成膜法の総称であり、具体的に例示するとすれば、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、スパッタ法などがある。とりわけ、本発明には連続的に成膜するロール・ツー・ロール方式が可能な真空成膜法が好ましく用いられる。
【0021】
真空蒸着法では、金属の原材料を電子ビーム、抵抗加熱、誘導加熱などで溶融させ、蒸気圧を上昇させ、好ましくは13.3mPa(0.1mTorr)以下で基材表面に蒸発させる。この際に、アルゴンなどのガスを13.3mPa以上導入させ、高周波もしくは直流のグロー放電を起こしてもよい。
【0022】
スパッタ法には、DCマグネトロンスパッタ法、RFマグネトロンスパッタ法、イオンビームスパッタ法、ECRスパッタ法、コンベンショナルRFスパッタ法、コンベンショナルDCスパッタ法などを使用しうる。
スパッタ法においては、原材料は金属の板状のターゲットを用いればよく、スパッタガスにはヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンなどを使用しうるが、好ましくはアルゴンが用いられる。ガスの純度は99%以上が好ましいが、より好ましくは99.5%以上である。また、透明酸化膜の形成には、真空成膜法が好ましく用いられる。主に、スパッタ法が使用され、スパッタガスには、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンなどを使用し、場合においては酸素ガスを用いて行うこともある。
【0023】
突起物上に成形する薄膜の厚さは、反射体とした際に光線透過率が1%未満になるように考慮して決められる。
本発明の反射層における各層の厚みは、以下のようにすることが好ましい。
下地層(a)の厚みは、金属層を用いた場合、その厚みは、5nm以上50nm以下が好ましく、より好ましくは5nm以上30nm以下である。該層の厚みが5nmより薄い場合は、所望のバリヤー効果が得られず、銀を主体とする金属層(b)に凝集を発生させる場合がある。また、50nmより厚くしてもその効果に変化が無い。また、透明酸化物を用いた場合、該層の厚みは、1nm以上20nm以下が好ましく、さらに好ましくは、5以上10nm以下である。かかる層の厚みが1nmより薄い場合は、所望のバリヤー効果が得られず、銀を主体とする金属層(b)に凝集を発生させる場合があり好ましくない。また、10nmより厚くしてもその効果に変化が無い。
【0024】
銀を主体とする金属層(b)の厚みは、70以上400nm以下が好ましく、より好ましくは100以上300nm以下、さらに好ましくは150以上250nm以下である。かかる層の厚みが70nmより薄い場合は、十分な金属層の形成が出来ていないため、所望の反射率を得ることが出来ない場合がある。また、400nmより厚くしてもその効果に変化はない。
【0025】
透明酸化物層(c)の厚みは、1nm以上20nm以下が好ましく、さらに好ましくは、5nm以上10nm以下である。かかる層の厚みが1nmより薄い場合は、所望のバリヤー効果が得られず、銀を主体とする金属層(b)に凝集を発生させる場合がある。また、400nmより厚くしてもその効果に変化はない。
【0026】
前記各層の膜厚の測定方法としては、触針粗さ計、繰り返し反射干渉計、マイクロバランス、水晶振動子法などを用いる方法があり、特に水晶振動子法では成膜中に膜厚が測定可能であるため所望の膜厚を得るのに適している。また、前もって成膜の条件を定めておき、試料基材上に成膜を行い、成膜時間と膜厚の関係を調べた上で、成膜時間により膜厚を制御する方法もある。
上記のように形成した反射シートを、金属薄膜層側から反射率を測定すると、波長550nmにおいて、通常90%以上の全反射率が得られる。
【0027】
上述のような方法で作製した本発明の反射体の反射面表面のJIS K5400のえんぴつ引っかき試験の値は、HB以上であり、ダイナミック微小硬度計で9.8mNで5秒の負荷を加えた時の反射体表面の除荷後5秒後のへこみ量に対する割合は、0.7以下、更に好ましくは0.5以下である。硬度が上記の値を大きく外れると、巻き取り、輸送、ハンドリングなどの際のわずかなこすれや応力などで、表面に傷が生じる場合があり、好ましくない。
【0028】
本発明のサイドライト型バックライト装置では、上記のように作製した反射シートを導光板の下面に金属薄膜層側を上面として設置することを特徴とする。バックライト装置としては、サイドライト型として一般的に用いられているものであればなんら問題無い。
【0029】
使用される導光板は、例えば、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリカーボネイトやポリカーボネイト・ポリスチレン組成物などのポリカーボネイト系樹脂、エポキシ系樹脂などの透明樹脂やガラスなどの約400〜700nmの波長域において透明性を示すものが好ましく用いられるが、光源の波長領域に応じてそれに透明性を示す材料であれば必ずしもこれらに限定されなるわけではない。また、導光板の厚さは、使用目的の導光板のサイズや、光源の大きさなどにより適宜に決定することができる。
【0030】
使用する光源としては、例えば、白熱電球、発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネセンス(EL)、蛍光ランプ、メタルハイドライドランプなどが挙げられ、中でも蛍光ランプが好ましく用いられる。蛍光ランプにはその電極構造、点灯方式により熱陰極型と、冷陰極型に大別され、電極、インバーターとも熱陰極型の方が大きくなる傾向にある。熱陰極型は、発光に寄与しない電極近傍の電飾損失が小さく効率がよく、冷陰極型に比べ数倍優れた発光効率を示し、発光も強いが、寿命は冷陰極型の方が優れており、低消費電力性、耐久性などの点から冷陰極型がより好ましく用いられる。
【0031】
本発明の面光源装置では、上述したような方法で作成された反射体を使用することで、シートに歪みが生じた場合でも、輝度むらとなって現われることはなく、また、従来の面光源装置に比べ格段の輝度向上を実現することができる。
【0032】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1
平均粒子径が30μmであるアクリル粒子、バインダーの主材としてアクリル樹脂(Tg=56℃)、硬化剤として芳香族イソシアネートを用い、バインダーに対し粒子の配合量を3.0wt%とし、固形分比が35wt%になるようにトルエンとエチルメチルケトンからなる溶剤を用いて溶液を調合した後、188μmのPETフィルム上に塗布を行いA面側の突起物を得た。次に、平均粒子径1.5μmのアクリル粒子、バインダーの主剤としてアクリル樹脂、硬化材としてメラミン樹脂を用い、バインダーに対し、粒子の配合量を、5.0wt%とし、固形分比が20wt%になるようにトルエンとエチルメチルケトンからなる溶剤を用いて溶液を調合した後、188μmのPETフィルム上のB面側に塗布を行い、易滑面を得た。
次にA面側に、DCマグネトロンスパッタ法で、2%のAl23がドープされた酸化亜鉛(純度99.9%)をターゲットとし、純度99.5%のアルゴンをスパッタガスとして、酸化亜鉛を膜厚5nmになるように形成した。続いて、このフィルムをスパッタ装置から取り出すことなく、同様にDCマグネトロンスパッタ法で、純度99.9%の銀をターゲットととし、純度99.5%のアルゴンをスパッタガスとして銀を膜厚200nmになるように成形した。続いて、このフィルムをスパッタ装置からと取り出すことなく、DCマグネトロンスパッタ法で、2%のAl23がドープされた酸化亜鉛(純度99.9%)をターゲットとし、純度99.5%のアルゴンをスパッタガスとして、酸化亜鉛を膜厚5nmになるように形成し、図1に示すような所望の反射シートを得た。この反射シートを日立自記分光光度計(型式U―3400)に150φの積分球を設置し、550nmにおける金属層側から測定した全反射率、拡散反射率は、全反射率95.3%、拡散反射率6.3%であり、拡散率は6.6%であった。次にA面側の突起物の高さを表面形状測定装置(DEKTAK3:Veeco社製)で10点測定したところ、その平均値は、26.2μmであった。また、1mm2当たりの粒子数は27個存在した。測定後の反射シートを、恒温恒湿槽に入れ、60℃、90%RHの湿熱条件で500時間放置した。500時間経過後、シートを取り出して表面を観察したところ、金属の凝集は見られなかった。また、再度分光光度計により、全反射率、拡散反射率を測定した結果、全反射率が95.1%、拡散反射率が6.7%と湿熱前とほとんどかわらなかった。
また、この反射シートの反射面(A面側)の硬度を測定したところ、えんぴつ引っかき値でFとなった。また、島津製作所製 ダイナミック微小硬度計により、9.8mNの荷重で5秒間負荷をかけた際のへこみを測定したところ、1.53μm、除荷後5秒後に表面が戻らずにへこんだままになっている深さを測定したところ、0.93μmとなり、負荷時に生じるへこみ量に対する、除荷時に残るへこみ量の割合が0.6となった。次に、該反射シートの反射面に、アクリル製の定規を押し付けたところ、表面には顕著なキズはつかなかった。
【0033】
比較例1
平均粒子径30μmのアクリル粒子を、バインダーの主剤としてポリエステル樹脂(Tg=20℃)、硬化剤として脂肪族イソシアネートを用い、バインダーに対し粒子の配合量を4.5wt%とし、固形分比が28wt%になるようにトルエンとエチルメチルケトンからなる溶剤を用いて溶液を調合した後、188μmのPETフィルム上に塗布を行いA面側の突起物を得た。続いて、実施例1に準じてB面側に塗布を行い、易滑面を得た。さらに、実施例1に準じてスパッタを行い反射体を得た。できた反射シートを日立自記分光光度計(型式U―3400)に150φの積分球を設置し、550nmにおける金属層側から測定した全反射率、拡散反射率は、全反射率95.5%、拡散反射率5.6%であり、拡散率は5.7%であった。次にA面側の突起物の高さを表面形状測定装置(DEKTAK3:Veeco社製)で10点測定したところ、その平均値は、25.2μmであった。また、1mm当たりの粒子数は30個存在した。測定後の反射シートを、恒温恒湿槽に入れ、60℃、90%RHの湿熱条件で500時間放置した。500時間経過後、シートを取り出して表面を観察したところ、金属の凝集は見られなかった。また、再度分光光度計により、全反射率、拡散反射率を測定した結果、全反射率が92.1%、拡散反射率が13.7%と湿熱前と比べ、全反射率が低下し、拡散反射率が増加していた。
【0034】
また、この反射シートの反射面(A面側)の硬度を測定したところ、えんぴつ引っかき値で6Bとなった。また、島津製作所製 ダイナミック微小硬度計により、9.8mNの荷重で5秒間負荷をかけた際のへこみを測定したところ、2.07μm、除荷後5秒後に表面が戻らずにへこんだままになっている深さを測定したところ、1.70μmとなり、負荷時に生じるへこみ量に対する、除荷時に残るへこみ量の割合が0.82となった。次に、該反射シートの反射面に、アクリル製の定規を押し付けたところ、表面に押し付けた後が残った。
【0035】
【表1】
Figure 0004090283
【0036】
【表2】
Figure 0004090283
【0037】
【表3】
Figure 0004090283
【0038】
【発明の効果】
本発明の反射用基板を用いることで、製造工程、加工工程において、不良となるキズの発生が起こりにくくなり、取り扱い性、生産性の向上が得られる。また、本発明の反射体を組み込んだサイドライト型バックライト装置は、該バックライト装置において、反射体に歪みが発生した場合でも、その歪みによる輝度ムラが生じないため、視認性のよい液晶ディスプレイを提供することができる。また、該反射体は、従来の反射体に比べ高輝度であり、かつ耐久性にも優れるため、長期にわたり、均一で、高輝度な光を得られることから、液晶の表示能力を向上させることができるため、本発明の工業的意義は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に於ける反射シートの一例を示す断面図
【図2】 本発明の面光源装置の一例
【符号の説明】
10 反射層
20 突起
30 高分子フィルム
40 冷陰極管
50 ランプリレフクター
60 導光板
70 反射シート

Claims (5)

  1. 少なくとも基板と凹凸層及び反射層からなる反射体であって、平均粒子径5μm以上50μm以下の粒子及びガラス転移温度が40℃以上であるバインダー樹脂を含有してなる塗工液を前記基板に塗布することにより形成された凹凸層が最大幅10μm〜50μm、高さ5μm〜45μmの突起物を1mm 当たり2個以上100個以下有し、ダイナミック微小硬度計で9.8mNの負荷を5秒加えた時の反射体表面のへこみ量に対する除荷後5秒後のへこみ量の割合が、0.7以下であり反射面表面のJIS K5400のえんぴつ引っかき試験での値がHB以上であり全反射率に対する拡散反射率の割合(拡散率)が1%〜50%であることを特徴とする反射体。
  2. 前記基板の反射層を形成していない側の面が、易滑処理されていることを特徴とする請求項に記載の反射体。
  3. 請求項1または2に記載の反射体を、側面に設置された光源から入射される光を上面に出射する導光板の下面に配設したことを特徴とするサイドライト型バックライト装置。
  4. 反射層が導光板側になるように反射体を配設したことを特徴とする請求項に記載のサイドライト型バックライト装置。
  5. 請求項記載のサイドライト型バックライト装置を備えることを特徴とする液晶表示装置。
JP2002167558A 2002-06-07 2002-06-07 反射体及びそれを用いたサイドライト型バックライト装置 Expired - Fee Related JP4090283B2 (ja)

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