JP4089863B2 - 現像剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複写機やファクシミリ、プリンター等に用いられている電子写真に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、トナーを定着するには熱定着が多く使われている。
定着の原理としては一般に熱定着の場合、定着されるトナーなどは定着器の熱により軟化或いは溶融していなければならず、更にこの軟化或いは溶融したトナーが定着器から圧力を受けて紙の繊維中へめり込んだり、また、軟化或いは溶融したトナーの表面は粘着性が出ているのでその粘着力で接着する。
従って、トナーに使用する樹脂の融点或いは軟化点は、定着器の温度以下である必要がある。
【0003】
しかし、近年地球環境の保全のために省エネルギーの要求が高まっており、定着器で消費できるエネルギーが制限されつつある。実際、定着エネルギーを下げるためには定着器の温度を下げるしかなく、このように定着エネルギーをさげた定着器に対応したトナーの樹脂は、必然的に低融点にならざるを得ない。しかし、このように融点を下げた樹脂は柔らかくなりやすく、トナーに加工した後簡単にブロック化したり、表面に粘着性があるためにトナー中の外添剤との相互作用が経時で変化し、特性変化が起こったり、保存性の面で問題がある。また、現像機内部に於いても同様にトナーが柔らかく粘着性があるために、キャリアにトナーがスペントしたり、現像ローラにトナーがフィルミングしたり、あるいは現像ブレードにトナーが固着したりする問題がある。更には、印刷した後の画像についても環境の変化によって、被印刷紙同士がブロッキングをおこしたりしやすいという問題があった。そのほかに、トナーの加工上の問題もあり、従来の樹脂で低融点化を図ると樹脂が柔らか過ぎるために、粉砕工程に於いてトナーが粉砕しにくいという問題や、粉砕機内に張り付いてしまうという問題もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の如き問題点を解決したトナーの提供にある。
従って、本発明の目的は、上記従来技術に鑑みて、従来に比べ定着温度を下げることによる省エネルギー化を図り、従来の低融点樹脂を使用したトナーに比べ、保存性を良好にし、外添剤との相互作用に経時変化をおこさないようにし、トナースペント、フィルミング、固着を生じないようにし、被印刷物の保存性を良好にし、良好な粉砕加工性を得ることを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記欠点を改良すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成させた。
即ち、上記課題は、本発明の、(1)「メインバインダーに環化ブタジエンを使用したことを特徴とする電子写真用トナー」、(2)「前記環化ブタジエンをtrans 1,4−ポリブタジエンの融点以上の温度でtrans 1,4−ポリブタジエンを溶剤として溶解させることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真用トナー」、(3)「前記環化ブタジエンとtrans 1,4−ポリブタジエンを混合することにより、環化ブタジエンの融点以下で定着可能としたことを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真用トナー」、(4)「バインダーの構成比で前記環化ブタジエンが10wt%以上であることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真用トナー」、(5)「前記環化ブタジエンに対する前記trans 1,4−ポリブタジエンの組成比が、97:3〜5:95であることを特徴とする前記第(2)または第(3)に記載の電子写真用トナー」、(6)「前記trans 1,4−ポリブタジエンの融点が、前記環化ブタジエンの融点よりも低いことを特徴とする前記第(2)または第(3)項に記載の電子写真用トナー」、(7)「前記環化ブタジエンの環化度が50%以上であることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真用トナー」、(8)「前記trans 1,4−ポリブタジエンの純度が、60wt%以上であることを特徴とする前記第(2)または第(3)項に記載の電子写真用トナー」、(9)「粉砕助剤として、ワックス:樹脂が1:99〜50:50になるように含有することを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真用トナー」、(10)「使用するワックスの針入度が0〜20であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(9)項の何れか1に記載の電子写真用トナー」によって達成される。
【0006】
以上10項の発明について詳細に説明する。
上記第(1)項、第(2)項、第(3)項の発明は、基本的なものであり、メインバインダーとして融点が高く保存性や耐スペント、耐フィルミング、耐固着性のよい環化ブタジエンを使用し、これをtrans 1,4−ポリブタジエンで溶解したものを固化させトナーとする。従って、これを熱定着にかけたとき、trans 1,4−ポリブタジエンの融点以上の温度で環化ブタジエンがtrans 1,4−ポリブタジエンに溶解し、環化ブタジエンの融点に温度が達しなくとも環化ブタジエンが軟化、あるいは溶解し定着性能が発現する。なお、環化ブタジエン自体の融点は高いので樹脂が柔らかすぎるということはなく、良好な粉砕性が得られる。
【0007】
また、第(4)項記載の発明においては、バインダー構成比で環化ブタジエンを従来の樹脂と混合して使用する場合、少なくとも樹脂全体中の環化ブタジエン含有量が10wt%以上処方されている必要があり、10wt%より少ない処方量では、従来の樹脂と混合されたトナーの融点を充分に下げることができず、定着不良をおこしてしまう。環化ブタジエン含有量について鋭意検討した結果、好ましくは15wt%以上、もっと好ましくは20wt%以上、更に好ましくは30wt%以上、更にもっと好ましくは40wt%以上、より更に好ましくは50wt%以上がよい。
【0008】
第(5)項記載の発明においては、環化ブタジエンに対するtrans 1,4−ポリブタジエンの組成比について、trans 1,4−ポリブタジエンの処方量が多ければ多い程、環化ブタジエンの溶解粘度は低下するが、環化ブタジエン処方量が減少すると、trans 1,4−ポリブタジエンが他の樹脂を溶解することはなく樹脂と交じることもないので、樹脂とtrans 1,4−ポリブタジエンが分離してしまいトナー化が難しい。環化ブタジエンの処方量が多く、trans 1,4−ポリブタジエンが少ないと、環化ブタジエンがtrans 1,4−ポリブタジエンに溶解しても溶解粘度が高すぎて定着性能が出ない。鋭意検討した結果、環化ブタジエンとtrans 1,4−ポリブタジエンの組成比が97:3〜5:95であれば性能が出ることが明らかとなった。しかし、実使用上は、オフィスのような空調の効いた場所での定着のみとは限らず、高温、低温、高湿、低湿など色々の定着環境が考えられ、好ましくは95:5〜20:80、更に好ましくは90:10〜30:70、余裕度を考慮すれば更にもっと好ましくは80:20〜40:60がよい。
【0009】
第(6)項記載の発明においては、trans 1,4−ポリブタジエンの融点が環化ブタジエンの融点より低くなければ、環化ブタジエンの融点以下でtrans 1,4−ポリブタジエンが溶融しないので、当然、環化ブタジエンをtrans 1,4−ポリブタジエンで溶解することはできず、トナーの融点を下げることができない。したがって、環化ブタジエンの溶剤としてtrans 1,4−ポリブタジエンを選ぶことが当然望ましい。
【0010】
第(7)項記載の発明の場合、検討した結果、環化度が平均で50%以上であれば良好な環化ブタジエンとしての性質が発揮できることが明らかとなった。環化度が低いと環化ブタジエンが本来のゴムとしての性質を発現してしまい、粉砕性が著しく低下し、本発明に於いて使用できない。なお、環化度30%程度では環化ブタジエン自体が柔らかくなっていき液体としての性質が強くなる。従って、検討した結果、より好ましい値は環化度70%以上がよい。
【0011】
第(8)項記載の発明の場合、合成品にしても副生成物としてcis 1,4−ポリブタジエンやアイソタクチック−1,2−ポリブタジエン、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン等を含有している場合があり、検討した結果、trans 1,4−ポリブタジエンとして60wt%以上であることが必要であることがわかった。好ましくは70wt%以上、更に好ましくは80wt%以上、更にもっと好ましくは90wt%以上であることが望ましい。
【0012】
第(9)項記載の発明の場合、trans 1,4−ポリブタジエンが強靭すぎて粉砕性が劣るときには、ワックス:樹脂が1:99〜50:50の範囲内で処方することにより、粉砕性が改良されることが明らかになり、好ましくは5:95〜30:70の範囲内がよい。
【0013】
第(10)項記載の発明の場合、使用するワックスの針入度が高いとトナーの凝集性が高くなり、薄層形成性が低下したり、トナーの補給性能の低下が著しく、好ましくは0〜14、もっと好ましくは0〜10、更にもっと好ましくは0〜5の範囲内の針入度のワックスがよい。
【0014】
従来技術の問題を解決するために本発明では、定着の最低温度より高い融点の樹脂と定着の最低温度より低い融点のtrans 1,4−ポリブタジエンを使用し、trans 1,4−ポリブタジエンの融点以上の温度において、trans 1,4−ポリブタジエンが溶剤あるいは可塑剤として機能することにより、樹脂がtrans 1,4−ポリブタジエンにより分子レベルで溶解し、樹脂を軟化あるいは溶解し、樹脂の融点より低い温度で定着できる系になることを発見した。このことにより、実際使用樹脂の融点よりはるかに低いtrans 1,4−ポリブタジエンの融点近傍の温度で定着が可能となり省エネルギー化ができた。このことにより、融点の高い環化ブタジエンを使用しても低温での定着が可能となった。
本発明における樹脂の融点とはフローテスター法による軟化点を指す。
例えば、環化ブタジエンの場合、DSC法によれば50℃から80℃の間に吸熱ピークが出るが、実際には100℃程度でも明らかに固体状態である。
【0015】
なお、本発明に類似のものに、特開平7−271100号公報、特公平7−15596号公報、特公平7−31418号公報、特公平7−40146号公報、特公平7−62765号公報、特公平7−82248号公報、特公平7−104612号公報、特許第2548091号公報、特許第2759482号公報に開示されているものがあるが、これらはいずれも懸濁重合トナー作成時の分散安定剤、または、ブロッキング防止等の目的で重合トナー形成時における重合された低軟化点樹脂をくるむための殻を形成する目的で使用されており、いわゆるカプセル形成剤である。
従って、これらは本発明とは根本的に異なるまったく別の発明である。
【0016】
環化ブタジエンは図1に示されるような反応により形成される。環化ブタジエンの製法の一例としては次のような方法がある。
Fisherの方法は、ゴムに濃硫酸を5%練りこみ、130℃で15時間加熱することにより環化ブタジエンを得る。
この他に環化剤として有機スルホン酸、塩化すず、塩化鉄、非金属ハロゲン化物及びハロゲン化第一、第二すず酸等を用いる方法があり、種々の樹脂状可塑性物質ができる。これらは、図1に示すように酸化薬品の作用により異性化現象を起こし、比重が増加し不飽和度が減少して性質の全く異なった物質を得るものであって、本発明における環化ブタジエンはこのような方法で作成することが可能である。
【0017】
本発明に使用できるサブレジンとしては、次のようなものが挙げられる。
トナーそれぞれに使用されるバインダー樹脂の一例としては、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレンーイソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィンなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できるが、特にこれらに限定するものではない。本発明においては、これらの樹脂に、必要に応じてカーボンブラックやカラー顔料を混練分散して使用すればよく、当然帯電制御剤の併用も可能である。
また、粉体化した後、トナーの流動性を調整するためにシリカ、チタン、ストロンチウム等の添加剤を加えてもよい。
【0018】
以下、実施例をもとに説明する。
[実施例1]
環化ポリブタジエン 60wt%
trans 1,4−ポリブタジエン 27wt%
カーボンブラック 12wt%
CCA 1wt%
【0019】
[実施例2]
環化ポリブタジエン 40wt%
trans 1,4−ポリブタジエン 20wt%
磁性体 39wt%
CCA 1wt%
【0020】
[実施例3]
環化ポリブタジエン 57wt%
trans 1,4−ポリブタジエン 24wt%
カーボンブラック 12wt%
CCA 1wt%
カルナウバ 6wt%
【0021】
[実施例4]
環化ポリブタジエン 57wt%
trans 1,4−ポリブタジエン 24wt%
カーボンブラック 5wt%
CCA 1wt%
キャンデリラ 6wt%
【0022】
[実施例5]
環化ポリブタジエン 94wt%
カーボンブラック 5wt%
CCA 1wt%
【0023】
[実施例6]
環化ポリブタジエン 74wt%
trans 1,4−ポリブタジエン 20wt%
シアン 5wt%
CCA 1wt%
【0024】
[実施例7]
環化ポリブタジエン 72wt%
trans 1,4−ポリブタジエン 22wt%
イエロー 5wt%
CCA 1wt%
【0025】
[実施例8]
環化ポリブタジエン 42wt%
高融点ポリエステル(融点155℃) 30wt%
trans 1,4−ポリブタジエン 22wt%
カーボンブラック 5wt%
CCA 1wt%
【0026】
[比較例1]
高融点ポリエステル(融点155℃) 94wt%
カーボンブラック 5wt%
CCA 1wt%
【0027】
[比較例2]
低融点ポリエステル(融点94℃) 94wt%
カーボンブラック 5wt%
CCA 1wt%
上記各例について3本ロールにて5回混練し、冷却後粉砕し、外添剤としてシリカをトナー100部に対して1部加え混合し最終的なトナーとした。
これらのトナーを用い、実際に定着器の温度を変えて実験を行なったところ、表1の結果が得られた。
また、ワックスが入っている処方は定着ローラにオイルを塗布する必要はないが、条件を統一する意味ですべてのトナーについてローラにオイル塗布を行なった。
【0028】
【表1】
Figure 0004089863
○:定着が良好である
△:かろうじて定着している
×:定着不良をおこす
環化ブタジエンのみの場合と高融点ポリエステル(155℃)のみの場合では、160℃以上の温度をかけないと定着せず、他のtrans 1,4−ポリブタジエンと用いた系では60〜80℃定着温度を下げることができた。
【0029】
上記トナーを用いて保存性テストを行なったところ、表2の結果が得られた。(保存環境40℃2週間)
【0030】
【表2】
Figure 0004089863
○印は変化がないことを表わす
【0031】
帯電量は一成分現像のスリーブ上の帯電量を表わす。
OPC地肌汚れは、OPC上に付着したトナーを透明な粘着テープでとり、白い紙の上に張り付けてマクベス反射濃度計により濃度ID1を測定し、更にトナーのついていない透明な粘着テープを白い紙の上に張り付け、その濃度ID2を測定したものの差であり、数値が小さい程汚れが少ない。
【0032】
【数1】
ΔID=ID1−ID2
以上の結果より、環化ブタジエンとtrans 1,4−ポリブタジエンで低融点化を図ったものの保存性や特性に変化がないことが分かる。また、通常の高融点ポリエステルについても保存性に問題はなく、特性についてはやや変化があるものの問題にならないレベルである。しかし、低融点ポリエステルを使用したものは保存テストで完全に固化していまい、特性を測ることすらできない。
【0033】
トナーのランニング後の経時変化(画像出し2000枚後)
画像出しは一成分現像で行ない、帯電量はスリーブ上のトナーの帯電量である。
【0034】
【表3】
Figure 0004089863
表3の結果より、環化ブタジエン単独かあるいは環化ブタジエンとtrans1,4−ポリブタジエンの組み合わせの場合、帯電量の変化が殆どなく、地肌汚れも殆ど変化していない。環化ブタジエンと高融点ポリエステルの組み合わせでは、僅かに帯電量の変化と地肌汚れの劣化が見られるが、問題とならないレベルである。高融点ポリエステル単独の場合、帯電量の低下と地肌汚れの増加があるが、使えないレベルではない。低融点ポリエステル単独では、大幅な帯電量低下と地肌汚れの劣化が起こり、使えないレベルである。
【0035】
また、作像系におけるテストを行なった。
トナースペントについては二成分現像、現像ローラフィルミングと現像ブレード固着については一成分現像にてテストを行ない、一成分、二成分現像とも2000枚の画像を出した後評価した。
【0036】
【表4】
Figure 0004089863
○:発生なし
△:発生はしているが程度が軽く問題とならない
×:画像品質に大きな影響が出て使えない
【0037】
環化ブタジエンや環化ブタジエンとtrans 1,4−ポリブタジエンの組み合わせの系では、初期品質と殆ど変化がなかった。
環化ブタジエンと高融点ポリエステルの組み合わせでは、現像ローラフィルミングがわずかに発生しているが、画像上全く問題にならない。高融点ポリエステルのみの場合、二成分現像ではキャリアへのトナースペント、一成分現像では現像ローラフィルミング、現像ブレードへのトナー固着がやや見られるが、問題となるレベルではなく従来からの性能である。低融点ポリエステルの場合、二成分現像におけるトナースペント、一成分現像における現像ローラフィルミング、現像ブレードへのトナー固着など激しいトナーの付着が見られる。このとき、画像上では画像濃度ムラ、転写紙の地肌汚れ、画像の縦白スジなどさまざまな異常画像の発生が見られ、画像品質の上からもこの系は使用できない。
次に、被印刷物の保存性であるが、片面印刷と両面印刷両方の場合に分けてテストした。
【0038】
【表5】
Figure 0004089863
以上より、比較例2の低融点ポリエステルを使用した場合のみ転写紙の汚染やブロック化が起こり使用できない。
【0039】
また、トナー化する際の粉砕工程についての評価を行なった。
以下は、一定量のトナーが所望の粒径のトナーとしてでき上がるまでの時間と付着状況の評価である。
【0040】
【表6】
Figure 0004089863
以上のように実施例1〜8及び比較例1まではほぼ工程上問題ないといえる。また、ワックスを添加したものの方が粉砕時間が非常に短くなることが判る。しかし、比較例2の低融点ポリエステルを使用した系では、粉砕時間が通常の二倍以上かかり、かつ粉砕室内のトナー付着が激しく、粉砕中に粉砕条件が変化してしまう。
従って、低融点ポリエステルの系では、トナー加工上大きな問題があるといえる。
【0041】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明において、環化ブタジエンより融点の低いtrans 1,4−ポリブタジエンで環化ブタジエンが溶解することにより、環化ブタジエンの融点より低い温度で定着が可能となり、省エネルギーが可能となり、また、低融点トナーであっても環化ブタジエン自体の融点は高いので保存性が良好になり、また、環化ブタジエンは硬い樹脂なので、外添剤がトナーにめり込んだり、低分子の樹脂による外添剤の汚染がなく特性変化を最小限に抑えることができ、また、硬く粘着性のない環化ブタジエンを使用することにより、トナースペント、フィルミング、固着等を防止でき、さらにまた、融点の高い樹脂で硬く粘着性のない樹脂なので、被印刷物がブロック化せず、更に、低融点トナーでありながら、使用している環化ブタジエンが柔らか過ぎず適度に硬いので良好に粉砕することができるという極めて優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において環化ブタジエン反応を示した図の一例である。

Claims (10)

  1. メインバインダーに環化ブタジエンを使用したことを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 前記環化ブタジエンをtrans 1,4−ポリブタジエンの融点以上の温度でtrans 1,4−ポリブタジエンを溶剤として溶解させることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 前記環化ブタジエンとtrans 1,4−ポリブタジエンを混合することにより、環化ブタジエンの融点以下で定着可能であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  4. バインダーの構成比で前記環化ブタジエンが10wt%以上であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  5. 前記環化ブタジエンに対する前記trans 1,4−ポリブタジエンの組成比が、97:3〜5:95であることを特徴とする請求項2または3に記載の電子写真用トナー。
  6. 前記trans 1,4−ポリブタジエンの融点が、前記環化ブタジエンの融点よりも低いことを特徴とする請求項2または3に記載の電子写真用トナー。
  7. 前記環化ブタジエンの環化度が50%以上であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  8. 前記trans 1,4−ポリブタジエンの純度が、60wt%以上であることを特徴とする請求項2または3に記載の電子写真用トナー。
  9. 粉砕助剤として、ワックス:樹脂が1:99〜50:50になるように含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  10. 使用するワックスの針入度が0〜20であることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1に記載の電子写真用トナー。
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