JP4089380B2 - エンジン冷却水回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、EGR(排気再循環)用排気通路を備えたエンジンのエンジン冷却水回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エンジンの排気中に含まれている窒素酸化物(NOx )の量を低減させるための手段としてEGRがある。これは、エンジンの排気通路から排気の一部を取り出して吸気通路へ還流させることにより、シリンダ内の燃焼ガス温度を低下させて、NOx の生成を抑制するものである。EGRによりNOx の生成が抑制される理由として、シリンダ内の空気の一部が、排気中のCO2、H2Oなどと置き換わることにより気体の熱容量が増大し、これにより燃焼ガスの温度上昇が抑えられること、および空気過剰率が低下する、つまり吸気中の酸素濃度が低下することによりNOX生成が抑制されることが挙げられる。
【0003】
また、EGRによるNOx低減効果を高めるために、再循環される排気(以降、EGRガスと書く)を自動車の走行風、または冷却ファンにより強制的に流される空気流によって冷却し、EGRガスの充填率を高める技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
EGRを行うことによって排気ガス中のNOx は確実に低減するし、EGRガスを予め冷却してから再循環させてEGRガスの充填率を高めることによりその作用を高めることができるが、エンジンの運転条件によっては排気微粒子(パティキュレート・マター、以下PMと呼ぶ)の排出量が増大するという別の問題を生じる。
【0005】
そこで、この問題を解決するために、EGRガス温度を、エンジンの運転条件に応じて制御することが考えられる。たとえば、エンジンの冷却水によりEGRガスを冷却する冷却手段を設けると共に、この冷却手段を通過する冷却水の量を調整する調整手段を設けて、EGRガス温度を、エンジンの運転条件に応じて最適となるように制御する技術が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平4−47156号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平11−117815号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、EGRガスを予め冷却してから再循環させる方式では、新たに、EGRガス冷却用の冷却装置およびその配管が必要であるが、車両上において、これらを搭載するスペースを確保するのは困難である。
【0009】
また、EGRガス温度をエンジンの運転条件に応じて最適となるように制御する方式では、冷却手段を通過する冷却水の量を調整する調整手段、たとえば電動式の開度調整弁およびその駆動回路等が必要となり、部品点数およびコストが増大するという問題がある。
【0010】
本発明は、このような問題に鑑みて成されたものであり、その目的は、EGRガス用冷却手段を単純化することのできるエンジン冷却水回路を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載のエンジン冷却水回路は、エンジン内に冷却水を供給する水ポンプと、エンジンとラジエータの入り口とを接続する第1水路と、ラジエータの出口とサーモスタットとを接続する第2水路と、サーモスタットと水ポンプを接続する第3水路と、第1水路とサーモスタットを接続するバイパス水路とを備え、サーモスタットにより、バイパス水路の連通および第2水路の遮断とバイパス水路の遮断および第2水路の連通とが切り替えられるエンジン冷却水回路であって、エンジンの排気通路から所定量の排気をエンジンの吸気通路へ還流させるEGR(排気再循環)通路途中に設けられ排気と冷却水とを熱交換させる熱交換器と、第2水路と並列に設置され熱交換器とラジエータの出口側を接続する第4水路と、第3水路と並列に設置され熱交換器と水ポンプを接続する第5水路とを備え、サーモスタットにおける圧力損失は、サーモスタットがバイパス水路を連通し且つ第2水路を遮断している場合は大きく、バイパス水路を遮断し且つ第2水路を連通している場合は小さく設定されている構成としている。つまり、本発明の請求項1によるエンジン冷却水回路では、EGRガス冷却用の熱交換器を、ラジエータの出口側と水ポンプの間においてサーモスタットと並列に配置している。エンジン冷却水回路をこのように構成したことにより、エンジン冷却水の流れは以下のようになる。
【0012】
(1)エンジンの運転状態が低・中負荷域の場合。
【0013】
この場合、エンジンから冷却水に伝えられる熱量が少ないので冷却水温度は低くなっている。このため、サーモスタットは、バイパス水路を連通し且つ第2水路を遮断しており、エンジンから出た冷却水が水ポンプに到る経路は、第1水路→バイパス水路→サーモスタット→第3水路を経て水ポンプに到る経路と、第1水路→ラジエータ→第4水路→熱交換器→第5水路を経て水ポンプに到る経路の2系統となっている。これにより、ラジエータを通過する冷却水流量を減少させて冷却水温度が過剰に低くなることを防止し、エンジン各部の温度を適正に維持している。すなわち、ラジエータからの放熱量(熱負荷)は小さい。このとき、熱交換器には、ラジエータで冷却された低温の冷却水が、サーモスタットにおける圧力損失と熱交換器の圧力損失との比に応じて定まる流量だけ流れる。
【0014】
(2)エンジンの運転状態が高負荷域の場合。
【0015】
この場合、エンジンから冷却水に伝えられる熱量は多く冷却水温度は高くなっているので、サーモスタットは、バイパス水路を遮断し且つ第2水路を連通している。エンジンから出た冷却水は、第1水路→ラジエータ→第3水路を経て水ポンプに到り再びエンジン内に供給される。さらに、ラジエータで冷却された冷却水の一部は、第4水路→熱交換器→第5水路を経て水ポンプに到る。これにより、ラジエータを通過する流量を増加させて冷却水温度を下げ、エンジン各部の温度を適正に維持している。すなわち、ラジエータからの放熱量(熱負荷)はエンジンの低・中負荷域の場合と比べて大きくなる。このとき、熱交換器には、ラジエータで冷却された低温の冷却水が、サーモスタットにおける圧力損失と熱交換器の圧力損失との比に応じて定まる流量だけ流れる。
【0016】
一般に、サーモスタットにおける圧力損失は、サーモスタットがバイパス水路を連通し且つ第2水路を遮断している時、すなわち冷却水温度が低いエンジン低・中負荷時には大きく、サーモスタットがバイパス水路を遮断し且つ第2水路を連通している時、すなわち冷却水温度が高いエンジン高負荷時は小さく設定されている。これにより、冷却水温度が低いエンジンの低・中負荷時においてはエンジン冷却水回路1を循環する冷却水量を低減して冷却水温度の過冷却を抑制しエンジン2各部の温度を適正に維持すると共に、冷却水温度が高いエンジンの高負荷時においてはラジエータ3を通過する冷却水流量を増大させてラジエータ3の十分な放熱量を確保している。一方、熱交換器における圧力損失は、エンジンの運転状態にかかわらずほぼ一定である。このため、熱交換器を通過する冷却水流量は、エンジンが低・中負荷時には多く、高負荷時には少なくなる。したがって、熱交換器の交換熱量も、エンジンが低・中負荷時には多く、高負荷時には少なくなる。
【0017】
一方、エンジンの運転条件とEGRガス流量との関係について考える。エンジンの低負荷域および中負荷域、すなわちシリンダ内で燃焼される燃料量がそれほど多くない領域においては、EGRを実施しても燃焼の悪化がほとんどないため、EGRガス量を多くしてNOx発生を抑制することができる。しかし、エンジンの高負荷域、すなわちシリンダ内で燃焼される燃料量が最大に近い領域では、EGRにより吸気中の酸素濃度が低下してシリンダ内の燃焼が悪化し、エンジン出力低下や黒煙の排出量増加という問題が生じる。したがって、一般にエンジンの高負荷域では、EGRのデメリットが増大するためEGRガス量は極わずか又は0となっている。すなわち、EGRガス流量は、エンジンの低・中負荷域では多く、エンジンの高負荷域では極わずか又は0となっている。
【0018】
以上をまとめると、エンジンの低・中負荷域では、EGRガス流量は多く且つ熱交換器を通過する冷却水流量も多いが、ラジエータの熱負荷は小さいので、熱交換器における熱交換がエンジン冷却水温度上昇に及ぼす影響はほとんどない。一方、エンジンの高負荷域では、ラジエータの熱負荷は増大するが、EGRガス流量は極わずか又は0であり且つ熱交換器を通過する冷却水流量は少ないので、熱交換器における熱交換がエンジン冷却水温度上昇に及ぼす影響は、低・中負荷域と同様にほとんどない。
【0019】
したがって、従来のエンジン冷却水回路が備えている、熱交換器を通過する冷却水流量を調整する調整手段やその駆動回路等を用いずに、熱交換器によりEGRガス温度を下げることができるので、熱交換器であるEGRガス用冷却手段を必要最小限度に単純化することのできるエンジン冷却水回路を実現できる。
【0020】
本発明の請求項2に記載のエンジン冷却水回路は、サーモスタットに替えて二方弁あるいは三方弁を設ける構成としている。これにより、バイパス水路の連通・遮断と第2水路の連通・遮断をそれぞれ独立して制御できるので、エンジン冷却水温度およびEGRガス温度をよりきめ細かく制御できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態によるエンジン冷却水回路を、自動車用エンジンに適用した場合を例に図に基づいて説明する。
【0022】
図1に、本発明の一実施形態によるエンジン冷却水回路1の全体回路図を示す。
【0023】
エンジン冷却水回路1は、図1に示すように、エンジン2と、エンジン2内のウォータジャケット(図示せず)を流れることによって加熱される冷却水を走行風や冷却ファン(図示せず)等によって冷却するためのラジエータ3と、ラジエータ3で冷却された冷却水を再びエンジン2のウォータジャケットへ供給する水ポンプ4と、冷却水温度に応じてラジエータを通さずに冷却水を循環させるために冷却水回路を切り替えるサーモスタット5とを備えている。そして、エンジン2、ラジエータ3、水ポンプ4およびサーモスタット5が互いに冷却水通路によって接続されている。この冷却水通路は、図1に示すように、エンジン2とラジエータ3の入り口3aを接続する第1水路7と、ラジエータ3の出口3bとサーモスタット5を接続する第2水路8と、サーモスタット5と水ポンプ4を接続する第3水路9と、第1水路7とサーモスタット5を接続するバイパス水路10とから構成されている。
【0024】
サーモスタット5は、たとえば、ワックスタイプのものが用いられ、冷却水温度に応じてサーモスタット5の弁部に封入されるワックスが膨張あるいは収縮することによって弁の開閉を行うものである。つまり、サーモスタット5によってバイパス水路10の連通および第2水路8の遮断と、バイパス水路10の遮断および第2水路8の連通とが切り替えられる。
【0025】
さらに、エンジン冷却回路には、熱交換器であるEGRガスクーラ6が設けられている。EGRガスクーラ6は、第2水路8と並列に設けられる第4水路11によりラジエータ3の出口3bに接続され、且つ第3水路9と並列に設けられる第5水路12により水ポンプ4に接続されている。つまり、ラジエータ3により冷却された冷却水は、第4水路11を経由してEGRガスクーラ6へ導入され、EGRガスクーラ6内を流れ、そして第5水路12を経由して水ポンプ4によりエンジン2に供給される。
【0026】
エンジン2の排気通路(図示せず)からは、EGRガスを取り出すためのEGRガス通路13が分岐し、図1に示すように、EGRガス通路13はEGRガスクーラ6に接続されている。また、EGRガスクーラ6は、EGRガス通路14を介してエンジン2の吸気通路(図示せず)にEGRガスを供給可能に接続されている。EGRガス通路13を経てEGRガスクーラ6に流入したEGRガスは、EGRガスクーラ内で冷却水と熱交換する、つまり冷却水により冷却されて、EGRガス通路14を経てエンジン2に供給される。また、EGRガス通路13の途中には、エンジン2に供給されるEGRガス流量を調節するためのEGR制御弁15が設けられている。そして、制御装置(図示せず)、あるいは、それに代わるものによって、エンジン2の色々な運転条件に応じてEGRを行うかどうか、EGRを行う場合にどれだけのEGRガスを供給するかということが決定されてEGR制御弁15を開閉制御するようになっている。
【0027】
次に、本発明の一実施形態によるエンジン冷却水回路1におけるEGRガス冷却に関する作用、効果について説明する。
【0028】
先ず、エンジン2の運転状態毎のエンジン冷却水回路1における冷却水が流れる経路について説明する。
【0029】
図2に、エンジン2の運転状態が低・中負荷域におけるエンジン冷却水回路1の全体回路図を示す。図3に、エンジン2の運転状態が高負荷域におけるエンジン冷却水回路1の全体回路図を示す。図2および図3において、破線は、その水路が遮断されていることを示し、矢印は冷却水の流れる方向を示す。
【0030】
(1)エンジンの運転状態が低・中負荷域の場合。
【0031】
この場合、エンジン2から冷却水に伝えられる熱量が少ないので冷却水温度は低くなっている。このため、サーモスタット5は、バイパス水路10を連通し且つ第2水路8を遮断している。したがって、エンジン2から出た冷却水は、図2において矢印で示すように流れる。すなわち、第1水路7→バイパス水路10→サーモスタット5→第3水路9を経て水ポンプ4に到る経路と、第1水路7→ラジエータ3→第4水路11→EGRガスクーラ6→第5水路12を経て水ポンプ4に到る経路の2系統となっている。これにより、バイパス水路10を連通させてラジエータ2を通過する冷却水流量を減少させて冷却水温度が過剰に低くなることを防止し、エンジン2各部の温度を適正に維持している。また、ラジエータ3を通って冷却された冷却水はEGRガスクーラ6内を流れてEGRガスを冷却する。
【0032】
(2)エンジンの運転状態が高負荷域の場合。
【0033】
この場合、エンジン2から冷却水に伝えられる熱量は多く冷却水温度は高くなっているので、サーモスタット5は、バイパス水路10を遮断し且つ第2水路8を連通している。したがって、エンジン2から出た冷却水は、第1水路7→ラジエータ3→第3水路8を経て水ポンプ4に到り再びエンジン2内に供給される。さらに、ラジエータ3で冷却された冷却水の一部は、第4水路11→EGRガスクーラ6→第5水路12を経て水ポンプ4に到る。これにより、ラジエータ3を通過する冷却水流量を増加させて冷却水温度を下げ、エンジン2各部の温度を適正に維持している。また、ラジエータ3を通って冷却された冷却水の一部はEGRガスクーラ6内を流れる。
【0034】
次に、エンジン2の運転状態毎のEGRガスクーラ6内を流れる冷却水流量について説明する。
【0035】
本発明の一実施形態によるエンジン冷却水回路1において、EGRガスクーラ6内は、サーモスタット5と並列に配置されている。したがって、EGRガスクーラ6を通過する冷却水流量とサーモスタット5を通過する冷却水流量は、EGRガスクーラ6の圧力損失とサーモスタット5における圧力損失との比に応じて定まる。
【0036】
ここで、サーモスタット5における圧力損失は、エンジンの低・中負荷時のようにバイパス水路10を連通し且つ第2水路8を遮断している場合は大きく、エンジンの高負荷時のようにバイパス水路10を遮断し且つ第2水路8を連通している場合は小さく設定されているので、冷却水温度が低いエンジンの低・中負荷時においてはエンジン冷却水回路1を循環する冷却水量を低減して冷却水温度の過冷却を抑制しエンジン2各部の温度を適正に維持すると共に、冷却水温度が高いエンジンの高負荷時においてはラジエータ3を通過する冷却水流量を増大させてラジエータ3の十分な放熱量を確保している。
【0037】
また、EGRガスクーラ6の圧力損失は、エンジン2の運転条件に関わらずほぼ一定である。
【0038】
このため、EGRガスクーラ6を通過する冷却水流量は、エンジン2の低・中負荷時には多くなり、エンジン2の高負荷時には少なくなる。
【0039】
一方、エンジン2の運転条件とEGRガス流量、つまりEGRガスクーラ6を通過するEGRガス流量との関係について考える。エンジン2の低負荷域および中負荷域、すなわちシリンダ内で燃焼される燃料量がそれほど多くない領域においては、EGRによる燃焼の悪化がほとんどないため、EGRガス量を多くしてNOx発生を抑制することができる。これに対し、エンジン2の高負荷域、すなわちシリンダ内で燃焼される燃料量が最大に近い領域では、EGRにより吸気中の酸素濃度が低下してシリンダ内の燃焼が悪化し、エンジン出力低下や黒煙の排出量増加という問題が生じる。したがって、エンジン2の高負荷域では、EGRガス量は極わずか又は0となっている。つまり、EGRガス流量は、エンジン2の低・中負荷域では多く、エンジン2の高負荷域では極わずか又は0となっている。したがって、EGRガスクーラ6におけるEGRガスの放熱量は、エンジン2の低・中負荷域においては多く、エンジン2の高負荷域では極わずか又は0となっている。
【0040】
すなわち、本発明の一実施形態によるエンジン冷却水回路1では、EGRガスクーラ6におけるEGRガスの放熱量が多いエンジン2の低・中負荷域において、EGRガスクーラ6を通過する冷却水流量を増加させ、EGRガス温度を低下させてEGRガスの充填率を高めてEGRによる排気ガス中のNOx 低減作用を高めると共に、EGRガスクーラ6におけるEGRガスの放熱量が極わずか又は0であるエンジン2の低・中負荷域において、EGRガスクーラ6を通過する冷却水流量を少なくして、ラジエータ3における冷却作用を阻害すること無しに、EGRガス温度を確実に低下させることを、EGRガスクーラ6をラジエータ3の出口3bと水ポンプ4の間にサーモスタット3と並列に配置する、という単純な構成を採ることで、自動的に行うことができる。
【0041】
なお、サーモスタット5の圧力損失特性を適宜設定することにより、エンジン冷却水回路1が適用されるエンジンにおける必要EGRガス流量に対応して、EGRガスクーラ6を通過する冷却水流量を調整することができる。
【0042】
以上説明した、本発明の一実施形態によるエンジン冷却水回路1においては、EGRガスクーラ6を、ラジエータ3の出口3bと水ポンプ4の間において、サーモスタット3と並列に配置している。これにより、従来のエンジン冷却水回路が備えているEGRガスクーラを通過する冷却水流量を調整するための調整手段やその駆動回路等を用いることなく、さらにはラジエータ3における冷却作用を阻害すること無しに、EGRガスクーラのみによりEGRガス温度を下げることができるので、EGRガス冷却手段を必要最小限度に単純化することのできるエンジン冷却水回路1を実現できる。
【0043】
なお、以上説明した、本発明の一実施形態によるエンジン冷却水回路1において、サーモスタット5に替えて、アクチュエータ駆動式の二方弁あるいは三方弁を設けてもよい。この場合、検出した冷却水温度に基づいてアクチュエータを作動させて二方弁あるいは三方弁の開度を制御すれば、ラジエータ3、EGRガスクーラ6、バイパス水路10それぞれを流れる冷却水量を、エンジン負荷に応じて最適な値とすることができる。
【0044】
また、以上説明した、本発明の一実施形態によるエンジン冷却水回路1が適用されるエンジンは水冷式であれば、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンのどちらでもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるエンジン冷却水回路1の全体回路図である。
【図2】エンジン2の低・中負荷時におけるエンジン冷却水回路1の全体回路図を示す。
【図3】エンジン2の高負荷時におけるエンジン冷却水回路1の全体回路図を示す。
【符号の説明】
1 エンジン冷却水回路
2 エンジン
3 ラジエータ
3a 入り口
3b 出口
4 水ポンプ
5 サーモスタット
6 EGRガスクーラ(熱交換器)
7 第1水路
8 第2水路
9 第3水路
10 バイパス水路
11 第4水路
12 第5水路
13 EGR通路
14 EGR通路
15 EGRバルブ
Claims (2)
- エンジン内に冷却水を供給する水ポンプと、
前記エンジンとラジエータの入り口を接続する第1水路と、
前記ラジエータの出口とサーモスタットを接続する第2水路と、
前記サーモスタットと前記水ポンプを接続する第3水路と、
前記第1水路と前記サーモスタットを接続するバイパス水路とを備え、
前記サーモスタットにより、前記バイパス水路の連通および前記第2水路の遮断と前記バイパス水路の遮断および前記第2水路の連通とが切り替えられるエンジン冷却水回路であって、
前記エンジンの排気通路から所定量の排気をエンジンの吸気通路へ還流させるEGR(排気再循環)通路途中に設けられ前記排気と前記冷却水とを熱交換させる熱交換器と、
前記第2水路と並列に設置され、前記熱交換器と前記ラジエータの出口を接続する第4水路と、
前記第3水路と並列に設置され、前記熱交換器と前記水ポンプを接続する第5水路とを備え、
前記サーモスタットにおける圧力損失は、前記サーモスタットが前記バイパス水路を連通し且つ前記第2水路を遮断している場合は大きく、前記バイパス水路を遮断し且つ前記第2水路を連通している場合は小さく設定されていることを特徴とするエンジン冷却水回路。 - 前記サーモスタットに替えて二方弁あるいは三方弁を設けることを特徴とする請求項1に記載のエンジン冷却水回路。
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