JP4088580B2 - 施錠機構付き引手装置、およびこれを備えたサッシ窓 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された引手装置は、障子の縦框から室内側に突出して回動可能に取り付けられた引手部材と、この引手部材の基端部に連結されて縦框内部から縦枠側に突出して設けられた係止金具と、この係止金具が係合する縦枠の係止軸とを備えて構成されている。そして、引手部材および係止金具は、係止金具が係止軸に係合する方向に付勢されており、引手部材を開放方向に引く操作に連動して係止金具が係止軸から外れて障子が開放され、障子を閉じた状態では、係止金具が係止軸に係合して施錠されるようになっている。
また、本発明の施錠機構付き引手装置は、サッシ窓の窓枠内に開閉自在に支持された障子の框材の室内側に取り付けられ、当該障子の開閉時に手で掴んで開閉操作するための引手部材と、前記障子を閉じた際に前記框材が当接する前記窓枠の枠材に設けられた受け部材とを備え、前記引手部材は、前記框材に一端が固定され、かつ当該框材から室内側に向かって延びる腕部と、この腕部の他端に連結されて前記框材と略平行に延び、前記障子の開閉時に手で掴む把持部とを有し、前記受け部材は、前記枠材の長手方向に沿った回動軸を中心にして回動可能に取り付けられるとともに、前記回動軸に基端が連結されて延出し、この延出した先端に室外側に折れ曲がった折曲部が形成され、前記障子を閉じた状態において、前記受け部材を回動させ、前記折曲部を前記引手部材の把持部に係合させることで、前記障子の開放動作が規制された施錠状態が構成されることを特徴とする。
さらに、本発明の施錠機構付き引手装置は、サッシ窓の窓枠内に開閉自在に支持された障子の框材の室内側に取り付けられ、当該障子の開閉時に手で掴んで開閉操作するための引手部材と、前記障子を閉じた際に前記框材が当接する前記窓枠の枠材に設けられた受け部材とを備え、前記引手部材は、前記框材に一端が固定され、かつ当該框材から室内側に向かって延びる腕部と、この腕部の他端に連結されて前記框材と略平行に延び、前記障子の開閉時に手で掴む把持部と、前記腕部の一端部から室内側に突出して形成された被係合部とを有し、前記受け部材は、前記枠材に対してスライド可能に取り付けられるとともに、当該枠材の見付け方向内方側に延出し、この延出した先端に室外側に折れ曲がった係合部が形成され、前記障子を閉じた状態において、前記受け部材をスライドさせ、前記係合部を前記引手部材の被係合部に係合させることで、前記障子の開放動作が規制された施錠状態が構成されることを特徴とする。
さらに、施錠状態および開錠状態を利用者が任意に選択することができ、障子を閉じた状態においても、引手部材と受け部材とを係合させなければ、施錠状態とならないので、引手部材やそれ以外の部分を操作して障子を開放することができ、室外側からでも障子を開放することができるため、利用者が閉め出されてしまうことがなく、利便性を確保することができる。
さらに、引手部材と受け部材との係合部分に若干の遊びを設けておけば、障子の框材と窓枠の枠材との間に隙間が形成されるので、施錠状態において、防犯性能を維持したまま換気機能を付加することができる。
この際、受け部材を枠材に一体に形成してもよく、また別体に形成した受け部材を枠材に固定してもよい。受け部材を枠材に一体に形成する場合には、通常アルミ形材で形成される枠材の長手方向に沿って受け部材を設けることで、容易に形成することができる。また、受け部材を枠材と別体に形成し固定する場合には、受け部材としてのピースをビス止めや溶接、嵌め込み等の固定手段で枠材に固定するだけでよく、枠材自体の形状を変更することなく、通常の枠材を用いることができるので、枠材の設計、製造にかかるコストの増加を防止することができる。
このような構成によれば、施錠状態において、障子の上方への移動が規制されるので、障子を持ち上げて窓枠から外すことができず、さらに防犯性を向上させることができる。
このような構成によれば、前述と同様の作用効果を有した引違い窓、片引き窓、上げ下げ窓、開き窓、辷り出し窓等のサッシ窓を構成することができる。
なお、第2実施形態以降において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。また、各図においては、主要構成部品の断面を示すハッチングが省略されている。
本発明の第1実施形態に係る施錠機構付き引手装置、およびこれを備えたサッシ窓について、図1ないし図5に基づいて説明する。
図1は、本実施形態のサッシ窓としての引違い窓10を示す室内側から見た正面図である。図2(A),(B)は、引違い窓10の一部を拡大して示す正面図である。図3は、引違い窓10に設けられた施錠機構付き引手装置20を示す斜視図である。図4、5は、それぞれ施錠機構付き引手装置20を示す横断面図である。
なお、本実施形態では、引違い窓10について説明を行うが、本発明のサッシ窓は、引違い窓に限らず、片引き窓であってもよい。
引手部材21は、縦框18にビス止め固定された全体略コ字形の支持部材23に、上下に延びる回動軸24を介して回動可能に取り付けられている。また、引手部材21は、回動軸24に沿って上下に延びる基部211と、基部211の上下端から水平に延びる2本の腕部212と、これらの腕部212の先端同士を連結して上下に延び、障子15の開閉時に手で掴むための把持部213とを有して、全体略ロ字形に形成されている。すなわち、引手部材21は、回動軸24に一端が連結された腕部212の水平長さに応じた回転半径で回動可能に支持部材23に支持されている。
なお、この隙間は、工具等を室外側から室内側に差し込むことができず、把持部213と折曲部223との係合を室外から外せない程度の大きさに設定されている。
(1)引手部材21を回動させて把持部213を受け部材22の折曲部223に係合させることで、障子15の開放動作が規制された施錠状態が構成されるので、利用者が必要に応じて引手部材21と受け部材22とを係合させればよく、障子15を開閉するたびに自動的に係合されることがないため、引手部材21や受け部材22の摩耗を防止して耐久性を確保することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る施錠機構付き引手装置について、図6、7に基づいて説明する。
図6は、本実施形態の施錠機構付き引手装置30を示す横断面図である。図7は、施錠機構付き引手装置30を示す斜視図である。
本実施形態の施錠機構付き引手装置30は、前述の第1実施形態と同様の引違い窓10に設けられたものである。
引手部材31は、縦框18に上下に離隔して固定された2つの腕部312と、これらの腕部312間に支持されて上下に延びる把持部313とを有している。腕部312は、一端が縦框18に固定され、この縦框18から室内側に向かって延びるとともに、縦枠13から離れる方向に折れ曲がって形成されている。把持部313は、腕部312の他端に連結された棒状の部材であり、手で掴みやすい太さを有している。
(8)受け部材32を回動させて折曲部323を引手部材31の把持部313に係合させることで、障子15の開放動作が規制された施錠状態が構成されるので、利用者が必要に応じて引手部材31と受け部材32とを係合させればよく、障子15を開閉するたびに自動的に係合されることがないため、引手部材31や受け部材32の摩耗を防止して耐久性を確保することができる。
次に、本発明の第3実施形態に係る施錠機構付き引手装置について、図8、9に基づいて説明する。
図8は、本実施形態の施錠機構付き引手装置40を示す横断面図である。図9は、施錠機構付き引手装置40を示す斜視図である。
本実施形態の施錠機構付き引手装置40は、前述の第1実施形態と同様の引違い窓10に設けられたものである。
引手部材41は、上下の腕部412と、これらの腕部412間に支持される把持部413と、上側の腕部412から縦枠側に延びるとともに、この延びた先端が室内側に折れ曲がって形成された被係合部414とを有している。すなわち、上側の腕部412は、一端が縦框18に固定され、この縦框18から室内側に延びて把持部413を支持する部分と、被係合部414とから略コ字形に形成されている。
さらに、受け部材42の上下寸法を引手部材41の被係合部414の上下寸法よりも長く形成し、施錠状態において受け部材42の係合部423が引手部材41の被係合部414の上方に余るようにしておけば、障子15が持ち上げられたとしても、係合部423と被係合部414との係合が外れることがないので、障子15を外れにくくすることができる。また、引手部材41の被係合部414の先端に折返しを形成し、この折返しに対応させて受け部材42の係合部423の先端にも折返しを形成すれば、室内外方向に関しても引手部材41と受け部材42とが係合され、施錠状態において障子15の外れを防止できるようになる。
(12)受け部材42をスライドさせて係合部423を引手部材41の被係合部414に係合させることで、障子15の開放動作が規制された施錠状態が構成されるので、利用者が必要に応じて引手部材41と受け部材42とを係合させればよく、障子15を開閉するたびに自動的に係合されることがないため、引手部材41や受け部材42の摩耗を防止して耐久性を確保することができる。
例えば、引手部材21,31,41や受け部材22,32,42の形態や、操作方法は、前記各実施形態において説明したものに限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。
さらに、前記第3実施形態では、引手部材41の上側の腕部412に被係合部414を形成したが、下側の腕部412や把持部413に被係合部を形成してもよい。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (5)
- サッシ窓の窓枠内に開閉自在に支持された障子の框材の室内側に取り付けられ、当該障子の開閉時に手で掴んで開閉操作するための引手部材と、
前記障子を閉じた際に前記框材が当接する前記窓枠の枠材に設けられた受け部材とを備え、
前記引手部材は、前記框材の長手方向に沿った回動軸を中心にして回動可能に取り付けられるとともに、前記回動軸に一端が連結された腕部と、この腕部の他端に連結され、前記障子の開閉時に手で掴む把持部とを有し、
前記受け部材は、前記枠材に基端が固定されるとともに、当該枠材の見付け方向内方側に延出し、この延出した先端に室内側に折れ曲がった折曲部が形成され、
前記障子を閉じた状態において、前記引手部材を回動させ、前記把持部を前記受け部材の折曲部に係合させることで、前記障子の開放動作が規制された施錠状態が構成される施錠機構付き引手装置。 - サッシ窓の窓枠内に開閉自在に支持された障子の框材の室内側に取り付けられ、当該障子の開閉時に手で掴んで開閉操作するための引手部材と、
前記障子を閉じた際に前記框材が当接する前記窓枠の枠材に設けられた受け部材とを備え、
前記引手部材は、前記框材に一端が固定され、かつ当該框材から室内側に向かって延びる腕部と、この腕部の他端に連結されて前記框材と略平行に延び、前記障子の開閉時に手で掴む把持部とを有し、
前記受け部材は、前記枠材の長手方向に沿った回動軸を中心にして回動可能に取り付けられるとともに、前記回動軸に基端が連結されて延出し、この延出した先端に室外側に折れ曲がった折曲部が形成され、
前記障子を閉じた状態において、前記受け部材を回動させ、前記折曲部を前記引手部材の把持部に係合させることで、前記障子の開放動作が規制された施錠状態が構成される施錠機構付き引手装置。 - サッシ窓の窓枠内に開閉自在に支持された障子の框材の室内側に取り付けられ、当該障子の開閉時に手で掴んで開閉操作するための引手部材と、
前記障子を閉じた際に前記框材が当接する前記窓枠の枠材に設けられた受け部材とを備え、
前記引手部材は、前記框材に一端が固定され、かつ当該框材から室内側に向かって延びる腕部と、この腕部の他端に連結されて前記框材と略平行に延び、前記障子の開閉時に手で掴む把持部と、前記腕部の一端部から室内側に突出して形成された被係合部とを有し、
前記受け部材は、前記枠材に対してスライド可能に取り付けられるとともに、当該枠材の見付け方向内方側に延出し、この延出した先端に室外側に折れ曲がった係合部が形成され、
前記障子を閉じた状態において、前記受け部材をスライドさせ、前記係合部を前記引手部材の被係合部に係合させることで、前記障子の開放動作が規制された施錠状態が構成される施錠機構付き引手装置。 - 前記施錠状態において、前記障子は、互いに係合された前記引手部材および受け部材によって上方への移動が規制されている請求項1から請求項3のいずれかに記載の施錠機構付き引手装置。
- 上枠、下枠、および左右の縦枠を四周枠組みして形成された窓枠と、上框、下框、および左右の縦框を四周框組みした内部に面材を嵌め込んで形成された障子と、請求項1から請求項4のいずれかに記載の施錠機構付き引手装置とを備えたサッシ窓。
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