JP4088373B2 - 自動車サイドモール成形用樹脂組成物及び自動車サイドモール - Google Patents

自動車サイドモール成形用樹脂組成物及び自動車サイドモール Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、柔軟性、寸法安定性、外観及び経済性に優れ、ベタツキの少ない自動車サイドモール成形用の樹脂組成物及び当該組成物を射出成形することにより得られる自動車サイドモールに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレン(プロピレンのホモポリマー、エチレン−プロピレンランダム共重合体及びエチレン−プロピレンブロック共重合体)を用いた成形品は、比較的に経済性に優れ、更にリサイクル性にも優れるため、さまざまな分野で使用されている。しかし、ポリプロピレンには、剛性が高く、更には寸法安定性が悪いという欠点があるため、自動車サイドモール材には適していない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これに対し、通常は、ポリプロピレンに、非結晶又は低結晶性を示すエラストマーを添加してポリプロピレンを柔軟化させている。しかしながら、この方法では、線膨張係数が大きくなり、寸法安定性にかけるなどの改良の余地があった。
また、ポリプロピレンの柔軟化及び寸法安定性を改良するため、ポリプロピレンに、非結晶又は低結晶性を示すエラストマーとタルクを同時に配合する方法が行われている。しかしながら、この方法では、エラストマーを多量に配合する必要があり、経済性の点で改良の余地があり、更に得られた成形品にフローマークが発生し、成形品の外観に悪影響を及ぼすことがあった。
【0004】
また、特開平7−258182号公報には、成形品の外観を改良する方法として、ポリプロピレンの高立体規則性化が提案されている。しかし、この方法では、ポリプロピレンが高剛性化してしまい、エラストマーを多量に添加する必要があり、更に流動性や寸法安定性の点でも改良の余地があった。
更にまた、柔軟性、寸法安定性及び成形品外観を改良する方法としては、特開平9−194553号公報に示されているように、プロピレン系ブロック共重合体におけるホモポリマー成分とエチレン−プロピレンのコポリマー成分の極限粘度などの制御が提案されている。しかし、この方法では、成形品のベタツキの点と流動性のバランスという点で改良の余地があった。
【0005】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、柔軟性、寸法安定性、外観及び経済性に優れ、しかもベタツキの少ない自動車サイドモール成形用の樹脂組成物及びこれを用いた自動車サイドモールを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記の課題を解決することを目的に鋭意検討をおこなった結果、プロピレンのホモポリマー成分とエチレン−プロピレン共重合体成分の重合生成比とそれぞれの成分の極限粘度を制御し、特定のエチレン系エラストマー、タルク及び分子量降下剤を適切に選択して使用することにより、柔軟性、寸法安定性、外観及び塗装性に優れ、ベタツキの少ない自動車サイドモール成形用樹脂組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明の自動車サイドモール成形用樹脂組成物は、(A)プロピレン系ブロック共重合体77.92〜81.94重量%と、(B)エチレン系エラストマー9〜11重量%と、(C)平均粒径が3.0μm以下であるタルク9〜11重量%と、(D)分子量降下剤0.06〜0.08重量%を配合して成る自動車サイドモール成形用樹脂組成物であって、
上記プロピレン系ブロック共重合体(A)がプロピレンのホモポリマー成分とエチレン−プロピレンのコポリマー成分を含み、
上記ホモポリマー成分の極限粘度[η]PP及び上記コポリマー成分の極限粘度[η]RCがともに1.8〜2.0dl/gであり、
上記ホモポリマー成分の重量WPPと上記コポリマー成分の重量WRCとの重量比(WPP/WRC )が1.9〜2.1であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の自動車サイドモールは、上述の成形用樹脂組成物を用いて得られることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の自動車サイドモール成形用樹脂組成物について詳細に説明する。
本発明の自動車サイドモール成形用樹脂組成物は、上述の如く、(A)プロピレン系ブロック共重合体77.92〜81.94重量%、(B)エチレン系エラストマー9〜11重量%、(C)平均粒径が3.0μm以下であるタルク9〜11重量%、及び(D)分子量降下剤0.06〜0.08重量%を配合して成る。
【0010】
ここで、プロピレン系ブロック共重合体(A)は、得られる自動車サイドモール用樹脂組成物に適切な柔軟性を付与する点から、ホモポリマー成分とコポリマー成分の重量比(WPP/WRC )が1.9〜2.1に制御されている。
PP/WRCが1.9未満の場合は、得られる自動車サイドモール用樹脂組成物に十分な柔軟性を付与できるが、材料のベタツキが発生する。一方、WPP/WRCが2.1を超えると、得られる自動車サイドモール用樹脂組成物におけるベタツキの発生が少ない反面、柔軟性が不足してしまう。
【0011】
また、ホモポリマー成分及びコポリマー成分の極限粘度[η]PP及び[η]RCは、ともに1.8〜2.0dl/gである。
極限粘度が2.0を超えると、得られる自動車サイドモール用樹脂組成物の流動性を確保すべく、分子量降下剤(D)を多量に配合する必要があり、得られる自動車サイドモール表面に、低分子量化したコポリマー成分がブリードアウトしてしまい、製品品質の低下が著しくなる。
【0012】
次に、エチレン系エラストマー(B)は、低結晶性又は非結晶性を示すエラストマーであり、具体的には、エチレン・プロピレン共重合体ゴム、エチレン・ブテン共重合体ゴム、エチレン・オクテン共重合体ゴムなどを挙げることができ、その配合量は9〜11重量%に調整される。
11重量%を超えると、得られる自動車サイドモール用樹脂組成物の柔軟性や寸法安定性の点では優れているが、材料のベタツキが発生する。9重量%未満では、材料のベタツキが少ない反面、柔軟性や寸法安定性が不十分となる。
【0013】
なお、エチレン系エラストマー(B)のメルトフローレート(以下、「MFR」と略す。)は、得られる自動車サイドモール用樹脂組成物の流動性とベタツキのバランスを図る観点から、10g/10min以上(230℃;21.18N)であることが好ましく、より好ましくは10〜30g/10min(230℃;21.18N)、更に好ましくは20〜30g/10min(230℃;21.18N)の範囲である。
MFRが10g/10min未満では、得られるサイドモール用樹脂組成物の流動性が低下してしまう。
【0014】
また、平均粒径が3.0μm以下のタルク(C)の配合量は、9〜11重量%に調整される。
11重量%を超えると、得られる自動車サイドモール用樹脂組成物の寸法安定性は極めて良好になるものの、材料自体の柔軟性が不足してしまう。
なお、タルクの平均粒径が3.0μmを超えると、得られる自動車サイドモールにフローマーク発生などの不具合が生じてしまう。。
【0015】
更に、分子量降下剤(D)としては、有機過酸化物を例示でき、具体的には、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチルパーアセテート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン−3、t−ブチル−ジ−パーアジペート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、メチル−エチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジキュミルパーオキサイド、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルキュミルパーオキサイド、1,1−ビス−(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス−(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス−(t−ブチルパーオキシ)ブタン、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、p−サイメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラ−メチルブチルハイドロパーオキサイド及び2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(ハイドロパーオキシ)ヘキサンなどを例示でき、これらは、1種単独でも2種以上を任意に組み合わせて使用することも可能である。
【0016】
また、上記分子量降下剤たる有機過酸化物の配合量は、0.06〜0.08重量%に調整される。
0.08重量%を超えると、得られる自動車サイドモール用樹脂組成物の流動性が極めて向上するが、ベタツキとのバランスを失したり、自動車サイドモール表面において、低分子量化したコポリマー成分がブリードアウトしたりして、製品品質の低下が著しくなる。
【0017】
なお、本発明の自動車サイドモール用樹脂組成物は、上述した(A)〜(D)成分を必須成分とするが、必要に応じて、従来のポリオレフィンに用いられている公知の添加剤を配合してもよい。
かかる添加剤としては、酸化防止剤、分散剤、紫外線吸収剤、光安定剤、中和剤、帯電防止剤、顔料及び滑剤等を例示できる。
【0018】
以下、本発明の自動車サイドモール成形用樹脂組成物の製造方法などについて説明する。
プロピレン系ブロック共重合体(A)では、まず、結晶性のホモポリマー成分が生成され、そのポリマー成分の極限粘度([η]PP)が直接測定される。続いて生成されるプロピレン−エチレンランダム共重合体であるコポリマー成分の極限粘度([η]RC)の測定方法は、得られるプロピレン系ブロック共重合体(A)全体の極限粘度[η]WHOLEを測定し、ホモポリマー成分の重量分率にホモポリマー成分の極限粘度[η]PPを掛けたものを減じ、これを全組成物、つまりコポリマー成分の分率で割った商としてコポリマー部の極限粘度[η]RCが求められる。
即ち、下記式(1)
【0019】
【数1】
Figure 0004088373
【0020】
なお、(1)式中のコポリマー成分の分率(WRC/100)は従来より知られている赤外線分析法などで求めることができる。
【0021】
上記プロピレン系ブロック共重合体(A)は、いかなる方法によって製造してもよく、例えば、ホモポリマーに本発明で規定した極限粘度を有するEPRを添加したブレンド物として得てもよい。また、チタン含有固体触媒成分を用いて重合したエチレン−プロピレンランダム共重合体をホモポリマーに添加し、ブレンド物として製造してもよい。
但し、経済性の観点からは、ホモポリマー成分を重合し、続いてコポリマー成分を連続的に製造する方法によって得るのが最も好ましい。
【0022】
本発明の自動車サイドモール成形用樹脂組成物は、一軸又は二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー又はロールなどの従来より知られている混練機を用い、上記各種成分(A)〜(D)及び必要な場合の各種添加剤を溶融・混練することにより製造することができる。
【0023】
また、本発明の自動車サイドモールは、上述した本発明の自動車サイドモール用樹脂組成物に射出成形などの各種成型法を適用することにより得られるものである。
具体的には、図7に示すように、フェンダーサイドモール9、フロントサイドモール10及びリアサイドモール11として使用される。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、これらは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び比較例において、得られた成形品の評価方法としては、以下に記すものを採用した。
【0025】
<評価方法>
基礎物性
◆メルトフローレート(MFR)
JIS K6758に規定された方法に従い、測定温度230℃、荷重21.18Nにて実施した。(単位:g/10min)
【0026】
◆曲げ弾性率
JIS K7203に規定された方法に従い、測定温度23℃、スパン長さ60mm、荷重速度1.5mm/minにて実施した(単位:MPa)。
JIS K6758に規定された方法に準拠して実施した。
【0027】
◆線膨張係数(寸法安定性)
JIS K7197に規定された方法に従い、昇温速度5℃/min、荷重2g、測定範囲−30℃〜80℃にて実施した(単位:×10−5cm/cm・℃)。
本評価では、線膨張係数が小さいほど、寸法安定性が優れていると言える。
【0028】
◆静摩擦係数
ASTM D1894に規定された方法に準拠して実施した(単位:無次元)。
【0029】
◆ブリード試験
100mm×100mm×2mmの平板状試験片を湿度50%、室温23℃の室内で720時間状態調節し、目視にて試験片表面にブリード物の発生があったものを「×」、発生のなかったものを「○」とした。
【0030】
製品試験
◆サイドモールの射出成形及び離型性の評価
自動車サイドモールは、図1及び図2に示した金型において、型締め力850tの射出成形機を用い、ホットランナー部6を経由し、端末より1箇所のフィルムゲート4から金型キャビティ部3に樹脂を注入し、射出成形して得た。
その際、サイドモール成形品(図3及び図4参照)がキャビティ金型1又はコア金型2から容易に取り出せた場合には、離型性を「○」、取り出せない場合には、離型性を「×」とした。
なお、成形時の各種条件としては、
射出圧:800kg/cm
射出速度:40mm/秒
シリンダー設定温度:210℃
ホットランナー部設定温度:220℃
を採用した。
【0031】
◆外観(フローマーク)試験
射出成形により得られたサイドモール成形品の外観を目視評価し、フローマーク8の発生の有無を確認し、フローマークの発生のないもの(図5参照)を「○」、発生が確認されたもの(図6参照)を「×」とした。
【0032】
◆サイドモールの自動車車体への貼付試験
アクリル系両面テープ(住友3M製)を介して、射出成形により得られたサイドモール成形品のリブ部7と鋼鉄製の板を貼り付ける。
次に、サイドモールの上面部に60℃に加熱したケロシンを1分間噴霧した後、予め−30℃に保持された恒温槽にて2時間冷却処理し、更に予め80℃に保持された恒温槽にて2時間加熱処理し、この冷却処理と加熱処理とをそれぞれ10回繰り返し処理して、サイドモール成形品が鋼鉄製の板から剥離しないものを「○」、剥離したものを「×」とした。
【0033】
下記の実施例及び比較例で使用した配合成分の材質や特性を以下に示す(表1参照)。
<配合成分>
●PP−1
[η]RC 1.9dl/g
[η]PP 1.9dl/g
PP/WRC 2.0
であるプロピレン系ブロック共重合体。
【0034】
●PP−2
[η]RC 3.0dl/g
[η]PP 3.0dl/g
PP/WRC 2.0
であるプロピレン系ブロック共重合体。
【0035】
●PP−3
[η]RC 2.0dl/g
[η]PP 2.0dl/g
PP/WRC 1.5
であるプロピレン系ブロック共重合体。
【0036】
●PP−4
[η]RC 1.5dl/g
[η]PP 1.5dl/g
PP/WRC 2.1
であるプロピレン系ブロック共重合体。
【0037】
●PP−5
[η]RC 2.1dl/g
[η]PP 2.1dl/g
PP/WRC 3.0
であるプロピレン系ブロック共重合体。
【0038】
●分子量降下剤
1,3−ビス(t−ブチル−パーオキシイソプロピル)ベンゼン
【0039】
●エチレン系エラストマー−1
オクテン含有量が20重量%、MFRが27g/10min(230℃;21.18N)であるエチレン・オクテン共重合体ゴム
●エチレン系エラストマー−2
オクテン含有量24重量%、MFRが2g/10min(230℃;21.18N)であるエチレン・オクテン共重合体ゴム
【0040】
●タルク−1
平均粒径が2.0μmであるタルク
●タルク−2
平均粒径が4.8μmであるタルク
【0041】
(実施例1、比較例1〜9)
後述の表1に示す配合(配合比:重量%)を採用し、PP−1〜5、分子量降下剤、エチレン系エラストマー、タルクを配合し、組成物を得た。更に該組成物100重量部、フェノール系酸化防止剤0.1重量部、ステアリン酸カルシウム0.1重量部を、高速撹拌式混合機(ヘンセルミキサー、商品名)で室温下にて3分間混合し、組成物を得、該組成物をスクリュー口径50mm、シリンダー設定温度200℃の押出造粒機(ナカタニ機械製NVC−50)を用いて造粒し、ペレット状の組成物を得た。
該組成物を、型締め力100tの射出成型機(東芝機械製 IS−100)を用い、シリンダー温度230℃、射出速度30mm/秒、金型通水温度50℃条件下で試験片を作成し、該試験片を湿度50%、室温23℃の室内で72時間状態調節した。次いで、MFR、曲げ弾性率、線膨張係数、静摩擦係数、ブリード試験の評価を行い、更に製品試験を実施した。評価結果を表1に示した。
【0042】
【表1】
Figure 0004088373
【0043】
表1により明かなように、本発明の範囲に属する実施例1は、ベタツキ、ブリードが少なく、柔軟性、寸法安定性及び外観の全てに優れていることが分かる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、プロピレンのホモポリマー成分とエチレン−プロピレン共重合体成分の重合生成比とそれぞれの成分の極限粘度を制御し、特定のエチレン系エラストマー、タルク及び分子量降下剤を適切に選択して使用することとしたため、柔軟性、寸法安定性、外観及び経済性に優れ、しかもベタツキの少ない自動車サイドモール成形用の樹脂組成物及びこれを用いた自動車サイドモールを提供することができる。
即ち、本発明の自動車サイドモール成形用樹脂組成物は、かかる優れた特性を有するため、これを成形原料として得られる自動車サイドモールは、図7に示したような自動車サイドモールとして使用するのに好適である。
【0045】
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車サイドモールの射出成形に用いた金型を示す断面図である。
【図2】自動車サイドモールの射出成形に用いたキャビティ金型の斜視図である。
【図3】自動車サイドモールの底面図である。
【図4】自動車サイドモールの断面図である。
【図5】自動車サイドモールの上面図である。
【図6】自動車サイドモールのフローマーク部を示す上面図である。
【図7】自動車サイドモールを使用した自動車を示す側面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・キャビティ金型部
2・・・・・・・・コア金型部
3・・・・・・・・キャビティ部
4・・・・・・・・ゲート部
5・・・・・・・・ランナー部
6・・・・・・・・ホットランナー部
7・・・・・・・・リブ部
8・・・・・・・・フローマーク部
9・・・・・・・・フェンダーサイドモール
10・・・・・・・フロントドアサイドモール
11・・・・・・・リアドアサイドモール

Claims (3)

  1. (A)プロピレン系ブロック共重合体77.92〜81.94重量%と、(B)エチレン系エラストマー9〜11重量%と、(C)平均粒径が3.0μm以下であるタルク9〜11重量%と、(D)分子量降下剤0.06〜0.08重量%を配合して成る自動車サイドモール成形用樹脂組成物であって、
    上記プロピレン系ブロック共重合体(A)がプロピレンのホモポリマー成分とエチレン−プロピレンのコポリマー成分を含み、
    上記ホモポリマー成分の極限粘度[η]PP 及び、上記プロピレン系ブロック共重合体(A)全体の極限粘度から、上記ホモポリマー成分の重量分率と上記ホモポリマー成分の極限粘度[η] PP との積を引いた差を、上記コポリマー成分の重量分率で割った商である[η]RCがともに1.8〜2.0dl/gであり、
    上記ホモポリマー成分の重量WPPと上記コポリマー成分の重量WRCとの重量比(WPP/WRC)が1.9〜2.1であることを特徴とする自動車サイドモール成形用樹脂組成物。
  2. エチレン系エラストマー(B)のメルトフローレートが、10g/10min以上(230℃;21.18N)であることを特徴とする請求項1記載の自動車サイドモール成形用樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2記載の成形用樹脂組成物を用いて得られることを特徴とする自動車サイドモール。
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