JP4087046B2 - 光ケーブル用アダプタ又はコネクタ及びその取付部材 - Google Patents
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Description
【０００１】
本発明は、光ケーブルを中継するために用いられる光ケーブル用アダプタ又はコネクタ及びその取付部材に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、光通信システムにおいて、光ケーブル相互間、又は光ケーブルと他の光デバイスとの間で着脱可能な接続を行なうために光コネクタが使用され、該光コネクタは光ケーブル端部に接続されるプラグと、該プラグを着脱可能に整列保持するアダプタとを備えている。該アダプタは、一般に、交換機等の装置の外板パネルに対して外側下方に傾斜させた状態で取付けられ、前記装置の外側から前記プラグを前記アダプタに接続する際に高出力のレーザ光等が作業者の目に侵入するのを防止している。
【０００３】
このように光ケーブル用アダプタを傾斜させて取付けた例としては、特開平１０−２３９５３０号公報又は特開２０００−１４７２６９号公報に開示されているものがある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平１０−２３９５３０号公報及び特開２０００−１４７２６９号公報に開示されているアダプタでは、図１４に示すように、複数（図１４では４個）のアダプタ１はそれぞれ別々に、曲げ加工した装置２の外板パネル３に垂直に取付けられるようになっている。そのため、前記各アダプタ１間に該アダプタ１を取付けるためのスペースが必要となり、実装密度の向上が図り難く、また、複数の前記アダプタ１をそれぞれ別々に前記外板パネル３に取付けなければならないため、取付け作業に手間が掛かるといった問題があった。また、外板パネルを曲げ加工する必要があるため、外板パネルの加工に手間が掛かっていた。
【０００５】
そこで、上記問題を解決するため、図１５に示すように、複数のアダプタ部４を並設させ一体成形した多連型アダプタ５を下方に傾斜させた状態で取付けることが考えられる。
【０００６】
しかしながら、前記多連型アダプタ５の場合、下端部分６が次第に前記装置２内部に入り込む取付け状態となるため、該装置２内のスペースの有効利用が図れず、実装密度が低下するおそれがある。また、前記アダプタ部４、特に前記多連型アダプタ５の下端部分６に対するプラグの着脱作業が行ない難いといった問題もあった。
【０００７】
そこで、本発明は、以上の点に鑑み、プラグ着脱時に作業者の目を保護し、着脱作業の容易化、実装密度の向上を図ることが可能な光ケーブル用アダプタ又はコネクタ及びその取付部材を提供するものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光ケーブル用プラグが着脱可能に接続される光ケーブル用アダプタ又はコネクタであって、平板状の取付パネルに設けた開口部にこの開口部を貫通させた状態で前記光ケーブル用アダプタ又はコネクタを取付けるための手段と、前記光ケーブル用プラグが着脱可能なプラグ嵌合部を有する、階段状に並設且つ一体化された、複数のアダプタ部又はコネクタ部と、を有し、前記光ケーブル用アダプタ又はコネクタを前記取り付けるための手段によって前記開口部に取付けたとき、前記複数のアダプタ部又はコネクタ部のプラグ嵌合部は前記取付パネルに対して斜めに傾斜された状態で前記取付パネルに沿って整列されることを特徴とする。
【０００９】
好ましくは、前記各アダプタ部又はコネクタ部間はそれぞれ隔壁により仕切られており、さらに、前記光ケーブル用プラグは２心であり、前記各プラグ嵌合部は前記２心の光ケーブル用プラグが着脱可能なように形成され、さらにまた、前記取付けるための手段は、前記各アダプタ部又はコネクタ部にフランジ部が傾斜して形成されたフランジ部であり、該フランジ部を介して前記取付パネルに固定されるようになっている。更に、前記取付けるための手段は、前記複数のアダプタ部又はコネクタ部とは別体で設けられた、前記取付パネルに沿うように形成されたパネル受け片と該パネル受け片に近接して片持ち梁状に形成されたアダプタロック片とを有し、前記パネル受け片と前記アダプタロック片とにより、上下方向に傾斜した姿勢で前記アダプタ又はコネクタを前記パネルに固定可能であってもよい。
【００１０】
また、本発明は、光ケーブル用プラグが着脱可能に接続される光ケーブル用アダプタ又はコネクタであって、一対のアダプタ部材又はコネクタ部材から構成され、前記光ケーブル用プラグが着脱可能なプラグ嵌合部を有する、アダプタ部又はコネクタ部であって、前記一対のアダプタ部材又はコネクタ部材は、それぞれ、階段状に並設且つ一体成形された、複数のアダプタ部又はコネクタ部から成っている、前記アダプタ部又はコネクタ部と、平板状の取付パネルに設けた開口部にこの開口部を貫通させた状態で前記光ケーブル用アダプタ又はコネクタを取付けるための手段であって、前記光ケーブル用アダプタ又はコネクタを構成する一対のアダプタ部材又はコネクタ部材のうちの一方のアダプタ部材又はコネクタ部材の側面に設けられた鍔部と、他方のアダプタ部材又はコネクタ部材の側面において前記鍔部に向かって片持ち梁状に設けられたアダプタロック片とを有し、前記鍔部と前記アダプタロック片とは、それぞれ前記取付パネルに沿うように形成されている、前記取付けるための手段と、を有し、前記光ケーブル用アダプタ又はコネクタを前記取付けるための手段によって前記開口部に取付けたとき、前記アダプタ部又はコネクタ部のプラグ嵌合部は前記取付パネルに対して斜めに傾斜された状態で前記取付パネルに沿って整列されることを特徴とするものであります。
好ましくは、前記アダプタ部材又はコネクタ部材は各先端面が突合わされた状態で接続されている。
このような構成により、プラグ着脱時における作業者の目への光の侵入を防止し、作業者の目を保護することができ、また、プラグのアダプタに対する着脱作業が容易となる。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を説明する。
【００１２】
図１から図３は、本発明の実施の形態に係る光ケーブル用アダプタの一例を示している。アダプタ１０は、一対の樹脂製アダプタ部材１１，１１’と、円筒形状の金属製割スリーブ１２とから構成され、前記各アダプタ部材１１，１１’は各先端面１３，１３’が突合わされた状態で接続されている。前記アダプタ部材１１，１１’はそれぞれ同一の構成を成しているので、以下、アダプタ部材１１についてのみ説明し、アダプタ部材１１’に関する説明は省略する。
【００１３】
前記アダプタ部材１１は、階段状に並設された複数（図示では４個）のアダプタ部１４と、外鍔状のフランジ部１５とを備え、前記各アダプタ部１４は前記フランジ部１５に対して一定角度、例えば、４５°傾斜して一体成形されている。また、前記各アダプタ部１４にはそれぞれ第１係止舌片１６、第２係止舌片１７が片持ち梁状に形成され、該第２係止舌片１７が前記アダプタ部１４’側の第１係止舌片１６’に係止することにより、前記一対のアダプタ部材１１，１１’が接続されている。
【００１４】
前記各アダプタ部１４の内部には、それぞれプラグ嵌合部１８が形成され、該各プラグ嵌合部１８間は隔壁１９により仕切られている。前記プラグ嵌合部１８には２個で１組のプラグロック片２０が２組対向して形成されている。該プラグロック片２０は先端側に延出する片持ち梁状を成し、前記プラグロック片２０の先端部には内側に突出した係止部２１が形成されている。さらに、前記プラグ嵌合部１８の先端側には割スリーブ収納部２２が２個形成され、また、該割スリーブ収納部２２の基端部内面は内側に***し、抜け止め部２３が形成されている。したがって、前記一対のアダプタ部材１１，１１’が接続されると、完全な割スリーブ収納部２４が２個形成され、該割スリーブ収納部２４内の前記抜け止め部２３，２３’間に前記割スリーブ１２が摺動可能に保持されるようになっている。
【００１５】
図４は前記プラグ嵌合部１８に着脱可能な２心プラグ２５の断面図であり、該プラグ２５は光ケーブル３０（図５参照）の心線端部（図示せず）を収容可能なフェルール２６と、該フェルール２６を先端方向へ付勢するバネ２７と、前記フェルール２６及びバネ２７を収容するハウジング２８とを備え、該ハウジング２８の両側には係止部２９が突設されている。
【００１６】
平板状で開口部３３を有する装置３１の外板パネル３２に前記アダプタ１０を取付ける場合、図５に示すように、前記プラグ嵌合部１８を外側下方に向けた姿勢で前記外板パネル３２の開口部３３に外側から前記アダプタ部１４’を挿入し、ボルト３４により前記フランジ部１５を前記外板パネル３２に固定する。前記各アダプタ部１４は前記フランジ部１５に対して４５°傾斜しているので、前記プラグ嵌合部１８は前記外板パネル３２に対して４５°傾斜した状態で固定される。
【００１７】
前述したように前記外板パネル３２に固定された前記アダプタ１０に前記２心プラグ２５を接続する場合、図５に示すように、前記光ケーブル３０，３０’の先端部に装着された前記プラグ２５，２５’を、前記装置３１外部では斜め上方に、また、前記装置３１内部では斜め下方に向けてそれぞれ前記プラグ嵌合部１８，１８’に挿入させる。前記プラグ２５，２５’の挿入に伴い、前記プラグロック片２０，２０’は前記係止部２１，２１’が前記プラグ側係止部２９，２９’に当接することにより外側に弾性変形する。その後、前記プラグロック片２０，２０’は、前記プラグ側係止部２９，２９’を完全に乗り越えると、その弾性力により内側に戻り、前記係止部２１，２１’が前記プラグ側係止部２９，２９’に係止し、前記プラグ２５，２５’はそれぞれ前記プラグ嵌合部１８，１８’内にロックされた状態となる。この間、前記両プラグ２５，２５’の各フェルール２６，２６’はそれぞれ前記割スリーブ１２内に挿入、整列保持され、互いに衝合した状態となる。また、前記プラグ２５を前記アダプタ１０から抜脱させる場合には前述した動作と逆の動作が行なわれる。
【００１８】
なお、上記実施の形態では、前記両プラグ２５，２５’が挿脱可能に形成されたアダプタについて説明したが、前記装置３１内部側のプラグ２５’は挿脱可能とせずにアダプタに固定し、前記装置３１外部側にプラグ２５が挿脱可能なコネクタ部を設けたコネクタに対して、本発明を適用することも可能である。この場合、前記コネクタ部は前記アダプタ部１４と同様の形状、構成を成す。
【００１９】
また、上記実施の形態においては、前記ボルト３４により前記アダプタ１０を前記外板パネル３２に取付けているが、図６から図９に示すように、一方の前記アダプタ部材１１の側面に所要数（図示では各側面に２個ずつで合計４個）の鍔部３５を形成させると共に他方の前記アダプタ部材１１’の各側面に前記鍔部３５に対応させてアダプタロック片３６を設けてもよい。この場合、該アダプタロック片３６は前記鍔部３５側に向かって片持ち梁状に形成され、その先端部には段差部３７が形成されている。そして、前記他方のアダプタ部材１１’の基端側から前記アダプタ１０を前記外板パネル３２の開口部３３に挿入すると、前記アダプタロック片３６は前記開口部３３の周縁部によって押圧され内側に弾性変形する。その後、前記開口部３３の周縁部が前記段差部３７まで達すると、前記アダプタロック片３６はその弾性力により元の状態に戻り、前記開口部３３の周縁部に係止し、前記アダプタ１０は前記外板パネル３２に固定された状態となる。
【００２０】
さらに、上記したように、前記外板パネル３２の取付部材を前記アダプタ部材１１，１１’と一体成形するのではなく、図１０から図１２に示すように、取付部材３８を前記アダプタ部材１１，１１’と別体とし、該アダプタ部材１１，１１'を覆うように設けてもよい。この場合、前記取付部材３８は、例えば、金属製であり、前記外板パネル３２に沿うように各側面に１個ずつ形成されたパネル受け片３９と、該パネル受け片３９の両端部４１，４２に近接して片持ち梁状に形成されたアダプタロック片４０とを有し、前記パネル受け片３９の両端部４１，４２は片持ち梁状に形成されている。そして、前記アダプタ部材１１’の基端側から前記アダプタ１０を前記外板パネル３２の開口部３３に挿入すると、前記アダプタロック片４０は前記開口部３３の周縁部によって押圧され内側に弾性変形する。その後、前記開口部３３の周縁部が前記アダプタロック片４０を乗り越えると、前記アダプタロック片４０はその弾性力により元の状態に戻り、前記開口部３３の周縁部は前記パネル受け片３９と前記アダプタロック片４０とで挟持され、前記パネル受け片３９の弾性力により前記アダプタ１０は前記外板パネル３２に固定された状態となる。
【００２１】
図１３は、前記アダプタ部材１１，１１’とは別個に取付部材４３を設けた他の例を示しており、パネル受け片４４はアダプタロック片４０に対応して該アダプタロック片４０と同数（図１３では２個）、前記取付部材４３の各側面に形成されている。この場合における前記アダプタ１０の前記外板パネル３２への取付手順は前記取付部材３８の場合と同様であるので説明は省略する。
【００２２】
なお、上記実施の形態では、前記アダプタ１０が階段状に形成されている場合について説明したが、前記各プラグ嵌合部１８が上下方向に傾斜した姿勢で前記取付パネルに沿って整列するように設けられていれば、側面形状が他の形状を成していてもよい。
【００２３】
さらに、上記実施の形態においては、２心プラグを例に挙げて説明したが、本発明を単心プラグ又は多心プラグ用のアダプタにも適用可能であることは言う迄もない。
【００２４】
【発明の効果】
以上述べた如く本発明によれば、アダプタは取付パネルに対して傾斜して設けられているので、プラグ着脱時における作業者の目への光の侵入を防止し、作業者の目を保護することができる。また、各プラグ嵌合部は前記取付パネルに沿って整列されているので、プラグのアダプタに対する着脱作業が容易となる。さらに、複数のプラグ嵌合部が一体化されているので、実装密度の向上が可能となる。さらにまた、取付パネルを曲げ加工する必要がなくなり、取付パネルの加工が容易となる等種々の優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態を示す側面図である。
【図２】図１のＡ矢視図である。
【図３】図１のＢ−Ｂ断面図である。
【図４】本発明の実施の形態に係るアダプタに着脱されるプラグの断面図である。
【図５】本発明の実施の形態に係るアダプタにプラグを接続する手順を示す側面図である。
【図６】本発明の実施の形態における他の例を示す側面図である。
【図７】図６のＣ矢視図である。
【図８】図６のＤ−Ｄ断面図である。
【図９】本発明の実施の形態に係るアダプタにプラグを接続する手順を示す側面図である。
【図１０】本発明の実施の形態における他の例を示す側面図である。
【図１１】図１０のＥ矢視図である。
【図１２】図１０のＦ−Ｆ断面図である。
【図１３】本発明の実施の形態における他の例を示す側面図である。
【図１４】従来例を示す概略側面図である。
【図１５】従来例を示す概略側面図である。
【符号の説明】
１０ アダプタ
１４ アダプタ部
１８ プラグ嵌合部
２５ プラグ
本発明は、光ケーブルを中継するために用いられる光ケーブル用アダプタ又はコネクタ及びその取付部材に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、光通信システムにおいて、光ケーブル相互間、又は光ケーブルと他の光デバイスとの間で着脱可能な接続を行なうために光コネクタが使用され、該光コネクタは光ケーブル端部に接続されるプラグと、該プラグを着脱可能に整列保持するアダプタとを備えている。該アダプタは、一般に、交換機等の装置の外板パネルに対して外側下方に傾斜させた状態で取付けられ、前記装置の外側から前記プラグを前記アダプタに接続する際に高出力のレーザ光等が作業者の目に侵入するのを防止している。
【０００３】
このように光ケーブル用アダプタを傾斜させて取付けた例としては、特開平１０−２３９５３０号公報又は特開２０００−１４７２６９号公報に開示されているものがある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平１０−２３９５３０号公報及び特開２０００−１４７２６９号公報に開示されているアダプタでは、図１４に示すように、複数（図１４では４個）のアダプタ１はそれぞれ別々に、曲げ加工した装置２の外板パネル３に垂直に取付けられるようになっている。そのため、前記各アダプタ１間に該アダプタ１を取付けるためのスペースが必要となり、実装密度の向上が図り難く、また、複数の前記アダプタ１をそれぞれ別々に前記外板パネル３に取付けなければならないため、取付け作業に手間が掛かるといった問題があった。また、外板パネルを曲げ加工する必要があるため、外板パネルの加工に手間が掛かっていた。
【０００５】
そこで、上記問題を解決するため、図１５に示すように、複数のアダプタ部４を並設させ一体成形した多連型アダプタ５を下方に傾斜させた状態で取付けることが考えられる。
【０００６】
しかしながら、前記多連型アダプタ５の場合、下端部分６が次第に前記装置２内部に入り込む取付け状態となるため、該装置２内のスペースの有効利用が図れず、実装密度が低下するおそれがある。また、前記アダプタ部４、特に前記多連型アダプタ５の下端部分６に対するプラグの着脱作業が行ない難いといった問題もあった。
【０００７】
そこで、本発明は、以上の点に鑑み、プラグ着脱時に作業者の目を保護し、着脱作業の容易化、実装密度の向上を図ることが可能な光ケーブル用アダプタ又はコネクタ及びその取付部材を提供するものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光ケーブル用プラグが着脱可能に接続される光ケーブル用アダプタ又はコネクタであって、平板状の取付パネルに設けた開口部にこの開口部を貫通させた状態で前記光ケーブル用アダプタ又はコネクタを取付けるための手段と、前記光ケーブル用プラグが着脱可能なプラグ嵌合部を有する、階段状に並設且つ一体化された、複数のアダプタ部又はコネクタ部と、を有し、前記光ケーブル用アダプタ又はコネクタを前記取り付けるための手段によって前記開口部に取付けたとき、前記複数のアダプタ部又はコネクタ部のプラグ嵌合部は前記取付パネルに対して斜めに傾斜された状態で前記取付パネルに沿って整列されることを特徴とする。
【０００９】
好ましくは、前記各アダプタ部又はコネクタ部間はそれぞれ隔壁により仕切られており、さらに、前記光ケーブル用プラグは２心であり、前記各プラグ嵌合部は前記２心の光ケーブル用プラグが着脱可能なように形成され、さらにまた、前記取付けるための手段は、前記各アダプタ部又はコネクタ部にフランジ部が傾斜して形成されたフランジ部であり、該フランジ部を介して前記取付パネルに固定されるようになっている。更に、前記取付けるための手段は、前記複数のアダプタ部又はコネクタ部とは別体で設けられた、前記取付パネルに沿うように形成されたパネル受け片と該パネル受け片に近接して片持ち梁状に形成されたアダプタロック片とを有し、前記パネル受け片と前記アダプタロック片とにより、上下方向に傾斜した姿勢で前記アダプタ又はコネクタを前記パネルに固定可能であってもよい。
【００１０】
また、本発明は、光ケーブル用プラグが着脱可能に接続される光ケーブル用アダプタ又はコネクタであって、一対のアダプタ部材又はコネクタ部材から構成され、前記光ケーブル用プラグが着脱可能なプラグ嵌合部を有する、アダプタ部又はコネクタ部であって、前記一対のアダプタ部材又はコネクタ部材は、それぞれ、階段状に並設且つ一体成形された、複数のアダプタ部又はコネクタ部から成っている、前記アダプタ部又はコネクタ部と、平板状の取付パネルに設けた開口部にこの開口部を貫通させた状態で前記光ケーブル用アダプタ又はコネクタを取付けるための手段であって、前記光ケーブル用アダプタ又はコネクタを構成する一対のアダプタ部材又はコネクタ部材のうちの一方のアダプタ部材又はコネクタ部材の側面に設けられた鍔部と、他方のアダプタ部材又はコネクタ部材の側面において前記鍔部に向かって片持ち梁状に設けられたアダプタロック片とを有し、前記鍔部と前記アダプタロック片とは、それぞれ前記取付パネルに沿うように形成されている、前記取付けるための手段と、を有し、前記光ケーブル用アダプタ又はコネクタを前記取付けるための手段によって前記開口部に取付けたとき、前記アダプタ部又はコネクタ部のプラグ嵌合部は前記取付パネルに対して斜めに傾斜された状態で前記取付パネルに沿って整列されることを特徴とするものであります。
好ましくは、前記アダプタ部材又はコネクタ部材は各先端面が突合わされた状態で接続されている。
このような構成により、プラグ着脱時における作業者の目への光の侵入を防止し、作業者の目を保護することができ、また、プラグのアダプタに対する着脱作業が容易となる。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を説明する。
【００１２】
図１から図３は、本発明の実施の形態に係る光ケーブル用アダプタの一例を示している。アダプタ１０は、一対の樹脂製アダプタ部材１１，１１’と、円筒形状の金属製割スリーブ１２とから構成され、前記各アダプタ部材１１，１１’は各先端面１３，１３’が突合わされた状態で接続されている。前記アダプタ部材１１，１１’はそれぞれ同一の構成を成しているので、以下、アダプタ部材１１についてのみ説明し、アダプタ部材１１’に関する説明は省略する。
【００１３】
前記アダプタ部材１１は、階段状に並設された複数（図示では４個）のアダプタ部１４と、外鍔状のフランジ部１５とを備え、前記各アダプタ部１４は前記フランジ部１５に対して一定角度、例えば、４５°傾斜して一体成形されている。また、前記各アダプタ部１４にはそれぞれ第１係止舌片１６、第２係止舌片１７が片持ち梁状に形成され、該第２係止舌片１７が前記アダプタ部１４’側の第１係止舌片１６’に係止することにより、前記一対のアダプタ部材１１，１１’が接続されている。
【００１４】
前記各アダプタ部１４の内部には、それぞれプラグ嵌合部１８が形成され、該各プラグ嵌合部１８間は隔壁１９により仕切られている。前記プラグ嵌合部１８には２個で１組のプラグロック片２０が２組対向して形成されている。該プラグロック片２０は先端側に延出する片持ち梁状を成し、前記プラグロック片２０の先端部には内側に突出した係止部２１が形成されている。さらに、前記プラグ嵌合部１８の先端側には割スリーブ収納部２２が２個形成され、また、該割スリーブ収納部２２の基端部内面は内側に***し、抜け止め部２３が形成されている。したがって、前記一対のアダプタ部材１１，１１’が接続されると、完全な割スリーブ収納部２４が２個形成され、該割スリーブ収納部２４内の前記抜け止め部２３，２３’間に前記割スリーブ１２が摺動可能に保持されるようになっている。
【００１５】
図４は前記プラグ嵌合部１８に着脱可能な２心プラグ２５の断面図であり、該プラグ２５は光ケーブル３０（図５参照）の心線端部（図示せず）を収容可能なフェルール２６と、該フェルール２６を先端方向へ付勢するバネ２７と、前記フェルール２６及びバネ２７を収容するハウジング２８とを備え、該ハウジング２８の両側には係止部２９が突設されている。
【００１６】
平板状で開口部３３を有する装置３１の外板パネル３２に前記アダプタ１０を取付ける場合、図５に示すように、前記プラグ嵌合部１８を外側下方に向けた姿勢で前記外板パネル３２の開口部３３に外側から前記アダプタ部１４’を挿入し、ボルト３４により前記フランジ部１５を前記外板パネル３２に固定する。前記各アダプタ部１４は前記フランジ部１５に対して４５°傾斜しているので、前記プラグ嵌合部１８は前記外板パネル３２に対して４５°傾斜した状態で固定される。
【００１７】
前述したように前記外板パネル３２に固定された前記アダプタ１０に前記２心プラグ２５を接続する場合、図５に示すように、前記光ケーブル３０，３０’の先端部に装着された前記プラグ２５，２５’を、前記装置３１外部では斜め上方に、また、前記装置３１内部では斜め下方に向けてそれぞれ前記プラグ嵌合部１８，１８’に挿入させる。前記プラグ２５，２５’の挿入に伴い、前記プラグロック片２０，２０’は前記係止部２１，２１’が前記プラグ側係止部２９，２９’に当接することにより外側に弾性変形する。その後、前記プラグロック片２０，２０’は、前記プラグ側係止部２９，２９’を完全に乗り越えると、その弾性力により内側に戻り、前記係止部２１，２１’が前記プラグ側係止部２９，２９’に係止し、前記プラグ２５，２５’はそれぞれ前記プラグ嵌合部１８，１８’内にロックされた状態となる。この間、前記両プラグ２５，２５’の各フェルール２６，２６’はそれぞれ前記割スリーブ１２内に挿入、整列保持され、互いに衝合した状態となる。また、前記プラグ２５を前記アダプタ１０から抜脱させる場合には前述した動作と逆の動作が行なわれる。
【００１８】
なお、上記実施の形態では、前記両プラグ２５，２５’が挿脱可能に形成されたアダプタについて説明したが、前記装置３１内部側のプラグ２５’は挿脱可能とせずにアダプタに固定し、前記装置３１外部側にプラグ２５が挿脱可能なコネクタ部を設けたコネクタに対して、本発明を適用することも可能である。この場合、前記コネクタ部は前記アダプタ部１４と同様の形状、構成を成す。
【００１９】
また、上記実施の形態においては、前記ボルト３４により前記アダプタ１０を前記外板パネル３２に取付けているが、図６から図９に示すように、一方の前記アダプタ部材１１の側面に所要数（図示では各側面に２個ずつで合計４個）の鍔部３５を形成させると共に他方の前記アダプタ部材１１’の各側面に前記鍔部３５に対応させてアダプタロック片３６を設けてもよい。この場合、該アダプタロック片３６は前記鍔部３５側に向かって片持ち梁状に形成され、その先端部には段差部３７が形成されている。そして、前記他方のアダプタ部材１１’の基端側から前記アダプタ１０を前記外板パネル３２の開口部３３に挿入すると、前記アダプタロック片３６は前記開口部３３の周縁部によって押圧され内側に弾性変形する。その後、前記開口部３３の周縁部が前記段差部３７まで達すると、前記アダプタロック片３６はその弾性力により元の状態に戻り、前記開口部３３の周縁部に係止し、前記アダプタ１０は前記外板パネル３２に固定された状態となる。
【００２０】
さらに、上記したように、前記外板パネル３２の取付部材を前記アダプタ部材１１，１１’と一体成形するのではなく、図１０から図１２に示すように、取付部材３８を前記アダプタ部材１１，１１’と別体とし、該アダプタ部材１１，１１'を覆うように設けてもよい。この場合、前記取付部材３８は、例えば、金属製であり、前記外板パネル３２に沿うように各側面に１個ずつ形成されたパネル受け片３９と、該パネル受け片３９の両端部４１，４２に近接して片持ち梁状に形成されたアダプタロック片４０とを有し、前記パネル受け片３９の両端部４１，４２は片持ち梁状に形成されている。そして、前記アダプタ部材１１’の基端側から前記アダプタ１０を前記外板パネル３２の開口部３３に挿入すると、前記アダプタロック片４０は前記開口部３３の周縁部によって押圧され内側に弾性変形する。その後、前記開口部３３の周縁部が前記アダプタロック片４０を乗り越えると、前記アダプタロック片４０はその弾性力により元の状態に戻り、前記開口部３３の周縁部は前記パネル受け片３９と前記アダプタロック片４０とで挟持され、前記パネル受け片３９の弾性力により前記アダプタ１０は前記外板パネル３２に固定された状態となる。
【００２１】
図１３は、前記アダプタ部材１１，１１’とは別個に取付部材４３を設けた他の例を示しており、パネル受け片４４はアダプタロック片４０に対応して該アダプタロック片４０と同数（図１３では２個）、前記取付部材４３の各側面に形成されている。この場合における前記アダプタ１０の前記外板パネル３２への取付手順は前記取付部材３８の場合と同様であるので説明は省略する。
【００２２】
なお、上記実施の形態では、前記アダプタ１０が階段状に形成されている場合について説明したが、前記各プラグ嵌合部１８が上下方向に傾斜した姿勢で前記取付パネルに沿って整列するように設けられていれば、側面形状が他の形状を成していてもよい。
【００２３】
さらに、上記実施の形態においては、２心プラグを例に挙げて説明したが、本発明を単心プラグ又は多心プラグ用のアダプタにも適用可能であることは言う迄もない。
【００２４】
【発明の効果】
以上述べた如く本発明によれば、アダプタは取付パネルに対して傾斜して設けられているので、プラグ着脱時における作業者の目への光の侵入を防止し、作業者の目を保護することができる。また、各プラグ嵌合部は前記取付パネルに沿って整列されているので、プラグのアダプタに対する着脱作業が容易となる。さらに、複数のプラグ嵌合部が一体化されているので、実装密度の向上が可能となる。さらにまた、取付パネルを曲げ加工する必要がなくなり、取付パネルの加工が容易となる等種々の優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態を示す側面図である。
【図２】図１のＡ矢視図である。
【図３】図１のＢ−Ｂ断面図である。
【図４】本発明の実施の形態に係るアダプタに着脱されるプラグの断面図である。
【図５】本発明の実施の形態に係るアダプタにプラグを接続する手順を示す側面図である。
【図６】本発明の実施の形態における他の例を示す側面図である。
【図７】図６のＣ矢視図である。
【図８】図６のＤ−Ｄ断面図である。
【図９】本発明の実施の形態に係るアダプタにプラグを接続する手順を示す側面図である。
【図１０】本発明の実施の形態における他の例を示す側面図である。
【図１１】図１０のＥ矢視図である。
【図１２】図１０のＦ−Ｆ断面図である。
【図１３】本発明の実施の形態における他の例を示す側面図である。
【図１４】従来例を示す概略側面図である。
【図１５】従来例を示す概略側面図である。
【符号の説明】
１０ アダプタ
１４ アダプタ部
１８ プラグ嵌合部
２５ プラグ
Claims (8)
- 光ケーブル用プラグが着脱可能に接続される光ケーブル用アダプタ又はコネクタであって、
平板状の取付パネルに設けた開口部にこの開口部を貫通させた状態で前記光ケーブル用アダプタ又はコネクタを取付けるための手段と、
前記光ケーブル用プラグが着脱可能なプラグ嵌合部を有する、階段状に並設且つ一体化された、複数のアダプタ部又はコネクタ部と、を有し、
前記光ケーブル用アダプタ又はコネクタを前記取り付けるための手段によって前記開口部に取付けたとき、前記複数のアダプタ部又はコネクタ部のプラグ嵌合部は前記取付パネルに対して斜めに傾斜された状態で前記取付パネルに沿って整列されることを特徴とする光ケーブル用アダプタ又はコネクタ。 - 前記各アダプタ部又はコネクタ部間はそれぞれ隔壁により仕切られている請求項１に記載の光ケーブル用アダプタ又はコネクタ。
- 前記光ケーブル用プラグは２心であり、前記各プラグ嵌合部は前記２心の光ケーブル用プラグが着脱可能なように形成されている請求項１又は２に記載の光ケーブル用アダプタ又はコネクタ。
- 前記取付けるための手段は、前記各アダプタ部又はコネクタ部にフランジ部が傾斜して形成されたフランジ部であり、該フランジ部を介して前記取付パネルに固定される請求項１乃至３のいずれか１の請求項に記載の光ケーブル用アダプタ又はコネクタ。
- 前記取付けるための手段は、前記複数のアダプタ部又はコネクタ部とは別体で設けられた、前記取付パネルに沿うように形成されたパネル受け片と該パネル受け片に近接して片持ち梁状に形成されたアダプタロック片とを有し、前記パネル受け片と前記アダプタロック片とにより、上下方向に傾斜した姿勢で前記アダプタ又はコネクタを前記パネルに固定可能である請求項１に記載の光ケーブル用アダプタ又はコネクタ。
- 光ケーブル用プラグが着脱可能に接続される光ケーブル用アダプタ又はコネクタであって、
一対のアダプタ部材又はコネクタ部材から構成され、前記光ケーブル用プラグが着脱可能なプラグ嵌合部を有する、アダプタ部又はコネクタ部であって、前記一対のアダプタ部材又はコネクタ部材は、それぞれ、階段状に並設且つ一体成形された、複数のアダプタ部又はコネクタ部から成っている、前記アダプタ部又はコネクタ部と、
平板状の取付パネルに設けた開口部にこの開口部を貫通させた状態で前記光ケーブル用アダプタ又はコネクタを取付けるための手段であって、前記光ケーブル用アダプタ又はコネクタを構成する一対のアダプタ部材又はコネクタ部材のうちの一方のアダプタ部材又はコネクタ部材の側面に設けられた鍔部と、他方のアダプタ部材又はコネクタ部材の側面において前記鍔部に向かって片持ち梁状に設けられたアダプタロック片とを有し、前記鍔部と前記アダプタロック片とは、それぞれ前記取付パネルに沿うように形成されている、前記取付けるための手段と、を有し、
前記光ケーブル用アダプタ又はコネクタを前記取付けるための手段によって前記開口部に取付けたとき、前記アダプタ部又はコネクタ部のプラグ嵌合部は前記取付パネルに対して斜めに傾斜された状態で前記取付パネルに沿って整列されることを特徴とする光ケーブル用アダプタ又はコネクタ。 - 前記一対のアダプタ部材又はコネクタ部材は各先端面が突合わされた状態で接続されている請求項６に記載の光ケーブル用アダプタ又はコネクタ。
- 前記プラグ嵌合部には２個で１組のプラグロック片が対向して形成されている請求項６又は７に記載の光ケーブル用アダプタ又はコネクタ。
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