JP4082881B2 - スパークプラグの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスパークプラグ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の点火用に使用されるスパークプラグにおいては、近年、耐火花消耗性向上のために、Ni基あるいはFe基の耐熱合金で構成された中心電極の先端にPtやIr等を主体とする貴金属チップを溶接して貴金属発火部を形成したタイプのものが使用されている。例えば接地電極と対向して火花放電ギャップを形成することになる中心電極の先端面に貴金属チップを接合する場合、その製造方法として、円柱状の貴金属チップを中心電極の先端面(チップ被固着面)に重ね合わせ、中心電極を回転させながら貴金属チップの外周に沿ってレーザー光を照射することにより、全周レーザー溶接部を形成する方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記全周レーザー溶接部を有したスパークプラグにおいては、レーザー溶接部の形成形態や精度に特に注意を払う必要がある。しかしながら、従来は、レーザー照射の条件等にもっぱら注意が向けられており、溶接強度や火花放電ギャップ調整の利便性、さらには発火部の寿命等を最適化する観点において、必ずしも十分な結果が得られていなかった。
【0004】
本発明の課題は、溶接される貴金属チップと中心電極、さらには溶接後の発火部と中心電極との相対的な位置関係に着目して、発火部の接合強度や発火部寿命等を一層向上させることができるスパークプラグの構造およびその製造方法とを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記の課題を解決するために本発明のスパークプラグの製造方法は、円筒面状の外周面をなす本体部を有する中心電極と、
その中心電極の軸線方向における先端に全周レーザー溶接部を介して固着されるとともに、円筒面状の外周面を有する貴金属発火部と、
貴金属発火部の軸線方向における先端面に側面が対向する形で配置され、該貴金属発火部との間に火花放電ギャップを形成する接地電極とを備えたスパークプラグの製造方法であって、
中心電極の軸線方向における先端面に、円筒状の外周面を有する貴金属チップを、同軸度が0.15mm以下となるように位置決めしつつ重ね合わせて重ね合わせ組立体を作るチップ位置決め工程と、
該重ね合わせ組立体に対し、上記中心電極の中心軸線に関する周方向にレーザービームを照射することにより、中心電極の先端面の形成部位と、貴金属チップとにまたがり、かつ貴金属チップの円筒状の外周面の先端側部分を残す形にて全周レーザー溶接部を形成する溶接工程とを含とを含み、
チップ位置決め工程において、中心電極の本体部の外周面に着脱可能に装着される装着部と、その装着部において前記本体部に装着されることにより、自身が保持する貴金属チップを本体部の前記外周面に対し同心的に位置決めする装着部と一体化されたチップ保持部とを有するチップ位置決め治具を使用することを特徴とする。
【0007】
中心電極に、発火部となるべき貴金属チップをレーザー溶接により接合する場合、中心電極の先端面に貴金属チップを載置して、中心電極と貴金属チップとの境界面近傍において、レーザー光を周方向に相対移動させながら照射し、中心電極母材と貴金属チップとにまたがる全周溶接部を形成して接合を行なう。そして、レーザー溶接部により中心電極と貴金属チップとを接合したスパークプラグの性能や寿命に影響を及ぼす要因を種々検討したところ、各々円筒面状の貴金属チップの外周面と中心電極の本体をなす本体部外周面との同軸度により、レーザー溶接部による貴金属チップの接合状態が大きく変化することが判明した。そして、さらに鋭意検討を重ねた結果、該同軸度をある限界値以下、具体的には0.15mm以下に留めることにより、溶接強度や、貴金属発火部の寿命や耐久性が劇的に改善されることを見出して、本発明のスパークプラグを完成するに至ったのである。
【0008】
また、中心電極の本体部と貴金属チップとを上記のような同軸度にて接合した構造を得るには、本発明の方法のように、溶接前の段階で、同軸度が0.15mm以下となるように中心電極本体部と貴金属チップとを位置決めし、その状態で全周レーザー溶接部を形成することが重要である。
【0009】
同軸度が上記限界値を超えて大きくなった場合、貴金属チップの中心軸線が中心電極の中心軸線から偏心しているために、中心電極と貴金属チップとの境界面付近において、重ね合わせ組立体の周方向の熱容量分布も不均一となる。そのため、一定条件でレーザービームを照射しても、その熱容量分布の影響により、形成されるレーザー溶接部の深さ及び幅(軸線方向における溶接部の長さ)が不均一化しやすくなり、溶接強度の低下につながる。また、中心電極の先端に形成される発火部の中心軸線が中心電極の本体部の中心軸線から偏心することで、接地電極側の発火部に対する偏心も生じやすくなり、スパークプラグ使用時に発火部の偏摩耗等を招きやすくなる。さらに、中心軸線を挟む形でレーザー溶接部の深さや幅にアンバランスが生じると、発火部の中心軸線が中心電極の本体部の中心軸線に対して傾斜することもあり、この場合は偏摩耗等の不具合が一層生じやすくなる。
【0010】
しかしながら、同軸度が0.15mm以下となるように中心電極本体部と貴金属チップとを位置決めしてレーザー溶接を行なうことにより、得られる貴金属発火部と中心電極本体部との同軸度も0.15mm以下とすることができ、これにより、上記のような不具合の発生をことごとく解決することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1に示す本発明の一例たるスパークプラグ100は、筒状の主体金具1、先端部21が突出するようにその主体金具1の内側に嵌め込まれた絶縁体2、先端に形成された貴金属発火部(以下、単に発火部ともいう)31を突出させた状態で絶縁体2の内側に設けられた中心電極3、及び主体金具1に一端が溶接等により結合されるとともに他端側が側方に曲げ返されて、その側面が中心電極3の先端部と対向するように配置された接地電極4等を備えている。また、接地電極4には上記発火部31に対向する貴金属発火部(以下、単に発火部ともいう)32が形成されており、それら発火部31と、対向する発火部32との間の隙間が火花放電ギャップgとされている。
【0012】
なお本明細書でいう「発火部」とは、接合された貴金属チップのうち、溶接による組成変動の影響を受けていない部分(例えば、溶接により接地電極ないし中心電極の材料と合金化した部分を除く残余の部分)を指すものとする。また、「主成分」(「主に〜構成される」あるいは「主体に〜構成される」等も同義)とは、着目している材料中にて、最も重量含有率の高い成分を意味する。
【0013】
絶縁体2は、例えばアルミナあるいは窒化アルミニウム等のセラミック焼結体により構成され、その内部には自身の軸方向に沿って中心電極3及び端子金具8を嵌め込むための孔部6を有している。また、主体金具1は、低炭素鋼等の金属により円筒状に形成されており、スパークプラグ100のハウジングを構成するとともに、その外周面には、プラグ100を図示しないエンジンブロックに取り付けるためのねじ部7が形成されている。
【0014】
なお、対向する発火部32については、これを省略する構成としてもよい。この場合には、発火部31と、発火部を有さない接地電極4の側面との間に火花放電ギャップgが形成されることとなる。中心電極3及び接地電極4のチップ被固着面形成部位、この実施例では少なくともその表層部がNi又はFeを主成分とする耐熱合金(例えばINCONEL 600あるいはINCONEL 601:いずれも商標名)にて構成されている。一方、上記発火部31及び対向する発火部32は、Ir、Pt及びRhのいずれかを主成分とする貴金属を主体に構成されている。これらの貴金属の使用により、中心電極の温度が上昇しやすい環境下においても、発火部の耐消耗性を良好なものとすることができる。また、上記のような耐熱合金を母材とする中心電極3及び接地電極4に対する溶接性も良好である。例えばPtをベースにした貴金属を使用する場合には、Pt単体の他、Pt−Ni合金(例えばPt−1〜30質量%Ni合金)、Pt−Ir合金(例えばPt−1〜20質量%Ir合金)、Pt−Ir−Ni合金等を好適に使用できる。また、Irを主成分とするものとしては、Ir−Ru合金(例えばIr−1〜30質量%Ru合金)、Ir−Pt合金(例えばIr−1〜10質量%Pt合金)、Ir−Rh合金(例えばIr−5〜25質量%Rh合金)、Ir−Rh−Ni合金(例えば、Ir−1〜40質量%Rh−0.5〜8質量%Ni合金)等を使用できる。なお、Ir系の貴金属材料を使用する場合には、元素周期律表の3A族(いわゆる希土類元素)及び4A族(Ti、Zr、Hf)に属する金属元素の酸化物(複合酸化物を含む)を0.1〜15質量%の範囲内で含有させることができる。これにより、Ir成分の酸化・揮発を効果的に抑制でき、ひいては発火部の耐火花消耗性を良好なものとすることができる。上記酸化物としてはYが好適に使用されるが、このほかにもLa、ThO、ZrO等を好ましく使用することができる。この場合、金属成分はIr合金のほか、Ir単体を使用してもよい。
【0015】
図1に示すように、中心電極3は、円筒面状の外周面をなす本体部3Mを有する(ここでは、段部3Jにより接続された径の異なる2つの同心的な円筒状面として形成されている)。図3(a)に示すように、貴金属発火部31は、中心電極3の軸線O2の方向において、その先端に全周レーザー溶接部10を介して固着されている。そして、中心電極3の本体部3Mの外周面3pと、貴金属発火部31の外周面31pとの同軸度が0.15mm以下とされている。上記同軸度は、本体部3Mの外周面3pの中心軸線O2と、貴金属発火部31の外周面31pの中心軸線O1との隔たりδを反映したパラメータであり、その定義は、JIS:B0021の18.13.2に規定されたものを使用する。同軸度は、精度確保上、必要十分な数だけ設定した上記2つの外周面の軸直交断面において、その外形線形状を公知の形状プロファイル測定装置を用いて測定し、その形状プロファイルから算出することができるが、簡便な方法としては、図9(a)に示すように、発火部31近傍の画像を撮影し、発火部31の外周面31pの外形線の位置を公知の画像解析的手法により決定し、外周面外形線と直交する検査線MLを所定の間隔で複数設定するとともに、その外周面外形線との各交点EP1,EP2の座標を求める。他方、中心電極3の本体部3Mについて同様に外周面外形線を決定し、両外形線間に位置する各検査線ML2の中心点に対し直線回帰を行なう(例えば最小二乗法に基づく直線式で求める)ことで、外周面3pの中心軸線O2の位置を求める。そして、該中心軸線O2から、発火部31側についてそれぞれ測定されたEP1,EP2までの各距離の平均値をそれぞれW1,W2として、O1とO2との隔たりδ’を|W1−W2|/2として求める。そして、この測定を、中心電極3を軸線周りの種々の視角にて行い、δ’の測定値が最大となる視角での該δ′の値を、最終的な同軸度δとして算出する。
【0016】
中心電極3側の発火部31は、レーザー溶接を用いて形成される。図2(a)に示すように、中心電極3の先端面3sをチップ被固着面として、ここにチップ径D、チップ厚さHの貴金属チップ31'を重ね合わせて重ね合せ組立体170を作り、(b)及び(c)に示すように、その重ね合せ組立体170に対しレーザービームLBを照射して、貴金属チップ31'とチップ被固着面とにまたがり、かつ貴金属チップ31'の厚さ方向において放電面31a(図10参照)に到達しない全周レーザー溶接部10をチップ外周面周方向に沿って形成する。他方、接地電極4側の発火部32も同様に貴金属チップのレーザー溶接により形成できるが、該発火部32については、例えばPt系金属のような比較的低融点のものを使用する場合、抵抗溶接を用いてもよい。
【0017】
重ね合わせ組立体170を作る際には、円筒面状の外周面3pをなす本体部3Mを有する中心電極3の軸線O2方向における先端面3sに、円筒状の外周面31p’を有する貴金属チップ31’を、同軸度が0.15mm以下となるように位置決めしつつ重ね合わせる(チップ位置決め工程)。そして、該重ね合わせ組立体170に対し、中心軸線O2に関する周方向にレーザービームLBを照射することにより、中心電極3の先端面3sの形成部位と、貴金属チップ31’とにまたがり、かつ貴金属チップ31’の円筒状の外周面31p’の先端側部分を残す形にて全周レーザー溶接部10を形成する。
【0018】
円筒面状の貴金属チップ31’の外周面31p’と中心電極3の本体部3Mの外周面3pとの同軸度δにより、レーザー溶接部10による発火部31の接合状態は大きく影響を受ける。したがって、上記のように、該同軸度δを0.15mm以下に留めることにより、発火部31の溶接強度や、寿命ないし耐久性を大幅に改善することができる。しかしながら、同軸度δが0.15mmを超えて大きくなった場合、貴金属チップ31’は、中心電極3の中心軸線O2に対して片側に寄った形で位置決めされるから、中心電極3と貴金属チップ31との境界面付近において、重ね合わせ組立体170のレーザービーム照射部分の熱容量が周方向にて不均一となる。その結果、一定条件でレーザービームLBを照射しても、その熱容量分布の影響により、図4(b)に示すように、形成されるレーザー溶接部10の深さや幅(軸線O2方向における溶接部10の幅)が不均一化しやすくなり、溶接強度の低下につながる。
【0019】
具体的には、投影される中心軸線O1及びO2の距離が最大となる投影平面と平行で、かつ中心軸線O2を含む切断面により中心電極3を切断したときに、中心軸線O1の両側に現われる全周レーザー溶接部10の2つの断面S1,S2のうち、中心軸線O1に対して貴金属発火部31の中心軸線O2が偏心している側(及び/又は傾斜している側:後述)に位置するものを第一断面S1、他方の側に位置するものを第二断面S2として、中心軸線O1と直交する向きにおける第一断面S1の深さをT1、同じく第二断面S2の深さをT2として、T1>T2となる形で、溶接部深さのアンバランスを生ずる。なお、本明細書において溶接部深さは、発火部31の外周面から中心軸線O1と直交する向きに測定した各断面S1及びS2の発火部31側への侵入距離をいう。また、中心軸線O2方向における第一断面S1の溶接幅をd1、同じく第二断面S2の溶接幅をd2として、d1>d2となる形で、溶接幅にもアンバランスが生じる。
【0020】
しかしながら、同軸度が0.15mm以下となるように中心電極3の本体部3Mと貴金属チップ31’とを位置決めしてレーザー溶接を行なうことにより、得られる貴金属発火部31と本体部3Mとの同軸度も0.15mm以下とすることができ、これにより、上記のような溶接部深さのアンバランスを解消することが可能となる。
【0021】
また、貴金属発火部31と本体部3Mとの同軸度が0.15mmを超えている場合、図5(b)に示すように、本体部3Mと同軸的に位置合わせされる接地電極4側の貴金属発火部32の中心軸線O3に対し、貴金属発火部31が偏心して位置決めされるので、火花放電の発生位置に偏りを生じ、発火部、特に接地電極4側の発火部32の消耗が発火面全体にわたって均一に生じにくくなる(以下、本明細書ではこれを「偏消耗」と称する)。その結果、局所消耗の進行により発火部の寿命が早期に尽きやすくなる。しかしながら、貴金属発火部31と本体部3Mとの同軸度を0.15mm以下となすことにより、このような偏消耗も生じにくい。
【0022】
なお、本体部3Mの中心軸線O2と貴金属発火部31の中心軸線O1との偏心は、図3(a)に示すように、O1/O2が平行にずれる要素以外にも、図3(b)に示すように、O1/O2が傾斜形態にずれる要素を含む場合がある。このような傾斜を生じていると、例えば図6(b)に示すように、中心電極3側の発火部31の、傾斜方向における片側のエッジが接地電極4側の発火部32に向けてせり上がり、火花放電ギャップgが該位置で狭くなって偏消耗を招くことにつながる。
【0023】
また、火花放電ギャップgを形成する際の、以下のような工程上の不具合を招来する場合もある。すなわち、図6(c)に示すように、火花放電ギャップgは、ギャップ形成用の治具KFを発火部31の端面に対し側方から挿入・位置決めし、該治具KFに向けて接地電極4に曲げ加工を施すことにより形成する方法が一般的である。しかし、貴金属発火部31の中心軸線O1が傾斜していると、その傾斜によりせり上がった発火部31の端面外周縁部に治具KFが引っかかったり、曲げ加工時につぶれが生じやすくなったりする不具合につながる。
【0024】
そこで、上記の傾斜を、図3(b)に示すように、中心電極3の本体部3Mの中心軸線O2と平行な任意の仮想平面のうち、該仮想平面への正射影投影における、本体部3Mの外周面3pの中心軸線O2と、貴金属発火部31の外周面31pの中心軸線O1とのなす角度θが最も大きく現われるものを投影平面OVPとして採用したときの、当該投影平面OVPにおける角度θが5゜以下となるように小さくすることで、図6(a)に示すように、上記のような不具合を効果的に解消することができる。
【0025】
なお、上記傾斜角度θの測定は、図9(b)に示すように、発火部31近傍の画像を撮影し、中心電極3の本体部3Mについて公知の画像解析的手法により外周面外形線を決定する。そして、外周面外形線と直交する検査線MP1を所定の間隔で複数設定するとともに、両外形線間に位置する各検査線MP1の中心点に対し直線回帰を行なうことで、外周面3pの中心軸線O2を求める。他方、発火部31に対しては、上記中心軸線O2と発火部31の放電面31sとの交点F1を基準点とし、その基準点から予め設定された寸法だけ図中下側(中心電極3側)にシフトさせた所定区間Zの複数位置において、検査線MP2を所定の間隔で上記検査線MP1と平行な向きに複数設定するとともに、発火部31の外形線間に位置する各検査線MP2の中心点に対し直線回帰を行なうことで、外周面31pの中心軸線O1を求め、上記中心軸線O2との交差角度を求める。この測定を、中心電極3における軸線O2周りの種々の視角にて行い、交差角度の測定値が最大となる視角での該角度値を、最終的な傾斜角度θとして算出する。
【0026】
以下、スパークプラグ100の製造方法の具体例について説明する。
図2(b)に示すように、該貴金属チップ31と中心電極3との重ね合せ組立体170を、レーザー照射ユニット200(図10参照)の出射光学部に対しチップ31’(中心電極3)の中心軸線O1(O2)の周りにおいて相対的に回転させながら、重ね合せ組立体170に向けて、パルス状のレーザービームLBのスポット内にチップ被固着面(この場合、中心電極3の先端面)とチップ外周面との交差縁Qが入り、かつチップ被固着面に対する照射角度φが−5゜〜+60゜の範囲(水平より上方側を+とする;例えば+45゜)となるように照射する。この場合、組立体170又はレーザー照射ユニット200の一方のみを回転させるようにしてもよいし、双方ともに(例えば互いに逆方向に)回転させることも可能である。
【0027】
この場合、その回転速度は以下のように調整することが望ましい。まず、重ね合せ組立体170とレーザー照射ユニット200との相対回転速度は、図2のようにレーザー照射ユニット200を1つのみ使用する場合には、10rpm以上(望ましくは60rpm以上、さらに望ましくは120rpm以上)とするのがよい。全周レーザー溶接を行なうためには、重ね合せ組立体170とレーザー照射ユニット200とを最低1周分は相対回転させなければならないが、その相対回転速度が10rpm未満になると、1周分の溶接時間ひいては1個のスパークプラグを製造するためのピースタイムが長くなる問題がある。
【0028】
また、レーザー溶接では、金属溶融部がレーザー照射を受けている位置に偏って生ずるので、例えばこのような溶融部が、貴金属チップ31’の中心軸線O1に関して片側に、過剰に大きな体積で形成されると、当該側で貴金属チップ31’は支えを失い、例えば回転による遠心力や貴金属チップ31’の自重により溶融部がつぶれ、中心軸線O1の傾斜や偏りを生じやすくなる。そして、重ね合せ組立体170とレーザー照射ユニット200との相対回転速度が10rpm未満になると、回転速度が遅いために、重ね合せ組立体170の周方向に連なって形成される単位溶接部同士の重なりが大きくなり、レーザー照射位置付近に偏って生ずる金属溶融部の体積も過度に増大しやすくなる。その結果、中心軸線O1の傾斜や偏りが顕著となり、得られる発火部31と本体部3Mとの同軸度δを0.15mm以下に留めることが困難となる。他方、上記相対回転速度の上限値については、重ね合せ組立体170を回転させる場合、溶接時に生ずる金属溶融部の遠心力による過度の変形を防止するために、150rpm程度に留めるのがよい。
【0029】
また、上記同軸度δを0.15mm以下とするためには、以下のような手法を用いることが望ましい。まず、チップ位置決め工程においては、図7(a)に示すように、中心電極3の本体部3Mの外周面3pに着脱可能に装着される装着部50eと、その装着部50eにおいて本体部3Mに装着されることにより、自身が保持する貴金属チップ31’を本体部3Mの外周面3pに対し同心的に位置決めするチップ保持部50hとを有するチップ位置決め治具50を使用する。すなわち、装着部50eにおいて治具50を本体部3Mに装着することで、中心電極3の本体部3Mの外周面3pを軸合わせの基準として使用することができ、治具50のチップ保持部50hに保持された貴金属チップ31’の中心軸線O1を、本体部3Mの中心軸線O2に対し、同軸度0.15mmの公差内にて正確かつ簡便に位置決めすることが可能となる。
【0030】
具体的には、チップ位置決め治具50の装着部50eは、本体部3Mの外周面3pに倣う円筒面状の装着面50bにおいて本体部3Mに装着されるものとすることができる。他方、チップ保持部50hは、装着面50bと同心的に形成された円筒面状のチップ保持面50aにおいて貴金属チップ31’の外周面31p’を保持するものとすることができる。円筒面状の装着面50b及びチップ保持面50aを用いることで、貴金属チップ31’の中心軸線O1と、本体部3Mの中心軸線O2との同軸的位置合わせをより精度よく行なうことができる。この場合、装着面50b及びチップ保持面50aが、貴金属チップ31’の保持状態において、同軸度0.15mm以下の精度にて形成されていなければならないことはいうまでもない。また、ここでいう「円筒面状」とは、貴金属チップ31’あるいは本体部3Mの各外周面31p及び3pの周方向の一部区間のみカバーする形態も概念として含む。
【0031】
本実施形態では、チップ位置決め治具50を以下のように機能するものとして構成している。すなわち、図7(b)に示すように、貴金属チップ31’の外周面31p’周方向に沿って複数配置される、チップ位置決め治具50は、各々該外周面31p’に対し半径方向に接近・離間可能な複数のチップ把持部材49を備える。そして、それらチップ把持部材49の把持面50aがそれぞれチップ保持面50aを構成し、中心電極3の先端面3s上に、貴金属チップ31’を位置決め配置して把持解除することにより、重ね合わせ組立体170を形成する。このとき、軸線O2方向において各チップ把持部材49の後方側には、中心電極3の本体部3Mの外周面3pに対向する側に、円筒面状のガイド面50bが、装着面50bとして形成されている。まず、中心電極3の本体部3Mは、図示しない保持具により、中心軸線O1と直交する向きに遊動可能に保持しておく。そして、チップ位置決め治具50は、把持した貴金属チップ31’に対し中心電極3の先端部を軸線O1方向後方側から相対的に接近させる(ここでは、治具50を下降させて、貴金属チップ31’を中心電極3の先端部に向けて接近させる)ことにより、チップ31’を先端面3s上に載置する。このとき、中心電極3の本体部3Mは、円筒面状のガイド面50b内に進入するが、該ガイド面50bは貴金属チップ31’に対し本体部3Mを同心的に位置決めしつつガイドする役割を果たす。すなわち、貴金属チップ31’に対して本体部3Mが偏心して位置している場合は、ガイド面50b内への進入に伴い、本体部3Mが軸線と直交する向きに遊動し、偏心矯正を行なうことができる。
【0032】
なお、図8に示すように、本体部3Mとチップ31’との同軸位置決め用の装着部を特に有さないチップ位置決め治具55を用いてもよいが、この場合は、チップ位置決め治具55と本体部3Mとを、軸合わせ方向において任意位置に位置決め可能な形で相対移動させるための機構(例えば本体部3Mを軸線O2と直交する向きに移動させるX−Yテーブルなど)が新たに必要となる。この点において、図7の軸合わせ機構ははるかに簡便であるといえる。
【0033】
また、レーザー溶接を行なう際には、金属溶融部の体積が一時的に過度に大きくなることでチップ偏心を招く不具合を抑制するために、以下のような手法を採用することがより有効である。すなわち、図2(b)に示すように、重ね合せ組立体170に対しレーザービームパルスLBを照射することにより、全周溶接部10を、各レーザービームパルスLBに対応する単位溶接部10uが順次重ね連なる形となるように形成する。このとき、図11に示すように、周方向に連続した全周溶接部10を完成させるために、単位溶接部配列の端部間接続を行なう配列接続用溶接重なり部LPWが形成される。この配列接続用溶接重なり部LPWにおいては、単位溶接部10uの重複形成数が他の部分よりも多くなるので、それら重複して形成される単位溶接部101〜103,110〜112の少なくとも1のものについて、これを形成する際に用いる1パルス当りのレーザー照射エネルギーを、その他の単位溶接部を形成する際に用いる1パルス当りのレーザー照射エネルギーよりも低く設定する。このようにすると、配列接続用溶接重なり部LPWにおいてレーザービームによる全入熱量が過剰となることが抑制され、金属溶融部の体積の過大化ひいては形成される発火部31の偏心を効果的に抑制することができる。
【0034】
例えば、図10に示すように、重ね合せ組立体170を中心電極3の中心軸線O2の回りに回転させつつ、位置固定された単一のレーザー照射ユニット200からパルス状レーザー光LBを照射すると、貴金属チップ31’の周方向において、貴金属チップ31’とチップ固着面形成部位とにまたがり、かつ各レーザー照射パルスP1、P2・・・・・・に対応する単位溶接部101、102・・・・・・が順次重ね連なるようにして全周レーザー溶接部10が形成される(図10(b)〜(d)参照)。
【0035】
例えば、パルス状レーザー光LBのパルス発生周波数fが12パルス/秒(、重ね合せ組立体170の回転速度が60rpmとすると、重ね合せ組立体170の1回転につきちょうど12パルス分のパルス状レーザー光LBが照射され、これに対応する12個の単位溶接部101〜112が貴金属チップ31’の周方向に順次重ね連なる形で形成される。これら12個の単位溶接部101〜112の周方向における重なり状態は、一般的に図11のようになる。先頭溶接部10t(図10では101〜103)と末尾溶接部10e(図10では110〜112)とを除くその他の溶接部では、単位溶接部が形成される際に既に形成された単位溶接部との重なり数(以下、既成単位溶接部との重なり数という)は自身の直前に形成された3個である(例えば、第4番目の単位溶接部104では、101〜103の3個)。
【0036】
一方、末尾溶接部10eでは、既成単位溶接部との重なり数は4個以上に増加する。例えば、最後尾の第12番目の単位溶接部112の場合、自身の直前に形成された109〜111の3個の他、当初に形成された先頭溶接部10tの3個(101〜103)とも重なり合うことになるので、既成単位溶接部との重なり数は合計6個となる。同様に、第11番目の単位溶接部111における既成単位溶接部との重なり数は5個、第10番目の単位溶接部110における既成単位溶接部との重なり数は4個となる。なお、先頭溶接部10t(101〜103)の場合、既成単位溶接部との重なり数は0〜2個であるが、上記の通り末尾溶接部10eが形成される際にこれと重なり合うことになる。
【0037】
そして、先頭溶接部10tを形成したときの入熱が、重ね合せ組立体170を1周回転する間に十分に熱引きされない場合、末尾溶接部10eを形成するためのパルス状レーザー光LBの照射時点においても、先頭溶接部10tを形成したときの入熱の一部が残留熱として存在する。そこで、例えば、末尾溶接部10eを形成するためのレーザー照射エネルギー(末尾溶接部10eのための新規入熱)にこの残留熱が重畳されても溶融金属の発生量が過剰とならないように、末尾溶接部10eを形成する際に用いる1パルス当たりのレーザー照射エネルギー(以下、補正照射エネルギーという)Ehを、上記通常照射エネルギーEtよりも低く設定する(図10(a)参照)。これにより、各単位溶接部を形成する際の新規入熱と残留熱とを合わせた全熱量(トータルエネルギー)の均一化を図ることができるのである。
【0038】
次に、重ね合わせ組立体170において、貴金属チップ31’を中心電極3の先端面3sに軸線O1方向に押し付けながら全周レーザー溶接部10を形成することが、溶接部形成中における貴金属チップ31’の位置ずれひいては偏心を防止する上で有効である。この場合、例えば、図12(a)に示すような、先端TP1にて点接触形態となる治具JG1を用いて押し付けを行なうことも可能であるが、図12(b)に示すように、該押し付けを、貴金属チップ31’の、中心電極3への重ね合わせ側と反対側の面31s’に対し面接触形態にて接触する押付治具JG2(ここでは円柱状の治具JG2の先端面TP2にて面接触状態を実現している)を用いて行なうことが、貴金属チップ31’位置ずれ防止効果を高める上でより望ましい。
【0039】
【実施例】
本発明の効果を確認するために、以下の試験を行った。まず、INCONEL 600を用い、図2に示す形状の中心電極3を作製した。ただし、図2(a)において、本体部3Mの外径D1を2.5mm、先端面3sの直径D2を1.3mm、テーパ面3tのテーパ角度を45°とした。他方、合金溶解/圧延により作製したIr−5wt%Pt合金板からの打抜き加工により、チップ厚さHが0.6mm、チップ径Dが0.8mmの貴金属チップを作製した。次に、図10(a)のレーザー照射強度線図において、パルス幅tを6ミリ秒に設定し、1パルス当りの照射エネルギーを後述する表1に示す試験No.毎の溶け込み深さとなるように適宜調整したパルス状YAGレーザー光LBを、パルス周波数fが12pps(周期τ=1000/12ミリ秒)にて中心電極3上に組み立てられた貴金属チップ31’の外周面に沿って照射し、貴金属チップ31’の周方向にて全周レーザー溶接部10を形成し、さらに、必要な他の部品を組み立てて、図1に示すスパークプラグの試験品を作成した。なお、末尾部のレーザーパルスLBの強度は、図10(a)に示すように所定の比率にて段階的に減少させている。また、貴金属チップ31’は、図7の治具50を用いて本体部3Mに位置合わせするとともに、チップ31’の把持面50aとガイド面50bとの形成同軸度を種々に異ならせた治具を用いることにより、貴金属チップ31’の中心軸線O1と本体部3Mの中心軸線O2との同軸度を、表1に示す0.05〜0.25mmの種々の値にて変化させた。また、溶接後において、すでに説明した方法により発火部31と本体部3Mとの同軸度を測定したところ、位置決め時の同軸度と略同じになっていることがわかった。さらに、傾斜角度θの測定も同様に行い、その測定結果を表1に合わせて示してある(なお、各条件とも試験品数nは3としている)。
【0040】
【表1】
Figure 0004082881
【0041】
上記スパークプラグ試験品を、2000ccのエンジンに取り付けて、エンジン回転数6500rpm、スロットル全開状態にて実機耐久試験を行った。そして試験100時間終了後において、発火部31に剥離が認められなかったものを溶接強度良好(○)、そうでなかったものを溶接強度不良(×)として評価した。また、100時間経過時点において失火が発生しなかったものを耐久性良好(○)、そうでなかったものを耐久性不良(×)として評価した。該結果を表1に示す。この結果からも明らかな通り、同軸度δが0.15mm以下、傾き角度θが5゜以下の試験品において、溶接強度及び耐久性のいずれも良好であることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパークプラグの一実施例を示す縦断面図及びその要部拡大図。
【図2】図1のスパークプラグの、中心電極側発火部の製造工程説明図。
【図3】同軸度δと傾斜角度θの説明図。
【図4】発火部偏心の溶接部深さに及ぼす影響を示す説明図。
【図5】偏心により発火部に偏消耗が発生する様子を説明する図。
【図6】傾斜により発火部に生ずる不具合を総合的に説明する図。
【図7】貴金属チップの位置合わせ治具の一実施例をその使用方法とともに示す説明図。
【図8】貴金属チップの位置合わせ治具の別実施例をその使用方法とともに示す説明図。
【図9】同軸度と傾斜角度の測定方法の概念説明図。
【図10】レーザー照射強度線図並びにスパークプラグの中心電極先端部の拡大斜視図、平面模式図及び縦断面図。
【図11】貴金属チップ及び全周レーザー溶接部を円周方向に展開して示す説明図。
【図12】レーザー溶接時に使用する貴金属チップの押さえ治具の実施例をいくつか示す斜視図。

Claims (5)

  1. 円筒面状の外周面(3p)をなす本体部(3M)を有する中心電極(3)と、
    その中心電極(3)の前記本体部(3M)の軸線(O2)方向における先端に全周レーザー溶接部(10)を介して固着されるとともに、円筒面状の外周面(31p)を有する貴金属発火部(31)と、
    前記貴金属発火部(31)の軸線(O1)方向における先端面に側面が対向する形で配置され、該貴金属発火部(31)との間に火花放電ギャップ(g)を形成する接地電極(4)とを備えたスパークプラグ(100)の製造方法であって、
    前記中心電極(3)の中心軸線(O2)方向における先端面(3s)に、円筒状の外周面(31p’)を有する貴金属チップ(31’)を、前記本体部(3M)の外周面(3p)と前記貴金属チップ(31’)の外周面(31p’)との同軸度が0.15mm以下となるように位置決めしつつ重ね合わせて重ね合わせ組立体(170)を作るチップ位置決め工程と、
    該重ね合わせ組立体(170)に対し、前記中心電極(3)の中心軸線(O2)に関する周方向にレーザービーム(LB)を照射することにより、前記中心電極(3)の先端面(3s)の形成部位と、前記貴金属チップ(31’)とにまたがり、かつ前記貴金属チップ(31’)の円筒状の外周面(31p’)の先端側部分を残す形にて全周レーザー溶接部(10)を形成する溶接工程とを含み、
    前記チップ位置決め工程において、前記中心電極(3)の前記本体部(3M)の外周面(3p)に着脱可能に装着される装着部(50e)と、その装着部(50e)において前記本体部(3M)に装着されることにより、自身が保持する前記貴金属チップ(31’)を前記本体部(3M)の前記外周面(3p)に対し同心的に位置決めする前記装着部(50e)と一体化されたチップ保持部(50h)とを有するチップ位置決め治具(50)を使用することを特徴とするスパークプラグ(100)の製造方法。
  2. 前記チップ位置決め治具(50)の前記装着部(50e)は、前記本体部(3M)の外周面(3p)に倣う円筒面状の装着面(50b)において前記本体部(3M)に装着される一方、前記チップ保持部(50h)は、前記装着面(50b)と同心的に形成された円筒面状のチップ保持面(50a)において前記貴金属チップ(31’)の外周面(31p’)を保持するものであることを特徴とする請求項1記載のスパークプラグ(100)の製造方法。
  3. 前記チップ位置決め治具(50)は、前記貴金属チップ(31’)の外周面(31p’)周方向に沿って複数配置される、各々該外周面(31p’)に対し半径方向に接近・離間可能な複数のチップ把持部材(49)を備え、それらチップ把持部材(49)の把持面(50a)がそれぞれ前記チップ保持面(50a)を構成するとともに、前記中心軸線(O2)と直交する向きに遊動可能に保持された前記中心電極(3)の先端面(3s)上に、前記貴金属チップ(31’)を位置決め配置して把持解除することにより、前記重ね合わせ組立体(170)を形成するものであり、かつ、前記貴金属チップ(31’)の軸線(O1)方向において各チップ把持部材(49)の後方側には、前記中心電極(3)の前記本体部(3M)の外周面(3p)に対向する側に、把持した貴金属チップ(31’)に対し前記中心電極(3)の前記先端部(3s)を軸線(O1)方向後方側から相対的に接近させる際に、前記中心電極(3)の前記本体部(3M)を、前記貴金属チップ(31’)に対し同心的に位置決めしつつガイドする円筒面状のガイド面(50b)が、前記装着面(50b)として形成されていることを特徴とする請求項2記載のスパークプラグ(100)の製造方法。
  4. 前記重ね合せ組立体(170)に対しレーザービームパルス(LB)を照射することにより、前記全周溶接部(10)を、各レーザービームパルス(LB)に対応する単位溶接部(10u)が順次重ね連なる形となるように形成するとともに、
    周方向に連続した全周溶接部(10)を完成させるための、単位溶接部配列の端部間接続を行なう配列接続用溶接重なり部(LPW)が形成され、該配列接続用溶接重なり部( LPW)にて重複して形成される単位溶接部(101〜103,110〜112)の少なくとも1のものについて、これを形成する際に用いる1パルス当りのレーザー照射エネルギーを、その他の単位溶接部を形成する際に用いる1パルス当りのレーザー照射エネルギーよりも低く設定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のスパークプラグ(100)の製造方法。
  5. 前記重ね合わせ組立体(170)において、前記貴金属チップ(31’)を前記中心電極(3)の先端面(3s)に前記軸線(O1)方向に押し付けながら前記全周レーザー溶接部(10)を形成するとともに、該押し付けを、前記貴金属チップ(31’)の、前記中心電極(3s)への重ね合わせ側と反対側の面(31s’)に対し面接触形態にて接触する押付治具(JG2)を用いて行なうことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のスパークプラグ(100)の製造方法。
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