JP4082075B2 - 画像表示装置 - Google Patents

画像表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4082075B2
JP4082075B2 JP2002118634A JP2002118634A JP4082075B2 JP 4082075 B2 JP4082075 B2 JP 4082075B2 JP 2002118634 A JP2002118634 A JP 2002118634A JP 2002118634 A JP2002118634 A JP 2002118634A JP 4082075 B2 JP4082075 B2 JP 4082075B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
curvature
deflection
center
pupil
optical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002118634A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003315726A (ja
Inventor
光由 渡▲なべ▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2002118634A priority Critical patent/JP4082075B2/ja
Publication of JP2003315726A publication Critical patent/JP2003315726A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4082075B2 publication Critical patent/JP4082075B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Transforming Electric Information Into Light Information (AREA)
  • Lenses (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光束を走査して観察者の網膜上に直接画像を投影する画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年レーザ、LED等の光源が発する微弱な光束を偏向装置で二次元的に偏向して観察者の瞳孔に入射することにより網膜上に直接描画を行う、いわゆる網膜走査型ディスプレイと呼ばれる装置が知られている。例えば、当該装置は本願出願人による特許第2874208号公報等において提案されている。この網膜走査型ディスプレイは、例えば、眼鏡と同様に観察者の頭部に装着して使用するように構成されており、高精細で画角の大きな画像を提供することができる。
【0003】
このような網膜走査型ディスプレイにおいて、偏向した光束を観察者の瞳孔に入射させるためのリレー光学系として反射ミラー等を利用する従来例が、特開平11−160650号や特開平11−142763号などに提案されている。また、リレー光学系としてホログラムなどの回折光学素子を利用する従来例が、特開平6−121256号や特開平11−64782号などに提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平11−160650号に提案された網膜走査型ディスプレイは、レンズ等の光学素子を利用しないため色収差は生じないが、球面収差、コマ収差、非点収差などの諸収差が無視できず、結像性能の劣化および走査における集光位置のズレが無視できないという問題点があった。また、特開平11−142763号に提案された網膜走査型ディスプレイは、回転楕円体において焦点から出射した光がもう一つの焦点に集まる性質を利用したもので、集光位置のズレは発生しないが、結像性能の劣化が生じていた。さらに、楕円ミラーを利用するため、反射位置によって屈折力が異なり、すべての偏向方向で良好な結像を得るためには補正光学系が必要となっていた。また、偏向手段が等角速度で偏向しても、集光位置において光束の角速度が変換されてしまうため、これを解決するためには、例えばfθレンズ等の速度補正光学系や、走査に同期して画像クロックを偏向する手段などの利用が考えられるが、網膜走査型ディスプレイの構成が複雑となるという問題点があった。
【0005】
また、特開平6−121256号および特開平11−64782号に提案された網膜走査型ディスプレイでは、偏向の角速度が等速とはならなかった。さらに、前方を透過して観察するような、いわゆるシースルー動作を行うには、ホログラムが悪影響を与え、良好な観察ができないという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、色収差がなく、諸収差が小さく、かつ画像歪みのない網膜走査型ディスプレイを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の画像表示装置は、少なくとも1つの光源と、当該光源から出射される光束を画像信号に応じて変調する変調手段と、当該変調手段によって変調された光束を第1の方向に偏向する第1の偏向手段と、当該第1の偏向手段によって偏向された光束を前記第1の方向にほぼ垂直な第2の方向に偏向する第2の偏向手段と、前記第1および第2の偏向手段によって偏向された光束を観察者の瞳孔に入射するための第1の光学手段とを備えた画像表示装置であって、前記第1の光学手段は、少なくとも一組の曲率半径Rの凹面鏡と曲率半径rの凸面鏡とを備え、当該凹面鏡および当該凸面鏡のそれぞれの光軸および曲率中心が略一致するようにそれぞれの鏡面が対向し、さらに、前記観察者の瞳孔が配置される位置を転送する瞳孔位置転送手段を備え、前記第1および第2の偏向手段のうち少なくとも一方の偏向中心が前記曲率中心を含む前記光軸に垂直な面内に存在し、前記偏向中心と前記曲率中心との間の距離hが以下の関係を満たしており、前記曲率中心に対して前記第1および第2の偏向手段のうち少なくとも一方の偏向中心に対称な位置に、前記観察者の瞳孔が配置されることを特徴とする構成となっている。
【数3】
Figure 0004082075
【0008】
この構成の画像表示装置では、2次元方向に偏向された光束を瞳孔に導くための光学系として少なくとも一組の曲率半径Rの凹面鏡と曲率半径rの凸面鏡とで構成された第1の光学手段を利用することができ、球面収差、コマ収差、歪曲収差、非点収差、色収差等の諸収差の影響をなくし、かつ第1または第2の偏向手段における光束の偏向の角速度と、瞳孔位置における光束の偏向の角速度とを等しくすることができる。また、観察者の瞳孔の配置位置と偏向中心とを共役の関係にすることができる。さらに、瞳孔位置転送手段により、観察者の瞳孔が配置される位置を転送することができる。
【0009】
【0010】
【0011】
また、請求項に係る発明の画像表示装置は、少なくとも1つの光源と、当該光源から出射される光束を画像信号に応じて変調する変調手段と、当該変調手段によって変調された光束を第1の方向に偏向する第1の偏向手段と、当該第1の偏向手段によって偏向された光束を前記第1の方向にほぼ垂直な第2の方向に偏向する第2の偏向手段と、前記第1の偏向手段によって前記第1の方向に偏向された光束を前記第2の偏向手段に入射するための第2の光学手段と、前記第2の偏向手段によって前記第2の方向に偏向された光束を観察者の瞳孔に入射するための第1の光学手段とを備えた画像表示装置であって、前記第1および第2の光学手段は、少なくとも一組の曲率半径Rの凹面鏡と曲率半径 rの凸面鏡とをそれぞれ備え、各組の凹面鏡および凸面鏡のそれぞれの鏡面は光軸および曲率中心が略一致するように対向し、前記第2の光学手段の曲率中心に対して前記第1の偏向手段の偏向中心に対称な位置に前記第2の偏向手段の偏向中心が配置され、前記第1の偏向手段の偏向中心と前記第2の光学手段の曲率中心とを含む前記光軸に垂直な第1の面と、前記第2の偏向手段の前記偏向中心と前記第1の光学手段の曲率中心とを含む前記光軸に垂直な第2の面とが直交し、前記第1および第2の偏向手段のそれぞれの前記偏向中心と前記第1および第2の光学手段のそれぞれの前記曲率中心とが前記第2の面内に存在し、前記偏向中心と前記曲率中心との間の距離hが以下の関係を満たすことを特徴とする構成となっている。
【数4】
Figure 0004082075
【0012】
この構成の画像表示装置では、2次元方向に偏向された光束を瞳孔に導くための光学系として少なくとも一組の曲率半径Rの凹面鏡と曲率半径rの凸面鏡とで構成された第1および第2の光学手段を利用することができ、球面収差、コマ収差、歪曲収差、非点収差、色収差等の諸収差の影響をなくし、かつ第1および第2の偏向手段における光束の偏向の角速度と、瞳孔位置における光束の偏向の角速度とを等しくすることができる。そして、光束が、第1の光学手段を通過後に、光路に対して90度だけ回転した状態で略同一の構成の第2の光学手段を通過することができる。
【0013】
【0014】
【0015】
また、請求項に係る発明の画像表示装置は、請求項に記載の発明の構成に加え、前記第1の光学手段の曲率中心に対して前記第2の偏向手段の偏向中心に対称な位置に、前記観察者の瞳孔が配置されることを特徴とする構成となっている。
【0016】
この構成の画像表示装置では、請求項に係る発明の作用に加え、観察者の瞳孔の配置位置とそれぞれの偏向中心とを共役の関係にすることができる。
【0017】
【0018】
【0019】
また、請求項に係る発明の画像表示装置は、請求項に記載の発明の構成に加え、前記第1または第2の光学手段は前記観察者の瞳孔が配置される位置を転送する瞳孔位置転送手段を備えている。
【0020】
この構成の画像表示装置では、請求項に係る発明の作用に加え、瞳孔位置転送手段が、第1または第2の光学手段は観察者の瞳孔が配置される位置を転送することができる。
また、請求項5に係る発明では、請求項1または4に記載の発明の構成に加え、前記瞳孔位置転送手段は、凹面鏡と凸面鏡とを備えていることを特徴とする構成となっている。
この構成の画像表示装置では、請求項1または4に係る発明の作用に加え、観察者の瞳孔の配置位置を任意の位置に転送することが可能となる。
また、請求項6に係る発明の画像表示装置は、請求項2、3及び5の何れかに記載の発明の構成に加え、前記第1の光学手段または前記瞳孔位置転送手段において、最終段の反射が行われる前記凹面鏡の鏡面の一部が、光束の一部を透過することを特徴とする構成となっている。
この構成の画像表示装置では、請求項2、3及び5の何れかに係る発明の作用に加え、凹面鏡の反射面を通して前方の実体を観察することができる。
【0021】
また、請求項に係る発明の画像表示装置は、請求項1、及び3乃至6の何れかに記載の発明の構成に加え、前記第1または第2の光学手段は前記観察者の瞳孔が配置される位置に結像される像の結像倍率を変換する倍率変換手段を備えている。
【0022】
この構成の画像表示装置では、請求項1、及び3乃至6の何れかに係る発明の作用に加え、倍率変換手段が、第1または第2の光学手段は観察者の瞳孔が配置される位置に結像される像の結像倍率を変換することができる。
【0023】
また、請求項に係る発明の画像表示装置は、請求項1乃至の何れかに記載の発明の構成に加え、前記光源から出射された光束の波面曲率を調整もしくは変調する波面曲率変調手段を備えている。
【0024】
この構成の画像表示装置では、請求項1乃至の何れかに係る発明の作用に加え、波面曲率変調手段が、光源から出射された光束の波面曲率を調整もしくは変調することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した画像表示装置の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1〜図3を参照して、本実施の形態の一例である網膜走査型ディスプレイ1の全体の構成について説明する。図1は、網膜走査型ディスプレイ1の全体構成を示す全体構成図である。図2は、走査ミラー30の斜視図である。図3は、反射光学系40の特性を説明するための図である。
【0026】
図1に示すように、網膜走査型ディスプレイ1には、外部から供給される映像信号を処理するための光源ユニット部2が設けられている。光源ユニット部2には、外部からの映像信号が入力され、それに基づいて映像を合成するための要素となる各信号を発生する映像信号供給回路3が設けられ、この映像信号供給回路3から映像信号4、水平同期信号および垂直同期信号が出力される。そして、この水平同期信号および垂直同期信号に基づいて走査ミラー30を駆動するための水平走査系駆動回路28および垂直走査系駆動回路29がそれぞれ設けられている。また、光源ユニット部2には、映像信号供給回路3から映像信号4として伝達される赤(R),緑(G),青(B)の各映像信号をもとにそれぞれレーザ光を出射する、Rレーザ13,Gレーザ12,Bレーザ11を、それぞれ駆動するためのRレーザドライバ10,Gレーザドライバ9,Bレーザドライバ8が設けられている。さらに、各レーザより出射されたレーザ光を平行光にコリメートするように設けられた第1コリメート光学系14と、それぞれコリメートされたレーザ光を合成するダイクロイックミラー15と、合成されたレーザ光を光ファイバ17に導く結合光学系16とが設けられている。尚、光源ユニット部2が、本発明における「変調手段」である。
【0027】
また、網膜走査型ディスプレイ1には、光源ユニット部2から伝搬されたレーザ光を再度平行光にコリメートする第2コリメート光学系18と、コリメートされたレーザ光を水平および垂直方向に走査する走査ミラー30と、走査されたレーザ光を観察者の瞳孔24に入射するための反射光学系40とが設けられている。尚、図2に示すように、走査ミラー30は、ミラー面31と、軸32と、ミラー枠33と、軸34とで構成されており、ミラー面31は、軸32によってその上下方向をミラー枠33に支持されており、水平走査系駆動回路28から駆動電圧が印加された駆動装置(図示外)によって左右方向(図中矢印D方向)に回動可能となっている。また、ミラー枠33は、その左右方向に突設された軸34によって図示外の支持体に支持され、垂直走査系駆動回路29から駆動電圧が印加された駆動装置(図示外)によって上下方向(図中矢印E方向)に回動可能となっている。尚、走査ミラー30が、本発明における「第1の偏向手段」および「第2の偏向手段」である。
【0028】
また、図1に示すように、反射光学系40は、曲率半径Rの凹面鏡41と曲率半径rの凸面鏡42とで構成され、凹面鏡41のミラー面41aと、凸面鏡42のミラー面42aとが対向している。そして、凹面鏡41と凸面鏡42とは、それぞれの光軸(それぞれ焦点を通り、準線からなる面に対して直交する軸線)がほぼ同一線上に重なり、かつ、凹面鏡41の曲率中心202と、凸面鏡42の曲率中心202'とが略一致するようになっている。この曲率中心202,202'を含み、光軸に対して直交する面内において、曲率中心202,202'からの距離hの位置201(以下、「偏向中心201」という。)に、走査ミラー30上の偏向点の位置、すなわち第2コリメート光学系18から出射されるレーザ光の光束の中心がミラー面31にあたる位置が配置され、また、曲率中心202,202'と偏向中心201とを結ぶ線上で、曲率中心202,202'に対して偏向中心201の点対称となる位置203(以下、「瞳孔位置203」という。)に、観察者の瞳孔24が配置されている。尚、反射光学系40が、本発明における「第1の光学手段」であり、瞳孔位置203が本発明における「偏向中心に対称な位置」である。
【0029】
尚、反射光学系40では、光軸と像点との距離、すなわち曲率中心202,202'と瞳孔位置203との距離である像高hは、曲率中心202,202'と偏向中心201との距離hと一致し、以下の式を満たす。
【数5】
Figure 0004082075
そして、偏向中心201から凹面鏡41に入射し、そのミラー面41aで凸面鏡42方向に反射されるレーザ光は、そのミラー面42aで再度凹面鏡41方向に反射され、ミラー面41aで再び反射された後、すなわち3回反射を繰り返した後、瞳孔位置203に突入するようになっている。この原理については特公昭57−51083号、特公昭60−39205号等において詳しく説明されているので、ここでは図3を参照し、その特性について簡単に説明する。
【0030】
次に、図3に示すように、反射光学系40は、凸面鏡42の曲率半径rが凹面鏡41の曲率半径Rの約1/2となるように構成された光学系である。数式(1)は、偏向中心201を含み光軸と平行な直線と凹面鏡41のミラー面41aとの交点(M)と、曲率中心202,202'(K)と、凸面鏡42のミラー面42aと光軸との交点(N)とからなる三角形NMKが、その等辺と底辺との間の角度、すなわち凹面鏡41に入射するレーザ光の反射角度がθである二等辺三角形となる条件を満たす。
【0031】
そして、偏向中心201(J)と瞳孔位置203(L)とを結ぶ直線JLを回転軸とした面において、凹面鏡41と凸面鏡42との位置関係は軸対称となる。従って、偏向中心201から凹面鏡41に出射される光束が紙面と垂直な方向へずれて出射された場合、その偏向角(図示外)は、反射光学系40を介して瞳孔位置203に入射する光束の偏向角と一致する。従って、偏向中心201において、直線JLを回転軸とした等角速度の偏向は、反射光学系40を通過後も瞳孔位置203において等角速度のまま保存されることとなる。
【0032】
また、曲率中心202,202'を含む紙面に垂直な直線を回転軸とし、反射光学系40が時計方向あるいは反時計方向に回転した場合において、その回転角が小さい場合には、その回転による偏向中心201および瞳孔位置203のズレの影響はほとんど無視することができ、略軸対称とみなすことができる。すなわち、偏向中心201において紙面と平行な方向への偏向角αは、瞳孔位置203においても偏向角αとして略一致するとみなすことができる。従って、偏向中心201において、曲率中心202,202'を含む紙面に垂直な直線を回転軸とした等角速度の偏向は、反射光学系40を通過後も瞳孔位置203において等角速度のまま保存されることとなる。尚、この場合、凸面鏡42の曲率半径rが凹面鏡41の曲率半径Rの1/2より若干大きいとき、具体的には0.52倍程度のときに、偏向角αの有効となる角度を最も大きくすることができる。
【0033】
さらに、反射光学系40は光路上において屈折率の変化の生ずる、例えばレンズ等の光学素子を通過しない光学系であるので、偏向中心201における光束の波面曲率は、偏向中心201と共役になる瞳孔位置203において保存されることとなる。
【0034】
このような特性を有する反射光学系40では、瞳孔位置203において、3次収差のうち球面収差、コマ収差、歪曲収差が補正される利点がある。また、数式(1)の条件を満たすことで、非点収差がほぼゼロに補正される。さらに、レンズ等を利用しないので色収差も生じない。
【0035】
次に、本発明の一実施の形態の画像表示装置が、外部からの映像信号を受けてから、観察者の網膜上に映像を投影するまでの過程について、図1を参照して説明する。
【0036】
図1に示すように、本実施の形態の網膜走査型ディスプレイ1では、光源ユニット部2に設けられた映像信号供給回路3が外部からの映像信号の供給を受けると、映像信号供給回路3は、赤,緑,青の各色のレーザ光を出力させるためのR映像信号,G映像信号,B映像信号からなる映像信号4と、水平同期信号と、垂直同期信号とを出力する。Rレーザドライバ10,Gレーザドライバ9,Bレーザドライバ8は各々入力されたR映像信号,G映像信号,B映像信号に基づいてRレーザ13,Gレーザ12,Bレーザ11に対してそれぞれの駆動信号を出力する。この駆動信号に基づいて、Rレーザ13,Gレーザ12,Bレーザ11はそれぞれレーザ光を発生し、各々を第1コリメート光学系14に出力する。点光源から発生されるレーザ光は、この第1コリメート光学系14によってそれぞれが平行光にコリメートされ、さらに、ダイクロイックミラー15に入射されて1つの光束となるよう合成された後、結合光学系16によって光ファイバ17に入射されるよう導かれる。
【0037】
光ファイバ17によって伝搬されたレーザ光は、光ファイバ17から出射される際に第2コリメート光学系18によって再度コリメートされ、走査ミラー30に入射される。そして、水平同期信号および垂直同期信号に同期して水平走査系駆動回路28および垂直走査系駆動回路29より走査ミラー30の駆動装置(図示外)に駆動電圧が印加されることで、走査ミラー30のミラー面31が水平方向および垂直方向に回動され、このミラー面31に入射されたレーザ光は、水平方向および垂直方向に走査されつつ反射される。さらに、この走査されたレーザ光は反射光学系40の凹面鏡41のミラー面41aに入射され、前述したように、凸面鏡42のミラー面42aとの間で3回反射された後、走査ミラー30と共役の位置にある観察者の瞳孔24に入射され、網膜上に投影される。観察者はこのように2次元走査されて網膜上に投影されたレーザ光により画像を認識することができる。
【0038】
以上説明したように、本実施の形態の網膜走査型ディスプレイ1では、光源ユニット部2から出射されたレーザ光を走査ミラー30で水平方向および垂直方向に走査し、凹面鏡41と凸面鏡42とで構成された反射光学系40に入射させ、走査ミラー30の偏向面上と共役の関係となる位置に配置された観察者の瞳孔24に入射することができる。走査されたレーザ光をこの反射光学系40を通過させることで、観察者の網膜上に形成される画像に、3次収差のうち球面収差、コマ収差、歪曲収差および非点収差の影響が生じないようにすることができる。また、レンズ等を利用しないので色収差の影響も生じない。さらに、レーザ光を走査させることでレーザ光は等角速度に偏向されるが、反射光学系40を通過してもその偏向速度が保存されるので、速度補正のための光学系等を利用せずとも観察者の網膜上に良好な画像を表示することができる。
【0039】
尚、本発明は各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、図4に示すように、第2コリメート光学系18と反射光学系40との間に反射光学系40に同等な反射光学系50を設け、第2コリメート光学系18から出射されたレーザ光を水平走査系駆動回路28に接続されたポリゴンミラー19aで水平方向に走査して反射光学系50を通過させ、反射光学系50から出射されたレーザ光を垂直走査系駆動回路29に接続されたガルバノミラー21aで垂直方向に走査して反射光学系40を通過させ、反射光学系40から出射されたレーザ光を観察者の瞳孔24に入射するようにしてもよい。尚、反射光学系50が、本発明における「第2の光学手段」である。
【0040】
この場合、図5に示すように、反射光学系50は、ミラー面51aを有する曲率半径Rの凹面鏡51と、ミラー面52aを有する曲率半径rの凸面鏡52とで構成され、それぞれの配置関係は反射光学系40と同様となっており、反射光学系50の偏向中心211、曲率中心212および瞳孔位置213はそれぞれ反射光学系40の偏向中心201、曲率中心202および瞳孔位置203に相当する。反射光学系50と反射光学系40とは、それぞれの光軸方向が互いに直交するように配置されている。すなわち、図中、反射光学系50の光軸方向はY軸方向となり、反射光学系40の光軸方向は紙面と垂直な方向となる。さらに、反射光学系50の曲率中心212を含み偏向中心211と瞳孔位置213とを結ぶ線(X軸方向)と、反射光学系40の曲率中心202を含み偏向中心201と瞳孔位置203とを結ぶ線(Y軸方向)とがXY平面上で直交し、かつ反射光学系50の瞳孔位置213が反射光学系40の偏向中心201と一致するように配置されている。
【0041】
反射光学系50の偏向中心201にはポリゴンミラー19aの偏向面が配置され、このポリゴンミラー19aは、第2コリメート光学系18から入射されたレーザ光(入射方向は任意)を+Y方向に走査しつつ反射して、凹面鏡51のミラー面51aに入射させる。レーザ光は、前述と同様に凹面鏡51のミラー面51aと凸面鏡52のミラー面52aとの間で3回反射された後、反射光学系50から出射され(−Y方向)、瞳孔位置213、すなわち偏向中心201に配置されたガルバノミラー21aの偏向面において、偏向中心211のポリゴンミラー19aの偏向面と共役になる。そして、このガルバノミラー21aは、レーザ光を紙面と垂直な方向に走査しつつ反射して、反射光学系40の凹面鏡41のミラー面41aに入射させる。レーザ光は、この反射光学系40でも反射光学系50と同様に、凹面鏡41のミラー面41aと凸面鏡42のミラー面42aとの間で3回反射され、偏向中心201と共役になるように瞳孔位置203に出射される。瞳孔位置203には観察者の瞳孔24が配置されており、瞳孔位置203と偏向中心201と、瞳孔位置213と偏向中心211とがそれぞれ共役の関係にあるので、第2コリメート光学系18からポリゴンミラー19aの偏向面に入射されるレーザ光は、瞳孔24の位置において共役となる。さらに、レーザ光はポリゴンミラー19aおよびガルバノミラー21aによって水平方向および垂直方向にそれぞれ走査され、観察者の瞳孔24に位置において画像として形成される。
【0042】
この変形例の特徴として、偏向中心211と瞳孔位置213とを結ぶ線(X軸方向)と、偏向中心201と瞳孔位置203とを結ぶ線(Y軸方向)とが同一平面上で直交している。第2コリメート光学系18でコリーメートされてからポリゴンミラー19aの偏向面に入射するレーザ光が反射光学系50を通過する場合において、その通過箇所のミラー面51a,52aが平面ではなく、レーザ光の奥行き方向に対しX軸方向に傾斜した球面であるので、レーザ光の断面上の任意の部分において光路差が生じてしまう。すなわち、反射光学系50では、凹面鏡51と凸面鏡52との間を反射されつつ通過する間に変化されるレーザ光の断面の形状が、瞳孔位置213において偏向中心211と共役となるように収束する構成となっているが、そのレーザ光の収束位置に、X軸方向とY軸方向との間で若干のズレが生じてしまい、ポリゴンミラー19aの偏向面では円形であったレーザ光の断面が、ガルバノミラー21aの偏向面において、X軸方向に長径を有する楕円形となる。この非点収差は、数式(1)の条件を満たすことでほぼゼロに補正されるが、それでもわずかではあるが生ずる。しかし、反射光学系40を通過する場合には、反射光学系50を通過した場合と同様に、今度は、Y軸方向に傾斜した反射面をレーザ光が通過することになるので、反射光学系50,40を通過したレーザ光の断面上の任意の部分の光路差は、X軸方向およびY軸方向に一様に相殺されて同じとなる。従って、本変形例では、非点収差が生じず、良好な画像を利用者の瞳孔24に入射させることが可能となる。
【0043】
また、図6に示す変形例は、図4に示す変形例に反射光学系60を加えた例である。反射光学系60は、反射光学系40,50と同等の光学系であり、ミラー面61aを有する曲率半径Rの凹面鏡61と、ミラー面62aを有する曲率半径rの凸面鏡62とで構成され、それぞれの配置関係は反射光学系40,50と同様となっており、反射光学系60の偏向中心221、曲率中心(図示外)および瞳孔位置223はそれぞれ反射光学系40,50の偏向中心201,211、曲率中心202,212および瞳孔位置203,213に相当する。反射光学系60は、その光軸と反射光学系40の光軸とが平行になり、かつ反射光学系40の瞳孔位置203が反射光学系60の偏向中心221と一致して互いに向き合う構成となっている。このように反射光学系60を配置した場合、前述と同様に、偏向中心221と瞳孔位置223とが共役の関係となるので、瞳孔位置203を瞳孔位置223に転送することができる。すなわち、観察者の瞳孔24の配置位置を移動させることが可能となる。そして、さらに複数の反射光学系60と同等の光学系を利用することで、瞳孔24の位置を任意の位置に転送することが可能となる。尚、反射光学系60が、本発明における「瞳孔位置転送手段」である。
【0044】
また、図7に示すように、反射光学系40の凹面鏡41の一部をハーフミラー41bとして構成してもよい。この場合、例えば光軸より瞳孔位置203寄りの部分の凹面鏡41をハーフミラー41bとすることで、反射光学系40を通過するレーザ光の一部を瞳孔位置203に出射するとともに、凹面鏡41の外方からの光束を通過させて瞳孔24に入射させることができる。すなわち、瞳孔24には、前述と同様に偏向中心201に配置された走査ミラー30に走査され反射光学系40を通過したレーザ光と、瞳孔24に対して凹面鏡41の外方の位置、例えば外界の物体25の位置よりそのハーフミラー41b部分を透過して瞳孔24に入射する光束とが合成されて入射される。
【0045】
また、図8に示すように、反射光学系40の光軸方向と平行方向、かつ凹面鏡41より瞳孔位置203を通る延長線を光軸とした2つの焦点距離の異なるレンズ70,71を配置して、さらにその光軸上に利用者の瞳孔24を配置することによって、偏向中心201と共役な瞳孔位置203に結像される画像の結像倍率を変更して観察者の瞳孔24に入射させることが可能となる。レンズ70の焦点距離をf、レンズ71の焦点距離をf'とした場合、反射光学系40の瞳孔位置203と、レンズ70の主点の位置231と、レンズ71の主点の位置232と、観察者の瞳孔位置233とは同軸上に配置される。反射光学系40を通過し、さらに瞳孔位置203を通過した平行光であるレーザ光は、レンズ70に入射し、レンズ70の通過時に屈折されて、その主点から距離fの位置で焦点を結ぶ。そして、このレーザ光は、レンズ70の屈折による収束角度と同一の広がり角度をもって、焦点位置から距離f'だけ離れた位置にあるレンズ71に入射する。レンズ71の焦点距離はf'であるので、レーザ光は再度平行光にコリメートされ、瞳孔位置233において、瞳孔位置203で結像された画像が再度、形成されることになる。このとき、レンズ70の通過前のレーザ光のビーム径を、レンズ71の通過時においてf'/fの倍率に変換することが可能となる。すなわち、レンズ70,71の倍率の組合せによって、瞳孔24に入射するレーザ光を拡大あるいは縮小することができる。尚、レンズ70,71が、本発明における「倍率変換手段」である。
【0046】
また、図9に示すように、網膜走査型ディスプレイ1の第2コリメート光学系18と走査ミラー30との間に、波面曲率変調手段100を設けてもよい。本変形例における網膜走査型ディスプレイ1の波面曲率変調手段100は、可変焦点レンズ101と凸レンズ102とによって構成されている。また、光源ユニット部2には波面曲率変調手段駆動回路23が設けられており、この波面曲率変調手段駆動回路23は、映像信号供給回路3から出力される奥行き信号に基づいて、接続された波面曲率変調手段100に駆動電圧を印加するようになっている。網膜走査型ディスプレイ1のその他の構成は、前述の本実施の形態の場合と同様の構成となっている。
【0047】
ここで、波面曲率の変調について説明する。光源から発した光は、光源を中心とした全方位に等速、同位相で進む光の波、いわゆる等位球面波として伝搬されるが、光源と観察者との距離に応じてその球面波の持つ曲率半径が異なってくる。光源が近ければ曲率半径の小さい像として、また、光源が遠ければ曲率半径の大きい像として観察者の網膜上に投影される。観察者はこの曲率半径のズレを認識し、遠近感を感じることができる。この光の球面波の曲率、つまり波面曲率を人工的に変調させ映像等で表現することによって、本変形例では、より自然な感覚に近い立体視を観察者に提供することを可能としている。
【0048】
次に、図10に示すように、波面曲率変調手段100の可変焦点レンズ101は、透明な流体104を2枚のダイヤフラム103の間に保持しており、波面曲率変調手段駆動回路23(図9参照)から出力される駆動電圧の印可された圧電バイモルフ105が駆動してダイヤフラム103を変形させることによって、可変焦点レンズ101の焦点位置を変動させる。可変焦点レンズ101には、第2コリメート光学系18によって平行光にコリメートされたレーザ光が入射光として、−X方向から入射される。可変焦点レンズ101の主点と凸レンズ102の主点との間の距離は、2×f0に固定されている。
【0049】
可変焦点レンズ101の焦点距離f1が凸レンズ102と同じ距離f0になるように調整された場合、可変焦点レンズ101を通過したレーザ光は、可変焦点レンズ101の主点と凸レンズ102の主点との中間で焦点を結び、凸レンズ102に対して−X方向の距離f0から+X方向に発せられた光として入射するので、凸レンズ102を通過するレーザ光は平行光にコリメートされる。波面曲率変調手段100は、この平行光にコリメートされたレーザ光を出射光として+X方向に出射する。
【0050】
また、図11に示すように、圧電バイモルフ105の駆動によってダイヤフラム103が変動され、可変焦点レンズ101の焦点距離f1がf0より小さくなるように調整された場合、−X方向より可変焦点レンズ101に入射したレーザ光は、可変焦点レンズ101を通過後、凸レンズ102の焦点距離f0より長い距離f1の位置で収束する。さらに、レーザ光は、凸レンズ102に対して−X方向の距離2f0−f1から+X方向に発せられた光、すなわち凸レンズ102の焦点距離f0よりも近い位置から発せられた光として入射する。この場合、焦点距離f0である凸レンズ102を通過したレーザ光は平行光にコリメートされず、波面曲率変調手段100は、このレーザ光を広がり角度を有する拡散光の出射光として+X方向に出射する。この広がり角度を有する拡散光は、見かけ上の発光点125から発せられたレーザ光と同じ波面曲率を持つ。
【0051】
そして、このように波面曲率を変調されたレーザ光が、走査ミラー30で水平および垂直方向に走査され、反射光学系40を通過して観察者の瞳孔24に入射される。前述と同様に偏向中心201と瞳孔位置203とは共役の関係にあるので、偏向中心201、すなわち走査ミラー30の偏向面におけるレーザ光の波面曲率が、瞳孔位置203において保存される。そして、観察者が瞳孔24から眼の中に入射したレーザ光の見かけ上の発光点125にピントを合わせると、レーザ光は観察者の網膜上で結像する。ところで、観察者は、ピント合わせ動作(いわゆる調節作用)により、レーザ光の波面曲率の違いを識別することができるので、観察者はレーザ光の波面曲率の違いに基づく遠近感を認識することができる。すなわち、波面曲率の大きいレーザ光は近い位置より発せられたと感じ、波面曲率の小さいレーザ光は遠い位置より発せられたと感じる。従って、この場合、観察者には見かけ上の発光点125と、瞳孔24の位置に共役な走査ミラー30の偏向面との距離に相当する位置に、レーザ光の発光点が存在するように認識される。
【0052】
また、反射光学系40,50,60の凹面鏡の曲率半径または凸面鏡の曲率半径はそれぞれ同じ大きさでなくともよく、偏向中心と瞳孔位置との関係が共役となるように数式(1)の関係が満たされればよい。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明の画像表示装置では、2次元方向に偏向された光束を瞳孔に導くための光学系として少なくとも一組の曲率半径Rの凹面鏡と曲率半径rの凸面鏡とで構成された第1の光学手段を利用することができ、球面収差、コマ収差、歪曲収差、非点収差、色収差等の諸収差の影響をなくし、かつ第1または第2の偏向手段における光束の偏向の角速度と、瞳孔位置における光束の偏向の角速度とを等しくすることができる。また、観察者の瞳孔の配置位置と偏向中心とを共役の関係にすることができる。さらに、瞳孔位置転送手段により、観察者の瞳孔が配置される位置を転送することができる。従って、結像特性が良好で、かつ歪みのない画面を表示することができるとともに、観察者の瞳孔の配置位置を任意の位置に転送することが可能となる。
【0054】
【0055】
また、請求項に係る発明の画像表示装置では、2次元方向に偏向された光束を瞳孔に導くための光学系として少なくとも一組の曲率半径Rの凹面鏡と曲率半径rの凸面鏡とで構成された第1および第2の光学手段を利用することができ、球面収差、コマ収差、歪曲収差、非点収差、色収差等の諸収差の影響をなくし、かつ第1および第2の偏向手段における光束の偏向の角速度と、瞳孔位置における光束の偏向の角速度とを等しくすることができる。そして、光束が、第1の光学手段を通過後に、光路に対して90度だけ回転した状態で略同一の構成の第2の光学手段を通過することができる。従って、結像特性が良好で、かつ歪みのない画面を表示することができるとともに、第1の光学手段を通過した場合にわずかに生ずる非点収差を第2の光学手段を通過することで相殺することができ、良好な画像を表示することができる。
【0056】
【0057】
また、請求項に係る発明の画像表示装置では、請求項に係る発明の効果に加え、観察者の瞳孔の配置位置とそれぞれの偏向中心とを共役の関係にすることができる。従って、観察者の網膜上に、結像特性が良好で、かつ歪みのない画面を表示することができる。
【0058】
【0059】
また、請求項に係る発明の画像表示装置では、請求項に係る発明の効果に加え、瞳孔位置転送手段が、第1または第2の光学手段は観察者の瞳孔が配置される位置を転送することができる。従って、観察者の瞳孔の配置位置を任意の位置に転送することが可能となる。
また、請求項5に係る発明では、請求項1または4に係る発明の効果に加え、結像性能および角速度の等速性を損なうことなく、自由度の高い観察位置に画像を表示することができる。
また、請求項6に係る発明の画像表示装置では、請求項2、3及び5の何れかに係る発明の効果に加え、凹面鏡の反射面を通して前方の実体を観察することができる。従って、表示画像と実体とを同時に観察する、いわゆるシースルー動作を行うことができる。
【0060】
また、請求項に係る発明の画像表示装置では、請求項1、及び3乃至6の何れかに係る発明の効果に加え、倍率変換手段が、第1または第2の光学手段は観察者の瞳孔が配置される位置に結像される像の結像倍率を変換することができる。従って、観察者の瞳孔位置で形成される画像の画角を拡大もしくは縮小することができる。
【0061】
また、請求項に係る発明の画像表示装置では、請求項1乃至の何れかに係る発明の効果に加え、波面曲率変調手段が、光源から出射された光束の波面曲率を調整もしくは変調することができる。従って、形成される虚像の提示位置を好ましい位置に設定することができ、かつ偏向中心と共役な関係の観察者の瞳孔位置までの光路長の影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、網膜走査型ディスプレイ1の全体構成を示す全体構成図である。
【図2】図2は、走査ミラー30の斜視図である。
【図3】図3は、反射光学系40の特性を説明するための図である。
【図4】図4は、反射光学系40,50を、それぞれの光軸が直交する方向に配置した変形例を示す図である。
【図5】図5は、反射光学系40,50の配置特性を説明するための図である。
【図6】図6は、反射光学系60によって瞳孔位置を転送する変形例を示す図である。
【図7】図7は、凹面鏡41の一部をハーフミラー41bとして構成することでシースルー動作を行うことのできる変形例を示す図である。
【図8】図8は、瞳孔位置203に結像される画像の結像倍率を変更することができる変形例を示す図である。
【図9】図9は、波面曲率変調手段100を利用して観察者に立体視を提供することのできる変形例を示す図である。
【図10】図10は、波面曲率変調手段100によりレーザ光が変調される態様を示す模式図である。
【図11】図11は、波面曲率変調手段100によりレーザ光が変調される態様を示す模式図である。
【符号の説明】
1 網膜走査型ディスプレイ
2 光源ユニット部
19a ポリゴンミラー
21a ガルバノミラー
24 瞳孔
30 走査ミラー
40,50,60 反射光学系
41 凹面鏡
41b ハーフミラー
42 凸面鏡
70 レンズ
71 レンズ
100 波面曲率変調手段
201 偏向中心
202 曲率中心
203 瞳孔位置

Claims (8)

  1. 少なくとも1つの光源と、
    当該光源から出射される光束を画像信号に応じて変調する変調手段と、
    当該変調手段によって変調された光束を第1の方向に偏向する第1の偏向手段と、
    当該第1の偏向手段によって偏向された光束を前記第1の方向にほぼ垂直な第2の方向に偏向する第2の偏向手段と、
    前記第1および第2の偏向手段によって偏向された光束を観察者の瞳孔に入射するための第1の光学手段とを備えた画像表示装置であって、
    前記第1の光学手段は、
    少なくとも一組の曲率半径Rの凹面鏡と曲率半径rの凸面鏡とを備え、当該凹面鏡および当該凸面鏡のそれぞれの光軸および曲率中心が略一致するようにそれぞれの鏡面が対向し、
    さらに、前記観察者の瞳孔が配置される位置を転送する瞳孔位置転送手段を備え、
    前記第1および第2の偏向手段のうち少なくとも一方の偏向中心が前記曲率中心を含む前記光軸に垂直な面内に存在し、前記偏向中心と前記曲率中心との間の距離hが以下の関係を満たしており、前記曲率中心に対して前記第1および第2の偏向手段のうち少なくとも一方の偏向中心に対称な位置に、前記観察者の瞳孔が配置されることを特徴とする画像表示装置。
    Figure 0004082075
  2. 少なくとも1つの光源と、
    当該光源から出射される光束を画像信号に応じて変調する変調手段と、
    当該変調手段によって変調された光束を第1の方向に偏向する第1の偏向手段と、
    当該第1の偏向手段によって偏向された光束を前記第1の方向にほぼ垂直な第2の方向に偏向する第2の偏向手段と、
    前記第1の偏向手段によって前記第1の方向に偏向された光束を前記第2の偏向手段に入射するための第2の光学手段と、
    前記第2の偏向手段によって前記第2の方向に偏向された光束を観察者の瞳孔に入射するための第1の光学手段とを備えた画像表示装置であって、
    前記第1および第2の光学手段は、少なくとも一組の曲率半径Rの凹面鏡と曲率半径rの凸面鏡とをそれぞれ備え、各組の凹面鏡および凸面鏡のそれぞれの鏡面は光軸および曲率中心が略一致するように対向し、
    前記第2の光学手段の曲率中心に対して前記第1の偏向手段の偏向中心に対称な位置に前記第2の偏向手段の偏向中心が配置され、
    前記第1の偏向手段の偏向中心と前記第2の光学手段の曲率中心とを含む前記光軸に垂直な第1の面と、前記第2の偏向手段の前記偏向中心と前記第1の光学手段の曲率中心とを含む前記光軸に垂直な第2の面とが直交し、
    前記第1および第2の偏向手段のそれぞれの前記偏向中心と前記第1および第2の光学手段のそれぞれの前記曲率中心とが前記第2の面内に存在し、前記偏向中心と前記曲率中心との間の距離hが以下の関係を満たすことを特徴とする画像表示装置。
    Figure 0004082075
  3. 前記第1の光学手段の曲率中心に対して前記第2の偏向手段の偏向中心に対称な位置に、前記観察者の瞳孔が配置されることを特徴とする請求項に記載の画像表示装置。
  4. 前記第1または第2の光学手段は前記観察者の瞳孔が配置される位置を転送する瞳孔位置転送手段を備えたことを特徴とする請求項に記載の画像表示装置。
  5. 前記瞳孔位置転送手段は、凹面鏡と凸面鏡とを備えていることを特徴とする請求項1または4に記載の画像表示装置。
  6. 前記第1の光学手段または前記瞳孔位置転送手段において、
    最終段の反射が行われる前記凹面鏡の鏡面の一部が、光束の一部を透過することを特徴とする請求項2、3及び5の何れかに記載の画像表示装置。
  7. 前記第1または第2の光学手段は前記観察者の瞳孔が配置される位置に結像される像の結像倍率を変換する倍率変換手段を備えたことを特徴とする請求項1、及び3乃至6の何れかに記載の画像表示装置。
  8. 前記光源から出射された光束の波面曲率を調整もしくは変調する波面曲率変調手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の画像表示装置。
JP2002118634A 2002-04-22 2002-04-22 画像表示装置 Expired - Fee Related JP4082075B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002118634A JP4082075B2 (ja) 2002-04-22 2002-04-22 画像表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002118634A JP4082075B2 (ja) 2002-04-22 2002-04-22 画像表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003315726A JP2003315726A (ja) 2003-11-06
JP4082075B2 true JP4082075B2 (ja) 2008-04-30

Family

ID=29535413

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002118634A Expired - Fee Related JP4082075B2 (ja) 2002-04-22 2002-04-22 画像表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4082075B2 (ja)

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4586393B2 (ja) * 2004-03-31 2010-11-24 ブラザー工業株式会社 網膜走査画像表示装置
JP4747635B2 (ja) * 2005-03-30 2011-08-17 ブラザー工業株式会社 画像表示装置
WO2007023946A1 (ja) * 2005-08-26 2007-03-01 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha 光走査装置、画像表示装置及び網膜走査型画像表示装置
JP2007058072A (ja) * 2005-08-26 2007-03-08 Brother Ind Ltd 光走査装置、画像表示装置及び網膜走査型画像表示装置
JP2009514007A (ja) * 2005-10-27 2009-04-02 オプティカ・リミテッド 画像投写表示システム
WO2014103695A1 (ja) * 2012-12-27 2014-07-03 コニカミノルタ株式会社 ズームレンズ及び撮像装置
WO2017033601A1 (ja) * 2015-08-25 2017-03-02 ソニー株式会社 表示装置、及び、表示装置の調整方法
WO2017216885A1 (ja) 2016-06-14 2017-12-21 オリンパス株式会社 走査光学系および観察装置
JP6612812B2 (ja) * 2017-06-06 2019-11-27 株式会社Qdレーザ 画像投影装置
WO2019065245A1 (ja) * 2017-09-29 2019-04-04 株式会社Qdレーザ 画像投影装置
WO2019087996A1 (ja) * 2017-10-30 2019-05-09 ピクシーダストテクノロジーズ株式会社 網膜投影装置、網膜投影システム
JP7050292B2 (ja) * 2018-03-28 2022-04-08 株式会社Qdレーザ 画像投影装置
WO2019235320A1 (ja) * 2018-06-08 2019-12-12 ソニー株式会社 画像表示装置
WO2020121814A1 (ja) * 2018-12-11 2020-06-18 株式会社Qdレーザ 画像表示装置および中継光学系
WO2020196637A1 (ja) * 2019-03-28 2020-10-01 株式会社Qdレーザ 画像中継装置及び画像投影システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003315726A (ja) 2003-11-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7170652B2 (ja) ニアアイビューイング用ウェアラブルディスプレイ
KR100709637B1 (ko) 화상표시장치
JP2950306B2 (ja) 画像表示装置
US10921598B2 (en) Image projection device
JP4082075B2 (ja) 画像表示装置
EP3690517B1 (en) Image projection device
JP4372891B2 (ja) 映像表示装置
JP2022536860A (ja) 拡張ビームによるニアアイビューイング用ウェアラブルディスプレイ
JP4006313B2 (ja) 走査型表示光学系及び走査型表示装置
JP2008176096A (ja) 画像表示装置
JP4681825B2 (ja) 走査型表示光学系
JPWO2018110448A1 (ja) 投影光学系、画像投影装置、および画像投影システム
JPWO2020162258A1 (ja) 画像表示装置及びヘッドマウントディスプレイ
JP4574774B2 (ja) 映像表示装置
JP2013148609A (ja) 網膜投影表示装置
WO2023184753A1 (zh) 一种光学投影***以及电子设备
WO2019235320A1 (ja) 画像表示装置
CN114207501B (zh) 用于利用扩展光束近眼观看的可穿戴显示器
WO2022201822A1 (ja) 光源装置及び画像表示装置
JP4533409B2 (ja) 走査型表示光学系
CN115963631A (zh) 视网膜扫描近眼显示装置
JP4127028B2 (ja) レーザ光照射装置及び画像表示装置
CN111462650A (zh) 成像组件及成像装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050325

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070903

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071024

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080204

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110222

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120222

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120222

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130222

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140222

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees