JP4081800B2 - 密封装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、摺動面を備えたシール部材とこのシール部材に当接する付勢部材とを備える密封装置に関し、そのシール性を向上させる技術である。
【0002】
【従来の技術】
従来より、高圧の密封流体(作動油や燃料等)が作用する装置の駆動力伝達部等において、例えばハウジングの軸孔内周面と該軸孔に挿通される軸の外周面(軸孔に対する回転軸やシリンダに対するピストン)との間の環状隙間からの密封流体の漏れを防止するために密封装置が備えられている。
【0003】
図9は、このような密封装置100A,100B,100Cの断面概略構成(図9(a),(c),(e))と,使用形態を説明する断面構成説明図(図9(b),(d),(f))である。
【0004】
各密封装置100A,100B,100Cは、外周側に配置される樹脂材料(例えばPTFE等)による樹脂リング111,112,113と、これら樹脂リングの内周側に当接して拡張力を与えるゴム状弾性体によるOリング114,115,116の2つの構成部材を備えている。
【0005】
図9(b),(d),(f)において、ハウジング101の軸孔101aと軸102は同軸的に配置されており、軸102は目的に合わせて停止/回転動/揺動/往復動等の動作がなされる。そして、軸102の外周面102aには断面矩形状の環状溝102bが設けられ、密封装置100A,100B,100Cが装着されている。
【0006】
密封装置100Aと100Bは断面矩形状の樹脂リング111,112を備え、樹脂リング111,112の外周面111a,112a(樹脂リングを円筒形状にみたてた場合その外周壁面)がハウジング101の軸孔101aとの摺動面となっている。
【0007】
また、密封装置100Cは、装着状態において矢印A101方向からの流体の進入をより防止可能とする片側シールとして機能させるために、樹脂リング113の断面形状を左右非対称としている。
【0008】
具体的には、外周面を矢印A101方向に向けて縮径させた傾斜面部113aと、傾斜面部113aよりも若干小径の平行面部113bとを軸方向に接続させた外周輪郭を有する断面形状である(図8の断面形状は外周輪郭の特徴を際立たせており、実際の傾斜面部113aと平行面部113bとの間隔は図に示されたものよりも小さく設定されることもある)。
【0009】
従って、このような構成の密封装置100A,100B,100Cは、樹脂リングとOリングを組み合わせることにより、弾性の低い樹脂リングに拡張力を与え、対向摺動面(図8ではハウジング101の軸孔101a)に対し所定の圧力で当接させてシール性を発揮させると共に、かつ樹脂材料の特性から摺動性/耐摩耗性に優れたものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
また近年においては、ディーゼルエンジンやガソリンエンジン等において低燃費や高出力等の性能向上を図る為に、シリンダ内に高圧力の燃料を直接噴射して燃焼させる筒内直接噴射方式のものが開発されている。
【0011】
そして、このような筒内直接噴射方式のエンジンでは、燃料を高圧力に加圧するための高圧燃料ポンプが必要であり、この高圧燃料ポンプに使用される密封装置にもより高圧なシール性が要求されている。
【0012】
しかしながら、密封装置100A,100Bにおいては、樹脂リング111,112がOリング114,115により略軸方向略中央部に一番大きな拡張力を受けることから、その外周面111a,112aにおける面圧分布PD100A,PD100Bは、中央部に向かって序々に面圧が高くなる一つの山形形状となっており、面圧の低い軸方向端部より両方向より流体が進入し易くなり、高圧シール性を低下させている。
【0013】
一方、密封装置100Cでは、耐圧を発揮させる側(図において左側)に急な立ち上がりを有する面圧分布PD100Cが形成されることになり、矢印A101方向のシール性に対しては十分であるが、反対側(図において右側)からは流体が進入し易くなり、シール性を低下させている。
【0014】
また、密封装置100Cでは、外周壁面が平面(円筒壁面)ではないので、密封装置100A,100Bに比較して製作性が劣り、また傾斜面部113aの摩耗によって面圧分布が変化しシール性や寿命の低下につながることも懸念されていた。
【0015】
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、良好なシール性を発揮する面圧分布を形成可能とすること、両方向にシール性を発揮させること等を図り、かつ簡易な構成で密封装置のシール性を向上させることにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にあっては、2対向面により形成される環状隙間のいずれか一方の面に形成された環状溝に嵌め込まれ、前記環状隙間において2つの流体が混合されないようにシールすべく他方の面に当接する摺動面を備えたシール部材と、このシール部材に当接して前記他方の面へと付勢する付勢部材とを備えた密封装置において、前記シール部材の摺動面の他方の面に対する面圧のうち、軸方向中央部で発生する面圧よりも軸方向両端側で発生する面圧の方が大きくなるようにすべく、前記シール部材と付勢部材は、軸方向に離れた位置に配置された対となる環状当接部により当接し、前記シール部材の摺動面の軸方向両端部に前記他方の面から離間するテーパ部を備え、前記テーパ部の他方の面から離間する起点位置を、前記シール部材と付勢部材との環状当接部の付勢中心よりも内側に位置させることを特徴とする。
【0021】
これにより、シール部材の摺動面の他方の面に対する面圧分布は、軸方向に離れた位置で面圧の高くなる少なくとも2つの山を有するものとなり、両方向に対して複数段のシールを行なうことが可能となる。また、このテーパ部によって、密封装置が軸方向に摺動する際の姿勢を安定させると共に、シール部材の摺動面に形成される面圧分布の山形状を、軸方向外側に急な立ち上がりを有するものとし、軸方向外側に向かい一方向にシール性を高め、よりシール性が向上する。また、摺動面を凹むように撓ませる方向の応力を与えることができ、シール部材の摺動面の軸方向両端部により高い面圧を付与することができる。
【0022】
前記シール部材は、付勢部材との対向面における軸方向中央部に凹溝を備えたことも好適である。
【0023】
これによって、付勢部材はシール部材の軸方向両端部を付勢して軸方向に離れた位置で面圧の高くなる2つの山を有する面圧分布が形成される。
【0024】
また、前記付勢部材は、シール部材との対向面における軸方向中央部に凹溝を備えたことも好適である。
【0025】
これによっても、付勢部材はシール部材の軸方向両端部を付勢して軸方向に離れた位置で面圧の高くなる2つの山を有する面圧分布が形成される。
【0026】
前記付勢部材は、矩形断面形状のOリングであることも好適である。従って、Oリングがつぶされ変形した際の弾性復帰力による付勢をシール部材の軸方向両端部に効果的に行なうことができる。
【0027】
また、前記シール部材は、付勢部材との対向面における軸方向中央部に突条を備え、前記付勢部材は、前記突条により分割された環状溝の2領域に配置されることも好適である。
【0028】
これによっても、付勢部材はシール部材の軸方向両端部を付勢して軸方向に離れた位置で面圧の高くなる2つの山を有する面圧分布が形成される。尚、付勢部材は、2本のOリングでも良いし、あるいは突条部に対する部位が薄くなっている1本で2つの突部を有するOリングでも良い。
【0029】
また、前記シール部材は、付勢部材との対向面に軸方向に離れて2つの凹溝を備え、
前記付勢部材は、前記凹溝のそれぞれに配置されることも好適である。
【0030】
これによっても、付勢部材はシール部材の軸方向両端部を付勢して軸方向に離れた位置で面圧の高くなる2つの山を有する面圧分布が形成される。
【0031】
また、前記環状溝は、溝底部の軸方向中央部に突条を備え、前記付勢部材は、前記突条により分割された環状溝の2領域に配置されることも好適である。
【0032】
これによっても、付勢部材はシール部材の軸方向両端部を付勢して軸方向に離れた位置で面圧の高くなる2つの山を有する面圧分布が形成される。
【0039】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は本発明を適用した第1の実施の形態における密封装置1の構成を説明する図である。図1においては、密封装置1が軸102に設けた環状溝102bに嵌め込まれ、2対向面としてのハウジング101の軸孔101aと軸102の外周面102aの間の環状隙間106をシールしている状態を説明する要部の断面構成説明図(軸102を軸方向に切断した図)である。
【0040】
シール部材としての樹脂リング2は、PTFE等の耐摩耗及び摺動性に優れた樹脂材料で形成され、概略矩形断面形状を呈した環状部材であり、その外周面をハウジング101の軸孔101aに当接・摺動する摺動面2aとしている。
【0041】
樹脂リング2の摺動面2aは、軸方向の略中央部の逃げ部2bと、逃げ部2bから両端側に向かって突出した傾斜面2c,2dから構成されている。従って、軸方向に離れた位置に1対の環状突部2e,2fが形成され、その最外周部(摺動面2aと両端面の角部)が軸孔101aに対して最も接近することになる。
【0042】
3は環状溝102bに配置され、樹脂リング2の内周面側に当接して樹脂リング2を付勢する付勢部材としてのOリングである。
【0043】
次に、密封装置1が環状溝102bに嵌め込まれ、使用される際に発揮されるシール作用を説明する。
【0044】
樹脂リング2は、Oリング3が径方向につぶれる際の反作用として発生する拡張力により、その摺動面2aが軸孔101aに対して付勢され当接する。そして環状突部2e,2fにおいて、その最外周部近傍(すなわち樹脂リング2の軸方向両端部近傍)をピークとする2つの山を有する面圧分布PD1,PD2が形成される。
【0045】
この面圧分布PD1,PD2の山の形状は、傾斜面2c,2dが軸方向内側にあることから軸方向外側に急な立ち上がりを有して両方向(図において矢印A3,A4方向から進入しようとする流体に対して)に高いシール性を発揮し、例えばこの密封装置1を介してハウジング101内部で2つの流体を混合させずに分離状態とすることもできる。
【0046】
従って、簡易な構成で摺動面2aに両方向にシール性を発揮する面圧分布を形成することができ、密封装置のシール性の向上を図ることができる。
【0047】
尚、この実施の形態では、環状隙間106を密封するために密封装置1も環状としていたが、2対向面が平面の場合にも環状の曲率を大きく設定し、環状の一部を利用したものとみなすことで、適用することが可能である。
【0048】
また、実際の環状突部2e,2fの逃げ部2bからの立ち上がり寸法や傾斜面2c,2dの傾斜角度は、密封流体の種類や使用環境に応じて適宜決定されるもので、図1に示されたようなはっきりした輪郭を伴わない場合もあるが、本発明を適用することにより軸方向両端部近傍をピークとする2つの山を有する面圧分布PD1,PD2が形成されることになる。
【0049】
(実施の形態2及び参考例)第2の実施の形態及び参考例として、上記第1の実施の形態で説明された樹脂リング2の、その他の形態例を図2に示す。図2(a)実施の形態2に係る樹脂リング単体の断面図であり、図2(b)は参考例に係る樹脂リング単体の断面図である。
【0050】
図2(a)において、樹脂リング2Aの摺動面2aは軸方向に円弧状となる凹面をなしており、軸方向の両端部が環状突部2e,2fとして機能している。
【0051】
図2(b)において、樹脂リング2Bは、樹脂リング2の環状突部2e,2fの外側にテーパ部2g,2hを付加したものである。このテーパ部2g,2hにより、密封流体による摺動面2aの潤滑性を向上させ、密封装置が軸方向に摺動する際の姿勢を安定させる。
【0052】
従って、密封流体を完全にシールしてしまった場合等にみられるビビリの防止や、摩耗防止を図ることができる。
【0053】
(実施の形態3)
図3は本発明を適用した第3の実施の形態における密封装置11の構成を説明する図である。
【0054】
図3(a)においては、密封装置11が軸102に設けた環状溝102bに嵌め込まれ、2対向面としてのハウジング101の軸孔101aと軸102の外周面102aの間の環状隙間106をシールしている状態を説明する要部の断面構成説明図(軸102を軸方向に切断した図)である。図3(b)は、樹脂リング12の断面形状を示す図である。
【0055】
シール部材としての樹脂リング12は、PTFE等の耐摩耗及び摺動性に優れた樹脂材料で形成され、概略矩形断面形状を呈した環状部材であり、その外周面側にハウジング101の軸孔101aに当接・摺動する摺動面12a(樹脂リング12円筒とみたてた場合にその外側面)を有している。
【0056】
摺動面12aの軸方向両端部には、軸孔101aから軸方向両側に向かって離間するテーパ部12b,12cが備えられている。
【0057】
一方、樹脂リング12の内周面側には、軸方向略中央部に凹溝12dが形成され、この凹溝12eにより内周面が軸方向に2分割され、その両端部がOリング13と当接する環状当接部12f,12gとなるように構成されている。
【0058】
Oリング13はフリーの状態では矩形断面形状を呈しており、環状溝102bに嵌め込まれ、径方向につぶれる際の反作用として発生する拡張力により、樹脂リング12の環状当接部12f,12gに対して当接・付勢する。
【0059】
尚、Oリング13は、樹脂リング12の凹溝12dを付勢しない限り、円形断面形状等のその他の断面形状のものを採用することもなんら問題ないが、矩形断面形状とすることにより、樹脂リング12の環状当接部12f,12gに対して集中する効果的な付勢を行なうことができる。
【0060】
次に、密封装置11が環状溝102bに嵌め込まれ、使用される際に発揮されるシール作用を説明する。
【0061】
樹脂リング12は、Oリング13の付勢力を環状当接部12f,12gで受けることになり、樹脂リング12の軸方向に離れた2つの位置で付勢され、摺動面12aの軸方向両端部をピークとする2つの山を有する面圧分布PD3,PD4が形成される。
【0062】
さらに、この面圧分布PD3,PD4の山の形状は、テーパ部12b,12cが軸方向外側にあることから軸方向外側に急な立ち上がりを有して両方向(図において矢印A5,A6方向から進入しようとする流体に対して)に高いシール性を発揮する。
【0063】
テーパ部12b,12cが摺動面12aから離間する起点位置(寸法H1により規定)は、環状当接部12f,12gの寸法H2に対してH1<H2の範囲で設定することが望ましいが、特に、環状当接部12f,12gに対するOリング13の付勢中心(環状当接部12f,12gの寸法H2により規定)にほぼ合わせることも好適である。
【0064】
これにより、面圧分布PD3,PD4の山形状は、軸方向内側が緩やかで軸方向外側に急な立ち上がりを有するものものとし、軸方向外側に向かい一方向にシール性を高め、よりシール性が向上する。
【0065】
また、上記起点位置を、環状当接部12f,12gに対するOリング13の付勢中心よりも内側に位置させることにより、Oリング13の付勢力が摺動面12aを凹むように撓ませる方向の応力を与え、摺動面12aの軸方向両端部により高い面圧を付与することができる。
【0066】
(実施の形態4)
図4に第4の実施の形態を示す。この実施の形態の密封装置21では、樹脂リング22の内周面側には凹溝は形成されておらず、平滑面となっている。樹脂リング22の外周面側の構成は、第3の実施の形態の樹脂リング12と同様であり、摺動面22aとテーパ部22b,22cを備えている。
【0067】
Oリング23は、樹脂リング22との対向面(この実施の形態では外周面)における軸方向略中央部に凹溝23aが形成され、断面凹字状となっている。
【0068】
そして、この凹溝23aにより外周面が軸方向に2分割され、その両端部が樹脂リング22と当接する環状当接部23b,23cとなるように構成されている。
【0069】
次に、密封装置21が環状溝102bに嵌め込まれ、使用される際に発揮されるシール作用を説明する。
【0070】
樹脂リング22は、Oリング23の環状当接部23b,23cより付勢力を受けることになり、樹脂リング22の軸方向に離れた2つの位置で付勢され、摺動面22aの軸方向両端部をピークとする2つの山を有する面圧分布PD5,PD6が形成される。
【0071】
さらに、この面圧分布PD5,PD6の山の形状は、テーパ部22b,22cが軸方向外側にあることから軸方向外側に急な立ち上がりを有して両方向(図において矢印A7,A8方向から進入しようとする流体に対して)に高いシール性を発揮する。
【0072】
この実施の形態のように、樹脂リングとOリングの環状当接部をOリング23により形成することも可能である。
【0073】
(実施の形態5)
図5に第5の実施の形態を示す。この実施の形態の密封装置31では、樹脂リング32の内周面側に特徴的な構成を有している。
【0074】
樹脂リング32の外周面側の構成は、第4の実施の形態の樹脂リング22と同様であり、摺動面32aとテーパ部32b,32cを備えている。
【0075】
樹脂リング32の内周面側の構成は、軸方向略中央部に突条32dを備え、軸方向の両端部のフランジ部32e,32fとにより形成される凹溝32g,32hにOリング33a,33bが嵌め込まれている。
【0076】
従って、樹脂リング32は、軸方向に離れた2つのOリング33a,33bにより付勢力を受けることになり、摺動面32aの軸方向両端部をピークとする2つの山を有する面圧分布PD7,PD8が形成される。
【0077】
さらに、この面圧分布PD7,PD8の山の形状は、テーパ部32b,32cが軸方向外側にあることから軸方向外側に急な立ち上がりを有して両方向(図において矢印A9,A10方向から進入しようとする流体に対して)に高いシール性を発揮する。
【0078】
また、図5(b)に示されるように、樹脂リング32のテーパ部32b,32cの範囲H3を凹溝32g,32hの範囲H4内とすることも好適であり、この実施の形態では1/2程度に設定されている。
【0079】
このような関係とすることにより、摺動面32aの軸方向両端部により高い面圧を発生させることが可能となる。
【0080】
図6は第5の実施の形態の変形例であり、樹脂リング32Bには樹脂リング32に備えられていたフランジ部32e,32fが存在しない。このような形態の樹脂リング32Bにおいても、樹脂リング32と同様の効果が得られる。
【0081】
(実施の形態6)
図7に第6の実施の形態を示す。この実施の形態の密封装置41は、第5の実施の形態と同じく、2本のOリング43a,43bを軸方向に離して樹脂リング42を付勢する構成である。
【0082】
この実施の形態では、2本のOリング43a,43bを軸方向に離すために、環状溝102bの軸方向略中央部に突条102cが設けられている。
【0083】
従って、樹脂リング42は、軸方向に離れた2つのOリング43a,43bにより付勢力を受けることになり、摺動面42aの軸方向両端部をピークとする2つの山を有する面圧分布PD9,PD10が形成される。
【0084】
さらに、この面圧分布PD9,PD10の山の形状は、テーパ部42b,42cが軸方向外側にあることから軸方向外側に急な立ち上がりを有して両方向(図において矢印A11,A12方向から進入しようとする流体に対して)に高いシール性を発揮する。
【0085】
また、図7(b)に示されるように、樹脂リング42のテーパ部42b,42cの範囲H5を突条102cにより分割された環状溝102bの幅H6内とすることも好適であり、この実施の形態では1/2程度に設定されている。
【0086】
このような関係とすることにより、摺動面42aの軸方向両端部により高い面圧を発生させることが可能となる。
【0087】
(実施の形態7)
図8に第7の実施の形態を示す。この実施の形態の密封装置51は、第6の実施の形態と同じ構成であるが、軸方向に離れた2つのOリング43a,43bの付勢中心位置(矢印A13,A14)が、樹脂リング42のテーパ部42b,42cの摺動面42aからの離間開始位置、即ち摺動面42aの両端部の位置(矢印A15,A16)よりも外側としている(H7の距離だけ離れている)。
【0088】
これにより、摺動面42aを凹むように撓ませる方向の応力(矢印A17,A18の曲げモーメント)を与えることができ、樹脂リング42のの摺動面42aの軸方向両端部により高い面圧を付与することができる。
【0089】
【発明の効果】
上記に説明されたように、本発明を適用した密封装置によると、シール部材の摺動面の他方の面に対する面圧が環状突部において高くなり、軸方向に離れて少なくとも2つの山を有する面圧分布が形成され、両方向に対して複数段のシールを行なうことが可能となり、密封装置のシール性を向上させることができる。
【0090】
環状突部が傾斜面を有することで、軸方向外側に向かい一方向にシール性の高い面圧分布が形成され、よりシール性を向上させることができる。
【0091】
また、シール部材と付勢部材が、軸方向に離れた位置に配置された対となる環状当接部により当接することにより、軸方向に離れた位置で面圧の高くなる少なくとも2つの山を有するものとなり、両方向に対して複数段のシールを行なうことが可能となり、密封装置のシール性を向上させることができる。
【0092】
シール部材の摺動面の軸方向両端部に前記他方の面から離間するテーパ部を備えることにより、密封装置が軸方向に摺動する際の姿勢を安定させると共に、シール部材の摺動面に形成される面圧分布の山形状を、軸方向外側に急な立ち上がりを有するものとし、軸方向外側に向かい一方向にシール性を高め、よりシール性を向上させる。
【0093】
テーパ部の他方の面から離間する起点位置を、前記シール部材と付勢部材との環状当接部の付勢中心にほぼ合わせることにより、面圧分布の山形状は、軸方向内側が緩やかで軸方向外側に急な立ち上がりを有するものものとし、軸方向外側に向かい一方向にシール性を高め、よりシール性が向上する。
【0094】
テーパ部の他方の面から離間する起点位置を、前記シール部材と付勢部材との環状当接部の付勢中心よりも内側に位置させることにより、摺動面を凹むように撓ませる方向の応力を与えることができ、シール部材の摺動面の軸方向両端部により高い面圧を付与することができ、よりシール性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1の実施の形態に係る密封装置の断面構成説明図。
【図2】図2は第2の実施の形態及び参考例に係る密封装置の構成部材の図。
【図3】図3は第3の実施の形態に係る密封装置の断面構成説明図。
【図4】図4は第4の実施の形態に係る密封装置の断面構成説明図。
【図5】図5は第5の実施の形態に係る密封装置の断面構成説明図。
【図6】図6は第5の実施の形態に係る密封装置の断面構成説明図。
【図7】図7は第6の実施の形態に係る密封装置の断面構成説明図。
【図8】図8は第7の実施の形態に係る密封装置の断面構成説明図。
【図9】図9は従来の密封装置とその摺動面の面圧分布特性を示す図。
【符号の説明】
1 密封装置
2 樹脂リング(シール部材)
2a 摺動面
2b 逃げ部
2c,2d 傾斜面
2e,2f 環状突部
3 Oリング
101 ハウジング
101a 軸孔
102 軸
102a 外周面
102b 環状溝
106 環状隙間
PD1,PD2 面圧分布

Claims (7)

  1. 2対向面により形成される環状隙間のいずれか一方の面に形成された環状溝に嵌め込まれ、前記環状隙間において2つの流体が混合されないようにシールすべく他方の面に当接する摺動面を備えたシール部材と、このシール部材に当接して前記他方の面へと付勢する付勢部材とを備えた密封装置において、
    前記シール部材の摺動面の他方の面に対する面圧のうち、軸方向中央部で発生する面圧よりも軸方向両端側で発生する面圧の方が大きくなるようにすべく、前記シール部材と付勢部材は、軸方向に離れた位置に配置された対となる環状当接部により当接し、前記シール部材の摺動面の軸方向両端部に前記他方の面から離間するテーパ部を備え、前記テーパ部の他方の面から離間する起点位置を、前記シール部材と付勢部材との環状当接部の付勢中心よりも内側に位置させることを特徴とする密封装置。
  2. 前記シール部材は、付勢部材との対向面における軸方向中央部に凹溝を備えたことを特徴とする請求項に記載の密封装置。
  3. 前記付勢部材は、シール部材との対向面における軸方向中央部に凹溝を備えたことを特徴とする請求項に記載の密封装置。
  4. 前記付勢部材は、矩形断面形状のOリングであることを特徴とする請求項に記載の密封装置。
  5. 前記シール部材は、付勢部材との対向面における軸方向中央部に突条を備え、前記付勢部材は、前記突条により分割された環状溝の2領域に配置されることを特徴とする請求項に記載の密封装置。
  6. 前記シール部材は、付勢部材との対向面に軸方向に離れて2つの凹溝を備え、前記付勢部材は、前記凹溝のそれぞれに配置されることを特徴とする請求項に記載の密封装置。
  7. 前記環状溝は、溝底部の軸方向中央部に突条を備え、前記付勢部材は、前記突条により分割された環状溝の2領域に配置されることを特徴とする請求項に記載の密封装置。
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