JP4080833B2 - 電気掃除機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動送風機の運転に伴って吸引される含塵空気を旋回させることにより塵を分離しながら掃除をするサイクロン分離装置を備えた電気掃除機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のサイクロン分離装置を備えた電気掃除機は、サイクロン分離装置と電動送風機とをそれらの軸方向が夫々上下方向となる姿勢で設けている。これにより、掃除機本体の前方に開放する吸塵口から水平方向に吸込まれる気流は、略90°方向変換されてサイクロン分離装置の有底円筒形集塵カップにその上方から下向きに供給される。この供給に伴いサイクロン分離装置の旋回流形成手段により集塵カップの内周面に沿って旋回する旋回流が作られる。この旋回流は、集塵カップの下部で反転してこのカップの径方向中央部を上昇し、集塵カップの上端開口を閉じているフィルターで覆われた気流出口を通って集塵カップ外に流出する。この後、流出した気流はダクトを介して電動送風機に吸込まれ、この送風機を通って掃除機本体外に排出される。
【0003】
こうした気流の流れにより、集塵カップ内で気流とこれに含まれる塵とを遠心力を利用して分離して、分離された塵を集塵カップ内に溜めるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−17626号公報(段落0033−0039、0050、0056、図1、図11、図12)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載のサイクロン分離装置は、その集塵カップ内で作られて下向きに旋回する気流を反転上昇させるので、塵を遠心分離し易い一方で、圧力損失が大きい。このため、電動送風機の吸込み仕事率が良くないことに伴って、吸塵性能を向上させるには不利である。
【0006】
この改善のために本発明者は、旋回しつつ流れる気流の進行方向に気流を流出させるようにした、いわゆる直進流式のサイクロン分離装置を採用する電気掃除機を提案するに至った。この種の直進流式サイクロン分離装置では、その内部を流れる気流の直進エネルギーが大きいので圧力損失の低減が可能である。しかしこの反面で気流の旋回エネルギーが小さいので、気流に対する塵の分離性能はよくない。
【0007】
ところで、電気掃除機が吸塵する塵は、髪の毛、紙ごみ、綿ごみ、砂、埃など様々な種類があるだけではなく、同じ塵でも丸まっていたリ、延びていたりするなど形態が異なり、更に前記各種類の2種以上が複合していたりする等、多様である。このように多種多様な塵は、夫々に応じて気流に乗って運動し易かったり、絡み付き易かったり、気流に乗りがたかったりする等、気流に対する性質・物性も夫々異なっている。
【0008】
そして、特許文献1に記載の反転流式サイクロン分離装置を備えた電気掃除機でも、現状は、全ての種類の塵を充分に分離することは不可能な段階にあるので、これよりも分離性能が低い直進流式サイクロン分離装置を搭載した電気掃除機では、更に塵の分離性能が低下すると考えられている。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、吸塵性能とともに多種多様な塵の分離性能を向上することが可能な電気掃除機を得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、吸塵口を有する掃除機本体に取付けられた電動送風機の上流側に直進流式のサイクロン分離装置を配置し、このサイクロン分離装置が、前記吸塵口と連通する気流入口が設けられた円錐台状部及びこの円錐台状部の終端に連続する終端部を有するサイクロン上流部と、前記終端部の下流側に連続された径に変化がない分離円筒及びこの分離円筒に設けられた気流出口を有して前記サイクロン上流部より強い遠心分離作用を付与するサイクロン下流部を備え、前記サイクロン上流部が軸方向一端側部分を作っているとともに前記サイクロン下流部が軸方向他端側部分を作っている分離筒体であって、この分離筒体の軸方向一端部に前記気流入口を配置するとともに、前記電動送風機側に配置される前記分離筒体の軸方向他端部に前記気流出口を設けた前記分離筒体と、前記サイクロン上流部に設けられて前記気流入口を通って導入された含塵空気を前記分離筒体内で旋回させる旋回流形成手段と、前記サイクロン上流部の前記終端部に接続されるとともに前記終端部の周壁の接線方向に延びる導出壁を有して形成された第1塵出口と、前記分離円筒の下流側部位にこの分離円筒の半径方向に開口して形成された第2塵出口と、前記分離筒体の回りに設けられ前記第1塵出口を通った塵を溜める第1塵溜め部と、前記分離筒体の回りに設けられ前記第2塵出口を通った塵を溜める第2塵溜め部と、を具備している。
【0011】
本発明で、直進流式のサイクロン分離装置とは、旋回しつつ流れる気流の進行方向に気流を流出させながら、この気流中に含まれている塵を分離することが可能なサイクロン分離装置を意味している。この分離装置内を流動する実質的な直進流は、掃除機本体に対して上下方向、又は水平方向、或いは斜め方向のいずれであってもよい。本発明で、分離筒体は、その内部を気流が旋回できる筒状であれば、円筒体でも角筒体でもよいが、特に軸方向と直交する断面において長軸と短軸との差が少ない楕円円筒体がよく、中でも前記断面真円の円筒体を用いることが好ましい。
【0012】
本発明で、旋回流形成手段は、気流入口を通って分離筒体内に流入された含塵空気に旋回運動を付与するものであり、分離筒体内にこの筒体の中心軸線に対して同軸に或いは多少ずらして配置される螺旋翼、プロペラ等を用いることができる他、気流入口で兼ねることができる。この場合、気流入口は、これを通る含塵空気が分離筒体を直進しようとする成分を多く含むような斜めの姿勢で分離筒体に設ければよい。本発明で、気流入口は、分離筒体の周壁又は入口側端壁に接続して設けることが可能である。本発明で、気流出口は、分離筒体の出口側に開けた開口で形成できる他、前記出口側に上流に向けて突設されて分離筒体の径方向中央部に位置する筒体で形成してもよく、或は前記出口に上流に向けて突設されて分離筒体の径方向中央部に位置される例えば円錐状のフィルター体で作ることも可能である。
【0013】
本発明で、第1塵出口は、これに専用に対応する第1塵溜め部に直接接続できる他、実質的に第1塵出口と見做し得る第1出口通路を介して間接的に第1塵溜め部に接続することも可能であり、同様に第2塵出口も、これに専用に対応する第2塵溜め部に直接接続できる他、実質的に第2塵出口と見做し得る第2出口通路を介して間接的に第2塵溜め部に接続することも可能である。
【0014】
本発明では、分離筒体内をその軸方向一端部から他端部に向けて直進状に気流を流通させる過程で、この気流に旋回流形成手段で旋回運動を与えて、気流中の塵を遠心分離し、分離された塵を第1、第2の塵出口から第1塵受け部又は第2塵受け部に個別に取出す。このため、分離筒体内での気流の直進エネルギーが大きく、したがって、圧力損失の低減が可能である。
【0015】
更に、旋回気流の旋回数が少ないサイクロン上流部に設けられた第1塵出口は、主として旋回する気流の不充分な遠心分離作用でも分離筒体の内周面に向けて速やかに寄せられてこの内周面に沿って移動される軽い塵、つまり、気流に乗って運動し易い性質を持つ微細な紙ごみや綿ごみ等を、その慣性により分離筒体の接線方向に延びる導出壁に案内させて、効果的に第1塵溜め部に取出し可能である。旋回気流の旋回数が多いサイクロン下流部に設けられて分離筒体の半径方向に開口した第2塵出口は、主として旋回する気流の充分な遠心分離作用で分離筒体の内周面に向けて寄せられてこの内周面に沿って移動される比較的重い塵、つまり、気流に乗って運動し難い性質を持つ砂や埃等を通過させて、効果的に第2塵溜め部に取出し可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図6を参照して本発明の一実施形態を説明する。
【0017】
図1中符号1で示す電気掃除機が備える掃除機本体2は、移動用車輪3が取付けられているとともに図示しない排気部を有した後ケース4と、下面にキャスタ5が取付けられた前ケース6とを備えている。
【0018】
前ケース6は後ケース4に着脱可能に取付けられている。前ケース6は、後ケース4に接続された状態で後述する分離装置のフィルターボックスを上方から覆って配置されるボックスカバー部6aを有している。この前ケース6には例えば前方に指向する吸塵口7が設けられている。吸塵口7には、これを通って吸込まれる含塵空気を導く吸塵ホースなどの気流導入手段8が取外し可能に接続される。
【0019】
後ケース4には、電動送風機11がその吸気口(図示しない)を例えば前方に向けて内蔵されている。更に後ケース4には、直進流式のサイクロン分離装置(以下、分離装置と略称する。)12が、その一部例えば後部を後ケース4に収容するとともに前部を後ケース4の前方に突出させて支持されている。本実施形態では電動送風機11と分離装置12とは互いに連結されてユニット化されている。この連結により電動送風機11は分離装置12の中心軸線の延長線上に配置されている。この場合、電動送風機11の中心軸線と分離装置12の中心軸線とは、平行にずれていても、或いは斜めに交差する関係にあってもよいが、好ましい例として両軸線が略一致するように電動送風機11と分離装置12とは配置されている。
【0020】
図2〜図4等に示すように分離装置12は、ベース21、分離筒体31、旋回流形成手段をなす螺旋翼41、第1塵出口45、第2塵出口48、第1塵溜め部51、及び第2塵溜め部55を備えている。
【0021】
ベース21は、台部22と、フィルターボックス23と、送風機取付け部24とで作られている。台部22の内部空間は、隔壁25により互いに独立していて連通してない閉空間の第1、第2の塵溜め部51、55に分割されている。図3及び図4において第1塵溜め部51は第2塵溜め部55の前側に形成されている。ベース21の底板21aは着脱可能に設けられている。この底板21aは前ケース6を取外した状態でベース21に対して着脱される。この取外しによって第1、第2の塵溜め部51、55内の塵を夫々排出できるようになっている。
【0022】
フィルターボックス23は台部22に対して例えば上向きで直角に連なって設けられている。このボックス23の先端(上端)にはボックス蓋23aが取外し可能に取付けられている。このボックス蓋23aは前記ボックスカバー部6aで覆われる。
【0023】
フィルターボックス23にはフィルター26(図1及び図6参照)がその洗浄などによる再生や交換のために出し入れ可能に収容されている。フィルター26は分離筒体31から電動送風機11に吸込まれる気流に含まれる塵を捕捉するものである。このフィルター26は、単層でも多層でもよいとともに、塵の他に気流中の臭い成分を除去するなど他の機能を持っていてもよい。
【0024】
送風機取付け部24はフィルターボックス23の背面に設けられている。この取付け部24には電動送風機11が接続されている。
【0025】
分離筒体31は、その軸方向一端側部分で作られるサイクロン上流部31a、及び分離筒体31の軸方向他端側部分で作られるサイクロン下流部31bを備えている。この分離筒体31は、台部22上でかつフィルターボックス23の上流側に位置してベース21に取付けられている。
【0026】
サイクロン上流部31aは、円錐台状部と、この円錐台状部の終端に連続する終端部32とを有している。円錐台状部は、その入口側端壁33からサイクロン下流部31bに向かうに従い軸方向と直交する方向の断面積を次第に大きくして形成されていて、このため、円錐台状部の風路断面積は下流側に向けて徐々に拡大している。図2及び図6(A)等に示すようにサイクロン上流部31aの終端部32は、分離筒体31の軸線を中心とする半径を次第に大きくして形成されている。サイクロン上流部31aの入口側端壁33の外面には、分離筒体31の軸線を共有して軸方向に延びる筒状の気流入口34が例えば一体に突設されている。この気流入口34は分離筒体31の軸方向一端部に配置されていて、これには掃除機本体2の組立てに伴って前ケース6の吸塵口7が接続される。
【0027】
サイクロン下流部31bは、径に変化がない分離円筒35と、円筒からなる気流出口36とを有している。分離円筒35は、分離筒体31の軸線を共有し、かつ、終端部32の下流側に連続して設けられていて、更に、この分離円筒35の下流側の端はフィルターボックス23に支持されている。分離筒体31の軸方向他端部に設けられる気流出口36は分離筒体31の軸線を共有して分離円筒35内にこれと同心的に配置されている。この気流出口36はフィルターボックス23内と連通してこのボックス23に支持されている。これにより、気流出口36を通った気流がフィルターボックス23内に吸込まれるようになっている。
【0028】
螺旋翼41は、図5等に示すように一端から他端に向けて次第に径が大きくなる中心軸42の周囲に、360°以上に捩られたスパイラル状をなす1枚の翼板43を設けるとともに、中心軸42の小径な一端に翼板43の先端と連続する斜状のガイド44を設けて形成されている。図3及び図4に示すように螺旋翼41は、サイクロン上流部31a内に挿入して、ガイド44を気流入口34に対向させるとともに、翼板43をサイクロン上流部31aの内周面に接触させて取付けられている。この取付けにより、サイクロン上流部31a内には翼板43に沿った螺旋状の風路が形成される。中心軸42の下流側端は、気流出口36に対して軸方向に離れていて、この離間部分を通してサイクロン下流部31bの径方向中央部であって、かつ、気流出口36の外側の気流が気流出口36に吸込まれるようになっている。
【0029】
第1塵出口45は、サイクロン上流部31aと第1塵溜め部51とを連通している。詳しくは、図3及び図6(A)に示すようにガイド44を基準に捩られた角度が360°を超える翼板43部分、より好ましくは、サイクロン上流部31aの終端部32と第1塵溜め部51とを接続して、第1塵出口45が設けられている。この第1塵出口45は、分離筒体31の軸線を中心とする半径を次第に大きくして形成された終端部32の周方向に開口しているとともに、終端部32の周壁の接線方向に延びる導出壁46を有して作られている。好ましい例として第1塵出口45は上下方向に延びており、その上端が終端部32に接続され、下端が第1塵溜め部51に接続されている。これにより、分離された塵をその重さなどを利用して第1塵溜め部51に導くことが可能である。
【0030】
第2塵出口48は、サイクロン下流部31bと第2塵溜め部55とを連通している。詳しくは、図4及び図6(B)に示すように第2塵出口48は、分離円筒35の下流側部位にこの円筒35の半径方向に開口して設けられている。好ましい例として第2塵出口48は上下方向に延びており、その上端が分離円筒35に接続され、下端が第2塵溜め部55に接続されている。これにより、分離された塵をその重さなどを利用して第2塵溜め部55に導くことが可能である。第1、第2の塵出口45、48は、分離筒体31の軸方向、言い換えれば、この筒体31内を直進する気流の流れ方向に沿って直列に並べられている。
【0031】
前記構成の電気掃除機1は、その電動送風機11を運転することにより、図示しない吸込み口体及び気流導入手段8を通して被掃除面の塵を空気とともに吸込んで掃除できる。
【0032】
詳しくは、電動送風機11の吸気力によって吸塵口7から分離装置12の気流入口34に吸込まれた含塵気流は、スパイラル状の翼板43に沿ってサイクロン上流部31a内を旋回した後、この翼板43の後側に連続しているサイクロン下流部31bの分離円筒35の内周面に沿って旋回し、更に、このサイクロン下流部31b内の気流出口36を通って分離筒体31外に流出する。こうして流出した気流は、フィルターボックス23内を通過して電動送風機11に吸込まれ、この後電動送風機11から出て掃除機本体2外に排出される。
【0033】
以上のように気流入口34から流入してサイクロン上流部31a内で翼板43により旋回されつつ流れる気流は、サイクロン上流部31aでの進行方向に位置するサイクロン下流部31bを経て気流出口36から流出される。即ち、分離筒体31から電動送風機11に至る気流は実質的に直進的に流れる。
【0034】
このような直進流は、サイクロン上流部31a内では螺旋気流となっているが、そこでは分離筒体31の軸方向に沿う直進方向成分と翼板43の傾斜に沿った遠心方向成分とを有している。特に、本実施形態では気流出口36に向けて直進しようとする気流を基に遠心方向成分が生じるので、直進方向成分の方が大である。このため、気流が反転する場合に比較して圧力損失が小さい。しかも、気流入口34が分離筒体31の軸方向に延びているので、この入口34からサイクロン上流部31aに気流が流入する際の圧力損失も小さい。このため、電動送風機11の吸込み仕事率を高めることができ、それに伴って吸塵性能を向上することが可能である。
【0035】
既述のようにサイクロン上流部31a内の直進成分を多く含んだ螺旋気流によって、この気流中に含まれる塵には遠心作用が働く。しかし、掃除機本体2の長さとの兼ね合いで翼板43の軸方向長さを無闇に長くすることは実用上できないので、翼板43による気流の旋回回数は精々1回以上数回以下と少ない。
【0036】
このため、気流中の全ての種類の塵に対して十分な遠心力を与えて、全ての種類の塵を分離筒体31の内周面にまで移動させることは難しい。具体的には、この段階では、気流に容易に乗って運動し易い性質を持った微細な紙ごみや糸くず並びに髪の毛等の軽い塵を、分離筒体31の内周面にまで寄せることは可能である。しかし、気流に乗り難い砂や比較的大きい塵等のように重い塵の全てを、分離筒体31の内周面にまで寄せることは難しい。
【0037】
ところで、第1塵出口45は、分離筒体31の軸方向中間部に設けられていて、分離筒体31の接線方向、正確にはサイクロン上流部31aの終端部32の半径が拡大した周壁の接線方向に延びる導出壁46を有している。このため、主として終端部32の内周面に沿って流れる例えばひらひらした紙くず等で代表される軽い塵を、その慣性によって導出壁46に沿わせて、第1塵出口45に通して第1塵受け部51に排出させることができる。これとともに終端部32の半径が拡大した周壁内面に既に到達している重い塵の一部も、同様に、第1塵出口45に通して第1塵受け部51に排出できる。
【0038】
この第1塵出口45での塵の取出しの場合、第1塵受け部51が閉空間であって風が通り抜けないことに伴い、第1塵受け部51には塵が入り難い傾向がある。それにも拘らず、旋回しつつサイクロン上流部31aの内周面に寄せられた塵を、その慣性で導出壁46に沿わせて導くので、図6(A)中矢印で示す経路で確実に塵を第1塵受け部51に排出できる。
【0039】
サイクロン上流部31aから第1塵受け部51に排出されなかった塵は、サイクロン下流部31bに直進して流入する。サイクロン下流部31bでは径に変化がない(つまり、風路断面積が拡大しない)分離円筒35の内周面に沿って気流が旋回するので、ここでの気流の旋回回数及び速度はサイクロン上流部31aに比較して増える。これにより、サイクロン上流部31aよりも強い遠心分離作用をサイクロン下流部31b内の塵に付与できる。このため、砂などの重い塵を、分離円筒35の内周面に確実に寄せて、図6(B)中矢印で示す経路で第2塵出口48に例えば落ち込むように通して第2塵受け部55に確実に排出できる。
【0040】
こうしてサイクロン下流部31bで塵が分離された気流は、サイクロン上流部31aでの気流の進行方向に沿って気流出口36を通って流出し、フィルターボックス23を経て電動送風機11に直進的に吸込まれる。この吸込み気流中に含まれている微細で極めて軽い塵などは、フィルターボックス23内のフィルター26により捕捉される。
【0041】
以上のように前記電気掃除機1では、多種多様な性質、物性の塵を、1度に分離筒体31から取出すのではなく、塵に作用する遠心分離の程度に応じて複数回に分けて取出している。具体的には、気流の旋回数が少ないサイクロン上流部31aと、気流の旋回数が多いサイクロン下流部31bとに、塵の性質、物性に見合った構成の塵出口45、48を設けて、これらから夫々に対応した性質、物性の塵を第1、第2の塵溜め部51、55に個別に取出している。
【0042】
このように塵の性質、物性に見合った分離をしているので、直進する気流から実際に分離できる塵の種類及び分離量などを増やすことができる。こうした分離性能の向上により、電動送風機11の吸込み性能を劣化させるフィルター26の早期の目詰まりを抑制できるとともに、ユーザーによるフィルター26の交換或いは洗浄などのメンテナンス作業の頻度も軽減可能である。
【0043】
しかも、本実施形態では、旋回気流の旋回数が少ないサイクロン上流部31aに第1塵出口45を設け、旋回気流の旋回数が多いサイクロン下流部31bに第2塵出口48を設けたので、はじめに、軽くひらひらした紙ごみ等が、電動送風機11の間近に配設された第2塵出口48よりも上流側の第1塵出口45で分離され排出される。これにより軽くひらひらした紙ごみ等がフィルター26に吸付けられて、電動送風機11の吸込み性能を劣化させることを抑制し易い点で優れている。
【0044】
本発明は前記一実施形態に制約されない。例えば、第1、第2の塵出口の夫々の数、及びこれらに個別に対応する各塵溜め部の数は問わない。又、本発明は、キャニスタ型以外の電気掃除機、例えば、ステック型、ハンディ型、アップライト型の電気掃除機にも適用可能である。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、吸塵性能とともに多種多様な塵の分離性能を向上可能な電気掃除機を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電気掃除機を一部切欠して示す側面図。
【図2】図1の電気掃除機が備えるサイクロン分離装置を示す斜視図。
【図3】図2のサイクロン分離装置を一部切欠して示す斜視図。
【図4】図2のサイクロン分離装置を一部切欠して示す斜視図。
【図5】図2のサイクロン分離装置の一部を分解して示す斜視図。
【図6】(A)は図2のサイクロン分離装置の第1塵出口及び第1塵溜め部回りを示す断面図。
(B)は図2のサイクロン分離装置の第2塵出口及び第2塵溜め部回りを示す断面図。
【符号の説明】
1…電気掃除機
2…掃除機本体
7…吸塵口
11…電動送風機
12…サイクロン分離装置
31…分離筒体
31a…サイクロン上流部
31b…サイクロン下流部
32…サイクロン上流部の終端部
33…サイクロン上流部の入口側端壁
34…気流入口
35…サイクロン下流部の分離円筒
36…気流出口
41…螺旋翼(旋回流形成手段)
45…第1塵出口
46…導出壁
48…第2塵出口
51…第1塵溜め部
55…第2塵溜め部

Claims (3)

  1. 吸塵口を有する掃除機本体に取付けられた電動送風機の上流側に直進流式のサイクロン分離装置を配置し、
    このサイクロン分離装置が、
    前記吸塵口と連通する気流入口が設けられた円錐台状部及びこの円錐台状部の終端に連続する終端部を有するサイクロン上流部と、前記終端部の下流側に連続された径に変化がない分離円筒及びこの分離円筒に設けられた気流出口を有して前記サイクロン上流部より強い遠心分離作用を付与するサイクロン下流部を備え、前記サイクロン上流部が軸方向一端側部分を作っているとともに前記サイクロン下流部が軸方向他端側部分を作っている分離筒体であって、この分離筒体の軸方向一端部に前記気流入口を配置するとともに、前記電動送風機側に配置される前記分離筒体の軸方向他端部に前記気流出口を設けた前記分離筒体と、
    前記サイクロン上流部に設けられて前記気流入口を通って導入された含塵空気を前記分離筒体内で旋回させる旋回流形成手段と、
    前記サイクロン上流部の前記終端部に接続されるとともに前記終端部の周壁の接線方向に延びる導出壁を有して形成され第1塵出口と、
    前記分離円筒の下流側部位にこの分離円筒の半径方向に開口して形成された第2塵出口と、
    前記分離筒体の回りに設けられ前記第1塵出口を通った塵を溜める第1塵溜め部と、
    前記分離筒体の回りに設けられ前記第2塵出口を通った塵を溜める第2塵溜め部と、
    を具備している電気掃除機。
  2. 前記気流出口を前記分離筒体内に同心的に配置した請求項1に記載の電気掃除機。
  3. 前記旋回流形成手段を、360度以上捩られたスパイラル状をなして前記サイクロン上流部内に設けられ、前記気流入口を通って導入された含塵空気を旋回させる螺旋状の風路を前記サイクロン上流部内に形成する螺旋翼とした請求項1又は2に記載の電気掃除機。
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