JP4080600B2 - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塩化ビニル系重合体の製造方法に関するものであり、更に詳しくは、重合転化率が特定の時期に特定の部分ケン化ポリビニルアルコールを添加することにより、還流凝縮器による除熱を伴う製造法においても重合中の発泡による品質の低下および操業上の問題を招くことなく、多孔性で可塑剤吸収性に優れ、成形した際のフィッシュアイが少ない塩化ビニル系重合体を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
塩化ビニル系重合体は、その軟質分野においては可塑剤の吸収が速くかつフィッシュアイが少ないことが望まれている。これらの要求に応えるために種々の方法が提案されており、特開昭53−136089号公報等には、ケン化度60〜90モル%、重合度300〜3000のポリビニルアルコールである一次分散剤に低ケン化度かつ低重合度の部分ケン化ポリビニルアルコールを二次分散剤として併用する方法が提案されている。しかし、上記特開昭53−136089号公報記載の製造方法では、重合発熱に対し還流凝縮器を使用した場合、重合中に著しい発泡現象が生じ、フィッシュアイ等の品質を悪化させるだけでなく、還流凝縮器への重合体の付着、還流凝縮器の閉塞等により還流凝縮器の除熱能力が大幅に低下するといった操業上の問題があった。
【0003】
重合中の発泡現象に対してはその対策として特開昭56−26908号公報及び特開昭58−49710号公報では、破泡翼による消泡が提案されている。しかし、破泡翼を使用した場合、破泡翼に付着したスラリーや破泡翼により飛散し缶壁に付着したスラリーがスケールの原因となるという問題があった。
【0004】
また、特開平2−180908号公報、特開平3−212409号公報及び特開平4−130103号公報では、消泡剤による消泡が提案されているが、従来の消泡剤は分散剤に起因する重合初期の発泡には有効であるが、重合後半の発泡には全く効果がない。
【0005】
一方、特開昭57−212212号公報及び特開昭57−212213号公報では還流凝縮器による除熱を制御することによる抑泡、また、特開平2−55707号公報では非凝集ガス注入による抑泡をそれぞれ提案しているが、いずれも還流凝縮器による除熱効率を著しく低下させるという問題があった。
【0006】
また、特開平4−323202号公報、特開平4−323208号公報、特開平5−1104号公報及び特開平5−39310号公報では発泡を起こしにくい分散剤を使用した製造法を提案しているが、これらの方法においても消泡効果が不十分であったり、フィッシュアイが著しく増加するという問題があった。
【0007】
最近は、還流凝縮器が付設された大型反応器を用いて高速で重合する設備が普及して、これに伴って重合中の発泡、フィッシュアイが増加する傾向にありこれを解決する新たな課題が発生している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、還流凝縮器を付設し、かつポリマー付着防止剤を塗布した容積40m 3 以上の大型反応器を用いて重合時間6時間以内で、塩化ビニル系重合体を製造する方法においても重合中の発泡による品質の低下および操業上の問題を招くことなく、多孔性で可塑剤吸収性に優れ、成形した際のフィッシュアイが少ない塩化ビニル系重合体を製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討結果、特定の部分ケン化ポリビニルアルコールを特定の時期に添加することにより、上記の課題を解決できることを見出だし本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明は以下の発明および実施形態を包含する。
【0011】
(1)還流凝縮器を付設し、かつポリマー付着防止剤を塗布した容積40m3以上の大型反応器を用いて重合時間6時間以内で、塩化ビニル系単量体を水性媒体中で油溶性ラジカル開始剤と分散安定剤を用いて懸濁重合させるに際し、重合転化率が60〜80%の間に重合度が200〜4000かつケン化度が65〜99モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール(A)を塩化ビニル系単量体100重量部に対し0.01〜0.2重量部添加する塩化ビニル系重合体の製造方法であって、前記分散安定剤として重合度が2000〜3000かつケン化度が75〜85モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール(B)及び/または重合度が300〜1000かつケン化度が65〜75モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール(C)を塩化ビニル系単量体100重量部に対して0.03〜0.15重量部、及び、重合度が100〜700かつケン化度が20〜55モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール(D)を塩化ビニル系単量体100重量部に対して0.01〜0.1重量部使用することを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明において、部分ケン化ポリビニルアルコール(A)を添加する時期は、重合転化率が60〜80%の間が好ましく、60〜70%の間が特に好ましい。(A)を添加する時期が重合転化率60%より後であれば多孔性、及び、可塑剤吸収性が良好で、成形した際のフィッシュアイが少ない。また、80%より前であると発泡を防止する効果が十分であり、重合中発泡が生じ品質の悪化や操業上の問題が生じないだけでなく、重合後の塩化ビニル系重合体スラリーの発泡性が低く、未反応塩化ビニル系単量体を除去する際、発泡しにくいため未反応塩化ビニル系単量体の除去が短時間ですみ、結果として生産性が向上する。
【0015】
本発明において部分ケン化ポリビニルアルコール(A)の添加方法については特に制限はなく、重合転化率が60〜80%の間であれば部分ケン化ポリビニルアルコール(A)全量を一括で添加してもよく、数回に分割して添加してもよい。また、ある期間にわたって連続的に添加してもよい。
【0016】
本発明において、重合転化率が60〜80%の間に添加する部分ケン化ポリビニルアルコール(A)は、重合度が200〜4000かつケン化度が65〜99モル%の部分ケン化ポリビニルアルコールである。
【0017】
また、その使用量は塩化ビニル系単量体100重量部に対し0.01〜0.2重量部である。ここで部分ケン化ポリビニルアルコール(A)の重合度は200〜4000、好ましくは500〜3000であり、ケン化度は65〜99モル%、好ましくは75〜90モル%であり、重合度が500〜3000かつケン化度が75〜90モル%であることが得に好ましい。
【0018】
ここで部分ケン化ポリビニルアルコール(A)の重合度が200以上であり、ケン化度が65モル%以上である場合、発泡を防止する効果が十分であり、重合中の発泡が少なく品質の悪化や操業上の問題が起こらない。部分ケン化ポリビニルアルコール(A)の使用量は塩化ビニル系単量体100重量部に対し0.01〜0.2重量部であり、0.03〜0.15重量部であることが特に好ましい。(A)の使用量が0.01重量部以上であると、発泡を防止する効果が十分であり、重合中の発泡が少なく品質の悪化や操業上の問題が起こらない。
【0019】
また、(A)の使用量が0.2重量部より少なければ、添加した部分ケン化ポリビニルアルコール自体が発泡の原因とならず、重合中に発泡しにくく品質の悪化や操業上の問題が生じない。また、重合後の塩化ビニル系重合体スラリーの発泡性も低く、未反応塩化ビニル系単量体を除去する際、発泡しにくいため未反応塩化ビニル系単量体の除去が短時間ですみ、結果として生産性が著しく向上する。
【0020】
本発明の方法では重合転化率が60〜80%の間に部分ケン化ポリビニルアルコール(A)は、重合度が200〜4000かつケン化度が65〜99モル%の部分ケン化ポリビニルアルコールを添加することで上記記載のように重合末期及び未反応塩化ビニル系単量体を除去する際の発泡現象を抑える効果がある。
【0021】
本発明においては、より多孔性で可塑剤吸収性に優れ、成形した際のフィッシュアイが少ない塩化ビニル系重合体を製造できることから、分散安定剤として重合度が2000〜3000かつケン化度が75〜85モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール(B)及び/または重合度が300〜1000かつケン化度が65〜75モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール(C)を塩化ビニル系単量体100重量部に対して0.03〜0.15重量部、及び、重合度が100〜700かつケン化度が20〜55モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール(D)を塩化ビニル系単量体100重量部に対して0.01〜0.1重量部使用する。
【0022】
本発明において用いられる重合開始剤としては、一般的に懸濁重合法に重合開始剤として用いられるものでよく、例えばジイソプロピルパーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシネオデカネート、tert−ヘキシルパーオキシピバレート、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物;2、2’−アゾビスイソブチロニトリル、2、2’−アゾビス−2、4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物などが挙げられ、これらは1種または2種以上の組合せで使用することができる。該重合開始剤の使用量は、高速重合が可能となることから塩化ビニル系単量体100重量部に対し、0.05〜0.02重量部使用することが望ましい。
【0023】
本発明の方法は、重合時間が6時間以内、さらには4時間以内程度の高速の重合でも、重合中の発泡による品質の低下および操業上の問題を招くことなく、多孔性で可塑剤吸収性に優れ、成形した際のフィッシュアイが少ない塩化ビニル系重合体を製造することが可能となることを特徴とするものである。
【0024】
また、本発明では40m 3 以上の大型反応器、さらには100m 3 以上、200m 3 程度の大型反応器を用いても上記の操業上の問題がなく高品質の塩化ビニル系重合体を製造できることを特徴とするものである。
【0025】
反応器の攪拌機に特に制限はなく、所望によりバッフルも使用される。攪拌機については通常塩化ビニル系単量体の重合に使用されるタービン翼、ファンタービン翼、ファウドラー翼及びブルーマージン翼が、バッフルとしてはフィンガー型、円筒型、D型及びループ型等が例示される。
【0026】
本願の方法に使用する反応器や還流凝縮器等の付帯設備はポリマー付着防止剤を塗布したものを用いる方が本発明の効果をより確実に発現することができる。またこれによって、反応後に反応器を開閉することのない、いわゆるクローズド化プロセスも可能となる。
【0027】
本発明の方法で使用するポリマー付着防止剤としては公知のものであれば制限無く使用できる。例えばUSP4,080,173号公報、EPC062284A1公報、日本特許公告5246/1985公報、日本特許公告3841/1987公報、再公表JP3501884号等の特許請求の範囲、実施例等に記載の薬剤が例示される。
【0028】
本発明の方法で使用する反応器に付設する還流凝縮器は公知のものが使用でき、その運転方法についても文献記載の方法等が適用される。(例えば:佐伯、長見編著:新ポリマー製造プロセス(工業調査会発行)第158頁表6.5記載)。
【0029】
反応器が大型になり、還流凝縮器を付設し、4〜6時間程度の短時間で重合を終了する高速重合では還流凝縮器での除熱割合が大きい場合には、通常フィシュアイやスケール付着が増加する傾向にあるが、本発明の方法ではこのような条件の重合で特に優れた効果をしめす。
【0030】
本発明においては、本発明を実施する際には、塩化ビニル単量体と共重合可能なビニル系単量体又は塩化ビニル単量体とグラフト重合可能なポリマーを必要に応じて添加して重合してもよい。
【0031】
本発明における塩化ビニル系単量体とは、塩化ビニル単量体、又は塩化ビニル単量体と共重合可能なビニル系単量体との混合物をいう。
【0032】
塩化ビニル単量体と共重合可能なビニル系単量体としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類;イソブチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル等のアルキル又はアリールビニルエーテル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニル、塩化アリル、臭化ビニル等のハロゲン化オレフィン類;エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、アクリロニトリル、無水マレイン酸、無水イタコン酸等のアクリル系誘導体類等を挙げることができる。
【0033】
又、塩化ビニル単量体とグラフト共重合可能なポリマーとしては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリウレタン、ポリブタジエン−スチレン−メチルメタクリレート共重合体(MBS)、ポリブタジエン−アクリロニトリル−(α−メチル)スチレン共重合体(ABS)、ポリブチルアクリレート、ブチルゴム、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、架橋アクリルゴム等を挙げることができる。
【0034】
本発明の製造方法によると、還流凝縮器による除熱を伴う製造法においても重合中の発泡による品質の低下および操業上の問題を招くことなく、多孔性で可塑剤吸収性に優れ、成形した際のフィッシュアイが少ない塩化ビニル系重合体を得ることができる。
【0035】
本発明の方法で得られた重合スラリーは未反応塩化ビニル系単量体を除去する後処理工程に送られる。後処理工程は槽式または塔式のストリッピング工程が好ましく使用され、公知の方法が適用される。(例えば:佐伯、長見編著:新ポリマー製造プロセス(工業調査会発行)第163頁記載)。
【0036】
以下の実験例、実施例によって、本発明を更に説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。
以下の実験例、比較実験例で分散剤とその添加方法の基礎実験を行い、その結果を本件特許発明の大型重合器を用いた例で確認の実施例及び比較例を行なった。
【0037】
実験例、比較実験例、実施例及び比較例により得られた重合体の物性は、下記の方法により評価を行った。
【0038】
〜平均粒径〜
得られた塩化ビニル系重合体の50%の重合体粒子が通過するふるいの目の大きさ(μm)を平均粒径とした。
【0039】
〜可塑剤吸収量〜
得られた重合体に過剰の可塑剤(ジオクチルフタレート;DOP)を加え、室温で10分間放置した後、遠心分離機(国産遠心器(株)製)を用いて3000rpmで遠心し重合体に吸収されなかった可塑剤を除去した。遠心後の重合体に保持されている可塑剤量を測定し、重合体に対する重合体に保持された可塑剤の割合を百分率で表したものを可塑剤吸収量とした。
【0040】
〜フィッシュアイ〜得られた塩化ビニル系重合体100重量部,Ca−Zn系粉末複合安定剤1.5重量部、有機燐系安定化助剤0.5重量部、群青3重量部及びDOP(ジオクチルフタレート)50重量部を混合し、150℃のロールで厚さ0.35mmとして3分混練し、0.35mmのシートを分取し、シート50cm 2 中の透明粒子の数をもって示した。
【0041】
実験例1
還流凝縮器を有する内容積2m3の反応器に純水140重量部、ケン化度80モル%、重合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコール0.05重量部、ケン化度40モル%、重合度550の部分ケン化ポリビニルアルコール0.04重量部、tert−ブチルパーオキシネオデカネート0.04重量部を入れ減圧状態にした。次いで、塩化ビニル単量体100重量部を仕込み、オートクレーブ内を攪拌しながら57℃に昇温した後、還流凝縮器へ冷却水を通水し還流凝縮器による除熱量が全重合発熱量の40〜50%となるように調節して重合を継続した。次いで重合転化率が65%になった時点でケン化度80モル%、重合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコール0.05重量部を添加した。その後、反応器の圧力が重合反応の定常状態における圧力から1.8kg/cm2下がった時点で、未反応塩化ビニル単量体を反応器上部の未反応単量体回収ラインより撹拌しながら除去した。(なお、本明細書記載の実験例及び比較実験例では反応器の圧力が重合反応の定常状態における圧力から1.8kg/cm2下がった時点とする重合時間は5.3〜5.7時間であった)。
【0042】
この際、スラリー温度は50℃に保持した。未反応単量体を除去する間、未反応単量体回収ライン内への泡立ちはみられず、29分で回収を終了した。また、還流凝縮器および還流凝縮器への導管内への泡立ちの跡はなく、重合体の付着もみられなかった。
【0043】
未反応塩化ビニル単量体を回収した後、スラリーをオートクレーブから取り出し脱水乾燥を行ったところ、約85%の重合転化率で塩化ビニル重合体を得た。
得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表1に示す。
得られた塩化ビニル重合体は、可塑剤吸収性に優れ、成形した際のフィッシュアイが少ないものであった。
【0044】
実験例2
重合転化率65%で添加したケン化度80モル%、重合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコール0.05重量部の代わりに、ケン化度80モル%、重合度1000の部分ケン化ポリビニルアルコール0.07重量部を使用した以外は実験例1と同様に行い、約85%の重合転化率で塩化ビニル重合体を得た。
【0045】
未反応単量体回収時の発泡状況、還流凝縮器への重合体の付着の有無および得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表1に示す。
未反応単量体回収の際のライン内への泡立ちはみられず、また、還流凝縮器および導管内への泡立ちの跡はなく、重合体の付着もみられなかった。
得られた塩化ビニル重合体は、可塑剤吸収性に優れ、成形した際のフィッシュアイが少ないものであった。
【0046】
実験例3
重合転化率65%で添加したケン化度80モル%、重合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコール0.05重量部の代わりに、ケン化度88モル%、重合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコール0.04重量部を使用した以外は実験例1と同様に行い、約85%の重合転化率で塩化ビニル重合体を得た。
未反応単量体回収時の発泡状況、還流凝縮器への重合体の付着の有無および得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表1に示す。
【0047】
未反応単量体回収の際のライン内への泡立ちはみられず、また、還流凝縮器および導管内への泡立ちの跡はなく、重合体の付着もみられなかった。
得られた塩化ビニル重合体は、可塑剤吸収性に優れ、成形した際のフィッシュアイが少ないものであった。
【0048】
実験例4
重合転化率65%で添加したケン化度80モル%、重合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコール0.05重量部の代わりに、ケン化度70モル%、重合度1000の部分ケン化ポリビニルアルコール0.15重量部を使用した以外は実験例1と同様に行い、約85%の重合転化率で塩化ビニル重合体を得た。
未反応単量体回収時の発泡状況、還流凝縮器への重合体の付着の有無および得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表1に示す。
【0049】
未反応単量体回収の際のライン内への泡立ちはみられず、また、還流凝縮器および導管内への泡立ちの跡はなく、重合体の付着もみられなかった。
得られた塩化ビニル重合体は、可塑剤吸収性に優れ、成形した際のフィッシュアイが少ないものであった。
【0050】
実験例5
重合転化率65%で添加したケン化度80モル%、重合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコール0.05重量部の代わりに、ケン化度95モル%、重合度3500の部分ケン化ポリビニルアルコール0.1重量部を使用した以外は実験例1と同様に行い、約85%の重合転化率で塩化ビニル重合体を得た。
未反応単量体回収時の発泡状況、還流凝縮器への重合体の付着の有無および得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表2に示す。
【0051】
未反応単量体回収の際のライン内への泡立ちはみられず、また、還流凝縮器および導管内への泡立ちの跡はなく、重合体の付着もみられなかった。
得られた塩化ビニル重合体は、可塑剤吸収性に優れ、成形した際のフィッシュアイが少ないものであった。
【0052】
実験例6
重合転化率65%で添加したケン化度80モル%、重合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコール0.05重量部の代わりに、ケン化度98モル%、重合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコール0.1重量部を使用した以外は実験例1と同様に行い、約85%の重合転化率で塩化ビニル重合体を得た。
未反応単量体回収時の発泡状況、還流凝縮器への重合体の付着の有無および得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表2に示す。
【0053】
未反応単量体回収の際のライン内への泡立ちはみられず、また、還流凝縮器および導管内への泡立ちの跡はなく、重合体の付着もみられなかった。
得られた塩化ビニル重合体は、可塑剤吸収性に優れ、成形した際のフィッシュアイが少ないものであった。
【0054】
実験例7
重合転化率65%で添加したケン化度80モル%、重合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコール0.05重量部を転化率75%で添加した以外は実験例1と同様に行い、約85%の重合転化率で塩化ビニル重合体を得た。
未反応単量体回収時の発泡状況、還流凝縮器への重合体の付着の有無および得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表2に示す。
【0055】
未反応単量体回収の際のライン内への泡立ちはみられず、また、還流凝縮器および導管内への泡立ちの跡はなく、重合体の付着もみられなかった。
得られた塩化ビニル重合体は、可塑剤吸収性に優れ、成形した際のフィッシュアイもわずかに増加したが問題ないものであった。
【0056】
実験例8
重合転化率65%で添加したケン化度80モル%、重合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコールの使用量を0.02重量部とした以外は実験例1と同様に行い、約85%の重合転化率で塩化ビニル重合体を得た。
未反応単量体回収時の発泡状況、還流凝縮器への重合体の付着の有無および得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表2に示す。
【0057】
未反応単量体回収の際のライン内への泡立ちはみられず、また、還流凝縮器および導管内への泡立ちの跡はなく、重合体の付着もみられなかった。
得られた塩化ビニル重合体は、可塑剤吸収性に優れ、成形した際のフィッシュアイもわずかに増加したが問題ないものであった。
【0058】
実験例9
実験例1で重合開始前に添加する分散剤をケン化度80モル%、重合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコール0.03重量部とケン化度70モル%、重合度700の部分ケン化ポリビニルアルコール0.02重量部及びケン化度40モル%、重合度550の部分ケン化ポリビニルアルコール0.04重量部とした以外は実験例1と同様に行い、約85%の重合転化率で塩化ビニル重合体を得た。
未反応単量体回収時の発泡状況、還流凝縮器への重合体の付着の有無および得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表3に示す。
【0059】
未反応単量体回収の際のライン内への泡立ちはみられず、また、還流凝縮器および導管内への泡立ちの跡はなく、重合体の付着もみられなかった。
得られた塩化ビニル重合体は、可塑剤吸収性に優れ、成形した際のフィッシュアイが少ないものであった。
【0060】
実験例10
実験例2で重合開始前に添加する分散剤をケン化度80モル%、重合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコール0.03重量部とケン化度70モル%、重合度700の部分ケン化ポリビニルアルコール0.02重量部及びケン化度40モル%、重合度550の部分ケン化ポリビニルアルコール0.04重量部とした以外は実験例2と同様に行い、約85%の重合転化率で塩化ビニル重合体を得た。
未反応単量体回収時の発泡状況、還流凝縮器への重合体の付着の有無および得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表3に示す。
【0061】
未反応単量体回収の際のライン内への泡立ちはみられず、また、還流凝縮器および導管内への泡立ちの跡はなく、重合体の付着もみられなかった。
得られた塩化ビニル重合体は、可塑剤吸収性に優れ、成形した際のフィッシュアイが少ないものであった。
【0062】
実験例11
実験例3で重合開始前に添加する分散剤をケン化度80モル%、重合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコール0.03重量部とケン化度70モル%、重合度700の部分ケン化ポリビニルアルコール0.02重量部及びケン化度40モル%、重合度550の部分ケン化ポリビニルアルコール0.04重量部とした以外は実験例3と同様に行い、約85%の重合転化率で塩化ビニル重合体を得た。
未反応単量体回収時の発泡状況、還流凝縮器への重合体の付着の有無および得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表3に示す。
【0063】
未反応単量体回収の際のライン内への泡立ちはみられず、また、還流凝縮器および導管内への泡立ちの跡はなく、重合体の付着もみられなかった。
得られた塩化ビニル重合体は、可塑剤吸収性に優れ、成形した際のフィッシュアイが少ないものであった。
【0064】
比較実験例1
重合転化率65%で添加したケン化度80モル%、重合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコール0.05重量部の代わりに、ケン化度40モル%、重合度550の部分ケン化ポリビニルアルコール0.1重量部を使用した以外は実験例1と同様に行い、約85%の重合転化率で塩化ビニル重合体を得た。
未反応単量体回収時の発泡状況、還流凝縮器への重合体の付着の有無および得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表4に示す。
【0065】
未反応単量体回収の際、ライン内への泡立ちがみられたため回収速度を低下させたところ、未反応単量体の回収に68分を要した。また、還流凝縮器および導管内への重合体の付着がみられた。
得られた塩化ビニル重合体は可塑剤吸収性は高いが、粒径が大きく、かつ成形した際のフィッシュアイが多いものであった。
【0066】
比較実験例2
重合転化率65%で添加したケン化度80モル%、重合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコール0.05重量部の代わりに、ケン化度50モル%、重合度250の部分ケン化ポリビニルアルコール0.1重量部を使用した以外は実験例1と同様に行い、約85%の重合転化率で塩化ビニル重合体を得た。
未反応単量体回収時の発泡状況、還流凝縮器への重合体の付着の有無および得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表4に示す。
【0067】
未反応単量体回収の際、ライン内への泡立ちがみられたため回収速度を低下させたところ、未反応単量体の回収に62分を要した。また、還流凝縮器および導管内への重合体の付着がみられた。
得られた塩化ビニル重合体は可塑剤吸収性は高いが、粒径が大きく、かつ成形した際のフィッシュアイが多いものであった。
【0068】
比較実験例3
重合転化率65%で添加したケン化度80モル%、重合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコール0.05重量部の代わりに、ケン化度80モル%、重合度100の部分ケン化ポリビニルアルコール0.1重量部を使用した以外は実験例1と同様に行い、約85%の重合転化率で塩化ビニル重合体を得た。
未反応単量体回収時の発泡状況、還流凝縮器への重合体の付着の有無および得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表4に示す。
【0069】
未反応単量体回収の際、ライン内への泡立ちがみられたため回収速度を低下させたところ、未反応単量体の回収に60分を要した。また、還流凝縮器および導管内への重合体の付着がみられた。
得られた塩化ビニル重合体は可塑剤吸収性は高いが、粒径が大きく、かつ成形した際のフィッシュアイが多いものであった。
【0070】
比較実験例4
重合転化率65%で添加したケン化度80モル%、重合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコール0.05重量部の代わりに、ケン化度88モル%、重合度100の部分ケン化ポリビニルアルコール0.1重量部を使用した以外は実験例1と同様に行い、約85%の重合転化率で塩化ビニル重合体を得た。
未反応単量体回収時の発泡状況、還流凝縮器への重合体の付着の有無および得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表4に示す。
【0071】
未反応単量体回収の際、ライン内への泡立ちがみられたため回収速度を低下させたところ、未反応単量体の回収に65分を要した。また、還流凝縮器および導管内への重合体の付着がみられた。
得られた塩化ビニル重合体は可塑剤吸収性は高いが、粒径が大きく、かつ成形した際のフィッシュアイが多いものであった。
【0072】
比較実験例5
重合転化率60%で添加したケン化度80モル%、重合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコール0.05重量部を重合転化率40%で添加した以外は実験例1と同様に行い、約85%の重合転化率で塩化ビニル重合体を得た。
未反応単量体回収時の発泡状況、還流凝縮器への重合体の付着の有無および得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表5に示す。
【0073】
未反応単量体回収の際のライン内への泡立ち、還流冷却器および導管内への重合体の付着はみられなかったが、得られた塩化ビニル重合体は可塑剤吸収性が低く、かつ成形した際のフィッシュアイが多いものであった。
【0074】
比較実験例6
重合転化率60%で添加したケン化度80モル%、重合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコール0.05重量部を重合転化率85%で添加した以外は実験例1と同様に行い、約85%の重合転化率で塩化ビニル重合体を得た。
未反応単量体回収時の発泡状況、還流凝縮器への重合体の付着の有無および得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表5に示す。
【0075】
未反応単量体回収の際、ライン内への泡立ちがみられたため回収速度を低下させたところ、未反応単量体の回収に85分を要した。また、還流凝縮器および導管内への重合体の付着がみられた。
得られた塩化ビニル重合体は可塑剤吸収性は高いが、粒径が大きく、かつ成形した際のフィッシュアイが多いものであった。
【0076】
比較実験例7
重合転化率60%で添加したケン化度80モル%、重合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコールを添加しなかった以外は実験例1と同様に行い、約85%の重合転化率で塩化ビニル重合体を得た。 未反応単量体回収時の発泡状況、還流凝縮器への重合体の付着の有無および得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表5に示す。
【0077】
未反応単量体回収の際のライン内への泡立ちはみられなかったが、還流凝縮器および導管内への重合体の付着がみられた。
得られた塩化ビニル重合体は可塑剤吸収性は高いが、粒径が大きく、かつ成形した際のフィッシュアイが多いものであった。
【0078】
比較実験例8
重合転化率60%で添加したケン化度80モル%、重合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコールの使用量を0.3重量部とした以外は実験例1と同様に行い、約85%の重合転化率で塩化ビニル重合体を得た。
未反応単量体回収時の発泡状況、還流凝縮器への重合体の付着の有無および得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表5に示す。
【0079】
未反応単量体回収の際、ライン内への泡立ちがみられたため回収速度を低下させたところ、未反応単量体の回収に90分を要した。また、還流凝縮器および導管内への重合体の付着がみられた。
得られた塩化ビニル重合体は可塑剤吸収性が低く、かつ成形した際のフィッシュアイが多いものであった。
【0080】
比較実験例9
重合転化率65%で添加したケン化度80モル%、重合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコール0.05重量部の代わりに、ケン化度40モル%、重合度550の部分ケン化ポリビニルアルコール0.1重量部を使用した以外は実験例9と同様に行い、約85%の重合転化率で塩化ビニル重合体を得た。
未反応単量体回収時の発泡状況、還流凝縮器への重合体の付着の有無および得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表6に示す。
【0081】
未反応単量体回収の際、ライン内への泡立ちがみられたため回収速度を低下させたところ、未反応単量体の回収に67分を要した。また、還流凝縮器および導管内への重合体の付着がみられた。
得られた塩化ビニル重合体は可塑剤吸収性は高いが、粒径が大きく、かつ成形した際のフィッシュアイが多いものであった。
【0082】
比較実験例10
重合転化率65%で添加したケン化度80モル%、重合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコール0.05重量部の代わりに、ケン化度80モル%、重合度100の部分ケン化ポリビニルアルコール0.1重量部を使用した以外は実験例9と同様に行い、約85%の重合転化率で塩化ビニル重合体を得た。
未反応単量体回収時の発泡状況、還流凝縮器への重合体の付着の有無および得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表6に示す。
【0083】
未反応単量体回収の際、ライン内への泡立ちがみられたため回収速度を低下させたところ、未反応単量体の回収に60分を要した。また、還流凝縮器および導管内への重合体の付着がみられた。
得られた塩化ビニル重合体は可塑剤吸収性は高いが、粒径が大きく、かつ成形した際のフィッシュアイが多いものであった。
【0084】
比較実験例11
重合転化率65%で添加したケン化度80モル%、重合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコール0.05重量部を重合転化率40%で添加した以外は実験例9と同様に行い、約85%の重合転化率で塩化ビニル重合体を得た。
未反応単量体回収時の発泡状況、還流凝縮器への重合体の付着の有無および得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表6に示す。
【0085】
還流冷却器および導管内への重合体の付着はみられなかったが、未反応単量体回収の際、ライン内への泡立ちがみられたため回収速度を低下させたところ、未反応単量体の回収に63分を要した。還流冷却器および導管内への重合体の付着はみられなかった。
得られた塩化ビニル重合体は可塑剤吸収性が低く、かつ成形した際のフィッシュアイが多いものであった。
【0086】
比較実験例12
重合転化率65%で添加したケン化度80モル%、重合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコールを添加しなかった以外は実験例9と同様に行い、約85%の重合転化率で塩化ビニル重合体を得た。
未反応単量体回収時の発泡状況、還流凝縮器への重合体の付着の有無および得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表7に示す。
【0087】
未反応単量体回収の際、ライン内への泡立ちがみられたため回収速度を低下させたところ、未反応単量体の回収に65分を要した。また、還流凝縮器および導管内への重合体の付着がみられた。
得られた塩化ビニル重合体は可塑剤吸収性は高いが、粒径が大きく、かつ成形した際のフィッシュアイが多いものであった。
【0088】
比較実験例13
重合転化率65%で添加したケン化度80モル%、重合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコールの使用量を0.3重量部とした以外は実験例9と同様に行い、約85%の重合転化率で塩化ビニル重合体を得た。
未反応単量体回収時の発泡状況、還流凝縮器への重合体の付着の有無および得られた塩化ビニル重合体の評価結果を表7に示す。
【0089】
未反応単量体回収の際、ライン内への泡立ちがみられたため回収速度を低下させたところ、未反応単量体の回収に95分を要した。また、還流凝縮器および導管内への重合体の付着がみられた。
得られた塩化ビニル重合体は可塑剤吸収性が低く、かつ成形した際のフィッシュアイが多いものであった。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】
【表3】
【0093】
【表4】
【0094】
【表5】
【0096】
【表7】
【0097】
【実施例】
実施例1
再公表JP3501884号記載の実施例1のポリマー付着防止剤を塗布した還流凝縮器を有する内容積100m3の反応器を用いて、重合に使用する原料を各々50倍にした以外は実験例1と同様な条件で重合を行った。重合時間5.5時間で約85%の重合転化率で塩化ビニル重合体を得た。
未反応単量体回収時の発泡状態、還流冷却器および導管等への重合体の付着の有無及び得られた塩化ビニル重合体の評価を行った。
【0098】
未反応単量体回収の際のライン内への泡立ちはみられず、また、還流冷却器および導管内への泡立ちの跡はなく、重合器への重合体の付着も認められなかった。
得られた塩化ビニル重合体は、可塑剤吸収性に優れ、成形した際のフィシュアイが少なく、実験例1と同様の結果が得られた。本実験結果のように100m3の大型重合器においても優れた結果が得られた。
【0099】
比較例1再公表JP3501884号記載の実施例1のポリマー付着防止剤を塗布した還流凝縮器を有する内容積100m3の反応器を用いて、重合に使用する原料を各々50倍にし、重合転化率が60%で添加するケン化度80%、重合度2600の部分ケン化ポリビニルアルコールを添加しなかった以外は実験例1と同様な条件で重合を行った。重合時間5.5時間で約85%の重合転化率で塩化ビニル重合体を得た。未反応単量体回収時の発泡状態、還流冷却器および導管等への重合体の付着の有無及び得られた塩化ビニル重合体の評価を行った。
【0100】
未反応単量体回収の際のライン内への泡立ちはみられなかったが、還流冷却器、導管内及び重合器への重合体の付着も認められなかった。得られた塩化ビニル重合体は、可塑剤吸収性は良好であったが、パウダー粒子径が大きく、成形した際のフィッシュアイが多かった。
【0101】
【発明の効果】
本発明の製造方法により、還流凝縮器による除熱を伴う製造法においても重合中の発泡による品質の低下および操業上の問題を招くことなく、多孔性で可塑剤吸収性に優れ、成形した際のフィッシュアイが少ない塩化ビニル系重合体を製造することが可能である。従って、本発明は工業的価値が非常に高いものである。
Claims (1)
- 還流凝縮器を付設し、かつポリマー付着防止剤を塗布した容積40m3以上の大型反応器を用いて重合時間6時間以内で、塩化ビニル系単量体を水性媒体中で油溶性ラジカル開始剤と分散安定剤を用いて懸濁重合させるに際し、重合転化率が60〜80%の間に重合度が200〜4000かつケン化度が65〜99モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール(A)を塩化ビニル系単量体100重量部に対し0.01〜0.2重量部添加する塩化ビニル系重合体の製造方法であって、前記分散安定剤として重合度が2000〜3000かつケン化度が75〜85モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール(B)及び/または重合度が300〜1000かつケン化度が65〜75モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール(C)を塩化ビニル系単量体100重量部に対して0.03〜0.15重量部、及び、重合度が100〜700かつケン化度が20〜55モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール(D)を塩化ビニル系単量体100重量部に対して0.01〜0.1重量部使用することを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法。
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