JP4080416B2 - 地盤注入剤及び地盤注入工法 - Google Patents

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Description

本発明は、各種土木工事における地盤改良工事や止水工事で用いられる地盤注入剤及びその地盤注入剤を使用する地盤注入工法に関する。
従来、地盤注入剤は、地盤改良工事や止水工事等に広く用いられている。
ここで、地盤改良工事とは、ダム、発電所等の大型特殊構造物の基礎地盤補強のカーテングラウトやトンネル、石油、LPG備蓄基地等の地下構造物施工時の薬液注入による地盤改良工事であり、止水工事とは、地下水位より低い場所、海底下、及び帯水地盤における地下構造物の掘削工事の際に発生する湧水を注入剤を注入することにより防いだり、地盤の水密性を上げるために注入剤を注入する工事である。
また、地盤注入剤は、これらの他にも、排水性の悪い地盤や液状化地盤などにおける一般住宅やマンションの地盤改良や上下水道等のインフラ整備における地盤の崩落防止工事にも使用される。
このように、注入することにより地盤を固結させたり、圧密脱水することにより地盤の強化を図る目的で使用する材料を地盤注入剤という。
地盤注入剤としては様々な材料が薬剤として使用されており、古くはベントナイトなどの粘土や普通ポルトランドセメントなどの非薬液系注入剤が使用されていたが、その後は珪酸ナトリウム(以下「水ガラス」という)系注入剤や、アクリルアミドやウレタン系などの高分子系注入剤も使用されてきた。
しかしながら、昭和40年代に高分子系注入剤の井戸水への流入による公害問題で、旧建設省より昭和49年に「薬液注入工法による建設工事の施工に関する暫定指針」が通達され、一部環境に有害な物質を含む高分子系注入剤の使用は凍結となり、現在、緊急時を除き使用可能な材料としては、セメント系注入剤と水ガラス系注入剤の2系統の材料のみとなっている。そしてその中でも、より安全でかつ性能の良い注入剤の開発が現在でも望まれている。
ここでセメント系注入剤とは、普通ポルトランドセメントや高炉セメントを主材としセメントのみで使用したり、添加剤としてベントナイトや無機系の硬化剤と組み合わせた注入剤の総称であり、また、最近では、普通ポルトランドセメントの代わりに浸透効果を上げるために普通ポルトランドセメントとスラグを混合し、粉砕し粒度を細かくした微粒子セメントや超微粒子セメントが多く用いられている。
一般にセメント系注入剤はアルカリ性ではあるが比較的安全性が高く、またその硬化体の強度が高いため耐久性も良いが、一方では、硬化するまでの時間、即ち、ゲルタイムが長いため止水に不向きな事や、粉体を水に懸濁した状態であるため、溶液タイプの注入剤と比較すると浸透性能が劣るなどの特徴がある。
また、水ガラス系注入剤とは、主材に珪酸ナトリウムである水ガラスを使用する注入剤の総称であり、そのなかでも水ガラスの硬化剤として併用する材料の種類により大きく溶液型注入剤と懸濁液型注入剤に分けられている。
ここで溶液型注入剤とは、硬化剤が水に溶解する、無機塩、有機溶液、酸、及びアルカリ溶液を単体又は複合して使用するタイプであり、例えば、無機塩としては、炭酸塩、塩化物、硫酸塩、ホウ酸塩、及びリン酸塩が、また、有機溶液としては、エステル類−酢酸モノエーテルグリコール、プロピレンカーボネート、アルデヒド類−ホルムアルデヒド、ギ酸メチル、及びグリオキザールなどがあり、酸としては硫酸が一般的である。
このように、水ガラス系溶液型注入剤は、溶液で粒子が無いため浸透性に優れているが、固結強度が低く、そのため耐久性も悪いものが多い。また、硬化剤の種類によっては対応に注意を要する物もある。
一方、水ガラス系懸濁液型注入剤とは硬化剤に不溶解性の主に無機物を用いた材料であり、例えば一番使用されているのが普通ポルトランドセメントでLW工法の名称で一般に広く使用されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
また、その他としては、消石灰や生石灰の石灰類、無水、半水、及び二水の石膏等の材料やスラグ等が使用されている。
水ガラス系懸濁液型注入剤は硬化剤が不溶性の粉体であるが主材が水ガラスのため、浸透性はセメント系注入剤より良く、また、固結強度については硬化剤の種類にもよるが、全体的に溶液型注入剤より高くセメント系注入剤よりは低くなっている。また、硬化剤は比的安全性が高いものが多い。
特開平11−61123号公報 特開2001−64649号公報 特開2003−26462号公報
特許文献1には、「セメント系固化材、ベントナイト及び分散剤を配合した水性スラリーをA液とし、水ガラス水溶液をB液として混合させた場合、反応硬化するものであって、該反応硬化物は20秒以下のゲルタイムと7kg/cm2 以上の圧縮強度(1日後)を有するものであることを特徴とする土木用材料。」(請求項1)の発明が記載され、また、「分散剤としては、クエン酸、酒石酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸アルカリが機能上及び環境上の点から好ましい」(段落[0019])ことが記載されており、有機酸塩である分散剤は硬化調整剤であるといえるが、「ベントナイトはブリージング防止作用と材料の強度劣化作用と相矛盾する機能を有する」(段落[0016])ものであり、ベントナイトは硬化剤ではないから、この発明はセメントの硬化剤を使用するものではない。
特許文献2には、「帯水地盤の止水及び/又は強化を目的として使用するセメントと水ガラスとを用いた懸濁型グラウト材であって、前記セメントは、その成分として3CaO・SiO2 ,2CaO・SiO2 ,3CaO・Al23 ,4CaO・Al23 ・Fe23 及び石膏を含んでおり、前記セメント成分におけるSiO2 /Al23 (重量比)が7〜12であることを特徴とするグラウト材。」(請求項1)の発明が記載され、また、「上記セメントに高炉スラグが添加されたセメントであっても良い。・・・・・必要に応じて、分散剤、凝結遅延剤、粘着剤、ゲル化促進剤、増量材(混和材)等を適宜用いることが出来る」(段落[0016])ことが記載されているから、硬化剤(ゲル化促進剤)、硬化調整剤(凝結遅延剤)の使用が示唆されているといえるが、高炉スラグ、石膏以外の成分としてはどのような混和剤を使用するのか具体的に示されていない。
特許文献3には、「少なくともセメント類、珪酸塩及び水とを注入前に混合し、一次ゲルを生成させた後、該一次ゲルを崩したものをA液とし、水ガラス水溶液をB液として、該A液とB液とを混合し硬化させて用いる土木用材料であって、材令28日後のホモゲルの圧縮強度が3N/mm2以上であることを特徴とする土木用材料。」(請求項1)の発明が記載され、また、「前記A液中には、他の硬化剤を1種又は2種以上含有させて併用して用いることができる。他の硬化剤としては、例えば、酸性塩、炭酸塩、重炭酸塩、炭酸ガス、炭酸水、塩化物、アルミン酸塩、グリオキザール、エチレンカーボネート等の炭酸エステル、多価酢酸エステル、石灰、スラグ等が挙げられる。また、A液中には、本発明の目的を損なわない範囲の添加量で混和剤を含有させて用いることができる。用いることができる混和剤としては、例えば増粘剤、安定剤、軽量骨材、金属イオン封鎖剤、付着改良剤等が挙げられ、これらは1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。」(段落[0018])、「安定剤は、本発明の土木用材料においてセメントの水和反応による硬化機能を低下させなくするための成分であり、例えば、ポゾラン物質、クエン酸、酒石酸、グルコン酸等オキシカルボン酸やそのアルカリ金属塩が挙げられる。」(段落[0020])と記載されているから、セメントの硬化剤、硬化調整剤の使用が示されているといえるが、硬化剤として珪酸塩以外のものを使用すること、硬化剤と硬化調整剤を組み合わせることは具体的に示されていない。
また、セメント−急結材系の地盤注入材の急結材として、カルシウムアルミネート、石膏等を使用することも公知である(特許文献4参照)。
特開平6−330036号公報
しかし、特許文献4にセメント−急結材系の地盤注入材(剤)は、セメント−水ガラス系のものと明確に区別して記載されている(請求項2、段落[0009])ように、セメント−水ガラス系の地盤注入剤にセメントの急結材(硬化剤)を使用することは従来行われておらず、また、セメントの急結材(硬化剤)と硬化調整剤を組み合わせて使用することも公知ではなかった。
上記のように水ガラス系懸濁液型注入剤は、固結体強度もある程度高く浸透性も良好であるため、様々な地質で構成されている地盤に対して一番適応範囲が広い注入剤である。その中でも硬化剤に普通ポルトランドセメントを使用するLW工法が一番良く使用されているが、さらに強度発現性が良好で安定した耐久性が得られる硬化剤が望まれていた。
そこで、本発明は、水ガラス系懸濁液型注入剤(セメント−水ガラス系地盤注入剤)において、強度発現性が高く、耐久性が良好な地盤注入剤を開発することを課題とするものである。
本発明者は種々検討を重ねた結果、セメントに特定の硬化剤と硬化調整剤を使用することにより水ガラス系懸濁液型注入剤の中でも強度発現性が高く、耐久性が良好な地盤注入剤が得られるという知見を得て本発明を完成するに至った。
本発明においては、前記課題を解決するために以下の手段を採用する。
(1)A液に珪酸ナトリウムを含む水溶液、B液にセメントと硬化剤及び硬化調整剤を含むスラリーを使用してなる地盤注入剤において、硬化剤がカルシウムアルミネートシリケート類と硫酸カルシウムの混合物からなることを特徴とする地盤注入剤。
(2)前記硬化剤が、カルシウムアルミネートシリケート類100質量部に対して硫酸カルシウム70〜150質量部からなることを特徴とする前記(1)に記載の地盤注入剤。
(3)前記硬化剤を、B液中のセメント100質量部に対して、10〜200質量部使用することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の地盤注入剤。
(4)前記硬化調整剤が有機酸類の1種又は2種以上からなることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一に記載の地盤注入剤。
(5)前記硬化調整剤を、B液中のセメント100質量部に対して、0.5〜10質量部使用することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか一に記載の地盤注入剤。
(6)練り水に珪酸ナトリウムを入れ調整したものをA液とし、練り水に予め硬化調整剤を入れ、これにカルシウムアルミネートシリケート類と硫酸カルシウムの混合物を入れ、さらにセメントを入れたスラリーをB液とし、A液とB液をそれぞれ混り練ぜた後、別々に圧送し、地盤注入前又は地盤注入後に混合することを特徴とする地盤注入工法。
(7)前記硬化調整剤が有機酸類の1種又は2種以上からなることを特徴とする前記(6)に記載の地盤注入工法。
なお、以下においては、「部」は、特に規定のない限り質量基準である。
本発明は、セメント−水ガラス系地盤注入剤において、硬化剤であるカルシウムアルミネートシリケート類と硫酸カルシウムの混合物を硬化調整剤と組み合わせて使用することにより、強度発現性が高く、耐久性が良好な地盤注入剤が得られ、また、その地盤注入剤を使用して地盤注入工法が可能となる。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明で使用する水ガラスは、一般に市販されている水ガラスの中で、メーカーにより多少モル比に差があるが、二酸化珪素(SiO2)、酸化ナトリウム(NaO2)換算でモル比2.1〜2.3の物を1号珪酸ソーダ、2.4〜2.6の物を2号珪酸ソーダ、3.0〜3.3の物を3号珪酸ソーダとされる中で1、2号珪酸ソーダが好ましく、3号珪酸ソーダがより好ましい。また、その他の特殊水ガラス又はコロイダルシリカでも本発明の硬化剤と組み合わせて使用可能である。
本発明のA液中の水ガラスの量は、水100部に対して、20〜150部が好ましく、30〜120部がより好ましい。水ガラスの量が20部未満だと濃度が薄く、凝結が悪いため固まらない場合があり、150部を超えると水ガラス水溶液の粘度が高くなり、硬化剤との混合性や注入作業時の圧送性が悪くなり、また硬化体の収縮が大きくなり著しく耐久性が落ちる場合がある。
また、本発明で使用するA液の使用量は、B液100部に対して、10〜200部が好ましく、50〜150部がより好ましい。A液が10部未満では添加効果が無く、凝結又は初期強度発現性が低下する場合があり、また200部を超えると硬化時間が長く、長期強度も低いため実用性に乏しくなる場合がある。
本発明で使用するセメントは、特に制限は無く普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、高炉セメント、中庸熱セメント、エコセメントなどいずれもセメントでも良いが、中でも普通セメント及び高炉セメントが良好である。
また、本発明で使用するB液中のセメントの量は、水100部に対して、10〜200部が好ましく、30〜100部がより好ましい。セメントの量が10部未満では濃度が薄いため、凝結又は初期強度発現性が悪くなり、また200部を超えるとスラリーの分散性が悪く混練りが困難となり、練れた場合でもスラリーの粘度が高いため施工上支障が生ずる場合がある。
また、本発明で使用する硬化剤は、カルシウムアルミネートシリケート類と硫酸カルシウムの含有物を水とセメントと混練りしスラリーとして使用するが、この際に混練り水に予め硬化調整剤を溶解して使用することが好ましい。
本発明で使用するカルシウムアルミネートシリケート類とは、カルシア(CaO)を含む原料と、アルミナ(Al23)を含む原料およびシリカ質(SiO2等)を含む原料とを混合して、キルンでの焼成や、電気炉での溶融等の熱処理をして得られ、CaO及び/又はAl23の一部が、シリカ(SiO2等)で置換した化合物、あるいは、CaOとAl23とを主成分とするものに、シリカ(SiO2等)が少量固溶した物質である。鉱物形態としては、結晶質、非晶質いずれであってもよい。
また、カルシウムアルミネートシリケート類の粒度は、初期強度発現性及び地盤への浸透性の面で、ブレーン値で4,000cm2/g以上が好ましく、6,000cm2/g以上がより好ましい。4,000cm2/g未満では初期強度発現性が低下したり、また浸透性能が著しく悪くなる場合がある。
本発明で使用する硫酸カルシウムとしては、石膏が挙げられる。石膏の中では強度発現性が大きい面で、II型無水石膏や天然石膏が好ましい。
硫酸カルシウムの粒度は、ブレーン値で4,000cm2/g以上が好ましく、6,000cm2/g以上がより好ましい。4,000cm2/g未満では初期強度発現性が低下する場合がある。
硫酸カルシウムの使用量は、カルシウムアルミネートシリケート類100部に対して、70〜150部が好ましく、90〜110部がより好ましい。70部未満では初期強度発現性が低下する場合があり、150部を超えると短期強度発現性が悪くなる場合がある。
また、本発明で使用する硬化剤の使用量は、B液中のセメント100部に対して、10〜200部が好ましく、20〜150部がより好ましい。硬化剤の量が10部未満では添加効果が無く、また、200部を超えるとスラリーの粘度が高くなり施工性が悪くなるだけではなく、物性に関しても200以上では変化が少ないため不経済となる。
本発明で使用する硬化調整剤とは、セメントスラリーに硬化剤を混合した場合水和反応し固まってしまうため、硬化剤の硬化時間を調節する役割がある。
本発明で使用する硬化調整剤は有機酸類の1種又は2種以上からなり、有機酸類としては、グルコン酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、及び乳酸又はこれらの塩等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が使用可能で、これらの中では、スラリーの練り置き性状が良好で、初期強度発現性が良い面から、クエン酸やその塩が好ましい。
硬化調整剤の使用量は、セメント100部に対して、0.5〜10部が好ましく、1〜5部がより好ましい。硬化調整剤の量が0.5部未満では硬化剤を入れたB液の練り置き時間の確保が困難となり、また、10部を越えるとB液の練り置き時間はさらに長くなるが過剰遅延となり、スラリー中の粒子が沈降しやすくなりポンプやホースの閉塞等トラブルの要因となることや無駄にコストが高くなる場合がある。
本発明の注入剤の混合及び使用方法としては、練り水に所定量の水ガラス原液を入れ調整したものをA液とし、練り水に予め所定量の硬化調整剤を入れ、これにカルシウムアルミネートシリケート類と硫酸カルシウムの混合物を入れ、さらにセメントを入れたスラリーをB液とし、A液とB液をそれぞれ混り練ぜた後、別々に圧送し、地盤注入前又は地盤注入後に混合する方法を用いる(1.5ショット注入方法)のが望ましく、また硬化時間が短い場合はA液とB液を別々に送り地盤中で混合する2ショット注入方法でも可能である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<使用材料>
水ガラス:JIS珪酸ナトリウム3号(日本化学工業社品)
セメント:普通ポルトランドセメント(電気化学工業社品)
カルシウムアルミネートシリケート:非晶質、ブレーン値6,000cm2/g
無水石膏 :II型無水石膏、ブレーン値6,050cm2/g
硬化調整剤:市販の粉末状クエン酸
水 :水道水
<測定方法>
ゲルタイム:水ガラス水溶液と硬化剤スラリーを混合後、少量をカップに移し、そのカップを傾けても流動しなくなった時点の時間
圧縮強度 :所定材齢の硬化体を、JIS A 5201に準じ測定
安定性(耐久性)評価:打設後1日で脱型し水中養生を行なう。養生日数28日で重量変化と外観変化を調べる。
施工性:施工機械を用いて十分な作業時間が確保でき、かつ止水剤としての目標の物性が確保できる範囲により判定する。
<実験条件>
A液として水100部に対してJIS 3号水ガラスの添加量を変え濃度を調整した水ガラス水溶液200mlを作製した。また、所定のセメントと硬化剤混合物及び硬化調整剤を水に入れ調整したスラリー200mlをB液とし、このA液とB液を等量混合し物性を測定した。
なお、このときのB液は水100部に対してセメント80部と硬化剤混合物(カルシウムアルミネートシリケート100部と無水石膏100部の混合物)20部と硬化調整剤0.8部(セメントに対して1部)の濃度に調整した。
また、試験は20℃、相対湿度80%の室内で行い、ゲルタイムと硬化体の圧縮強度及び安定性を測定し、施工性を判定した。結果を表1に示す。
表1より、セメントに硬化剤混合物と硬化調整剤を含むが水ガラスを添加しない注入剤(実験No.1−1)は、ゲルタイムが著しく長く、施工性が悪いことが分かる。
また、A液中の水ガラスの添加量が増加するに従い、ゲルタイムが次第に長くなり、σ1日の圧縮強度は次第に増大するが、σ28日の圧縮強度は、水ガラスの添加量が100部の場合をピークに減少する傾向が見られ、175部添加したもの(実験No.1−6)は、養生中に硬化体が膨張破壊(表1中に「崩壊」と表示)した。したがって、水100部に対して150部を超える水ガラスを添加することは好ましくない。
水ガラスの添加量が、20〜150部のもの(実験No.1−2〜1−5)は、ゲルタイム、圧縮強度、施工性が良好である。
<使用材料>は実施例1と同じである。A液として水100部に対してJIS 3号水ガラスの添加量を100部入れ調整した水ガラス水溶液200mlを作製した。これに対しB液中の硬化剤の添加量およびセメントの量を変動させ、実施例1と同じ<測定方法>で物性を測定した。結果を表2に示す。
表2より、B液中にセメントを含むが硬化剤と硬化調整剤を含まない注入剤(実験No.2−1)は、ゲルタイムが長く、施工性が悪いことが分かる。
B液中に硬化剤と硬化調整剤を含むがセメントを含まない注入剤(実験No.2−7)は、ゲルタイムが著しく長く、圧縮強度も低く、施工性が悪いことが分かる。
また、B液中の硬化剤の添加量が増加するに従い、ゲルタイムが次第に短くなり、圧縮強度は次第に増大する。硬化剤の添加量が、セメント80部(100部)に対して、8〜160部(10〜200部)のもの(実験No.2−2〜2−6)は、ゲルタイム、圧縮強度、施工性が良好である。
さらに、B液中のセメントの量が増加するに従い、ゲルタイムが次第に短くなり、圧縮強度は次第に増大する。B液中のセメントの量が、水100部に対して20〜200部ののもの(実験No.2−8〜2−11)は、ゲルタイム、圧縮強度、施工性が良好であるといえるが、セメントの量が200部のもの(実験No.2−11)は、B液の粘度が高すぎるので、やや施工性に問題がある。
実施例1と同じ材料を使用し、B液中の硬化調整剤の添加量を変化させB液の練り置き保持時間の試験を行なった。結果を表3に示す。
表3より、B液中に硬化調整剤を含まない注入剤(実験No.3−1)は、練り置き保持時間が著しく短く、施工性が悪いことが分かる。
硬化調整剤の添加量が増加するに従い、練り置き保持時間は長くなるが、セメント100部に対して15.0部添加したもの(実験No.3−5)は、過剰遅延となり、スラリー中の粒子が沈殿固化してしまったので、セメント100部に対して10部を超える硬化調整剤を添加することは好ましくない。
硬化調整剤の添加量が、セメント100部に対して1.0〜10.0部のもの(実験No.3−2〜3−4)は、練り置き保持時間が長く、施工性が良好である。

Claims (7)

  1. A液に珪酸ナトリウムを含む水溶液、B液にセメントと硬化剤及び硬化調整剤を含むスラリーを使用してなる地盤注入剤において、硬化剤がカルシウムアルミネートシリケート類と硫酸カルシウムの混合物からなることを特徴とする地盤注入剤。
  2. 前記硬化剤が、カルシウムアルミネートシリケート類100質量部に対して硫酸カルシウム70〜150質量部からなることを特徴とする請求項1に記載の地盤注入剤。
  3. 前記硬化剤を、B液中のセメント100質量部に対して、10〜200質量部使用することを特徴とする請求項1又は2に記載の地盤注入剤。
  4. 前記硬化調整剤が有機酸類の1種又は2種以上からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の地盤注入剤。
  5. 前記硬化調整剤を、B液中のセメント100質量部に対して、0.5〜10質量部使用することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の地盤注入剤。
  6. 練り水に珪酸ナトリウムを入れ調整したものをA液とし、練り水に予め硬化調整剤を入れ、これにカルシウムアルミネートシリケート類と硫酸カルシウムの混合物を入れ、さらにセメントを入れたスラリーをB液とし、A液とB液をそれぞれ混り練ぜた後、別々に圧送し、地盤注入前又は地盤注入後に混合することを特徴とする地盤注入工法。
  7. 前記硬化調整剤が有機酸類の1種又は2種以上からなることを特徴とする請求項6に記載の地盤注入工法。
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