JP4080323B2 - アニオン性界面活性剤粉体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗剤や乳化剤等に好適に使用し得る、耐硬水性及び低温溶解性が優れ、ケーキング性等の粉体特性が向上したアニオン性界面活性剤粉体及びその簡便で効率的な製造法、並びにそのアニオン性界面活性剤粉体を含有する洗剤組成物及びセメント添加剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
硫酸基を有するアニオン性界面活性剤は、その乳化、分散能の故、洗浄剤や各種化学品の添加剤、例えば衣料用洗剤、台所用洗剤、歯磨き用発泡剤、粉末シャンプー、乳化重合用乳化剤、セメント発泡剤、医薬/化粧品乳化剤等として、家庭用から工業用まで幅広く用いられている。
【0003】
高級アルコールを硫酸化/中和して得られるアルキル硫酸塩に代表されるアニオン性界面活性剤は、その水溶液を乾燥することにより粉末状の製品が商品化されているが、一般に、アルキル硫酸塩は耐硬水性に問題があり、洗浄性能についても十分満足できるものではなく、改善することが要望されている。
【0004】
一方、高級アルコールにアルキレンオキサイドを付加した後、硫酸化/中和して得られるポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩は、同じ炭素数のアルキル基を有するアルキル硫酸塩に対してクラフト点が低く、低温溶解性に優れており、抜群に耐硬水性に優れる特徴をもつことから、洗浄剤等の主基剤として用いられている。しかし、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩特有のケーキング性が悪いという問題から、粉体洗浄組成物中に大量に配合することが極めて困難であった。
【0005】
例えば、特許文献1にアニオン活性剤粉粒体の製造方法が記載されており、その特許文献1の実施例3では、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の固形分濃度80重量%水スラリーを乾燥させて粉粒体を得ているが、この粉粒体は、水分含量が8重量%程度と大きく、ケーキング性の向上された流動性のよい粉粒体とは言えなかった。
【0006】
従って、商品化されているポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩を多量に配合した製品は液状或いはペースト状の形態をしており、流動性が優れた粉末状の製品については未だ工業化されていなかった。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−331496号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、耐硬水性及び低温溶解性が優れ、ケーキング性等の粉体特性をも向上させたポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩を含有するアニオン性界面活性剤粉体及びその製造法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定のアルキレンオキサイド平均付加モル数を有するポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩からなるアニオン性界面活性剤粉体が、洗浄性等の基本性能を保持しながら、優れた耐硬水性、低温溶解性及び流動性を有することを見出した。
【0010】
即ち、本発明は、アルキレンオキサイドの平均付加モル数が0.05〜2であるポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩からなり、かつアルキレンオキサイドを4モル以上付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩の含有量がアニオン性界面活性剤全体に対し30重量%以下であるアニオン性界面活性剤粉体、更に水溶性無機塩を含有するアニオン性界面活性剤粉体、及びこれらアニオン性界面活性剤粉体の製造法、並びにこれらのアニオン性界面活性剤粉体を含有する洗剤組成物及びセメント用添加剤を提供する。
【0011】
尚、本発明において、アルキレンオキサイドの平均付加モル数とは、アニオン性界面活性剤粉体中に含有される、アルキル硫酸塩とポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩の混合物のアルキレンオキサイド平均付加モル数を意味する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の粉体中に含有されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩は、アルキレンオキサイドの平均付加モル数が重要な因子となり、優れた粉体特性を得、また粉末化した際のケーキング性を向上させる観点から、アルキレンオキサイドの平均付加モル数は0.05〜2、好ましくは0.1〜1、更に好ましくは0.2〜0.8である。
【0013】
更にアルキレンオキサイドを多量付加した化合物が多く存在する場合には、平均付加モル数が0.05〜2の範囲内であっても、流動性を保持できない。具体的にはアルキレンオキサイドを4モル以上付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩の含有量がアニオン性界面活性剤全体に対し0〜30重量%であることが必要であり、好ましくは0〜20重量%、更に好ましくは0〜15重量%である。
【0014】
また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩中のアルキル基の炭素数の違いによっても、製造時の取り扱いのしやすさや性能の違いが現れる。つまり、炭素数が比較的小さくなると、粉末化した際のケーキング性が低下し、炭素数が大きすぎると粉末の溶解性等の性能が低下することから、アルキル基の炭素数は8〜20が好ましく、10〜18が更に好ましい。
【0015】
本発明に係わるポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩としては、例えば、一般式(I)で表される化合物が挙げられる。
【0016】
[R1−O(AO)n−SO3pM (I)
[式中、R1は炭素数8〜20の直鎖アルキル基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す、0.05〜2の数、Mは陽イオン、pはMの価数を示し、n個のAOは同一でも異なっていても良い。]
一般式(I)において、R1は、炭素数10〜18のアルキル基が好ましい。AOは、炭素数2〜3、特に2のオキシアルキレン基が好ましい。nは0.1〜1、特に0.2〜0.8の数が好ましい。Mは、Na、K等のアルカリ金属原子、Ca、Mg等のアルカリ土類金属原子、又はアルカノール置換もしくは無置換のアンモニウム基が好ましく、更にアルカリ金属原子、特にNaが好ましい。pは1又は2が好ましく、1が更に好ましい。
【0017】
本発明に係わるポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩は、また、アルキレンオキサイドの付加分布に特に制限はなく、ブロード及びナロー分布等の既知の方法で得られる付加分布でよい。しかし、洗浄性能とケーキング性の両立を追求するならば、アルキレンオキサイドが付加されていないアルキル硫酸塩を一定比率で含有することが好ましい。アルキル硫酸塩の含有量は、アルキレンオキサイドの平均付加モル数0.05〜2のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩中、30〜95重量%が好ましく、50〜90重量%が更に好ましい。
【0018】
本発明のアニオン性界面活性剤粉体は、更に、水溶性無機塩を含有することが好ましい。水溶性無機塩としては、例えば、塩化ナトリウム、芒硝、炭酸ナトリウム等が挙げられる。本発明のアニオン性界面活性剤粉体中の、水溶性無機塩の含有量は、本発明の目的が阻害されない範囲内であればよく、特に限定されないが、通常、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩100重量部に対して10重量部以下、好ましくは2重量部以下であることが、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩の固形分量を高く保つ点で望ましい。
【0019】
また、本発明のアニオン性界面活性剤粉体は、必要により、その他の添加剤を含有することができる。その他の添加剤としては、例えば、ケイ酸塩、炭酸塩等のアルカリ化剤、クエン酸塩、ゼオライト等の2価金属イオン捕捉剤、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース等の再汚染防止剤、その他、ケーキング防止剤、酸化防止剤等が挙げられる。かかるその他の添加剤は、本発明の目的が阻害されない範囲で用いることができる。
【0020】
本発明のアニオン性界面活性剤粉体はまた、水や未反応アルコール等を含有しても良い。本発明の粉体の好ましい組成としては、アルキル硫酸塩60〜80重量%、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩18〜38重量%、水0.5〜2.0重量%、アルコール及びポリオキシアルキレンアルキルエーテル0.5〜2.0重量%、無機塩1.0〜2.0重量%である。
【0021】
本発明のアニオン性界面活性剤粉体は、以下の工程1に示す方法により得られるポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩含有水溶液又はペーストを、工程2に示すような既知の方法で乾燥及び造粒を行うことによって得ることができる。
【0022】
工程1:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩含有水溶液又はペーストの調製工程
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩含有水溶液を調製するには、以下の(1)〜(3)に示す方法が挙げられる。
(1)炭素数8〜20のアルコール(以下高級アルコールという)にアルキレンオキサイドを平均付加モル数0.05〜2となるように付加した高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物を、硫酸化し、中和する方法。
(2)高級アルコールと高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物を、混合物のアルキレンオキサイド平均付加モル数が0.05〜2になるように混合した後、硫酸化し、中和する方法。
(3)高級アルコール及び高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物を予め別々に硫酸化し、中和したものを、混合物のアルキレンオキサイド平均付加モル数が0.05〜2になるように混合する方法。
【0023】
硫酸化及び中和は既知の方法で行うことができる。硫酸化に用いる硫酸化剤としては、三酸化硫黄又はクロルスルホン酸が好ましい。三酸化硫黄ガスを使用する際は、通常、不活性ガス、好ましくは乾燥空気または窒素で希釈して、三酸化硫黄ガス濃度として1〜8体積%、好ましくは1.5〜5体積%の気体混合物として使用する。中和剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。
【0024】
尚、本発明のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩含有水溶液又はペーストに含有される未反応分は、純度の低下、粉体のケーキング性を悪化させる要因となるため、好ましくないが、5重量%以下ならば許容でき、より好ましくは2重量%以下である。ここで、未反応分とは、硫酸化されなかったアルコール、アルコキシレート、更には反応から副生した微量のハイドロカーボン、ワックスを含む。
【0025】
上記の方法で得られた中和物の有効成分は、30重量%以下が好ましく、30重量%を越えると増粘し、ハンドリング性が悪化する。また、有効成分60〜80重量%においてはペースト状となり、流動性を示すことから、この比較的高濃度のペーストを中和時に調製することは、乾燥時のエネルギー負荷を減らすものであり、より好ましい。
【0026】
また、本発明において、生成物中には水溶性無機塩が存在していてもよい。水溶性無機塩の代表例としては、例えば、塩化ナトリウム、芒硝、炭酸ナトリウム等が挙げられる。これらの水溶性無機塩は、そのままの状態で添加してもよいが、反応によって副生させてもよい。例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩含有水溶液又はペーストに色相改善の目的でNaClO(次亜塩素酸ナトリウム)を添加した場合には、NaCl(塩化ナトリウム)が副生する。用途が限定されるが、このように次亜塩素酸ナトリウムを添加し、塩化ナトリウムを無機塩として副生させることもできる。
【0027】
得られたポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩含有水溶液又はペーストは、次の工程2に供される。
【0028】
工程2:乾燥・造粒工程
工程2は、工程1で調製されたポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩含有水溶液又はペーストを種々の条件下において乾燥・造粒する工程であり、乾燥と造粒が同時におこる場合もある。
【0029】
乾燥手段としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩含有水溶液又はペーストの加熱による加水分解等の品質低下を抑制するため、真空下での乾燥が好ましい。更に、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩特有の発泡性及び乾燥末期の粉砕を鑑み、攪拌翼及び解砕機を有する連続式又はバッチ式の真空乾燥機又はそれと同等の効果が得られる乾燥プロセスが好ましい。連続式の乾燥機としては、例えば、コントロ、セブコン[以上、(株)日立製作所製、商品名]、スミス薄膜蒸発機[神鋼パンテック(株)製]等の回転薄膜蒸発機等が挙げられる。これら連続式乾燥機の場合には、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩含有水溶液又はペーストを、減圧下で、回転薄膜蒸発機内に連続的に投入し、乾燥物を得ることができる。また、バッチ式の乾燥機としては、例えば、神鋼パンテック(株)製のミキサー真空乾燥機(SVミキサー)、深江パウテック(株)製のマイクロ波造粒乾燥機、タナベウィルテック(株)製の混合乾燥機等が挙げられる。これらのうち、特にバッチ式で、同一槽内で工程1を行うことが容易であり、工程2の乾燥と造粒も可能なマイクロ波造粒乾燥機が設備上の負荷も小さいため好ましい。
【0030】
この際の乾燥条件としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩含有水溶液又はペーストの温度が80℃以下になる真空度で乾燥させることが、熱履歴を低減させ、分解等の品質低下を抑制する点から好ましい。
【0031】
より具体的な乾燥方法としては、工程1で得られたポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩含有水溶液又はペーストを、下記(4)〜(6)のいずれかの方法により乾燥する方法が挙げられる。
(4)ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩含有水溶液又はペースト、あるいはポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩含有水溶液又はペーストとアルキル硫酸塩含有水溶液、ペースト又は粉体との混合物を、攪拌翼及び/又は解砕機を有するバッチ式真空乾燥機内に一括して投入し、減圧下で乾燥を行う方法。
(5)攪拌翼及び/又は解砕機を有するバッチ式真空乾燥機内に、予めアニオン性界面活性剤粉体を攪拌及び解砕効果が得られる程度に仕込んだ後、減圧下で機内中の粉体が粉体の状態を維持するような供給速度でポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩含有水溶液又はペーストを供給して乾燥を行う方法。この際の予め仕込まれるアニオン性界面活性剤粉体としては、本発明で得られるアニオン性界面活性剤粉体やアルキル硫酸塩粉体との併用、アルキル硫酸塩粉体のみを用いてもよい。
(6)ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩含有水溶液又はペーストを、減圧下で、回転薄膜蒸発機内に連続的に投入し、乾燥を行う方法。
【0032】
一方、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩含量が30重量%以下の水溶液では、比較的低粘度で流動性があり、噴霧乾燥機等を用いた乾燥機も使用可能である。但し、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩含量30重量%以上60重量%以下のものでは著しく増粘し、噴霧装置の閉塞等の原因となるため、好ましくない。
【0033】
本発明におけるアニオン性界面活性剤粉体は必要に応じて造粒して使用できるが、その際使用できる造粒機としては、特に制限はなく、例えば攪拌転動造粒機(深江パウテック(株)、タナベウィルテック(株)製など)等が使用でき、水、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩含有水溶液等をバインダーとして添加することにより造粒でき、篩い分けによって適当な粒度の造粒物を得ることができる。この時の造粒物の大きさや形状は特に制限されないが、水への溶解性を向上させるため、粒径125〜3000μmが好ましく、125〜2000μmが更に好ましい。また、取り扱い時の粉立ちを防止するため、粒径125μm以上が好ましく、500μm以上が更に好ましい。従って特に好ましい粒径範囲は500〜2000μmである。
【0034】
また、押出造粒を行うこともできる。この際使用できるニードル機としては、特に制限はなく、押出造粒機((株)ダルトン製など)等が使用でき、上記と同じようなバインダーを用いて造粒することができる。押出造粒物の大きさに制限はないが、ハンドリングの観点から、直径0.5〜1.0mm、且つ長さ3〜5mmのものが好ましい。
【0035】
更にこの押出造粒と破砕造粒或いは押出造粒と破砕造粒と攪拌転動造粒を組み合わせた造粒を行うこともできる。即ち押出造粒機により得られた円柱状の造粒物を、破砕造粒機により破砕した後に篩い分けによって所定の粒径を有する造粒物を得る方法や、押出造粒機を用いて得られた円柱状の造粒物を、破砕造粒機により破砕した後に撹拌転動造粒機内に仕込んだ後、所定量の水を添加して更に造粒を行い、篩い分けによって所定の粒径を有する造粒物を得る方法等によりアニオン性界面活性剤粉体の造粒物を得ることができる。
【0036】
また、これらの方法によって得られたアニオン性界面活性剤粉体の造粒物は、必要に応じて、芒硝、ゼオライト等の無機粉体やアルキル硫酸塩粉体によって粒子表面を被覆し、粉末物性をより一層向上させることも好ましい。
【0037】
本発明のアニオン性界面活性剤粉体は他の洗剤原料に添加、混合して洗剤組成物を構成し、必要に応じて製剤化することにより、耐硬水性に優れ、硬水中でも泡立ちが良く、低温溶解性に優れた洗剤を得ることができるので、洗剤用基剤として非常に有用である。
【0038】
本発明において、洗剤原料の内、界面活性剤としては、本発明のアニオン性界面活性剤粉体の他、その他のアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、更に必要に応じてカチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤を用いることができる。 その他のアニオン性界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩又はエステル、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、脂肪酸塩等が挙げられる。アニオン性界面活性剤の対イオンは、アルカリ金属イオンが洗浄力向上の点で好適である。本発明の洗剤組成物中のアニオン性界面活性剤の含有量は、本発明のアニオン性界面活性剤粉体も含めて、洗浄力の観点から、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜30重量%である。
【0039】
非イオン性界面活性剤として、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグリコシド、アルキルグルコースアミド、アルキルアミンオキサイド等が挙げられる。洗浄力の点で、炭素数10〜18、好ましくは12〜14のアルコールのエチレンオキシドの付加物、もしくはエチレンオキシドとプロピレンオキシドの混合付加物であって、アルキレンオキシド平均付加モル数5〜30、好ましくは6〜15のポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。 また、洗浄力及び溶解性の点で、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルが好ましい。該化合物は炭素数10〜18、好ましくは12〜14のアルコールのエチレンオキシド付加物に、プロピレンオキシド、更にエチレンオキシドを反応させることにより得ることができる。本発明の洗剤組成物中の非イオン性界面活性剤の含有量は、洗浄力の観点から、1〜50重量%が好ましく、5〜30重量%がより好ましい。
【0040】
カチオン性界面活性剤として、アルキルトリメチルアンモニウム塩等が、両性界面活性剤として、カルボベタイン型、スルホベタイン型界面活性剤等が挙げられる。
【0041】
本発明の洗剤組成物中の界面活性剤の合計含有量は、洗浄力及び洗剤組成物が所望の粉末物性を得る等の観点より、10〜60重量%が好ましく、20〜50重量%が更に好ましく、27〜45重量%が特に好ましい。
【0042】
また本発明の洗剤組成物には、洗濯液中のイオン強度を高める観点から、炭酸塩、炭酸水素塩、珪酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、又はリン酸塩等の水溶性の無機塩類を配合することができる。ここで、洗剤組成物中の炭酸塩の配合量は、洗浄力と冷水中での長時間静置条件における低温分散性の点より、無水物換算で、好ましくは25重量%以下、より好ましくは5〜20重量%、特に好ましくは7〜15重量%である。また、洗剤組成物中の炭酸塩及び硫酸塩の総和は、無水物換算で、好ましくは5〜35重量%、より好ましくは10〜30重量%、特に好ましくは12〜25重量%である。
【0043】
更に本発明の洗剤組成物にはアルカリ金属珪酸塩を配合できる。アルカリ金属珪酸塩としては、結晶質、非晶質のいずれのものも用いることが出来るが、カチオン交換能をも有することから結晶質のものを含有することが好ましい。 アルカリ金属珪酸塩において、SiO2/M1 2O(但しM1はアルカリ金属を示す)の比は、アルカリ能の観点から、好ましくは2.6以下、より好ましくは2.4以下、特に好ましくは2.2以下であり、また、保存安定性の観点から、好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上、さらに好ましくは1.5以上、特に好ましくは1.7以上である。 ここで非晶質アルカリ金属珪酸塩としては、例えば、JIS 1号、2号珪酸ナトリウムや水ガラス乾燥物の顆粒であるBritesil C20、Britesil H20、Britesil C24、Britesil H24(いずれも登録商標,The PQ Corporation製)等が挙げられる。また、炭酸ナトリウムと非晶質アルカリ金属珪酸塩の複合体であるNABION15(登録商標,RHONE−BOULENC製)を用いても良い。
【0044】
アルカリ金属珪酸塩は、結晶化することで優れたアルカリ能と4A型ゼオライトに匹敵するカチオン交換能を有し、また、低温分散性の観点からも大変好ましい基剤になる。そこで、本発明の洗剤組成物は、下記式(II)又は(III)で表される化合物から選ばれる1種以上の結晶質アルカリ金属珪酸塩を含有することが好ましい。
【0045】
x(M2 2O)・y(SiO2)・z(M3 uv)・w(H2O) (II)
[式中、M2は周期律表のIa族元素(好ましくはK及び/又はNa)を示し、M3は周期律表のIIa族元素、IIb族元素、IIIa族元素、IVa族元素又はVIII族元素から選ばれる1種以上(好ましくはMg、Ca)を示し、y/x=0.5〜2.6、z/x=0.001〜1.0、w=0〜20、v/u=0.5〜2.0である。]
2 2O・x’(SiO2)・y’(H2O) (III)
[式中、M2は前記と同じ意味を示し、x’=1.5〜2.6、y’=0〜20(好ましくは実質的に0)である。]
これらの結晶質アルカリ金属珪酸塩は、本発明の洗剤組成物中に好ましくは0.5〜40重量%、より好ましくは1〜25重量%、特に好ましくは3〜20重量%、最も好ましくは5〜15重量%配合される。ここで、結晶質のものは、アルカリ金属珪酸塩全量の20重量%以上、更に30%重量以上、特に40重量%以上であることが好ましい。この結晶質アルカリ金属珪酸塩は、例えば(株)トクヤマシルテックより商品名「プリフィード」(δ−Na2O・2SiO2)として入手でき、粉末状及び/又は顆粒状のものを用いても良い。特に、炭酸ナトリウムとの併用が好ましい。
【0046】
また、本発明の洗剤組成物には、金属イオン封鎖能を向上させる観点から、クエン酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、メチルグリシンジ酢酸塩、グルタミン酸ジ酢酸塩、アスパラギンジ酢酸塩、セリンジ酢酸塩、エチレンジアミンジコハク酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩等の有機酸塩を配合できる。また、金属イオン封鎖能や固体粒子汚れの分散能等を向上させる観点から、カルボン酸基及び/又はスルホン酸基を有するカチオン交換型ポリマーを配合するのが好ましく、特に、分子量が1千〜8万のアクリル酸−マレイン酸コポリマーの塩、ポリアクリル酸塩や特開昭54−52196号公報に記載の分子量が8百〜百万、好ましくは5千〜20万のポリグリオキシル酸等のポリアセタールカルボン酸塩が望ましい。該カチオン交換型ポリマー及び/又は有機酸塩は、洗浄力の点から、洗剤組成物中に、好ましくは0.5〜12重量%、より好ましくは1〜10重量%、更に好ましくは1〜7重量%、特に好ましくは2〜5重量%配合される。
【0047】
また、本発明の洗剤組成物は、A型、X型、P型ゼオライト等の結晶性アルミノ珪酸塩を配合できる。結晶性アルミノ珪酸塩の平均一次粒子径は0.1〜10μmが好ましい。また、非イオン性界面活性剤等の液状成分のしみ出し防止を目的に、JIS K 5101法による吸油能が80mL/100g以上の非晶質アルミノ珪酸塩を配合できる。該非晶質アルミノ珪酸塩として、例えば、特開昭62−191417号公報、特開昭62−191419号公報等に記載のものが挙げられる。非晶質アルミノ珪酸塩は、本発明の洗剤組成物中に0.1〜20重量%配合するのが好ましい。
【0048】
本発明の洗剤組成物には、カルボキシルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン及びポリビニルアルコール等の分散剤又は色移り防止剤、過炭酸塩等の漂白剤、漂白活性化剤、酵素、ビフェニル型やスチルベン型蛍光染料、消泡剤、酸化防止剤、青味付剤、香料等を配合することもできる。尚、酵素、漂白活性化剤、消泡剤等の別途粒状化された粒子群は、アフターブレンドしても良い。
【0049】
本発明に用いられる漂白活性化剤としては、テトラアセチルエチレンジアミン、グルコースペンタアセテート、テトラアセチルグリコールウリル、特開平8−3593号公報の一般式(I)、(II)、(III)又は(IV)で表される化合物〔例えば、p−フェノールスルホン酸エステルのナトリウム(アセトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ベンゾイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、線状もしくは分岐鎖のオクタノイル/ノナノイル/デカノイル/ドデカノイルフェノールスルホン酸塩等)又はp−ヒドロキシ安息香酸エステル(アセトキシベンゼンカルボン酸、オクタノイルオキシベンゼンカルボン酸、デカノイルオキシベンゼンカルボン酸、ドデカノイルオキシベンゼンカルボン酸等)]等が挙げられる。
【0050】
本発明に用いられる酵素は特に限定されないが、例えば、ハイドロラーゼ類、オキシドレダクターゼ類、リアーゼ類、トランスフェラーゼ類及びイソメラーゼ類等が挙げられ、特に好ましいのは、セルラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、プルラナーゼ、エステラーゼ、ヘミセルラーゼ、パーオキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、プロトペクチナーゼ及びペクチナーゼ等が挙げられる。これらは2種以上を用いても良い。酵素造粒時の着色剤の分散性及び衣類への染着性を考慮した時に、特に好ましいのは、プロテアーゼ及びセルラーゼの組合せである。その理由は定かではないが、プロテアーゼによる繊維表面のシミや角質の除去効果と相まってセルラーゼによる繊維内部の皮質の除去効果が向上し、それにより染料が皮脂成分等への残留を防ぐことができると推測される。
【0051】
前記の酵素は、如何なる方法で製造されたものでも良く、特に限定されないが、通常、微生物により生産された酵素を含有する培養物を濾過し更に乾燥して得られるものが用いられる。また、培養条件、分離条件等により安定化剤、糖類、硫酸ナトリウム等の無機塩類、ポリエチレングリコール、不純物、水等が含まれていても良い。
【0052】
これらの基剤の製造工程での添加方法として、炭酸ナトリウムは水性スラリーに配合し、噴霧乾燥することで粉末化する方法や、平均粒径1〜40μm程度に調整したものを造粒工程や表面改質工程等に添加する方法や、デンス灰やライト灰等をアフターブレンドする方法等がある。非晶質アルカリ金属珪酸塩は、水性スラリーに配合し、噴霧乾燥する方法や、顆粒化されたものをアフターブレンドする方法等が挙げられる。結晶質アルカリ金属珪酸塩は、平均粒径1〜40μm程度、好ましくは1〜30μm程度、より好ましくは1〜20μm程度、さらに好ましくは1〜10μm程度に調整したものを造粒工程や表面改質工程等に添加する方法がある。この時、結晶質及び/又は非晶質のアルミノ珪酸塩等の基剤を混合して用いることが、保存安定性等の点から好ましい。また、特開平3−16442号公報記載のローラーコンパクター等を用いた方法で調製した顆粒をアフターブレンドする方法等が挙げられる。
【0053】
また、別の好ましい一態様として、本発明の洗剤組成物には、スルホン酸基を有するアニオン性界面活性剤を、洗剤組成物に対して5重量%以上配合することができる。該アニオン性界面活性剤を用いることにより、洗剤を冷水中で長時間静置した条件において、洗剤粒子間での分散性をより良好に保つことができる。スルホン酸基を有するアニオン性界面活性剤は、本発明の洗剤組成物中に、好ましくは5重量%以上、より好ましくは7重量%以上、特に好ましくは10重量%以上配合される。スルホン酸基を有するアニオン性界面活性剤として好ましいものは、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩又はそのエステル、特に好ましいのはアルキルベンゼンスルホン酸塩である。
【0054】
本発明の洗剤組成物の製造方法及び形状は特に制限されるものではなく、本発明のアニオン性界面活性剤粉体と他の洗剤原料とをV型ブレンダーやナウタミキサ(ホソカワミクロン(株)製)等により単にドライブレンドしても良く、また造粒しても良い。
【0055】
造粒する場合は必要に応じてバインダーを配合することができる。バインダーとしては上述した各種界面活性剤水溶液又はペーストが使用できる。その他金属イオン封鎖能や固体粒子汚れ分散能を有するカルボン酸基及び/又はスルホン酸基を有するカチオン交換型ポリマー又はポリエチレングリコールの様な高分子化合物も有効なバインダーとして使用できる。造粒方法も特に限定されるものではなく、▲1▼攪拌転動造粒法、▲2▼流動層造粒法、▲3▼押出造粒法、▲4▼タブレッティング(打錠)やブリケッティング、コンパクティング等の圧縮造粒法により所望の洗剤組成物の造粒体とすることができる。
【0056】
次に、各造粒方法について詳細に説明する。
【0057】
▲1▼ 攪拌転動造粒法
攪拌転動造粒法は槽内に装入された本発明のアニオン性界面活性剤粉体を含む洗剤組成物に液状あるいは固体のバインダーを添加し、場合により加熱または冷却しながら、必要に応じて攪拌羽根を回転させて造粒を行なう方法である。本法によれば添加するバインダー種及び量又は造粒時間を適宜調節することにより、得られる造粒体の溶解性を制御することが可能であり、バッチ式、連続式いずれでも造粒を行なうことができる。また、バインダーの添加は、一括で行なっても良いが、所望の造粒体とする為、あるいはバインダー物性により、添加時間を調節したり間欠的に添加することもできる。バインダーを液状で添加する場合は、スプレー方式で添加することが好ましい。界面活性剤水溶液又はペーストをバインダーとして使用することが望ましく、洗剤組成物中の全界面活性剤の含有量が、好ましくは10〜60重量%、更に好ましくは20〜50重量%、特に好ましくは27〜45重量%となる様に適宜添加量を調節することができる。
【0058】
使用できる造粒機としては特に限定されないが、(1)混合槽で内部に攪拌軸を有し、この軸に攪拌羽根を取り付けて粉末の混合を行う形式のミキサー;例えばヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)製)、ハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製)、バーチカルグラニュレーター((株)パウレック製)、レディゲミキサー(マツボー(株)製)、プロシェアミキサー(太平洋機工(株)製)等、(2)円筒型又は半円筒型の固定された容器内でスパイラルを形成したリボン状の羽根が回転することにより混合を行う形式のミキサー;例えばリボンミキサー(日和機械工業(株)製)、バッチニーダー(佐竹化学機械工業(株)製)等、(3)コニカル状の容器に沿ってスクリューが容器の壁と平行の軸を中心として自転しながら公転することにより混合を行う形式のミキサー;例えばナウターミキサー(ホソカワミクロン(株)製)等がある。
【0059】
この方法では、平均粒径70〜5000μm程度の造粒体を得ることができ、造粒後、適宜、乾燥、コーティング、分級を行なうことができる。
【0060】
▲2▼ 流動層造粒法
流動層造粒法は、装置下部より導入した流体により本発明のアニオン性界面活性剤粉体を含む洗剤組成物を流動状態に保ち、この流動層に液状バインダーを添加して凝集造粒する方法である。溶融ポリエチレングリコールの様に可塑化された熱可塑性物質を用いる場合は常温又は冷風により可塑性を消失せしめながら造粒を行なう。平均粒子径100〜2000μm程の比較的ポーラスで溶解性の良い洗剤組成物の造粒体を得ることができる。熱風を導入する場合その温度は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩の分解による品質低下を抑制する観点から80℃以下とすることが好ましい。均一な造粒体を得るためにはバインダーをスプレー方式で添加することが好ましい。添加するバインダー量は特に制限されず、上述した様に適宜調整可能である。好ましい流動層造粒装置としては、フローコーター(フロイント産業(株)製)、スパイラフロー(同社製)、アグロマスタ(ホソカワミクロン(株)製)、グローマックス(不二パウダル(株)製)等が挙げられる。造粒後、適宜、コーティング、分級を行なうことができる。
【0061】
▲3▼ 押出造粒法
押出造粒法は、本発明のアニオン性界面活性剤粉体を含む洗剤組成物に上述したバインダーを加え捏和して可塑性を与えた後、押出機構部により多数の孔を有するダイ、スクリーン面に押し付けて孔より押出して成形するものであり、粒度均一な平均粒径0.3〜30mmの造粒体が得られる。バインダーに熱可塑性物質を使用する場合は加温してこれらが熱可塑性を呈する条件下で押出造粒する。バインダーは予めナウタミキサー等により前混合しておくことが好ましい。また、上述した撹拌転動造粒法、流動層造粒法によって得られた造粒体を更に押出造粒することもできる。添加するバインダー量は特に制限されず、上述した様に適宜調整することができる。好ましい押出造粒装置としては、ペレッターダブル(不二パウダル(株)製)、ツインドームグラン(同社製)等が挙げられる。造粒後、適宜、後処理として粉砕、製粒(丸め)、分級を行ない、更に粒度を調整することもできる。
【0062】
▲4▼ タブレッティング(打錠)/ブリケッティング/コンパクティング
タブレッティング(打錠)/ブリケッティング/コンパクティングはいずれも圧縮造粒法であり、粉塵性が低く、粒の大きさが揃った洗剤組成物の造粒体を調製する場合に好適である。タブレッティングは、本発明のアニオン性界面活性剤粉体を含む洗剤組成物を型の中に充填した後、杵により加圧する造粒方法である。また、回転する2本のロール間で本発明のアニオン性界面活性剤粉体を含む洗剤組成物を圧縮、成形するロールプレス法の内、ロール表面に型が彫ってあるものをブリケッティング、型が彫っていないものをコンパクティングという。これら圧縮造粒法では、0.2〜5ton/cm2の高い圧縮力をかけることで造粒する為、一般的に溶解性が課題となる。その場合はセルロースや硫酸マグネシウム等の崩壊助剤を添加することにより溶解性を改善することができる。タブレッティングでは直径0.5〜50mm程度の造粒体を得ることができる。また、コンパクティングで成形したフレークを、解砕する事により、圧密された1〜2mm以下の造粒体とする事も出来る。ブリケッティング装置のロール表面の型の形状としては、ピロー型、レンズ型、アーモンド型、プリズム型、波型等があり、適宜選択し使用できる。
【0063】
また、本発明のアニオン性界面活性剤粉体はセメント用添加剤、特に空気連行剤としても好適に使用することができる。この際のアニオン性界面活性剤粉体は、セメント、骨材等と共に添加され、水と混合することにより、直径0.25〜0.025mm位の独立した微細な気泡が均等に分布したコンクリートやモルタルが得られる。これら微細な気泡を内包したコンクリートやモルタルは凍結融解に対する耐久性向上やワーカビリティー向上等の数多くの利点がある。本発明のアニオン性界面活性剤粉体を使用した場合、形成される気泡の安定性がよく、施工後のひび割れの少ないコンクリートやモルタルが得られる。その場合の形状としては、特に制限はなく、粉末状又は粒状等が使用できる。また、セメント、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム等のセメントに含有される成分や、施工後に悪影響を及ぼさない粉体等と共に乾式混合した配合物として調製して使用することも好ましい。
【0064】
【実施例】
例中の%は、特記しない限り重量%である。
【0065】
合成例1
内径14mmφ、長さ4mの薄膜流下型反応器内に、2.0体積%の三酸化硫黄ガスと共に、アルキル基の炭素数12〜16でその分布がC12/C14/C16=67%/28%/5%である高級アルコール(分子量199)を、60℃で連続的に投入し反応させた。高級アルコールに対する三酸化硫黄ガスとの反応モル比が1.01となるように流量を調節した。得られた硫酸化物を32.2%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、75%リン酸(緩衝剤)を添加した後、32.1%水酸化ナトリウム水溶液でpH=10に微調整した。得られたアルキル硫酸ナトリウム塩ペーストの有効成分は73%であった。
【0066】
合成例2
アルキル基の炭素数12〜16でその分布がC12/C14/C16=67%/28%/5%である高級アルコールに、水酸化カリウム触媒を用いてエチレンオキサイドを平均1.0モル付加したエトキシレート(平均分子量242)を、高級アルコールの代わりに用いることと、4.0%水酸化ナトリウム水溶液を用いること以外は、合成例1と同様に反応させた。得られたポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム塩水溶液の有効成分は25.4%であった。
【0067】
合成例3
アルキル基の炭素数12,14でその分布がC12/C14=75%/25%である高級アルコールに、キョーワード2030触媒(協和化学工業(株)製)を用いて、エチレンオキサイドを平均2.0モル付加したエトキシレート(平均分子量280)を、高級アルコールの代わりに用いることと、3.6%水酸化ナトリウム水溶液を用いること以外は、合成例1と同様に反応させた。得られたナロー分布(付加モル数の分布幅が狭い)をもつポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム塩水溶液の有効成分は25.2%であった。
【0068】
合成例4
アルキル基の炭素数12,14でその分布がC12/C14=75%/25%である高級アルコールに、特開2001−327866の実施例1に記載の方法によって合成したアルキレンオキサイド付加反応用触媒を用いてエチレンオキサイドを平均2.0モル付加したエトキシレート(平均分子量280)を、高級アルコールの代わりに用いることと、3.6%水酸化ナトリウム水溶液を用いること以外は、合成例1と同様に反応させた。得られたナロー分布をもつポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム塩水溶液の有効成分は25.1%であった。
【0069】
合成例5
アルキル基の炭素数12〜16でその分布がC12/C14/C16=67%/28%/5%である高級アルコールと、同高級アルコールに水酸化カリウム触媒を用いてエチレンオキサイドを平均1.0モル付加したエトキシレートとを75%:25%の割合で配合した原料(平均分子量209)を、高級アルコールの代わりに用いることと、30.1%水酸化ナトリウム水溶液を用いること以外は、合成例1と同様に反応させた。得られたポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム塩ペーストの有効成分は72%であった。
【0070】
合成例6
アルキル基の炭素数12〜16でその分布がC12/C14/C16=67%/28%/5%である高級アルコールに水酸化カリウム触媒を用いてエチレンオキサイドを平均1.0モル付加したエトキシレート(平均分子量242)を、高級アルコールの代わりに用いることと、28.9%水酸化ナトリウム水溶液を用いること以外は、合成例1と同様に反応させた。得られたポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム塩ペーストの有効成分は73%であった。
【0071】
実施例1
合成例1で得られたアルキル硫酸ナトリウム塩(AS)含有ペーストと、合成例2で得られたポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム塩(ES)含有水溶液とを、有効成分の重量比が、AS:ES=85:15となるように混合した混合溶液9.36kgを、容積65Lのマイクロ波乾燥機[深江パウテック(株)製、FMD−65JE型]に仕込み、ジャケット温度50〜60℃、圧力9.3kPa、アジテータ回転数200r/min、チョッパー回転数2000r/minの条件下、乾燥・粉粒化し、エチレンオキサイド平均付加モル数0.25であるポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム塩[平均分子量310]からなるアニオン性界面活性剤粉体を得た。
【0072】
実施例2〜11
表1に示すアルキル組成を有するアルキル硫酸ナトリウム塩(AS)含有ペーストと、表1に示すアルキル組成を有し、エチレンオキサイドを平均1.0モル付加したポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム塩(ES)含有水溶液とを、有効成分の重量比が、表1に示す割合となるように混合した混合溶液を用いる以外は、実施例1と同様にして、表1に示すエチレンオキサイド平均付加モル数を有するポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム塩からなるアニオン性界面活性剤粉体を得た。
【0073】
比較例1〜2
表1に示すアルキル組成を有するアルキル硫酸ナトリウム塩(AS)含有ペーストを用いる以外は、実施例1と同様にして、アルキル硫酸ナトリウム塩からなるアニオン性界面活性剤粉体を得た。
【0074】
試験例1
実施例1〜11及び比較例1〜2で得られたアニオン性界面活性剤粉体の一部を同一装置で造粒を行った後、篩分けし、粒子径が500μm以上で、かつ1410μm未満である試料を得た。これらの試料のケーキング性、耐硬水性及び洗浄性を下記方法で評価した。これらの結果を表1に示す。
【0075】
<ケーキング性>
試料のケーキング性を下記の基準で評価した。
◎:1ヶ月後もケーキング発生が認められなかった。
○:2週間後にケーキング発生が僅かに認められた。
×:直後にケーキング発生が認められた。
【0076】
<耐硬水性>
合成洗剤試験方法(JIS K3362)に準じて行った。実施例1〜3及び比較例1については無水物換算2.0g/Lの濃度の試験液、実施例4〜11及び比較例2については無水物換算3.0g/Lの濃度の試験液100mLに、50℃、100mLの硬水(16°DH)をかき混ぜながら加え、50℃恒温槽中に10分間放置した後、取りだし、判定板上の十字が見えるものを合格、それ以外のものを不合格とした。
【0077】
<洗浄性(起泡力と泡の安定度)>
合成洗剤試験方法(JIS K3362)に準じて行った。試料を硬水(16°DH)に、無水物換算2.0g/Lの濃度で溶解させて試験液を調製した。その試験液200mLを40℃の条件で900mmの高さから30秒間で液面上(同試験液50mL)に落下させた時に生じる泡の高さ(mm)を1分後に測って起泡力とし、その5分後の泡の高さ(mm)を泡の安定度とした。測定はそれぞれ3回行い、その平均値を求め、比較例2の値を1とした時の相対値で示した。
【0078】
【表1】
Figure 0004080323
【0079】
表1に示す結果から明らかなように、本発明品は、耐硬水性及び洗浄性も満足し、ケーキング性も良く、つまり保存安定性も満足する優れた繊維洗浄用等に好適な粉体である。
【0080】
試験例2
実施例10で得られたアニオン性界面活性剤粉体を用い、下記組成の洗剤組成物を調製し、その洗浄性を下記方法で評価した。また、比較のためにアニオン性界面活性剤粉体として、市販のアルキル硫酸ナトリウム塩粉体(商品名;Emal 10P-HD、花王インドネシア化学(株)製)を用い、同様に洗剤組成物を調製し、洗浄性を評価した。結果を表2に示す。
【0081】
<洗剤組成物>
アニオン性界面活性剤粉体 10%
非イオン性界面活性剤(エマルゲン120、花王(株)製) 5%
石鹸(ルナックP−95(花王(株)製)のナトリウム塩) 2%
4A型ゼオライト 30%
ソーダ灰 15%
1号水ガラス 5%
芒硝 16%
アクリル酸マレイン酸コポリマー(ソカランCP−5、BASF社製) 3%
過炭酸ソーダ 10%
TAED 4%
<洗浄性の評価法>
下記手順で洗浄性を評価した。
▲1▼市販の汚染布(wfk 10D、汚染前の布の反射率=80.1%)を3×3cmに裁断し、洗浄前の反射率を測定する(測定装置;日本電色300A、1検体につき5枚×2(表と裏))
▲2▼上記洗剤組成中、(a)アニオン性界面活性剤粉体、(b)非イオン性界面活性剤、石鹸、4A型ゼオライト、ソーダ灰、1号水ガラス、芒硝及びアクリル酸マレイン酸コポリマー、(c)過炭酸ソーダ、(d)TAEDの4種をそれぞれ、30℃のイオン交換水に、洗浄液(洗剤組成物濃度8g/L)の10倍の濃度(=80g/L)で溶解させ、4種の母液を調製する。
▲3▼硬度16°DHの硬水を調整し、30℃にする。
▲4▼Launder-O-Meter(スガ試験(株)LM-16型)の試験管(容量は約250mL(実測))にテフロン(登録商標)球32個と、30℃のイオン交換水40mLを入れ、▲3▼の硬水を8mL、▲2▼で作成した4種の母液を各8mL添加後、汚染布を5枚投入し、装置にセットする。
▲5▼30℃で、30分間洗浄を行う。
▲6▼洗浄終了後、汚染布を取り出し、水道水で濯いだ後、脱水し、乾燥させる。
▲7▼洗浄後の反射率を測定し(測定装置;日本電色300A)、洗浄前後の汚染布の反射率から、下式によって洗浄率を算出し、洗浄率の平均値を算出する。
【0082】
洗浄率(%)=(洗浄後の反射率−洗浄前の反射率)/(汚染前の布の反射率−洗浄前の反射率)×100
【0083】
【表2】
Figure 0004080323
【0084】
表2の結果から明らかなように、本発明のアニオン性界面活性剤粉体は、市販のアニオン性界面活性剤粉体に比べて、洗剤配合時の洗浄性が良好であることがわかる。
【0085】
試験例3
実施例1及び比較例1、実施例10及び比較例2で得られたアニオン性界面活性剤粉体を用い、試験例2の洗剤組成物と同様の組成の洗剤組成物を調製し、その洗浄性を下記方法で評価した。結果を表3に示す。
【0086】
<洗浄性の評価法>
汚染布として、市販の汚染布(EMPA 104、汚染前の布の反射率=92.3%)を用い、洗浄温度を40℃とする以外は、試験例2と同様の評価法
【0087】
【表3】
Figure 0004080323
【0088】
比較例3
アルキル基の炭素数が10〜13で、分岐鎖率約70%、エチレンオキサイドの平均付加モル数0.6であるポリオキシエチレンアルキル硫酸塩(商品名ラテムル D−4−D、花王(株)製)を、実施例1と同様の方法で乾燥させたところ、粉状にはならず、ペースト状のままであった。
【0089】
比較例4
アルキル基の炭素数が12〜14で、エチレンオキサイドの平均付加モル数1.9、エチレンオキサイド付加モル数4以上の付加体の割合が31.5%のポリオキシエチレンアルキル硫酸塩(商品名エマール270J、花王(株)製)を、実施例1と同様の方法で乾燥させたところ、粉状にはならず、ペースト状のままであった。
【0090】
実施例12
合成例3で得られたポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム塩水溶液を用いる以外は、実施例1と同様にして、エチレンオキサイド平均付加モル数2.0、エチレンオキサイド付加モル数4以上の付加体の割合19.0%のポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム塩からなるアニオン性界面活性剤粉体を得た。
【0091】
実施例13
合成例4で得られたポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム塩水溶液を用いる以外は、実施例1と同様にして、エチレンオキサイド平均付加モル数2.0、エチレンオキサイド付加モル数4以上の付加体の割合16.8%のポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム塩からなるアニオン性界面活性剤粉体を得た。
【0092】
試験例4
実施例12〜13で得られたアニオン性界面活性剤粉体のケーキング性を試験例1と同様に評価した。結果を表4に示す。
【0093】
【表4】
Figure 0004080323
【0094】
実施例14
実施例1と同様のアルキル硫酸ナトリウム塩含有ペースト及びポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム塩含有水溶液とを、有効成分の重量比が、85:15となるように混合した混合溶液を用い、実施例1と同様の操作で、エチレンオキサイド平均付加モル数0.25であるポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム塩の粉体からなるアニオン性界面活性剤粉体を得た。このアニオン性界面活性剤粉体1.2gを砂67%、セメント33%、ポリスチレンビーズ0.3%からなる粉体1.5kgと混合させたモルタル用粉体に、水道水399g(11℃)を添加して混練したモルタルを各5バッチ作成し、発泡性能の指標となる比重(混練直後品を400cc容器に取り、その重量(g)を400gで割った値)を測定した。更に、横200×縦1000×深さ20mmの木枠中に塗布し、塗布時の延び易さ(=作業性)を評価するとともに、乾燥時の収縮によるひび割れの有無を観察することにより、内包される泡の安定性について評価した。結果を表5に示す。
【0095】
比較例5〜6
実施例14のアニオン性界面活性剤粉体の代わりに、一般に使用されているモルタル発泡剤であるラウリル硫酸塩(花王インドネシア化学(株)製、Emal 10P-HD)(比較例5)、又はα−オレフィンスルホン酸塩(Hoechest製、Hostappur OSB)(比較例6)を用い、実施例14と同様の方法で比重を測定し、塗布時の作業性及び乾燥時の収縮によるひび割れの有無を評価した。結果を表5に示す。
【0096】
【表5】
Figure 0004080323
【0097】
表5から明らかなように、実施例14の粉体は、比較例5及び6の粉体に比べ、比重は同等であるものの、塗布時の延びが良く、作業性に優れるとともに、乾燥時のひび割れも観察されなかった。一方、比較例5及び6の粉体では、塗布時の延びが実施例14に比べて劣り、乾燥時のひび割れも縦方向の亀裂が塗布面全体に観察された。
【0098】
実施例15
合成例5で得られたポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム塩ペースト20.0kgを、容積65Lのマイクロ波乾燥機[深江パウテック(株)製、FMD−65JE型]に仕込み、ジャケット温度85℃、圧力9.3〜6.7kPa、アジテータ回転数100r/min、チョッパー回転数3000r/minの条件下、乾燥・微粒化し、エチレンオキサイド平均付加モル数0.25であるポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム塩[平均分子量311]からなるアニオン性界面活性剤粉体を得た。
【0099】
実施例16
実施例15と同様の方法で得られたポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム塩[平均分子量311]からなるアニオン性界面活性剤粉体4.3kgを容積65Lのマイクロ波乾燥機[深江パウテック(株)製、FMD−65JE型]に仕込み、ジャケット温度85℃、圧力6.7kPa、アジテータ回転数100r/min、チョッパー回転数3000r/minの条件下、合成例5で得られたポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム塩ペースト20.0kgを、乾燥機内の粉体が粉体の状態を維持するような供給速度で連続して滴下することにより、エチレンオキサイド平均付加モル数0.25であるポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム塩[平均分子量311]からなるアニオン性界面活性剤粉体を得た。
【0100】
実施例17
市販のアルキル硫酸ナトリウム塩粉体(商品名;Emal 10P-HD、花王インドネシア化学(株)製)10.5kgを、容積65Lのマイクロ波乾燥機[深江パウテック(株)製、FMD−65JE型]に仕込み、ジャケット温度85℃、圧力6.7kPa、アジテータ回転数100r/min、チョッパー回転数3000r/minの条件下、合成例6で得られたポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム塩ペースト4.9kgを、乾燥機内の粉体が粉体の状態を維持するような供給速度で連続して滴下することにより、エチレンオキサイド平均付加モル数0.25であるポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム塩[平均分子量311]からなるアニオン性界面活性剤粉体を得た。
【0101】
実施例18
実施例16で得られたアニオン性界面活性剤粉体を60℃に加温し、押出造粒機(ドームグランDG−L1型、20r/min、ダイス径1mmφ、(株)ダルトン製)に連続的に投入し、得られた円柱状の造粒物を室温まで冷却した。次に、破砕造粒機(パワーミルP−02S;スクリーン径1.5mmφ、パウレック(株)製)によって連続的に破砕し、篩い分けによって粒径500〜1410μmの造粒物を得た。
【0102】
実施例19
実施例16で得られたアニオン性界面活性剤粉体を押出造粒機(ドームグランDG−L1型、20r/min、ダイス径1mmφ、(株)ダルトン製)に連続的に投入し、得られた円柱状の造粒物を室温まで冷却した。次に、破砕造粒機(パワーミルP−02S;スクリーン径1.5mmφ、パウレック(株)製)によって破砕した後、得られた造粒物4.0kgを容積20Lのハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製)に仕込み、ジャケットに60℃の温水を流通し、アジテータ150r/min、チョッパー1800r/minで粉体温度を56℃まで昇温し、イオン交換水12.9gを6分で滴下した。その後10分間、同条件で撹拌を継続した後、室温まで冷却し、篩い分けによって粒径500〜1410μmの造粒物を得た。
【0103】
実施例20〜21
実施例18で得られたアニオン性界面活性剤粉体の造粒物又は実施例19で得られたアニオン性界面活性剤粉体の造粒物1.8kgを各々20Lのハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製)に仕込み、0.2kgの4A型ゼオライトを添加し、アジテータ50r/minで約3分間、室温下で撹拌し、4A型ゼオライトを造粒物の粒子表面へ吸着させた。各々得られた造粒物を篩い分けすることにより粒径500〜1410μmで、ケーキング性をより一層向上させた造粒物を得た。
【0104】
実施例22
合成例5で得られたポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム塩ペーストを58℃、流量13.3kg/hで、回転数1100r/min、圧力6.7kPa、加熱温度110℃に保持された非接触型セブコン(伝熱面積0.3m2、(株)日立製作所製)に連続投入し、乾燥物を得た。
【0105】
試験例5
実施例19、20及び21で得られた造粒物について、下記方法でケーキング性を評価したところ、実施例19の造粒物が97%、実施例20及び21の造粒物がそれぞれ100%であった。
【0106】
<ケーキング性>
0.04×70×100mmのチャック付きビニール袋に造粒物を70g封入し、その上に7kgの分銅により均等に荷重をかけ、50℃で1週間保持した後、JIS1410μmの篩により篩い分けし、その通過率(篩を通過した重量/仕込み重量×100%)を測定した。

Claims (7)

  1. アルキレンオキサイドの平均付加モル数が0.05〜2で、アルキル硫酸塩を30〜95重量%含有するポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩からなり、かつアルキレンオキサイドを4モル以上付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩の含有量がアニオン性界面活性剤全体に対し30重量%以下であるアニオン性界面活性剤粉体。
  2. ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩が、一般式(I)で表される化合物である請求項1記載のアニオン性界面活性剤粉体。
    [R1−O(AO)n−SO3pM (I)
    [式中、R1は炭素数8〜20の直鎖アルキル基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す、0.05〜2の数、Mは陽イオン、pはMの価数を示し、n個のAOは同一でも異なっていても良い。]
  3. 更に、水溶性無機塩を含有する請求項1又は2記載のアニオン性界面活性剤粉体。
  4. 下記(1)〜(3)のいずれかの方法によりポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩含有水溶液又はペーストを得た後、乾燥及び造粒を行う、請求項1〜のいずれかに記載のアニオン性界面活性剤粉体の製造法。
    (1)炭素数8〜20のアルコール(以下高級アルコールという)にアルキレンオキサイドを平均付加モル数0.05〜2となるように付加した高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物を、硫酸化し、中和する方法。
    (2)高級アルコールと高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物を、混合物のアルキレンオキサイド平均付加モル数が0.05〜2になるように混合した後、硫酸化し、中和する方法。
    (3)高級アルコール及び高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物を予め別々に硫酸化し、中和したものを、混合物のアルキレンオキサイド平均付加モル数が0.05〜2になるように混合する方法。
  5. 請求項記載の(1)〜(3)のいずれかの方法により得られたポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩含有水溶液又はペーストを、下記(4)〜(6)のいずれかの方法により乾燥して乾燥物を得るか、又は更にこの乾燥物を造粒する、請求項1〜のいずれかに記載のアニオン性界面活性剤粉体の製造法。
    (4)ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩含有水溶液又はペースト、あるいはポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩含有水溶液又はペーストとアルキル硫酸塩含有水溶液、ペースト又は粉体との混合物を、攪拌翼及び/又は解砕機を有するバッチ式真空乾燥機内に一括して投入し、減圧下で乾燥を行う方法。
    (5)攪拌翼及び/又は解砕機を有するバッチ式真空乾燥機内に、予めアニオン性界面活性剤粉体を攪拌及び解砕効果が得られる程度に仕込んだ後、減圧下で機内中の粉体が粉体の状態を維持するような供給速度でポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩含有水溶液又はペーストを供給して乾燥を行う方法。
    (6)ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩含有水溶液又はペーストを、減圧下で、回転薄膜蒸発機内に連続的に投入し、乾燥を行う方法。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載のアニオン性界面活性剤粉体を含有する洗剤組成物。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載のアニオン性界面活性剤粉体を含有するセメント用添加剤。
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