JP4078438B2 - 農業用顆粒水和剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水中での崩壊性が良好であり、高い分散安定性を示す農業用顆粒水和剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
顆粒水和剤は、水に完全に且つ容易に分散する粒剤であり、従来の水和剤に比べ、取扱の容易さ、計量の容易さ、粉塵防止、施用の簡便さの点で優れた農薬製剤である。しかしながら、従来の水和剤の処方を用いてそのまま粒状に製剤化すると、水中で容易に崩壊しない、安定な分散液が得られないなどの種々の問題点がある。
特開平1−38091号公報には優れた選択的除草活性を示すスルホニル尿素系化合物が記載されている。
特公平6−99245号公報には農薬活性成分、ならびに分子量5000〜20000のアクリル酸とイタコン酸の共重合物、メタアクリル酸とイタコン酸の共重合物、マレイン酸とスチレンの共重合物、マレイン酸とジイソブチレンの共重合物、およびこれらのアルカリ金属、アンモニアまたはアミンとの塩から選ばれる1種以上のポリカルボン酸系界面活性剤を含有する粒状水和性農薬組成物が記載されている。また、特開平6−128102号公報には農薬活性成分、界面活性剤および珪藻土を含有する粒状水和剤が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
スルホニル尿素系化合物は従来の顆粒水和剤では、水中で容易に崩壊しない、安定な分散液が得られないなどの欠点を有している。
そこで、スルホニル尿素系化合物の優れた除草能力をより効率よく発揮させるために、水中崩壊性および水中分散性の良好な顆粒水和剤の開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、
式〔I〕
【化2】
Figure 0004078438
〔式中、Qは置換されていてもよい複素環基または置換されていてもよい炭化水素基を、Wは酸素原子または硫黄原子を、R1およびR2はそれぞれアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を、ZはCHまたはNを示す。〕で表わされるスルホニル尿素系化合物またはその塩を含有する顆粒水和剤においてポリカルボン酸系界面活性剤または芳香族スルホン酸誘導体のホルマリン縮合物またはその塩、さらにリグニンスルホン酸塩を含有せしめることによって、予想外にも水中での良好な崩壊性、分散性を付与せしめることに成功した。本発明者らは、この知見に基づいて、さらに検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、
〔1〕式〔I〕
【化3】
Figure 0004078438
〔式中、Qは置換されていてもよい複素環基または置換されていてもよい炭化水素基を、Wは酸素原子または硫黄原子を、R1およびR2はそれぞれアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を、ZはCHまたはNを示す。〕で表わされる化合物(以下、単に化合物(I)と略称する場合がある。)またはその塩、(2)ポリカルボン酸系界面活性剤または芳香族スルホン酸誘導体のホルマリン縮合物またはその塩、および(3)リグニンスルホン酸塩を含有する顆粒水和剤、
〔2〕式〔I〕で表わされる化合物がN−(2−クロロイミダゾ〔1,2−a〕ピリジン−3−イルスルホニル)−N’−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)尿素である上記〔1〕項記載の顆粒水和剤、
〔3〕式〔I〕で表わされる化合物がN−(2−エチルスルホニルイミダゾ〔1,2−a〕ピリジン−3−イルスルホニル)−N'−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)尿素である上記〔1〕項記載の顆粒水和剤、
〔4〕農薬活性成分として式〔I〕で表わされる化合物またはその塩に加えてさらに他の農薬活性成分を含有する上記〔1〕項記載の顆粒水和剤、
〔5〕式〔I〕で表わされる化合物またはその塩、および他の農薬活性成分を合せて70〜95重量%含有する上記〔4〕項記載の顆粒水和剤、
〔6〕ポリカルボン酸系界面活性剤または芳香族スルホン酸誘導体のホルマリン縮合物またはその塩を1〜15重量%含有する上記〔4〕項記載の顆粒水和剤、
〔7〕リグニンスルホン酸塩を1〜15重量%含有する上記〔4〕項記載の顆粒水和剤、
〔8〕平均粒径が0.1〜5mmである上記〔1〕項記載の顆粒水和剤、
〔9〕(1)式〔I〕で表わされる化合物またはその塩、(2)ポリカルボン酸系界面活性剤または芳香族スルホン酸誘導体のホルマリン縮合物またはその塩、および(2)リグニンスルホン酸塩を混合し、顆粒化することを特徴とする上記〔1〕項記載の顆粒水和剤の製造法、
〔10〕水田、畑地、果樹園、芝地または非農耕地に散布することを特徴とする上記〔1〕項記載の顆粒水和剤の使用方法、および
〔11〕散布する前に上記〔1〕項記載の顆粒水和剤を水で100〜20000倍に希釈することを特徴とする上記〔10〕項記載の使用方法を提供するものである。
【0006】
上記式〔I〕において、Qは置換されていてもよい複素環基または置換されていてもよい炭化水素基を示す。
該置換されていてもよい複素環基としては、例えば、窒素原子(オキシド化されていてもよい),酸素原子,硫黄原子(モノまたはジオキシド化されていてもよい)などのヘテロ原子を1ないし4個含む3〜8員複素環基(好ましくは5〜6員複素環基)、または窒素原子(オキシド化されていてもよい),酸素原子,硫黄原子(モノまたはジオキシド化されていてもよい)などのヘテロ原子を1ないし4個含む3〜8員複素環基(好ましくは5〜6員複素環基)とベンゼン環または窒素原子(オキシド化されていてもよい),酸素原子,硫黄原子(モノまたはジオキシド化されていてもよい)などのヘテロ原子を1ないし4個含む3〜8員複素環基(好ましくは5〜6員複素環基)とが縮合して形成する基、好ましくは該5〜6員複素環基と窒素原子(オキシド化されていてもよい),酸素原子,硫黄原子(モノまたはジオキシド化されていてもよい)などのヘテロ原子を1ないし4個含んでいてもよい5〜6員環とが縮合して形成する基が挙げられる。
【0007】
具体的には、アジリジニル(例、1−または2−アジリジニル),アジリニル(例、1−または2−アジリニル)、アゼチル(例、2−,3−または4−アゼチル)、アゼチジニル(例、1−,2−または3−アゼチジニル),パーヒドロアゼピニル(例、1−,2−,3−または4−パーヒドロアゼピニル),パーヒドロアゾシニル(例、1−,2−,3−,4−または5−パーヒドロアゾシニル),ピロリル(例、1−,2−または3−ピロリル),ピラゾリル(例、1−,3−,4−または5−ピラゾリル),イミダゾリル(例、1−,2−,4−または5−イミダゾリル),トリアゾリル(例、1,2,3−トリアゾール−1−,4−または−5−イル,1,2,4−トリアゾール−1−,3−,4−または5−イル),テトラゾリル(例、テトラゾール−1−,2−または5−イル),フリル(例、2−または3−フリル),チエニル(例、2−または3−チエニル),硫黄原子が酸化されたチエニル(例、2−または3−チエニル−1,1−ジオキシド),オキサゾリル(例、2−,4−または5−オキサゾリル),イソキサゾリル(例、3−,4−または5−イソキサゾリル),オキサジアゾリル(例、1,2,3−オキサジアゾール−4−または5−イル,1,2,4−オキサジアゾール−3−または5−イル,1,2,5−オキサジアゾール−3−イル,1,3,4−オキサジアゾール−2−イル),チアゾリル(例、2−,4−または5−チアゾリル),イソチアゾリル(例、3−,4−または5−イソチアゾリル),チアジアゾリル(例、1,2,3−チアジアゾール−4−または5−イル,1,2,4−チアジアゾール−3−または5−イル,1,2,5−チアジアゾール−3−イル,1,3,4−チアジアゾール−2−イル),ピロリジニル(例、1−,2−または3−ピロリジニル),ピリジル(例、2−,3−または4−ピリジル),窒素原子が酸化されたピリジル(例、2−,3−または4−ピリジル−N−オキシド),ピリダジニル(例、3−または4−ピリダジニル),窒素原子の一方または両方が酸化されたピリダジニル(例、3−,4−,5−または6−ピリダジニル−N−オキシド),ピリミジニル(例、2−,4−または5−ピリミジニル),窒素原子の一方または両方が酸化されたピリミジニル(例、2−,4−,5−または6−ピリミジニル−N−オキシド),ピラジニル,ピペリジニル(例、1−,2−,3−または4−ピペリジニル),ピペラジニル(例、1−または2−ピペラジニル),インドリル(例、3H−インドール−2−,3−,4−,5−,6−または7−イル),ピラニル(例、2−,3−または4−ピラニル),チオピラニル(例、2−,3−または4−チオピラニル),硫黄原子が酸化されたチオピラニル(例、2−,3−または4−チオピラニル−1,1−ジオキシド),モルホリニル(例、2−,3−または4−モルホリニル),チオモルホリニル,キノリル(例、2−,3−,4−,5−,6−,7−または8−キノリル),イソキノリル,ピリド〔2,3−d〕ピリミジニル(例、ピリド〔2,3−d〕ピリミジン−2−イル),1,5−,1,6−,1,7−,1,8−,2,6−または2,7−ナフチリジニルなどのナフチリジニル(例、1,5−ナフチリジン−2−または3−イル),チエノ〔2,3−d〕ピリジル(例、チエノ〔2,3−d〕ピリジン−3−イル),ピラジノキノリル(例、ピラジノ〔2,3−d〕キノリン−2−イル),クロメニル(例、2H−クロメン−2−または3−イル)、イミダゾ〔1,2−a〕ピリジル、イミダゾ〔2,1−b〕チアゾリル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリミジニル、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジニル、イミダゾ〔1,2−c〕ピリミジニル、イミダゾ〔1,2−a〕イミダゾリル、イミダゾ〔2,1−b〕(1,3,4)チアジアゾリル、2,3−ジヒドロイミダゾ〔2,1−b〕チアゾリル(又はそのモノオキシド又はジオキシド)、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジニル、ピラゾロ〔5,1−b〕チアゾリル、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリジル、ピロロ〔1,2−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−b〕(1,2,4)トリアゾリル、(1,2,4)トリアゾロ〔3,4−b〕チアゾリルなどが用いられる。
なお、上記イミダゾ〔1,2−a〕ピリジル、イミダゾ〔2,1−b〕チアゾリル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリミジニル、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジニル、イミダゾ〔1,2−c〕ピリミジニル、イミダゾ〔1,2−a〕イミダゾリル、イミダゾ〔2,1−b〕(1,3,4)チアジアゾリル、2,3−ジヒドロイミダゾ〔2,1−b〕チアゾリル(又はそのモノオキシド又はジオキシド)、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリミジニル、ピラゾロ〔5,1−b〕チアゾリル、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリジル、ピロロ〔1,2−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−b〕(1,2,4)トリアゾリルおよび(1,2,4)トリアゾロ〔3,4−b〕チアゾリルは、
【化4】
Figure 0004078438
の橋頭原子以外の構成炭素原子に結合した水素原子を1個取り除いて形成される基である。
特に、ピラゾリル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリジル、イミダゾ〔2,1−b〕チアゾリル、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジニルが好ましい。
【0008】
該複素環基は例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、スルファモイル基,スルファモイルオキシ基,メルカプト基、ニトロ基、ハロゲン原子、有機残基およびスルホ基等からなる群から選ばれる同一または異なる1〜3個の置換基で置換されていてもよい。
上記置換基のうち好ましくは、シアノ基,ニトロ基,ハロゲン原子または有機残基である。特に好ましくは、ハロゲン原子,有機残基などである。
ここにおいてハロゲン原子としては、例えば、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素などが挙げられる。
有機残基としては、例えば、炭化水素基,複素環基,アシル基,式−T−R3〔式中、R3は炭化水素基,複素環基またはアシル基を、TはO,
【化5】
Figure 0004078438
またはS−Sを、kは0,1または2を示す〕で表される基,式
【化6】
Figure 0004078438
〔式中、R4は水素原子,炭化水素基またはアシル基を、R5は炭化水素基またはアシル基を示すか、またはR4およびR5は隣接する窒素原子とともに環を形成してもよい。〕で表される基,式
【化7】
Figure 0004078438
〔式中の記号は前記と同意義を示す〕で表される基,置換されていてもよいカルバモイル基,置換されていてもよいカルバモイルオキシ基,置換されていてもよいウレイド基,置換されていてもよいチオカルバモイル基,カルボキシル基または式−O−SO2−R5〔式中、R5は前記と同意義を示す〕で表される基等が挙げられる。
【0009】
上記の有機残基としての炭化水素基,複素環基,アシル基、R3で示される炭化水素基,複素環基,アシル基およびR4またはR5で示される炭化水素基,アシル基は下記で詳しく説明される。
上記のカルバモイル基,カルバモイルオキシ基,またはチオカルバモイル基は、下記で詳しく説明される炭化水素基,複素環基またはアシル基で1ないし2個同一または異なって置換されていてもよい。また、上記のウレイド基は、下記で詳しく説明される炭化水素基,複素環基またはアシル基で1ないし3個同一または異なって置換されていてもよい。
有機残基としての複素環基およびR3における複素環基は、下記に詳しく説明される炭化水素基,アシル基,ハロゲン原子で1ないし3個置換されていてもよい。
【0010】
炭化水素基としては、直鎖,分枝状,環状の二重結合、三重結合を有することもできる脂肪族炭化水素基、アリール基またはアラルキル基などが挙げられる。具体的には、アルキル基,アルケニル基,アルキニル基,アリール基,アラルキル基などが用いられ、なかでもC1-19炭化水素基などが好ましい。
該アルキル基としては、好ましくは炭素数1から6の直鎖,もしくは分枝状アルキル基もしくは炭素数3から14の環状のアルキル基が挙げられ、例えばメチル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,イソブチル,sec−ブチル,tert−ブチル,n−ペンチル,sec−ペンチル,イソペンチル,ネオペンチル,シクロペンチル,n−ヘキシル,イソヘキシル,シクロヘキシル等のC1-6アルキル基やC3-14シクロアルキル基等が用いられる。
該アルケニル基としては、好ましくは炭素数2から6の直鎖もしくは分枝状のアルケニル基もしくは炭素数3から14の環状のアルケニル基が挙げられ、例えばアリル,イソプロペニル,イソブテニル,2−ペンテニル,2−ヘキセニル,2−シクロヘキセニルなどのC2-6アルケニル基やC3-14アルケニル基等が用いられる。
該アルキニル基としては、好ましくは炭素数2から6のアルキニル基が挙げられ、例えばプロパルギル,2−ブチニル,3−ブチニル,3−ペンチニル,3−ヘキシニル等のC2-6アルキニル基等が用いられる。
該アリール基としては、好ましくは炭素数6から14のアリール基が挙げられ、例えばフェニル,ナフチル,アンスリル等が用いられる。
該アラルキル基としては、好ましくは炭素数7から19のアラルキル基が挙げられ、例えばベンジル,フェネチル,フェニルプロピルなどのフェニル−C1-4アルキル,ベンズヒドリル,トリチル等が用いられる。
【0011】
上記炭化水素基がアルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基の場合、1〜3個のアルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ等のC1-4アルキルチオなど)、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、tert−ブトキシ、n−ヘキシルオキシ等のC1-6アルコキシなど)、ニトロ基、アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル等のC1-6アルコキシ−カルボニルなど)、アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、n−ブチルアミノ、tert−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、n−ヘキシルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジ−(n−プロピル)アミノ、ジ−(n−ブチル)アミノ等のモノ−もしくはジ−C1-6アルキルアミノなど)、アルコキシイミノ基(例、メトキシイミノ、エトキシイミノ、n−プロポキシイミノ、tert−ブトキシイミノ、n−ヘキシルオキシ−イミノ等のC1-6アルコキシイミノなど)またはヒドロキシイミノで置換されていてもよい。
また、上記炭化水素基がアリール基またはアラルキル基の場合、1〜5個(好ましくは1〜3個)のアルキル基(例、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、sec−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシルなどのC1-6アルキル、シクロヘキシルなどのC3-6シクロアルキルなど)、アルケニル基(例、アリル、イソプロペニル、イソブテニル、1−メチルアリル、2−ペンテニル、2−ヘキセニルなどのC2-6アルケニルなど)、アルキニル基(例、プロパルギル、2−ブチニル、3−ブチニル、3−ペンチニル、3−ヘキシニルなどのC2-6アルキニルなど)、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、tert−ブトキシ、n−ヘキシルオキシなどのC1-6アルコキシなど)、アシル基[例、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイルなどのC1-7アルカノイル;ベンゾイル、ナフタレンカルボニルなどのC6-14アリール−カルボニル;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルなどのC1-6アルコキシ−カルボニル;フェノキシカルボニルなどのC6-14アリールオキシ−カルボニル;フェニル−C1-4アルキルカルボニル(例、ベンジルカルボニル、フェネチルカルボニル、フェニルプロピルカルボニルなど)などのC7-19アラルキル−カルボニル;フェニル−C1-4アルキルオキシカルボニル(例、ベンジルオキシカルボニルなど)などのC7-19アラルキルオキシカルボニルなど]、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、スルファモイル、メルカプト、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、またはアルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソブチルチオなどのC1-4アルキルチオなど)で置換されていてもよい。
【0012】
複素環基としては、例えば、窒素原子(オキシド化されていてもよい),酸素原子,硫黄原子(モノまたはジオキシド化されていてもよい)などのヘテロ原子を1ないし4個含む3〜8員複素環基(好ましくは5〜6員複素環基)、または窒素原子(オキシド化されていてもよい),酸素原子,硫黄原子(モノまたはジオキシド化されていてもよい)などのヘテロ原子を1ないし4個含む3〜8員複素環基(好ましくは5〜6員複素環基)とベンゼン環または窒素原子(オキシド化されていてもよい),酸素原子,硫黄原子(モノまたはジオキシド化されていてもよい)などのヘテロ原子を1ないし4個含む3〜8員複素環基(好ましくは5〜6員複素環基)とが縮合して形成する基、好ましくは該5〜6員複素環基と窒素原子(オキシド化されていてもよい),酸素原子,硫黄原子(モノまたはジオキシド化されていてもよい)などのヘテロ原子を1ないし4個含んでいてもよい5〜6員環とが縮合して形成する基が挙げられる。
具体的には、アジリジニル(例、1−または2−アジリジニル),アジリニル(例、1−または2−アジリニル)、アゼチル(例、2−,3−または4−アゼチル)、アゼチジニル(例、1−,2−または3−アゼチジニル),パーヒドロアゼピニル(例、1−,2−,3−または4−パーヒドロアゼピニル),パーヒドロアゾシニル(例、1−,2−,3−,4−または5−パーヒドロアゾシニル),ピロリル(例、1−,2−または3−ピロリル),ピラゾリル(例、1−,3−,4−または5−ピラゾリル),イミダゾリル(例、1−,2−,4−または5−イミダゾリル),トリアゾリル(例、1,2,3−トリアゾール−1−,4−または−5−イル,1,2,4−トリアゾール−1−,3−,4−または5−イル),テトラゾリル(例、テトラゾール−1−,2−または5−イル),フリル(例、2−または3−フリル),チエニル(例、2−または3−チエニル),硫黄原子が酸化されたチエニル(例、2−または3−チエニル−1,1−ジオキシド),オキサゾリル(例、2−,4−または5−オキサゾリル),イソキサゾリル(例、3−,4−または5−イソキサゾリル),オキサジアゾリル(例、1,2,3−オキサジアゾール−4−または5−イル,1,2,4−オキサジアゾール−3−または5−イル,1,2,5−オキサジアゾール−3−イル,1,3,4−オキサジアゾール−2−イル),チアゾリル(例、2−,4−または5−チアゾリル),イソチアゾリル(例、3−,4−または5−イソチアゾリル),チアジアゾリル(例、1,2,3−チアジアゾール−4−または5−イル,1,2,4−チアジアゾール−3−または5−イル,1,2,5−チアジアゾール−3−イル,1,3,4−チアジアゾール−2−イル),ピロリジニル(例、1−,2−または3−ピロリジニル),ピリジル(例、2−,3−または4−ピリジル),窒素原子が酸化されたピリジル(例、2−,3−または4−ピリジル−N−オキシド),ピリダジニル(例、3−または4−ピリダジニル),窒素原子の一方または両方が酸化されたピリダジニル(例、3−,4−,5−または6−ピリダジニル−N−オキシド),ピリミジニル(例、2−,4−または5−ピリミジニル),窒素原子の一方または両方が酸化されたピリミジニル(例、2−,4−,5−または6−ピリミジニル−N−オキシド),ピラジニル,ピペリジニル(例、1−,2−,3−または4−ピペリジニル),ピペラジニル(例、1−または2−ピペラジニル),インドリル(例、3H−インドール−2−,3−,4−,5−,6−または7−イル),ピラニル(例、2−,3−または4−ピラニル),チオピラニル(例、2−,3−または4−チオピラニル),硫黄原子が酸化されたチオピラニル(例、2−,3−または4−チオピラニル−1,1−ジオキシド),モルホリニル(例、2−,3−または4−モルホリニル),チオモルホリニル,キノリル(例、2−,3−,4−,5−,6−,7−または8−キノリル),イソキノリル,ピリド〔2,3−d〕ピリミジニル(例、ピリド〔2,3−d〕ピリミジン−2−イル),1,5−,1,6−,1,7−,1,8−,2,6−または2,7−ナフチリジニルなどのナフチリジニル(例、1,5−ナフチリジン−2−または3−イル),チエノ〔2,3−d〕ピリジル(例、チエノ〔2,3−d〕ピリジン−3−イル),ピラジノキノリル(例、ピラジノ〔2,3−d〕キノリン−2−イル),クロメニル(例、2H−クロメン−2−または3−イル)などが用いられる。
【0013】
アシル基としては、有機カルボン酸から誘導される炭素数1ないし20のアシル基が挙げられる。例えば、アルカノイル基,好ましくは炭素数1から7のアルカノイル基(例、ホルミル,アセチル,プロピオニル,ブチリル,イソブチリル,ペンタノイル,ヘキサノイル,ヘプタノイル等),アリールカルボニル基,好ましくは炭素数6から14のアリール−カルボニル基,(例、ベンゾイル,ナフタレンカルボニル等),アルコキシカルボニル基,好ましくは炭素数1から6のアルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル,エトキシカルボニル,プロポキシカルボニル,イソプロポキシカルボニル,ブトキシカルボニル,イソブトキシカルボニル,sec−ブトキシカルボニル,tert−ブトキシカルボニル等),アリールオキシカルボニル基,好ましくは炭素数6から14のアリールオキシ−カルボニル基(例、フェノキシカルボニル基),アラルキルカルボニル基,好ましくは炭素数7から19のアラルキル−カルボニル基(例、ベンジルカルボニル,フェネチルカルボニル,フェニルプロピルカルボニルなどのフェニル−C1-4アルキルカルボニル,ベンズヒドリルカルボニル,ナフチルエチルカルボニルなどのナフチル−C1-4アルキルカルボニル等),アラルキルオキシカルボニル基、好ましくは炭素数7から19のアラルキルオキシ−カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニルなどのフェニル−C1-4アルキルオキシカルボニル等)、5もしくは6員複素環カルボニル基またはその縮合した複素環カルボニル基(例、2−または3−ピロリルカルボニルなどのピロリルカルボニル;3−,4−または5−ピラゾリルカルボニルなどのピラゾリルカルボニル;2−,4−または5−イミダゾリルカルボニルなどのイミダゾリルカルボニル;1,2,3−トリアゾール−4−イルカルボニル,1,2,4−トリアゾール−3−イルカルボニルなどのトリアゾリルカルボニル;1H−または2H−テトラゾール−5−イルカルボニルなどのテトラゾリルカルボニル;2−または3−フリルカルボニルなどのフリルカルボニル;2−または3−チエニルカルボニルなどのチエニルカルボニル;2−,4−または5−オキサゾリルカルボニルなどのオキサゾリルカルボニル;3−,4−または5−イソキサゾリルカルボニルなどのイソキサゾリルカルボニル;1,2,3−オキサジアゾール−4−または5−イルカルボニル,1,2,4−オキサジアゾール−3−または5−イルカルボニル,1,2,5−オキサジアゾール−3−または4−イルカルボニル,1,3,4−オキサジアゾール−2−イルカルボニルなどのオキサジアゾリルカルボニル;2−,4−または5−チアゾリルカルボニルなどのチアゾリルカルボニル;3−,4−または5−イソチアゾリルカルボニルなどのイソチアゾリルカルボニル;1,2,3−チアジアゾール−4−または5−イルカルボニル,1,2,4−チアジアゾール−3−または5−イルカルボニル,1,2,5−チアジアゾール−3−または4−イルカルボニル,1,3,4−チアジアゾール−2−イルカルボニルなどのチアジアゾリルカルボニル;2−または3−ピロリジニルカルボニルなどのピロリジニルカルボニル;2−,3−または4−ピリジルカルボニルなどのピリジルカルボニル;2−,3−または4−ピリジル−N−オキシドカルボニルなどの窒素原子が酸化されたピリジルカルボニル;3−または4−ピリダジニルカルボニルなどのピリダジニルカルボニル;3−,4−,5−または6−ピリダジニル−N−オキシドカルボニルなどの1個または両方の窒素原子が酸化されたピリダジニル;2−,4−または5−ピリミジニルカルボニルなどのピリミジニルカルボニル;2−,4−,5−または6−ピリミジニル−N−オキシドカルボニルなどの1個または両方の窒素原子が酸化されたピリミジニルカルボニル;ピラジニルカルボニル;2−,3−または4−ピペリジニルカルボニルなどのピペリジニルカルボニル;ピペラジニルカルボニル;3H−インドール−2−または3−イルカルボニルなどのインドリルカルボニル;2−,3−または4−ピラニルカルボニルなどのピラニルカルボニル;2−,3−または4−チオピラニルカルボニルなどのチオピラニルカルボニル;3−,4−,5−,6−,7−または8−キノリルカルボニルなどのキノリルカルボニル;イソキノリルカルボニル;ピリド〔2,3−d〕ピリミジニルカルボニル(例、ピリド〔2,3−d〕ピリミジン−2−イルカルボニル);1,5−,1,6−,1,7−,1,8−,2,6−または2,7−ナフチリジニルカルボニルなどのナフチリジニルカルボニル(例、1,5−ナフチリジン−2−または3−イルカルボニル);チエノ〔2,3−d〕ピリジルカルボニル(例、チエノ〔2,3−d〕ピリジン−3−イルカルボニル);ピラジノキノリルカルボニル(例、ピラジノ〔2,3−b〕キノリン−2−イルカルボニル);クロメニルカルボニル(例、2H−クロメン−2−または3−イルカルボニル等)等の窒素原子(オキシド化されていてもよい),酸素原子,硫黄原子(モノまたはジオキシド化されていてもよい)などのヘテロ原子を1ないし4個含む5もしくは6員複素環−カルボニル基),5もしくは6員複素環−アセチル基(例、2−ピロリルアセチル,3−イミダゾリルアセチル,5−イソオキサゾリルアセチル等の窒素原子(オキシド化されていてもよい),酸素原子,硫黄原子(モノまたはジオキシド化されていてもよい)などのヘテロ原子を1ないし4個含む5もしくは6員複素環−アセチル基)等が用いられる。
【0014】
上記アシル基が、アルカノイル基またはアルコキシ−カルボニル基の場合、該アシル基は1〜3個のアルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ等のC1-4アルキルチオなど)、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、tert−ブトキシ、n−ヘキシルオキシ等のC1-6アルコキシなど)、ニトロ基、アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル等のC1-6アルコキシ−カルボニルなど)、アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、n−ブチルアミノ、tert−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、n−ヘキシルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジ−(n−プロピル)アミノ、ジ−(n−ブチル)アミノ等のモノ−もしくはジ−C1-6アルキルアミノなど)、アルコキシイミノ基(例、メトキシイミノ、エトキシイミノ、n−プロポキシイミノ、tert−ブトキシイミノ、n−ヘキシルオキシ−イミノ等のC1-6アルコキシイミノなど)またはヒドロキシイミノで置換されていてもよい。
また、上記アシル基がアリール−カルボニル基、アリールオキシ−カルボニル基、アラルキル−カルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、5もしくは6員複素環−カルボニル基または5もしくは6員複素環−アセチル基の場合、1〜5個(好ましくは1〜3個)のアルキル基(例、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、sec−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシルなどのC1-6アルキル、シクロヘキシルなどのC3-6シクロアルキルなど)、アルケニル基(例、アリル、イソプロペニル、イソブテニル、1−メチルアリル、2−ペンテニル、2−ヘキセニルなどのC2-6アルケニルなど)、アルキニル基(例、プロパルギル、2−ブチニル、3−ブチニル、3−ペンチニル、3−ヘキシニルなどのC2-6アルキニルなど)、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、tert−ブトキシ、n−ヘキシルオキシなどのC1-6アルコキシなど)、アシル基[例、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイルなどのC1-7アルカノイル;ベンゾイル、ナフタレンカルボニルなどのC6-14
アリール−カルボニル;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルなどのC1-6アルコキシ−カルボニル;フェノキシカルボニルなどのC6-14アリールオキシ−カルボニル;フェニル−C1-4アルキルカルボニル(例、ベンジルカルボニル、フェネチルカルボニル、フェニルプロピルカルボニルなど)などのC7-19アラルキル−カルボニル;フェニル−C1-4アルキルオキシカルボニル(例、ベンジルオキシカルボニルなど)などのC7-19アラルキルオキシカルボニルなど]、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、スルファモイル、メルカプト、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、またはアルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソブチルチオなどのC1-4アルキルチオなど)で置換されていてもよい。
【0015】
式−T−R3で表される基は、具体的には、例えばアルキルオキシ基,アルケニルオキシ基,アリールオキシ基,アラルキルオキシ基,複素環−オキシ基,アシルオキシ基,アルキルチオ基,アルケニルチオ基,アリールチオ基,アラルキルチオ基,複素環チオ基,アシルチオ基,アルキルジチオ基,アリールジチオ基,アラルキルジチオ基,アルキルスルフィニル基,アルケニルスルフィニル基,アリールスルフィニル基,アラルキルスルフィニル基,複素環−スルフィニル基,アルキルスルホニル基,アルケニルスルホニル基,アリールスルホニル基,アラルキルスルホニル基,複素環−スルホニル基等を示す。
該アルキルオキシ基としては、好ましくは炭素数1から6の直鎖,分枝状もしくは環状のアルキルオキシ基が挙げられ、例えばメトキシ,エトキシ,n−プロポキシ,イソプロポキシ,n−ブトキシ,イソブトキシ,sec−ブトキシ,tert−ブトキシ,n−ペンチルオキシ,sec−ペンチルオキシ,イソペンチルオキシ,ネオペンチルオキシ,シクロペンチルオキシ,n−ヘキシルオキシ,イソヘキシルオキシ,シクロヘキシルオキシ等のC1-6アルコキシ基またはC3-6シクロアルキルオキシ基が用いられる。
該アルケニルオキシ基としては、好ましくは炭素数2から6の直鎖,分枝状もしくは環状のアルケニルオキシ基が挙げられ、例えばアリルオキシ,イソプロペニルオキシ,1−ブテニルオキシ,2−ペンテニルオキシ,2−ヘキセニルオキシ等のC2-6アルケニルオキシ基またはC3-6シクロアルケニルオキシ基が用いられる。
該アリールオキシ基としては、好ましくは炭素数6から14のアリールオキシ基が挙げられ、例えばフェノキシ,ナフチルオキシ等が用いられる。
該アラルキルオキシ基は、好ましくは炭素数7から19のアラルキルオキシ基が挙げられ、例えばベンジルオキシ,フェネチルオキシ,フェニルプロピルオキシ等のフェニル−C1-4アルキルオキシが用いられる。
【0016】
該複素環−オキシ基としては、式 T’−O−(T’は上記したR3における複素環基と同意義を示す)で表される基が挙げられ、具体的には2−または3−ピロリルオキシなどのピロリルオキシ;3−,4−または5−ピラゾリルオキシなどのピラゾリルオキシ;2−,4−または5−イミダゾリルオキシなどのイミダゾリルオキシ;1,2,3−トリアゾール−4−イルオキシ,1,2,4−トリアゾール−3−イルオキシなどのトリアゾリルオキシ;1H−または2H−テトラゾール−5−イルオキシなどのテトラゾリルオキシ;2−または3−フリルオキシなどのフリルオキシ;2−または3−チエニルオキシなどのチエニルオキシ;2−または3−チエニルオキシ−1,1−ジオキシドなどの硫黄原子が酸化されたチエニルオキシ;2−,4−または5−オキサゾリルオキシなどのオキサゾリルオキシ等が用いられる。
該アシルオキシ基としては、式 T''−O−(T''は上記したR3におけるアシル基と同意義を示す)で表される基が挙げられ、具体的にはアセトキシ,プロピオニルオキシ,ブチリルオキシ,ペンタノイルオキシ,ヘキサノイルオキシなどのC1-6アルキル−カルボニルオキシ;フェニル−C1-4アルキルカルボニルオキシ(例、ベンジルカルボニルオキシ,フェネチルカルボニルオキシなど)のC7-19アラルキルカルボニルオキシ;ベンゾイルオキシ,ナフトイルオキシなどのC6-14アリールカルボニルオキシ;チエニルカルボニルオキシ,ベンゾチエニルカルボニルオキシなどの複素環−カルボニルオキシ等が用いられる。
該アルキルチオ基としては、好ましくは炭素数1から6の直鎖,分枝状もしくは環状のアルキルチオ基が挙げられ、例えばメチルチオ,エチルチオ,n−プロピルチオ,イソプロピルチオ,n−ブチルチオ,イソブチルチオ,sec−ブチルチオ,tert−ブチルチオ,n−ペンチルチオ,sec−ペンチルチオ,イソペンチルチオ,ネオペンチルチオ,シクロペンチルチオ,n−ヘキシルチオ,イソヘキシルチオ,シクロヘキシルチオなどのC1-6アルキルチオ基またはC3-6シクロアルキルチオ基等が用いられる。
該アルケニルチオ基としては、好ましくは炭素数2から6の直鎖,分枝状もしくは環状のアルケニルチオ基が挙げられ、例えばアリルチオ,イソプロペニルチオ,1−ブテニルチオ,2−ペンテニルチオ,2−ヘキセニルチオ、シクロヘキセニルチオなどのC2-6アルケニルチオ基またはC3-6シクロアルケニルチオ基等が用いられる。
【0017】
該アリールチオ基としては、好ましくは炭素数6から14のアリールチオ基が挙げられ、例えばフェニルチオ,ナフチルチオ等が用いられる。
該アラルキルチオ基としては、好ましくは炭素数7から19のアラルキルチオ基が挙げられ、例えばベンジルチオ,フェネチルチオ,フェニルプロピルチオなどのフェニル−C1-4アルキルチオ等が用いられる。
該複素環チオ基としては、式 T’−S−(T’は上記したR3における複素環基と同意義を示す)で表される基が挙げられ、具体的には、2−または3−ピロリルチオなどのピロリルチオ;3−,4−または5−ピラゾリルチオなどのピラゾリルチオ;2−,4−または5−イミダゾリルチオなどのイミダゾリルチオ;1,2,3−トリアゾール−4−イルチオ,1,2,4−トリアゾール−5−イルチオなどのトリアゾリルチオ;1H−または2H−テトラゾール−5−イルチオなどのテトラゾリルチオ;2−または3−フリルチオなどのフリルチオ;2−または3−チエニルチオなどのチエニルチオ;2−または3−チエニルチオ−1,1−ジオキシドなどのチエニル基の硫黄原子が酸化されたチエニルチオ;2−,4−または5−オキサゾリルチオなどのオキサゾリルチオ等が用いられる。該アシルチオ基としては、式 T''−S−(T''は上記したアシル基を示す)で表される基が挙げられ、具体的にはアセチルチオ,プロピオニルチオ,ブチリルチオ,ペンタノイルチオ,ヘキサノイルチオなどのC1-6アルキルカルボニルチオ;ベンジルカルボニルチオ,フェネチルカルボニルチオなどのフェニル−C1-4アルキルチオ;ベンゾイルチオ,ナフトイルチオなどのC6-14アリールカルボニルチオ;チエニルカルボニルチオ,ベンゾチエニルカルボニルチオなどの複素環−カルボニルチオ等が用いられる。
アルキルジチオ基としては、好ましくは炭素数1から6の直鎖,分枝状もしくは環状のアルキルジチオ基が挙げられ、例えばメチルジチオ,エチルジチオ,n−プロピルジチオ,シクロペンチルジチオなどのC1-6アルキルジチオまたはC3-6シクロアルキルジチオ等が用いられる。
アリールジチオ基としては、好ましくは炭素数6から14のアリールジチオ基が挙げられ、例えばフェニルジチオ,ナフチルジチオなどのC6-14アリールジチオが用いられる。
【0018】
該アラルキルジチオ基としては、好ましくは炭素数7から19のアラルキルジチオ基が挙げられ、例えばフェニル−C1-4アルキルジチオ(例、ベンジルジチオ,フェネチルジチオなど)等が用いられる。
該アルキルスルフィニル基としては、好ましくは炭素数1から6の直鎖,分枝状もしくは環状のアルキルスルフィニル基が挙げられ、例えばメチルスルフィニル,エチルスルフィニル,n−プロピルスルフィニル,イソプロピルスルフィニル,n−ヘキシルスルフィニル,シクロヘキシルスルフィニルなどのC1-6アルキルスルフィニルまたはC3-6シクロアルキルスルフィニル等が用いられる。
該アルケニルスルフィニル基としては、好ましくは炭素数2から6の直鎖,分枝状もしくは環状のアルケニルスルフィニル基が挙げられ、例えばアリルスルフィニル等が用いられる。
該アリールスルフィニル基としては、好ましくは炭素数6から14のアリールスルフィニル基が挙げられ、例えばフェニルスルフィニル等が用いられる。
該アラルキルスルフィニル基としては、好ましくは炭素数7から19のアラルキルスルフィニル基が挙げられ、例えばフェニル−C1-4アルキルスルフィニル(例、ベンジルスルフィニル)等が用いられる。
該複素環−スルフィニル基としては、式 T'−SO−(T'は上記したR3における複素環基と同意義を示す)で表される基が挙げられ、具体的には、2−または3−ピロリルスルフィニルなどのピロリルスルフィニルや3−,4−または5−ピラゾリルスルフィニルなどのピラゾリルスルフィニル等が用いられる。
該アルキルスルホニル基としては、好ましくは炭素数1から6の直鎖,分枝状もしくは環状のアルキルスルホニル基が挙げられ、例えばメチルスルホニル,エチルスルホニル,n−プロピルスルホニル,イソプロピルスルホニル,シクロヘキシルスルホニル等のC1-6アルキルスルホニルまたはC3-6シクロアルキルスルホニルが用いられる。
該アルケニルスルホニル基としては、好ましくは炭素数2から6の直鎖,分枝状もしくは環状のアルケニルスルホニル基が挙げられ、例えばアリルスルホニル等が用いられる。
該アリールスルホニル基としては、好ましくは炭素数6から14のアリールスルホニル基が挙げられ、例えばフェニルスルホニル,ナフチルスルホニル等が用いられる。
該アラルキルスルホニル基としては、好ましくは炭素数7から19のアラルキルスルホニル基が挙げられ、例えばフェニル−C1-4アルキルスルホニル(例、ベンジルスルホニル,フェネチルスルホニル,フェニルプロピルスルホニル基など)等が用いられる。
該複素環−スルホニル基としては、式 T'−SO2−(T'は上記したR3における複素環基と同意義を示す)で表される基が挙げられ、具体的には2−または3−ピロリルスルホニルなどのピロリルスルホニルや、3−,4−または5−ピラゾリルスルホニルなどのピラゾリルスルホニル等が用いられる。
【0019】

【化8】
Figure 0004078438
で表される基としては、具体的には、▲1▼アルキルアミノ基、好ましくはモノ又はジ(炭素数1から6のアルキル)アミノ基(例えば、メチルアミノ,エチルアミノ,n−プロピルアミノ,n−ブチルアミノ,tert−ブチルアミノ,n−ペンチルアミノ,n−ヘキシルアミノ,ジメチルアミノ,ジエチルアミノ,メチルエチルアミノ,ジ−(n−プロピル)アミノ,ジ−(n−ブチル)アミノ等)、▲2▼シクロアルキルアミノ基、好ましくはモノ又はジ(炭素数3から6のシクロアルキル)アミノ基(例えば、シクロプロピルアミノ,シクロペンチルアミノ,シクロヘキシルアミノ,ジシクロヘキシルアミノ等)、▲3▼アリールアミノ基、好ましくは炭素数6から14のアリールアミノ基(例えば、アニリノ,N−メチルアニリノ等のN−C1-6アルキル−N−C6-14アリールアミノ等)、▲4▼アラルキルアミノ基、好ましくは炭素数7から19のアラルキルアミノ基(例えば、ベンジルアミノ,1−フェニルエチルアミノなどのフェニル−C1-4アルキルアミノ,ベンズヒドリルアミノ,トリチルアミノ等)、および▲5▼アシルアミノ基、すなわち、式 T''T'''N−(T''は上記したアシル基を、T'''は水素原子、上記したR3における炭化水素基またはアシル基と同意義を示し、T''およびT'''は窒素原子と共に環を形成してもよい)で表される基で、具体的にはアセトアミド,プロピオンアミド,ブチリルアミノ,ペンタノイルアミノ,ヘキサノイルアミノ,スクシンイミド,ベンジルカルボニルアミノ,フェネチルカルボニルアミノ,ベンゾイルアミノ,ナフトイルアミノ,フタルイミド,チエニルカルボニルアミノ,ベンゾチエニルカルボニルアミノ等のC1-6アルキルカルボニルアミノ基、C6-14アリールカルボニルアミノ基または複素環−カルボニルアミノ基(ただし、ここでアルキル,アリール,複素環基は上記Qの複素環基の置換基で例示したものと同じものが好ましい)等が用いられる。ここでR4およびR5は、隣接する窒素原子とともに環を形成してもよく、好ましくは3ないし7員環(例えば、ピロリジノ,ピペリジノ,モルホリノ,チオモルホリノ,1−ピペラジニル,アジリジノ,アゼチジノ等)を形成してもよい。
【0020】

【化9】
Figure 0004078438
で表される基としては、具体的には、▲1▼モノまたはジアルキルスルファモイル基、好ましくはモノまたはジ(炭素数1から6のアルキル)スルファモイル基(例えばメチルスルファモイル,エチルスルファモイル,n−プロピルスルファモイル,n−ヘキシルスルファモイル,ジメチルスルファモイル,ジエチルスルファモイル,メチルエチルスルファモイル,ジ−(n−ブチル)スルファモイル等)、▲2▼シクロアルキルスルファモイル基、好ましくは炭素数3から6のシクロアルキルスルファモイル基(例えば、シクロプロピルスルファモイル,シクロヘキシルスルファモイル等)、▲3▼アリールスルファモイル基、好ましくは炭素数6から14のアリールスルファモイル基(例えば、フェニルスルファモイル等)、▲4▼アラルキルスルファモイル基、好ましくは炭素数7から19のアラルキルスルファモイル基(例えば、ベンジルスルファモイルなどのフェニル−C1-4アルキルスルファモイル,ベンズヒドリルスルファモイル,トリチルスルファモイル等)、▲5▼アシルスルファモイル基、すなわち、式 T''T'''NSO2−(各記号は前記と同意義を示す)で表される基(例えば、アセチルスルファモイルなどのC1-6アルキルカルボニルスルファモイル基,ベンジルカルボニルスルファモイルなどのフェニル−C1-4アルキルカルボニルスルファモイル基,チエニルカルボニルスルファモイルなどの複素環−カルボニルスルファモイル基等)が用いられる。ここでR4およびR5は、隣接する窒素原子とともに環(例えば、ピロリジノ,モルホリノ,チオモルホリノ,1−ピペリジニル,アジリジノ,アゼチジノ等)を形成してもよい。
【0021】
式 R5−SO2−O−で表される基は、具体的には、▲1▼アルキルスルホニルオキシ基、好ましくは炭素数1から6のアルキルスルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ,エタンスルホニルオキシ等)、▲2▼アリールスルホニルオキシ基、好ましくは炭素数6から14のアリールスルホニルオキシ基(例えば、ベンゼンスルホニルオキシ基等)、▲3▼アラルキルスルホニルオキシ基、好ましくは炭素数7から19のアラルキルスルホニルオキシ基(例えば、ベンジルスルホニルオキシ,フェネチルスルホニルオキシなどのフェニル−C1-4アルキルスルホニルオキシ基等),▲4▼アシルスルホニルオキシ基(例えば、アセチルスルホニルオキシ,ブチリルスルホニルオキシなどのC1-6アルキルカルボニルスルホニルオキシ基等)が用いられる。
Qの複素環基の置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基が好ましい。このような置換基の数は1〜3個、好ましくは1〜2個である。
Qで示される炭化水素基およびその置換基としては、上記した有機残基において例示した炭化水素基およびその置換基と同様のものが挙げられる。
このような炭化水素基の中では特にアラルキル基が好ましい。該アラルキル基の置換基としては特にアルカノイル基が好ましい。該置換基の数は1〜3個、好ましくは1〜2個である。
【0022】
1、R2で示されるアルキル基は好ましくは炭素数1から6の直鎖、分枝状もしくは環状のアルキル基を意味し、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、sec-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n-ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシル等が用いられ、アルコキシ基は好ましくは炭素数1から6の直鎖もしくは分枝状のアルコキシ基を意味し、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、n-ペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシ等が用いられ、ハロゲン原子はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が用いられる。
1、R2はさらに好ましくはそれぞれ低級アルキル基(例、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基)または低級アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシなどの炭素数1〜4のアルコキシ基)またはハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)である。一層好ましくはR1、R2がそれぞれメチル基、メトキシ基または塩素である。最も好ましくはメトキシなどの炭素数1〜4のアルコキシ基である。
Wは好ましくはOである。
Zは好ましくはCHである。
化合物(I)としては特に
N−(2−クロロイミダゾ〔1,2−a〕ピリジン−3−イルスルホニル)−N’−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)尿素(イマゾスルフロン)、
N−(2−エチルスルホニルイミダゾ〔1,2−a〕ピリジン−3−イルスルホニル)−N'−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)尿素(スルホスルフロン)、
メチル=α−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)−O−トルアート(ベンスルフロンメチル)、
エチル=5−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)−1−メチルピラゾール−4−カルボキシラート(ピラゾスルフロンエチル)
が好ましい。
式(I)で表わされる化合物またはその塩は1種だけ用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0023】
化合物(I)は分子中の酸性基
【化10】
Figure 0004078438
及び置換基中のスルホ基、カルボキシル基等の酸性基と無機塩基塩、有機塩基塩を形成することができ、又、分子中の塩基性の窒素原子及び置換基中のアミノ基等の塩基性基と無機酸付加塩、有機酸付加塩を形成することができる。
化合物(I)の無機塩基塩としては例えばアルカリ金属(例えばナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えばカルシウム等)、アンモニアなどとの塩が、又化合物(I)の有機塩基塩としてはたとえばジメチルアミン、トリエチルアミン、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、2−フェニルエチルベンジルアミン、ベンジルアミン、エタノールアミン等との塩などが用いられる。
化合物(I)の無機酸付加塩としては例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などとの塩が、化合物(I)の有機酸付加塩としては例えばp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸などとの塩が用いられる。
化合物(I)またはその塩は特開平1−38091号公報、特開昭57−112379号公報または特開昭59−219281号公報に記載の方法またはそれに準じた方法により製造することができる。
【0024】
本発明の農薬製剤は、ポリカルボン酸系界面活性剤または芳香族スルホン酸誘導体のホルマリン縮合物またはその塩のいずれか一方を含んでいればよい。ポリカルボン酸系界面活性剤が特に好ましく用いられる。
ポリカルボン酸系界面活性剤としてはカルボン酸を構造単位とする分子量1000〜50000程度の重合体であり、(1)エチレン系不飽和モノカルボン酸重合物、(2)エチレン系不飽和モノカルボン酸とエチレン系不飽和ジカルボン酸もしくはその無水物との共重合物、(3)エチレン系不飽和モノカルボン酸またはエチレン系不飽和ジカルボン酸もしくはその無水物とC2-6アルケンとの共重合物、(4)エチレン系不飽和モノカルボン酸またはエチレン系不飽和ジカルボン酸もしくはその無水物と芳香族ビニル化合物との共重合物など、およびこれらのアルカリ金属(例、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例、カルシウム等)、アンモニアまたはアミンとの塩が挙げられる。
エチレン系不飽和モノカルボン酸としてはアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などが挙げられる。
エチレン系不飽和ジカルボン酸としてはマレイン酸、フマル酸、イタコン酸などが挙げられる。
2-6アルケンとしてはエチレン、プロペン、ブチレン、イソブチレン、ジイソブチレンなどが挙げられる。
芳香族ビニル化合物としてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレンなどが挙げられる。
具体的には例えば、ポリアクリル酸、アクリル酸とマレイン酸の共重合物、イソブチレンと無水マレイン酸の共重合物、アクリル酸とイタコン酸の共重合物、メタアクリル酸とイタコン酸の共重合物、マレイン酸とスチレンの共重合物、マレイン酸とジイソブチレンの共重合物等、およびこれらのアルカリ金属(例、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例、カルシウム等)、アンモニアまたはアミンとの塩が挙げられる。より具体的には、イソバン600SF35(イソブチレンと無水マレイン酸共重合体の塩;クラレ(株))、トキサノンGR31A(三洋化成(株))、ボイズ530(ポリアクリル酸塩)、ボイズ532A(ポリアクリル酸アンモニウム)およびボイズ520もしくは521(アクリル酸とマレイン酸の共重合体塩)(花王(株))、ニューカルゲンWG−5(マレイン酸とアルケンの共重合物(分子量7000〜8000;竹本油脂(株))などが用いられる。
特にエチレン系不飽和モノカルボン酸またはエチレン系不飽和ジカルボン酸もしくはその無水物とC2-6アルケンとの共重合物が好ましい。
【0025】
芳香族スルホン酸誘導体のホルマリン縮合物またはその塩としては、例えば、フェニル、アリール置換フェニル、フェノール、アリール置換フェノール、ナフタレン、アルキル置換ナフタレン、アラルキル置換ナフタレン、アンスラセン、アルキル置換アンスラセンなどのスルホン酸誘導体(例、スルホン酸塩)のホルマリン縮合物またはその塩が挙げられる。
アリール置換フェニルまたはアリール置換フェノールのアリールとしてはフェニル、ナフチルなどのC6-14アリールが挙げられる。置換の数は1〜3個である。
アルキル置換ナフタレンのアルキルとしては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチルなどのC1-6アルキルが挙げられる。置換の数は1〜7個である。
アラルキル置換ナフタレンのアラルキルとしてはベンジル、フェネチル、フェニルプロピルなどのフェニル−C1-4アルキル、ベンズヒドリル、トリチルなどが挙げられる。置換基の数は1〜3個である。
アルキル置換アンスラセンのアルキルとしては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチルなどのC1-6アルキルが挙げられる。置換基の数は1〜9個である。
このような芳香族スルホン酸誘導体のホルマリンとの縮合度は、1.2〜30好ましくは1.2〜10である。
上記したなかでも、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物が好ましい。
塩としては、ナトリウム、カルシウム、アンモニウムなどのアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム塩などが挙げられる。
芳香族スルホン酸誘導体のホルマリン縮合物またはその塩としては好ましくはニューカルゲン9131(フェニルフェノールスルホン酸のホルマリン縮合物;竹本油脂(株))、ラベリンFM−L(β−ナフタレンスルホン酸ソーダのホルマリン縮合物;第一工業(株))、ニューカルゲンWG−2(β−ナフタレンスルホン酸ソーダのホルマリン縮合物;竹本油脂(株))、デモールN(β−ナフタレンスルホン酸ソーダのホルマリン縮合物;花王(株))、デモールC(特殊芳香族スルホン酸ソーダのホルマリン縮合物;花王(株))などが用いられる。
リグニンスルホン酸塩としてはリグニンスルホン酸ナトリウム〔例、サンエキスP252(山陽国策パルプ(株))、ニューカルゲンWG−4(竹本油脂(株))等〕、リグニンスルホン酸カルシウム〔例、サンエキスP201(山陽国策パルプ(株))等〕、リグニンスルホン酸アンモニウムなどのリグニンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。特にリグニンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
【0026】
本発明の顆粒水和剤には化合物(I)またはその塩の他に、さらに1種または2種以上の他の農薬活性成分を含有せしめることができる。たとえば、除草剤、殺虫剤、殺菌剤、殺ダニ剤、植物生長調整剤、殺線虫剤、誘引剤、忌避剤などが用いられる。とりわけ、除草剤、殺虫剤、殺菌剤が好適に用いられる。このような農薬活性成分は1種以上を化合物(I)またはその塩に混合して用いることができる。
除草剤、殺虫剤、殺菌剤にはさらに殺ダニ剤(例、クロルベンジレートなど)、植物生長調整剤(例、パクロブトラゾールなど)、殺線虫剤(例、ベノミルなど)、共力剤(例、ピペロニルブトキサイドなど)、誘引剤(例、オイゲノールなど)、忌避剤(例、クレオソートなど)、色素(例、食用青色1号など)、肥料(例、尿素など)などを適宜混合してもよい。
【0027】
除草剤としては、たとえば、下記の(i)〜(xiv)などが用いられる。
(i)フェノキシ系除草剤、たとえば、2,4−D、MCPA、MCPCA、MCPB、クロメプロップ(chlomeprop)、ナプロアニリド(naproanilide)など
(ii)ジフェニルエーテル系除草剤、たとえば、クロルニトロフェン(chlornitrofen)、クロメトキシニル(chlomethoxynil)、ビフェノックス(bifenox)、シハロホップブチル(cyhalofop-butyl)など
(iii)カルバメート系除草剤、たとえば、スエップ(swep)、チオベンカルブ(thiobencarb)、エスプロカルブ(esprocarb)、モリネート(molinate)、ジメピペレート(dimepiperate)、ピリブチカルブ(pyributicarb)など
(iv)酸アミド系除草剤、たとえば、プロパニル(propanil)、ブタクロール(butachlor)、プレチラクロール(pretilachlor)、ブロモブチド(bromobutide)、メフェナセット(mefenacet)、エトベンザニド(etobenzanid)、テニルクロール(thenylchlor)など
(v)尿素系除草剤、たとえば、ダイムロン(dymron)など
(vi)スルホニル尿素系除草剤、たとえば、シノスルフロン(cinosulfuron)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、サイクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)など
(vii)トリアジン系除草剤、たとえば、シメトリン(simetryn)、プロメトリン(prometryn)、ジメタメトリン(dimethametryn)など
(viii)ダイアジン系除草剤、たとえば、ベンタゾン(bentazone)など
(ix)ダイアゾール系除草剤、たとえば、オキサジアゾン(oxadiazon)、ピラゾレート(pyrazolate)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ベンゾフェナップ(benzofenap)など
(x)ジニトロアニリン系除草剤、たとえば、トリフルラリン(trifluralin)など
(xi)脂肪酸系除草剤、たとえば、ダラポン(dalapon)など
(xii)有機リン系除草剤、たとえば、ピペロホス(piperophos)など
(xiii)ニトリル系除草剤、たとえば、クロルチアミド(chlorthiamid)など
(xiv)その他の除草剤、たとえば、ジチオピル(dithiopyr)、カフェンストロール(cafenstrole)など
【0028】
また、殺虫剤としては、たとえば(i)〜(iv)、殺菌剤としては、たとえば(v)〜(xiii)などが用いられる。
(i)有機リン系殺虫剤、たとえば、フェンチオン(fenthion)、フェニトロチオン(fenitrothion)、ピリミホス-メチル(pirimiphos-methyl)、ダイアジノン(diazinon)、キナルホス(quinalphos)、イソキサチオン(isoxathion)、ピリダフェンチオン(pyridaphenthion)、クロルピリホス-メチル(chlorpyrifos-methyl)、バミドチオン(vamidothion)、マラチオン(malathion)、フェントエート(phenthoate)、ジメトエート(dimethoate)、ジスルホトン(disulfoton)、モノクロトホス(monocrotophos)、テトラクロルビンホス(tetrachlorvinphos)、クロルフェンビンホス(chlorfenvinphos)、プロパホス(propaphos)、アセフェート(acephate)、サリチオン(salithion)、トリクロルホン(trichlorphon)、EPN、ピラクロホスなど
(ii)カルバメート系殺虫剤、たとえば、カルバリル(carbaryl)、メトルカルブ(metolcarb)、イソプロカルブ(isoprocarb)(MIPC)、BPMC、プロポキスル(propoxur)、キシリルカルブ(xylylcarb)、XMC、カルボスルファン(carbosulfan)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、メソミル(methomyl)、チオジカルブ(thiodicarb)など
(iii)合成ピレスロイド系殺虫剤、たとえば、シクロプロトリン(cycloprothrin)、エトフェンプロックス(ethofenprox)など
(iv)その他の殺虫剤、たとえば、カルタップ(cartap)、チオシクラム(thiocyclam)、ベンスルタップ(bensultap)、ブプロフェジン(buprofezin)、カルボフラン(carbofuran)、フラチオカルブ(furathiocarb)、シアノフェンホス(cyanofenphos)、ニテンピラム(nitenpyram)など
(v)ポリハロアルキルチオ系殺菌剤、たとえば、キャプタン(captan)など
(vi)有機塩素系殺菌剤、たとえば、TPN、フサライド(fthalide)、モンガード(monguard)など
(vii)有機リン系殺菌剤、たとえば、エジフェンホス(edifenphos)、IBP(iprobenfos)など
(viii)ベンゾイミダゾール系殺菌剤、たとえば、チオファネート-メチル(thiophanate-methyl)、ベノミル(benomyl)など
(ix)カルボキシアミド系殺菌剤、たとえば、メプロニル(mepronil)、フルトラニル(flutolanil)、テクロフタラム(tecloftalam)、ペンシクロン(pencycuron)など
(x)アシルアラニン系殺菌剤、たとえば、メタラキシル(metalaxyl)など
(xi)N-ヘテロ環系エルゴステロール阻害剤、たとえば、トリフルミゾール(triflumizole)など
(xii)抗生物質系殺菌剤、たとえば、カスガマイシン(kasugamycin)、バリダマイシンA(validamycin A)など
(xiii)その他の殺菌剤、たとえば、プロベナゾール(probenazole)、イソプロチオラン(isoprothiolane)、トリシクラゾール(tricyclazole)、ピロキロン(pyroquilon)、オキソリニック酸(oxolinic acid)、フェリムゾン(ferimzon)、イプロジオン(iprodione)など
【0029】
本発明の農薬製剤は担体を含有していてもよく、このような担体としては、常温で固体の不溶性担体、水溶性担体が挙げられる。
不溶性担体としては、例えば、植物性粉末(例えば、大豆粉、タバコ粉、小麦粉、木粉など)、鉱物性粉末(例えば、カオリン,ベントナイト,酸性白土などのクレー類、滑石粉,ロウ石粉などのタルク類、珪藻土,雲母粉などのシリカ類など)、アルミナ、硫黄粉末、活性炭などが用いられ、なかでも、珪藻土が好適である。具体的に例示するならば、乾燥品としては、例えば、ラジオライトSPF(商品名、昭和化学工業製)などが、焼成品としては、例えば、ラジオライト#100、ラジオライト#200、ラジオライト#500、ラジオライト#800、ラジオライトファインフローB(商品名、昭和化学工業製)などが、融剤焼成品としては、例えば、ラジオライトマイクロファイン、ラジオライトF、ラジオライトクリアフロー、ラジオライト#2000(商品名、昭和化学工業製)などが用いられる。なかでも、比表面積が1〜10m2/gの珪藻土(例えば、上記の焼成品、融剤焼成品など)が好ましい。
【0030】
水溶性担体としては、例えば、水溶性中性物質(例えば、乳糖、硫酸アンモニウム、尿素など)、水溶性弱塩基性物質(例えば、重曹、チオ硫酸ナトリウム、リン酸水素2ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの、20℃における水に対する溶解度が0.05g/ml以上で且つ25℃における水溶液のpHが約7〜9のものであり、結合水の有無は問わない)などが用いられ、なかでも、乳糖が好適である。
乳糖は、日本薬局方、工業用、食品添加物など、いずれのものでも用いることができる。また、その平均粒子径が約0.1〜50μmの範囲のものが好ましく、特に、約1〜20μmの範囲のものが好適である。粒子径がこの範囲より大きい場合には、顆粒水和剤に製剤する際に微粒子状のものが混じり、押し出し成型時に成型し難くなるため、製剤後に篩過する等の手段が必要となるこ
とがある。また、粒子径がこの範囲より小さい場合には、混合操作が困難になる場合がある。
本発明の農薬製剤においては、これらの担体を1種または2種以上用いることができる。
【0031】
本発明の農薬製剤には、上記した成分の他、通常の顆粒水和剤に用いられる添加剤を用いることができる。例えば、界面活性剤、結合剤、安定化剤、着色剤、防腐剤などを自由に使用することができ、これらは使用される農薬活性成分の種類に応じて選択すればよい。
界面活性剤としては、通常の非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤などがあり、これらの1種または2種類以上を用いてもよい。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、酸化エチレンと酸化プロピレンのブロック共重合物、高級脂肪酸アルカノールアマイドなどが用いられる。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩などが用いられる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、アルケニルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、高級アルキルアリールエーテル硫酸エステル塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、高級脂肪酸アルカリ金属塩などが用いられる。
【0032】
本発明の農薬製剤に用いられる界面活性剤としては、上記したものの中でも、非イオン性界面活性剤や陰イオン性界面活性剤などが好ましい。
結合剤としては、例えば、水溶性結合剤などが好ましく用いられる。そのような水溶性結合剤としては、例えば、デキストリン、ポリビニルアルコール、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、グルコース、ショ糖、マンニトール、ソルビトールなどが用いられる。
着色剤としては、例えば、シアニングリーンG、エリオグリーンB400などが用いられる。
防腐剤としては、例えば、ブチルパラベン、ソルビン酸カリウムなどが用いられる。
【0033】
本発明の農薬製剤における化合物(I)またはその塩の含有量は、製剤全体に対して、通常、約1〜95重量%、好ましくは約3〜85重量%、より好ましくは約5〜80重量%である。
本発明の農薬製剤において化合物(I)またはその塩以外の農薬活性成分を混用する場合、それらの含有量は、製剤全体に対して、通常、約70〜95重量%、好ましくは約75〜85重量%である。
ポリカルボン酸系界面活性剤または芳香族スルホン酸誘導体のホルマリン縮合物またはその塩の含有量は製剤全体に対して通常約1〜15重量%、好ましくは約1〜10重量%の範囲で用いられる。
リグニンスルホン酸塩の含有量は製剤全体に対して通常約1〜15重量%、好ましくは約1〜10重量%の範囲で用いられる。
担体、例えば、乳糖、硫酸アンモニウム、重曹または珪藻土の含有量は、通常、0〜約30重量%、好ましくは約5〜25重量%であるが、製剤中の有効成分、界面活性剤などの濃度に応じて変化させることができる。
界面活性剤は、製剤全体に対して、通常、約0.1〜15重量%、好ましくは0.1〜10重量%の範囲で用いられる。
結合剤は、製剤全体に対して、通常0〜20重量%、好ましくは0〜10重量%の範囲で用いられる。
着色剤は、製剤全体に対して、通常0〜0.5重量%、好ましくは0〜0.3重量%の範囲で用いられる。
防腐剤は、製剤全体に対して、通常0.1〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%の範囲で用いられる。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明の顆粒水和剤は、各成分を混和し造粒することにより製造することができる。農薬活性成分は水に希釈時における分散性、懸濁安定性のために微粉砕されていることが好ましい。各成分の粉砕方法としては、乾式粉砕や湿式粉砕が挙げられる。例えば乾式粉砕を行う場合、(1)農薬活性成分だけを予め衝撃式粉砕機やジェットマイザー等の粉砕機で粉砕した後、(a)ポリカルボン酸系界面活性剤または芳香族スルホン酸誘導体のホルマリン縮合物またはその塩、(b)リグニンスルホン酸塩および所望により(c)担体や添加剤を所定量混合するか、または(2)(a)農薬活性成分と(b)ポリカルボン酸系界面活性剤または芳香族スルホン酸誘導体のホルマリン縮合物またはその塩、(c)リグニンスルホン酸塩および所望により(d)担体や添加剤を所定量均一に混合した後、衝撃式粉砕機やジェットマイザー等の粉砕機で粉砕し、上記(1)または(2)により得られた混合物に適量の水を加えて湿式造粒すればよい。造粒は、押出し造粒機、転動造粒機、流動層造粒機等により行うことができるが、操作の簡便さ、生産性などの観点から押出し造粒機により造粒することが好ましい。また、例えば湿式粉砕を行う場合、適量の水(100重量部の製剤固形分に対して、通常約30〜800重量部)に(a)農薬活性成分と(b)ポリカルボン酸系界面活性剤または芳香族スルホン酸誘導体のホルマリン縮合物またはその塩、(c)リグニンスルホン酸塩および所望により(d)担体や他の添加剤を所定量加え、ボールミル、サンドグラインダー、ダイノミル等の粉砕機により粉砕し、次いで得られた水性懸濁液に、さらに必要に応じてその他の担体や添加剤を適量加えて混合し、スプレードライヤーなどにより噴霧乾燥造粒すればよい。このようにして得られた顆粒の平均粒径をさらに大きくしたい場合には、さらに適量の水を加えて、上記と同様の湿式造粒を行えばよい。
本発明の顆粒水和剤の平均粒径は約0.1〜5mm、特に約0.3〜2mm程度のものが好ましい。
このようにして得られる本発明の顆粒水和剤の嵩密度としては、通常、約0.1〜1.2g/mlの範囲であるのが好ましく、特に約0.5〜1.0g/mlの範囲が好ましい。
本発明の農薬製剤は、安全な成分を使用しているので、植物に対して薬害が実質的に無く、また人や動物に対して施用時または施用後に害はなく、安全な製剤として使用することができる。
また、本発明の農薬製剤は、水中での良好な崩壊性を有し、且つ優れた水分散性を有している。
【0035】
施用対象としては、例えば、稲、麦(例、小麦、大麦)、てんさい、とうもろこし、綿、野菜(例、キャベツ、ハクサイ、ダイコン、キュウリ、ナス、ジャガイモ)、果樹(例、みかん、もも、なし)、茶、タバコなどが栽培される水田、畑地や果樹園、芝地、非農耕地等が挙げられる。
【0036】
本発明の農薬製剤の使用量は、含まれる農薬活性成分の種類や含量、施用場所、対象害虫の種類などによって異なるが、通常、水田、畑地(例、茶,小麦、てんさい,とうもろこし,じゃがいも,綿などの畑)、果樹園、芝地など10アール当たり約10〜400g、好ましくは約20〜300gである。有効成分である化合物(I)またはその塩の使用量としては、上記水田、畑地、果樹園、芝地など10アール当たり約1〜150g、好ましくは、約3〜100gである。
使用方法は、一般に農薬散布に用いられる公知の方法を用いることができる。例えば、本発明の農薬顆粒剤をそのまま、もしくは散布する前に水に希釈して使用する。例えば、約100〜20000倍程度(約1g/100ml〜1g/20000ml)に希釈して用いるのが好ましい。
散布方法は、通常の顆粒水和剤と同様の方法を用いることができ、例えば、空中散布、土壌散布、茎葉散布、育苗箱散布、側条施用、種子処理などが挙げられる。
本発明の農薬製剤は湿気を避けるため、防湿性の容器などに保存するのが好ましい。このような容器としては、例えば、プラスチック瓶、ポリエチレン瓶、ポリエチレンラミネートアルミ箔包装、ポリエチレン製の袋などが簡便である。
【0037】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はそれに限定されるべきものではない。
【0038】
【実施例1】
予めジェットマイザー〔日本ニューマチック工業(株) P.J.M-100NP型〕により平均粒径5μm以下に粉砕したイマゾスルフロン80部と、リグニンスルホン酸塩〔サンエキスP252:山陽国策パルプ(株)〕6部、ポリカルボン酸塩〔ニューカルゲンWG−5:竹本油脂(株)〕4部、及び乳糖〔VALIO製〕10部を乳鉢で均一に混合し、水15部を加えて練合した。その後この練合物を整粒機〔菊水製作所(株)製 RG−5M型〕にて0.5mmφスクリーンを用いて押出造粒し、60℃、1時間乾燥して、粒長約1〜3mmの顆粒を得た。
【0039】
【実施例2】
予めジェットマイザー〔日本ニューマチック工業(株) P.J.M-100NP型〕により平均粒径5μm以下に粉砕したイマゾスルフロン80部と、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物〔ニューカルゲンWG−2:竹本油脂(株)〕5部、リグニンスルホン酸塩〔サンエキスP252:山陽国策パルプ(株)〕5部、及びラジオライト#200〔珪藻土:昭和化学工業(株)〕10部を乳鉢で均一に混合し、水15部を加えて練合した。その後この練合物を整粒機〔菊水製作所(株)製 RG−5M型〕にて0.5mmφスクリーンを用いて押出造粒し、60℃、1時間乾燥して、粒長約1〜3mmの顆粒を得た。
【0040】
【比較例1】
予めジェットマイザー〔日本ニューマチック工業(株) P.J.M-100NP型〕により平均粒径5μm以下に粉砕したイマゾスルフロン80部と、リグニンスルホン酸塩〔サンエキスP252:山陽国策パルプ(株)〕4部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム〔ハイテノールN−08:第一工業製薬(株)〕3部、及びベントナイト〔穂高印:(株)豊順洋行〕13部を乳鉢で均一に混合し、水15部を加えて練合した。その後この練合物を整粒機〔菊水製作所(株)製 RG−5M型〕にて0.5mmφスクリーンを用いて押出造粒し、60℃、1時間乾燥して、粒長約1〜3mmの顆粒を得た。
【0041】
【比較例2】
予めジェットマイザー〔日本ニューマチック工業(株) P.J.M-100NP型〕により平均粒径5μm以下に粉砕したイマゾスルフロン75部と、ポリカルボン酸塩〔ニューカルゲンWG−5:竹本油脂(株)〕7.5部、アルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム〔ニューカルゲンWG−7:竹本油脂(株)〕5部、及び硫酸アンモニウム〔宇部興産(株)〕5部、クレー〔勝光山鉱業〕7.5部を乳鉢で均一に混合し、水15部を加えて練合した。その後この練合物を整粒機〔菊水製作所(株)製 RG−5M型〕にて0.5mmφスクリーンを用いて押出造粒し、60℃、1時間乾燥して、粒長約1〜3mmの顆粒を得た。
【0042】
【比較例3】
予めジェットマイザー〔日本ニューマチック工業(株) P.J.M-100NP型〕により平均粒径5μm以下に粉砕したイマゾスルフロン75部と、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物〔ニューカルゲンWG−2:竹本油脂(株)〕7部、アルキルナフタレンスルホン酸塩〔ニューカルゲンWG−1:竹本油脂(株)〕3部、及びクレー〔勝光山鉱業〕15部を乳鉢で均一に混合し、水15部を加えて練合した。その後この練合物を整粒機[菊水製作所(株)製 RG−5M型]にて0.5mmφスクリーンを用いて押出造粒し、60℃、1時間乾燥して、粒長約1〜3mmの顆粒を得た。
【0043】
【比較例4】
予めジェットマイザー〔日本ニューマチック工業(株) P.J.M-100NP型〕により平均粒径5μm以下に粉砕したイマゾスルフロン80部と、アルキルナフタレンスルホン酸塩〔ニューカルゲンWG−1:竹本油脂(株)〕2部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム〔ニューカルゲンWG−7:竹本油脂(株)〕、トリポリ燐酸〔和光純薬工業(株)〕2部、蔗糖〔和光純薬工業(株)〕3部、ベントナイト〔穂高印:(株)豊順洋行〕12部を乳鉢で均一に混合し、水15部を加えて練合した。その後この練合物を整粒機〔菊水製作所(株)製 RG−5M型〕にて0.5mmφスクリーンを用いて押出造粒し、60℃、1時間乾燥して、粒長約1〜3mmの顆粒を得た。
【0044】
【試験例1】
水中崩壊性試験
250mlメスシリンダーに3度硬水250mlを入れ、これに試料0.1gを投入した時の崩壊分散性を観察し、下記の3段階に分類して評価した。
○:メスシリンダー底部に達するまでにほとんどが崩壊分散する。
△:糸を引きながら崩壊していくが、メスシリンダー底部に崩壊が不十分な粒が存在する。
×:殆ど崩壊せずにメスシリンダー底部に到達する。
【0045】
【試験例2】
水中分散性試験
250mlメスシリンダーに3度硬水250mlを入れ、これに試料0.1gを投入して15秒後にメスシリンダーをゆっくり転倒し、全ての粒が完全に崩壊し均一に分散するまでの転倒回数を水中分散性として表した。
結果を〔表1〕に示す。
【0036】
【表1】
Figure 0004078438
【0037】
【発明の効果】
本発明の顆粒水和剤は製剤中の農薬活性成分の含有量を高くできる上、水中での崩壊性が良好であり、高い分散安定性を示す。

Claims (4)

  1. (1)N−(2−クロロイミダゾ〔1,2−a〕ピリジン−3−イルスルホニル)−N’−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)尿素またはその塩、(2)ポリカルボン酸系界面活性剤および(3)リグニンスルホン酸塩を含有する顆粒水和剤。
  2. 平均粒径が0.1〜5mmである請求項1記載の顆粒水和剤
  3. さらに水溶性中性物質を含有する請求項1または2記載の顆粒水和剤
  4. 水溶性中性物質が乳糖である請求項3記載の顆粒水和剤
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