JP4077664B2 - 酸性染毛料組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛髪を染色するための酸性染毛料に使用される酸性染毛料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の酸性染毛料は、酸性染料、酸を含有し、酸性染料を毛髪表面近傍に主にイオン結合等による化学吸着によって染着させることにより毛髪を染色するものである。そして、このタイプの酸性染毛料は半永久染毛料とも称され、シャンプー処理などにより染毛後の毛髪から染料が徐々に流出し、早ければ数週間で退色するのが実状であった。
【0003】
特に、染毛直後では毛髪表面にファンデルワールス力等による物理吸着によって染着している染料が多い。この物理吸着は結合エネルギーが小さいために、洗髪時にその染料が流出して洗液の色が非常に濃くなる現象が見られる。また汗をかいたときにも汗とともに染料が流出する現象が見られることがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の酸性染毛料組成物においては、洗髪後にタオルドライする際、染料によって着色した洗液がタオルを汚してしまうという問題があった。また、汗で流出した染料が、衣服の襟周りや帽子を汚してしまうという問題が生じることがあった。
【0005】
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、毛髪の染色堅牢性を向上することができるとともに、洗髪時の洗液や汗の着色を少なくすることができ、その結果、タオル、衣服の襟周り又は帽子の汚れを抑制することができる酸性染毛料組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明の酸性染毛料組成物では、酸性染料、酸及び芳香族アルコールを含有する酸性染毛料組成物であって、前記酸性染料は赤色104号(1)、赤色3号、及び黄色202号(1)から選ばれる少なくとも一種の化合物のみから構成されるとともに、前記酸が乳酸及びグリコール酸から選ばれる少なくとも一種であるものである。
【0008】
請求項2に記載の発明の酸性染毛料組成物では、請求項1に記載の発明において、酸性染料の含有量は0.01〜0.3重量%であるものである。
【0009】
請求項3に記載の発明の酸性染毛料組成物では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、酸の含有量は0.01〜20重量%であるものである。
【0010】
請求項4に記載の発明の酸性染毛料組成物では、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、酸性染料と酸の配合比(酸性染料/酸)が重量基準で0.001〜10であるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の酸性染毛料組成物は、半永久染毛料と称され、ヘアマニキュアとして毛髪に塗布されて毛髪の染色に使用するものである。この酸性染毛料組成物には、酸性染料と、酸と、芳香族アルコールとが含有されている。
【0012】
酸性染料は、下記一般式(A)で表される化合物のみから構成される。
【0013】
【化3】
(式中のR1はナトリウム原子又はカリウム原子、R2、R3、R4及びR6は水素又はハロゲン元素、R5はベンゼン誘導体である。)
酸は、塩酸、硫酸、硝酸、レブリン酸、乳酸及びグリコール酸から選ばれる少なくとも一種である。
【0014】
酸性染料は毛髪を染色するために配合される。酸性染料は、上記一般式(A)で表される化合物を容易に選択できることから、赤色104号(1)、赤色105号(1)、赤色3号、赤色230号(1)、赤色230号(2)、赤色231号、赤色232号、黄色202号(1)、黄色202号(2)及び橙色207号から選ばれる少なくとも一種が好ましい。また、上記一般式(A)で表される化合物の中でも、毛髪の染色堅牢性をより向上することができるとともに、洗髪時の洗液や汗の着色を少なくする効果が優れることから、置換基R2、R3、R4及びR6のうち少なくとも一つはハロゲン元素であることが好ましい。置換基R2、R3、R4及びR6のうち少なくとも一つがハロゲン元素である化合物としては、赤色104号(1)、赤色105号(1)、赤色3号、赤色230号(1)、赤色230号(2)、赤色231号、赤色232号、及び橙色207号が挙げられる。
【0015】
酸性染料の含有量は、好ましくは0.01〜0.3重量%、より好ましくは0.05〜0.2重量%、最も好ましくは0.1〜0.2重量%である。酸性染料の含有量が0.01重量%未満であると、十分な染毛力が得られないおそれがある。一方、0.3重量%を超えて配合すると、酸性染料の分散性が低下して、沈殿が生じるおそれがある。
【0016】
酸は染毛力及び染色堅牢性を向上させるために配合される。酸の具体例としては、無機酸及び有機酸が挙げられる。無機酸としては塩酸、硫酸及び硝酸が挙げられる。有機酸としてはレブリン酸、乳酸及びグリコール酸が挙げられる。これらの酸の中でも、染色堅牢性を向上させる効果が高いことから酸性染毛料組成物には少なくとも有機酸を含有させることが好ましい。酸の含有量は、好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.1〜10重量%、最も好ましくは1.0〜5.0重量%である。酸の含有量が0.01重量%未満であると、染毛力及び染色堅牢性を十分に向上できないおそれがある。一方、20重量%を超えて配合しても、それ以上の染毛力及び染色堅牢性を向上する効果が得られにくい。
【0017】
ここで、酸性染料と酸の配合比(酸性染料/酸)は、重量基準で好ましくは0.001〜10、より好ましくは0.01〜5である。この配合比が0.001未満であると、酸性染料の染毛力が十分に得られないおそれがある。一方、10を超えて配合しても、酸性染料の分散性が低下するおそれがあり、染毛力及び均染性が低下するおそれがある。
【0018】
芳香族アルコールは酸性染料等の有効成分の毛髪への浸透を促進させるために配合される。芳香族アルコールの具体例としては、ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール、フェノキシエタノール等が挙げられる。芳香族アルコールの含有量は、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜10重量%、最も好ましくは1〜5重量%である。芳香族アルコールの含有量が0.1重量%未満であると、有効成分の毛髪への浸透を促進することができないおそれがある。一方、10重量%を超えて配合してもそれ以上の浸透促進効果は得られにくい。
【0019】
この酸性染毛料組成物のpHは、1.5〜5.0が好ましい。このpHが1.5未満であると、毛髪がゴワつくおそれがある。一方、5.0を超えると、酸性染料の分散性が低下するおそれがあり、染毛力及び均染性が低下するおそれがある。
【0020】
その他の成分としては、増粘剤、油性成分、界面活性剤、高級アルコール、高級脂肪酸、エステル類、シリコーン類、水等が挙げられる。
増粘剤は酸性染毛料組成物に適度な粘度を与えて、酸性染毛料組成物を毛髪に塗布する際に毛髪から垂れ落ちるのを防止するために配合される。増粘剤としては、ノニオン性高分子化合物、アニオン性高分子化合物等が用いられる。増粘剤の具体例としては、天然高分子、セルロース系高分子、デンプン系高分子、半合成高分子、合成高分子、無機物系高分子等が挙げられる。天然高分子としては、アラビアガム、カラギーナン、ガラクタン、グアーガム、クインスシードガム、ローカストビーンガム、トラガカントガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、ヒドロキシアルキルキサンタンガム、デキストラン、ヒアルロン酸、カードラン、サクシノグルカン、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、アルブミン等が挙げられる。セルロース系高分子としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。デンプン系高分子としては、カルボキシメチルデンプン、メチルデンプン、可溶性デンプン等が挙げられる。半合成高分子としては、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子等から得られる高分子等が挙げられる。合成高分子としては、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレンオキシド、エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体、ポリアクリルアミド、アクリルアミド・アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体等が挙げられる。無機物系高分子としては、ベントナイト、ラポナイト等が挙げられる。
【0021】
油性成分は、毛髪に軟らかさと潤いを与えるために配合される。油性成分の具体例としては、炭化水素、油脂、ロウ類等が挙げられる。炭化水素としては、パラフィン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、ワセリン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、プリスタン等が挙げられる。油脂としては、オリーブ油、ツバキ油、茶実油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、牛脂、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アルモンド油、アボガド油、カロット油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、ミンク油、卵黄油等が挙げられる。ロウ類としては、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン等が挙げられる。これらの油性成分は、一種もしくは二種以上を混合して用いることができる、酸性染毛料組成物に配合しやすいことから、好ましくは液状の油性成分である。液状の油性成分の中でも、化学的に安定であるとともに、髪の感触をより良くすることができることから、特に好ましくは流動パラフィン、流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン等の炭化水素である。
【0022】
界面活性剤は、酸性染毛料組成物の均一性及び安定性を保持するために配合される。界面活性剤の具体例としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤および両性界面活性剤等が挙げられる。
【0023】
アニオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル/アルキルアリルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸塩、N−アシルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルアミノ酸塩、POEアルキルエーテルリン酸およびその塩等が挙げられる。アルキル硫酸塩としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、セチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等が挙げられる。ポリオキシエチレンアルキル/アルキルアリルエーテル硫酸塩としては、ポリオキシエチレン(以下、POEという。)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリルエーテル硫酸アンモニウム、POEアルキルエーテル硫酸ナトリウム、POEアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、POEアルキルエーテル硫酸アンモニウム、POEノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等が挙げられる。スルホコハク酸塩としては、ルホコハク酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、POEスルホコハク酸二ナトリウム、POEスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、スルホコハク酸POEラウロイルエタノールアミドエステル二ナトリウム、ウンデシレノイルアミドエチルスルホコハク酸二ナトリウム等が挙げられる。N−アシルスルホン酸塩としては、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム等が挙げられる。アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン等、α−オレフィンスルホン酸塩としては、テトラデセンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。N−アシルアミノ酸塩としては、ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸二ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウム等が挙げられる。POEアルキルエーテルリン酸およびその塩としては、POEラウリルエーテルリン酸等が挙げられる。これらのアニオン性界面活性剤のうち、耐酸性に優れることから、α−オレフィンスルホン酸塩型が特に好ましい。
【0024】
ノニオン性界面活性剤としては、POEグリセリン脂肪酸エステル類、POE脂肪酸エステル類、POEアルキルエーテル類、POE・Sec−アルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・ポリオキシプロピレン(以下、POPという。)アルキルエーテル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、POEソルビタン脂肪酸エステル類、POEソルビット脂肪酸エステル類、グリセリンまたはポリグリセリン脂肪酸類、プロピレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体類、POEヒマシ油または硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル類、テトラPOE・テトラPOPエチレンジアミン縮合物類、POEミツロウ・ラノリン誘導体、アルカノールアミド類、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、POEアルキルアミン、POE脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、POEノニルフェニルホルムアルデヒド縮合物、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド等が挙げられる。これらのノニオン性界面活性剤のうち、均一性及び安定性を保持する効果に優れることから、好ましくはPOEアルキルエーテル類、POE・Sec−アルキルエーテル類、POE・POPアルキルエーテル類、POEソルビタン脂肪酸エステル類である。また、これらのノニオン性界面活性剤のうち、均一性及び安定性を保持する効果に優れ、耐酸性に優れることから、特に好ましくはPOEアルキルエーテル類である。POEアルキルエーテル類の具体例としては、POEラウリルエーテル、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル等が挙げられる。
【0025】
両性界面活性剤としては、イミダゾリン系両性界面活性剤、ベタイン系両性界面活性剤等が挙げられる。イミダゾリン系両性界面活性剤としては、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ二ナトリウム塩、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。ベタイン系両性界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ココアミドプロピルベタイン、オレアミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ココベタイン、オレイルベタイン、ラウリルベタイン、セチルベタイン、スルホベタイン等が挙げられる。これらの両性界面活性剤うち、耐酸性に優れることから、好ましくはベタイン系両性界面活性剤である。
【0026】
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール等が挙げられる。
【0027】
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸等が挙げられる。
【0028】
エステル類としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸n−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ラノリン誘導体等が挙げられる。
【0029】
シリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン等が挙げられる。
【0030】
水は各成分の溶媒又は分散媒として適量配合される。
その他の成分として、さらに、噴射剤、香料、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、殺菌剤等の公知の化粧品成分も配合することができる。
【0031】
噴射剤は、剤型を泡沫状にするために配合される。噴射剤としては、液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、炭酸ガス、窒素、ヘキサンおよびイソペンタン等が挙げられる。
【0032】
この酸性染毛料組成物の剤型は、液状、ジェル状、クリーム状、泡沫状等、種々の形態をとることができる。
さて、酸性染毛料組成物を調製するには酸性染料、酸及び芳香族アルコールの各成分を攪拌混合する。次いで、酸性染毛料組成物を使用する場合には、必要量をコーム(櫛)又は刷毛につけて毛髪に適用される。このとき、酸性染料は前記一般式(A)で表される化合物のみから構成されている。また、酸は塩酸、硫酸、硝酸、レブリン酸、乳酸及びグリコール酸から選ばれる少なくとも一種である。このように、特定の酸性染料と特定の酸を組み合わせることによって、酸性染料を毛髪に速やかに化学吸着させることができ、毛髪の染色堅牢性を向上させることができる。
【0033】
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ この実施形態の酸性染毛料組成物においては、酸性染料、酸及び芳香族アルコールを含有している。また、酸性染料は前記一般式(A)で表される化合物のみから構成されている。さらに、酸は塩酸、硫酸、硝酸、レブリン酸、乳酸及びグリコール酸から選ばれる少なくとも一種である。従って、酸性染料を毛髪に速やかに化学吸着させることができる。よって、毛髪の染色堅牢性を向上することができるとともに、洗髪時の洗液や汗の着色を少なくすることができ、その結果、タオル、衣服の襟周り又は帽子の汚れを抑制することができる。
【0034】
・ この実施形態の酸性染毛料組成物においては、酸性染料が赤色104号(1)、赤色105号(1)、赤色3号、赤色230号(1)、赤色230号(2)、赤色231号、赤色232号、黄色202号(1)、黄色202号(2)及び橙色207号から選ばれる少なくとも一種である。従って、酸性染料として前記一般式(A)で表される化合物を容易に選択して使用することができる。
【0035】
・ この実施形態の酸性染毛料組成物においては、酸として少なくとも有機酸を含有している。従って、毛髪の染色堅牢性をより向上させることができる。
・ この実施形態の酸性染毛料組成物においては、酸性染料の含有量は0.01〜0.3重量%である。従って、染毛力を十分に得ることができる。
【0036】
・ この実施形態の酸性染毛料組成物においては、酸の含有量は0.01〜20重量%である。従って、染毛力及び染色堅牢性を向上させることができる。
・ この実施形態の酸性染毛料組成物においては、酸性染料と酸の配合比(酸性染料/酸)が重量基準で0.001〜10である。従って、染毛力をより十分に得ることができるとともに、均染性を向上させることができる。
【0037】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
表1に示す原料を混合して酸性染毛料組成物としてのヘアマニキュアを分散液として得た。得られたヘアマニキュアを毛束に塗布することによって染毛処理を施し、以下の評価を行った。実施例1〜8及び比較例1〜8の結果を表1に示す。なお、表1における数値は重量%を示す。
<染色堅牢性の評価>
染毛処理から1日後の毛束を50℃の1%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液(500ml)に15分間浸漬した後、毛束を十分に水洗し、風乾させることによって洗浄処理を施した。洗浄処理後の毛束の退色、洗液の着色について下記(1)及び(2)の基準によって評価し、染色堅牢性の評価とした。
(1)毛束の退色
洗浄処理後の毛束を洗浄処理前の毛束と目視によって比較して、退色がほとんどない(◎)、退色が少ない(○)、退色がやや目立つ(△)及び退色が目立つ(×)の4段階で評価した。
(2)洗液の着色
洗浄処理後の1%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液を目視によって観察し、洗液の着色がほとんどない(◎)、洗液の着色が少ない(○)、洗液の着色がやや目立つ、(△)及び洗液の着色が目立つ(×)の4段階で評価した。
<染毛力及び均染性の評価>
染毛処理後の毛束を下記(3)及び(4)の基準によって評価した。
(3)染毛力
毛束の染色の程度を目視にて観察し、優(◎)、良(○)、やや不良(△)及び不良(×)の4段階で評価した。
(4)均染性
毛束の色ムラの程度を目視にて観察し、優(◎)、良(○)、やや不良(△)及び不良(×)の4段階で評価した。
【0038】
【表1】
表1の結果から明らかなように、実施例1〜8では毛束の退色について、退色がほとんどない又は退色が少なく、いずれも良好な結果が得られた。また、洗液の着色について、洗液の着色がほとんどない又は少なく、いずれも良好な結果が得られた。特に、実施例1、2では酸として有機酸を含有しているため、毛束の退色及び洗液の着色について優れた結果が得られた。
【0039】
これらに対して、比較例1、2では酸としてそれぞれ酢酸及びクエン酸を含有しているため、毛束の退色及び洗液の着色がやや目立った。また、比較例4〜6では、酸としてグリコール酸を含有しているが、酸性染料としてそれぞれ赤色106号、黄色403号及び紫色401号を含有している。赤色106号、黄色403号及び紫色401号は、前記一般式(A)で表される化合物ではないため、毛束の退色及び洗液の着色について良好な結果が得られていない。さらに、比較例7では酸性染料として赤色104号(1)を含有しているが、赤色106号も含有しているため、毛束の退色及び洗液の着色について良好な結果が得られていない。
【0040】
また、実施例1〜5及び実施例7、8では、酸性染料と酸の配合比を0.001〜10としたため、染毛力及び均染性についても優れた結果が得られた。
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
【0041】
・ 前記酸性染毛料組成物に酸のナトリウム塩、カリウム塩等の塩、グリシン等を加え、酸性染毛料組成物に緩衝作用を持たせてもよい。これによって、酸性染毛料組成物のpHを容易に調整することができる。
【0042】
・ 前記酸性染毛料組成物は、ヘアマニキュアに適用されているが、各種界面活性剤等を配合し、カラーシャンプー、カラーリンス等のヘアマニキュア以外の半永久染毛料に適用してもよい。
【0043】
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1)前記一般式(A)に示す置換基R2、R3、R4及びR6のうち少なくとも一つはハロゲン元素である酸性染毛料組成物。この構成によると、毛髪の染色堅牢性をより向上することができるとともに、洗髪時の洗液や汗の着色をより少なくすることができる。
【0044】
(2)さらに、増粘剤を含有する酸性染毛料組成物。この構成によると、酸性染毛料組成物に適度な粘度を与えることができ、使用時における毛髪からの酸性染毛料組成物の垂れ落ちを抑制することができる。
【0045】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明の酸性染毛料組成物によれば、毛髪の染色堅牢性を向上することができるとともに、洗髪時の洗液や汗の着色を少なくすることができ、その結果、タオル、衣服の襟周り又は帽子の汚れを抑制することができる。
【0046】
請求項2に記載の発明の酸性染毛料組成物によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、染毛力を十分に得ることができる。
【0047】
請求項3に記載の発明の酸性染毛料組成物によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、染毛力及び染色堅牢性を向上させることができる。
【0048】
請求項4に記載の発明の酸性染毛料組成物によれば、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、染毛力をより十分に得ることができるとともに、均染性を向上させることができる。
Claims (4)
- 酸性染料、酸及び芳香族アルコールを含有する酸性染毛料組成物であって、前記酸性染料は赤色104号(1)、赤色3号、及び黄色202号(1)から選ばれる少なくとも一種の化合物のみから構成されるとともに、前記酸が乳酸及びグリコール酸から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする酸性染毛料組成物。
- 前記酸性染料の含有量は0.01〜0.3重量%であることを特徴とする請求項1に記載の酸性染毛料組成物。
- 前記酸の含有量は0.01〜20重量%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の酸性染毛料組成物。
- 前記酸性染料と酸の配合比(酸性染料/酸)が重量基準で0.001〜10であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の酸性染毛料組成物。
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