JP4077182B2 - 液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示装置に係り、特に、その液晶封入口およびその近傍の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は液晶を介して対向配置される一対の基板を外囲器とし、該液晶の広がり方向に多数の画素を備える液晶表示部が形成されている。
各画素にはその部分の液晶に独立に電界を印加させるための手段が施されている。
【0003】
そして、一方の基板に対する他方の基板の固定は液晶の封入を兼ねるシール材によってなされている。
【0004】
また、このシール材にはその一部に液晶封入口が形成されており、この液晶封入口を通して液晶を封入した後には、該液晶封入口は液晶封止材によって閉塞された構成となっている。
【0005】
この液晶封止材は、その材料としてUV(ultraviolet)硬化樹脂が用いられ、それを塗布した後にUV光を照射することによって硬化させている。
【0006】
なお、このように形成される液晶表示装置は、一方の基板の液晶側の面には各画素領域ごとに形成される薄膜トランジスタと、この薄膜トランジスタの液晶との直接の接触を回避する樹脂等の有機材料層からなる保護膜が形成され、他方の基板の液晶側の面には各画素を画するブラックマトリクスが形成された構成のものが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような構成からなる液晶表示装置は、液晶封止材が充分に硬化されてなく、その一部が液晶中に汚染物質として溶出し、液晶封入口の周辺における液晶表示部に表示むらが観察されることが指摘されるに至った。
【0008】
その原因を究明した結果、液晶表示装置の各基板のうちブラックマトリクスが形成されている基板側からのUV光照射は該ブラックマトリクスによって妨げられることから、液晶封止材の硬化には、その大部分が他方の基板側からのUV光照射によってなされることになる。
【0009】
しかし、前記他方の基板側の液晶側の面には、前述したように膜厚の比較的大きな保護膜が形成されており、この保護膜によってUV光の液晶封止材への充分な照射が妨げられ、液晶封止材が未硬化の状態のままとなることが判明した。
【0010】
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、その目的は、表示むらの原因となる液晶封止材の未硬化を防止できる液晶表示装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0013】
手段1.
本発明による液晶表示装置は、たとえば、液晶を介して対向配置される各基板と、
これら各基板のうち一方の基板の液晶側の面に形成されたブラックマトリクスと、
前記各基板のうち他方の基板の液晶側の面に保護膜として形成された有機材料層と、
前記一方の基板と他方の基板の固着を前記液晶の封入を兼ねてなされるシール材と、を備え、
前記シール材はその一部に光硬化樹脂からなる液晶封止材によって閉塞された液晶封入口を有し、
前記ブラックマトリクスは前記液晶封止材の形成個所に及ぶまで延在されて形成されているとともに、
前記有機材料層は前記シール材に重畳し、且つ前記基板の端部と前記シール材の間まで延在されて形成されており、
前記液晶封入口内の前記有機材料層は、前記基板の端部と鉛直方向に延在する複数の切り欠きを有し、当該切り欠きは前記液晶封止材を越える位置まで延在されて形成されていることを特徴とするものである。
【0014】
手段2.
本発明による液晶表示装置は、たとえば、手段1に示す構成を前提に、前記液晶封入口内に、前記シール材と同じ材料で形成された突起体を形成したことを特徴とするものである。
【0015】
手段3.
本発明による液晶表示装置は、たとえば、手段2に示す構成を前提に、前記突起体は、前記切り欠きと重畳しない位置に形成されることを特徴とするものである。
【0016】
手段4.
本発明による液晶表示装置は、たとえば、手段2に示す構成を前提に、前記突起体は、前記液晶封入口に複数備えられることを特徴とするものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による液晶表示装置の実施例を図面を用いて説明をする。
【0024】
参考例1.
《等価回路》
図2は、本発明による液晶表示装置の一参考例を示す等価回路図である。同図は等価回路であるが、実際の幾何学的配置に対応させて描いている。
【0025】
液晶を介して互いに対向配置される一対の透明基板SUB1、SUB2があり、該液晶は一方の透明基板SUB1に対する他方の透明基板SUB2の固定を兼ねるシール材SLによって封入されている。
【0026】
このシール材SLの一部(たとえば図中下側の部分)には液晶封入口INJが形成されており、この液晶封入口INJを通して該シール材SLによって囲まれた領域内に液晶を封入した後には、該液晶封入口INJを塞ぐための液晶封止材SELが形成されている。なお、この液晶封止材SELは、この参考例の場合、光硬化樹脂からなっている。
【0027】
シール材SLによって囲まれた前記一方の透明基板SUB1の液晶側の面には、そのx方向に延在しy方向に並設されたゲート信号線GLとy方向に延在しx方向に並設されたドレイン信号線DLとが形成されている。
【0028】
各ゲート信号線GLと各ドレイン信号線DLとで囲まれた領域は画素領域を構成するとともに、これら各画素領域のマトリクス状の集合体は液晶表示部ARを構成するようになっている。
【0029】
また、x方向に並設される各画素領域のそれぞれにはそれら各画素領域内に走行された共通の対向電圧信号線CLが形成されている。この対向電圧信号線CLは各画素領域の後述する対向電極CTに映像信号に対して基準となる電圧を供給するための信号線となるものである。
【0030】
各画素領域には、その片側のゲート信号線GLからの走査信号によって作動される薄膜トランジスタTFTと、この薄膜トランジスタTFTを介して片側のドレイン信号線DLからの映像信号が供給される画素電極PXが形成されている。
【0031】
この画素電極PXは、前記対向電圧信号線CLと接続された対向電極CTとの間に電圧差を発生させ、この電圧差によって液晶の光透過率を制御させるようになっている。
【0032】
前記ゲート信号線GLのそれぞれの一端は前記シール材SLを超えて延在され、その延在端は垂直走査駆動回路Vの出力端子が接続される端子を構成するようになっている。また、前記垂直走査駆動回路Vの入力端子は液晶表示パネルの外部に配置されたプリント基板からの信号が入力されるようになっている。
【0033】
垂直走査駆動回路Vは複数個の半導体装置からなり、互いに隣接する複数のゲート信号線GLどおしがグループ化され、これら各グループ毎に一個の半導体装置があてがわれるようになっている。
【0034】
同様に、前記ドレイン信号線DLのそれぞれの一端は前記シール材SLを超えて延在され、その延在端は映像信号駆動回路Heの出力端子が接続される端子を構成するようになっている。また、前記映像信号駆動回路Heの入力端子は液晶表示パネルの外部に配置されたプリント基板からの信号が入力されるようになっている。
【0035】
この映像信号駆動回路Heも複数個の半導体装置からなり、互いに隣接する複数のドレイン信号線DLどおしがグループ化され、これら各グループ毎に一個の半導体装置があてがわれるようになっている
また、x方向に併設された各画素領域に共通な前記対向電圧信号線CLはたとえば図中右側の端部で共通に接続され、その接続線はシール材SLを超えて延在され、その延在端において端子CLTを構成している。この端子からは映像信号に対して基準となる電圧が供給されるようになっている。
【0036】
前記各ゲート信号線GLは、垂直走査回路Vからの走査信号によって、その一つが順次選択されるようになっている。
【0037】
また、前記各ドレイン信号線DLのそれぞれには、映像信号駆動回路Heによって、前記ゲート信号線GLの選択のタイミングに合わせて映像信号が供給されるようになっている。
【0038】
《画素の構成》
図3は、前記画素領域の構成の一参考例を示す平面図である。また、図4は図3のIV−IV線における断面図を、図5は図3のV−V線における断面図を示している。
【0039】
図3において、透明基板SUB1の液晶側の面に、まず、x方向に延在しy方向に並設される一対のゲート信号線GLが形成されている。
【0040】
これらゲート信号線GLは後述の一対のドレイン信号線DLとともに矩形状の領域を囲むようになっており、この領域を画素領域として構成するようになっている。
【0041】
また、各ゲート信号線GLの間の領域には該ゲート信号線GLと平行に配置された対向電圧信号線CLが形成されている。
【0042】
そして、画素領域のほぼ全域にわたって対向電極CTが形成され、この対向電極CTは前記対向電圧信号線CLと一体となって形成されているとともに、ゲート信号線GLとは所定の距離だけ離れて形成されて、該ゲート信号線GLとは電気的な接続がなされないようになっている。
【0043】
この対向電極CTは、y方向に延在されx方向に並設された複数(図では3個)の電極群から構成され、それら各電極の離間距離は等しいものとなっている。
【0044】
ここで、各電極群のうち、両脇に位置付けられる一対の対向電極CT、換言すれば後述のドレイン信号線DLに隣接する対向電極CTは他の対向電極CTよりも若干その幅が大きく形成されている。
【0045】
この理由は、ドレイン信号線DLからの電界がそれに隣接する対向電極CTに終端させやすくし、その対向電極CTを越えて後述の画素電極PXに終端するのを防止するためである。画素電極PXに該電界が終端した場合にそれがノイズとなってしまうからである。
【0046】
このようにゲート信号線GLおよび対向電圧信号線CLが形成された透明基板SUB1の表面にはたとえばSiNからなる絶縁膜GI(図4、図5参照)が該ゲート信号線GLおよび対向電圧信号線CLをも被って形成されている。
【0047】
この絶縁膜GIは、後述のドレイン信号線DLの形成領域においては前記ゲート信号線GLおよび対向電圧信号線CLに対する層間絶縁膜としての機能を、後述の薄膜トランジスタTFTの形成領域においてはそのゲート絶縁膜としての機能を、後述の容量素子Cstgの形成領域においてはその誘電体膜としての機能を有するようになっている。
【0048】
そして、この絶縁膜GIの表面であって、前記ゲート信号線GLの一部に重畳するようにしてたとえばアモルファスSiからなる半導体層ASが形成されている。
【0049】
この半導体層ASは、薄膜トランジスタTFTのそれであって、その上面にドレイン電極SD1およびソース電極SD2を形成することにより、ゲート信号線GLの一部をゲート電極とする逆スタガ構造のMIS型トランジスタを構成することができる。
【0050】
ここで、前記ドイレン電極SD1およびソース電極SD2はドレイン信号線DLの形成の際に同時に形成されるようになっている。
【0051】
すなわち、y方向に延在されx方向に並設されるドレイン信号線DLが形成され、その一部が前記半導体層ASの上面にまで延在されてドレイン電極SD1が形成され、また、このドレイン電極SD1と薄膜トランジスタTFTのチャネル長分だけ離間されてソース電極SD2が形成されている。
【0052】
このソース電極SD2は半導体層AS面から画素領域側の絶縁膜の上面に至るまで若干延在され、画素電極PXと一体となって形成されている。
【0053】
この画素電極PXは前述の対向電極CTと同様にy方向に延在されx方向に並設された複数(図では2個)の電極群から構成され、かつ、それら各電極は、平面的に観た場合、前記対向電極CTの間に位置付けられるようになっている。
【0054】
すなわち、これら各電極は、一方の側のドレイン信号線DLから他方の側のドレイン信号線DLにかけて、対向電極CT、画素電極PX、対向電極CT、画素電極PX、……、対向電極CTの順にそれぞれ等間隔に配置されている。
【0055】
また、このような電極群からなる画素電極PXは、それらが前記対向電圧信号線CLと重畳された部分で互いに電気的に接続されている。
【0056】
これら各画素電極PXを電気的に接続させる部分は比較的大きな面積を有し、この部分において対向電圧信号線CLとの間に絶縁膜GIを誘電体膜とする容量素子Cstgが形成されるようになっている。
【0057】
この容量素子Cstgは、たとえば画素電極PXに供給された映像信号を比較的長く蓄積させる等の機能をもたせるようになっている。
【0058】
なお、半導体層ASとドレイン電極SD1およびソース電極SD2との界面には高濃度の不純物がドープされた薄い層が形成され、この層はコンタクト層として機能するようになっている。
【0059】
このコンタクト層は、たとえば半導体層ASの形成時に、その表面にすでに高濃度の不純物層が形成されており、その上面に形成したドレイン電極およびソース電極のパターンをマスクとしてそれから露出された前記不純物層をエッチングすることによって形成することができる。
【0060】
このように薄膜トランジスタTFT、ドイレン信号線DL、ドレイン電極SD1、ソース電極SD2、および画素電極PXが形成された透明基板SUB1の表面にはたとえば樹脂等の有機材料層からなる保護膜PSV(図4、図5参照)が形成されている。この保護膜PSVは前記薄膜トランジスタTFTの液晶との直接の接触を回避する膜で、該薄膜トランジスタTFTの特性劣化を防止せんとするようになっている。
【0061】
なお、この保護膜PSVとしては、たとえばSiN等のような無機材料層とたとえば樹脂等からなる有機材料層との順次積層体で構成されていてもよい。
【0062】
このような保護膜PSVを用いることによりその表面を平坦化でき、液晶の層厚を均一化できるとともに、後述の配向膜ORI1におけるラビングの信頼性を向上させることができる。
【0063】
そして、保護膜PSVの上面には配向膜ORI1が形成されている。この配向膜ORI1は液晶と直接に当接する膜で、その表面に形成されたラビングによって該液晶の分子の初期配向方向を決定づけるようになっている。
【0064】
また、このように構成された透明基板SUB1と液晶を介して対向配置される透明基板SUB2の液晶側の面には、その各画素領域を画するようにしてブラックマトリクスBMが形成されている。すなわち、ブラックマトリクスBMは各画素領域の周辺部を除く中央部に開口が形成されたパターンをなし、これにより表示のコントラストの向上を図っている。
【0065】
また、このブラックマトリクスBMは透明基板SUB1側の薄膜トランジスタTFTを充分被うようにして形成され、該薄膜トランジスタTFTへの外来光の照射を妨げることによって該薄膜トランジスタTFTの特性劣化を回避するようになっている。
【0066】
このブラックマトリクスBMはたとえば黒色顔料が含有された樹脂膜で構成されており、透明基板SUB2の周縁にまで延在されて形成されている。このように透明基板SUB2の周縁にまで延在されている理由は、液晶表示装置の背面に配置されるバックライトからの光が観察側に漏れるのを該ブラックマトリクスBMによって防止するためである。
【0067】
ブラックマトリクスBMが形成された透明基板SUB2の面には該ブラックマトリクスBMの開口を被ってカラーフィルタFILが形成されている。このカラーフィルタFILはたとえば赤(R)、緑(G)、青(B)の各色のフィルタからなり、y方向に並設される各画素領域群にたとえば赤色のフィルタが共通に形成され、該画素領域群にx方向に順次隣接する画素領域群に共通に赤(R)色、緑(G)色、青(B)色、赤(R)色、……、というような配列で形成されている。これら各フィルタはその色に対応する顔料が含有された樹脂膜で構成されている。
【0068】
ブラックマトリクスBMおよびカラーフィルタFILが形成された透明基板の表面にはこれらブラックマトリクスBMおよびカラーフィルタFILをも被って平坦化膜OCが形成されている。この平坦化膜OCは塗布によって形成できる樹脂膜からなり、前記ブラックマトリクスBMおよびカラーフィルタFILの形成によって顕在化する段差をなくすために設けられる。
【0069】
この平坦化膜OCの表面には配向膜ORI2が形成され、この配向膜ORI2は液晶と直接に当接する膜で、その表面に形成されたラビングによって該液晶の分子の初期配向方向を決定づけるようになっている。
【0070】
《液晶封入口およびその近傍の構成》
図1は図2に示す液晶封入口INJおよびその近傍を拡大して示した平面図で、そのVI−VI線における断面を図6に示している。
【0071】
図1に示すように、液晶封入口INJはシール材SLの一部を開口させた部分として形成され、該開口部のシール材SLの各端部を透明基板SUB1の外方に延在させている。
【0072】
また、透明基板SUB1の液晶側の面には、図6に示すように、絶縁膜GI、保護膜PSV、配向膜ORI1の順次積層体が透明基板SUB1の端面にまで延在されることなく、その手前まで延在されている。
【0073】
より詳しくは、前記積層体は、前記液晶封入口INJを塞ぐ液晶封止材SELの形成されるべく個所に至ることなく、その手前まで延在されて形成されている。すなわち、前記積層体は、液晶封止材SELの形成個所にてその形成が回避されて形成されている。
【0074】
この場合、液晶封止材SELの形成個所にてその形成が回避される層は少なくとも保護膜PSVであればよく、たとえば絶縁膜GIあるいは配向膜ORI1等は液晶封止材SELの形成個所にまで延在されていてもよい。
【0075】
後述の説明で明らかになるように、絶縁膜GIあるいは配向膜ORI1等はその膜厚が比較的薄く、UV光の透過効率が良好であるからである。
【0076】
一方、透明基板SUB2の液晶側の面にはブラックマトリクスBMが形成され、このブラックマトリクスBMは該透明基板SUB2の端面にまで及んで形成され、この結果、液晶封止材SELの形成個所にまで及んで形成されている。この理由は、上述したように、液晶表示装置の背面にバックライトを配置させた場合そのバックライトからの光が観察側に漏れるのを防止するためである。
【0077】
このように構成した液晶表示装置は、液晶封入口INJを通して液晶を封入した後に、該液晶封入口INJを液晶封止材SELで封止、それをUV光を照射して硬化する際に、透明基板SUB2側からのUV光照射はブラックマトリクスBMによって妨げられるが、透明基板SUB1側からのUV光照射は絶縁膜GL、保護膜PSV、配向膜ORI1の順次積層体によって減衰されることなく液晶封止材SELに照射されることになる。
【0078】
このため、液晶封止材SELは従来のように未硬化の部分を残すことなく充分に硬化され、その一部が液晶中に汚染物質として溶出し、液晶封入口INJの周辺における液晶表示部に表示むらが観察されることがなくなる。
【0079】
参考例2.
図7は本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す図で、図1と対応した図となっている。
【0080】
図1と比較して異なる構成は保護膜PSVにあり、この保護膜PSVは封止材SELの形成領域にまでは延在されていないが、該封止材SELにできるだけ近接させるようにして形成されている。
【0081】
このため、該保護膜PSVは、封止材SELの形成されているシール材SLの内側に位置付けられているが、該封止材SELの個所において突出したパターンをなして形成されている。
【0082】
封止材SELの近傍において液晶表示部ARにおける基板間ギャップを保持し、該封止材SELの近傍の表示むらを回避するためである。
【0083】
参考例3.
図8は本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す図で、図1と対応した図となっている。
【0084】
図1と比較して異なる構成は保護膜PSVにあり、この保護膜PSVはその端辺が封止材SELが形成されたシール材SLにできるだけ近接して形成されているとともに、該封止材SELの部分において液晶表示部AR側に若干抉られたようなパターンをなして形成されている。
【0085】
このような構成であっても、封止材SELの近傍において保護膜PSVが存在しないことから、同様の効果が得られる。
【0086】
参考例4.
図9は本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す図で、図1と対応した図となっている。
【0087】
図1と比較して異なる構成は保護膜PSVにあり、この保護膜PSVはその端辺が封止材SELが形成されたシール材SLを越えて形成されているとともに、該封止材SELの部分において液晶表示部AR側に若干抉られたようなパターンをなして形成されている。
【0088】
このように構成した場合、シール材SLは他の個所においても保護膜PSVを介して透明基板SUB1とSUB2とのギャップを確保できることから、該ギャップの均一化を図ることができる。
【0089】
参考例5.
図10は本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す図で、図1と対応した図となっている。
【0090】
図1と比較して異なる構成は、液晶封入口INJの液晶封入通路においてギャップを確保する部材が形成されている。
【0091】
そして、この部材は、保護膜PSVの形成と同時に形成される有機材料層PSV’とシール材SLの形成と同時に形成される有機材料層SL’との順次積層構造となっている。
【0092】
この場合、シール材SLの形成と同時に形成される有機材料層SL’は、保護膜PSVの形成と同時に形成される有機材料層PSV’を被うようにして形成されていてもよい。
【0093】
このように構成することによって、液晶表示部ARと液晶封入口INJとの透明基板SUB1、SUB2間のギャップの差が、前記液晶封入口INJにおいて保護膜PSVが形成されていないことにより生じるのを回避することができる。
【0094】
参考例6.
図11は本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す図で、図1と対応した図となっている。
【0095】
図1と比較して異なる構成は、液晶封入口INJの液晶封入通路に封止材SELの液晶表示部AR側への侵入防止部材IPMを設けていることにある。
【0096】
この侵入防止部材IPMは、シール材SLの形成の際に同時に形成されるものであり、封止材SELの形成領域内に形成されている。
【0097】
これにより、保護膜PSVは液晶封入口INJに近接して延在して形成され、しかも、シール材SLを超えて形成できる効果を奏する。
【0098】
実施例.
図12は本発明による液晶表示装置の一実施例を示す図で、図1と対応した図となっている。
【0099】
図1の場合と比較して異なる構成は、保護膜PSVはシール材SLを越えて延在され、そのうち液晶封入口INJにおける延在端はジグザグ状に形成されている。
【0100】
この場合のジグザグはそれら各幅よりも液晶表示部AR側の切欠き長さが充分に大きくなっており、たとえば、該液晶封入口INJを封止材SELによって封止した際にこの封止材SELから前記ジグザグの一部が露出される程度になっている。
【0101】
保護膜PSVのこのような切欠きによるジグザグパターンは透明基板SUB1側からUV光を照射した際に、該UV光が該保護膜PSVの切欠きを通して封止材SELに充分照射されるためである。
【0102】
このようにした場合に、封止材SELは未硬化の部分なく充分な硬化を図ることができるようになる。
【0103】
そして、上述したように、液晶封入口INJを封止材SELによって封止した際にこの封止材SELから保護膜PSVの前記ジグザグの一部が露出される程度にしておくことにより、該露出した部分からの光の回り込みが生じ、封止材SELの硬化に寄与することになる。
【0104】
参考例7.
図13は本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す図で、図1と対応した図となっている。
【0105】
図1の場合と比較して異なる構成は、液晶封入口INJが形成されているシール材SL側の保護膜PSVの端辺は該シール材SLを越えて延在されているとともに、前記液晶封入口INJの部分において液晶表示部AR側へ抉られるようにして形成されている。
【0106】
そして、液晶封入口INJの保護膜PSVが抉られた部分には、たとえばマトリクス状に配列された複数の突起体PRJが形成されている。この突起体PRJは前記保護膜PSVの形成の際に同時に形成されるもので、該保護膜PSVと同一の材料から構成されている。
【0107】
これら各突起体PRJは、液晶封入口INJにおける透明基板SUB1、SUB2のギャップを液晶表示部ARにおけるそれと同様にする機能をもたらすものとなっている。
【0108】
そして、透明基板SUB1側からのUV光は封止材SELに充分に照射される構成となっている。
【0109】
参考例8.
図14は、本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す図で、図1に対応した図となっている。
【0110】
図1と比較して異なる構成は、保護膜PSVはその端辺の延在がシール材SLの内側にて止まり、液晶封入口INJにおいて封止材SEL側にたとえば2個の突起状の延在部を有している。
【0111】
そして、この延在部において透明基板SUB2側に形成した支柱状のスペーサSPの頂部が対向するようにして配置されている。
【0112】
このスペーサSPは液晶表示部ARにも同様に形成され、それぞれは保護膜PSVを構成する同一の材料層上に形成されることになる。
【0113】
このため、液晶封入口INJの部分において液晶表示部ARにおけるギャップを確保できる効果を奏する。
【0114】
参考例9.
この参考例は、上述した各参考例や実施例と異なり、透明基板SUB1に対する透明基板SUB2の固定を図るシール材SLは液晶封入口INJがないものを対象としたものである。
【0115】
すなわち、図15に示すように、一方の透明基板SUB1の液晶側の面に環状のシール材SLを形成し、そのシール材SLによって囲まれた領域内に液晶を滴下させて充填させる。その後、他方の透明基板SUB2をあてがいUV光によって該シール材SLを硬化させて、各透明基板SUB1、SUB2の固定と液晶封入を行うようになっているものである。
【0116】
このように構成された液晶表示装置は、その液晶に低周波電圧あるいは直流電圧を印加した際に液晶の滴下部にその痕跡を観測できるという特徴を有する。
【0117】
そして、このように構成された液晶表示装置は、そのシール材SLとして光硬化樹脂材を用い、UV光の照射によって硬化を図っていることから熱を発生させることなく短時間で封止作業ができるという効果を奏する。
【0118】
このため、液晶の熱による劣化を防止でき、未硬化のシール材SLの一部が液晶に溶出して該液晶を汚染させるということがなくなる。
【0119】
なお、上述したシール材SLはその一部に余剰液晶排出用の封止部、あるいは気泡排出用の封止部が形成されていてもよいことはもちろんである。
【0120】
参考例10.
図16は、上記参考例9に示したようにシール材SLとして光硬化樹脂材を用いた場合の該シール材SLおよびその近傍の構成を示す断面図である。同図は図15のXVI−XVI線における断面図となっている。
【0121】
この参考例の場合、透明基板SUB1の液晶側の面に有機材料層からなる保護膜PSVが形成され、その延在する端部は該シール材SLを越えて形成されている。
【0122】
そして、透明基板SUB2側に形成されるブラックマトリクスBMはその延在する端部が該シール材SLを越えることなくその手前で止まっている。
【0123】
これにより、前記シール材SLの硬化の際に照射されるUV光は透明基板SUB2側から充分な量を確保できるようになる。
【0124】
参考例11.
図17は、本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す構成図で、図16に対応した図となっている。
【0125】
図16の場合と比較して異なる構成は、ブラックマトリクスBMの延在する端辺はシール材SLの一部に差し掛かる程度まで延在されている。そして、有機材料層からなる保護膜PSVはシール材SLの形成されている部分の一部において開口が形成されている。この場合の開口はシール材SLの長手方向にそって形成されている。
【0126】
このように形成した場合、シール材SLを硬化するためのUV光は透明基板SUB1および透明基板SUB2側から充分に得られることになる。
【0127】
参考例12.
図18は、本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す構成図で、図17に対応した図となっている。
【0128】
図17の場合と比較して異なる構成は、保護膜PSVの延在端はシール材SLを越えることなくその手前で止まっている。
【0129】
参考例13.
図19は、本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す構成図で、図18に対応した図となっている。
【0130】
図18の場合と比較して異なる構成は、ブラックマトリクスBMの延在端はシール材SLを越えて形成されている。
【0131】
この場合、シール材SLの硬化に要するUV光の照射は透明基板SUB1側からの光のみに寄与させるようにしたものである。
【0132】
参考例14.
図20は、本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す構成図で、図16に対応した図となっている。
【0133】
図16の場合と比較して異なる構成は、透明基板SUB1側に保護膜PSVとブラックマトリクスBMを形成し、それらの延在端はシール材SLを越えて形成されているものである。
【0134】
この場合、シール材SLの硬化に要するUV光の照射は透明基板SUB2側からの光のみに寄与させるようにしたものである。
【0135】
参考例15.
図21は、本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す構成図で、図19に対応した図となっている。
【0136】
図19の場合と比較して異なる構成は、シール材SL内にスペーサSPが形成されており、このスペーサSPは液晶表示部AR内において透明基板SUB2側に形成される支柱状のスペーサSPと同様に形成されるようになっている。
【0137】
この場合、液晶表示部ARの透明基板SUB1側には保護膜PSVが形成されていることから、シール材SL内においても該保護膜PSVと同一の有機材料層PSV’を形成し、この材料層に前記スペーサSPの頂部が対向するように構成している。
【0138】
これにより、シール材SLの形成領域における各基板のギャップを液晶表示部ARにおけるそれと同一にしている。
【0139】
参考例16.
この参考例の特徴は、図22に示すように、シール材SLの内側にて該シール材SLとほぼ平行な環状の障壁FNCを設けていることにある。
【0140】
図22のIIXIII−IIXIII線における断面図を図23に示している。該障壁FNCは液晶表示部AR内に形成される支柱状のスペーサSPと同様に形成されている。この障壁FNCはたとえば一部未硬化のシール材SLからの液晶にとっての汚染物質が該液晶中に侵入するのを防止する目的で形成されたものである。
【0141】
参考例17.
図24は、本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す平面図で、図22と対応した図となっている。
【0142】
図22の場合と比較して異なる部分は、前記障壁FNCはその一部において切り離された部分を有し、物理的に複数個の障壁FNCを形成することによって、参考例16に示したのと同様の効果を奏しめんとしている。
【0143】
参考例18.
図25は、本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す平面図で、図22と対応した図となっている。
【0144】
図22の場合と比較して異なる構成は、シール材SLの一部に余剰液晶排出用封止部、あるいは気泡排出用封止部が形成されており、これにともない障壁においても該封止部と対向する部分にて開口部を設けていることにある。
【0145】
参考例19.
図26に示す参考例は、参考例9に示したように、シール材SLとして光硬化樹脂材を用いた場合には、透明基板SUB1および透明基板SUB2のそれぞれの液晶側の面に形成される配向膜ORI1、ORI2は、その延在端をシール材SLに接触させず、その手前で止めるようにして形成している。
【0146】
シール材SLから発生し易いイオン性の汚染物質は配向膜を伝達して液晶中に拡散しやすくなるのを回避せんがためである。
【0147】
なお、この参考例に示した構成は、上述した各参考例のそれぞれに適用させてもよいことはいうまでもない。
【0148】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明による液晶表示装置によれば、表示むらの原因となる液晶封止材あるいはシール材の未硬化を防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による液晶表示装置の一参考例を示す要部平面図で、液晶封入口の部分を示している。
【図2】 本発明による液晶表示装置の一参考例を示す等価回路図である。
【図3】 本発明による液晶表示装置の画素の一参考例を示す平面図である。
【図4】 図3のIV−IV線における断面図である。
【図5】 図3のV−V線における断面図である。
【図6】 図1のVI−VI線における断面図である。
【図7】 本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す要部平面図である。
【図8】 本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す要部平面図である。
【図9】 本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す要部平面図である。
【図10】 本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す要部平面図である。
【図11】 本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す要部平面図である。
【図12】 本発明による液晶表示装置の一実施例を示す要部平面図である。
【図13】 本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す要部平面図である。
【図14】 本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す要部平面図である。
【図15】 本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す平面図である。
【図16】 図15のXVI−XVI線における断面図である。
【図17】 本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す要部断面図である。
【図18】 本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す要部断面図である。
【図19】 本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す要部断面図である。
【図20】 本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す要部断面図である。
【図21】 本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す要部断面図である。
【図22】 本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す平面図である。
【図23】 図22のIIXIII−IIXIII線における断面図である。
【図24】 本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す平面図である。
【図25】 本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す平面図である。
【図26】 本発明による液晶表示装置の他の参考例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
SUB……透明基板、GL……ゲート信号線、DL……ドレイン信号線、CL……対向電圧信号線、TFT……薄膜トランジスタ、PX……画素電極、CT……対向電極、PSV……保護膜、SL……シール材、INJ……液晶封入口、SEL……液晶封止材、BM……ブラックマトリクス。
Claims (4)
- 液晶を介して対向配置される各基板と、
これら各基板のうち一方の基板の液晶側の面に形成されたブラックマトリクスと、
前記各基板のうち他方の基板の液晶側の面に保護膜として形成された有機材料層と、
一方の基板と他方の基板の固着を前記液晶の封入を兼ねてなされるシール材と、を備え、
前記シール材はその一部に光硬化樹脂からなる液晶封止材によって閉塞された液晶封入口を有し、
前記ブラックマトリクスは前記液晶封止材の形成個所に及ぶまで延在されて形成されているとともに、
前記液晶封入口のシール材端部は、前記基板の端部に向けて屈曲して延設され形成され、
前記有機材料層は前記シール材に重畳し、且つ前記基板の端部と前記シール材の間まで延在されて形成されており、
前記液晶封入口内の前記有機材料層は、前記基板の端部と鉛直方向に延在する複数の切り欠きを有し、当該切り欠きは前記液晶封止材を越える位置まで延在して形成されていることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1に記載の液晶表示装置において、
前記液晶封入口内に、前記シール材と同じ材料で形成された突起体を形成したことを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項2に記載の液晶表示装置において、
前記突起体は、前記切り欠きと重畳しない位置に形成されることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項2に記載の液晶表示装置において、
前記突起体は、前記液晶封入口に複数備えられることを特徴とする液晶表示装置。
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