JP4076017B2 - 磁気異方性に優れた希土類磁石粉末の製造方法 - Google Patents

磁気異方性に優れた希土類磁石粉末の製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、磁気異方性に優れた希土類磁石粉末、特に残留磁束密度の一層優れた希土類磁石粉末の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
R(但し、RはYを含む希土類元素を示す。以下同じ)、M(但し、MはGa、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Ni、Al、Ti、V、Cu、Cr、Ge、CおよびSiの内の1種または2種以上を示す。以下同じ)とすると、原子%で(以下、%は原子%を示す)、R:10〜20%、Co:0〜50%、B:3〜20%、M:0〜5%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる成分組成を有する希土類磁石合金原料をArガス雰囲気中、温度:600〜1200℃に保持して均質化処理し、または均質化処理せずに、水素雰囲気中で室温から温度:500℃未満までの所定の温度に昇温、または昇温し保持して水素吸収処理したのち、
水素圧力:10〜1000kPaの水素雰囲気中で500〜1000℃の範囲内の所定の温度に昇温し保持することにより前記希土類磁石合金原料に水素を吸収させて相変態による分解を促す水素吸収・分解処理を施し、
引き続いて、水素吸収・分解処理を施した希土類磁石合金原料を不活性ガス圧:10〜1000kPa、温度:500〜1000℃の範囲内の所定の温度で不活性ガス雰囲気中に保持することにより中間熱処理を行い、
さらに引き続いて、必要に応じて、中間熱処理を施した希土類磁石合金原料を500〜1000℃の範囲内の所定の温度で、絶対圧:0.65〜10kPa未満の水素雰囲気中または水素分圧::0.65〜10kPa未満の水素と不活性ガスとの混合ガス雰囲気中に保持することにより希土類磁石合金原料に水素を一部残したまま減圧水素中熱処理を行い、
その後、500〜1000℃の範囲内の所定の温度で到達圧:0.13kPa以下の真空雰囲気に保持することにより強制的に水素を放出させて相変態を促す脱水素処理を施し、ついで冷却し、粉砕する工程からなる磁気異方性に優れた希土類磁石粉末の製造方法は知られている(特開2000−21614号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、電気・電子業界では磁気異方性が一層優れるとともに一層安価な希土類磁石粉末が求められており、一層磁気異方性が優れるとともに一層安価な希土類磁石粉末を効率良く低コストで製造できる方法の研究開発がなされている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らも、一層磁気異方性に優れた希土類磁石粉末を効率良く低コストで製造できる方法を開発すべく研究を行った。その結果、
(a)前記従来の磁気異方性に優れた希土類磁石粉末の製造方法における水素吸収・分解処理後に不活性ガスを供給して不活性ガス圧:10〜1000kPa、温度:500〜1000℃の範囲内の所定の温度で不活性ガス雰囲気中に保持する中間熱処理に代えて、500〜1000℃の範囲内の温度を保持しつつ、水素圧力を水素吸収・分解処理時の水素圧力の20〜60%の圧力の水素雰囲気中に保持する中間減圧熱処理を施すと、従来の水素吸収・分解処理後に不活性ガス雰囲気の中間熱処理を施すよりも残留磁束密度が向上する、
(b)この中間減圧熱処理は、水素吸収・分解処理と同じ水素雰囲気であり、水素を排気して圧力を減らすだけであるから、不活性ガスを導入する従来の中間熱処理に比べて操作が簡単であり、量産に適した方法であるとともに、従来の製造方法で製造した希土類磁石粉末に比べて磁気異方性、特に残留磁束密度が一層向上する、という研究結果が得られたのである。
【0005】
この発明は、かかる研究結果に基づいて成されたものであって、
(1)必要に応じて真空またはArガス雰囲気中、温度:600〜1200℃に保持の条件で均質化処理した希土類磁石合金原料を圧力:10〜1000kPaの水素ガス雰囲気中で室温から温度:500℃未満までの温度に昇温、または昇温し保持することにより水素を吸収させる水素吸収処理を施し、
この水素吸収処理した前記希土類磁石合金原料を圧力:10〜1000kPaの水素ガス雰囲気中で500〜1000℃の範囲内の温度に昇温し保持することにより前記希土類磁石合金原料にさらに水素を吸収させて分解する水素吸収・分解処理を施し、
引き続いて、水素吸収・分解処理を施した希土類磁石合金原料を500〜1000℃の範囲内の温度で水素吸収・分解処理時の圧力の20〜60%の圧力の水素雰囲気中に保持する中間減圧熱処理を施し、
引き続いて、500〜1000℃の範囲内の温度で圧力:0.65〜13kPaでかつ中間減圧熱処理の圧力よりも低い圧力の水素雰囲気中に保持することにより希土類磁石合金原料に水素を一部残したまま減圧水素中熱処理を行い、
その後、500〜1000℃の範囲内の温度で到達圧:0.13kPa以下の真空雰囲気に保持することにより希土類磁石合金原料から強制的に水素を放出させて相変態を促す脱水素処理を施し、ついで冷却し、粉砕する磁気異方性に優れた希土類磁石粉末の製造方法、に特徴を有するものである。
【0006】
この発明で使用する希土類磁石合金原料は、
R:10〜20%、B:3〜20%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる成分組成を有する希土類磁石合金原料、
R:10〜20%、B:3〜20%、M:0.001〜5%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる成分組成を有する希土類磁石合金原料、
R:10〜20%、Co:0.1〜50%、B:3〜20%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる成分組成を有する希土類磁石合金原料、または、
R:10〜20%、Co:0.1〜50%、B:3〜20%、M:0.001〜5%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる成分組成を有する希土類磁石合金原料が好ましい。
【0007】
次に、この発明で使用する希土類磁石合金原料の成分組成および製造条件を前述の如く限定した理由を説明する。
(A)成分組成
R(Yを含む希土類元素):
Rは、Ndを主体とし、その他、Y、Dy、Pr、Sm、Ce、La、Tb、Er、Eu、Gd、Tm、Yb、Lu、Hoなどを微量含む希土類元素であるが、その含有量が10%未満では保磁力が低下し、一方、20%を越えて含有すると飽和磁化が低下していずれも希望の磁気特性が得られないので好ましくない。したがって、Rの含有量は10〜20%に定めた。
【0008】
B:
Bの含有量は3%未満では保磁力が低下し、一方、20%を越えて含有すると飽和磁化が低下していずれも希望の磁気特性が得られないので好ましくない。したがって、Bの含有量は3〜20%に定めた。
【0009】
Co:
Coは希土類磁石合金の等方性化を阻止するために必要に応じて添加するが、その含有量が0.1%未満では所望の効果が得られず、一方、50%を越えて含有すると、保磁力および飽和磁化が下がるので異方化しても高特性が得られない。したがって、この発明の希土類磁石粉末の製造方法で使用する希土類磁石合金原料に含まれるCoの含有量は0.1〜50%(一層好ましくは、5〜30%)に定めた。
【0010】
M(Ga、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Ni、Al、Ti、V、Cu、Cr、Ge、CおよびSiの内の1種または2種以上):
Mは、保磁力および残留磁束密度の一層の向上のために必要に応じて添加するが、その含有量が0.001%未満では所望の効果が得られず、一方、5%を越えて添加すると、保磁力および残留磁束密度が低下するので好ましくない。したがってMの含有量は0.001〜5%に定めた。
【0011】
(B)製造条件
希土類磁石合金原料は圧力:10〜1000kPaの水素ガス雰囲気中で室温から温度:500℃未満までの所定の温度に昇温、または昇温し500℃未満までの所定の温度(例えば、100℃)に保持することにより水素を吸収せしめる水素吸収処理を施す。この希土類磁石合金原料を圧力:10〜1000kPaの水素ガス雰囲気中で室温から温度:500℃未満までの所定の温度に昇温、または昇温する水素吸収処理は、従来から行われている処理である。
【0012】
この水素吸収処理した希土類磁石合金原料をさらに加熱し、圧力:10〜1000kPaの水素ガス雰囲気中で温度:500〜1000℃の範囲内の所定の温度に保持する水素吸収・分解処理を施すことにより原料に水素を吸収させて相変態を促し分解させる。この水素吸収・分解処理工程における圧力:10〜1000kPaの水素ガス雰囲気中で温度:500〜1000℃の範囲内の所定の温度に保持する条件はすでに知られている条件であり、特に新規な条件ではないのでその限定理由の説明は省略する。
【0013】
かかる水素吸収・分解処理したのち、500〜1000℃の範囲内の温度で、水素吸収・分解処理時の水素圧力の20〜60%の圧力(具体的には、圧力:2〜600kPaでかつ水素吸収・分解処理時の水素圧力より相対的に低い圧力)の水素雰囲気中に保持する中間減圧熱処理を施す。この中間減圧熱処理は従来の不活性ガス雰囲気で行なう中間熱処理に代わる処理工程であり、水素吸収・分解処理したのち温度を500〜1000℃に保持したまま水素ガスを排気して減圧することにより所定の水素圧力に保持することができるから、不活性ガス雰囲気に交換する必要がなく、簡単な操作で中間減圧熱処理を施すことができ、しかも残留磁束密度を一層高める効果がある。
この中間減圧熱処理における水素圧力を水素吸収・分解処理時の水素圧力の20〜60%の圧力にした理由は、水素吸収・分解処理時の水素圧力の20%未満の圧力に保持すると異方性化の反応速度が速すぎるために保持力が低下してしまうので好ましくなく、一方、水素吸収・分解処理時の水素圧力の60%より高い水素圧力に保持すると、異方性化の反応がほとんど進まないので好ましくない。したがって、中間減圧熱処理における水素圧力を水素吸収・分解処理時の水素圧力の20〜60%の圧力に定めた。
【0014】
この中間減圧熱処理を施した後、さらに減圧水素中熱処理を施す。この減圧水素中熱処理は、水素吸収・分解処理した希土類磁石合金原料を水素圧力:0.65〜13kPaであって中間減圧熱処理の水素圧力よりも低い圧力の水素雰囲気中に保持する処理である。この減圧水素中熱処理を施すことにより保磁力および残留磁束密度を一層向上させることができる。
【0015】
この中間減圧熱処理を施しさらに減圧水素中熱処理を施したのち脱水素処理を行う。脱水素処理は到達圧:0.13kPa以下の真空雰囲気に保持することにより希土類磁石合金原料から強制的に水素を十分放出させ、それにより一層の相変態を促す処理である。0.13kPaを越える到達圧では十分に脱水素が行われないからである。
この脱水素処理後に行なう冷却は不活性ガス(Arガス)を流すことにより室温まで冷却する。冷却した後は粉砕して希土類磁石粉末とする。この粉砕して得られた希土類磁石粉末は必要に応じて熱処理することにより残留内部応力を除去する。
【0016】
【発明の実施の形態】
高周波真空溶解炉を用いて溶解し、得られた溶湯を鋳造して表1に示される成分組成の希土類磁石合金原料の鋳塊a〜hを製造した。これら鋳塊a〜hを不活性ガス雰囲気中で粉砕して10mm以下のブロックを作製した。
【0017】
【表1】
Figure 0004076017
【0018】
実施例
表1の鋳塊a〜eのブロックに表2に示される条件の水素吸収処理を施した後、この水素吸収処理したブロックを表2に示される条件で水素吸収・分解処理を施し、引き続いて表2に示される条件で中間減圧熱処理を行い、さらに表3に示される条件で減圧水素中熱処理を行い、さらに表3に示される条件で脱水素処理を行った後、Arガスで強制的に室温まで冷却し、300μm以下に粉砕して希土類磁石粉末を製造することにより本発明法1〜5を実施した。
【0019】
従来例
表1の鋳塊a〜eのブロックを表に示される実施例と同じ条件の水素吸収処理を施した後、実施例と同じ条件で水素吸収・分解処理を施し、引き続いて表に示される条件でArガス雰囲気の中間熱処理を行い、さらに表に示される条件で減圧水素中熱処理を行い、さらに表に示される条件で脱水素処理を行った後、Arガスで強制的に室温まで冷却し、300μm以下に粉砕して希土類磁石粉末を製造することにより従来法1〜5を実施した。
【0020】
本発明法1〜5および従来法1〜5により得られた希土類磁石粉末にそれぞれ3質量%のエポキシ樹脂を加えて混練し、1.6MA/mの磁場中で圧縮成形して圧粉体を作製し、この圧粉体をオーブンで150℃、2時間熱硬化して、密度:6.0〜6.1g/cm3のボンド磁石を作製し、得られたボンド磁石の磁気特性を表に示した。
【0021】
さらに、本発明法1〜5および従来法1〜5により得られた希土類磁石粉末を磁場中で圧縮成形して異方性圧粉体を作製し、この異方性圧粉体をホットプレス装置にセットし、磁場の印加方向が圧縮方向になるようにArガス中、温度:750℃、圧力:58.8MPa 、1分間保持の条件でホットプレスを行い、急冷して密度:7.5〜7.7g/cm3 のホットプレス磁石を作製し、得られたホットプレス磁石の磁気特性を表に示した。
【0022】
【表2】
Figure 0004076017
【0023】
【表3】
Figure 0004076017
【0024】
表1、表2および表3に示される結果から、水素吸収処理を施し、水素吸収・分解処理を施したのち中間減圧熱処理する本発明法1〜5により得られた希土類磁石粉末で作製したボンド磁石およびホットプレス磁石の磁気特性は、水素吸収処理を施し、水素吸収・分解処理を施したのちArガス雰囲気中で中間熱処理する従来法1〜5により得られた希土類磁石粉末で作製したボンド磁石およびホットプレス磁石の磁気特性に比べて、特に残留磁束密度が向上していることが分かる。
【0025】
実施例
表1の鋳塊f〜hのブロックに表に示される条件の水素吸収処理を施した後、この水素吸収処理したブロックを表に示される条件で水素吸収・分解処理を施し、引き続いて表に示される条件で中間減圧熱処理を行い、さらに表に示される条件で減圧水素中熱処理を行い、さらに表に示される条件で脱水素処理を行った後、Arガスで強制的に室温まで冷却し、300μm以下に粉砕して希土類磁石粉末を製造することにより本発明法6〜8を実施した。
【0026】
従来例
表1の鋳塊f〜hのブロックを表に示される実施例と同じ条件の水素吸収処理を施した後、実施例と同じ条件で水素吸収・分解処理を施し、引き続いて表に示される条件でArガス雰囲気の中間熱処理を行い、さらに表に示される条件で減圧水素中熱処理を行い、さらに表に示される条件で脱水素処理を行った後、Arガスで強制的に室温まで冷却し、300μm以下に粉砕して希土類磁石粉末を製造することにより従来法6〜8を実施した。
【0027】
本発明法6〜8および従来法6〜8により得られた希土類磁石粉末にそれぞれ3質量%のエポキシ樹脂を加えて混練し、1.6MA/mの磁場中で圧縮成形して圧粉体を作製し、この圧粉体をオーブンで150℃、2時間熱硬化して、密度:6.0〜6.1g/cm3のボンド磁石を作製し、得られたボンド磁石の磁気特性を表に示した。
【0028】
さらに、本発明法6〜8および従来法6〜8により得られた希土類磁石粉末を磁場中で圧縮成形して異方性圧粉体を作製し、この異方性圧粉体をホットプレス装置にセットし、磁場の印加方向が圧縮方向になるようにArガス中、温度:750℃、圧力:58.8MPa 、1分間保持の条件でホットプレスを行い、急冷して密度:7.5〜7.7g/cm3 のホットプレス磁石を作製し、得られたホットプレス磁石の磁気特性を表に示した。
【0029】
【表4】
Figure 0004076017
【0030】
【表5】
Figure 0004076017
【0031】
表1、表および表に示される結果から、水素吸収処理を施し、水素吸収・分解処理を施したのち中間減圧熱処理する本発明法6〜8により得られた希土類磁石粉末で作製したボンド磁石およびホットプレス磁石の磁気特性は、水素吸収処理を施し、水素吸収・分解処理を施したのちArガス雰囲気中で中間熱処理する従来法6〜8により得られた希土類磁石粉末で作製したボンド磁石およびホットプレス磁石の磁気特性に比べて、特に残留磁束密度が向上していることが分かる。
【0032】
【発明の効果】
(i)希土類磁石合金原料を水素吸収処理→水素吸収・分解処理→中間減圧熱処理→減圧水素中熱処理→脱水素処理の順序で施すこの発明の希土類磁石粉末の製造方法により作製した希土類磁石粉末は、水素吸収処理→水素吸収・分解処理→中間熱処理→減圧水素中熱処理→脱水素処理の順序で施す従来の希土類磁石粉末の製造方法により作製した希土類磁石粉末に比べて磁気異方性に優れている、
(ii)この発明の希土類磁石粉末の製造方法は、不活性ガスの導入は最後の冷却工程だけであって、その他の工程では水素ガスの導入および排出の圧力条件だけで制御することができるので製造コストを大幅に削減することができ、一層優れた希土類磁石粉末を安価に提供することができる、
など産業上優れた効果を奏するものである。

Claims (3)

  1. 希土類磁石合金原料を圧力:10〜1000kPaの水素ガス雰囲気中で室温から温度:500℃未満までの所定の温度に昇温、または昇温し保持することにより水素を吸収させる水素吸収処理を施し、
    この粉砕処理した前記希土類磁石合金原料を圧力:10〜1000kPaの水素ガス雰囲気中で500〜1000℃の範囲内の温度に昇温し保持することにより前記希土類磁石合金原料にさらに水素を吸収させて分解する水素吸収・分解処理を施し、
    引き続いて、水素吸収・分解処理を施した希土類磁石合金原料を500〜1000℃の範囲内の温度に保持しながら水素圧力を水素吸収・分解処理時の水素圧力の20〜60%の圧力の水素雰囲気中に保持する中間減圧熱処理を施し、
    引き続いて、500〜1000℃の範囲内の温度で圧力:0.65〜13kPaでかつ中間減圧熱処理の圧力よりも低い圧力の水素雰囲気中に保持することにより希土類磁石合金原料に水素を一部残したまま減圧水素中熱処理を行い、
    その後、500〜1000℃の範囲内の温度で到達圧:0.13kPa以下の真空雰囲気に保持することにより希土類磁石合金原料から強制的に水素を放出させて相変態を促す脱水素処理を施し、ついで冷却し、粉砕することを特徴とする磁気異方性に優れた希土類磁石粉末の製造方法。
  2. 前記請求項記載の希土類磁石合金原料は、原子%で(以下、%は原子%を示す)、
    R(但し、RはYを含む希土類元素を示す。以下同じ):10〜20%、B:3〜20%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる成分組成を有する希土類磁石合金原料、
    R:10〜20%、B:3〜20%、M(但し、MはGa、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Ni、Al、Ti、V、Cu、Cr、Ge、CおよびSiの内の1種または2種以上を示す。以下同じ):0.001〜5%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる成分組成を有する希土類磁石合金原料、
    R:10〜20%、Co:0.1〜50%、B:3〜20%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる成分組成を有する希土類磁石合金原料、または、
    R:10〜20%、Co:0.1〜50%、B:3〜20%、M:0.001〜5%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなる成分組成を有する希土類磁石合金原料であることを特徴とする磁気異方性に優れた希土類磁石粉末の製造方法。
  3. 前記請求項1または2記載の希土類磁石合金原料は、真空またはArガス雰囲気中、温度:600〜1200℃に保持の条件で均質化処理した希土類磁石合金原料であることを特徴とする磁気異方性に優れた希土類磁石粉末の製造方法。
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