JP4075811B2 - 内燃機関の可変動弁機構故障診断装置 - Google Patents

内燃機関の可変動弁機構故障診断装置 Download PDF

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Description

本発明は、バルブ特性を調節する可変動弁機構の調節状態をセンサにより検出し、このセンサの検出値に基づいて可変動弁機構に設けられたアクチュエータを駆動する可変動弁機構制御装置に関する。
内燃機関における燃費向上のためにバルブ作用角を可変とすることで吸入空気量を調節する可変動弁機構が知られている。このような可変動弁機構では、機構駆動のためのアクチュエータや、バルブ作用角の調節状態を検出するためのセンサが設けられている。しかしこれらアクチュエータやセンサが故障した場合には、バルブ作用角が調節できなくなるので、吸入空気量の低下により内燃機関が停止して退避走行ができなくなる場合がある。したがってこれらの故障を診断し、故障であると判断された場合には、バルブ作用角を退避走行が可能な状態に変更する技術が提案されている。例えばセンサが異常なときには、内燃機関運転状態に基づいてバルブ作用角を推定して、このバルブ作用角が故障時用の目標値になるように可変動弁機構のアクチュエータを駆動する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2000−314329号公報(第6−7頁、図11)
しかし上述した従来技術では、内燃機関運転状態に基づいてバルブ作用角を推定するので、センサ故障検出時には実際に内燃機関が運転状態にある必要があり、センサが故障していると検出された時点で内燃機関が停止していた場合あるいは内燃機関が過渡時である場合は、バルブ作用角を目標値に移動できない。このため、始動が困難となったり、継続して安定した機関運転が不可能となって、退避走行ができなくなる可能性が高い。
更に、センサではなく、アクチュエータが故障してバルブ作用角の変更自体が不可能となれば、バルブ作用角を大きくして機関出力を上げようとしてもできず、退避走行が不可能となる。又、可変動弁機構の構成によってはバルブ側から受ける力がバルブ作用角を小さくする方向に作用するが、アクチュエータが故障すると、この力に対抗することができなくなるので、内燃機関が停止してしまい、以後、始動や退避走行が不可能となる。
本発明は、可変動弁機構に故障が生じた場合における退避走行の確実性を高めることを目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の内燃機関の可変動弁機構故障診断装置は、内燃機関のバルブリフト量とバルブ作用角との一方又は両方のバルブ特性を調節する可変動弁機構に対する故障診断装置であって、前記可変動弁機構によるバルブ特性の調節範囲内に設定された退避走行可能領域にバルブ特性が存在すると判断された時に前記可変動弁機構の故障診断を実行する故障診断手段と、前記故障診断手段にて前記可変動弁機構が故障であると診断された場合に、バルブ特性を、前記退避走行可能領域に在る状態で保持する保持制御、あるいは前記退避走行可能領域よりも大きい状態で保持する保持制御を実行するバルブ状態保持手段とを備えたことを特徴とする。
このように故障診断手段による故障検出タイミングは、上記退避走行可能領域にバルブ特性が存在する場合である。したがってこのタイミングで可変動弁機構のセンサやアクチュエータが異常であると判定された場合、バルブ状態保持手段にて保持制御が実行される。
保持制御としては、バルブ特性が退避走行可能領域に在る状態で保持するか、あるいは退避走行可能領域よりも大きい状態で保持する処理である。上述したごとく故障診断タイミングは、バルブ特性が退避走行可能領域に存在する時であるので、保持制御としてバルブ特性を退避走行可能領域に在る状態に保持する場合には、バルブ特性の調節は不要となり、そのまま保持すれば良いのでアクチュエータやセンサが故障していても保持制御は可能である。
尚、センサが故障している場合、あるいはアクチュエータがバルブ特性を小さくする方向についてのみ故障している場合には、現在の退避走行可能領域よりもバルブ特性を大きくすることは可能である。したがって保持制御としてはバルブ特性を退避走行可能領域よりも大きい状態で保持することとしても良く、内燃機関の退避走行には十分に対処できる。
更に、故障診断を実行すると、診断開始時にバルブ特性が存在した退避走行可能領域よりもバルブ特性が大きい状態になることがある。しかし、このような状態に至った時にバルブ特性を保持しても、内燃機関の退避走行には十分に対処できる。
このように退避走行可能領域にバルブ特性が存在する場合に故障診断がなされることにより、故障と判定されても、バルブ特性を確実に退避走行可能領域あるいは退避走行可能領域よりも大きい状態に保持することができる。
したがって故障と判定された時に内燃機関が停止していたとしても確実に始動でき、退避走行も可能となる。又、内燃機関の運転状態が過渡状態にあっても内燃機関が停止するようなバルブ特性となる前にバルブ特性を十分に大きい状態で保持できるので退避走行ができなくなる事態が防止される。
このようにして可変動弁機構に故障が生じた場合における退避走行の確実性を高めることができる。
請求項2に記載の内燃機関の可変動弁機構故障診断装置では、請求項1において、前記可変動弁機構は、内燃機関のバルブリフト量とバルブ作用角との一方又は両方のバルブ特性を調節するコントロールシャフトをコントロールシャフト位置調節機構を介してアクチュエータにより駆動するとともに、前記コントロールシャフトによるバルブ特性をセンサにより検出し、該センサの検出値に基づいて前記アクチュエータが制御されることを特徴とする。
具体的には、請求項2に記載の内燃機関の可変動弁機構故障診断装置にあるように、内燃機関のバルブリフト量とバルブ作用角との一方又は両方のバルブ特性を調節するコントロールシャフトをコントロールシャフト位置調節機構を介してアクチュエータにより駆動するとともに、前記コントロールシャフトによるバルブ特性をセンサにより検出し、該センサの検出値に基づいて前記アクチュエータが制御される可変動弁機構に適用することができる。
請求項に記載の内燃機関の可変動弁機構故障診断装置では、請求項において、前記故障診断手段は前記センサの故障を判定することを特徴とする。
このようにセンサの故障の有無を、退避走行可能領域にバルブ特性が存在する場合に実行することになるので、以後、正常にバルブ特性の調節ができない状態が判明しても、故障判定後に確実に退避走行ができるバルブ特性に保持することが可能となる。したがって可変動弁機構に故障が生じた場合における退避走行の確実性を高めることができる。
請求項に記載の内燃機関の可変動弁機構故障診断装置では、請求項において、前記故障診断手段は前記アクチュエータの故障を判定することを特徴とする。
このようにアクチュエータの故障の有無を、退避走行可能領域にバルブ特性が存在する場合に実行することになるので、以後、正常にバルブ特性の調節ができない状態が判明しても、故障判定後に確実に退避走行ができるバルブ特性に保持することが可能となる。したがって可変動弁機構に故障が生じた場合における退避走行の確実性を高めることができる。
請求項に記載の内燃機関の可変動弁機構故障診断装置では、請求項1〜のいずれかにおいて、前記コントロールシャフト位置調節機構は、少なくとも前記退避走行可能領域にバルブ特性が存在する状態では前記アクチュエータの駆動力に寄らずにバルブ特性を保持可能であり、前記バルブ状態保持手段は、前記アクチュエータへの駆動力供給源からの駆動力出力を停止することにより、前記保持制御を実行することを特徴とする。
このようにコントロールシャフト位置調節機構が構成されている場合には、保持制御としては、アクチュエータへの駆動力供給源からの駆動力出力を停止することとしても良い。このことによりセンサあるいはアクチュエータのいずれが故障であっても、故障判定後に駆動エネルギーを消費させることなく確実に退避走行ができるバルブ特性に保持することが可能となる。したがって可変動弁機構に故障が生じた場合における退避走行の確実性を高めることができる。
請求項に記載の内燃機関の可変動弁機構故障診断装置では、請求項において、前記バルブ状態保持手段は、前記アクチュエータへの駆動力供給源からの駆動力出力を、バルブ特性が大きくなる方向とし、かつ正常時における駆動力出力よりも低レベルの出力状態に切り替えることにより、前記保持制御を実行することを特徴とする。
コントロールシャフト位置調節機構によってはコントロールシャフトがバルブ側から受ける力などにより次第にバルブ特性が小さくなって行く場合がある。又、コントロールシャフト位置調節機構が、少なくともバルブ特性が退避走行可能領域に存在する状態ではアクチュエータの駆動力に寄らずにバルブ特性を保持可能な構成であったとしても、内燃機関運転時の振動によりバルブ特性が退避走行可能領域からずれてしまう場合がある。
したがって保持制御として、アクチュエータへの駆動力供給源からの駆動力出力を、バルブ特性が大きくなる方向とし、かつ正常時における駆動力出力よりも低レベルの出力状態に切り替える。このことにより、バルブ特性が退避走行可能領域に在る状態、あるいは退避走行可能領域よりもバルブ特性が大きい状態に保持するようにしても良い。
更に、駆動力供給源からの駆動力出力を正常時における駆動力出力よりも低レベルの出力状態に切り替えているので、保持制御のためのエネルギーが少なくて良くなる。更にこのことにより、コントロールシャフト位置調節機構が高速にコントロールシャフトあるいはコントロールシャフトに連動する部材を移動させることが無い。したがってコントロールシャフトが終端まで移動したとしても、可変動弁機構の内部部材、コントロールシャフト位置調節機構あるいはコントロールシャフトなどが高速にストッパなどに衝突することが防止される。このため可変動弁機構の耐久性を高め、衝撃音による運転者への違和感を防止することができる。
請求項に記載の内燃機関の可変動弁機構故障診断装置では、請求項1〜のいずれかにおいて、前記可変動弁機構は、前記コントロールシャフト位置調節機構として渦巻きカムを備え、該渦巻きカムを前記アクチュエータにより回転させることで、前記コントロールシャフトを軸方向に移動させることにより内燃機関のバルブ特性を調節する機構であり、前記退避走行可能領域はバルブ特性が最大となる調節状態に設定され、前記渦巻きカムは前記退避走行可能領域に対応するカム面にカム回転軸を軸とする円弧面を有することを特徴とする。
コントロールシャフト位置調節機構としては上記渦巻きカムを用いた構成が挙げられる。このことによりアクチュエータにより渦巻きカムが回転するとカム面が次第に高くなり、逆転するとカム面が低くなる。このためコントロールシャフトの位置調節が回転アクチュエータにより容易にできる。
更に渦巻きカムは退避走行可能領域に対応するカム面にカム回転軸を軸とする円弧面を有するので、バルブ特性を調節するコントロールシャフトがこの円弧面にて調節される状態となると、コントロールシャフトに軸力が生じていても、渦巻きカムには、いずれの方向の回転力も生じないようになる。
したがってバルブ特性が退避走行可能領域にある時にはアクチュエータに駆動力を生じさせなくても良いし、内燃機関の振動によるずれを防止するためなら、駆動力は通常の駆動時よりも小さくても良い。したがって駆動エネルギーが少なくても、あるいは全くなくても保持制御が可能となる。
請求項に記載の内燃機関の可変動弁機構故障診断装置では、請求項1〜のいずれかにおいて、前記可変動弁機構は、前記コントロールシャフト位置調節機構としてウォームギアを備え、該ウォームギアを前記アクチュエータにより回転させて被駆動ギアを回転させることで、前記コントロールシャフトを軸方向に移動させることにより内燃機関のバルブ特性を調節する機構であることを特徴とする。
コントロールシャフト位置調節機構としては上記ウォームギアを用いることができる。このことによりアクチュエータによりウォームギアが回転するとウォームギアにより回転する被駆動ギアを介してコントロールシャフトを軸方向に移動させることができ、ウォームギアを逆回転させるとコントロールシャフトを逆方向に移動させることができる。このようにしてコントロールシャフトの位置調節がアクチュエータにより容易にできる。
更にウォームギアを用いているのでコントロールシャフトに生じている軸力によってウォームギア側を回転しないようにすることができる。したがってバルブ特性が退避走行可能領域にある時にはアクチュエータに駆動力を生じさせなくても良いし、内燃機関の振動によるずれを防止するためなら、駆動力は通常の駆動時よりも小さくても良い。したがって駆動エネルギーが少なくてあるいは全くなくても保持制御が可能となる。
更にバルブ特性がいかなる状態でもアクチュエータに駆動力を生じさせなくてもウォームギアの回転を停止できる。したがって退避走行可能領域の設定自由度が高くなり適用できるエンジンの種類が多くなる。
請求項に記載の内燃機関の可変動弁機構故障診断装置では、請求項において、前記可変動弁機構は、前記コントロールシャフト位置調節機構として渦巻きカムを備え、該渦巻きカムを前記アクチュエータにより回転させることで、前記コントロールシャフトを軸方向に移動させることにより内燃機関のバルブ特性を調節する機構であり、前記退避走行可能領域はバルブ特性が最大となる調節状態に設定され、前記渦巻きカムは前記退避走行可能領域に対応するカム面にカム回転軸を軸とする円弧面を有するとともに、前記故障診断手段は、バルブ特性が大きくなる方へ前記アクチュエータを駆動することにより、前記アクチュエータの故障を判定することを特徴とする。
渦巻きカムをコントロールシャフト位置調節機構として用いている場合には、故障判定としては、バルブ特性が大きくなる方へアクチュエータを駆動することによりアクチュエータの故障を判定しても良い。
この渦巻きカムは、退避走行可能領域が最大のバルブ特性であり、退避走行可能領域内ではバルブ特性は一定である。したがって退避走行可能領域内でバルブ特性が大きくなる方へアクチュエータを駆動したとしても、バルブ特性は実際には変化せず一定に保持される。そして最終的には調節限界に来て、アクチュエータは駆動力が供給されていても停止することになる。
このようにアクチュエータが正常に駆動されている場合に調節限界に来ると、駆動力の状態や駆動力供給源側において何らかの変化が生じる。したがってこの変化が捉えられない場合には、アクチュエータが故障していると判定できる。
尚、直接、アクチュエータの駆動量を測定することでバルブ特性を検出しているセンサの場合にはセンサの出力変化からアクチュエータの故障有無を診断しても良い。
更にこのような故障診断処理では、バルブ特性が一定に維持されたままであるので、燃焼性に影響させずに故障診断ができる。
請求項10に記載の内燃機関の可変動弁機構故障診断装置では、請求項において、前記可変動弁機構は、前記コントロールシャフト位置調節機構としてウォームギアを備え、該ウォームギアを前記アクチュエータにより回転させて被駆動ギアを回転させることで、前記コントロールシャフトを軸方向に移動させることにより内燃機関のバルブ特性を調節する機構であり、前記故障診断手段は、バルブ特性が大きくなる方へ前記アクチュエータを駆動することにより、前記アクチュエータの故障を判定することを特徴とする。
ウォームギアをコントロールシャフト位置調節機構として用いている場合には、故障判定としては、バルブ特性が大きくなる方へアクチュエータを駆動することによりアクチュエータの故障を判定しても良い。
このウォームギアの場合には退避走行可能領域は最大バルブ特性に設定することもできるが、内燃機関によっては最大バルブ特性よりも小さいバルブ特性位置に設定する場合もある。
退避走行可能領域が最大バルブ特性に設定されている場合には、前記請求項にて説明したごとくアクチュエータが正常に駆動されている場合には、バルブ特性が大きくなる方へアクチュエータを駆動すると直ちに調節限界に来る。そしてこのことにより駆動力の状態や駆動力供給源側において調節限界となる前と後とで何らかの変化が生じる。したがってこの変化が捉えられない場合には、アクチュエータが故障していると判定できる。
退避走行可能領域が最大バルブ特性よりも小さいバルブ特性に設定されている場合には、バルブ特性が大きくなる方へアクチュエータを駆動すれば正常ならばセンサの検出値に現れることになる。しかしこのセンサの検出値にバルブ特性変化が現れない場合にはアクチュエータが故障していると判定できる。
更にこのような故障診断処理後では、バルブ特性は退避走行可能領域に在る状態、あるいは退避走行可能領域よりもバルブ特性が大きい状態に保持されている。したがって内燃機関が停止していたとしても確実に始動でき、退避走行も可能となる。又、内燃機関の運転中であっても内燃機関が停止するようなバルブ特性となる前にバルブ特性を保持できる。
このようにして可変動弁機構に故障が生じた場合における退避走行の確実性を高めることができる。又、退避走行可能領域の設定自由度が高いことは前記請求項7にて述べたごとくである。
請求項1に記載の内燃機関の可変動弁機構故障診断装置では、請求項又は10において、前記故障診断手段は、内燃機関の通常制御時における駆動力出力よりも低レベルの出力状態にて、バルブ特性が大きくなる方への前記アクチュエータの駆動を行うことを特徴とする。
このように故障診断のために行われるバルブ特性が大きくなる方へのアクチュエータの駆動は、正常時における駆動力出力、すなわち内燃機関の通常制御時のバルブ特性調節に比較して低レベルの出力状態にて行われる。このため調節限界に来たとしても衝突時の運動量が少なくて済むので、可変動弁機構の耐久性を高め、衝撃音による運転者への違和感を防止することができる。
請求項1に記載の内燃機関の可変動弁機構故障診断装置では、請求項10、1のいずれかにおいて、前記故障診断手段は、バルブ特性が大きくなる方への前記アクチュエータの駆動が正常であった場合に、バルブ特性が小さくなる方へ前記アクチュエータを駆動することにより、バルブ特性を小さくする場合における前記アクチュエータの故障を判定することを特徴とする。
アクチュエータの故障には一方方向での駆動については異常ないが、それとは反対方向については駆動できない故障が存在する。したがって、バルブ特性を大きくする方向にてアクチュエータが故障していた場合、もし先にバルブ特性を小さくすることによりアクチュエータが故障ではないと判定した後に、バルブ特性を大きくしようとしてもできず、退避走行可能領域から小さい方へはずれたままとなる可能性がある。更にこのことに起因してバルブ特性が次第に小さくなって行く場合がある。
しかし、ここでは故障診断としてバルブ特性が大きくなる方への駆動を最初にする。このことによりバルブ特性が大きくなる方で故障であれば直ちに保持制御することによりバルブ特性が退避走行可能領域に在る状態に保持されるので、始動や退避走行が可能となる。
そしてバルブ特性が大きくなる方では故障ではないと判定された場合に初めてバルブ特性が小さくなる方へアクチュエータを駆動し、このことによりバルブ特性が小さくする場合におけるアクチュエータの故障を判定する。この判定にて故障が判明しても、バルブ特性が大きくなる方へは駆動できるので直ちにバルブ特性を大きくして退避走行可能領域あるいはこれ以上のバルブ特性とすることができる。
このことにより可変動弁機構に故障が生じた場合における退避走行の確実性を高めることができる。
請求項1に記載の内燃機関の可変動弁機構故障診断装置は、請求項2において、前記可変動弁機構は、前記コントロールシャフト位置調整機構としてウォームギアを備え、該ウォームギアを前記アクチュエータにより回転させて被駆動ギアを回転させることで、前記コントロールシャフトを軸方向に移動させることにより内燃機関のバルブ特性を調節する機構であり、前記退避走行可能領域は退避走行可能なバルブ特性の調節位置の下限よりも大きい領域に設定されるとともに、前記故障診断手段は、バルブ特性が小さくなる方へ前記アクチュエータを駆動することにより、前記アクチュエータの故障を判定することを特徴とする。
このようにウォームギアをコントロールシャフト位置調節機構として用いている場合に、退避走行可能領域が退避走行可能なバルブ特性の調節位置の下限よりも大きい領域に設定されている場合には、故障判定としては、バルブ特性が小さくなる方へアクチュエータを駆動しても良い。
アクチュエータが正常であれば、センサの検出値が変化すると予想される調節位置までバルブ特性が小さくなる方へアクチュエータを駆動すればセンサの検出値に現れることになる。しかしセンサの検出値にバルブ特性変化が現れない場合にはアクチュエータが故障していると判定できる。
更に、退避走行可能領域は実際に退避走行可能なバルブ特性の調節位置の下限よりも大きい調節位置に設定されている。このためバルブ特性を小さくすることによる故障診断処理後でも、バルブ特性は事実上退避走行可能なバルブ特性状態に保持することが可能である。したがって内燃機関が停止していたとしても確実に始動でき、退避走行も可能となる。又、内燃機関の運転中であっても内燃機関が停止するようなバルブ特性となる前にバルブ特性を保持できる。
このようにして可変動弁機構に故障が生じた場合における退避走行の確実性を高めることができる。又、退避走行可能領域の設定自由度が高いことは前記請求項にて述べたごとくである。
請求項1に記載の内燃機関の可変動弁機構故障診断装置では、請求項1において、前記故障診断手段は、バルブ特性が小さくなる方への前記アクチュエータの駆動が正常であった場合に、バルブ特性が大きくなる方へ前記アクチュエータを駆動することにより、バルブ特性を大きくする場合における前記アクチュエータの故障を判定することを特徴とする。
アクチュエータの故障には一方方向での駆動については異常ないが、それとは反対方向については駆動できない故障が存在する。したがって、バルブ特性を小さくする方向にてアクチュエータが故障していた場合、もし先にバルブ特性を大きくすることによりアクチュエータが故障ではないと判定した後に、バルブ特性を小さくしようとしてもできず、退避走行可能領域から大きい方へはずれたままとなる可能性がある。しかしこの場合にはバルブ特性は退避走行可能領域より大きい状態が確保されるため、始動や退避走行は可能である。
したがってこの場合にはバルブ特性を小さくする方向に駆動してアクチュエータの故障診断を行い、この故障診断にて故障ではないと判定されれば、バルブ特性を大きくする方向に駆動してアクチュエータの故障診断を行っても良い。
このことによって可変動弁機構に故障が生じた場合における退避走行の確実性を高めることができる。
請求項1に記載の内燃機関の可変動弁機構故障診断装置では、請求項1〜1のいずれかにおいて、内燃機関の停止時に、バルブ特性を、始動するために設定されたイニシャル状態となるように前記アクチュエータを駆動する始動時バルブ特性設定手段を備えるとともに、前記イニシャル状態は前記退避走行可能領域に設定されていることを特徴とする。
このような始動時バルブ特性設定手段が設けられていることにより、始動時においてはバルブ特性は退避走行可能領域に設定されていることになる。したがって始動時において内燃機関の運転前に故障診断を実行できる。しかも故障であると判定されれば、少なくともイニシャル状態を保持、あるいはイニシャル状態以上のバルブ特性を保持できる。したがって可変動弁機構に故障が生じた場合における退避走行の確実性を高めることができる。
[実施の形態1]
図1は、車両に搭載された内燃機関としてのガソリンエンジン(以下、「エンジン」と略す)2、及び制御装置としての電子制御ユニット(以下、「ECU」と称す)4の概略構成図を示している。エンジン2は複数気筒エンジン、ここでは4気筒エンジンであり、この内の1気筒についての可変動弁系を図2の縦断面図に示す。各気筒には吸気バルブ2aと排気バルブ2bとが各2つ設けられて、4バルブエンジンとして構成されている。尚、気筒数は6気筒でも8気筒でも良く、更に2バルブエンジンでも5バルブエンジンでも良い。
エンジン2の出力は変速機を介して最終的に車輪に走行駆動力として伝達される。エンジン2には、ピストン6、シリンダブロック8及びシリンダヘッド10により区画された燃焼室12が形成されている。そしてシリンダヘッド10には燃焼室12内の混合気に点火するために点火プラグ14及び燃焼室12内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁16(図1)が設けられている。尚、燃料噴射弁16は燃焼室12に接続している吸気ポート18に燃料を噴射するものであっも良い。
吸気ポート18は吸気バルブ2aの駆動により開閉され、この吸気ポート18に接続された各吸気通路20はサージタンク22に接続されている。サージタンク22の上流側にはモータ24によって開度(スロットル開度TA)が調節されるスロットルバルブ26が設けられている。このスロットルバルブ26は通常はほぼ全開状態にあるが、エンジン2の状態によっては、スロットル開度TAを制御して吸入空気量GAを調節する場合がある。例えば、後述するごとく可変動弁機構54の故障が検出されて、吸気バルブ2aのバルブ作用角がイニシャル状態に保持された時には、スロットル開度TAの調節により退避走行を可能とする。このスロットル開度TAはスロットル開度センサ28により検出されECU4に読み込まれている。吸入空気量GAはスロットルバルブ26の上流側に設けられた吸入空気量センサ30により検出され、吸気温THAはスロットルバルブ26の上流側に設けられた吸気温センサ32により検出されてECU4に読み込まれている。
燃焼室12に接続している排気ポート34は排気バルブ2bの駆動により開閉される。排気ポート34に接続された排気通路36の途中には排気浄化用触媒コンバータ38が配置されている。この排気浄化用触媒コンバータ38の上流側の排気通路36に設けられた空燃比センサ40により、排気通路36における排気成分に基づいて空燃比AFが検出され、ECU4に読み込まれている。
ECU4はデジタルコンピュータを中心として構成されているエンジン制御回路である。このECU4は、上述したスロットル開度センサ28、吸入空気量センサ30、吸気温センサ32、空燃比センサ40以外にもエンジン2の運転状態を検出するセンサ類から信号を入力している。すなわちアクセルペダル42の踏み込み量(アクセル開度ACCP)を検出するアクセル開度センサ44、クランクシャフト6aの回転からエンジン回転数NEを検出するエンジン回転数センサ46、及び吸気カムシャフトの回転から基準クランク角を決定する基準クランク角センサ48から信号を入力している。又、吸気バルブ2aのバルブ作用角を検出するためのスライドセンサ50、エンジン冷却水温THWを検出する冷却水温センサ52からも信号を入力している。更に上述したセンサ以外にも各種のデータを検出するセンサが設けられている。
尚、本実施の形態ではバルブリフト量もバルブ作用角に連動して変化するので、上記スライドセンサ50はバルブリフト量を検出しているセンサでもある。以下、バルブ作用角について説明される調節や挙動は、同時にバルブリフト量についての調節や挙動を説明しているものでもある。
ECU4は、上述した各センサからの検出内容に基づいて、燃料噴射弁16、スロットルバルブ用モータ24あるいは点火プラグ14に対する制御信号によりエンジン2の燃料噴射時期、燃料噴射量、スロットル開度TA及び点火時期等を適宜制御する。更にECU4は、アクセル開度ACCP及びエンジン回転数NEに基づいて、吸気バルブ2aのバルブ作用角とバルブタイミングとを調節する可変動弁機構54に対する制御信号により、吸気バルブ2aのバルブ作用角とバルブタイミングとを調節している。この内、主としてバルブ作用角の調節により吸入空気量が調節されている。
可変動弁機構54はバルブ作用角調節機構56とバルブタイミング調節機構58とから構成されている。バルブ作用角調節機構56は、図2〜図5に示す仲介駆動機構60と、図9に示すシャフトスライド機構100とを備えている。
図2に示したごとく仲介駆動機構60は、吸気バルブ2aに対して設けられたローラロッカーアーム62と、吸気カムシャフト64に設けられた吸気カム64aとの間に配置されて、吸気カム64aからのバルブ駆動力を仲介してローラロッカーアーム62に与えることで、吸気バルブ2aを駆動させている。
各気筒毎に設けられている仲介駆動機構60は図3の斜視図及び図4の水平破断斜視図に示すごとく、図示中央に設けられた入力部66、入力部66の一端側に設けられた第1揺動カム68、第1揺動カム68とは反対側に設けられた第2揺動カム70及び内部に配置されたスライダギア72を備えている。
入力部66のハウジング66aは内部に軸方向に空間を形成し、この空間の内周面には軸方向に右ネジの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン66bを設けている。又、ハウジング66aの外周面からは平行な2つのアーム66c,66dが突出して形成されている。これらアーム66c,66dの先端には、ハウジング66aの軸方向と平行なシャフト66eを有するローラ66fが回転可能に取り付けられている。尚、図2に示したごとく、ローラ66fが吸気カム64a側に常に接触するように、スプリング66gの付勢力がアーム66c,66dあるいはハウジング66aに与えられている。
第1揺動カム68のハウジング68aは、内部に軸方向に空間を形成し、この内部空間の内周面には軸方向に左ネジの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン68bを設けている。又、このハウジング68aの内部空間は径の小さい中心孔を有するリング状の軸受部68cにて一端が覆われている。又、ハウジング68aの外周面からは略三角形状のノーズ68dが突出して形成されている。このノーズ68dの一辺は凹状に湾曲するカム面68eを形成している。
第2揺動カム70のハウジング70aは、内部に軸方向に空間を形成し、この内部空間の内周面には軸方向に左ネジの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン70bを設けている。又、このハウジング70aの内部空間は径の小さい中心孔を有するリング状の軸受部70cにて一端が覆われている。又、ハウジング70aの外周面からは略三角形状のノーズ70dが突出して形成されている。このノーズ70dの一辺は凹状に湾曲するカム面70eを形成している。
これらの第1揺動カム68および第2揺動カム70は、軸受部68c,70cを外側にして、入力部66に対して両側から各端面を同軸上で接触させるように配置され、全体が図3に示したごとく内部空間を有する略円柱状となる。
入力部66及び2つの揺動カム68,70から構成される内部空間には、スライダギア72が配置されている。スライダギア72は略円柱状をなし、外周面中央には右ネジの螺旋状に形成された入力用ヘリカルスプライン72aが設けられている。この入力用ヘリカルスプライン72aの一端側には小径部72bを挟んで左ネジの螺旋状に形成された第1出力用ヘリカルスプライン72cが設けられている。第1出力用ヘリカルスプライン72cとは反対側には小径部72dを挟んで左ネジの螺旋状に形成された第2出力用ヘリカルスプライン72eが設けられている。尚、これら出力用ヘリカルスプライン72c,72eは入力用ヘリカルスプライン72aに対して外径が小さく形成されている。
スライダギア72の内部には中心軸方向に貫通孔72fが形成されている。そして図5に縦断面で示したごとく、入力用ヘリカルスプライン72aの位置にて、貫通孔72fの内周面に周方向に周溝72gが形成されている。この周溝72gには一カ所にて径方向に外部に貫通するピン挿入孔72hが形成されている。
スライダギア72の貫通孔72f内には支持パイプ80が周方向に摺動可能に配置される。この支持パイプ80は全気筒の仲介駆動機構60に対して共通の1本が設けられている。支持パイプ80には各仲介駆動機構60に対応する位置に軸方向に長く形成された長孔80aが開口している。
更に支持パイプ80内には、コントロールシャフト82が軸方向に摺動可能に貫通して配置されている。そして支持パイプ80の各長孔80aに対応する位置には、軸直角方向の支持穴82bが設けられている。この支持穴82bにはそれぞれコントロールピン82aの基端部が挿入されることにより、コントロールピン82aが軸直角方向に突出するように支持されている。
そしてコントロールシャフト82が支持パイプ80の内部に配置されている状態では、各コントロールピン82aの先端は、支持パイプ80に形成されている軸方向の長孔80aを貫通し、スライダギア72の内周面に形成されている周溝72gに挿入されている。
このような構成により、各スライダギア72はコントロールシャフト82の移動により軸方向への移動が可能であり、コントロールシャフト82の位置制御により各仲介駆動機構60におけるスライダギア72の位置を決定できる。ただし、各スライダギア72は周溝72gにてコントロールピン82aに係止されているので、軸周りについてはコントロールピン82aの位置に関わらず揺動可能となっている。
スライダギア72の内で、入力用ヘリカルスプライン72aは入力部66内部のヘリカルスプライン66bに噛み合わされている。そして第1出力用ヘリカルスプライン72cは第1揺動カム68内部のヘリカルスプライン68bに噛み合わされ、第2出力用ヘリカルスプライン72eは第2揺動カム70内部のヘリカルスプライン70bに噛み合わされている。
そして各仲介駆動機構60は、揺動カム68,70の軸受部68c,70c側にてシリンダヘッド10上に軸方向への移動が阻止される状態で取り付けられている。このためコントロールシャフト82がスライダギア72を軸方向に移動させても、入力部66及び揺動カム68,70は軸方向に移動することはない。
したがって仲介駆動機構60の内部空間内でスライダギア72の軸方向移動量を調節することにより、ヘリカルスプライン72a,66b,72c,68b,72e,70bの機能により、入力部66と揺動カム68,70との位相差を変更できる。そしてこのことにより、ローラ66fとノーズ68d,70dとの位置関係を変更することができる。
ここで図6はコントロールシャフト82を最大限L方向(図3,4の矢印)へ移動させた場合の仲介駆動機構60の作動状態を示している。図6の(A)が閉弁時、図6の(B)が開弁時である。この場合には入力部66のローラ66fと揺動カム68,70のノーズ68d,70dとの相対的位置関係が最も近い状態となる。このため図6の(B)に示すごとく吸気カム64aが最大限に入力部66のローラ66fを押し下げても、ノーズ68d,70dのカム面68e,70eによるロッカーローラ62aの押し下げ量は最小、ここでは押し下げ量は0となる。このため吸気バルブ2aのバルブ作用角(開弁時から閉弁時までのクランク角幅)は0となる。したがって吸気バルブ2aは閉じたままとなり、吸気ポート18から燃焼室12内への吸入空気量は0となる。
図7は、コントロールシャフト82を最大限H方向(図3,4の矢印)へ移動させた場合の仲介駆動機構60の作動状態を示している。図7の(A)が閉弁時、図7の(B)が開弁時である。この場合には入力部66のローラ66fと揺動カム68,70のノーズ68d,70dとの相対的位置関係が最も遠い状態となる。このため図7の(B)に示すごとく吸気カム64aが最大限に入力部66のローラ66fを押し下げた時には、ノーズ68d,70dのカム面68e,70eによるロッカーローラ62aの押し下げ量は最大となり、吸気バルブ2aのバルブ作用角は最大となる。したがって図6の場合とは異なり、吸気バルブ2aは吸気行程で最大に開き、吸気ポート18から燃焼室12内への吸入空気量も最大限の状態となる。
そしてコントロールシャフト82の軸方向位置を調節することで、図6の状態と図7の状態との間で連続的に吸気バルブ2aのバルブ作用角を調節できる。このようなバルブ作用角の連続調節状態を図8のグラフに示す。図8においてMINで示す状態が図6の場合に該当し、吸気行程となっても吸気バルブ2aは開弁しない。図8においてMAXで示す状態が図7の場合に該当し、吸気行程では最大限のバルブ作用角とすることができる。このことによりスロットルバルブ26によることなく、吸入空気量の調節が可能となる。尚、図8においてはバルブタイミング調節機構58によるバルブタイミングの変更も同時に実行された場合を示している。
コントロールシャフト82を軸方向に移動させるシャフトスライド機構100を図9に示す。シャフトスライド機構100は、駆動用モータ102(アクチュエータに相当)、渦巻きカム104(コントロールシャフト位置調節機構に相当)及びスライドセンサ50(コントロールシャフトによるバルブ特性を検出するセンサに相当)を備えている。
駆動用モータ102は、シリンダヘッド10に固定され、ECU4からの駆動信号により、駆動力供給源に相当するバッテリからの電力供給が制御される。このことで駆動用モータ102はカム軸104aを回転させて渦巻きカム104の回転位相を変化させることができる。尚、駆動用モータ102は直接、渦巻きカム104を回転させても良いが、ギヤを介して減速回転させても良い。渦巻きカム104の回転は360°より小さい範囲Kθに限定されている。この範囲Kθを超えて回転しようとするとストッパにて機械的にカム軸104aの回転が阻止される。
スライドセンサ50の検出ロッド50aは図12に示すごとくコントロールシャフト82の一端に設けられたカムフレーム110に固定されている。ECU4は、シリンダヘッド10側に固定したスライドセンサ50の検出コイル50bから、コントロールシャフト82に連動するカムフレーム110の移動量を測定することで、吸気バルブ2aのバルブ作用角を検出している。
上述した渦巻きカム104の機能により図10に示すごとくのカム軸104aの回転角θvとバルブ作用角VLとの関係が実現されている。この図10の関係を設定している渦巻きカム104とコントロールシャフト82と関係及び動作を図12に示す。
コントロールシャフト82の一端に設けられたカムフレーム110は、内部空間に渦巻きカム104を収納している。カムフレーム110は、コントロールシャフト82が取り付けられている側とは反対側の内周面110aにて、渦巻きカム104の渦巻き状カム面108に接触している。この内周面110aはコントロールシャフト82の軸方向とは垂直に形成された平面であるが、平面でなく渦巻き状カム面108に向けて突起状に形成されていても良い。尚、内周面110aが常に渦巻き状カム面108に接触するように、カムフレーム110あるいはコントロールシャフト82には図示するごとくの方向にバネ力が付与されている。尚、吸気バルブ2aから仲介駆動機構60を介してコントロールシャフト82に与えられる軸力が或る程度あれば、バネ力を付与する必要はない。
ここでカムフレーム110の位置調節は次のようになされる。図12の(A)に示すごとく渦巻きカム104が最小バルブ作用角側の限界位置となるまで駆動用モータ102(図9)を回転させると、渦巻きカム104は渦巻き状カム面108内で最もカム軸104aに近い側、すなわち最も低いカム面部分がカムフレーム110の内周面110aに当接する。この時、カムフレーム110は最大限L方向に移動し、カムフレーム110に連動して、コントロールシャフト82もバネ力あるいは軸力により最大限L方向に移動している。したがって図6に示した最小バルブ作用角の状態が実現される。
駆動用モータ102を回転させて、渦巻きカム104を図12の(B)に示すごとく矢印方向に回転させると、渦巻き状カム面108の高さは次第に高くなり、これによりカムフレーム110の内周面110aが図示右側に押されてカムフレーム110全体もH方向に移動する。これに連動してコントロールシャフト82もバネ力あるいは軸力に抗してH方向に移動する。したがってバルブ作用角が増加する。
そして図12の(C)に示すごとく更に矢印方向に回転すると、渦巻き状カム面108内で最も高い場所がカムフレーム110の内周面110aに当接するようになる。この時、カムフレーム110は最大限H方向に移動しており、カムフレーム110に連動して、コントロールシャフト82もバネ力あるいは軸力に抗して最大限H方向に移動している。したがって図7に示した最大バルブ作用角の状態が実現される。
尚、図9,10に示したごとく渦巻き状カム面108には、最大バルブ作用角側において幅dθxの範囲で渦巻きカム104の回転角θvが変化してもカム面の高さが変化しない不変作用角領域108aが存在する。この不変作用角領域108aのカム面部分はカム軸104aの回転中心Pを軸とする円弧面をなしている。したがって不変作用角領域108aでは、渦巻きカム104の回転位相にかかわらずコントロールシャフト82は移動せず、吸気バルブ2aのバルブ作用角は最大バルブ作用角に維持されることになる。
すなわち図12の(C)から図12の(D)の状態まで渦巻きカム104は回転可能であり、図12の(D)の状態ではシャフトスライド機構100の内部に設けられているストッパによりこれ以上の回転が阻止される。この図12の(C)の状態でカムフレーム110の内周面110aが当接しているカム面部分が不変作用角領域108aの開始位置である。そして、図12の(D)の状態では、まだカムフレーム110の内周面110aは不変作用角領域108aに当接しているので、図12の(C)〜図12の(D)の回転では吸気バルブ2aは最大バルブ作用角に維持されることになる。
渦巻きカム104の渦巻き状カム面108は、バネ力や軸力を、カムフレーム110の内周面110aから受けている。この力を、不変作用角領域108a以外の渦巻き状カム面108で受けている場合は図示矢印とは反対方向の回転力を受ける。このため渦巻きカム104の位相を保持するためには、駆動用モータ102には上記回転力に対抗するトルクを継続的に出力する必要がある。この保持用の出力トルクは図11に示すごとく回転角θvが増加してバルブ作用角が増加するのに応じて大きくなる。しかし不変作用角領域108aで受けている場合は回転力は生じることはない。したがって不変作用角領域108aでは渦巻きカム104の位相を保持するための駆動用モータ102の出力は0となる。
ECU4は、エンジン2の停止時に駆動用モータ102を制御してカムフレーム110の内周面110aが当接する位置を不変作用角領域108aとするイニシャル状態化処理を実行している。例えばエンジン停止要求時に燃料噴射弁16からの燃料噴射を停止してエンジン運転を停止した後、スライドセンサ50にて図12の(C)の状態に移動させる。そして更に駆動用モータ102をゆっくり回転させて図12の(D)の状態として駆動用モータ102を停止する。この図12の(D)への到達はストッパにて停止した場合の電流量の増加により判定する。そして、このようにして図12の(D)への状態移動が完了した場合には不揮発メモリにイニシャル状態を示すイニシャルフラグを「ON」として立てておく。
したがって通常、エンジン始動時には吸気バルブ2aのバルブ作用角は最大バルブ作用角となっている。このことにより、エンジン2はイニシャル状態(=最大バルブ作用角)にて始動されることになる。
尚、図1に示したバルブタイミング調節機構58は、オイルコントロールバルブ(以下、「OCV」と称する)と油圧回転機構とから構成されている。そしてECU4によるデューティ制御により、OCVから油圧回転機構の各油圧室への油圧配分を制御して、吸気カムシャフト64とクランクシャフト6aとの回転位相をずらすことにより、バルブタイミングを変更している。そして上述したバルブ作用角調節機構56と共に機能することで前記図8のごとくのバルブ作用角及びバルブタイミングの制御を行っている。
次にECU4によるスライドセンサ50の検出値に基づくバルブ作用角制御処理について説明する。
図13にバルブ作用角制御処理のフローチャートを示す。本処理は一定の時間周期で繰り返し実行される処理である。
本処理が開始されると、まずバルブ作用角が前述したイニシャル状態にあるか否かが判定される(S102)。ここでは前述したごとく不揮発メモリに記録されているイニシャル状態を示すイニシャルフラグが「ON」か否かを判定する。ここでエンジン始動の場合であると考えると、イニシャルフラグ=「ON」であれば(S102で「YES」)、スライドセンサ50の異常を診断する(S104)。スライドセンサ50は自己異常診断のために内部に備えられた2つのコイルによりそれぞれ測定しており、ECU4はこれらの2つのコイルからの出力値の差が大きくなった場合には異常があるものとする診断処理ができる。本実施の形態ではバルブ作用角がイニシャル状態にある時には必ずスライドセンサ50の異常を診断することになる。
次にステップS104の異常診断処理にてスライドセンサ50が異常であると診断されたか否かが判定される(S106)。異常でない場合には(S106で「NO」)、通常運転時のバルブ作用角可変制御処理が実行される(S110)。すなわちエンジン2の運転状態、ここではアクセル開度ACCPとエンジン回転数NEとに基づいて予め実験により定められたマップから負荷率(最大機関負荷に対する負荷の割合)が計算され、この負荷率に基づいて目標バルブ作用角が設定される。そしてこの目標バルブ作用角となるようにスライドセンサ50の検出値に基づいて駆動用モータ102を制御する処理が行われる。
尚、冷間始動時であった場合には、ステップS110のバルブ作用角制御処理では、暖機完了までバルブ作用角をイニシャル状態に維持する処理が優先的に行われる。このため、暖機完了まではスライドセンサ50に異常がないと判断されていても、ステップS102にて「YES」と判定されて、スライドセンサ50の異常診断(S104)は継続する。
例えば既にエンジン2の停止中にスライドセンサ50に異常が生じていた場合には(S106で「YES」)、次に異常時におけるバルブ作用角保持処理を実行する(S108)。このバルブ作用角保持処理は、バルブ作用角がイニシャル状態とされている現状を維持する処理である。すなわち前記ステップS110で述べたごとくの通常運転時のバルブ作用角可変制御処理は実行せずにバルブ作用角をイニシャル状態から変更しないように保持する処理である。
イニシャル状態では、カムフレーム110に当接しているのは不変作用角領域108aであるので渦巻きカム104に回転トルクを生じさせることない。このためバルブ作用角保持処理としては、単に駆動用モータ102に対する通電を停止して駆動力を生じさせないようにしても良い。ただし、退避走行におけるエンジン運転で生じる機関振動によりカムフレーム110の当接位置が不変作用角領域108aからずれるおそれもある。したがって本実施の形態では、この振動を考慮して駆動用モータ102により渦巻きカム104に対してバルブ作用角が大きくなる方向へのトルクを、通常の駆動時よりも出力を低下させた状態で与えている。このような駆動用モータ102に対する駆動制御を継続することで渦巻きカム104が回転しようとしてもシャフトスライド機構100内に設けられたストッパにより図12の(D)に示した状態で保持される。
このようにして可変動弁機構54の内でスライドセンサ50が故障状態であると判断されると、この異常はダッシュボードの警告ランプにて運転者に知らされる。しかし吸気バルブ2aのバルブ作用角はイニシャル状態であるためエンジン2は始動可能であり、スロットルバルブ26の制御や燃料噴射弁16からの燃料噴射量制御により退避走行も可能であることから、運転者は車両を修理工場まで走行させることができる。
そしてバルブ作用角保持処理(S108)の継続により、始動後においてもステップS102では「YES」と判定されて、スライドセンサ50の異常診断(S104)が繰り返される。異常であるとの診断が繰り返されれば(S106で「YES」)、バルブ作用角保持処理(S108)を継続することになる。
又、スライドセンサ50が正常な状態に復帰した場合には、ステップS106にて「NO」と判定されるようになるので、通常運転時のバルブ作用角可変制御処理(S110)が実行されるようになる。このことによりバルブ作用角がイニシャル状態を脱すると、ステップS102では「NO」と判定され、以後、通常運転時のバルブ作用角可変制御処理(S110)が継続する。
又、ECU4は、エンジン運転中においても、バルブタイミング調節機構58が故障した場合には、バルブオーパラップ状態が異常な状態になって安定したエンジン運転ができなくなるのを防止するため、バルブ作用角=イニシャル位置とすることがある。この時にもイニシャルフラグ=「ON」に設定される。
このような場合においても、ステップS102にて「YES」と判定されることにより、スライドセンサ50の異常診断が実行される。したがって、バルブタイミング調節機構58の故障後に、更にスライドセンサ50が異常となれば、その後、バルブタイミング調節機構58が回復しても、スライドセンサ50の異常が継続する限りバルブ作用角保持処理(S108)も継続されてバルブ作用角はイニシャル状態に保持される。
図14のタイミングチャートに本実施の形態における制御の一例を示す。図14の(A)の例では、エンジン停止(t0)の後、駆動用モータ102により渦巻きカム104を回転させて、バルブ作用角をイニシャル状態にしている(t1)。その後、エンジン始動のためにイグニッション・オンにすると(t2)、バルブ作用角をイニシャル状態に保持したままで、スライドセンサ50の異常診断を実行する(t2〜t3)。尚、この間(t2〜t3)にクランキングによるエンジン始動も開始される。そして異常でないと判定されたので(t3)、通常運転時のバルブ作用角可変制御処理に移行し(t3〜t4)、通常運転時のバルブ作用角可変制御処理が実行される(t4〜)。
図14の(B)は冷間始動時の例である。時刻t10〜t13の間は上記(A)の場合の時刻t0〜t3と同様に推移して、スライドセンサ50は異常ではないと判定されるが、暖機中はバルブ作用角はイニシャル状態を保持している(t13〜t14)。そして暖機が完了すると(t14)、通常運転時のバルブ作用角可変制御処理に移行し(t14〜t15)、以後、通常運転時のバルブ作用角可変制御処理が実行される(t15〜)。
図14の(C)は異常診断にてスライドセンサ50が異常であると診断された例である。時刻t20〜t23の間は上記(A)の場合の時刻t0〜t3と同様に推移し、異常診断(t22〜t23)ではスライドセンサ50が異常であると判定される。したがって以後(t23〜)も、バルブ作用角はイニシャル状態を保持し続ける。このことにより始動と退避走行とが可能となる。
上述した構成において、請求項との関係は、バルブ作用角制御処理(図13)のステップS102,S104が故障診断手段としての処理に、ステップS106,S108がバルブ状態保持手段としての処理に相当する。又、前述したECU4がエンジン2の停止時に実行することで始動時にはバルブ作用角のイニシャル状態が実現されているイニシャル状態化処理が始動時バルブ特性設定手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).スライドセンサ50の異常診断(S104)はバルブ作用角がイニシャル状態にある時に実行される。イニシャル状態はバルブ作用角が最大であるバルブ特性状態に設定されている。この最大バルブ作用角は退避走行可能領域に対応しており、エンジン2の始動と退避走行運転とが可能なバルブ作用角である。
したがってスライドセンサ50の故障により渦巻きカム104の回転によるバルブ作用角の調節が困難な状態であっても、保持制御(S108)により現状のイニシャル状態を保持するのみで、退避走行を可能とすることができる。
このようにして可変動弁機構54に故障が生じた場合における退避走行の確実性を高めることができる。
(ロ).本実施の形態では、前述したごとくに構成した渦巻きカム104を用いている。このため不変作用角領域108aにカムフレーム110を当接した状態を維持しても、渦巻きカム104にはカムフレーム110からの圧力によるトルクは生じない。したがって、バルブ作用角保持処理中は駆動用モータ102への電力供給を停止しておくことができる。このように制御した場合には、故障との判定後に駆動エネルギーを消費させることなく確実に退避走行ができるバルブ特性に保持することが可能となる。
又、本実施の形態にて述べた例では、エンジン運転時の振動によりイニシャル状態からバルブ作用角がずれるのを防止するためにバルブ作用角が大きくなる方向に駆動用モータ102を回転させている。この場合においても駆動用モータ102の駆動力出力は、正常時における出力よりも低レベルの出力で良いので、駆動のためのエネルギーが少なくて済む。
更にこの低レベル出力によりバルブ作用角調節機構56が高速にコントロールシャフト82を移動させることが無い。したがってコントロールシャフト82が終端まで移動したとしても、可変動弁機構54の内部部材やコントロールシャフト82が高速にストッパなどに衝突することが防止されるので、可変動弁機構54の耐久性を高め、衝撃音による運転者への違和感を防止することができる。
(ハ).特にイニシャル状態化処理により停止時にバルブ作用角をイニシャル状態にしているので、少なくとも始動時にはバルブ作用角=イニシャル状態となっている。このことから、始動時には直ちにスライドセンサ50の異常診断ができ、しかも故障であった場合には保持制御のみで直ちに始動して退避走行に移行できる。
このようにして可変動弁機構54に故障が生じた場合における退避走行の確実性を一層高めることができる。
[実施の形態2]
本実施の形態ではアクチュエータである駆動用モータ102の故障の場合にバルブ作用角保持処理を実行するものである。このために前記バルブ作用角制御処理(図13)の代わりに、図15に示すバルブ作用角制御処理及び図16に示す駆動用モータ故障診断処理を実行する。他の構成は前記実施の形態1と同じであるので、図1〜12を参照して説明する。
バルブ作用角制御処理(図15)について説明する。本処理は一定の時間周期で繰り返し実行される処理である。
本処理が開始されると、まずバルブ作用角がイニシャル状態にあるか否かが判定される(S202)。この判定は前記バルブ作用角制御処理(図13)のステップS102で説明したごとくである。すなわちイニシャルフラグ=「ON」であれば(S202で「YES」)、駆動用モータ102の故障診断が今回の始動時において未だ実施されていない状態か否かが判定される(S204)。
ここで駆動用モータ102の故障診断が未実施であれば(S204で「YES」)、駆動用モータ102の故障診断処理の実施が設定される(S206)。この駆動用モータ故障診断処理は図16のフローチャートに示すごとくであり、時間周期で繰り返し実行される処理である。
駆動用モータ故障診断処理(図16)について説明する。まず、バルブ作用角増加側の故障診断結果が正常であったか否かが判定される(S252)。故障診断の開始時であれば、未だ何らの診断結果も出ていないので(S252で「NO」)、次にバルブ作用角増加側故障診断が実施される(S254)。このバルブ作用角増加側故障診断では、まず駆動用モータ102に対して微駆動させるため通常制御時よりも少ない電力供給により、バルブ作用角が大きくなる方へ渦巻きカム104を回転させる処理を行う。この微駆動処理は、実際に駆動用モータ102が正常に駆動して、カムフレーム110の当接位置が不変作用角領域108a上で移動している場合にバルブ作用角調節機構56内のストッパにより移動が阻止されると予定される時間内に行われる。そしてこの微駆動処理の間、ECU4は駆動用モータ102へ流れる電流量を計測する。
もし駆動用モータ102が正常に駆動している時にストッパにより移動が阻止され、駆動用モータ102が強制的に停止されると駆動用モータ102への電流量が増加する。したがって、ECU4はこの電流量増加が上述した予定時間内に生じたか否かを検出し、該当する電流量増加が生じれば駆動用モータ102はバルブ作用角増加側では故障していないとし、生じなければ故障していると診断する。
ステップS254にてバルブ作用角増加側故障診断処理を開始させた後、バルブ作用角増加側故障診断が完了したか否かが判定される(S256)。ここでバルブ作用角増加側の故障診断が完了していなければ(S256で「NO」)、一旦本処理を終了する。
次の制御周期以後、バルブ作用角制御処理(図15)では駆動用モータ故障診断処理における診断が完了するまでは、ステップS202,S204で「YES」と判定されるのでステップS206の処理が繰り返される。そして駆動用モータ故障診断処理(図16)ではステップS252,S256で「NO」と判定されるので、ステップS254の処理が繰り返される。
そして駆動用モータ故障診断処理(図16)において駆動用モータ102のバルブ作用角増加側の故障診断結果が出た場合には(S256で「YES」)、診断結果がバルブ作用角増加側について正常か否かが判定される(S258)。
正常との診断結果であれば(S258で「YES」)、このまま一旦終了し、次の制御周期にてステップS252にて「YES」と判定される。そしてバルブ作用角減少側故障診断が実施される(S260)。このバルブ作用角減少側故障診断では、まず駆動用モータ102に対して微駆動させるため通常制御時よりも少ない電力供給により、バルブ作用角が小さくなる方へ渦巻きカム104を回転させる処理を行う。この場合の微駆動処理は、実際に駆動用モータ102が正常に駆動して、カムフレーム110の当接位置が不変作用角領域108aから実際に渦巻き状に傾斜しているカム面部分に到達してスライドセンサ50の検出値に現れると予定される時間内に行われる。
このことにより駆動用モータ102が正常に駆動すれば、スライドセンサ50の検出値がバルブ作用角の減少を検出する。したがって、ECU4はこの検出値の変化が上記予定時間内に生じたか否かを検出し、変化が生じれば駆動用モータ102はバルブ作用角減少側では故障していないとし、生じなければ故障していると判定する。
ステップS260にてバルブ作用角減少側故障診断処理を開始させた後、バルブ作用角減少側故障診断が完了したか否かが判定される(S262)。ここでバルブ作用角減少側の故障診断が完了していなければ(S262で「NO」)、一旦本処理を終了する。
次の制御周期以後、バルブ作用角制御処理(図15)では駆動用モータ故障診断処理における診断が完了するまでは、ステップS202,S204で「YES」と判定されるのでステップS206の処理が繰り返される。そして駆動用モータ故障診断処理(図16)ではステップS252で「YES」、ステップS262で「NO」と判定されるので、ステップS260の処理が繰り返される。
そして駆動用モータ故障診断処理(図16)において駆動用モータ102のバルブ作用角減少側の故障診断結果が出た場合には(S262で「YES」)、スライドセンサ50の検出値に基づいて、イニシャル状態復帰処理(S263)が実行される。
このイニシャル状態復帰処理は、バルブ作用角をイニシャル状態に確実に戻す処理を実行するものである。直前に行われたバルブ作用角減少側故障診断処理において駆動用モータ102が正常に駆動された場合には渦巻き状カム面108の内で実際に螺旋状にされている部分にカムフレーム110が当接している状態となっている。このためこのまま放置したのでは、始動中にあるいはバルブタイミング調節機構58の故障時のエンジン運転において、次第にバルブ作用角が減少して、始動や退避走行が困難となるおそれがある。このような状況を防止するために、駆動用モータ102をバルブ作用角が大きくなる方向へ駆動してバルブ作用角をイニシャル状態に戻す処理を行っている。尚、バルブ作用角減少側で故障していた場合にはカムフレーム110は不変作用角領域108aから外れていないので、イニシャル状態復帰処理(S263)は実行しなくても良い。しかし、スライドセンサ50によりバルブ作用角の減少が検出されなくても不変作用角領域108aから外れかかっている場合もあるので、確実にバルブ作用角を維持するために必ずイニシャル状態復帰処理(S263)を実行するようにしても良い。
尚、故障診断処理中にエンジン2が始動完了していて、かつ故障であるとの診断がなされていなければ、通常時のバルブ作用角制御処理に移行することになるので、この場合にはイニシャル状態復帰処理(S263)は実行しないようにしても良い。
そしてステップS263の次には故障診断完了設定がなされて(S264)、一旦本処理を終了する。尚、ステップS258にてバルブ作用角増加側で異常であるとの診断が出た場合も(S258で「NO」)、故障診断完了設定(S264)がなされる。
このように駆動用モータ102の診断結果が出たら、バルブ作用角制御処理(図15)では、故障検出処理は実施したと判定されるので(S204で「NO」)、次に診断結果が駆動用モータ102の故障を示しているか否かが判定される(S208)。
ここで駆動用モータ102が故障、すなわちバルブ作用角増加時故障と減少時故障とのいずれかであると診断されていれば(S208で「YES」)、次に異常時におけるバルブ作用角保持処理を実行する(S210)。このバルブ作用角保持処理は前記バルブ作用角制御処理(図13)のステップS108で説明したごとくである。バルブ作用角は既にイニシャル状態にあるので、前述したごとく微駆動を実行しても良いし、駆動用モータ102への電力供給を停止しても良い。
故障の場合、以後の制御周期では、ステップS202で「YES」、ステップS204で「NO」、ステップS208で「YES」と判定されて、ステップS210の処理が継続することになる。
駆動用モータ102は故障でないと診断されていれば(S208で「NO」)、通常運転時のバルブ作用角可変制御処理が実行される(S212)。この通常運転時のバルブ作用角可変制御処理は前記バルブ作用角制御処理(図13)のステップS110にて説明したごとくである。
故障していない場合は、以後のバルブ作用角制御処理(図15)の制御周期では、バルブ作用角がイニシャル状態にある過渡時では、ステップS202で「YES」、ステップS204で「NO」、ステップS208で「NO」と判定されて、ステップS212の処理が行われる。そしてバルブ作用角がイニシャル状態から離れると、以後、ステップS202で「NO」、ステップS208で「NO」と判定されて、ステップS212の処理が継続することになる。
又、ECU4は、前述したごとくバルブタイミング調節機構58が故障した場合にはバルブ作用角=イニシャル位置としてイニシャルフラグ=「ON」にすることがある。このような場合においてもステップS202で「YES」と判定されることで上述したエンジン始動時と同様な処理が行われる。
尚、本実施の形態における制御の一例を図17のタイミングチャートに示す。(A)は駆動用モータ102が故障していない場合、(B)は冷間始動時で駆動用モータ102が故障していない場合、(C)は故障診断にて駆動用モータ102が故障していると判定された場合の例である。それぞれ、スライドセンサ50の異常診断の代わりに駆動用モータ102の故障診断期間(t32〜t33、t42〜t43、t52〜t53)が存在し、この期間が長くなったのみで、処理の流れは図14にて説明したごとくである。
上述した構成において、請求項との関係は、バルブ作用角制御処理(図15)のステップS202,S206及び駆動用モータ故障診断処理(図16)が故障診断手段としての処理に、ステップS208,S210がバルブ状態保持手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(イ).駆動用モータ102の故障に対しても前記実施の形態1の(イ)〜(ハ)にて説明したごとくの効果を生じる。
(ロ).故障診断のために行われる駆動用モータ102の駆動についても、正常時における駆動力出力に比較して低レベルの出力状態にて行われる。このためストッパに衝突しても衝突時の運動量が少なくて済むので、バルブ作用角調節機構56の耐久性を高め、衝撃音による運転者への違和感を防止することができる。
(ハ).故障診断として駆動用モータ102の駆動は、バルブ作用角が大きくなる方への駆動を最初にする。このことによりバルブ作用角が大きくなる方で故障であれば直ちに保持制御することによりバルブ作用角がイニシャル状態に保持されるので、始動や退避走行が可能となる。
そしてバルブ作用角が大きくなる方では故障ではないと判定された場合に初めてバルブ作用角が小さくなる方へ駆動用モータ102を駆動して、バルブ作用角を小さくする場合における駆動用モータ102の故障を判定している。この判定にて故障が判明しても、バルブ作用角が大きくなる方へは駆動できるので直ちにバルブ作用角を大きくしてイニシャル状態あるいはこれ以上のバルブ作用角とすることができる。
このことにより可変動弁機構54に故障が生じた場合における退避走行の確実性を高めることができる。
[実施の形態3]
本実施の形態では前記実施の形態2のシャフトスライド機構100の代わりに、図18に示すごとくウォームギアを備えたシャフトスライド機構300を用いており、スライドセンサ314の故障を検出して対処する点が異なる。尚、前記バルブ作用角制御処理(図13)と同じ流れで処理を実行するが、ウォームギアを備えたシャフトスライド機構300を用いていることにより、後述するごとく処理内容が異なる。他の構成は前記実施の形態1と同じであるので、図1〜8を参照して説明する。
シャフトスライド機構300について説明する。シャフトスライド機構300は、駆動用モータ302にて回転されるウォームギア304とこのウォームギア304にて回転される被駆動ギア306とを備えている。この被駆動ギア306は減速機308の雌ネジ部310と一体に形成されている。雌ネジ部310と螺合している減速機308の雄ネジ部312はコントロールシャフト82の一端に固定されている。このことにより駆動用モータ302が回転するとウォームギア304と被駆動ギア306とを介して雌ネジ部310が回転し、この結果、減速機308の雄ネジ部312がコントロールシャフト82とともに軸方向に移動する。このことにより吸気バルブ2aのバルブ作用角の調節が可能となっている。
コントロールシャフト82の軸方向位置はスライドセンサ314により検出される。スライドセンサ314は、減速機308の雄ネジ部312に固定された検出ロッド314aとシリンダヘッド10側に固定されている検出コイル314bとからなる。ECU4は、検出ロッド314aの先端が挿入されている検出コイル314bからの信号に基づいてコントロールシャフト82のスライド量を測定でき、吸気バルブ2aのバルブ作用角を検出することができる。
このシャフトスライド機構300を用いた場合のウォームギア304の回転角θwとバルブ作用角VLとの関係は図19に示すごとくである。図19では回転角θwの変化に応じて単調にバルブ作用角は変化し、前記実施の形態1の図10で述べたごとくの不変作用角領域は存在しない。
駆動用モータ302の出力トルクとコントロールシャフト82の移動速度との関係を図20に示す。シャフトスライド機構300はウォームギア304を用いているので、駆動用モータ302からトルクが出力されても、出力トルク=0の前後に摩擦によりコントロールシャフト82を移動できない非動作領域が存在する。したがって不変作用角領域が存在しなくても駆動用モータ302の出力トルクを「0」とすることによりバルブ作用角を保持できる。しかも任意のバルブ作用角に保持できる。
このようなシャフトスライド機構300の機能を利用して、ECU4はバルブ作用角制御処理を実行する。尚、処理の内容が異なるが前記図13と同じ流れであるので、前記図13を参照して説明する。
本処理が開始されると、まずバルブ作用角が前述したイニシャル状態にあるか否かが判定される(S102)。ここでエンジン始動時であるとすると、不揮発メモリに記録されているイニシャル状態を示すイニシャルフラグが「ON」か否かを判定する。
尚、本実施の形態では、図19に示すごとくイニシャル状態は最大バルブ作用角VLmaxではなく少し小さい位置にイニシャル状態VLiniが設定されている。
したがってECU4は、イニシャル状態化処理として、エンジン2の停止時にスライドセンサ314の測定値に基づいて駆動用モータ302を制御して、バルブ作用角をイニシャル状態VLiniとする処理を実行している。そしてイニシャル状態VLiniへの移動が完了した場合には不揮発メモリにイニシャル状態を示すイニシャルフラグを「ON」として立てておく。
このため少なくともエンジン始動時には吸気バルブ2aのバルブ作用角はイニシャル状態VLiniとなっている。このイニシャル状態VLiniはバルブオーパラップによる排気再循環率や吸気効率などから適合させたものであり、エンジンの種類により異なるものである。
ここでイニシャルフラグ=「ON」であれば(S102で「YES」)、スライドセンサ314の異常を診断する(S104)。スライドセンサ314は前記実施の形態1にて述べたごとく自己異常診断のために内部に2つのコイルを備えているので、ECU4はこのコイルの出力の比較から故障診断ができる。
次に異常診断処理にてスライドセンサ314が異常であると診断されたか否かが判定される(S106)。異常でない場合には(S106で「NO」)、通常運転時のバルブ作用角可変制御処理が実行される(S110)。すなわちエンジン2の運転状態に基づいて予め実験により定められたマップから負荷率が計算され、この負荷率に基づいて目標バルブ作用角が設定される。そしてこの目標バルブ作用角となるようにスライドセンサ314の検出値に基づいて駆動用モータ302を制御する処理が行われる。
尚、冷間始動時であった場合には、暖機完了まではバルブ作用角をイニシャル状態に維持する処理が優先的に行われる点は前記実施の形態1にて述べたごとくである。
エンジン2の停止中にスライドセンサ314に異常が生じていた場合には(S106で「YES」)、次に異常時におけるバルブ作用角保持処理を実行する(S108)。このバルブ作用角保持処理は、バルブ作用角がイニシャル状態VLiniとされている現状を維持する処理である。すなわち前記ステップS110で述べたごとくの通常運転時のバルブ作用角可変制御処理は実行せずにバルブ作用角をイニシャル状態VLiniに保持する処理である。
シャフトスライド機構300はウォームギア304を用いているので、図20において説明したごとく、駆動用モータ302への電力供給を停止してもイニシャル状態VLiniを保持可能である。したがってバルブ作用角保持処理としては、単に駆動用モータ302に対する通電を停止して駆動力を生じさせないようにすることとしても良い。
ただし、この場合に置いても、退避走行時のエンジン運転による振動により駆動用モータ302に通電されていなくてもウォームギア304と被駆動ギア306との間の相対的トルクが非動作領域を超えてしまうことがある。特に振動によりバルブ作用角を小さくする側にて非動作領域を超えると、被駆動ギア306が回転してバルブ作用角がイニシャル状態VLiniより小さくなるおそれがある。このことを考慮して駆動用モータ302に給電してバルブ作用角が大きくなる方向にトルクを出力させるようにしても良い。すなわち、例えば図20にてFで示した範囲の出力トルクを駆動用モータ302に発生させるようにしても良い。このことにより振動が生じていてもバルブ作用角をイニシャル状態VLiniに一層確実に保持できるようになる。
このようにバルブ作用角がイニシャル状態VLiniに保持されると、吸気バルブ2aのバルブ作用角は始動と退避走行とが可能な状態であるため、エンジン2を始動して、スロットルバルブ26の制御や燃料噴射弁16からの燃料噴射量制御により、運転者は車両を修理工場まで退避走行させることができる。
そしてバルブ作用角保持処理(S108)を実行したことにより、始動後においても、バルブ作用角=イニシャル状態VLiniであり(S102で「YES」)、スライドセンサ314の異常診断(S104)が繰り返される。再度、異常であれば(S106で「YES」)、バルブ作用角保持処理(S108)を継続することになる。又、スライドセンサ314が正常な状態に復帰した場合には、ステップS106にて「NO」と判定されるようになるので、通常運転時のバルブ作用角可変制御処理(S110)が実行されるようになる。このことによりバルブ作用角がイニシャル状態を脱すると、ステップS102では「NO」と判定され、以後、通常運転時のバルブ作用角可変制御処理(S110)が継続する。
又、ECU4は、エンジン運転中においても、バルブタイミング調節機構58が故障した場合には、前記実施の形態1にて述べた理由によりバルブ作用角=イニシャル位置としてイニシャルフラグ=「ON」にすることがある。
このような場合においても、ステップS102にて「YES」と判定されることにより、スライドセンサ314の異常診断が実行される(S104)。したがって、バルブタイミング調節機構58の故障後に、更にスライドセンサ314が異常となれば、その後、バルブタイミング調節機構58が回復しても、スライドセンサ314の異常が継続する限りバルブ作用角保持処理(S108)も継続される。
上述した構成において、請求項との関係は前記実施の形態1にて述べたごとくである。
以上説明した本実施の形態3によれば、以下の効果が得られる。
(イ).シャフトスライド機構300としてはウォームギア304を用いている点、及び退避走行可能領域が最大バルブ作用角ではない点が異なるが、前記実施の形態1の(イ)〜(ハ)の効果を生じる。
尚、エンジン運転時の振動対策のためにバルブ作用角が大きくなる方向に駆動用モータ302からトルクを発生させているが、この場合においても駆動用モータ302の駆動力出力は、正常時における出力よりも低レベルの出力で良いので、トルク発生のためのエネルギーが少なくて済む。更にこの低レベル出力はコントロールシャフト82を移動させることはないので、可変動弁機構54の内部部材やコントロールシャフト82が高速にストッパなどに衝突することが防止される。このため可変動弁機構54の耐久性を高め、衝撃音による運転者への違和感を防止することができる。
(ロ).バルブ作用角のいかなる位置においても図20に示した関係によりイニシャル状態とすることができるので、エンジンの種類によらず適用自由度が高くなる。
[実施の形態4]
本実施の形態では前記図18に示した駆動用モータ302の故障の場合にバルブ作用角保持処理を実行するものである。このために前記バルブ作用角制御処理(図13)の代わりに、前記実施の形態2の図15,16に示した処理を行う。ただし処理の流れについては図15,16で示されている通りであるが、前記図18にて示したシャフトスライド機構300を用いているので処理の内容は異なる。他の構成は前記実施の形態3と同じであるので、図1〜8、18〜20を参照して説明する。
バルブ作用角制御処理(図15)について説明する。本処理は一定の時間周期で繰り返し実行される処理である。
本処理が開始されると、まずバルブ作用角が前述したイニシャル状態にあるか否かが判定される(S202)。この判定は前記実施の形態3において説明したステップS102と同じである。すなわちイニシャルフラグ=「ON」であれば(S202で「YES」)、駆動用モータ302の故障診断が、今回のバルブ作用角=イニシャル状態VLiniとなってから未だ実施されていない状態か否かが判定される(S204)。
ここで駆動用モータ302の故障診断が未実施であれば(S204で「YES」)、駆動用モータ302の故障診断処理の実施が設定される(S206)。この駆動用モータ故障診断処理は前記図16に示す流れで行われる。次に駆動用モータ故障診断処理(図16)について説明する。
まずバルブ作用角増加側の故障診断結果が正常であったか否かが判定される(S252)。故障診断の開始時であれば、未だ何らの診断結果も出ていないので(S252で「NO」)、次にバルブ作用角増加側故障診断が実施される(S254)。このバルブ作用角増加側故障診断では、まずバルブ作用角が大きくなる方へ駆動用モータ302に対して徐々に出力トルクを増加させる処理を行う。駆動用モータ302が正常である場合には、図20に示したごとく出力トルクが非動作領域をプラス側に越えればバルブ作用角が増加する。したがってスライドセンサ314によりバルブ作用角が増加したと確認されるまで、次第に出力トルクを増加させる処理を行う。ただし駆動用モータ302が正常であれば確実にスライドセンサ314の出力が変化する予定時間を越えてもスライドセンサ314によりバルブ作用角が増加したと確認されなければ出力トルクは0に戻される。
したがってECU4はスライドセンサ314により検出されるバルブ作用角の増加が予定時間内に生じたか否かを検出し、バルブ作用角の増加が生じれば駆動用モータ302は故障していないと判定し生じなければ故障していると判定する。
ステップS254にてバルブ作用角増加側故障診断処理を開始させた後、バルブ作用角増加側故障診断が完了したか否かが判定される(S256)。ここでバルブ作用角増加側故障診断が完了していなければ(S256で「NO」)、一旦本処理を終了する。
次の制御周期以後、バルブ作用角制御処理(図15)では駆動用モータ故障診断処理における診断が完了するまでは、ステップS202,S204で「YES」と判定されるのでステップS206の処理が繰り返される。そして駆動用モータ故障診断処理(図16)ではステップS252,S256で「NO」と判定されるので、ステップS254の処理が繰り返される。
そして駆動用モータ故障診断処理(図16)において駆動用モータ302のバルブ作用角増加側の故障診断結果が出た場合には(S256で「YES」)、診断結果がバルブ作用角増加側について正常か否かが判定される(S258)。
正常との診断結果であれば(S258で「YES」)、このまま一旦終了し、次の制御周期にてステップS252にて「YES」と判定される。そしてバルブ作用角減少側故障診断が実施される(S260)。このバルブ作用角減少側故障診断では、まずバルブ作用角が小さくなる方へ駆動用モータ302に対して徐々に出力トルクを増加させる処理を行う。駆動用モータ302が正常である場合には、図20に示したごとく出力トルクが非動作領域をマイナス側に越えればバルブ作用角が減少する。したがってスライドセンサ314によりバルブ作用角が減少したと確認されるまで、次第に出力トルクを増加させる処理を行う。ただし駆動用モータ302が正常であれば確実にスライドセンサ314の出力が変化する予定時間を越えてもスライドセンサ314によりバルブ作用角が減少したと確認されなければ出力トルクは0に戻される。
ステップS260にてバルブ作用角減少側故障診断処理を開始させた後、バルブ作用角減少側故障診断が完了したか否かが判定される(S262)。ここでバルブ作用角減少側故障診断が完了していなければ(S262で「NO」)、一旦本処理を終了する。
次の制御周期以後、バルブ作用角制御処理(図15)では駆動用モータ故障診断処理における診断が完了するまでは、ステップS202,S204で「YES」と判定されるのでステップS206の処理が繰り返される。そして駆動用モータ故障診断処理(図16)ではステップS252で「YES」、ステップS262で「NO」と判定されるので、ステップS260の処理が繰り返される。
そして駆動用モータ故障診断処理(図16)において駆動用モータ302のバルブ作用角減少側の故障診断結果が出た場合には(S262で「YES」)、スライドセンサ314の検出値に基づいて、イニシャル状態復帰処理(S263)が実行される。
このイニシャル状態復帰処理は、バルブ作用角をイニシャル状態に確実に戻す処理を実行するものである。直前に行われたバルブ作用角減少側故障診断処理において駆動用モータ302が正常に駆動された場合には、直前のバルブ作用角増加側故障診断処理でのバルブ作用角変化を相殺して、図19に示したイニシャル状態VLiniにバルブ作用角は戻っているはずである。しかしバルブ作用角増加側故障診断によるバルブ作用角の変化とバルブ作用角減少側故障診断によるバルブ作用角の変化とは同一であるとは限らない。特にバルブ作用角がイニシャル状態VLiniよりも小さい状態にある場合には、このまま放置したのでは、始動が安定してできなくなるおそれがある。このような状況を防止するために、駆動用モータ302によりバルブ作用角をイニシャル状態VLiniに復帰する処理(S263)を行っている。
尚、バルブ作用角減少側で故障していた場合においてはバルブ作用角はイニシャル状態VLiniよりも大きくなっている。この場合もバルブ作用角をイニシャル状態VLiniに復帰するが、バルブ作用角は大きいのでイニシャル状態VLiniに復帰しなくても良い。
ステップS263の次には故障診断完了設定がなされて(S264)、一旦本処理を終了する。尚、ステップS258にてバルブ作用角増加側で異常であるとの診断が出た場合も(S258で「NO」)、故障診断完了設定がなされる(S264)。
このように駆動用モータ302の診断結果が出たら、バルブ作用角制御処理(図15)では、故障検出処理は実施したと判定されるので(S204で「NO」)、次に診断結果が駆動用モータ302の故障を示しているか否かが判定される(S208)。
ここで駆動用モータ302が故障、すなわちバルブ作用角増加時故障と減少時故障とのいずれかであると診断されていれば(S208で「YES」)、次に異常時におけるバルブ作用角保持処理を実行する(S210)。このバルブ作用角保持処理は前記実施の形態3において述べた前記バルブ作用角制御処理(図13)のバルブ作用角保持処理(S108)と同じ処理である。
故障の場合、実際にはバルブ作用角はイニシャル状態VLiniか、イニシャル状態VLiniより大きくなっている。この故障状態では、イニシャルフラグ=「ON」のままとされるので、以後の制御周期では、ステップS202で「YES」、ステップS204で「NO」、ステップS208で「YES」と判定されて、ステップS210の処理が継続することになる。
駆動用モータ302は故障でないと診断されていれば(S208で「NO」)、通常運転時のバルブ作用角可変制御処理が実行される(S212)。この通常運転時のバルブ作用角可変制御処理は前記実施の形態3において述べた前記バルブ作用角制御処理(図13)のステップS110にて説明したごとくである。
故障していない場合は、イニシャルフラグ=「OFF」とされるので、以後のバルブ作用角制御処理(図15)の制御周期では、ステップS202で「NO」、ステップS208で「NO」と判定されて、ステップS212の処理が継続することになる。
又、ECU4は、前述したごとくバルブタイミング調節機構58が故障した場合にはバルブ作用角=イニシャル位置としてイニシャルフラグ=「ON」にすることがある。このような場合においてもステップS202で「YES」と判定されることで上述したエンジン始動時と同様な処理が行われる。
上述した構成において、請求項との関係は、バルブ作用角制御処理(図15)のステップS202,S206及び駆動用モータ故障診断処理(図16)が故障診断手段としての処理に、ステップS208,S210がバルブ状態保持手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態4によれば、以下の効果が得られる。
(イ).駆動用モータ302の故障に対しても前記実施の形態3の(イ)、(ロ)にて説明したごとくの効果を生じる。
[その他の実施の形態]
(a).前記実施の形態において、バルブ作用角の最小値は「0」であったが、バルブ作用角の最小値としては、或る程度、吸気バルブ2aが開くようなバルブ作用角としても良い。この場合に置いても、始動に適切なバルブ作用角は更に大きい値であるので、本発明によりセンサやアクチュエータの故障時に始動や退避走行できなくなることを防止できる。
(b).前記実施の形態においてバルブ作用角を検出するのにスライドセンサ50,314を用いたが、駆動用モータ102,302、渦巻きカム104あるいは減速機308の回転位相を検出する回転角センサにて、バルブ作用角を検出するようにしても良い。
(c).前記実施の形態4では、駆動用モータ302の故障診断において初めにバルブ作用角増加側故障診断(図16:S254)を実行し、バルブ作用角増加側で故障でなければ次にバルブ作用角減少側故障診断(図16:S260)を実行していた。この代わりに初めにバルブ作用角減少側故障診断を実行し、バルブ作用角減少側で故障でなければ次にバルブ作用角増加側故障診断を実行しても良い。この場合には、イニシャル状態は少しバルブ作用角を大きくする。具体的にはイニシャル状態は、エンジン始動も含めた退避走行可能なバルブ作用角の下限よりも大きいバルブ作用角に設定する。
このことにより最初にバルブ作用角減少側故障診断を実行して、次にバルブ作用角増加側故障診断を実行した時に故障であれば、イニシャル状態よりもバルブ作用角は小さくなっていて、これ以上バルブ作用角は大きくできない。しかし、この状態のバルブ作用角は退避走行が可能であるので、保持制御を実行しても始動及び退避走行は可能となる。
(d).前記実施の形態においては、コントロールシャフトの軸方向移動により仲介駆動機構がバルブ作用角及びバルブリフト量を調節するタイプであったが、仲介駆動機構を設けなくても図21,22に示すごとく構成することでバルブ作用角及びバルブリフト量を調節しても良い。すなわち吸気カム464aを3次元カムとし、吸気カムシャフト464にコントロールシャフトを兼ねさせて軸方向に移動しても良い。ここでは、吸気カムシャフト464の端部にはストレートスプライン464bが設けられて、このストレートスプライン464bによりバルブタイミング調節機構58内部にて短円筒状のケーシングとの位相差が調節可能なベーンに係合している。したがってベーンが短円筒状のケーシング内で軸方向移動が不能でも、吸気カムシャフト464は軸方向に移動可能となる。
ここでシャフトスライド機構100は前記実施の形態1にて説明したごとくである。ただしカムフレーム110は転がり軸受部466を介して吸気カムシャフト464に接続されている。このことにより、バルブタイミング調節機構58を介してクランクシャフトの回転に連動している吸気カムシャフト464に対して、カムフレーム110は回転することなく吸気カムシャフト464を軸方向に移動できる。
そして図22の(A)に示すごとく渦巻きカム104の位相が最小バルブ作用角である状態では、吸気カムシャフト464はL方向の限界位置に存在する。したがって吸気バルブ2aは吸気カム464aの低バルブ作用角側に接触して駆動され、バルブ作用角及びバルブリフト量は最も小さいものとなる。
図22の(A)の状態からモータ駆動により渦巻きカム104を回転させると、吸気カムシャフト464はH方向に移動する。このことにより吸気バルブ2aは吸気カム464aの低バルブ作用角側から離れた位置に接触するようになり、バルブ作用角及びバルブリフト量は次第に大きくなる。
そして図22の(B)に示すごとく渦巻きカム104の位相が最大バルブ作用角の状態となると、吸気カムシャフト464はH方向の限界位置となる。したがって吸気バルブ2aは吸気カム464aの高バルブ作用角側に接触して駆動され、バルブ作用角及びバルブリフト量は最も大きいものとなる。
このようにして前記図8に示したごとくの吸気バルブ2aのバルブ作用角及びバルブリフト量の調節が可能となり、実施の形態1,2のごとく故障診断や保持制御が可能となる。
尚、シャフトスライド機構100の代わりに、図18に示したウォームギア利用のシャフトスライド機構300を用いても良い。このことにより実施の形態3,4のごとく故障診断や保持制御が可能となる。
(e).前記実施の形態では、図8に示したごとくバルブ作用角調節機構によりバルブ作用角とバルブリフト量とが同時に調節されていたが、バルブ作用角のみが調節されるバルブ作用角調節機構であっても良く、又、バルブリフト量のみが調節されるバルブリフト量調節機構であっても良い。
(f).前記実施の形態においては、吸気バルブ2aについてのバルブ作用角及びバルブリフト量の制御例であったが、排気バルブ2bのバルブ作用角又はバルブリフト量を可変とする場合にも適用できる。
(g).前記実施の形態では電動の駆動用モータ102,302を用いたが、油圧式アクチュエータを用いて、油圧にて渦巻きカム104や被駆動ギア306を回転してコントロールシャフト82を軸方向に移動させても良い。
(h).前記実施の形態3,4ではエンジン始動時のイニシャル状態VLiniと、センサやアクチュエータ故障時に設定する退避走行可能領域とは一致していたが、一致させなくても良い。例えば、退避走行可能領域はイニシャル状態よりも最大バルブ作用角に近づけて設定しても良い。
実施の形態のエンジン及びECUの概略構成図。 上記エンジンの可変動弁系の縦断面図。 上記可変動弁系の仲介駆動機構の斜視図。 上記仲介駆動機構の水平破断斜視図。 上記仲介駆動機構の水平及び垂直破断斜視図。 上記仲介駆動機構のバルブ作用角・バルブリフト量最小時の駆動説明図。 上記仲介駆動機構のバルブ作用角・バルブリフト量最大時の駆動説明図。 上記仲介駆動機構によるバルブ作用角・バルブリフト量変化を説明するグラフ。 実施の形態1,2のシャフトスライド機構の構成説明図。 上記渦巻きカムの回転角θvとバルブ作用角VLとの関係を示すグラフ。 上記渦巻きカムの回転角θvとバルブ作用角保持に必要な駆動用モータの出力トルクとの関係を示すグラフ。 上記シャフトスライド機構によるバルブリフト量調節の説明図。 実施の形態1,3のバルブ作用角制御処理のフローチャート。 実施の形態1における処理の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態2,4のバルブ作用角制御処理のフローチャート。 実施の形態2,4のバルブ作用角制御処理にて行われる駆動用モータ故障診断処理のフローチャート。 実施の形態2における処理の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態3,4にて用いられるウォームギア利用のシャフトスライド機構の構成説明図。 上記ウォームギアにより回転される被駆動ギアの回転角θwとバルブ作用角VLとの関係を示すグラフ。 上記ウォームギア利用のシャフトスライド機構におけるモータ出力トルクとコントロールシャフト速度との関係を示すグラフ。 他のエンジンの可変動弁系の例を示す斜視図。 他のエンジンの可変動弁系の駆動状態の説明図。
符号の説明
2…エンジン、2a…吸気バルブ、2b…排気バルブ、4…ECU、6…ピストン、6a…クランクシャフト、8…シリンダブロック、10…シリンダヘッド、12…燃焼室、14…点火プラグ、16…燃料噴射弁、18…吸気ポート、20…吸気通路、22…サージタンク、24…スロットルバルブ用モータ、26…スロットルバルブ、28…スロットル開度センサ、30…吸入空気量センサ、32…吸気温センサ、34…排気ポート、36…排気通路、38…排気浄化用触媒コンバータ、40…空燃比センサ、42…アクセルペダル、44…アクセル開度センサ、46…エンジン回転数センサ、48…基準クランク角センサ、50…スライドセンサ、50a…検出ロッド、50b…検出コイル、52…冷却水温センサ、54…可変動弁機構、56…バルブ作用角調節機構、58…バルブタイミング調節機構、60…仲介駆動機構、62…ローラロッカーアーム、62a…ロッカーローラ、64…吸気カムシャフト、64a…吸気カム、66…入力部、66a…ハウジング、66b…ヘリカルスプライン、66c,66d…アーム、66e…シャフト、66f…ローラ、66g…スプリング、68…第1揺動カム、68a…ハウジング、68b…ヘリカルスプライン、68c…軸受部、68d…ノーズ、68e…カム面、70…第2揺動カム、70a…ハウジング、70b…ヘリカルスプライン、70c…軸受部、70d…ノーズ、70e…カム面、72…スライダギア、72a…入力用ヘリカルスプライン、72b…小径部、72c…第1出力用ヘリカルスプライン、72d…小径部、72e…第2出力用ヘリカルスプライン、72f…貫通孔、72g…周溝、72h…ピン挿入孔、80…支持パイプ、80a…長孔、82…コントロールシャフト、82a…コントロールピン、82b…支持穴、100…シャフトスライド機構、102…駆動用モータ、104…渦巻きカム、104a…カム軸、108…渦巻き状カム面、108a…不変作用角領域、110…カムフレーム、110a…内周面、300…シャフトスライド機構、302…駆動用モータ、304…ウォームギア、306…被駆動ギア、308…減速機、310…雌ネジ部、312…雄ネジ部、314…スライドセンサ、314a…検出ロッド、314b…検出コイル、464…吸気カムシャフト、464a…吸気カム、464b…ストレートスプライン、466…軸受部。

Claims (15)

  1. 内燃機関のバルブリフト量とバルブ作用角との一方又は両方のバルブ特性を調節する可変動弁機構に対する故障診断装置であって、
    前記可変動弁機構によるバルブ特性の調節範囲内に設定された退避走行可能領域にバルブ特性が存在すると判断された時に前記可変動弁機構の故障診断を実行する故障診断手段と、
    前記故障診断手段にて前記可変動弁機構が故障であると診断された場合に、バルブ特性を、前記退避走行可能領域に在る状態で保持する保持制御、あるいは前記退避走行可能領域よりも大きい状態で保持する保持制御を実行するバルブ状態保持手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構故障診断装置。
  2. 請求項1において、前記可変動弁機構は、内燃機関のバルブリフト量とバルブ作用角との一方又は両方のバルブ特性を調節するコントロールシャフトをコントロールシャフト位置調節機構を介してアクチュエータにより駆動するとともに、前記コントロールシャフトによるバルブ特性をセンサにより検出し、該センサの検出値に基づいて前記アクチュエータが制御されることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構故障診断装置。
  3. 請求項2において、前記故障診断手段は前記センサの故障を判定することを特徴とする内燃機関の可変動弁機構故障診断装置。
  4. 請求項2において、前記故障診断手段は前記アクチュエータの故障を判定することを特徴とする内燃機関の可変動弁機構故障診断装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記コントロールシャフト位置調節機構は、少なくとも前記退避走行可能領域にバルブ特性が存在する状態では前記アクチュエータの駆動力に寄らずにバルブ特性を保持可能であり、前記バルブ状態保持手段は、前記アクチュエータへの駆動力供給源からの駆動力出力を停止することにより、前記保持制御を実行することを特徴とする内燃機関の可変動弁機構故障診断装置。
  6. 請求項3において、前記バルブ状態保持手段は、前記アクチュエータへの駆動力供給源からの駆動力出力を、バルブ特性が大きくなる方向とし、かつ正常時における駆動力出力よりも低レベルの出力状態に切り替えることにより、前記保持制御を実行することを特徴とする内燃機関の可変動弁機構故障診断装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかにおいて、前記可変動弁機構は、前記コントロールシャフト位置調節機構として渦巻きカムを備え、該渦巻きカムを前記アクチュエータにより回転させることで、前記コントロールシャフトを軸方向に移動させることにより内燃機関のバルブ特性を調節する機構であり、前記退避走行可能領域はバルブ特性が最大となる調節状態に設定され、前記渦巻きカムは前記退避走行可能領域に対応するカム面にカム回転軸を軸とする円弧面を有することを特徴とする内燃機関の可変動弁機構故障診断装置。
  8. 請求項1〜6のいずれかにおいて、前記可変動弁機構は、前記コントロールシャフト位置調節機構としてウォームギアを備え、該ウォームギアを前記アクチュエータにより回転させて被駆動ギアを回転させることで、前記コントロールシャフトを軸方向に移動させることにより内燃機関のバルブ特性を調節する機構であることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構故障診断装置。
  9. 請求項4において、前記可変動弁機構は、前記コントロールシャフト位置調節機構として渦巻きカムを備え、該渦巻きカムを前記アクチュエータにより回転させることで、前記コントロールシャフトを軸方向に移動させることにより内燃機関のバルブ特性を調節する機構であり、前記退避走行可能領域はバルブ特性が最大となる調節状態に設定され、前記渦巻きカムは前記退避走行可能領域に対応するカム面にカム回転軸を軸とする円弧面を有するとともに、
    前記故障診断手段は、バルブ特性が大きくなる方へ前記アクチュエータを駆動することにより、前記アクチュエータの故障を判定することを特徴とする内燃機関の可変動弁機構故障診断装置。
  10. 請求項4において、前記可変動弁機構は、前記コントロールシャフト位置調節機構としてウォームギアを備え、該ウォームギアを前記アクチュエータにより回転させて被駆動ギアを回転させることで、前記コントロールシャフトを軸方向に移動させることにより内燃機関のバルブ特性を調節する機構であり、
    前記故障診断手段は、バルブ特性が大きくなる方へ前記アクチュエータを駆動することにより、前記アクチュエータの故障を判定することを特徴とする内燃機関の可変動弁機構故障診断装置。
  11. 請求項9又は10において、前記故障診断手段は、内燃機関の通常制御時における駆動力出力よりも低レベルの出力状態にて、バルブ特性が大きくなる方への前記アクチュエータの駆動を行うことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構故障診断装置。
  12. 請求項4、9、10、11のいずれかにおいて、前記故障診断手段は、バルブ特性が大きくなる方への前記アクチュエータの駆動が正常であった場合に、バルブ特性が小さくなる方へ前記アクチュエータを駆動することにより、バルブ特性を小さくする場合における前記アクチュエータの故障を判定することを特徴とする内燃機関の可変動弁機構故障診断装置。
  13. 請求項2において、前記可変動弁機構は、前記コントロールシャフト位置調節機構としてウォームギアを備え、該ウォームギアを前記アクチュエータにより回転させて被駆動ギアを回転させることで、前記コントロールシャフトを軸方向に移動させることにより内燃機関のバルブ特性を調節する機構であり、前記退避走行可能領域は退避走行可能なバルブ特性の調節位置の下限よりも大きい領域に設定されるとともに、
    前記故障診断手段は、バルブ特性が小さくなる方へ前記アクチュエータを駆動することにより、前記アクチュエータの故障を判定することを特徴とする内燃機関の可変動弁機構故障診断装置。
  14. 請求項13において、前記故障診断手段は、バルブ特性が小さくなる方への前記アクチュエータの駆動が正常であった場合に、バルブ特性が大きくなる方へ前記アクチュエータを駆動することにより、バルブ特性を大きくする場合における前記アクチュエータの故障を判定することを特徴とする内燃機関の可変動弁機構故障診断装置。
  15. 請求項1〜14のいずれかにおいて、内燃機関の停止時に、バルブ特性を、始動するために設定されたイニシャル状態となるように前記アクチュエータを駆動する始動時バルブ特性設定手段を備えるとともに、前記イニシャル状態は前記退避走行可能領域に設定されていることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構故障診断装置。
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