JP4074300B2 - 出隅部施工構造及び出隅柱 - Google Patents
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Description
しかし、この場合、雨樋が外壁面の意匠外観を分断してしまい、建物全体としての外観意匠性を低下させてしまうおそれがある。
この意匠外観分断の効果をなるべく生じにくくするために、鉛直方向の雨樋(竪樋)については出隅部付近に配設されることが多いが、意匠外観を損ねる要因となることには変わりない。
該出隅部施工構造9によれば、建物の上記出隅柱90の内側の空間80に雨樋8が挿通されるので、上記雨樋8が外部に露出することがなく、建物の外観意匠が上記雨樋8によって分断されることを防ぐことができる。また、出隅柱90は、外壁板93と同質であるため、出隅部900での外観に統一感を持たせることができ、外観意匠性に優れた出隅部施工構造9を得ることができる。
また、上記出隅柱90の左右の端部に形成された下実91付近において釘94を打つことにより、上記出隅柱90は構造躯体92に固定される。そのため、釘94の頭部が目立って外観意匠性の低いものとなってしまう。また、雨樋8は円形断面であり、この断面積を大きくすると、出隅柱90の出幅が大きくなってしまう。そのため、雨樋8の断面積は小さいものとせざるを得ず、充分な排水能力を有する出隅部施工構造を得ることが困難となるおそれがある。
建物の構造躯体と、
該構造躯体の出隅部に固定されると共に側方へ開口した一対のソケット部を有するコーナー部材と、
該コーナー部材の上記一対のソケット部にそれぞれの側端部を嵌入させた状態で、上記構造躯体の前面に外壁留め付け金具によって留め付けられた左右一対の外壁板と、
該一対の外壁板の上記側端部及び上記構造躯体の出隅部を前方から覆うように配置され、上記構造躯体に出隅留め付け金具によって留め付けられた上記出隅柱と、
該出隅柱と上記構造躯体との間において、上下方向に連続形成された雨樋とを有し、
上記出隅柱は、互いに角度を持って接合されると共に鉛直方向に立設された左右一対の前面板部と、該一対の前面板部の左右端において後方へ向かって突出するように接合されると共に鉛直方向に立設された一対の側面板部とを有し、
上記出隅柱は、上記側面板部を上記外壁板の前面に当接させた状態で配設されていることを特徴とする出隅部施工構造にある(請求項1)。
上記外壁板は、上記コーナー部材の上記一対のソケット部にそれぞれの上記側端部を嵌入させた状態で、上記構造躯体の前面に外壁留め付け金具によって留め付けられている。したがって、上記外壁板と上記出隅柱との間において、例えば、合決り接合等の接合を行なう必要がないため、上記出隅部施工構造を容易に構築することができる。
また、上記出隅柱は、一対の外壁板の上記側端部及び上記構造躯体の出隅部を前方から覆うように配置されている。これにより、上記コーナー部材及び上記構造躯体の出隅部を外部に露出することを防ぐことができるため、外観意匠性に優れた上記出隅部施工構造を得ることができる。
また、上記出隅柱は、上記構造躯体に出隅留め付け金具によって留め付けられている。そのため、上記出隅柱を容易かつ確実に上記構造躯体に留め付けつけることができる。
互いに角度をもって接合されると共に鉛直方向に立設された左右一対の前面板部と、
該一対の前面板部の左右端において後方へ向かって突出するように接合されると共に鉛直方向に立設された一対の側面板部と、
上辺部に設けた上部下実と、
下辺部に設けた下部上実とを有することを特徴とする出隅柱にある(請求項6)。
また、上記側面板部が上記前面板部より後方へ向かって突出しているため、上記出隅柱の内側に、大きな空間を形成することができる。そのため、充分な断面積を有する雨樋を配設することができるため、排水能力に優れた出隅部施工構造を得ることができる。
本発明においては、上記外壁板に対して、構造躯体側を後方、その反対側を前方として説明する。
また、上記出隅柱等の各部材については、上記出隅部施工構造を施工した状態において、上、下、右、左となる向きを、それぞれ、上、下、右、左として表す。
また、上記外壁板と上記構造躯体との間には、防水紙等を配設することができる。
また、上記コーナー部材は、一体品として形成されていることが施工性等の観点から好ましい。ただし、2つの上記ソケット部の間で分離されていてもよい。
この場合には、上記外壁板と上記構造躯体との間に充分な通気層を形成することができ、上記外壁板や上記構造躯体の耐久性を向上させることができる。
この場合には、上記出隅部施工構造を容易に構築することができると共に、上記出隅柱の留め付け強度を充分に確保し、かつ外観意匠性に優れた上記出隅部施工構造を得ることができる。
この場合には、上述した本発明の効果を充分に発揮することができると共に、より一層充分な強度を有する上記出隅部施工構造を得ることができる。
この場合には、上記出隅柱と上記外壁板との外観上の融合を図ることができる。即ち、上記出隅部によって外壁意匠面を外観上分断するという不具合を回避することができるため、上記出隅部施工構造の外観意匠性をより一層向上させることができる。
この場合には、上記出隅柱の外観意匠性をより一層向上させることができる。
本例の出隅部施工構造1は、図1に示すごとく、建物の出隅部100に出隅柱10を配設してなる。
そして、出隅部施工構造1は、建物の構造躯体2と、該構造躯体2の出隅部に固定されると共に側方へ開口した一対のソケット部40を有するコーナー部材4とを有する。
該雨樋5は、図1、図9に示すごとく、断面略L字形状の前方屈曲面部51及び後方屈曲面部52と、2つの側面部53とを有する。そして、これら前方屈曲面部51と後方屈曲面部52と側面部53との間に断面略L字状の中空部50が形成されている。この中空部50を雨水が流下する。そして、図1に示すごとく、前方屈曲面部51は、出隅柱10の裏側面16に当接し、後方屈曲面部52は、下地材6と対向して配置される。
また、図1に示すごとく、出隅柱10は、側面板部14を外壁板3の前面に当接させた状態で配設されている。
また、側面板部14は、前面板部13に対して直角に接合されている。
また、出隅柱10は、図2〜図6に示すごとく、上辺部に設けた上部下実11と下辺部に設けた下部上実12とを有し、複数の出隅柱10が上部下実11と下部上実12とにより上下合決り接合された状態で上下多段に配設されている。
また、上部下実11及び下部上実12は、図3〜図6、図13に示すごとく、出隅柱10における前面板部13及び側面板部14の双方に形成されている。
図1に示すごとく、構造躯体2と下地材6との間には防水紙60が貼られている。
また、出隅柱10と外壁板3とは、同等の上下幅を有し、互いに同質の窯業系材料からなり、意匠面15の同位置に同等の横目地部が形成されている。
そして、コーキング材110は、上側に配される出隅柱10の下部上実12の背面部によって前方から押圧されことにより、上下合決り部分からの雨水の浸入を防いでいる。
出隅留め付け金具7は、図2、図7、図8に示すごとく、出隅留め付け金具7の前後幅を確保するための嵩上げ部73と、該嵩上げ部73に固定された基板部70と、該基板部70から前方へ突出すると共に上方に屈曲した上板係止部72と、下方に屈曲した下板係止部71とを有する。
また、ビス700のねじ込みの際に、頭部710が傾斜凸部77に当接して、該傾斜凸部77を下側に押圧することにより、出隅留め付け金具7全体を下側に押圧し、下側の出隅柱10を確実に固定することができる。
外壁板3は、コーナー部材4の一対のソケット部40にそれぞれの側端部30を嵌入させた状態で、構造躯体2の前面に外壁留め付け金具300によって留め付けられている。したがって、外壁板3と出隅柱10との間において、例えば、合決り接合等の接合を行なう必要がないため、寸法調整がスムーズに行なえ、出隅部施工構造1を容易に構築することができる。
また、出隅柱10は、一対の外壁板3の側端部30及び構造躯体2の出隅部を前方から覆うように配置されている。これにより、コーナー部材4及び構造躯体2の出隅部を外部に露出することを防ぐことができるため、外観意匠性に優れた出隅部施工構造1を得ることができる。
また、コーナー部材4は、構造躯体2に固定された下地材6に対して固定されている。これにより、外壁板3と構造躯体2との間に充分な通気層を形成することができ、外壁板3や構造躯体2の耐久性を向上させることができる。
また、出隅留め付け金具300を用いて、出隅部施工構造1を容易に構築することができると共に、出隅柱10の留め付け強度を充分に確保し、外観意匠性に優れた出隅部施工構造1を得ることができる。
出隅柱10と外壁板3とは、互いに同質の窯業系材料からなる。これにより、出隅柱10と外壁板3との外観上の融合を図ることができる。更に、雨樋5が出隅部100の内側に収容されているので、雨樋による外観意匠性の低下を防ぐことができるため、出隅部100のみならず、建物全体としての外観意匠性をより一層向上させることができる。
10 出隅柱
13 前面板部
14 側面板部
100 出隅部
2 構造躯体
3 外壁板
30 側端部
300 外壁留め付け金具
4 コーナー部材
40 ソケット部
5 雨樋
7 出隅留め付け金具
Claims (4)
- 建物の出隅部に出隅柱を配設してなる出隅部施工構造であって、
建物の構造躯体と、
該構造躯体の出隅部に固定された下地材に対して固定されると共に側方へ開口した一対のソケット部を有するコーナー部材と、
該コーナー部材の上記一対のソケット部にそれぞれの側端部を嵌入させた状態で、上記構造躯体の前面に外壁留め付け金具によって留め付けられた左右一対の外壁板と、
該一対の外壁板の上記側端部及び上記構造躯体の出隅部を前方から覆うように配置され、上記構造躯体に出隅留め付け金具によって留め付けられた上記出隅柱と、
該出隅柱と上記構造躯体との間において、上下方向に連続形成された雨樋とを有し、
上記出隅柱は、互いに角度を持って接合されると共に鉛直方向に立設された左右一対の前面板部と、該一対の前面板部の左右端において後方へ向かって突出するように接合されると共に鉛直方向に立設された一対の側面板部とを有し、更に該前面板部及び該側面板部の双方には、上辺部に設けた上部下実と下辺部に設けた下部上実とを有していて、
上記出隅柱は、上記側面板部を上記外壁板の前面に当接させた状態で上記上部下実と上記下部上実とにより上下合決り接合された状態で複数配設されていることを特徴とする出隅部施工構造。 - 請求項1において、上記出隅柱と上記外壁板とは、互いに同質の窯業系材料からなることを特徴とする出隅部施工構造。
- 建物の構造躯体と、
該構造躯体の出隅部に固定された下地材に対して固定されると共に側方へ開口した一対のソケット部を有するコーナー部材と、
該コーナー部材の上記一対のソケット部にそれぞれの側端部を嵌入させた状態で、上記構造躯体の前面に外壁留め付け金具によって留め付けられた左右一対の外壁板と、
該一対の外壁材の上記側端部及び上記構造躯体の出隅部を前方から覆うように配置され、上記構造躯体との間において、上下方向に連続形成された雨樋とを有していて、
上記外壁板の前面に当接させた状態で配設されていることを特徴とする出隅部施工構造に使用される上記建物の構造躯体に出隅留め付け金具によって留め付けられる出隅柱であって、
互いに角度をもって接合されると共に、鉛直方向に立設された左右一対の前面板部と、該一対の前面板部の左右端において後方へ向かって突出するように接合されると共に鉛直方向に立設された一対の側面板部と、
上辺部に設けた上部下実と、
下辺部に設けた下部上実とを有し、更に該上部下実及び該下部上実は、上記出隅柱における上記前面板部および上記側面板部の双方に形成されていて、
上記側面板部は、上記出隅柱と建物の構造躯体との間に雨樋を配設する空間を有するように突出していることを特徴とする出隅柱 - 請求項3において、上記出隅柱は窯業系材料からなることを特徴とする出隅柱。
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